JP3588356B1 - ハイブリッド車両の動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速走行中にエンジンが非作動状態になってもモータの回転速度が過剰に高速になるのを簡単な構成で防止することができるハイブリッド車両の動力伝達装置を提供する。
【解決手段】エンジン1から動力分配器4を経由して動力出力軸11に至る第1回転伝達系の減速比とエンジン1から動力分配器5を経由して動力出力軸11に至る第2回転伝達系の減速比とが異なるように構成されている動力伝達装置3において、車両の変速走行中にエンジン1が非作動状態になったとき、低減速比側の第2回転伝達系の動力分配器5に接続されたモータ7の回転軸7aの回転方向が変速走行中に逆方向に変化するのを回転規制手段12(ワンウェイクラッチ23)により阻止する。これにより高減速比側の第1回転伝達系の動力分配器4に接続されたモータ6の回転速度が過剰に高速になるのを防止する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンとモータと動力分配器とを備えるハイブリッド車両の動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンとモータ(電動モータ)と動力分配器とを備えるハイブリッド車両の動力伝達装置としては、例えば特開平11−301291号公報(特許文献1)に見られるものが知られている。このハイブリッド車両は、エンジンと、2つのモータと、2つの遊星歯車装置からなる動力分配器(差動歯車装置)とを備え、エンジンの回転駆動力が各動力分配器の入力軸にギヤを介して分配入力されるようになっている。また、各動力分配器の2つの出力軸のうちの一方は、それぞれ上記2つのモータのうちの各別のモータに連結されて、該モータから駆動トルク(力行トルク)又は回生トルクが付与されるようになっている。そして、車両の駆動輪に連接された1つの動力出力軸に、各動力分配器の他方の出力軸から並列的に回転駆動力が伝達されるようになっている。さらに、エンジンから一方の遊星歯車装置を経由して動力出力軸に至る回転伝達系の減速比と、他方の遊星歯車装置を経由して動力出力軸に至る回転伝達系の減速比とは互いに異なるものとされている。なお、上記各回転伝達系の減速比はより詳しくは、該回転伝達系の動力分配器の2つの出力軸のうちの、モータに連結された出力軸の回転速度を0としたときの減速比(入力回転数を出力回転数で除算したもの)である。以下の従来技術の説明では、上記各回転伝達系の減速比のうち、大きい方の減速比を高減速比、小さい方の減速比を低減速比という。
【0003】
このように構成されたハイブリッド車両の動力伝達装置では、一方のモータを駆動状態(力行状態)とすると共に、他方のモータを回生状態(発電状態)とし、それらのモータの消費電力および発電電力がほぼ等しくなるようにすると、定常状態(車速がほぼ一定の状態)では、エンジンの回転速度ωeおよびトルクTeと、動力出力軸の回転速度ωvおよびトルクTvとの間には、Tv=(ωe/ωv)・Teという関係が成立する。また、このとき、エンジンから動力出力軸への減速比(ωe/ωv)は、各モータのトルクを制御することで、前記低減速比と高減速比との間で任意の値に変更できる。
【0004】
従って、エンジンを車両の推進源として走行する場合に、両モータのトルクを制御することで、エンジンから動力出力軸への減速比(変速比)を連続的に変化させることができ、エンジンと動力出力軸との間にCVT等の無段変速装置を備えた場合と同等の機能を発揮することができる。つまり、CVT等の無段変速装置を備えることなく、エンジンと動力出力軸との間の変速を行いながら、エンジンの出力により車両を走行させることができる。以下、この変速走行をCVT走行ということがある。
【0005】
ところで、前記特許文献1のハイブリッド車両では、上記CVT走行中に、何らかの原因でエンジンが非作動状態になる(エンジンが出力を発生しない状態)になると、エンジンの回転数は0まで低下する。そして、このとき、特に高減速比側のモータの回転軸の回転速度は大きい減速比と車速との積に比例するものとなるので、特に高車速域では、該モータの回転軸の回転速度が高速となる。従って、高減速比側のモータは、CVT走行中の常用回転速度域よりも高速回転に対する耐久性が要求される。また、エンジンが非作動状態になったときに、上記の如く高減速比側のモータの回転軸の回転速度が高速回転になることから、該モータの駆動回路(モータドライバ回路)もその通電容量をCVT走行中の常用域よりもの十分に大きい容量に確保しておかなければならない。その結果、該モータやその駆動回路の構成が大型化しやすく、ひいては動力伝達装置の小型化を図る妨げとなっていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−301291号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、変速走行(CVT走行)中にエンジンが非作動状態になってもモータの回転速度が過剰に高速になるのを簡単な構成で防止することができ、ひいては、動力伝達装置の小型化を図ることができるハイブリッド車両の動力伝達装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のハイブリッド車両の動力伝達装置の第1発明は、エンジンの回転駆動力がそれぞれ入力軸に伝達される第1及び第2動力分配器と、前記第1動力分配器の2つの出力軸のうちの第1出力軸と前記第2動力分配器の2つの出力軸のうちの第1出力軸とから回転駆動力が伝達され、その伝達された回転駆動力を車両の駆動輪に出力する動力出力軸と、前記第1動力分配器の第2出力軸に駆動トルク又は回生トルクを付与する第1モータと、前記第2動力分配器の第2出力軸に駆動トルク又は回生トルクを付与する第2モータとを備え、前記エンジンから前記第1動力分配器を介して前記動力出力軸に至る回転伝達系と前記エンジンから前記第2動力分配器を介して前記動力出力軸に至る回転伝達系とがそれぞれの減速比が互いに異なる値になるように構成されたハイブリッド車両の動力伝達装置において、前記第1モータおよび第2モータのうち、前記減速比が小さい側の回転伝達系の動力分配器の第2出力軸にトルクを付与する低減速比側モータの回転軸の回転を阻止する制動状態と該回転軸を回転自在とする開放状態とに動作可能な回転規制手段を備え、前記両回転伝達系の減速比の間の減速比でエンジンと動力出力軸との間の変速を行いつつ該エンジンの出力により車両の走行を行う変速走行中に、前記エンジンが非作動状態になった場合に、前記回転規制手段を制動状態に動作させて前記低減速比側モータの回転軸の回転を阻止するようにしたことを特徴とする。なお、エンジンの非作動状態は、エンジンの燃料供給の不調などによってエンジンが出力を発生できない状態である。
【0009】
かかる第1発明では、前記変速走行中にエンジンが非作動状態になると、第1および第2モータのうち、減速比が小さい側の回転伝達系の動力分配器の第2出力軸にトルクを付与する低減速比側モータの回転軸の回転が回転規制手段により阻止される。このため、エンジンの回転数(エンジンの出力軸の回転速度)が車速に応じた回転数までしか低下しないようになる。その結果、減速比が大きい側の回転伝達系の動力分配器の第2出力軸にトルクを付与するモータ(高減速比側モータ)の回転軸が過剰に高速回転になるのが防止される。従って、第1発明によれば、変速走行中にエンジンが非作動状態になってもモータの回転速度が過剰に高速になるのを防止することができ、ひいては、モータやその駆動回路の容量を必要最低限に収めて動力伝達装置の小型化を図ることができる。
【0010】
上記第1発明では、前記回転規制手段は、前記変速走行中における前記低減速比側モータの回転軸の回転方向から該低減速比側モータの回転軸が逆方向に回転するのを阻止するワンウェイクラッチにより構成されていることが好適である(第2発明)。
【0011】
すなわち、前記回転規制手段が仮に無いとした場合には、変速走行中にエンジンが非作動状態になると、エンジンの回転数が0まで低下するが、このとき、低減速比側モータの回転軸の回転方向は、変速走行中と逆方向になる。換言すれば、低減速比側モータの回転軸の回転方向が逆転することで、エンジンの回転数が0まで低下するようになる。そこで、第2発明では、低減速比側モータの回転軸の上記の逆転をワンウェイクラッチにより阻止する。これにより、エンジンが非作動状態になったときの低減速比側モータの回転軸の回転(逆転)の阻止をワンウェイクラッチによる簡単な構成で確実に行うことができる。また、この場合、ワンウェイクラッチの制御をする必要が無いことから、エンジンが非作動状態となって低減速比側モータの回転軸が変速走行中の回転方向から逆転しようとした時に、ワンウェイクラッチにより遅れを生じることなく自動的に低減速比側モータの回転軸の回転(逆転)を阻止することができる。その結果、高減速比側モータの回転軸の回転速度が高速回転になるのを確実に防止できる。
【0012】
前記第1発明では、前記各回転伝達系の減速比をそれぞれ一定値(固定値)として動力伝達装置を構成した場合には、それらの2つの減速比の間の唯一の変速域(エンジンと動力出力軸との間の減速比として採り得る値の範囲)でのみ、車両の変速走行を行うことができる。一方、前記両回転伝達系のうちの少なくとも1つの回転伝達系に、該回転伝達系の減速比を複数段に変更可能な変速機を設けることで、複数種類の変速域での変速走行が可能となる。この場合、動力伝達装置のエネルギー効率を高める上では基本的には各変速域は互いに重複しないものであることが好ましい。そして、その場合、動力伝達装置は、変速機による減速比の変更によって、前記第1動力分配器側の回転伝達系の減速比が第2動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも大きくなる状態と、第2動力分配器側の回転伝達系の減速比が第1動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも大きくなる状態とを有することとなる。このように変速機を有する動力伝達装置では、前記回転規制手段は、各モータ毎に備えられていることが好ましい(第3発明)。
【0013】
すなわち、この第3発明の動力伝達装置では、前記第1動力分配器側の回転伝達系の減速比が第2動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも大きくなる状態では、前記第2モータが低減速比側モータに相当するものとなる。従って、エンジンが非作動状態になったときに、この第2モータに対応する回転規制手段によって、該第2モータの回転軸の回転を阻止することで、高減速比側の第1モータの回転軸の回転速度が過剰に高速になるのを防止できる。また、上記と逆に、前記第2動力分配器側の回転伝達系の減速比が第1動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも大きくなる状態では、前記第1モータが低減速比側モータに相当するものとなる。従って、エンジンが非作動状態になったときに、この第1モータに対応する回転規制手段によって、該第1モータの回転軸の回転を阻止することで、高減速比側の第2モータの回転軸の回転速度が過剰に高速になるのを防止できる。
【0014】
かかる第3発明では、各モータに対応する回転規制手段は、基本的には、前記第2発明と同様にワンウェイクラッチを用いて構成することが好ましいと考えられる。但し、第1動力分配器側の回転伝達系の減速比が第2動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも小さい状態での前記変速走行中に(第1モータが低減速比側モータに相当するものとなっている状態)、エンジンが非作動状態になったときに第1モータの回転軸の阻止すべき回転方向は、第2動力分配器側の回転伝達系の減速比が第1動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも小さい状態での変速走行中では、該第1モータの回転軸が回るべき回転方向となる。同様に、第2動力分配器側の回転伝達系の減速比が第1動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも小さい状態での前記変速走行中に(第2モータが低減速比側モータに相当するものとなっている状態)、エンジンが非作動状態になったときに第2モータの回転軸の阻止すべき回転方向は、第1動力分配器側の回転伝達系の減速比が第2動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも小さい状態での変速走行中では、該第2モータの回転軸が回るべき回転方向となる。
【0015】
そこで、第3発明では、前記第1モータに対応する回転規制手段は、前記第1動力分配器側の回転伝達系の減速比が第2動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも小さい状態での前記変速走行中における該第1モータの回転方向から該第1モータが逆方向に回転するのを阻止する第1ワンウェイクラッチと、前記第1動力分配器側の回転伝達系の減速比が第2動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも大きい状態での前記変速走行中における該第1ワンウェイクラッチの回転阻止機能を停止させる第1ワンウェイクラッチOFF手段とを備え、前記第2モータに対応する回転規制手段は、前記第2動力分配器側の回転伝達系の減速比が第1動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも小さい状態での前記変速走行中における該第2モータの回転方向から該第2モータが逆方向に回転するのを阻止する第2ワンウェイクラッチと、前記第2動力分配器側の回転伝達系の減速比が第1動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも大きい状態での前記変速走行中における該第2ワンウェイクラッチの回転阻止機能を停止させる第2ワンウェイクラッチOFF手段とを備えることが好ましい(第4発明)。
【0016】
これによれば、第1動力分配器側の回転伝達系の減速比が第2動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも小さい状態での前記変速走行中においては、高減速比側のモータである第2モータに対応する第2ワンワエイクラッチは、第2ワンウェイクラッチOFF手段によって回転阻止機能が停止しているので、該第2モータの回転軸は支障なく回転すべき方向に回転できる。なお、第1モータの回転軸は、第1ワンウェイクラッチが許容する回転方向に回転するので、該第1ワンウェイクラッチの回転阻止機能を停止する必要はない。そして、この変速走行中にエンジンが非作動状態になると、第1ワンウェイクラッチによって、低減速比側モータに相当する第1モータの回転軸の逆転が阻止されるので、前記第2発明と同様に、高減速比側モータである第2モータの回転軸が過剰に高速回転するのを、格別な制御を必要とすることなく自動的に防止できる。
【0017】
また、第2動力分配器側の回転伝達系の減速比が第1動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも小さい状態での前記変速走行中においては、高減速比側のモータである第1モータに対応する第1ワンワエイクラッチは、第1ワンウェイクラッチOFF手段によって回転阻止機能が停止しているので、該第1モータの回転軸は支障なく回転すべき方向に回転できる。なお、第2モータの回転軸は、第2ワンウェイクラッチが許容する回転方向に回転するので、該第2ワンウェイクラッチの回転阻止機能を停止する必要はない。そして、この変速走行中にエンジンが非作動状態になると、第2ワンウェイクラッチによって、低減速比側モータに相当する第2モータの回転軸の逆転が阻止されるので、高減速比側モータである第1モータの回転軸が過剰に高速回転するのを、格別な制御を必要とすることなく自動的に防止できる。
【0018】
従って、第3発明によれば、複数種類の変速域のそれぞれにおいて、エンジンが非作動状態になったときに、ワンウェイクラッチを用いた簡単な構成で高減速比側のモータの回転軸が過剰に高速回転になるのを防止できる。ひいては、モータやその駆動回路の容量を必要最低限に収めて動力伝達装置の小型化を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のハイブリッド車両の動力伝達装置の第1実施形態を図1および図2を参照して詳説する。図1は本実施形態の動力伝達装置を含むハイブリッド車両の全体構成を模式的に示すシステム構成図であり、1はエンジン、2,2は車両の駆動輪、3は動力伝達装置である。
【0020】
動力伝達装置3は、第1動力分配器4、第2動力分配器5、第1モータ6、第2モータ7、クラッチ8,9、回転規制手段10,11,12および動力出力軸13を主要な機構的要素として備えている。動力出力軸13は、これと一体に回転自在に設けられたギヤ14と、このギヤ14に噛合する差動歯車装置15(差動傘歯車装置)とを介して駆動輪2,2に連接され、駆動輪2,2と連動して回転可能とされている。
【0021】
各動力分配器4,5は、いずれも差動歯車装置として機能する遊星歯車装置により構成されている。この例では、いずれの動力分配器4,5もシングルピニオン型の遊星歯車装置により構成されている。すなわち、第1動力分配器4を構成する遊星歯車装置の構成の概要を代表的に説明すると、該遊星歯車装置は、リングギヤ4rとサンギヤ4sとの間に複数のプラネタリギヤ4p(図では2個)がサンギヤ4sの周方向に間隔を存して配列されると共に、各プラネタリギヤ4pがリングギヤ4rとサンギヤ4sとの両者に噛合されている。そして、それらのプラネタリギヤ4pが、各々自転しながらサンギヤ4sの周りを一体的に公転するようにキャリア4cに軸支されている。第2動力分配器5を構成する遊星歯車装置も第1動力分配器4と同じ構成であり、リングギヤ5r、サンギヤ5s、ピニオンギヤ5pおよびキャリア5cを備えている。
【0022】
エンジン1の出力軸1aは、クラッチ8の入力部8aに連結されて該入力部8aと一体に回転自在とされている。このクラッチ8の出力部8bに、第1動力分配器4の入力軸としてのリングギヤ4rが連結されて該出力部8bと一体に回転自在とされている。従って、クラッチ8の接続状態(入力部8aおよび出力部8bを係合させて連結した状態)で、エンジン1の出力軸1aと第1動力分配器4のリングギヤ4rとの間の回転伝達が可能とされる。また、クラッチ8の切断状態(入力部8aおよび出力部8bを離反させた状態)では、エンジン1の出力軸1aと第1動力分配器4のリングギヤ4rとの間の回転伝達が遮断される。
【0023】
第1動力分配器4の2つの出力軸としてのキャリヤ4cおよびサンギヤ4sのうち、第1出力軸としてのキャリア4cは、これと一体に回転自在に設けられたギヤ16aと、このギヤ16aに噛合して動力出力軸13に一体に回転自在に設けられたギヤ16bとからなる回転伝達機構16を介して動力出力軸13に連接されている。また、第1動力分配器4の第2出力軸としてのサンギヤ4sは、第1モータ6の回転軸6aに同軸心に連結され、該回転軸6aと一体に回転自在とされている。
【0024】
第2動力分配器5の入力軸としてのリングギヤ5rは、これと一体に回転自在に設けられたギヤ17cと、クラッチ8の入力部8aと一体に回転自在(エンジン1の出力軸1aと一体に回転自在)に設けられたギヤ17aと、これらのギヤ17a,17cに噛合して回転自在に設けられたアイドルギヤ17bとから構成された回転伝達機構17を介してエンジン1の出力軸1aに連接されている。そして、第2動力分配器5の2つの出力軸としてのキャリア5cおよびサンギヤ5sのうち、第1出力軸としてのキャリア5cは、クラッチ9の入力部9aに連結されて該入力部9aと一体に回転自在とされている。このクラッチ9の出力部9bは、これと一体に回転自在に設けられたギヤ18aと、このギヤ18aに噛合して動力出力軸13に一体に回転自在に設けれられたギヤ18bとからなる回転伝達機構18を介して動力出力軸13に連接されている。従って、クラッチ9の接続状態(入力部9aおよび出力部9bを係合させて連結した状態)で、第2動力分配器5のキャリア5cと動力出力軸13との間の回転伝達が可能とされ、クラッチ9の切断状態(入力部9aおよび出力部9bを離反させた状態)では、その回転伝達が遮断される。また、第2動力分配器5の第2出力軸としてのサンギヤ5sは、第2モータ7の回転軸7aに同軸心に連結され、該回転軸7aと一体に回転自在とされている。
【0025】
なお、前記クラッチ8,9の切断/接続動作は、後述する制御装置25によりアクチュエータ(図1では図示省略)を介して制御される。
【0026】
ここで、本実施形態では、クラッチ8の接続状態でのエンジン1の出力軸1aから第1動力分配器4および回転伝達機構16を経由して動力出力軸13に至る回転伝達系の減速比(詳しくは、第1動力分配器4のサンギヤ4sの回転速度を0としたときの減速比)は、エンジン1の出力軸1aから第2動力分配器5および回転伝達機構18を経由して動力出力軸13に至る回転伝達系の減速比(詳しくは、第2動力分配器5のサンギヤ5sの回転速度を0としたときの減速比)よりも大きいものに設定されている。より具体的には、本実施形態では、エンジン1の出力軸1aから各動力分配器4,5のリングギヤ(入力軸)4r,5rまでの減速比は両者とも同一(本実施形態では「1」)とされている。また、各動力分配器4,5のリングギヤ4r,5rとサンギヤ4s,5sとプラネタリギヤ4p,5pとのギヤ比は、両動力分配器4,5について同一とされている。このとき、エンジン1から第1動力分配器4および回転伝達機構16を経由して動力出力軸13に至る回転伝達系(以下、第1分配器側回転伝達系という)の減速比と、エンジン1から第2動力分配器5および回転伝達機構18を経由して動力出力軸13に至る回転伝達系(以下、第2分配器側回転伝達系という)の減速比との比率は、回転伝達機構16の減速比(ギヤ16aからギヤ16bへの減速比)と回転伝達機構18の減速比(ギヤ18aからギヤ18bへの減速比)との比率と同じになる。従って、本実施形態では、回転伝達機構16の減速比が、回転伝達機構18の減速比よりも大きいものとされている。減速比は、入力側回転速度を出力側回転速度で除算したものであるから、回転伝達機構16のギヤ16aに対するギヤ16bのギヤ比(歯数比)が、回転伝達機構18のギヤ18aに対するギヤ18bのギヤ比(歯数比)よりも大きい値に設定されていることとなる。
【0027】
なお、本実施形態では、上記の如く、回転伝達機構16,18の減速比を異ならせることで、第1および第2分配器側回転伝達系の減速比を異ならせるようにしたが、各動力分配器4,5のリングギヤ4r,5rとサンギヤ4s,5sとプラネタリギヤ4p,5pとのギヤ比をそれぞれの動力分配器4,5で異ならせるようにしたり、あるいは、エンジン1から各動力分配器4,5の入力軸への減速比を互いに異なるようにしてもよい。以下の説明では、第1分配器側回転伝達系の減速比を第1減速比αと称し、第2分配器側回転伝達系の減速比を第2減速比β(<α)という。第1減速比αと第2減速比βとは、それぞれ後述するCVT走行(変速走行)でエンジン1の出力軸1aと動力出力軸13との間で変速を行うときの最大減速比、最小減速比であり、それぞれ車両の一般的な変速装置のローギヤ、ハイギヤに相当するものである。
【0028】
回転規制手段10は、第1動力分配器4のリングギヤ4rの回転を適宜阻止するためのものであり、リングギヤ4rの所定の1方向の回転のみを阻止するワンウェイクラッチ19と、このワンウェイクラッチ19が許容する方向のリングギヤ4rの回転を阻止するための係止機構20とを備えている。ワンウェイクラッチ19は、図1中の矢印Y2の方向のリングギヤ4aの回転は許容するが、これと逆方向のリングギヤ4aの回転は図示しないラッチ機構により阻止するものである。従って、ワンウェイクラッチ19の動作状態は、リングギヤ4rが矢印Y2の方向に回転しようとするときには、その回転を許容する開放状態となり、矢印Y2の方向と逆方向に回転しようとするときには、その回転を阻止する制動状態となる。このワンウェイクラッチ19が許容するリングギヤ4aの回転方向Y2は、エンジン1の運転を行いつつクラッチ8を接続状態に動作させたときに該エンジン1からの回転伝達によって該リングギヤ4aが回るべき方向(エンジン1の出力軸1aからリングギヤ4aに伝達されるトルクの方向)であり、本実施形態ではエンジン1の出力軸1aの回転方向(矢印Y1)と同一である。
【0029】
係止機構20は、リングギヤ4rとの摩擦係合あるいは凹凸嵌合などにより該リングギヤ4rの回転を阻止するものであり、その動作は後述する制御装置25によりアクチュエータ(図1では図示省略)を介して制御される。この場合、係止機構20をリングギヤ4rに係合させることで、該係止機構20の動作状態は、リングギヤ4rの回転をいずれの方向でも阻止する制動状態となる。そして、係止機構20とリングギヤ4rとの係合を解除することで、該係止機構20の動作状態は、リングギヤ4rの回転をいずれの方向でも許容する開放状態となる。但し、矢印Y2の方向と逆方向のリングギヤ4rの回転は、該ワンウェエクラッチ19により阻止されるので、係止機構20は、矢印Y2の方向のリングギヤ4rの回転を必要に応じて阻止するために用いられる。なお、後述するCVT走行では、ワンウェイクラッチ19および係止機構20の動作状態はいずれもリングギヤ4rの回転を許容する開放状態である。
【0030】
回転規制手段11は、第2動力分配器5のキャリア5cの回転を適宜阻止するためのものであり、キャリア5cの所定の1方向の回転のみを阻止するワンウェイクラッチ21と、このワンウェイクラッチ21が許容する方向のキャリア5cの回転を阻止するための係止機構22とを備えている。これらのワンウェイクラッチ21および係止機構22の機構的な構造は、それぞれ前記回転規制手段10のワンウェイクラッチ19、係止機構20と同様である。この場合、ワンウェイクラッチ21の動作状態は、第2動力分配器5のキャリア5cが図1中の矢印Y6の方向に回転しようとするとき、その回転を許容する開放状態となり、矢印Y6の方向と逆方向に回転しようとするとき、その回転を阻止する制動状態となる。このワンウェイクラッチ21が許容するキャリア5cの回転方向Y6は、車両の前進走行を行いつつ、クラッチ9を接続状態に動作させたときに駆動輪2,2に連動して回転する動力出力軸13とキャリア5cとの間の回転伝達によって該キャリア5cが回るべき方向である。
【0031】
また、回転規制手段11の係止機構22は、それをキャリア5cに係合させることで該キャリア5cの回転を阻止する制動状態に動作し、その係合を解除することで該キャリア5cの回転を許容する開放状態に動作する。そして、この係止機構22は、ワンウェイクラッチ21が許容する矢印Y6の方向と逆方向のキャリア5cの回転を阻止するために用いられる。
【0032】
前記回転規制手段12は、本発明における回転規制手段に相当するものであり、第2モータ7の駆動軸7a(第2動力分配器5のサンギヤ5sの回転軸)の所定の1方向の回転を阻止するためのワンウェイクラッチ23により構成されている。このワンウェイクラッチ23は、前記ワンウェイクラッチ19,21と同様、ラッチ機構などによ第2モータ7の駆動軸7aの所定方向の回転を阻止するものである。この場合、ワンウェイクラッチ23が許容する駆動軸7aの回転方向は、図中の矢印Y7の方向であり、この回転方向Y7は、後述のCVT走行における第2動力分配器5のキャリア5cの回転方向Y6と逆方向である。
【0033】
本実施形態のハイブリッド車両では、エンジン1、各モータ6,7、クラッチ8,9,係止機構20,22の動作制御は図2のブロック図に示す制御装置25により行なわれる。なお、図2中の括弧付きの参照符号は、後述の第2実施形態に関するものである。制御装置25はマイクロコンピュータを含む電子回路により構成されたものであり、エンジン1の図示しない燃料噴射装置、点火装置、スロットル弁のアクチュエータ等を介して該エンジン1の運転制御を行なう。また、制御装置25は、各モータ6,7とそれらの電源としての蓄電器26との間で電力授受を行うモータ駆動回路(パワードライブユニット)27,28をそれぞれ介して各モータ6,7の通電制御を行う。さらに、制御装置25は、各クラッチ8,9をそれぞれに対応して設けられたアクチュエータ29を介して接続状態あるいは切断状態に動作させる。また、制御装置25は、前記各係止機構20,22をそれぞれに対応して設けられたアクチュエータ30を介して動作させる。なお、制御装置25には、その制御処理を行うために、エンジン1の回転数(回転速度)NE、スロットル弁の開度TH、車両のアクセル操作量AP、車速V等の検出データが図示しないセンサから入力される。
【0034】
次に、本実施形態の動力伝達装置3の作動を詳説する。エンジン1と動力出力軸13との間の変速(減速比の変更)を行いつつ、エンジン1の出力により車両を走行(前進走行)させる場合、すなわち、変速走行(以下、CVT走行という)を行う場合には、制御装置25の制御によって、クラッチ8,9は接続状態に制御される。また、前記係止機構20,22はそれぞれ第1動力分配器4のリングギヤ4r、第2動力分配器5のキャリア5cの回転を阻止しない開放状態に制御される。なお、クラッチ8を接続状態とすることで、第1動力分配器4のリングギヤ4rは、エンジン1の出力軸1aと共に矢印Y2の方向に回転するので、回転規制手段10のワンウェイクラッチ19は開放状態となる。また、クラッチ9を接続状態とすることで、第2動力分配器5のキャリア5cは、動力出力軸13と連動して矢印Y6の方向に回転するので、第2回転規制手段11のワンウェイクラッチ21も開放状態となる。
【0035】
このようにクラッチ8,9および係止機構20,22を動作させた状態で、前記制御装置25は、車両の要求走行トルクと車速Vとに応じて、その要求走行トルクと車速Vとに対応するエネルギーを発生し得るエンジン1の目標出力を決定し、さらに、その目標出力を発生する上で最も効率のよい(最も燃料消費量が少なくなる)動作点、すなわち、エンジン1の目標出力トルクと目標回転数との組を決定する。そして、制御装置25は、目標出力トルクに応じてエンジン1のスロットル弁(図示しない)の開度を制御すると共に、目標回転数と実回転数NE(検出値)との偏差に応じて目標出力トルクを補正することで、エンジン1の目標負荷トルクを決定する。この目標負荷トルクは、例えば目標回転数と実回転数NE(検出値)との偏差からPI制御則などのフィードバック制御則により求めた操作量によって、目標出力トルクを補正することで決定される。さらに、制御装置25は、決定した目標負荷トルクと前記要求走行トルクに対応して動力出力軸13に発生させるべき目標駆動トルクとを基に、各モータ6,7の目標トルクを次のように決定する。
【0036】
エンジン1の負荷トルクをTe、動力出力軸13の駆動トルクをTv、第1モータ6の発生トルクをT1、第2モータ7の発生トルクをT2、エンジン1の出力軸1aから第1モータ6までの減速比をk1、エンジン1の出力軸1aから第2モータ7までの減速比をk2、第1モータ6の回転軸6aから動力出力軸13までの減速比をk3、第2モータ7の回転軸7aから動力出力軸13までの減速比をk4とおくと、定常状態では次式(1),(2)が成立する。
【0037】
Te=(1/k1)・T1+(1/k2)・T2 ……(1)
Tv=k3・T1+k4・T2 ……(2)
【0038】
ここで、本実施形態の構成の動力伝達装置3では、上記減速比k1,k2,k3,k4のうち、減速比k1,k2は、各動力分配器4,5におけるリングギヤ4r,5rとサンギヤ4s,5sとのギヤ比により定まる定数であり、減速比k3,k4は、各動力分配器4,5におけるリングギヤ4r,5rとサンギヤ4s,5sとのギヤ比と各回転伝達機構16,18のギヤ比とによって定まる定数である。より具体的には、各動力分配器4,5におけるリングギヤ4r,5rに対するサンギヤ4s,5sのギヤ比(ギヤの歯数比)をa(本実施形態ではこれは両動力分配器4,5について同一である)、回転伝達機構16のギヤ16aに対するギヤ16bのギヤ比(ギヤ16aからギヤ16bへの減速比)をka、回転伝達機構18のギヤ18aに対するギヤ18bのギヤ比(ギヤ18aからギヤ18bへの減速比)をkb(<ka)とおくと、k1=k2=a、k3=((1+a)/a)・ka、k4=((1+a)/a)・kbである。なお、前記第1減速比αおよび第2減速比βは、上記a、ka、kbを用いて表すと、それぞれα=(1+a)・ka、β=(1+a)・kbとなる。
【0039】
CVT走行では、前記各モータ6,7の目標トルクを決定するときには、制御装置25は、前述の通り決定したエンジン1の目標負荷トルク(これは式(1)のTeに相当)と、動力出力軸13の目標駆動トルク(これは式(2)のTvに相当)とから式(1)、(2)に基づき各モータ6,7の目標トルクT1,T2を決定する。そして、制御装置25は、その目標トルクT1,T2に応じて各モータ6,7の通電制御を行なう。
【0040】
上記のようにエンジン1および各モータ6,7を制御したとき、基本的には第1モータ6は上記目標トルクT1の駆動トルク(力行トルク)を発生する駆動状態、第2モータ7は上記目標トルクT2の回生トルクを発生する回生状態(発電状態)に制御される。そして、定常的には、駆動状態となる第1モータ6の消費電力と、回生状態となる第2モータ7の発電電力とはバランスする(消費電力≒発電電力となる)。つまり、エンジン1の出力エネルギーは、その一部が回生状態のモータ7と駆動状態のモータ6とを通過して動力出力軸13に伝達される。このとき、エンジン1と動力出力軸13との間では、前記第1減速比αと第2減速比βとの間の変速比で変速動作が行なわれつつ、エンジン1の出力が動力出力軸13に伝達され、車両のCVT走行が行われる。
【0041】
この場合、本実施形態の動力伝達装置3では、エンジン1の出力軸1aの回転方向を図1の矢印Y1の向きとしたとき、第1動力分配器4のリングギヤ4r、キャリア4c、第1モータ6の回転軸6a、第2動力分配器5のリングギヤ5r、キャリア5c、第2モータ7の回転軸7a、動力出力軸13の回転方向は、それぞれ図1に示す矢印Y2〜Y8の回転方向となる。第2モータ7の回転軸7aの回転方向Y7は、ワンウェイクラッチ23が許容する回転方向であるので、該ワンウェイクラッチ23の動作状態は、第2モータ7の回転軸7aの回転を許容する開放状態となる。また、エンジン1の出力軸1aの回転速度をωe(=NE)、動力出力軸13の回転速度をωv、各モータ6,7の回転軸6a,7aの回転速度をそれぞれω1,ω2とおいたとき、それらの間には次の式(3)、(4)の関係式が成立する。
【0042】
ωe=α・ωv−a・ω1 ……(3)
ωe=β・ωv−a・ω2 ……(4)
【0043】
そして、CVT走行においては、α>ωe/ωv>βである。
【0044】
上記のようにCVT走行を行っているとき、エンジン1が、非作動状態(燃料噴射の停止などによりエンジン1が出力を発生できない状態)になると、エンジン1の出力軸1aの回転速度ωeは低下する。このとき、仮に前記回転規制手段12のワンワエイクラッチ23が無いとすると、最終的にエンジン1の回転速度ωeは0まで低下する。このため、前記式(3)、(4)から明らかなように、前記第1分配器側回転伝達系および第2分配器側回転伝達系のうち、減速比の大きい第1分配器側回転伝達系の第1動力分配器5にトルクを付与する第1モータ6の回転軸6aの回転速度ω1が高速回転となる(ω1=(α/a)・ωvとなる)と同時に、第2モータ7の回転軸7aの回転速度ω2がCVT走行時と逆方向の回転速度となる。しかるに、本実施形態の動力伝達装置3では、ワンウェイクラッチ23が機能する(ワンウェイクラッチ23の動作状態が第2モータ7の回転軸7aの回転を阻止する制動状態となる)ため、第2モータ7の回転軸7aはCVT走行時と逆方向に回転するのが阻止される。その結果、エンジン1の出力軸1aは、β・ωvの回転速度までしか低下せず、その分だけ、第1モータ6の回転軸6aの回転速度が高速回転になるのが抑制される。すなわち、エンジン1の出力軸1aの回転速度ωeがβ・ωvの回転速度まで低下すると、前記式(3)からω1=((α−β)/a)・ωvとなる。従って、第1モータ6の回転軸6aの回転速度ω1は、エンジン1の出力軸1aの回転速度ωeが0まで低下してしまう場合よりも、(β/a)・ωvだけ小さくなる。
【0045】
このように、本実施形態の動力伝達装置3では、CVT走行中にエンジン1が非作動状態になっても、減速比の大きい第1分配器側回転伝達系側の第1モータ6が過剰に高速回転で作動するのを防止することができる。その結果、第1モーータ6やモータ駆動回路27に要求される能力が緩和され、該第1モータ6やモータ駆動回路27の必要容量を小さくできる。ひいては、動力伝達装置3の小型化や経費節減を図ることができる。
【0046】
なお、本発明の要旨とするところではないので、詳細な説明は省略するが、本実施形態の動力伝達装置3では、エンジン1の出力を用いずに、第1モータ6あるいは第2モータ7の駆動トルクで車両を走行させることもできる。この場合には、クラッチ8,9を切断状態に動作させる。さらに、第1動力分配器4のリングギヤ4rの回転を係止機構19により阻止しつつ、第1モータ6に図1の矢印Y4の方向の駆動トルクを発生させることで、その駆動トルクを動力出力軸13に伝達して車両の走行(所謂EV走行)を行うことができる。また、例えばこの状態で、第2動力分配器5のキャリア5cの回転をワンウェイクラッチ21により阻止しつつ、第2モータ7に矢印Y7の向きに駆動トルクを発生させることで、その駆動トルクをエンジン1の出力軸1aに伝達して該エンジン1を始動することができる。さらに、このエンジン1の始動後、第2動力分配器5のキャリア5cの回転を係止機構22により阻止しつつ、エンジン1の出力トルクを第2モータ7に伝達して、該第2モータ7の回生発電を行うことで、第1モータ6によるEV走行を行いながら、エンジン1の出力により第2モータ7の回生発電(蓄電器26の充電)を行うこと(所謂シリーズ型のEV走行を行うこと)ができる。
【0047】
次に、本発明のハイブリッド車両の動力伝達装置の第2実施形態を図3〜図9、並びに前記図2を参照して説明する。図3は本実施形態の動力伝達装置を含むハイブリッド車両の全体構成を模式的に示すシステム構成図であり、41はエンジン、42,42は車両の駆動輪、43は動力伝達装置である。
【0048】
本実施形態の動力伝達装置43は、第1動力分配器44、第2動力分配器45、第1モータ46、第2モータ47、クラッチ48、2つの変速機49,50、、動力出力軸51、並びに回転規制手段71〜74を主要な機構的要素として備えている。動力出力軸51は、エンジン41の出力軸41aに同軸心に連結されて該出力軸41aと一体に回転する動力入力軸52に外挿され、該動力入力軸52に対して相対回転自在に設けられている。そして、該動力出力軸51は、これと一体に回転自在に設けられたギヤ53aと、このギヤ53aに噛合するアイドルギヤ54と、このアイドルギヤ54と一体に回転自在に設けられたアイドルギヤ55と、このアイドルギヤ55と噛合する差動歯車装置56(差動傘歯車装置)とを介して駆動輪42,42に連接され、駆動輪42,42と連動して回転可能とされている。なお、図中の一点鎖線は、ギヤ53aとアイドルギヤ54とが噛合していることを表している。また、前記ギヤ53aは、詳細を後述する変速機49,50の構成要素をなすものである。
【0049】
第1動力分配器44は、前記第1実施形態の各動力分配器4,5と同様のシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、入力軸としてのリングギヤ44rと、第2出力軸としてのサンギヤ44sと、該サンギヤ44sの周囲に間隔を存して配置された複数のピニオンギヤ44rと、これらのピニオンギヤ4rを軸支する第1出力軸としてのキャリア44cとを備えている。サンギヤ44sは、第1モータ46の回転軸46aに同軸心に連結されて、該回転軸46aと一体に回転自在に設けられている。
【0050】
また、第2動力分配器45は、所謂ダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、入力軸としてのリングギヤ45rと、第2出力軸としてのサンギヤ45sと、該サンギヤ45sの周囲に間隔を存して配置された複数のピニオンギヤ対45p(互いに噛合するピニオンギヤ44pr,44psの対)と、これらのピニオンギヤ対45pのそれぞれのピニオンギヤ44pr,44psを軸支する第1出力軸としてのキャリア45cとを備えている。サンギヤ45sは、第2モータ47の回転軸47aに同軸心に連結されて、該回転軸47aと一体に回転自在に設けられている。
【0051】
前記動力入力軸52は、これと一体に回転自在に設けられたギヤ57aと、このギヤ57に噛合するギヤ57bとを介して前記クラッチ48の入力部48aに連接されている。ギヤ57bは、このクラッチ48の入力部48aに一体に回転自在に連結されている。また、ギヤ57bとクラッチ48とは、第1モータ46と反対側で第1動力分配器44のサンギヤ44sと同軸心に配置され、クラッチ48の出力部48bが第1動力分配器44のリングギヤ44rに一体に回転自在に連結されている。これにより、クラッチ48の接続状態において、エンジン41の出力軸41aの回転が動力入力軸52、ギヤ57a、ギヤ57b、クラッチ48を順に介して第1動力分配器44のリングギヤ44rに伝達される。
【0052】
動力入力軸52上のギヤ57aには、前記ギヤ57bのほか、第2動力分配器45のリングギヤ45rに一体に回転自在に連結されたギヤ57cが噛合されている。これにより、エンジン41の出力軸41aの回転が動力入力軸52、ギヤ57a、ギヤ57cを順に介して第2動力分配器45のリングギヤ45rに伝達されるようになっている。
【0053】
なお、第2動力分配器45のキャリア45cの軸部45caが、ギヤ57c側に(第2モータ47と反対側で、第1動力分配器44のキャリア44cの軸部44caと同じ側)延設されて、該ギヤ57cの軸心を貫通し、該ギヤ57cに対して相対回転自在に設けられている。また、本実施形態では、ギヤ57bとギヤ57cとは同一の径で(同一歯数)である。このため、エンジン41の出力軸41aから第1動力分配器44の入力軸たるリングギヤ44rまでの回転伝達系の減速比と、エンジン41の出力軸41aから第2動力分配器45rの入力軸たるリングギヤ45rまでの回転伝達系の減速比とは同一とされている。
【0054】
前記クラッチ48およびギヤ57bの軸心を貫通して設けられた第1動力分配器44のキャリア44cの軸部44caは、前記変速機49を介して動力出力軸51に連接されている。変速機49は、キャリア44cから動力出力軸51への回転伝達の減速比を複数段(本実施形態では2段)に変更可能なものであり、その各段の減速比の回転伝達をそれぞれ担う回転伝達機構58,59を備えている。なお、回転伝達機構58の減速比は、回転伝達機構59の減速比よりも小さいものとされており、以下の説明では、回転伝達機構58,59をそれぞれ低減速比回転伝達機構58、高減速比回転伝達機構59という。
【0055】
これらの回転伝達機構58,59のうち、低減速比回転伝達機構58は、前記動力出力軸51上のギヤ53aと、このギヤ53aに噛合してキャリア44cと同軸心に設けられたギヤ53bとから構成されている。ギヤ53bはキャリア44cの軸部44caに支承されて該軸部44caに対して相対回転自在に設けられている。また、高減速比回転伝達機構59は、動力出力軸51と一体に回転自在に設けられたギヤ60aと、このギヤ60aに噛合してキャリア44cと同軸心に設けられたギヤ60bとから構成されている。そして、ギヤ53bとキャリア44cの軸部44caとの間の回転伝達の切断/接続、並びにギヤ60bとキャリア44cの軸部44caとの間の回転伝達の切断/接続を行うためのクラッチ61が両回転伝達機構58,59の間に設けられている。このクラッチ61は、ギヤ53b,60bの間でキャリア44cの軸部44caの軸心方向に移動自在なものであり、その移動によって、ギヤ53b,60bの間でキャリア44cの軸部44caに固定された部材62とギヤ53bとをスプライン結合により一体に回転可能に接続してギヤ53bとキャリア44cとを一体に回転可能とする状態と、部材62とギヤ60bとをスプライン結合により一体に回転可能に接続してギヤ60bとキャリア44cとを一体に回転可能とする状態と、部材62をいずれのギヤ53b,60bからも切り離して、キャリア44cと両ギヤ53b,60bとの間の回転伝達を遮断する状態(キャリア44cと動力出力軸51との間の回転伝達を遮断する状態)とに動作可能とされている。
【0056】
従って、変速機49では、クラッチ61によりギヤ60bと部材62とを接続したとき、キャリア44cから動力出力軸51への回転伝達は、高減速比回転伝達機構59を介して行われることとなり、その回転伝達の減速比は、高減速比回転伝達機構59の減速比となる。また、クラッチ61によりギヤ53bと部材62とを接続したとき、キャリア44cから動力出力軸51への回転伝達は、低減速比回転伝達機構58を介して行われることとなり、その回転伝達の減速比は、低減速比回転伝達機構58の減速比となる。
【0057】
一方、前記ギヤ57cの軸心を貫通して設けられた第2動力分配器45のキャリア45cの軸部45caは、前記変速機50を介して動力出力軸51に連接されている。変速機50は、キャリア45cから動力出力軸51への回転伝達の減速比を複数段(本実施形態では2段)に変更可能なものであり、その各段の減速比の回転伝達をそれぞれ担う回転伝達機構63,64を備えている。なお、回転伝達機構63の減速比は、回転伝達機構64の減速比よりも小さいものとされており、以下の説明では、回転伝達機構63,64をそれぞれ低減速比回転伝達機構63、高減速比回転伝達機構64という。
【0058】
これらの回転伝達機構63,64のうち、低減速比回転伝達機構63は、前記動力出力軸51上のギヤ53aと、このギヤ53aに噛合してキャリア45cと同軸心に設けられたギヤ53cとから構成されている。ギヤ53cはキャリア45cの軸部45caに支承されて該軸部45caに対して相対回転自在に設けられている。また、高減速比回転伝達機構64は、前記動力出力軸51上のギヤ60aと、このギヤ60aに噛合してキャリア45cと同軸心に設けられたギヤ60cとから構成されている。そして、ギヤ53cとキャリア45cの軸部45caとの間の回転伝達の切断/接続、並びにギヤ60cとキャリア45cの軸部45caとの間の回転伝達の切断/接続を行うためのクラッチ65が両回転伝達機構63,64の間に設けられている。このクラッチ65は、前記変速機49のクラッチ61と同様に、ギヤ53c,60cの間でキャリア45cの軸部45caに固定された部材66とギヤ53cとをスプライン結合により一体に回転可能に接続してギヤ53cとキャリア45cとを一体に回転可能とする状態と、部材66とギヤ60cとをスプライン結合により一体に回転可能に接続してギヤ60cとキャリア45cとを一体に回転可能とする状態と、部材66をいずれのギヤ53c,60cからも切り離して、キャリア45cと両ギヤ53c,60cとの間の回転伝達を遮断する状態(キャリア45cと動力出力軸51との間の回転伝達を遮断する状態)とに動作可能とされている。
【0059】
従って、変速機50では、クラッチ65によりギヤ60cと部材66とを接続したとき、キャリア45cから動力出力軸51への回転伝達は、高減速比回転伝達機構64を介して行われることとなり、その回転伝達の減速比は、高減速比回転伝達機構64の減速比となる。また、クラッチ65によりギヤ53cと部材66とを接続したとき、キャリア45cから動力出力軸51への回転伝達は、低減速比回転伝達機構63を介して行われることとなり、その回転伝達の減速比は、低減速比回転伝達機構63の減速比となる。
【0060】
なお、前記クラッチ61,65はスプライン結合を用いるものの他、ドグクラッチや摩擦式のクラッチであってもよい。さらに、各変速機49,50の回転伝達機構は例えばスプロケットとチェーンとにより回転伝達を行うものでもよい。
【0061】
また、本実施形態では、変速機49の低減速比回転伝達機構58のギヤ53bと、変速機50の低減速比回転伝達機構63のギヤ53cとは同一径(同一歯数)とされている。このため、両変速機49,50の低減速比回転伝達機構58,63の減速比は互いに同一である。同様に、両変速機49,50の高減速比回転伝達機構59,64の減速比も互いに同一とされている。
【0062】
ここで、本実施形態の動力伝達装置43の回転伝達系の減速比について表1を参照して説明しておく。
【0063】
【表1】
Figure 0003588356
【0064】
表1に示すように、エンジン41の出力軸41aから第1動力分配器44の入力軸たるリングギヤ44rまでの回転伝達系の減速比をk5、エンジン41の出力軸41aから第2動力分配器45の入力軸たるリングギヤ45rまでの回転伝達系の減速比をk6(本実施形態ではk6=k5)、第1動力分配器44のリングギヤ44rからサンギヤ44sまでの減速比をk7、第2動力分配器45のリングギヤ45rからサンギヤ45sまでの減速比をk8とおく。また、両変速機49,50の低減速比回転伝達機構58,63の減速比(ギヤ53b又は53cに対するギヤ53aのギヤ比(歯数比))をk9、両変速機49,50の高減速比回転伝達機構59,64の減速比(ギヤ60b又は60cに対するギヤ60aのギヤ比(歯数比))をk10(>k9)とおく。このとき、エンジン41の出力軸41aから第1動力分配器44を経由して動力出力軸51に至る回転伝達系(第1分配器側回転伝達系)の減速比は、変速機49の減速比の切換えによって、表1に示したとおり、k5・(1+k7)・k9又はk5・(1+k7)・k10となる。同様に、エンジン41の出力軸41aから第2動力分配器45を経由して動力出力軸51に至る回転伝達系(第2分配器側回転伝達系)の減速比は、変速機50の減速比の切換えによって、表1に示したとおり、k6・(1−k8)・k9又はk6・(1−k8)・k10となる。そして、これらの第1分配器側回転伝達系と第2分配器側回転伝達系とを合わせた4種類の減速比が等比数列状の値になるように、k10=A・k9とされている。ここで、Aは、エンジン41の出力軸41aから第1動力分配器44のキャリア44cまでの減速比とエンジン41の出力軸41aから第2動力分配器45のキャリア45cまでの減速比との比率である。本実施形態では、k5=k6であるので、A=(1+k7)/(1−k8)である。上記のようにk10=A・k9となるように変速機49,50の減速比k9,k10の値を設定しておくことで、4種類の減速比k5・(1+k7)・k9、k5・(1+k7)・k10、k6・(1−k8)・k9、k6・(1−k8)・k10を小さいものから順に並べたとき、それらの値は、A倍づつ、値が異なる等比数列状のものとなる。以下、減速比k5・(1+k7)・k9、k5・(1+k7)・k10、k6・(1−k8)・k9、k6・(1−k8)・k10を、大きい値のものから順番に第1減速比R1(=k5・(1+k7)・k10)、第2減速比R2(=k6・(1−k8)・k10)、第3減速比R3(=k5・(1+k7)・k9)、第4減速比R4(=k6・(1−k8)・k9)と称する。
【0065】
なお、本実施形態では、上記の如く、k10=A・k9となるように変速機49,50の減速比k9,k10の値を設定したが、必ずしもこのようにする必要はなく、基本的には、変速機49の減速比の切換えによって第1分配器側回転伝達系が採り得る減速比R1,R3と、変速機50の減速比の切換えによって第2分配器側回転伝達系が採り得る減速比R2,R4とが、R1>R2>R3>R4となるように、k5〜k10の値が設定されていればよい。また、両動力分配器44,45を、両者ともシングルピニオン型の遊星歯車装置で構成したり、あるいは両者ともダブルピニオン型の遊星歯車装置で構成するようにしてもよい。
【0066】
回転規制手段71は、前記第1実施形態の回転規制手段10と同様、第1動力分配器44のリングギヤ44aの回転を適宜阻止するためのものであり、ワンウェイクラッチ75と係止機構76とを備えている。これらのワンウェイクラッチ75および係止機構76の機能(動作)は、第1実施形態の回転規制手段10のワンウェイクラッチ19および係止機構20と同様である。また、回転規制手段72は、前記第1実施形態の回転規制手段11と同様、第2動力分配器45のキャリア45cの回転を適宜阻止するためのものであり、ワンウェイクラッチ77と係止機構78とを備えている。これらのワンウェイクラッチ75および係止機構76の機能(動作)は、第1実施形態の回転規制手段11のワンウェイクラッチ21および係止機構22と同様である。
【0067】
回転規制手段73,74は本発明における回転規制手段に相当するものである。以下説明すると、回転規制手段73は、第1モータ46の回転軸46a(第1動力分配器44のサンギヤ44sの回転軸)の所定の1方向の回転を阻止するためのワンウェイクラッチ79と、このワンウェイクラッチ79の機能(回転軸46aの1方向の回転を阻止する機能)をON/OFFする係止機構80とを備えている。係止機構80は、図示省略するアクチュエータを介してワンワエイクラッチ79に摩擦力あるいは凹凸嵌合等により係脱するものである。そして、該係止機構80は、ワンウェイクラッチ79に係合した状態では、ワンウェイクラッチ79の固定側部分を回転不能に係止して、該ワンウェイクラッチ79の機能をONにし、ワンウェイクラッチ79との係合を解除した状態では、該ワンウェイクラッチ79を第1モータ46の回転軸46aと一体的に回転し得る状態として、該ワンウェイクラッチ79の機能をOFFにするものである。なお、ワンウェイクラッチ79は、前記ワンウェイクラッチ75,77と同様、ラッチ機構などにより第1モータ46の回転軸46aの所定方向の回転を阻止するものである。この場合、エンジン41の出力軸41aの回転方向を図中の矢印Y9の方向としたとき、ワンウェイクラッチ79が、その機能のON状態において許容する回転軸46aの回転方向は矢印Y10の方向である。この回転軸46aの回転方向Y10は、後述のCVT走行において第1分配器側回転伝達系の減速比が第2分配器側回転伝達系の減速比よりも小さい場合に第1モータ46の回転軸46aが回るべき方向(リングギヤ44rおよびキャリア44cの回転方向と逆方向)である。
【0068】
回転規制手段74は、第2モータ47の回転軸47a(第2動力分配器45のサンギヤ45sの回転軸)の所定の1方向の回転を阻止するためのワンウェイクラッチ81と、このワンウェイクラッチ81の機能(回転軸47aの1方向の回転を阻止する機能)をON/OFFする係止機構82とを備えている。係止機構82は、図示省略するアクチュエータを介してワンワエイクラッチ81に摩擦力あるいは凹凸嵌合等により係脱するものである。そして、該係止機構82は、前記回転規制手段73の係止機構80と同様に、ワンウェイクラッチ81に係合した状態では、該ワンウェイクラッチ81の機能をONにし、ワンウェイクラッチ81との係合を解除した状態では、該ワンウェイクラッチ81の機能をOFFにするものである。なお、ワンウェイクラッチ81は、前記ワンウェイクラッチ75,77と同様、ラッチ機構などにより第2モータ47の回転軸47aの所定方向の回転を阻止するものである。この場合、ワンウェイクラッチ81が、その機能のON状態において許容する回転軸47aの回転方向は図中の矢印Y11の方向である。この回転軸47aの回転方向Y11は、後述のCVT走行において第2分配器側回転伝達系の減速比が第1分配器側回転伝達系の減速比よりも小さい場合に回転軸47aが回るべき方向(リングギヤ45rの回転方向と同方向)である。
【0069】
かかる本実施形態の動力伝達装置43の制御のための構成は、前記第1実施形態と同様である。すなわち、前記図2を参照して、マイクロコンピュータ等の電子回路により構成された制御装置25が備えられ、前記各クラッチ48,61,65はそれぞれに対応して設けられたアクチュエータ29を介して制御装置25により制御され、係止機構76,78,80,82はそれぞれに対応して設けられたアクチュエータ30を介して制御装置25により制御される。また、制御装置25は、前記第1実施形態と同様、図示しない燃料噴射装置やスロットル弁等を介してエンジン41の運転制御を行なうと共に、モータ駆動回路27,28をそれぞれ介して各モータ46,47と蓄電器26との間の通電制御を行なう。
【0070】
次に本実施形態の動力伝達装置43の作動を詳説する。エンジン41と動力出力軸51との間の変速(減速比の変更)を行いつつ、エンジン1の出力により車両を走行させるCVT走行(変速走行)を行う場合には、クラッチ48は接続状態に制御される。また、前記係止機構76,78はそれぞれ第1動力分配器44のリングギヤ44r、第2動力分配器45のキャリア45cの回転を阻止しない状態(開放状態)に制御される。
【0071】
このようにクラッチ48および係止機構76,78を動作させた状態で、前記制御装置25は、車両のアクセル操作量APと車速Vとに応じてマップ等を用いて車両の要求走行トルクを決定すると共に、その要求走行トルクと車速Vとに応じてマップ等を用いて動力伝達装置3の変速域を決定する。ここで、変速域は、前記第1減速比R1と第2減速比R2との間の変速域(以下、第1変速域という)、第2減速比R2と第3減速比R3との間の変速域(以下、第2変速域という)、並びに、第3減速比R3と第4減速比R4との間の変速域(以下、第3変速域という)がある。第1変速域、第2変速域、および第3変速域は、それぞれ基本的には低車速域、中車速域、高車速域で使用する変速域である。これらの第1変速域、第2変速域、第3変速域は、それぞれ図4(a)の点描領域X、図4(b)の点描領域Y、図4(c)の点描領域Zで変速動作が可能な変速域である。なお、これらの各図4(a)〜4(c)において、曲線g1〜g4は、エンジン41から動力出力軸51までの減速比をそれぞれ第1減速比R1、第2減速比R2、第3減速比R3、第4減速比R4に固定して、エンジン1を最大出力で運転させた場合の走行トルクと車速Vとの関係を示すグラフである。また、V1〜V3はそれぞれ曲線g1,g2,g3上でエンジン1の最大回転数に対応する車速である。
【0072】
制御装置25は、上記の如く決定した変速域に応じて変速機49,50のクラッチ61,65を図5〜図7で示すように動作させる。これらの図5〜図7はそれぞれ第1変速域、第2変速域、第3変速域に対応するものであり、クラッチ48,61,65の動作状態が接続状態であるとき、それを黒塗りで表し、切断状態であることを白抜きで表している。なお、この黒塗り、白抜きの意味は、係止機構76,78並びにワンウェイクラッチ75,77についても同様である。クラッチ48は、CVT走行中は接続状態であるので図5〜図7のいずれの図でも黒塗り状態となっている。同様に、係止機構76,78およびワンワエイクラッチ75,77は、CVT走行中は、いずれも回転を阻止しない開放状態であるので、図5〜図7のいずれの図でも白抜き状態となっている。また、黒塗り、白抜きの意味は、係止機構80,82についても同様であるが、これらの係止機構80,82の動作状態については後述する。
【0073】
第1変速域では、図5に示すように変速機49のクラッチ61が高減速比回転伝達機構59のギヤ60bを部材62に接続する状態に制御されると共に、変速機50のクラッチ65が高減速比回転伝達機構64のギヤ60cを部材66に接続する状態に制御される。このとき、エンジン41の出力トルクのうち、第1動力分配器44に分配されるトルクは、第1動力分配器44のキャリア44cから変速機49の高減速比回転伝達機構59を介して動力出力軸51に伝達され、第2動力分配器45に分配されるトルクは、第2動力分配器45のキャリア45cから変速機50の高減速比回転伝達機構64を介して伝達される。また、このとき、エンジン41の出力軸41aの回転方向を矢印Y9の向きとすると、第1モータ46の回転軸46aおよび第2モータ47の回転軸47aの回転方向はそれぞれ図5の矢印Y12,Y13の向きとなる。
【0074】
また、第2変速域では、図6に示すように変速機49のクラッチ61が低減速比回転伝達機構58のギヤ53bを部材62に接続する状態に制御されると共に、変速機50のクラッチ65が高減速比回転伝達機構64のギヤ60cを部材66に接続する状態に制御される。このとき、エンジン41の出力トルクのうち、第1動力分配器44に分配されるトルクは、第1動力分配器44のキャリア44cから変速機49の低減速比回転伝達機構58を介して動力出力軸51に伝達され、第2動力分配器45に分配されるトルクは、第1変速域の場合と同じ経路で動力出力軸51に伝達される。また、このとき、エンジン41の出力軸41aの回転方向を矢印Y9の向きとすると、第1モータ46の回転軸46aおよび第2モータ47の回転軸47aの回転方向はそれぞれ図6の矢印Y14,Y15の向きとなる。この場合の各回転軸46a,47aの回転方向は、第1変速域の場合と逆向きである。
【0075】
また、第3変速域では、図7に示すように変速機49のクラッチ61が低減速比回転伝達機構58のギヤ53bを部材62に接続する状態に制御されると共に、変速機50のクラッチ65が低減速比回転伝達機構63のギヤ53cを部材66に接続する状態に制御される。このとき、エンジン41の出力トルクのうち、第1動力分配器44に分配されるトルクは、第2変速域の場合と同じ経路で動力出力軸51に伝達され、第2動力分配器45に分配されるトルクは、第2動力分配器45のキャリア45cから変速機50の低減速比回転伝達機構63を介して動力出力軸51に伝達される。また、このとき、エンジン41の出力軸41aの回転方向を矢印Y9の向きとすると、第1モータ46の回転軸46aおよび第2モータ47の回転軸47aの回転方向はそれぞれ、前記第1変速域と同じ向き(矢印Y14,Y15の向き)となる。
【0076】
制御装置25は、前記第1実施形態の場合と同様に、車両の要求走行トルクと車速Vとに応じてエンジン41の目標出力を決定し、さらに、その目標出力を前記決定した変速域で発生する上で最も効率のよい(最も燃料消費量が少なくなる)エンジン41の目標出力トルクと目標回転数との組を決定する。そして、制御装置25は、前記第1実施形態と同様に、目標出力トルクに応じてエンジン41のスロットル弁(図示しない)の開度を制御すると共に、目標回転数と実回転数NE(検出値)との偏差に応じて目標出力トルクを補正することで、エンジン41の目標負荷トルクを決定する。さらに、制御装置25は、決定した目標負荷トルクと前記要求走行トルクに対応して動力出力軸51に発生させるべき目標駆動トルクとを基に、各モータ46,47の目標トルクを前記式(1)、(2)と同様の次式(5)、(6)に基づいて決定する。
【0077】
Te=(1/γ1)・T1+(1/γ2)・T2 ……(5)
Tv=γ4・T1+γ4・T2 ……(6)
【0078】
ここで、γ1は、エンジン41の出力軸41aから第1モータ46までの減速比、γ2は、エンジン41の出力軸41aから第2モータ47までの減速比である。これらの減速比γ1,γ2は、前記表1の符号を用いて表すと、γ1=k5・k7、γ2=k6・k8である。また、γ3は、第1モータ46の回転軸46aから動力出力軸51までの減速比、γ4は第2モータ47の回転軸47aから動力出力軸51までの減速比である。これらの減速比γ3,γ4は、変速域が第1〜第3のいずれの変速域であるかに応じたものとなる。具体的には、前記図5の第1変速域では、第1動力分配器44のキャリア44cから動力出力軸51への減速比と第2動力分配器45のキャリア45cから動力出力軸51への減速比とはいずれもk10(=高減速比回転伝達機構59,64の減速比)である。従って、第1モータ46の回転軸46aから第1動力分配器44のキャリア44cへの減速比をk11、第2モータ47の回転軸47aから第2動力分配器45のキャリア45cまでの減速比をk12とおくと、γ3=k11・k10、γ4=k12・k10である。なお、k11=(1+k7)/k7、k12=(1−k8)/k8である。また、図6の第2変速域では、第1動力分配器44のキャリア44cから動力出力軸51への減速比と第2動力分配器45のキャリア45cから動力出力軸51への減速比とはそれぞれk9、k10である。従って、γ3=k11・k9、γ4=k12・k10である。また、図7の第3変速域では、第1動力分配器44のキャリア44cから動力出力軸51への減速比と第2動力分配器45のキャリア45cから動力出力軸51への減速比とはいずれもk9(=低減速比回転伝達機構58,63の減速比)である。従って、γ3=k11・k9、γ4=k12・k9である。
【0079】
なお、本実施形態の動力伝達装置43では、エンジン43の出力軸43aの回転速度ωeと動力出力軸51の回転速度ωvと各モータ46,47の回転軸46a,47aのそれぞれの回転速度ω1,ω2との間には次の関係式(7)、(8)が成立する。
【0080】
ωe=Ra・ωv−k7・ω1 ……(7)
ωe=Rb・ωv+k8・ω2 ……(8)
【0081】
ここでRa,Rbの組(Ra,Rb)は、第1変速域では(R1,R2)、第2変速域では(R3,R2)、第3変速域では(R3,R4)である。また、k7,k8は前記表1に示した減速比である。そして、各変速域において、max(Ra,Rb)>ωe/ωv>min(Ra,Rb)である。
【0082】
制御装置25は、各モータ46,47の目標トルクを決定するとき、前記の如く決定したエンジン41の目標負荷トルクTeと、動力出力軸51の目標駆動トルクTvとから、前記式(5)、(6)に基づいて各モータ46,47の目標トルクT1,T2を決定する。そして、制御装置25は、この目標トルクT1,T2に応じて各モータ46,47の通電電流を制御し、その目標トルクT1,T2のトルクをそれぞれのモータ46,47に発生させる。
【0083】
上述のようにエンジン41、各モータ46,47の制御を行なったとき、第1〜第3の各変速域において、基本的には、該変速域の両端の減速比のうちの大きい方の減速比に対応するモータ46又は47が駆動トルク(力行トルク)を発生する駆動状態に制御され、小さい方の減速比に対応するモータ47又は46が回生トルクを発生する回生状態(発電状態)に制御される。具体的には、前記第1変速域では、第1モータ46が駆動状態、第2モータ47が回生状態に制御される。また、第2変速域では、第1モータ46が回生状態、第2モータ47が駆動状態に制御される。さらに第3変速域では、第1モータ46が駆動状態、第2モータ47が回生状態に制御される。そして、いずれの変速域においても、定常的には、前記第1実施形態と同様に、駆動状態となるモータ46又は47の消費電力と、回生状態となるモータ47又は46の発電電力とはバランスする(消費電力≒発電電力となる)。このとき、エンジン41の出力軸41aと動力出力軸51との間では、各変速域の両端の減速比の間の変速比で変速動作が行なわれつつ、前記したようにエンジン41の出力トルクが動力出力軸51に伝達され、車両の変速走行が行われる。
【0084】
一方、制御装置25は、前記回転規制手段73,74の係止機構80,82を各変速域において、基本的には図5〜図7に示した如く制御する。すなわち、第1変速域では、制御装置25は、図5に示すように係止機構80をワンウェイクラッチ79に係合させずに、該ワンウェイクラッチ79の機能をOFFにすると共に、係止機構82をワンウェイクラッチ81に係合させて該ワンウェイクラッチ81の機能をONにする。このとき、第1モータ46の回転軸46aの回転方向Y12は、ワンウェイクラッチ79の回転許容方向と逆向きであるが、該ワンウェイクラッチ79の機能はOFFにされているため、第1モータ46の回転軸46aが支障なく矢印Y12の向きに回転できる。また、第2モータ47の回転軸47aの回転方向Y13は、ワンウェイクラッチ81の回転許容方向と同じであるので、該回転軸47aが支障なく矢印Y13の向きに回転できる。
【0085】
そして、前記第1実施形態と同様に、エンジン41が非作動状態になると、ON状態のワンウェイクラッチ81によって、第2モータ47の回転軸47aが矢印Y13と逆方向に回転するのが阻止されて、エンジン41の回転速度が0まで低下するのが阻止される(エンジン41の回転速度は、R2・ωvの回転速度までしか低下しない)。その結果、前記第1実施形態と同様に、第1モータ46の回転速度が過剰に高速回転となるのが防止される。なお、第1変速域では、第1モータ46寄りの第1分配器側回転伝達系の減速比(=第1減速比R1)が第2モータ47寄りの第2分配器側回転伝達系の減速比(=第2減速比R2)よりも大きくなっている。
【0086】
また、第2変速域では、制御装置25は、図6に示すように、係止機構80をワンウェイクラッチ79に係合させて該ワンウェイクラッチ79の機能をONにすると共に、係止機構82をワンウェイクラッチ81に係合させずに、該ワンウェイクラッチ81の機能をOFFにする。このとき、第1モータ46の回転軸46aの回転方向Y14は、ワンウェイクラッチ79の回転許容方向と同方向であるので、該回転軸46aが支障なく矢印Y14の向きに回転できる。また、第2モータ47の回転軸47aの回転方向Y15は、ワンウェイクラッチ81の回転許容方向と逆向きであるが、該ワンウェイクラッチ81の機能はOFFにされているため、第2モータ47の回転軸47aが支障なく矢印Y15の向きに回転できる。
【0087】
そして、前記第1実施形態と同様に、エンジン41が非作動状態になると、ON状態のワンウェイクラッチ79によって、第1モータ46の回転軸46aが矢印Y14と逆方向に回転するのが阻止されて、エンジン41の回転速度が0まで低下するのが阻止される(エンジン41の回転速度は、R3・ωvの回転速度までしか低下しない)。その結果、前記第1実施形態と同様に、第2モータ47の回転速度が過剰に高速回転となるのが防止される。なお、第2変速域では、第1モータ46寄りの第1分配器側回転伝達系の減速比(=第3減速比R3)が第2モータ47寄りの第2分配器側回転伝達系の減速比(=第2減速比R2)よりも小さくなっている。このため、前記第1変速域の場合と逆に、第1モータ46の回転軸46aの逆転を阻止して、第2モータ47の回転速度が高速回転になるのを防止することとなる。
【0088】
また、第3変速域では、制御装置25は、図7に示すように、係止機構80をワンウェイクラッチ79に係合させずに、該ワンウェイクラッチ79の機能をOFFにすると共に、係止機構82をワンウェイクラッチ81に係合させて該ワンウェイクラッチ81の機能をONにする。このとき、第1モータ46の回転軸46aの回転方向Y12、第2モータ47の回転軸47aの回転方向Y13は、第1変速域と同じであり、且つ各ワンウェイクラッチ79,81の動作状態も第2変速域と同じであるので、第1変速域の場合と同様、各回転軸46a,47aはそれぞれ支障なく矢印Y12,Y13の向きに回転できる。
【0089】
そして、第1変速域の場合と同様、エンジン41が非作動状態になると、ON状態のワンウェイクラッチ81によって、第2モータ47の回転軸47aが矢印Y13と逆方向に回転するのが阻止されて、エンジン41の回転速度が0まで低下するのが阻止される(エンジン41の回転速度は、R4・ωvの回転速度までしか低下しない)。その結果、第1変速域の場合と同様に、第1モータ46の回転速度が過剰に高速回転となるのが防止される。係止機構80をワンウェイクラッチ79に係合させずに、該ワンウェイクラッチ79の機能をOFFにすると共に、係止機構82をワンウェイクラッチ81に係合させて該ワンウェイクラッチ81の機能をONにする。このとき、第1モータ46の回転軸46aの回転方向Y12は、ワンウェイクラッチ79の回転許容方向と逆向きであるが、該ワンウェイクラッチ79の機能はOFFにされているため、第1モータ46の回転軸46aが支障なく矢印Y1 2の向きに回転できる。また、第2モータ47の回転軸47aの回転方向Y13は、ワンウェイクラッチ81の回転許容方向と同じであるので、該回転軸47aが支障なく矢印Y13の向きに回転できる。
【0090】
そして、前記第1実施形態と同様に、エンジン41が非作動状態になると、ON状態のワンウェイクラッチ81によって、第2モータ47の回転軸47aが矢印Y13と逆方向に回転するのが阻止されて、エンジン41の回転速度が0まで低下するのが阻止される(エンジン41の回転速度は、R2・ωvの回転速度までしか低下しない)。その結果、前記第1実施形態と同様に、第1モータ46の回転速度が過剰に高速回転となるのが防止される。なお、第3変速域では、第1モータ46寄りの第1分配器側回転伝達系の減速比(=第3減速比R3)が第2モータ47寄りの第2分配器側回転伝達系の減速比(=第4減速比R4)よりも大きくなっている。
【0091】
また、変速域を切換える際には、次のような制御が行われる。変速域を第1変速域から第2変速域に切換えるとき、並びに第2変速域から第1変速域に切換えるときには、それぞれ図8(a),(b)のフローチャートに示す制御処理が制御装置25により実行される。第1変速域から第2変速域への切換えにおいては、まず、STEP1aにおいて、エンジン41から動力出力軸51への減速比が第1変速域の下限減速比である第2減速比R2に近づけるように各モータ46,47のトルクを制御する。具体的には、制御装置25は、エンジン41と動力出力軸51との間の変速比を第2減速比R2に設定した場合に、車両の要求走行トルクを発生し得るエンジン1の目標出力トルクと目標回転数との組を要求走行トルクと車速V(検出値)とに基づいて決定する。そして、制御装置25は、各変速域での定常的なCVT走行の場合と同様に、目標出力トルクに応じてエンジン1のスロットル弁(図示しない)の開度を制御すると共に、目標回転数と実回転数NE(検出値)との偏差に応じて目標出力トルクを補正することで、エンジン1の目標負荷トルクを決定する。さらに、制御装置25は、決定した目標負荷トルクと前記要求走行トルクに対応して動力出力軸11に発生させるべき目標駆動トルクとを基に、各モータ46,47の目標トルクを前記式(5)、(6)に基づいて決定する。そして、この決定した目標トルクに応じて各モータ46,47の通電電流を制御する。なお、この制御によって、最終的には、第1モータ46の発生トルクはほぼ0になり、第2モータ47の発生トルクは、エンジン1の出力トルクとほぼ釣り合うトルク(≒Te・γ1)になる。また、第2モータ47の回転速度はほぼ0になる。そして、エンジン1の出力トルクは、両動力分配器44,45のうちの第2動力分配器46のみを介して動力出力軸51に伝達されるようになる。
【0092】
次いで、STEP2aにおいて、制御装置25は、エンジン1の出力トルクが伝達されなくなる変速機49のクラッチ61を高減速比回転伝達機構59のギヤ60bから切り離し、該高減速比回転伝達機構59をOFFにする(高減速比回転伝達機構59を介した回転伝達を不能にする)。さらに、STEP3aにおいて、第2モータ47側の係止機構82をワンウェイクラッチ81から切り離して、該ワンウェイクラッチ81の機能をOFFにする。そして、STEP4aにおいて、エンジン41から動力出力軸51への減速比を第2減速比に保持する。このときエンジン41の回転数が目標回転数に維持されるように第2モータ47の発生トルクが調整される。そして、この状態で、STEP5aにおいて、変速機49のクラッチ61を低減速比回転伝達機構58のギヤ53bに接続することで、該低減速比回転伝達機構58をONにする(低減速比回転伝達機構58を介した回転伝達を可能とする)。STEP2a〜5aの処理により、第1分配器側回転伝達系の減速比が第1減速比R1から第3減速比R3に変更される。
【0093】
次いで、STEP6aにおいて、制御装置25は、第1モータ46側の係止機構80をワンウェイクラッチ79に係合させて、該ワンウェイクラッチ79の機能をONにする。これにより、ワンウェイクラッチ79,81は、前記図5に示した第2変速域の動作状態となる。その後は、STEP7aにおいて、制御装置25は、動力伝達装置43の前記した第2変速域における変速動作を行なわせる。
【0094】
上記と逆に第2変速域から第1変速域への切換えの際には、図8(b)に示す処理が制御装置25により実行される。まず、STEP1bにおいて、前記STEP1aと同様にエンジン41から動力出力軸51への減速比を第2変速域の上限減速比である第2減速比R2に近づけるように各モータ46,47のトルクを制御する。次いで、STEP2bにおいて、変速機49のクラッチ61を低減速比回転伝達機構58のギヤ53bから切り離すことで、該低減速比回転伝達機構58をOFFにする。さらにSTEP3bにおいて、第1モータ44側の係止機構80をワンウェイクラッチ79から切り離すことで、該ワンウェイクラッチ79の機能をOFFにする。そして、STEP4bにおいて、前記STEP4aと同様にエンジン41から動力出力軸51への減速比を第2減速比に保持する。次いで、STEP5bにおいて、変速機49のクラッチ61を高減速比回転伝達機構59のギヤ60bに接続することで、該高減速比回転伝達機構59をONにする。そして、STEP6bにおいて第2モータ47側の係止機構82をワンウェイクラッチ81に係合させることで、該ワンウェイクラッチ81の機能をONにした後、STEP7bにおいて、動力伝達装置43の前記した第1変速域における変速動作を行なわせる。
【0095】
第2変速域と第3変速域との間の切換えは、図9(a),(b)に示す如く、前記した第1変速域と第2変速域との間の切換えの場合と同様の手順で行われる。以下、簡単に説明すると、第2変速域から第3変速域への切換えにおいては、図9(a)に示すように、まず、STEP11aにおいて、前記STEP1aと同様の制御処理によって、エンジン41と動力出力軸51との間の減速比を第3減速比に近づける。次いで、STEP12aにおいて、変速機50のクラッチ65をギヤ60cから切り離すことで、高減速比回転伝達機構64をOFFにする。さらに、STEP13aにおいて第1モータ46側のワンウェイクラッチ79の機能をOFFにする。そして、STEP14aにおいて、エンジン41から動力出力軸51への減速比を第3減速比に保持する。このとき、エンジン41の回転数が目標回転数に維持されるように第1モータ44の発生トルクが調整される。次いで、STEP15aにおいて、変速機50のクラッチ65をギヤ63cに接続することで、低減速回転伝達機構63をONにする。次いで、STEP16aにおいて、第2モータ47側のワンウェイクラッチ81の機能をONにした後、STEP17aにおいて、動力伝達装置43の前記した第3変速域における変速動作を行なわせる。
【0096】
また、上記と逆に第3変速域から第2変速域への切換えの際には、図9(b)に示すように、まず、STEP11bにおいて、エンジン51から動力出力軸51への減速比を第3減速比に近づけた後、STEP12bにおいて、変速機50のクラッチ65をギヤ53cから切り離すことで、低減速比回転伝達機構63をOFFにする。さらに、STEP13bにおいて第2モータ46側のワンウェイクラッチ81の機能をOFFにする。そして、STEP14bにおいて、前記STEP14aと同様に、エンジン41から動力出力軸51への減速比を第3減速比に維持する。次いで、STEP15bにおいて、変速機50のクラッチ65をギヤ60cに接続することで、高減速比回転伝達機構64をONにする。次いで、STEP16bにおいて、第1モータ46側のワンウェイクラッチ79の機能をONにした後、STEP17bにおいて、動力伝達装置43の前記した第2変速域での変速動作を行なわせる。
【0097】
なお、本実施形態では、前記第1変速域では、図4(a)の車速V1よりも低い車速域では、要求走行トルクが大きい場合に、エンジン41と動力出力軸51との間の減速比を該第1変速域の上限減速比である第1減速比R1にする。また、第2変速域では、変速域を第1変速域に切換える際等に、図4(b)の車速V2よりも低い車速域において、エンジン41と動力出力軸51との間の減速比を第2変速域の上限減速比である第2減速比R2にする。また、第3変速域では、変速域を第2変速域に切換える際等に、図4(c)の車速V3よりも低い車速域において、エンジン41の動力出力軸51との間の減速比を第3変速域の上限減速比である第3減速比R3にする。そして、これらの状態では、ワンウェイクラッチ79あるいは81によって低減速比側のモータ(第1および第3変速域では第2モータ47、第2変速域では第1モータ46)の回転軸の逆転を阻止することはできない。このため、本実施形態では、第1変速域の車速V1よりも低い車速域で減速比をR1として車両を走行させている場合に、エンジン41が非作動状態になったときの第1モータ46の回転速度の最大値と、第3変速域の車速V3よりも低い車速域で減速比をR3として車両を走行させている場合に、エンジン41が非作動状態になったときの第1モータ46の回転速度の最大値とのうちの大きい方を第1モータ46の許容最大回転速度としている。また、第2変速域の車速V2よりも低い車速域で減速比をR2として車両を走行させている場合に、エンジン41が非作動状態になったときの第1モータ46の回転速度の最大値を第2モータ47の許容最大回転速度としている。従って、第1変速域の車速V1よりも低い車速域、あるいは第3変速域の車速V3よりも低い車速域では必ずしもワンウェイクラッチ81の機能をONにしておかなくてもよい。同様に、第2変速域の車速V2よりも低い車速域では必ずしもワンウェイクラッチ79の機能をONにしておかなくてもよい。
【0098】
なお、本発明の要旨とするところではないので、詳細な説明は省略するが、本実施形態の動力伝達装置43においては、前記第1実施形態と同様に、エンジン1の出力を用いずに、第1モータ46あるいは第2モータ47の駆動トルクで車両を走行させることもできる。この場合には、変速機50のクラッチ65をギヤ53c,60cのいずれにも接続せずに、該変速機50の両回転伝達機構63,64をOFF状態にしておく。さらに、第1動力分配器44のリングギヤ44rの回転を係止機構76により阻止しつつ、第1モータ46に図3の矢印Y10の方向の駆動トルクを発生させることで、その駆動トルクを動力出力軸51に伝達して車両の走行(所謂EV走行)を行うことができる。また、例えばこの状態で、第2動力分配器45のキャリア5cの回転をワンウェイクラッチ77により阻止しつつ、第2モータ47に矢印Y11の向きに駆動トルクを発生させることで、その駆動トルクをエンジン41の出力軸41aに伝達して該エンジン41を始動することができる。さらに、このエンジン41の始動後、第2動力分配器45のキャリア45cの回転を係止機構78により阻止しつつ、エンジン41の出力トルクを第2モータ47に伝達して、該第2モータ47の回生発電を行うことで、第1モータ46によるEV走行を行いながら、エンジン41の出力により第2モータ47の回生発電(蓄電器26の充電)を行うこと(所謂シリーズ型のEV走行を行うこと)ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動力伝達装置の第1実施形態を備えるハイブリッド車両の全体構成を模式的に示すシステム構成図。
【図2】第1実施形態又は第2実施形態の動力伝達装置の制御システムを示すブロック図。
【図3】本発明の動力伝達装置の第2実施形態を備えるハイブリッド車両の全体構成を模式的に示すシステム構成図。
【図4】(a)〜(c)はそれぞれ第2実施形態の動力伝達装置の変速域を説明するためのグラフ。
【図5】第2実施形態の動力伝達装置の作動を説明するめたの図。
【図6】第2実施形態の動力伝達装置の作動を説明するための図。
【図7】第2実施形態の動力伝達装置の作動を説明するための図。
【図8】(a),(b)は第2実施形態の動力伝達装置の変速域を第1変速域と第2変速域との間で切換える際の作動を説明するためのフローチャート。
【図9】(a),(b)は第2実施形態の動力伝達装置の変速域を第2変速域と第3変速域との間で切換える際の作動を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1,41…エンジン、2,42…駆動輪、3,43…動力伝達装置、4,44…第1動力分配器(遊星歯車装置)、5,45…第2動力分配器(遊星歯車装置)、4r,5r,44r,45r…リングギヤ(入力軸)、4c,5c,44c,45c…キャリア(第1出力軸)、4s,5s,44s,45s…サンギヤ(第2出力軸)、6,46…第1モータ、7,47…第2モータ、49,50…変速機、13,51…動力出力軸、12,73,74…回転規制手段、23,79,81…ワンウェイクラッチ。

Claims (4)

  1. エンジンの回転駆動力がそれぞれ入力軸に伝達される第1及び第2動力分配器と、前記第1動力分配器の2つの出力軸のうちの第1出力軸と前記第2動力分配器の2つの出力軸のうちの第1出力軸とから回転駆動力が伝達され、その伝達された回転駆動力を車両の駆動輪に出力する動力出力軸と、前記第1動力分配器の第2出力軸に駆動トルク又は回生トルクを付与する第1モータと、前記第2動力分配器の第2出力軸に駆動トルク又は回生トルクを付与する第2モータとを備え、前記エンジンから前記第1動力分配器を介して前記動力出力軸に至る回転伝達系と前記エンジンから前記第2動力分配器を介して前記動力出力軸に至る回転伝達系とがそれぞれの減速比が互いに異なる値になるように構成されたハイブリッド車両の動力伝達装置において、
    前記第1モータおよび第2モータのうち、前記減速比が小さい側の回転伝達系の動力分配器の第2出力軸にトルクを付与する低減速比側モータの回転軸の回転を阻止する制動状態と該回転軸を回転自在とする開放状態とに動作可能な回転規制手段を備え、
    前記両回転伝達系の減速比の間の減速比でエンジンと動力出力軸との間の変速を行いつつ該エンジンの出力により車両の走行を行う変速走行中に、前記エンジンが非作動状態になった場合に、前記回転規制手段を制動状態に動作させて前記低減速比側モータの回転軸の回転を阻止するようにしたことを特徴とするハイブリッド車両の動力伝達装置。
  2. 前記回転規制手段は、前記変速走行中における前記低減速比側モータの回転軸の回転方向から該低減速比側モータの回転軸が逆方向に回転するのを阻止するワンウェイクラッチにより構成されていることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
  3. 前記両回転伝達系のうちの少なくとも1つの回転伝達系に、該回転伝達系の減速比を複数段に変更可能な変速機が設けられると共に、該変速機による減速比の変更によって、前記第1動力分配器側の回転伝達系の減速比が第2動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも大きくなる状態と、第2動力分配器側の回転伝達系の減速比が第1動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも大きくなる状態とを有し、前記回転規制手段は、各モータ毎に備えられていることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
  4. 前記第1モータに対応する回転規制手段は、前記第1動力分配器側の回転伝達系の減速比が第2動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも小さい状態での前記変速走行中における該第1モータの回転方向から該第1モータが逆方向に回転するのを阻止する第1ワンウェイクラッチと、前記第1動力分配器側の回転伝達系の減速比が第2動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも大きい状態での前記変速走行中における該第1ワンウェイクラッチの回転阻止機能を停止させる第1ワンウェイクラッチOFF手段とを備え、
    前記第2モータに対応する回転規制手段は、前記第2動力分配器側の回転伝達系の減速比が第1動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも小さい状態での前記変速走行中における該第2モータの回転方向から該第2モータが逆方向に回転するのを阻止する第2ワンウェイクラッチと、前記第2動力分配器側の回転伝達系の減速比が第1動力分配器側の回転伝達系の減速比よりも大きい状態での前記変速走行中における該第2ワンウェイクラッチの回転阻止機能を停止させる第2ワンウェイクラッチOFF手段とを備えることを特徴とする請求項3記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
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