JP3587398B2 - 導電性粒子および異方導電性接着剤 - Google Patents
導電性粒子および異方導電性接着剤 Download PDFInfo
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、加圧接着の際に導電性接触面が増大するような導電性粒子およびこの導電性粒子を含有する異方導電性接着剤に関する。さらに詳しくは本発明は、近年の高密度実装に対応した高精細回路基板どうしの接続およびフィルム液晶基板のような可撓性を有する基板の配線接続用の異方導電性接着に特に適した導電性粒子およびこの導電性粒子を含有する異方導電性接着剤に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
表面に配線パターンが形成された配線基板を、その配線パターンが対面した状態で接着し、同一基板の配線パターン間を絶縁すると共に、対面する配線パターン間での電気導通性を確保するための接着剤として異方導電性接着剤が知られている。このような異方導電性接着剤は、熱接着性および電気絶縁性を有する接着性成分中に導電性粒子が分散した接着剤である。この異方導電性接着剤を二枚の配線基板の間に挟んで加熱加圧すると、配線パターンが形成された部分の絶縁性接着剤は横方向に移動してこの配線パターンは導電性粒子で電気的に接続されるので、異なる基板間での電気的接続を確保することができる。
【0003】
このような異方導電性接着剤において、導電性粒子としては、金属粒子あるいは硬質の樹脂粒子の表面に導電性金属膜を形成した粒子が使用されている。このような導電性粒子は、通常硬度が高いため、配線パターンとは点接触するのが一般的である。また、配線パターンは、従来、硬質のガラス板の上に形成されていたので、加熱圧着してもプリント配線基板に形成されている配線パターンが導電性粒子によって損傷を受けることは少なかった。
【0004】
しかしながら、従来の硬質ガラス板からなる基板の他に、昨今では、基板として、フレキシブルプリント配線基板のように比較的柔らかな素材を使用することが多くなってきている。また、液晶表示素子の中には樹脂フィルムからなる基板を有するものがあり、こうしたフィルム液晶のフィルム基板の周縁部には電極が形成されている。
【0005】
こうしたフィルム液晶あるいはフレキシブルプリント配線基板等を他のデバイスと接合する際に前記のような硬質の導電性粒子を含有する異方導電性接着剤を使用すると、たとえばペンゾグアナミン芯材、フェノール芯材に導電層を形成してなる硬質の導電性粒子によって電極が破壊されることがあり、こうした場合には良好な導電性が確保できないことがある。
【0006】
また、近時、回路の高密度化の要請が高く、上記のようなフレキシブルプリントをはじめとする配線基板においては、配線パターンの幅が狭くなってきていると共に隣接する配線パターン間の間隙幅も狭くなってきている。例えば従来は配線パターンのピッチが100μm程度であったが、最近では70μm程度のピッチのものが多くなってきており、さらにファインピッチのものは50μm程度でになってきている。こうしたピッチの狭小化に伴って、異方導電性接着剤に配合される導電性粒子の粒子径も小さくする必要がある。ところが、導電性粒子の直径が小さくなるに従って粒子自体が変形しにくくなり、加熱圧着によって配線パターンとの導電性粒子との接触が点接触になりやすい。導電性粒子と配線パターンとの接触面積が大きいほど導電不良が生じにくく、上記のようなファインピッチ化に伴ってより大きい接触面積を確保する必要がある。また、さらに銅箔回路をフィルム基材に接着している接着剤の耐熱性の問題から、配線パターンが狭くなり、接着している面積も狭くなるため、従来の異方導電性接着剤のような高温高圧では銅箔回路の脱離が発生するため、必然的に接合条件は低温低圧となり、このため導電性粒子を変形または圧潰させるためには、粒子の圧縮破壊強度が問題となっている。
【0007】
配線パターンと導電性粒子との接触面積を確保するためには、一般に、加熱圧着による圧力によって導電性粒子を楕円球のように変形させて接触面積を大きくする導電性粒子を用いる方法(例えば、特開昭63−107188号、特開昭62−188184号、特開昭62−188184号、特開平4−168736号等の公報参照)あるいは本願出願人が特願平6−276024号明細書で提案したように加熱圧縮の際の圧力により圧潰するような導電性粒子を使用する方法等がある。
【0008】
しかしながら、一般に粒子の圧縮破壊強度は、粒子径が小さいほど高くなり、従来使用されているような導電性粒子は、例えば上記のようなファインピッチの配線パターンで使用できる程度に微細化すると、加熱圧着の際の加圧によってはほとんど変形せず、さらに圧潰することもない。また、さらに基板の熱変形を防ぐため、接合条件が低温低圧化しており、導電性粒子はさらに変形、圧潰しにくくなっている。さらには、ファインピッチ化に伴い導電性粒子密度が高くなり、同一条件で圧着した場合における導電性粒子1個当たりの圧力は圧力分散により低くなり変形または圧潰しにくくなる。
【0009】
従って、配線パターンがファインピッチになるほど、導電性粒子と配線パターンとの間の接触は点接触になりやすく、充分な導電性を確保しにくいという問題が生ずる。
【0010】
さらに、導電性粒子の粒子径が小さくなるに従って、加熱圧着の際の圧力を導電性粒子が変形あるいは圧潰することによって吸収するとの作用が少なくなるので、圧力が配線パターンに直接かかることになる。ところが、配線パターンがファインピッチになるほど配線基板と配線パターンとの接合面積も小さくなり、加熱圧着の際の圧力によって配線パターンが損傷を受けやすくなる。殊に基板がフィルム状であるフレキシブル配線基板の場合には、配線パターンだけでなく、基板自体も損傷を受けることがあるという問題がある。
【0011】
【発明の目的】
本発明は、基板および配線パターンに、変形あるいは損傷を与えることなく、任意の圧力条件で、相対峙する配線パターンを電気的に有効かつ確実に接続することができる導電性粒子、およびこの導電性粒子を含有する異方導電性接着剤を提供することを目的としている。
【0012】
特に本発明は、隣接する配線パターン間が狭い配線パターンであっても、良好な導通性を確保することができる導電性粒子およびこの導電性粒子を含有する導通性に優れた異方導電性接着剤を提供することを目的としている。
【0013】
【発明の概要】
本発明の導電性粒子は、芯材粒子と、該芯材粒子の表面に形成された導電性金属層とを有する導電性粒子であり、該芯材粒子は、(メタ)アクリル系モノマーである、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートおよびイソボルニルアクリレートよりなる群から選択される、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−70℃以上である複数種類の(メタ)アクリル系モノマーから誘導される繰り返し単位を有し、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上である(メタ)アクリル系共重合体からなり、平均粒子径を9.6μmとしたときの該芯材粒子の圧縮破壊強度が2.522〜1.865kg/mm2の範囲内にあり、且つ該導電性粒子が、5〜30 kg / cm 2 の加圧下に圧潰可能に形成されていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の異方導電性接着剤は、前記本発明の導電性粒子が、絶縁性接着剤中に分散されていることを特徴としている。
本発明の導電性粒子は、単独重合体としたときのガラス転移温度(Tg)が特定の温度以上の(メタ)アクリル系モノマーを用いて芯材粒子を形成している。このような(メタ)アクリル系モノマーを使用すると、共重合成分の種類および共重合量によって得られる粒子の圧縮破壊強度を粒子ポリマーのガラス転移温度(Tg)と連動して連続的に変化させることができる。例えば、メチルメタクリレートを主成分として、エチルメタクリレートを共重合させると、エチルメタクリレートの共重合量が多くなるにつれて圧縮破壊強度が連続的に変化し、3μm程度の導電性粒子であっても加熱圧着の際の加圧によって圧潰が可能になる。
【0015】
そして、本発明によれば、特定の粒子径を有する導電性粒子について、この導電性粒子を形成する芯材粒子の強度を、単独重合体のガラス転移温度(Tg)を基にして共重合させるモノマーの量および種類を変えることにより制御することが可能になるのである。また、この制御において、ガラス転移温度(Tg)の異なる共重合可能な単量体として(メタ)アクリル系単量体が最も有効であり、特定の単量体の単独または共重合により、接合条件、導電性粒子径、導電性粒子密度に応じ任意に選択できることを見いだしたのである。
【0016】
このようにして強度が調整された(メタ)アクリル系(共)重合体からなる粒子を芯材とする本発明の導電性粒子は、加熱圧着の際の加圧によって、配線パターンと面接触するので、配線パターンと導電性粒子との接触面積が増大するために良好な導通性を発現させることができる。
【0017】
そして、このような導電性粒子が絶縁性接着剤中に分散された本発明の異方導電性接着剤を用いることにより、加熱圧着によって導電性粒子が圧潰された状態で対峙する配線パターン間に導通状態を形成するため、良好な導通状態が長期間にわたって変動しない。
【0018】
そして、本発明の異方導電性接着剤では、有効な導通を得るために任意の加圧条件を選択することができ、過度の圧力をかける必要がないので、例えばフィルム液晶基板やフレキシブルプリント基板のような硬度の低い基板を圧着する場合にも、電極あるいは基板の変形あるいは損傷を与えることがない。
【0019】
【発明の具体的説明】
次に本発明の導電性粒子および異方導電性接着剤について具体的に説明する。本発明の導電性粒子は、芯材粒子とこの芯材粒子の表面に形成された導電性層とからなる。
【0020】
本発明の導電性粒子を構成する芯材粒子は、特定の(メタ)アクリル系モノマーの共重合体からなり、これらのモノマーは、それぞれの単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−70℃以上であるモノマーから誘導される繰り返し単位を有している。なお、単独重合体としてのガラス転移温度(Tg)の上限値は、本発明の目的に応じて、芯材粒子が加熱圧着工程で少なくとも圧潰してその表面積が増大するように選択される。また、このガラス転移温度(Tg)の上限値は、製造する芯材粒子の粒子径、芯材粒子表面に導電性層を形成する工程あるいは本発明の導電性粒子を絶縁性接着剤中に配合して混合する工程および実装時の仮圧着工程におけるこの粒子にかかる応力などの種々のファクターによっても変動するが、一般には200℃以下であることが好ましい。
【0021】
さらに、本発明では単独重合体のガラス転移温度(Tg)が20〜120℃の範囲内にあるモノマーを主成分とする共重合体が好ましい。
単独重合体が上記のようなガラス転移温度(Tg)を有する(メタ)アクリル系モノマーの例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートおよびイソボルニルアクリレートを挙げることができる。ここで、GPCにより測定したスチレン換算重量平均分子量が50万の単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、ポリメチルメタクリレートが105℃、ポリエチルメタクリレートが65℃、ポリブチルメタクリレートが20℃、ポリメチルアクリレートが8℃およびポリエチルアクリレートが−22℃である。
【0022】
本発明の導電性粒子を形成する芯材は、上記のような単独重合体が特定のガラス転移温度(Tg)を有する重合体を形成する(メタ)アクリル系モノマーから誘導される繰り返し単位を有する(メタ)アクリル系(共)重合体から形成されている。この(メタ)アクリル系共重合体は、上記のような特定の(メタ)アクリル系モノマーの多元共重合体である。
【0023】
即ち、例えば、上記ガラス転移温度(Tg)が105℃の単独重合体を形成するメチルメタクリレートに、ガラス転移温度(Tg)が65℃の単独重合体を形成しするエチルメタクリレートの配合量を徐々に増やして共重合させたメチルメタクリレート・エチルメタクリレート共重合体からなる平均粒子径3μmの粒子について、その圧縮破壊強度を測定すると、メチルメタクリレートの単独重合体の圧縮破壊強度が最も高く、エチルメタクリレートの共重合量が多くなるに従ってこの圧縮破壊強度は低下する。そして、エチルメタクリレートの共重合量が一定量を超えると、粒子が弾性を示して粒子が塑性変形するようになる。このエチルメタクリレートの共重合量と圧縮破壊強度との関係を図1(A)に、また同一組成粒子での粒径と圧縮破壊強度との関係を図1(B)に模式的に示す。
【0024】
異方導電性接着剤に配合される導電性粒子は、加熱圧着の際に圧潰して、配線パターンと面接触することにより、導通信頼性が格段に向上するので、圧着する際に付与される圧力(通常は20〜50kgf/mm2である。)または配合される導電性粒子密度において、圧潰が起こるようにポリメチルメタクリレートの圧縮破壊強度を低下させる必要がある。そして、上記例で示せば、メチルメタクリレート(MMA)の単独の場合の圧縮破壊強度が室温において3.009kgf/mm2であるのに対して、メチルメタクリレート1モルに対して、0.2〜0.5モルのエチルメタクリレートを共重合させることにより製造される、平均粒子径が9.6μmの粒子の圧縮破壊強度は、2.522〜1.865kg/mm2となり、低圧条件によって圧潰可能になるのである。メチルメタクリレートに対して、エチルメタクリレート以外のブチルメタクリレート、メチルアクリレートおよびエチルアクリレートも上記と同様の作用を有する。
【0025】
上記のように本発明の導電性粒子において、芯材を圧潰可能にするための(メタ)アクリル系モノマーの組合せとしては、上述した、メチルメタクリレートとエチルメタクリレート、メチルメタクリレートとブチルメタクリレート、メチルメタクリレートとエチルアクリレート、メチルメタクリレートとメチルアクリレート、エチルメタクリレートとブチルメタクリレート、エチルメタクリレートとエチルアクリレート、エチルメタクリレートとメチルアクリレート、ブチルメタクリレートとエチルアクリレート、ブチルメタクリレートとメチルアクリレート、エチルアクリレートとメチルアクリレート等の組合せて製造される二元共重合体を挙げることができる。
【0026】
さらに、上記のような二元共重合体のほかに、例えば、
メチルメタクリレートとエチルメタクリレートとメタクリル酸との組合せ、
メチルメタクリレートとエチルメタクリレートとブチルメタクリレートとの組合せ、
メチルメタクリレートとエチルメタクリレートと2−エチルヘキシルメタクリレートとの組合せ、
メチルメタクリレートとエチルメタクリレートとラウリルメタクリレートとの組合せ、
メチルメタクリレートとエチルメタクリレートとステアリルメタクリレートとの組合せ、
メチルメタクリレートとエチルメタクリレートとイソボルニルメタクリレートとの組合せを挙げることができる。さらに、本発明では上記のような二元あるいは三元共重合体に限らず、三元以上の共重合体であってもよい。
【0027】
なお、本発明において、ブチルメタクリレートには、n−ブチルメタクリレートとiso−ブチルメタクリレートとがあるが、本発明において、ブチルメタクリレートは両者のいずれであってもよい。
【0028】
本発明で使用される芯材粒子中において、上記のようなガラス転移温度(Tg)が100℃以上のモノマーは、通常は、80〜100重量%、好ましくは90〜95重量%の量で共重合されている。このような量で上記モノマーを共重合させることにより、本発明で使用される導電性粒子が、加熱圧着の際の圧力で圧潰されるという特性を有するようになる。
【0029】
さらに、芯材粒子の平均粒子径を10μmとした場合に、例えばガラス転移温度(Tg)が100℃以上のモノマーとしてメチルメタクリレートを主モノマーとし、このメチルメタクリレート以外のモノマーとしてブチルメタクリレート(副モノマー)を配合してガラス転移温度(Tg)が20℃以上の共重合体からなる芯材粒子を形成する場合、このガラス転移温度(Tg)が20℃以上の共重合体を形成するモノマー全量中におけるメチルメタクリレートの量は、通常は40〜99重量%、好ましくは50〜99重量%であり、副モノマーであるブチルメタクリレートの量は、通常は1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%である。また、主モノマーとしてエチルメタクリレートを使用し、副モノマーとしてブチルメタクリレートを使用する場合、得られるガラス転移温度(Tg)が20℃以上である共重合体を形成するモノマー全量中における主モノマーであるエチルメタクリレートの量は、通常は60〜99重量%、好ましくは70〜99重量%であり、副モノマーであるブチルメタクリレートの量は、通常は1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%である。さらに、同様に、主モノマーとしてブチルメタクリレートを使用し、副モノマーとしてイソボルニルメタクリレートを使用する場合、得られるガラス転移温度(Tg)が20℃以上の共重合体を形成するモノマー全量中における主モノマーであるブチルメタクリレートの量は、通常は50〜90重量%、好ましくは60〜80重量%であり、副モノマーであるイソボルニルメタクリレートの量は、通常は10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。
【0030】
上記の記載は、本発明で使用する芯材粒子を構成する共重合体のガラス転移温度(Tg)が20℃以上である場合のモノマーの組合せの例を示すものであり、上記具体的に例示したモノマーを組み合わせて使用する場合は、上記の配合量を参照してそれぞれのモノマーの配合比率を設定することができる。
【0031】
さらに、本発明の導電性粒子を形成する芯材粒子には、上記のような(メタ)アクリル系モノマーのほかに、他のモノマーが共重合していてもよい。
ここで共重合可能な他のモノマーの例としては、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−プロピル(メタ)アクリレート、クロロ−2− ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボロノル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマーを挙げることができる。
【0032】
これらの(メタ)アクリル系モノマーは、2種以上を混合して使用する。さらに、本発明の導電性粒子の芯材を形成するには、上記のような(メタ)アクリル系モノマーのほかにも、必要に応じてこれらと共重合可能な反応性二重結合を有するモノマーおよび二官能あるいは多官能性モノマーを共重合させることができる。
【0033】
上記のような(メタ)アクリル酸エステル系のモノマーと共重合可能な他のモノマーの例としては、ビニル系モノマー、不飽和カルボン酸モノマーなどを挙げることができる。
【0034】
ここでビニル系モノマーの具体的な例としては、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ビニルアセテートおよびアクリロニトリル;ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン等の共役ジエンモノマー;塩化ビニルおよび臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデンを挙げることができる。
【0035】
このほか、ビニル系モノマーとしては、スチレン系モノマーを用いることもでき、その具体的な例としては、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウドスチレンおよびクロロメチルスチレンなどのハロゲン化スチレン;ならびに、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレンを挙げることができる。
【0036】
また、不飽和カルボン酸モノマーの具体的な例としては、(メタ)アクリル酸、α−エチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸およびウンゲリカ酸等の付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸およびヒドロムコン酸等の付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
【0037】
二官能あるいは多官能性モノマー(架橋モノマー)の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレートおよびジビニルベンゼンを挙げることができる。
【0038】
特に本発明においては二官能あるいは多官能モノマーとして、ジビニルベンゼンを使用することが好ましい。
(メタ)アクリル系モノマー以外の上記のモノマーも、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0039】
本発明において上記のような他のモノマーの共重合量は、通常は0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%である。
なお、二官能あるいは多官能モノマーを使用することにより、得られる芯材粒子には架橋構造を形成することができる。架橋構造が形成されると、一般に、芯材粒子の圧縮破壊強度が高くなるなど、得られる芯材粒子の特性が著しく変動することがあるので、二官能あるいは多官能モノマーを使用する場合には、この二官能あるいは多官能モノマーの使用量は、ガラス転移温度(Tg)が−70℃以上の単独共重合体を形成し得るモノマーの100重量部に対して、通常は1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部の範囲内の量で使用される。
【0040】
本発明で使用される芯材粒子は、接着する配線基板に形成された配線パターンの幅によって異なり、配線パターンのトップの幅に対して、1/2〜1/10の平均粒子径を有していることが好ましく、さらに、1/3〜1/5の平均粒子径を有していることが特に好ましい。ここで、配線パターンのトップ幅とは、図2に示すように、配線基板10の上に形成された配線パターン11の上端部の幅t1である。また、配線パターン11が基板10と接合している面の幅t2をボトム幅といい、配線パターン間の距離t3をピッチ幅という。配線パターン11の断面形状は、図2に示すように台形状であり、従って、ボトム幅t2よりもトップ幅t1の方が小さいのが一般的である。配線パターンのトップ幅t1に対して、芯材粒子の平均粒子径を上記のように設定することにより、回路に配置される導電性粒子が維持され、同一基板上で隣接する配線パターン間における短絡の発生を防止することができる。すなわち、導電性粒子の平均粒子径が配線パターンのトップの幅の1/2より大きいと、回路上から回路間へ導電性粒子が落ち込み、良好な導通性が得られないことがあり、さらに導電性粒子が大きい場合には、回路間でショートすることがある。また、導電性粒子の平均粒子径が配線パターンのトップ幅の1/10より小さい場合には、導電性粒子と配線パターンとの接点が小さくなり、良好な導通性が得られないことがある。
【0041】
さらに、本発明で使用される芯材粒子の平均粒子径は、通常は1〜30μm、好ましくは2〜20μmの範囲内にあり、さらに、この芯材粒子の粒度分布を示す相対標準偏差(CV値)が10%以下であることが好ましく、さらに5%以下であることが特に好ましい。即ち、本発明で使用される芯材粒子は、配線パターンのトップ幅に対して、所定の大きさを有すると共に、粒子径の揃った微細なアクリル系粒子である。そして、このアクリル系粒子は、特定のガラス転移温度(Tg)を有しているアクリル系モノマーの共重合体であり、加熱圧着によって導電性粒子に加えられる圧力により圧潰されるような性状を有する。このように芯材粒子が圧力によって圧潰されるようになるには、上記のように、単独重合体を製造した場合に、得られる単独重合体のガラス転移温度が上記所定の温度以上になるようなアクリル系モノマーを主成分として重合させて芯材粒子を形成することが必要になるのである。
【0042】
本発明で使用される芯材粒子は、塊状の重合体を粉砕し分級したものであってもよいし、予め粒子状になるように重合を行って製造してもよい。
即ち、本発明で使用される芯材粒子は、上記のような単量体を、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、シード重合、溶液重合、塊重合などにより製造するすることができる。
【0043】
例えば、本発明で使用する芯材粒子をシード重合で製造する場合、まずシード粒子を製造し、このシード粒子および単量体を水性媒体に分散させて、シード粒子が成長するように重合させる工程を少なくとも1回行うことにより芯材粒子を製造することができる。
【0044】
このシード粒子は、芯材粒子の核を形成するものであり、種々の樹脂で形成することができる。
ここでガラス転移温度(Tg)が−70℃以上の単独重合体を形成可能なモノマー以外のモノマーであって、シード粒子を形成するのに用いることができるモノマーの例としては、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−プロピル(メタ)アクリレート、クロロ−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボロノル(メタ)アクリレート等のアクリル系モノマー;
メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウドスチレンおよびクロロメチルスチレンなどのハロゲン化スチレン;ならびに、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレン等のスチレン系モノマーを挙げることができ、さらにシード粒子は、上記の単量体の共重合体、あるいはガラス転移温度(Tg)が−70℃以上の単独重合体を形成し得るモノマーと上記のような他のモノマーとの共重合体であってもよい。
【0045】
さらに、このシード粒子は、上記のようなモノマーの代わりに、あるいは上記のようなモノマーと共に、以下に記載するようなモノマーを使用して形成することができる。
【0046】
ビニル系単量体:具体的には、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ビニルアセテートおよびアクリロニトリル;ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン等の共役ジエン単量体;塩化ビニルおよび臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデンを挙げることができる。
【0047】
不飽和カルボン酸単量体:具体的には、(メタ)アクリル酸、α−エチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸およびウンゲリカ酸等の付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸およびヒドロムコン酸等の付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
【0048】
なお、本発明で使用されるシード粒子には、さらに上記単量体と共重合可能な成分が、このシード粒子の特性を損なわない範囲内で共重合していてもよい。
また、このシード粒子には、架橋構造が形成されていてもよく、このシード粒子についてトルエン抽出法により測定したゲル分率は10〜85%の範囲内にあり、さらにこのゲル分率が30〜70%の範囲内にあることが好ましい。
【0049】
このようにシード粒子のゲル分率を調整するためには、2官能性あるいは多官能性単量体を使用して架橋構造を形成する。
2官能あるいは多官能性単量体の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレートおよびジビニルベンゼンを挙げることができる。
【0050】
シード粒子を形成する際には上記2官能性単量体あるいは多官能性単量体を単量体100重量部に対して、通常は0.005〜0.05重量部、好ましくは0.01〜0.04重量部の量で使用される。
【0051】
こうしたシード粒子は、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、乳化重合など種々の方法で調製することができるが、特に本発明においては、シード粒子をソープフリー乳化重合により調製することが好ましい。
【0052】
ソープフリー乳化重合によりシード粒子を含有する懸濁液を調製する場合には重合開始剤を使用する。ここで使用される重合開始剤としては、水性媒体に可溶な重合開始を使用することができ、具体的には、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等を挙げることができる。この重合開始剤は、ソープフリー乳化重合の際に使用される単量体100重量部に対して通常は0.1〜10重量部の量で使用される。
【0053】
また、上記のようにソープフリー乳化重合でシード粒子を調製する他に、乳化重合によりシード粒子を含有する懸濁液を調製することができる。この場合には上記単量体より選択される任意の単量体を、水性媒体に乳化剤と共に混合して乳化させ、重合開始剤を加えて重合させる。
【0054】
この乳化重合によりシード粒子を調製する場合には重合開始剤を使用する。ここで使用される重合開始剤としては、上記と同様に、水性媒体に可溶な過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩の重合開始剤が使用できる。この重合開始剤は、単量体100重量部に対して通常は0.1〜10重量部の量で使用される。
【0055】
また、この乳化重合によりシード粒子を調製する際には乳化剤を使用する。ここで使用される乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルのようなポリエチレングリコールアルキルエーテル等を挙げることができる。この乳化剤は、単量体100重量部に対して通常は0.1〜5重量部の量で使用される。
【0056】
こうして形成されるシード粒子は、通常は0.05〜1μm、好ましくは0.2〜0.6μmの平均粒子径を有している。また、こうして得られたシード粒子の粒子径の相対標準偏差は、通常は10%以下、好ましくは5%以下である。
【0057】
以下、上記のようにシード粒子を調製する工程を1段目の重合工程と記載する。
このようにして1段目の重合工程で調製されたシード粒子を用いて、通常は、このシード粒子を単量体が溶解もしくは分散されている水性媒体に分散させて、このシード粒子に単量体を吸収させて重合させる工程を少なくとも1回行う。
【0058】
この2段目以降の重合工程は、通常は、水性媒体に、シード粒子、ガラス転移温度(Tg)が−70℃以上の単独重合体を形成可能なモノマーおよび重合開始剤、さらに必要により他のモノマー、乳化剤および分散安定剤を配合して行われる。
【0059】
この2段目以降の重合でシード粒子にガラス転移温度(Tg)が−70℃以上の単独重合体を形成可能なモノマーを重合させるには、ガラス転移温度(Tg)が−70℃以上の単独重合体を形成可能なモノマー、重合開始剤および乳化剤を水性媒体に投入して乳化させ、この乳化液中にシード粒子を投入して重合させる。
【0060】
この2段目以降の重合において、粒子を調製する場合に使用する重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物を挙げることができる。この重合開始剤は、単量体100重量部に対して通常は0.1〜10重量部の量で使用される。
【0061】
また、ここで使用される乳化剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルのようなポリエチレングリコールアルキルエーテル等を挙げることができる。この乳化剤は、単量体100重量部に対して通常は0.1〜5重量部の量で使用される。
【0062】
また、ここで使用される分散安定剤の例としては、部分鹸化されたポリビニルアルコール;ポリビニルアルコール;ポリアクリル酸、その共重合体およびこれらの中和物ならびにポリメタクリル酸、その共重合体およびこれらの中和物を挙げることができる。この分散安定剤は、単量体100重量部に対して通常は0.1〜5重量部の量で使用される。
【0063】
上記のようにして重合工程を経ることにより、シード粒子に吸収された単量体が重合してシード粒子が成長する。本発明においては、1段目で得られたシード粒子の重量の通常は2〜100倍になるように2段目以降の重合を行う。本発明では特に重量が1.1〜5倍になるように2段目以降の重合を行った後、最終段の重合を行うことが好ましい。このようにシード粒子を成長させるには、2段目以降の重合工程を通常は1〜10回、好ましくは1〜5回繰り返して行う。
【0064】
上記のようにして粒子を成長させた後、最終の工程では水に対して溶解度の低く粒子に浸透しやすいモノマーを共重合させることにより均一性の高い芯材粒子を製造することができる。
【0065】
ここで最終段の重合工程でシードとして使用される粒子には、架橋構造が形成されていることが好ましく、粒子についてトルエン抽出法により測定したゲル分率が10〜85%の範囲内にあることが好ましく、さらに30〜70%の範囲内にあることが特に好ましい。
【0066】
最終段でシードとして使用される粒子のゲル分率を調整するには、直前の重合工程で2官能性あるいは多官能性単量体を使用する。
2官能あるいは多官能性単量体の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレートおよびジビニルベンゼンを挙げることができる。
【0067】
そして、最終段では、上記ガラス転移温度(Tg)が−70以上の単独重合体を形成可能なモノマーを用いて重合させることにより、本発明で使用する芯材粒子を製造することができる。
【0068】
なお、この最終段における重合の際にも架橋剤を使用することができる。ここで使用される架橋剤の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレートおよびビニルベンゼンを挙げることができる。特に本発明では、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンを使用することが好ましい。このような架橋剤は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0069】
この架橋剤は、この最終段で使用される上記ガラス転移温度(Tg)が−70℃以上の単独重合体を形成可能なモノマー100重量部に対して、通常は1〜30重量部の量、好ましくは3〜20重量部の量で使用される。このような量で架橋剤を使用することにより、重合体に適度の密度で架橋構造が形成され、得られる重合体粒子の耐溶剤性が良好になる。
【0070】
また、この最終段でも上記ガラス転移温度(Tg)が−70℃以上の単独重合体を形成可能なモノマーと共に、他のモノマーを共重合させることができる。
ここで使用することができる他のモノマーの例としては、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−プロピル(メタ)アクリレート、クロロ−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボロノル(メタ)アクリレート等のアクリル系単量体;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウドスチレンおよびクロロメチルスチレンなどのハロゲン化スチレン;ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレン;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、酢酸ビニルおよびアクリロニトリル;ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン等の共役ジエン単量体;塩化ビニルおよび臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン;(メタ)アクリル酸、α−エチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸およびウンゲリカ酸等の付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸およびヒドロムコン酸等の付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
【0071】
このような他のモノマーは、ガラス転移温度(Tg)が−70℃以上の単独重合体を形成可能なモノマー100重量部に対して、0〜80重量部、好ましくは0〜50重量部の量で使用される。こうして得られた芯材粒子はほぼ真球状である。
【0072】
なお、本発明で使用される芯材粒子は、上記詳述したシード重合により製造できるほか、上記方法に準じて、乳化重合、懸濁重合、ソープフリー乳化重合等の方法で製造することができる。
【0073】
こうして得られた芯材粒子は、非常に粒子径が揃っており、特に分級する必要はないが、さらに分級してもよい。
こうして得られた芯材粒子の平均粒子径は、通常は0.5〜100μm、多くの場合1〜20μmの範囲内にあり、例えばシード重合による場合には、重合段数あるいはモノマー濃度の調整等、種々の方法により、任意の平均粒子径を有する粒子を製造することができる。
【0074】
そして、本発明では芯材粒子として、相対標準偏差(CV値)(変動係数)が10%以下の粒子を使用することが好ましく、この相対標準偏差(CV値)が1〜5%の範囲内にある粒子を使用することが特に好ましい。ただし、導電性層を形成した後に分級等により、CV値を10%以下にしても別段差しつかえない。
【0075】
さらに、本発明で使用する芯材粒子はほぼ真球状であることが好ましい。即ち電子顕微鏡写真により粒子の直径を測定したときに、同一粒子において、直径と短径の比が通常は1.2以下、好ましくは1.1以下である粒子を使用することが好ましい。
【0076】
このような芯材粒子の表面には導電性層が形成されている。
導電性層は、導電性金属、これらの金属を含有する合金、導電性セラミック、導電性金属酸化物またはその他の導電性材料から形成されている。
【0077】
導電性金属の例としては、Zn、Al、Sb、U、Cd、Ga、Ca、Au、Ag、Co、Sn、Se、Fe、Cu、Th、Pb、Ni、Pd、BeおよびMgを挙げることができる。また上記金属は単独で用いてもよいし、2種類以上を用いてもよく、さらに他の元素、化合物(例えばハンダ)等を添加してもよい。導電性セラミックの例としては、VO2、Ru2O、SiC、ZrO2、Ta2N、ZrN、NbN、VN、TiB2、ZrB、HfB2、TaB2、MoB2、CrB2、B4C、MoB、ZrC、VCおよびTiCを挙げることができる。また、上記以外の導電性材料としてカーボンおよびグラファイトのような炭素粒子、ならびにITO等を挙げることができる。
【0078】
このような導電性材料の中でも共に、導電性層に金を含有させることが好ましい。導電性層に金を含有させることにより、電気抵抗値が低くなると共に、展延性が良好になり、良好な導電性を得ることができる。
【0079】
特に本発明では、ニッケル層の上に金層を形成した2層構造の導電性層が好ましい。
このような導電性層は、蒸着法、イオンスパッタリング法、メッキ法、溶射法などの物理的方法、官能基を有する樹脂芯材表面に導電性材料を化学的に結合させる化学的方法、界面活性剤等を用いて芯材の表面に導電性材料を吸着させる方法、芯材を形成する際に導電性粒子を反応系に共存させて芯材の表面に導電性粒子を析出させながら芯材と導電性層とを同時に形成する方法などにより形成することができる。特に無電解メッキ法によりニッケル層を形成した後、金層を形成して2層構造の導電性層を形成することが好ましい。このような導電性層は単層である必要はなく、複数の層が積層されていてもよい。
【0080】
このような導電性層の厚さは通常は0.01〜10.0μm、好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.2〜2μmの範囲内にある。また、この導電性層は、連続層であっても、不連続層であってもよい。即ち、芯材粒子の表面が導電性材料で均一に覆われていてもよいし、例えば導電性材料が芯材表面を網目に覆っていてもよいし、また、連続する導電性層の一部に芯材粒子表面が露出していてもよい。
【0081】
本発明の導電性粒子は、上記のような芯材とこの芯材表面に形成された導電性層とからなるが、この導電性層上に、加熱および/または加圧により除去可能な絶縁性層が形成されていてもよい。
【0082】
本発明の異方導電性接着剤では、上記のような導電性粒子が絶縁性接着剤中に分散されている。
ここで絶縁性接着剤としては、例えば(メタ)アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ウレタン系接着剤およびゴム系接着剤を挙げることができる。特に本発明においては(メタ)アクリル系樹脂接着剤を使用することが好ましい。
【0083】
この(メタ)アクリル系樹脂接着剤の例としては、(メタ)アクリル酸エステルと、これと共重合可能な反応性二重結合を有する化合物との共重合体を挙げることができる。ここで使用される(メタ)アクリル酸エステルの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロロ−2− ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0084】
上記のような(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な反応性二重結合を有する化合物の例としては、不飽和カルボン酸モノマー、スチレン系モノマーおよびビニル系モノマー等を挙げることができる。
【0085】
ここで不飽和カルボン酸モノマーの例としては、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸およびウンゲリカ酸などの付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸およびジヒドロムコン酸などの付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
【0086】
また、スチレン系モノマーの例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレンおよびヨードスチレンなどのハロゲン化スチレン;さらに、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレンを挙げることができる。
【0087】
さらに、ビニル系モノマーの例としては、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ジビニルベンゼン、ビニルアセテートおよびアクリロニトリル;ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン等の共役ジエンモノマー;塩化ビニルおよび臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデンを挙げることができる。
【0088】
(メタ)アクリル系樹脂接着剤は、上記の(メタ)アクリル酸エステルを通常は60〜90重量部、これ以外のモノマーを通常は10〜40重量部の量で共重合させて製造される。
【0089】
このようなアクリル系接着剤は、通常の方法により製造することができる。例えば上記単量体を有機溶剤に溶解または分散させ、この溶液または分散液を窒素ガスのような不活性ガス置換された反応器中で反応させることにより製造することができる。ここで使用される有機溶媒の例としては、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコールおよびi−プロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類を挙げることができる。上記反応で有機溶媒は(メタ)アクリル系樹脂接着剤形成原料100重量部に対して、通常は、100〜250重量部の量で使用される。
【0090】
この反応は、重合開始剤の存在下に加熱することにより行われる。ここで使用される反応開始剤の例としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドおよびクメンハイドロパーオキサイド等を挙げることができる。この重合開始剤は、(メタ)アクリル系樹脂接着剤形成原料100重量部に対して通常は0. 01〜5重量部の量で使用される。
【0091】
上記のような有機溶剤中における重合反応は、反応液を通常は60〜75℃に加熱し、通常は2〜10時間、好ましくは4〜8時間行われる。
こうして製造された(メタ)アクリル系樹脂接着剤は、反応溶剤から分離して使用することもできるが、生成した樹脂を有機溶剤に溶解または分散させた状態で使用することが好ましい。
【0092】
例えば上記のようにして製造された(メタ)アクリル系樹脂接着剤について、200℃の温度で測定した弾性率は、通常は105〜107dyn/cm2の範囲内にあり、また、重量平均分子量は通常は10万〜100万の範囲内にある。また、この接着剤のガラス転移温度(Tg)は、通常は10〜100℃の範囲内にある。
【0093】
このようなアクリル系接着剤中にはアルキルフェノール、テルペンフェノール、変性ロジン、キシレン樹脂のような熱可塑性樹脂を配合してもよく、またエポキシ樹脂等の反応硬化性樹脂を配合しても良く、さらにこうした反応硬化性樹脂のイミダゾール化合物のような硬化剤を配合することもできる。
【0094】
アクリル系接着剤に上記のようなエポキシ系樹脂、イミダゾール系樹脂、フェノール系樹脂、アミド樹脂、シリコーン樹脂、イミド樹脂のような熱硬化樹脂、あるいは、反応硬化樹脂を配合することにより、この硬化性樹脂が硬化することにより、絶縁性接着剤全体が硬化体となり、こうして硬化したの後は、加熱によっても、この硬化した絶縁性接着剤が軟化あるいは流動することがない。絶縁性接着剤中において、硬化性樹脂を上記のように作用させるためには、絶縁性接着剤中における硬化性樹脂の含有量を通常は1〜100重量%、好ましくは5〜50重量%の範囲内の量に設定する。
【0095】
この絶縁性接着剤にはさらに反応開始剤を配合することができる。本発明の異方導電性接着剤の硬化方法には、光および熱があり、光によって硬化させる場合には、光反応開始剤を配合することができ、また、熱により硬化させる場合には、熱反応開始剤を配合することができる。
【0096】
さらに、反応性の高い多官能モノマーを併用する場合には、少量の重合禁止剤を配合することにより、多官能モノマーの反応を抑制することができる。
本発明の異方導電性接着剤を構成する絶縁性接着剤中における上記の(光あるいは熱)反応開始剤の量は、通常は0.1〜10重量%程度であり、重合禁止剤の配合量は、通常は0.001〜0.1重量%程度である。
【0097】
本発明の異方導電性接着剤には、上記のような絶縁性接着剤に導電性粒子が通常は100〜30000個/mm2、好ましくは100〜10000個/mm2、より好ましくは100〜6000個/mm2の量で分散されている。
【0098】
さらに、本発明で使用される絶縁性接着剤中には、微粒子(フィラー)を配合することが好ましい。
ここで微粒子としては絶縁性無機粒子を使用することができ、この例としては、酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウムおよび三酸化アンチモンを挙げることができる。この絶縁性無機粒子は、通常は0.01〜5μmの平均粒子径を有している。この絶縁性無機粒子は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0099】
この絶縁性無機粒子は、接着剤中の樹脂成分100重量部に対して、通常は10〜100重量部、好ましくは50〜80重量部の量で使用される。
また、微粒子として上記無機粒子と共にあるいは無機粒子とは別に、シリコーン樹脂粉末を使用することができる。このシリコーン樹脂粉末は単独で使用することもできるが、上記無機粒子と併用する場合においては無機粒子としては二酸化珪素(シリカ)が好ましい。
【0100】
このようなシリコーン樹脂粉末および/または二酸化珪素は絶縁性接着剤100重量部に対して通常は10〜100重量部、好ましくは50〜80重量部の量で使用される。
【0101】
微粒子としてこのようなシリコーン樹脂粉末および/または二酸化珪素を上記の量で配合することにより、接着剤の流動性を調整することができる。これは接合後において、様々な環境条件におかれた場合の基板の膨張、収縮に対し、その歪みを接着剤の変形により応力緩和(つまり流動による歪み応力を解放する)を起こすと、導通性に大きな影響を与え、導通不良を発生させるのに対し、このような微粒子を添加することで、流動性を抑え様々な環境下でも導通信頼性を維持することができるのである。このようにシリコーン樹脂粉末および/または二酸化珪素を使用することにより、本発明の異方導電性接着剤の耐応力に対する接着信頼性および導通信頼性が向上する。
【0102】
本発明の異方導電性接着剤は、上記各成分を混合することにより製造することができる。
本発明の異方導電性接着剤は、シート状(フィルム状)およびペイスト状など種々の形態で使用することができる。このようなシート状にする場合に、このシートの厚さを10〜50μmの範囲内にすることが好ましい。
【0103】
例えば本発明の異方導電性接着剤をシート状にするには、例えば、ナイフコーター、コンマコーター、リバースロールコーターおよびグラビアコーター等を使用することができる。
【0104】
シート状に賦形した本発明の異方導電性接着シートは、例えば図3に示すようにして使用することができる。
図3にシート状にした本発明の異方導電性接着剤を用いた基板の接着方法を模式的に示す。
【0105】
図3の[a]に示すように、表面に配線パターン19a, 19bが形成された二枚の基板18a, 18bを、この間に配線パターン19a, 19bが対面するように配置し、この配線パターン19a, 19bの間にシート状に成形された本発明の異方導電性接着剤17(異方導電性接着シート)を挟み込む。この異方導電性接着シート17は、アクリル系接着剤からなる絶縁性接着剤21中に、圧縮破壊強度が低い導電性粒子15および微粒子16が分散されている。
【0106】
このように異方導電性接着シート17が配置された基板18a, 18bを、加熱下に、[a]に示す矢印方向に加圧して接着すると、配線パターン19a, 19bの間にある導電性粒子15が最も高い圧力を受けて、この導電性粒子15が圧潰する。導電性粒子15が圧潰する。図3において15aは圧潰した導電性粒子を示す。
【0107】
この加熱圧着の際に基板にかかる圧力は、一般に30〜100kg/cm2であるが、本発明の導電性粒子は5〜30kg/cm2の加圧で圧潰する。
そして、配線パターンの形成されている部分では、配線パターン19aと配線パターン19bによって圧潰された導電性粒子15aにより配線パターン19aと19bとは導通する。他方、配線パターンが形成されていない部分にある粒子15bにはこうした圧力がかからないので、良好な絶縁性を示す。
【0108】
上記は本発明の異方導電性接着剤をシート状にして使用する態様を示したが、本発明の異方導電性接着剤が適当な溶剤を含有することにより、ペイスト状で使用することもできる。このペイスト状の異方導電性接着剤は、例えばスクリーンコーター等を利用して基板上に塗布して上記と同様にして使用することができる。
【0109】
本発明の異方導電性接着剤は、含有される導電性粒子の圧縮破壊強度が低いので、通常の加圧圧着操作の際に加える圧力よりも低い圧力で圧潰する。従って、フィルム液晶に形成された電極、フレキシブルプリント基板に形成された電極について異方導電する際に、これらの電極を変形させたり損傷を与えることがない。
【0110】
従って、本発明の異方導電性接着剤は、板状の基板に対する異方導電性接着に用いることは勿論、上述のようなフィルム状基板の異方導電性接着に特に好ましく使用することができる。例えば、本発明の導電性粒子は、相対峙する回路基板がTCP(Tape Carrier Package)およびITO電極フィルム液晶基板である基板回路間の異方導電性接着に用いられる粒子として特に好適である。
【0111】
【発明の効果】
本発明の導電性粒子は、その芯材粒子が特定の(メタ)アクリル系重合体で形成されているので、異方導電性接着の際に通常採用されている圧力より低い圧力で破壊(圧潰)され、相対峙する基板表面に設けられている配線パターンを異なる基板間で導通させるとができる。即ち、本発明の異方導電性接着剤中に分散されている導電性粒子を構成する芯材が、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−70℃以上である(メタ)アクリル系モノマーから誘導された繰り返し単位を有することにより、導電性粒子の圧縮破壊強度を調整することができる。従って配線パターンが形成された基板を、それぞれの基板に形成された配線パターンが対峙するように配置して加熱圧着したときに、導電性粒子が圧着の際の圧力によって圧潰するようになるため、配線パターンと導電性粒子との接触が点接触ではなく、面接触になるため、基板間の導通信頼性が著しく向上する。しかも、導電性粒子は、圧力を解放しても一旦変形した形態がそのままの状態を維持するように芯材自体が接着の際の圧力によって圧潰するために、配線パターンと導電性粒子との接触面積が大きくなり、導通信頼性が長期間にわたって確保されるのである。
【0112】
しかも、本発明で使用される芯材粒子は、上記のように圧潰することにより、圧着の際に配線パターンにかかる圧力を吸収するために、配線パターンおよび基板が損傷を受けることが極めて少ない。殊に、本発明の異方導電性接着剤は、フレキシブルプリント配線基板、液晶素子用配線基板のように基板自体の強度がそれほど高くなり配線基板を異方導電性接着したとしても、基板および基板と配線パターンとの接合部に損傷を与えることがなく、不良率が著しく低下する。
【0113】
さらに、配線パターンのトップ幅に対して特定の粒子径を有する導電性粒子を含有する本発明の異方導電性接着剤は、相対峙する配線パターン間では上記のように良好な導電性を示すが、同一基板内の隣接する配線パターン間では、短絡を生ずることはない。
【0114】
そして、本発明の導電性粒子およびこの粒子を含有する異方導電性接着剤は、昨今の配線パターンのファインピッチ化の要請にも充分対応することができる。
【0115】
【実施例】
次に本発明の実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定的に解釈されるべきではない。
【0116】
【参考例1】
[導電性粒子の芯材の形成]
最終段における単量体がMMAである2段重合
[シード粒子の製造]
温度計と窒素導入管とを装着した容量1リットルの四つ口フラスコに、単量体であるメチルメタクリレート(単独重合体のガラス転移温度(Tg):105℃)100重量部に、架橋性単量体としてエチレングリコールジメタクリレート0.04重量部およびイオン交換水900重量部を投入して混合し、さらに窒素気流下で攪拌を行いながら80℃に昇温した。
【0117】
次いで、過硫酸カリウム0.2重量部を5重量部のイオン交換水に溶解し、このイオン交換水5重量部を上記四つ口フラスコ中の反応液に加え、反応液を80℃を保持しながら6時間反応を行い、シード粒子の分散液を得た。
【0118】
得られた重合体粒子について電子顕微鏡写真により観察したところ、このシード粒子の粒子径は、0.50μmで標準偏差は0.03μmであった。
また、トルエン抽出法によるゲル分率は、80%であった。
【0119】
[第2段目の重合]
次に上記と同様の装置に、単量体であるメチルメタクリレート(単独重合体のガラス転移温度(Tg):105℃)95重量部に、架橋性単量体としてエチレングリコールジメタクリレート5重量部および過酸化ベンゾイル0.2重量部を投入して溶解させた。さらに、この溶液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部と88%ケン化ポリビニルアルコール1重量部とが溶解されたイオン交換水900重量部を投入して混合した後、さらに強攪拌下に30分間混合した。
【0120】
次いで、この混合液に、上記シード粒子の製造工程で得られたシード乳化液20重量部を添加し、40℃で30分間緩やかに攪拌した後、80℃で6時間反応させて、重合体粒子の分散液を得た。
【0121】
得られた重合体粒子の電子顕微鏡写真を撮り、これを観察したところ、平均粒子径が1.50μmであり、標準偏差が0.05μmである真球状の単分散粒子であり、その相対標準偏差(CV値)は3.3%であった。
【0122】
【参考例2】
[導電性粒子の芯材の形成]
最終段における単量体がMMAである3段重合
[2段目の重合]
参考例1で使用した装置に、単量体であるメチルメタクリレート(単独重合体のガラス転移温度(Tg):105℃)100重量部、架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート0.03重量部および過酸化ベンゾイル0.2重量部を投入して溶解させ、さらにこの溶液にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部と88%ケン化ポリビニルアルコール1重量部とが溶解されたイオン交換水900重量部と混合後、強攪拌下、30分間混合を行った。
【0123】
次いで、参考例1のシード粒子の製造工程で得た粒子径0.50μmの粒子を含有するシード乳化液33重量部を上記混合液中に添加し、40℃で30分間緩やかに攪拌した後、80℃で6時間反応を行い、重合体粒子の分散液を得た。
【0124】
得られた重合体粒子の電子顕微鏡写真を撮り、これを観察したところ、重合体粒子の平均粒子径は1.20μmであり、標準偏差は0.05μmであった。
また、トルエン抽出法によるゲル分率は、60%であった。
【0125】
[3段目の重合]
次に同様の装置において、単量体であるメチルメタクリレート(単独重合体のガラス転移温度(Tg):105℃)95重量部に、架橋性単量体としてエチレングリコールジメタクリレート5重量部および過酸化ベンゾイル0.2重量部を混合して溶解させ、さらにこの溶液にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部と88%ケン化ポリビニルアルコール1重量部とが溶解されたイオン交換水900重量部を加えて混合した後、強攪拌下、30分間混合した。
【0126】
次いで、この混合物に、上記2段目の反応で生成した粒子径1.2μmの粒子を含むシード乳化液20重量部を添加し、40℃で30分間緩やかに攪拌した後、80℃で6時間反応を行い、重合体粒子の分散液を得た。
【0127】
得られた重合体粒子の電子顕微鏡写真を撮り、これを観察したところ、平均粒子径が4.33μmであり、標準偏差が0.20μmである真球状の単分散粒子であり、その相対標準偏差(CV値)は4.6%であった。
【0138】
【比較例1】
平均粒子径が5μmのベンゾグアナミン樹脂(単独重合体の「ガラス転移温度( Tg ):測定不能)に、Ni/Auからなる二層の金属層を無電解メッキ法で形成した。このNiの厚さは0 . 2μmであり、Auの層の厚さは0 . 05μmであった。上記のようにして得られた導電性粒子を用いて下記の組成により異方導電性接着剤を製造した。
アクリル系接着剤(固形分換算) 100重量部
架橋剤
N,N,N'N'- テトラグリシジルメタキシレンジアミン 0 . 02重量部
カップリング剤 0 . 2重量部
シリカ粒子(平均粒子径:1μm) 20重量部
ベンゾグアナミン樹脂 12重量部
レゾールフェノール樹脂 5重量部
上記のような組成物を、ナイフコーターで6 . 5μmに塗布してテープ状の異方導電性接着剤を調製した。この異方導電性テープにおける導電性粒子の充填量は、5000〜6000個/ mm 2 であった。この異方導電性テープを用いて異方導電性接着(C)を行った。
【0139】
上記のようにして得られたテープ状異方導電性接着時を用い、仮圧着条件40℃、20 kg/cm 2 、圧着時間3秒の条件で、ピッチ幅50μm、ボトム幅25μm、トップ幅10μmであるTCP(ピン数約600)を貼り合わせ、次いで、130℃、20 kg/cm 2 、10秒の条件で本接着を行った。(異方導電接着(C))
上記のようにして貼着された2枚のTCPについて、光学顕微鏡により、導電性粒子の圧潰状態を調べた結果、圧潰している粒子はほとんど存在していなかった。従って、導電性粒子と配線基板とは、ほとんどが点接触であった。
【0140】
また、こうして接着された配線パターン間の初期導通性は4〜5Ωでり、80℃・90%RH・500時間放置した後の導通抵抗は100Ω以上、−40℃と100℃の冷熱衝撃サイクルを500回繰り返した後の導通抵抗は、1000Ω以上、MIL−STD−202−Fの条件で500回繰り返し後の導通抵抗は100Ω以上であり、100℃で500時間放置した後の導通抵抗は100Ω以上であった。
【0141】
【比較例2】
直径8μmのフェノール樹脂(単独重合体のガラス転移温度( Tg ):測定不能)を芯材粒子に、Ni/Auからなる二層の金属層を無電解メッキ法で形成した。このNiの厚さは0 . 2μmであり、Auの層の厚さは0 . 05μmであった。上記のようにして得られた導電性粒子を用いて下記の組成により異方導電性接着剤を製造した。
アクリル系接着剤(固形分換算) 100重量部
架橋剤
N,N,N'N'- テトラグリシジルメタキシレンジアミン 0 . 02重量部
シリカ粒子(平均粒子径:1μm) 20重量部
導電性粒子(B) 12重量部
レゾールフェノール樹脂 5重量部
上記のような組成物を、ナイフコーターで14 . 0μmに塗布してテープ状の異方導電
性接着剤を調製した。この異方導電性テープにおける導電性粒子の充填量は、3000〜5000個/ mm 2 であった。この異方導電性テープを用いて、仮圧着条件40℃、20kg/cm2、圧着時間3秒の条件で、ピッチ幅100μm、ボトム幅40μm、トップ幅30μmであるTCP(ピン数約120)を貼り合わせ、次いで130℃、20kg/cm2、10秒の条件で本接着を行った。(異方導電接着(D))
【0142】
上記のようにして貼着された2枚のTCPについて、光学顕微鏡により、導電性粒子の圧潰状態を調べた結果、圧潰している粒子はほとんど存在していなかった。従って、導電性粒子と配線基板とは、ほとんどが点接触であった。
【0143】
また、こうして接着された配線パターン間の初期導通性は7〜8Ωでり、80℃・90%RH・500時間放置した後の導通抵抗は1000Ω以上、−40℃と100℃の冷熱衝撃サイクルを500回繰り返した後の導通抵抗は、100Ω以上、MIL−STD−202−Fの条件で500回繰り返し後の導通抵抗は100Ω以上であり、100℃で500時間放置した後の導通抵抗は50〜100Ω以上であった。
【0144】
【比較例3】
比較例1において、導電性微粒子を形成する芯材として、直径8μmのフェノール樹脂(単独重合体の「ガラス転移温度(Tg):測定不能)を芯材粒子を使用して、テープ厚さを10.1μmに変え、導電性粒子の充填密度を3000〜5000個/mm2に変えた以外は比較例1と同様にして異方導電性接着(D)を行った。
【0145】
上記のようにして貼着された2枚のTCPについて、光学顕微鏡により、導電性粒子の圧潰状態を調べた結果、圧潰している粒子はほとんど存在していなかった。従って、導電性粒子と配線基板とは、ほとんどが点接触であった。また、配線パターン上に配置された導電性粒子が熱圧着時の流動に伴いパターン上にない回路が存在した。
【0146】
また、こうして接着された配線パターン間の初期導通性は10〜1000Ωであり、80℃・90%RH・500時間放置した後の導通抵抗は1000Ω以上、−40℃と100℃の冷熱衝撃サイクルを500回繰り返し後の導通抵抗は、1000Ω以上、MIL−STD−202−Fの条件で500回繰り返した後の導通抵抗は1000Ω以上であり、100℃で500時間放置した後の導通抵抗は50〜1000Ω以上であった。
【0147】
【参考例3】
比較例1において、粒子径20μmのアクリル系芯材を用いて形成した導電性粒子(E)を調製し、この導電性粒子(E)を用いた以外は同様にして厚さ25μmの異方導電性接着剤を製造した。
【0148】
上記の異方導電性接着剤を用いた以外は比較例1と同様にして回路のピッチ幅50μmの基板を接着した。上記のようにして貼着された2枚のTCPについて、光学顕微鏡により、導電性粒子の圧潰状態を調べた結果、ほとんどの粒子が圧潰していた。
【0149】
また、こうして接着された配線パターン間の初期導通性は0.2Ω以下から1000Ω以上とバラツキがあり、一部のサンプルで、回路がショートするもの、または回路上に導電性粒子が存在しないものがあった。
【0150】
【参考例4】
参考例1で使用したモノマーから粒子径12.5μmの芯材を形成し、この芯材表面に導電性金属層を形成して導電性粒子(F)を製造した導電性粒子が絶縁性接着剤中に分散された組成物を、比較例1と同様にして厚さ13.8μmに塗布して異方導電性接着剤を調製した。ただし、導電性粒子(F)の配合量は、8.88重量部とした。このとき、導電性粒子の配合量は800〜1000個/mm2である。比較例1において使用した50μmのピッチの配線基板を上記のようにして製造した異方導電性接着剤を用いて接着した。
【0151】
上記のようにして得られた異方導電性接着剤は、圧着により圧潰すると共に、電気的特性も良好であったが、部分的に回路上に導電性粒子が少ない部分が存在する。また初期導通性は1〜100Ωとばらつきがみられた。
【0152】
上記のようにして製造した異方導電性接着剤を用いて50μmピッチのパターンおよび100μmピッチのパターンを異方導電接着した結果を表1に示す。
【0153】
【表1】
【0154】
【実施例1〜2】
比較例1において、表2に記載する条件で芯材を製造し、こうして製造された芯材に比較例1と同様にして導電層を形成して表2に示すような導電性粒子を製造した。
【0155】
この導電性粒子を比較例1に記載した絶縁性接着剤中に表2に記載する量で配合して分散させ、ナイフコーターを用いて塗布して表2記載の厚さのテープ状の異方導電性接着剤を製造した。
【0156】
得られた異方導電性接着剤テープを用いて、表2に記載の条件で回路パターンが形成された基板を接着した。
こうして接着した基板における導電性粒子の状態、接着力、導通抵抗を測定した。
【0157】
結果を表2に示す。
【0158】
【表2】
【0159】
上記表2において、得られた芯材粒子のガラス転移温度(Tg)が低い場合、導電性層形成前に乾燥を行うと、自着するため、水系のままメッキ工程へ移した。
導電性粒子のCV値を下げるために分級を行った。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で使用されるモノマーを配合した際の、モノマーと圧縮破壊強度との関係(A)および粒子径と圧縮破壊強度との関係((B)を模式的にし示すグラフである。
【図2】図2は、本発明の異方導電性接着剤で接着される配線パターンの断面を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の異方導電性接着剤により二枚の基板を接着状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10,18a,18b 基板
11,19a,19b 配線パターン
15 導電性粒子
20 絶縁性接着剤
Claims (7)
- 芯材粒子と、該芯材粒子の表面に形成された導電性金属層とを有する導電性粒子であり、該芯材粒子は、(メタ)アクリル系モノマーである、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートおよびイソボルニルアクリレートよりなる群から選択される、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−70℃以上である複数種類の(メタ)アクリル系モノマーから誘導される繰り返し単位を有し、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上である(メタ)アクリル系共重合体からなり、平均粒子径を9.6μmとしたときの該芯材粒子の圧縮破壊強度が2.522〜1.865kg/mm2の範囲内にあり、且つ該導電性粒子が、5〜30 kg / cm 2 の加圧下に圧潰可能に形成されていることを特徴とする導電性粒子。
- 導電性粒子を形成する芯材粒子の平均粒子径が、接続しようとする回路幅の1/2〜1/10の範囲内にあり、かつ該芯材粒子の相対標準偏差(CV値)が10%以下であることを特徴とする請求項第1項記載の導電性粒子。
- (メタ)アクリル系モノマーである、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートおよびイソボルニルアクリレートよりなる群から選択される、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−70℃以上である複数種類の(メタ)アクリル系モノマーから誘導される繰り返し単位を有し、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上である(メタ)アクリル系共重合体からなり、平均粒子径を9.6μmとしたときの圧縮破壊強度が2.522〜1.865kg/mm2の範囲内にある芯材粒子と、該芯材粒子の表面に形成された導電性金属層とを有し、5〜30 kg / cm 2 の加圧下に圧潰可能に形成されている導電性粒子が、絶縁性接着剤中に分散されていることを特徴とする異方導電性接着剤。
- 導電性粒子を形成する芯材粒子の平均粒子径が、接続しようとする回路幅の1/2〜1/10の範囲内にあり、かつ該芯材粒子の相対標準偏差(CV値)が10%以下であることを特徴とする請求項第3項記載の異方導電性接着剤。
- 前記絶縁性接着剤中に導電性粒子が100〜30000個/mm2の量で含有されていることを特徴とする請求項第3項記載の異方導電性接着剤。
- 前記絶縁性接着剤が、(メタ)アクリル系樹脂接着剤からなることを特徴とする請求項第3項記載の異方導電性接着剤。
- 前記絶縁性接着剤中に、導電性粒子の平均粒子径の1/10〜1/100の平均粒子径を有する微粒子が含有されていることを特徴とする請求項第3項乃至第6項のいずれかの項記載の異方導電性接着剤。
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