JP3587687B2 - 実像式ズームファインダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影レンズとファインダ光学系とが別体に構成されたレンズシャッターカメラ等に用いられる実像式ズームファインダに関する。
【0002】
【従来の技術】
撮影光学系とファインダ光学系が別々に構成されているカメラでは、撮影光学系の変倍に合わせてファインダ視野範囲も変化することが好ましい。そこで視野範囲を変化させる方式として変倍ファインダが一般に用いられている。
この変倍ファインダ光学系は逆ガリレオ式と実像式に大別される。
変倍ファインダを構成する際、前者は前群レンズの外径が大きくなる。これに対して後者の方式は、レンズ外径の小形化が可能であるためコンパクトカメラ等への使用には有利となる。また、実像式ファインダは対物レンズ系により形成した実像を観察する構成であるため、実像の位置に視野枠等を配置することで、視野枠やその他の情報を明確に見せることが可能であるという利点も持つ。
【0003】
実像式変倍ファインダ光学系はその一例が特開平6−214159(以下、「従来例1」という)に提案されている。これは、対物系を負の屈折力の第1群、正の屈折力の第2群、正の屈折力を持つ第3群を順置し第1、第2、第3群のそれぞれの群間隔を変化させながら変倍を行うものである。
また、他の例(特開平8−136806(以下「従来例2」という))も提案されており、この例の場合は対物レンズ系を負の第1レンズ群、正の第2レンズ群、負の第3レンズ群、正の第4レンズ群から構成し、第2、3レンズ群を移動して変倍を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来の技術のうち従来例1の方式では移動するレンズ群が多く、レンズ以外の部品点数も増えてしまうためにファインダ全体が大きくなってしまう。また近年、頻繁に使用されるようになった非球面レンズは、諸収差を良好に補正できるメリットがある反面、組み込みや、移動にともなう偏芯公差に対して弱く、性能の低下を引き起こすという欠点を持っている。そのため変倍により移動する非球面レンズ群は少ないほうが望ましい。
【0005】
一方、従来例2の方式は、第4レンズ群を正の屈折力のレンズ群として変倍時の射出瞳位置の変化を抑制する方式を取っている。この場合、正立プリズムの光線有効径が大きくなりやすく2回以上の反射光路を確保するのが困難な構成となっている。
本発明の目的は、従来例1,2に比較しファインダ構成の簡素化を可能にして一層の小形化が実現できるとともに複数回反射の正立正像部材の挿入を容易にしてファインダ倍率を大きくできる実像式ズームファインダを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明による実像式ズームファインダは、正の屈折力を有する対物レンズ群と、前記対物レンズ群により反転する像を正立正像にする正立用光学部材と、正の屈折力を持つ接眼レンズを備えた実像式ズームファインダにおいて、物体側より順に、負の屈折力を持つ第1レンズ群,正の屈折力を持つ第2レンズ群,正の屈折力を持つ第3レンズ群,負の屈折力を持つ第4レンズ群および正の屈折力を持つ第5レンズ群を配列してなる対物レンズ群と、プリズムまたはミラーによる像反転部材と、正の屈折力を持つ接眼レンズ群とを備え、前記対物レンズ群は、前記第2レンズ群および第3レンズ群が変倍時に光軸方向への移動が可能で、前記第1レンズ群,第4レンズ群および第5レンズ群は固定位置に配置され、第iレンズ群の焦点距離をfi,広角端における第1レンズ群と第2レンズ群の間隔をDw12とすると、以下の条件式を満足するように構成されている。
0.6 < f3/f2 < 1.0 ・・・ (1)
0.75< Dw12/|f1| <1.1 ・・・ (2 )
また、本発明は、上記構成において前記第1レンズ群,第2レンズ群,第3レンズ群および第4レンズ群をそれぞれ1枚のレンズで構成し、かつそれぞれのレンズは少なくとも片方の面が非球面となるように構成されている。
【0007】
【作用】
上記構成によれば、変倍時に移動するレンズ群が少ないためファインダ構造を簡素にすることができ、ファインダモジュールの小型化が可能になる。また、対物系のバックフォーカスを長くすることができるため複数回反射の正立正像部材の挿入が容易になり、ファインダ倍率の大きな光学系を提供することが可能になる。その結果、3.5倍程度の変倍比を持ちながら小形で優れた性能を持つ実像式変倍ファインダを実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
実像式ファインダの場合、対物系によりできる像は上下左右反転する。この実像をプリズムやミラー、リレーレンズ系などの像反転光学系を介して接眼系で観察できるような構成をとる必要がある。特にカメラの寸法制約上でファインダ全長を長くできない場合にはプリズムやミラーなどの反射光学系を使用するため、対物系や接眼系にこれらの反射光学系を挿入するスペースを確保する必要がある。一般的には構成が簡素で設計上の自由度が大きい接眼系に反射光学系を挿入することは容易である。しかしながら、反射光学系により光路長が長くなると接眼倍率が低下する。すなわちファインダ倍率の低下の要因となるこの問題を回避するために対物系のバックフォーカスをできるだけ長くとり反射光学系の挿入スペースを確保することが必要になる。
【0009】
また、実像式ファインダの設計においては対物系の射出瞳位置と接眼系の入射瞳位置が一致しなければ光線がけられる。つまりファインダ像のかげりの原因となる。さらに実像式ズームファインダでは変倍時に対物系の射出瞳位置が変化するという特徴を持つが、その変化の度合いは変倍比増加に伴い大きくなる。これが接眼系の入射瞳位置の決定に制約条件を課し設計を困難にしている要因といえる。そこで変倍による対物系の射出瞳位置の変動をできるだけ抑制することが必要になる。
【0010】
図1は、本発明による実像式ズームファインダの実施の形態を示す構成図である。
対物レンズ群の第1群1は負の屈折力の凹レンズ,第2群2は正の屈折力の凸レンズ,第3群3は正の屈折力の凸レンズ,第4群4は負の屈折力の凹レンズおよび第5群5は正の屈折力のコンデンサレンズより構成されている。
第2群2の後ろ側と第3群3の前側にそれぞれ絞り7,8が配置されている。
コンデンサレンズ5の後部に結像面9が形成され、さらに接眼レンズ6が配置されている。プリズムやミラーは第4群と第5群の間および結像面9と接眼レンズ6との間に配置されている。
第2群2と第3群3を撮影レンズのズームに連動して移動させることにより撮影レンズ対応の倍率に変えることができる。
【0011】
第1群1から第4群4までの各レンズのいずれかの片面は非球面レンズで構成されている。
第1群1の非球面は広角端で発生するディストーションを補正する役割を持ち、レンズ中心から外周にかけてパワーが弱くなるような非球面形状を有する。第2群2の非球面は球面収差を補正する役割を持つ。第3群3の非球面は広角端で非点収差を補正し、望遠端では球面収差の補正を行う。第4群4の非球面は非点収差の補正を行うものである。
【0012】
つぎにファインダ対物系のバックフォーカスを長くするため下式の条件式を満たしている。
0.6 < f3/f2 < 1.0 ・・・ (1)
0.75< Dw12/|f1| 1.1 ・・・ (2)
ただし、
f1:第1群の焦点距離
f2:第2群の焦点距離
f3:第3群の焦点距離
Dw12:広角端における第1群と第2群の間隔。
【0013】
(1)式の下限を越えると非点収差が大きく発生し、上限を超えると正の屈折力が第2群2に集中し主点位置が前方へ移動するためバックフォーカスが短くなる。同様に(2)式の下限を超えるとバックフォーカスが短くなり、上限を超えると広角端と望遠端でディストーションの変動が大きくなる。
以上のように構成することにより3.5倍程度の変倍比を持ちながら小形で優れた性能を実現できる。
【0014】
【実施例】
表1,2および3に実施例1,2および3までの具体的数値例を示す。
【表1】
【表2】
【表3】
各実施例において面番号は、図1に示すように物体側から順に数えられた、各レンズの対応する面番号を示す。また、間隔2,間隔4および間隔6は第2群2と第3群3の移動により変化する。間隔は前の面より左にある場合を負、右にある場合を正とする。非球面のデータは、一番下の欄に面番号とともに示してある。また、第2群2の面番号4と第3群3の面番号5は絞り7,8の絞り面に対応している。曲率半径は物体側に凹の場合を負、凸の場合を正としており、曲率半径0は、曲率半径が無限であることを示している。屈折率は、d線(588nm)における屈折率を、分散はアッベ数をそれぞれ示している。非球面係数は、数式に示される各係数の値を示している。
【0015】
図2,図3および図4は、実施例1から3までの上記数値例により構成された例であり、(a) は各実施例のレンズの配置断面図,(b)は広角側のときの収差図,(c)は望遠側のときの収差図をそれぞれ示している。
実施例1は図1の基本構成図に比較し、結像面9の後ろ側に1枚のレンズを多く配置した構成となっている。
実施例2は、実施例1に比較し全長をコンパクトにしたもので、結像面9の 後ろ側にはレンズは挿入されていない。ゴミが付着するという問題を無くしたものである。
実施例3は実施例1,2に比較し接眼レンズ6の焦点距離を小さくして接眼倍率を増加させ、ファインダの倍率を大きくしたものである。
【0016】
本発明で使用される非球面は下式で与えられる。
【数1】
ただし、
z :面頂点に対する接平面からの深さ
c :面の近軸的曲率
h :光軸からの高さ
k :円錐定数
A :4 次の非球面係数
B :6 次の非球面係数
C :8 次の非球面係数
D :10次の非球面係数
【0017】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、従来例1に比較し変倍時に移動するレンズ群が少ないためファインダ構造を簡素にすることができ、ファインダモジュールを小形化できる。同時に対物レンズ系のバックフォーカスを長くすることができるので、複数回反射の正立正像部材の挿入が容易になり、ファインダ倍率の大きな光学系を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実像式ズームファインダの実施の形態を示す構成図である。
【図2】(a) は実施例1のレンズの配置断面図,(b)は広角側のときの収差図,(c)は望遠側のときの収差図である。
【図3】(a) は実施例2のレンズの配置断面図,(b)は広角側のときの収差図,(c)は望遠側のときの収差図である。
【図4】(a) は実施例3のレンズの配置断面図,(b)は広角側のときの収差図,(c)は望遠側のときの収差図である。
【符号の説明】
1…対物レンズ第1群(凹レンズ)
2…対物レンズ第2群(凸レンズ)
3…対物レンズ第3群(凸レンズ)
4…対物レンズ第4群(凹レンズ)
5…対物レンズ第5群(コンデンサレンズ)
6…接眼レンズ(凸レンズ)
7,8…絞り
Claims (2)
- 正の屈折力を有する対物レンズ群と、前記対物レンズ群により反転する像を正立正像にする正立用光学部材と、正の屈折力を持つ接眼レンズを備えた実像式ズームファインダにおいて、
物体側より順に、負の屈折力を持つ第1レンズ群,正の屈折力を持つ第2レンズ群,正の屈折力を持つ第3レンズ群,負の屈折力を持つ第4レンズ群および正の屈折力を持つ第5レンズ群を配列してなる対物レンズ群と、
プリズムまたはミラーによる像反転部材と、
正の屈折力を持つ接眼レンズ群とを備え、
前記対物レンズ群は、前記第2レンズ群および第3レンズ群が変倍時に光軸方向への移動が可能で、前記第1レンズ群,第4レンズ群および第5レンズ群は固定位置に配置され、
第iレンズ群の焦点距離をfi,広角端における第1レンズ群と第2レンズ群の間隔をDw12とすると、以下の条件式を満足することを特徴とする実像式ズームファインダ。
0.6 < f3/f2 < 1.0 ・・・ (1)
0.75< Dw12/|f1| <1.1 ・・・ (2 ) - 前記第1レンズ群,第2レンズ群,第3レンズ群および第4レンズ群をそれぞれ1枚のレンズで構成し、かつそれぞれのレンズは少なくとも片方の面が非球面であることを特徴とする請求項1記載の実像式ズームファインダ。
Priority Applications (1)
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JP16461598A JP3587687B2 (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | 実像式ズームファインダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16461598A JP3587687B2 (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | 実像式ズームファインダ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11352417A JPH11352417A (ja) | 1999-12-24 |
JP3587687B2 true JP3587687B2 (ja) | 2004-11-10 |
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CN110941082A (zh) * | 2018-09-21 | 2020-03-31 | 厦门松下电子信息有限公司 | 一种目镜光学***、电子取景器及图像摄取装置 |
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1998
- 1998-06-12 JP JP16461598A patent/JP3587687B2/ja not_active Expired - Fee Related
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