JP3586912B2 - コーティング液及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はコーティング液及びその製造方法に関し、さらに詳細には、鉄、ステンレス、アルミニウム及びその他の金属、プラスチック、ガラス、木材、セメントおよびその他の基板、粉粒体、線状物等の製品の表面に適用して好適な、透明性、耐候性、耐溶剤性、密着性、耐酸性、硬度に優れたコーティング液及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、従来のコーティング膜の有する硬度、耐溶剤性、耐薬品性、耐汚染性、耐擦傷性等の改善された、テトラメトキシシランを用いた新規なコーティング組成物を提案した(特願平5−204229、特願平5−80764、特願平5−101116、特願平5−296772、特願平5−296773、特願平6−96316、特願平6−228349等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかるコーティング液により得られるコーティング膜は耐汚染性、耐擦傷性、耐溶剤性、耐薬品性に優れてはいるが得られるコーティング膜の膜厚は薄く、また柔軟性が不足するため膜厚を厚くすると加工時にクラックが発生することがある。また特願平6−96316で提案するコーティング液により得られる塗膜はこれらの点が改善された膜厚の厚い柔軟性に富んだものであるものの、耐汚染性、耐擦傷性に更なる改善が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物に、これを理論上100%加水分解縮合可能な量以上の水を加え熟成し、充分加水分解縮合反応を進行させたのち、特定アクリル・ポリオールを配合して得られたコーティング液をコーティングすることで、得られたコーティング膜は高硬度、耐汚染性、耐溶剤性、耐薬品性を保ちながら数μm〜数十μmの膜厚を有することも可能であり、又柔軟性に優れていることを見出し本発明に達した。
【0005】
すなわち本発明は、
(a)ヒドロキシル基含有モノマー1〜80重量%、及び
(b)アルキル基の炭素数が1〜4のメタクリル酸アルキルエステル15〜85重量%を含めて(a)のヒドロキシル基含有モノマーと共重合可能なモノマー20〜99重量%を共重合してなるアクリル・ポリオール(A)(但し、ビニル基含有アルコキシシラン及び/又はビニル基含有ポリシロキサンを共重合したものを除く)と、下記一般式(I)で示される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物にこれを理論上100%加水分解縮合可能な量以上の水を加えて得られた加水分解縮合物(B)を配合してなるコーティング液、及び
【0006】
【化3】
Figure 0003586912
【0007】
一般式(I)で示される有機ケイ素化合物及び/又はその加水分解縮合物並びにこれを理論上100%以上加水分解縮合可能な量以上の水を含む液を熟成後、アクリル・ポリオール(A)と配合することを特徴とするコーティング液の製造方法に存する。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明においてアクリル・ポリオール(A)中のヒドロキシル基含有モノマー(a)としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、東亞合成化学工業(株)製のアロニクス5700、4−ヒドロキシスチレン、日本触媒化学工業(株)製のHE−10、HE−20、HP−10及びHP−20(以上、いずれも末端にヒドロキシル基を有するアクリル酸エステルオリゴマー)、日本油脂(株)製のブレンマーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEPシリーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート、ブレンマーAP−400(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレンマーAE−350(ポリプロピレングリコールポリトリエチレンモノアクリレート)、ブレンマーNKH−5050(ポリプロピレングリコールポリトリエチレンモノアクリレート)およびブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレート)、ヒドロキシル基含有ビニル系化合物とε−カプロラクトンとの反応により得られるε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系モノマーが挙げられる。
【0009】
これらヒドロキシル基含有ビニル系モノマーは、一種単独で用いてもよく、必要に応じて二種以上併用しても良い。上記ヒドロキシル基含有ビニルモノマーの使用量は、1〜80重量部の範囲であり、1重量部未満では、得られる塗膜の膜厚が薄く、白化したり、密着性が不十分であり、80重量部を越えると貯蔵安定性が低下する。
【0010】
(a)と共重合可能なビニル系モノマー(b)としては、ラジカル重合可能なモノマーであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、クロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルポルネン、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、α−ピネン、β−ピネン、インデンなどの炭化水素系モノマー類;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、フェニルプロパジエンなどの共役ジエン類;1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエンなどの非共役ジエン類;シクロペンタジエン、1,5−ノルボルナジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−シクロオクタジエンなどの環状ジエン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビノール(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステル系モノマー類;その他、アクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、無水マレイン酸、メチルビニルケトン、N−ビニルカルバゾール等のラジカル重合性モノマーを挙げることができる。これらのモノマーは1種類で用いてもよく、また、2種類以上を併用しても良い。上記のビニル系モノマーの使用量は、20〜99重量部の範囲であり、20重量部未満では貯蔵安定性と物性のバランスが取りにくく、また99重量部以上では他の成分の含有量が少なくなり好ましくない。
【0011】
本発明においてアクリル・ポリオール(A)は、溶液、塊状、懸濁重合など公知の方法で製造できるが、合成の容易さなどの点から、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系ラジカル開始剤を用いて溶液重合法により製造するのが最も好ましい。溶液重合に際し用いられる溶剤類として代表的なものには、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンの如き炭化水素類;メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、オクタノールなどのアルキルアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの如きグリコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルの如き酢酸エステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノンの如きケトン類、エチルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、フラン、テトラヒドロフランの如きエーテル類がある。また、必要に応じて、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等の連鎖移動剤を用いることにより、分子量を調節することができる。
本発明においては、下記一般式(I)で示される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を必須成分とする。
【0012】
【化4】
Figure 0003586912
【0013】
一般式(I)の、Rは炭素数1〜8の炭化水素基であるが、これらのうち、炭素数1〜3のアルキル基である場合、すなわち一般式(I)の有機ケイ素化合物として具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン及びテトラプロポキシシランを用いた場合、特に高硬度のコーティング膜とすることができる。これらの有機ケイ素化合物の中でも特にテトラメトキシシランを用いた場合、極めて高硬度のコーティング膜を得ることができる。
【0014】
尚、テトラメトキシシランは、四塩化珪素とメタノールとを反応させる四塩化珪素法、金属珪素とメタノールとを反応させる直接法等の方法により得られるもの、及び/又はこれらの部分加水分解縮合物等を用いることができるが、原料を精製することにより容易に不純物を除去できること、及び塩酸が副生せず装置腐食の問題が生じないこと等から、特に不純物を除去する必要のある用途等については、金属珪素とメタノールとを反応させる直接法により得られるテトラメトキシシラン、及び/又はその部分加水分解縮合物を用いるのが望ましい。例えば、直接法により得られるテトラメトキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物を用いることで塩素含有量が1〜2ppm以下のコーティング液をも容易に得ることができる。
【0015】
尚、テトラメトキシシラン以外の有機ケイ素化合物を得る際も、上記の方法に準じ、各種アルコールを用いた反応、又はテトラメトキシシラン及び/又はその加水分解縮合物を各種アルコールを用いてエステル交換反応させる製法を採用できる。
また、有機ケイ素化合物としてテトラメトキシシランを用いた場合、テトラメトキシシランのモノマー自体には、眼の角膜を侵し、蒸気でも傷害をもたらす等毒性が強いことが示唆されている。また、活性が高いため、作業時に発熱し突沸する場合がある。更に、モノマーを多量に含むコーティング液は保存中にモノマーの反応により徐々に性能が変化する傾向にある。
【0016】
従って、有機ケイ素化合物としてテトラメトキシシランを用いる場合は、これを部分加水分解縮合して得られる部分加水分解縮合物(以下、テトラメトキシシラン・オリゴマーと称する)を用いることにより、これらに対処することができ、長期にわたって優れた塗膜特性を発現し、毒性も低減され、また作業性にも優れたコーティング液を供することができる。
【0017】
有機ケイ素化合物の部分加水分解縮合物を得るための加水分解縮合反応自体は、公知の方法によることができ、たとえば、有機ケイ素化合物しとてテトラメトキシシランを用いる場合、テトラメトキシシランのモノマーに所定量の水を加えて酸触媒の存在下に、副生するアルコールを留去しながら通常、室温程度〜100℃で反応させる。この反応の際、溶媒としてメタノール等のアルコールを用いてもよい。この反応によりメトキシシランは加水分解し、さらに縮合反応によりヒドロキシル基を2以上有する液状のテトラメトキシシラン・オリゴマー(通常平均重合度2〜8程度、大部分は3〜7)が部分加水分解縮合物として得られる。加水分解の程度は、使用する水の量により適宜調節することができ、有機ケイ素化合物の全ての加水分解可能基すなわちアルコキシ基を加水分解縮合するのに必要な量の水すなわちこれらの基のモル数の1/2のモル数の水に対する実際の添加量で表す。テトラメトキシシラン・オリゴマーの加水分解の程度は通常20〜80%程度、好適には30〜60%程度から選ばれる。20%以下ではモノマー残存率が高く生産性が低い。また80%以上では得られるテトラメトキシシラン・オリゴマーがゲル化しやすいためである。
【0018】
本発明で用いる水には特に制限はなく水道水でよいが、目的、用途によっては脱塩素水、超純水を用いるのが望ましいこともあるので、適宜選択すればよい。例えば、酸により特に腐食しやすい軟鋼、銅、アルミニウム等の基材、耐熱皮膜、耐湿皮膜、耐薬品皮膜等耐バリヤー皮膜等の電子基材料、電気絶縁皮膜等の用途に用いる場合は脱塩素水を用いたり、半導体等の用途のように不純物の混入が望ましくない場合には、超純水を用いることができる。
【0019】
こうして得られたテトラメトキシシラン・オリゴマーにはモノマーが通常2〜10%程度含有されている。このモノマーが含有されているとコーティング液の貯蔵安定性に欠け、保存中に増粘し、塗膜形成が困難となる場合があるので、モノマー含有量が1重量%以下、好ましくは0.3%重量以下になるように、モノマーを除去するとよい。このモノマー除去は、フラッシュ蒸留、真空蒸留、又はイナートガス吹き込み等により行うことができる。
テトラメトキシシラン以外の有機ケイ素化合物を用いて部分加水分解縮合物とする場合も、上述の方法に準じた操作により加水分解反応等を行うことができる。
【0020】
本発明においては、上記の有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物に、これを理論上100%加水分解縮合可能な量(以下、「加水分解100%当量」の水という)以上の水を添加する。すなわち、有機ケイ素化合物の全ての加水分解可能基すなわちアルコキシ基を加水分解縮合するのに必要な量以上の水である。有機ケイ素化合物の部分加水分解縮合物を用いる場合も同様であり、残存するアルコキシ基を加水分解縮合するのに必要な量以上の水を添加する。
【0021】
このように加水分解100%当量以上であればいずれの量でもよいが、実用的には加水分解100%当量の1〜4倍、更に好ましくは1〜2倍、特に好ましくは1〜1.5倍がよい。水の量が加水分解100%当量の4倍を超えると、場合によってはコーティング液の保存安定性が低下することもある。また、加水分解100%当量未満では、硬度等の塗膜物性が充分でない。
【0022】
本発明では、更に希釈剤を添加することができる。希釈剤の添加により、得られたコーティング液の保存安定性が向上する。
希釈剤としては、目的に応じて、アルコール類、あるいはグリコール誘導体、炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類等のうちの1種、又は2種以上を混合し使用する。
【0023】
アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、nブタノール、イソブタノール、オクタノール、n−プロピルアルコール、アセチルアセトンアルコール等、またグリコール誘導体としてはエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0024】
炭化水素類としてはベンゼン、ケロシン、トルエン、キシレン等が使用でき、エステル類として、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等が使用できる。アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類、エチルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、フラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が使用できる。
【0025】
これらの溶媒のうち、アルコール、特にC 〜C のメタノール、エタノール、イソプロパノール又はブタノールが取扱いが容易であり液での保存安定性がよく、また得られる塗膜の特性が優れていることから好ましい。更にこれらのうちメタノール又はエタノールを用いることにより、極めて高硬度の塗膜を容易に得ることができる。
【0026】
また、希釈剤としてアルコール等の有機溶媒を用いる場合、溶媒の配合量は有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物100重量部に対し50〜5000重量部、好ましくは100〜1000重量部がよい。50重量部以下ではコーティング液の保存安定性が低下し、ゲル化しやすい。5000重量部を越えると塗膜厚さが極端に薄くなる。
【0027】
本発明では更に必要に応じて硬化触媒を添加することができる。
触媒としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニウム等のアルカリ触媒、有機金属、金属アルコキシド、例えばジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)及びジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等の金属キレート化合物、ホウ素ブトキシド、ホウ酸等のホウ素化合物等があるが、コーティング液の貯蔵安定性、及び得られるコーティング膜の硬度、可撓性等の性質が優れている点からは、酢酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸等の有機酸、金属キレート化合物、ホウ素化合物、及び金属アルコキシドのうち1種又は2種以上を用いるのがよい。
【0028】
尚、望ましい触媒の種類は用いる希釈剤、及びコーティングの施される基材の種類、及び用途により適宜選択することができる。
例えば、触媒として塩酸、硝酸等の強酸を用いた場合、液で保存性がよく、また次に述べる熟成に要する時間が短縮できる上得られるコーティング膜の硬度は優れたものとなるが、特に腐食しやすい基材に対しては、避けた方がよいこともある。これに対し例えばマレイン酸は腐食等の畏れが少なく、熟成時間が比較的短時間ですみ、得られるコーティング膜の硬度、液での貯蔵安定性等の特性が特に優れており望ましい。
【0029】
また、希釈剤としてメタノール又はエタノールを用いた場合は、上記した酸触媒の他、例えばアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)及びジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等の金属アセチルアセトネート化合物等を用いた場合でも、液での保存安定性が損われることもなく、充分な硬度を有するコーティング膜を得ることができる。
【0030】
これら触媒成分の添加量は、触媒としての機能を発揮し得る量であれば特に制限されるものではないが、通常、有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物100重量部に対し、0.1〜10重量部程度の範囲から選択され、好ましくは0.5〜5重量部である。
これらの成分の配合方法は、特に制限されず、例えば触媒成分を予め水に溶解させたものを用いたり、撹拌しながら配合する等の手段により一層均一な配合物とすることもできる。尚、水その他溶媒により分解されやすい触媒を用いる場合は、これを有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物と配合しておき、水その他溶媒と、使用に際して配合することが好ましい。また、更には触媒成分を使用に際してその他の成分に添加することもできる。
【0031】
本発明においては、これらの成分を配合して得られる配合液を熟成させる。
かかる熟成工程を経ることにより、有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の加水分解、縮合による部分架橋反応が充分に進み、後述する微小粒子が形成されるため、得られるコーティング膜の特性が優れたものとなることが考えられる。
【0032】
配合液の熟成は、液を放置すればよいが、撹拌してもよい。放置する時間は、上述の部分架橋反応が所望の膜特性を得るのに充分な程度進行するのに充分な時間であり、用いる希釈剤の種類及び触媒の種類にもよる。例えば希釈剤としてメタノール又はエタノールを用いた場合は、塩酸では室温で約1時間以上、マレイン酸では数時間以上、好ましくは8時間〜2日間程度で充分である。
【0033】
熟成に要する時間はまた周囲の温度にも影響を受け、極寒地では20℃付近まで加熱する等の手段を採った方がよいこともある。一般に高温では熟成が速く進むが100℃以上にも加熱するとゲル化が起こるので、せいぜい50〜60℃までの加熱が適切である。
【0034】
熟成を充分に行なうことにより、得られる膜の白化や、剥離を防止することができる。一般に、加水分解による発熱が終わった後放冷し室温に戻り、部分架橋反応が終了する程度の時間放置すれば、熟成は充分である。このように熟成を経た本発明の配合液(以下、「熟成物」という)中には、慣性半径10Å以下の微小粒子(以下、「反応性超微粒シリカ」という)を形成することができ、例えば小角X線散乱等の手段により容易に確認することができる。すなわち、微小粒子の存在により、入射X線の回析強度分布が、入射線方向に中心散乱と呼ばれる散漫な散乱、すなわち小角X線散乱を示す。散乱強度Iは、次のGuinierの式により与えられる。
【0035】
I=Cexp(−H Rg /3)(I:散乱強度、H:散乱ベクトル(=2πsin2θ/π)、Rg:微小粒子の慣性半径、C:Const、λ:入射X線波長、2θ:ひろがり角)
上記のGuinierの式の両辺の常用対数を採ると、
logI=logC−(H Rg /3)となり、従って、微小粒子が存在する場合、散乱強度を測定し、散乱ベクトルに対する両対数グラフをプロットし、傾きを求めることにより、微小粒子の慣性半径を求めることができる。
【0036】
尚、慣性半径の測定に際しては、測定対象液の濃度等により多少測定誤差を生じることもある。本発明の反応性超微粒シリカは、正確を期すためシリカ換算濃度0.3%として測定した際にも慣性半径10Å以下である。特に加水分解100%当量以上の水を加えて加水分解を行う際に希釈剤としてエタノール等の有機溶媒の存在下で行った場合、得られる反応性超微粒シリカは上記測定条件によっても慣性半径6Å以下の、極めて微小なものとすることができる。
【0037】
また、本発明の反応性超微粒シリカは、GPCで測定した重量平均分子量が、標準ポリスチレン換算で1000〜3000程度のものである。また、これらのうち多くは重量平均分子量が1300〜2000程度である。加水分解100%当量の水を加えて加水分解縮合を行う際の条件、特に希釈剤の有無及び種類により得られる反応性超微粒シリカの分子量は多少異なり、例えば希釈剤としてアルコール等の有機溶媒の存在下に加水分解を行った場合、重量平均分子量は1300〜1800、好ましくは1600〜1800程度の範囲で安定に生成できる。(尚、以上記載した分子量は、GPCによる測定値をもとに標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量である。)
【0038】
以上述べたように、本発明の反応性超微粒シリカは、その分子量に対し相対的に極めて小さな慣性半径を有していることから、超緻密な構造を採っていると推定される、特異な形態のシリカである。また、本発明の反応性超微粒シリカは、ヒドロキシ基、アルコキシ基等の反応性官能基を多数有する。例えば、テトラメトキシシランのオリゴマー又はモノマーを希釈剤としてエタノールの存在下に加水分解100%当量の水を加えて加水分解を行った場合、得られる反応性超微粒シリカは反応性官能基としてヒドロキシル基、メトキシ基、及びエトキシ基を有するものとなる。例えばヒドロキシル基のモル数がメトキシ基及びエトキシ基の合計モル数に対し0.6倍或いは0.7倍、更には0.8倍以上、またエトキシ基のモル数がメトキシ基の1.5倍、更には2倍以上である反応性超微粒シリカとすることも容易にできるのである。このように多種多量の反応性官能基を有する本発明の反応性超微粒シリカは反応性に富み、これを含有する本発明の熟成物は、上述のアクリルポリオール(A)を配合してコーティング液とした際の架橋速度が速く、また架橋密度も上がり、高硬度等、極めて優れた特性を発現するコーティング膜を形成する。
【0039】
本発明のコーティング液においては、有機ケイ素化合物の加水分解縮合物がこのような微小粒子を形成しているため、成膜に際しては成分間の架橋反応性が優れており、例えば常温でも硬化可能であり、屋外での成膜も可能である。
【0040】
このようにして得られた熟成物に、上述のアクリル・ポリオール(A)を添加する。
アクリル・ポリオール(A)の添加量は、有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物100重量部に対し、5〜1900重量部、好ましくは25〜400重量部程度が適当である。膜中SiO換算ではSiO86〜1重量%、好ましくは56〜7.4重量%程度に調整するのが好ましい。
5重量部以下では得られるコーティング膜にクラックが発生し易い。また199重量部以上では得られるコーティング膜の硬度が低い傾向がある。
【0041】
また、上記のアクリル・ポリオール(A)は、単独でも、或いは目的に応じて2種以上を併用することも差し支えない。併用に際しては、2種以上を予め配合しても、各々を、熟成を経た配合液に添加してもよい。
このアクリル・ポリオール(A)の、熟成物への添加に際しては、必要に応じて、溶媒、硬化触媒、その他の添加剤を併せて、又は追って、添加することができる。
【0042】
例えば後述する成膜に際し、特にスプレー法、ディップ法による場合、塗工条件、膜厚等の目的膜物性に応じた粘度、不揮発成分含有量を有するコーティング液を調製するため、これら溶媒の添加を行うことができる。
溶媒としては熟成物とアクリル・ポリオール(A)の双方に相溶性を持つものが好適であり、例えばアルコール類、あるいはグリコール誘導体、炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類を1種、又は2種以上混合して使用できる。
【0043】
アルコール類としては具体的にはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、オクタノール等が挙げられ、グリコール誘導体としてはエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0044】
炭化水素類としてはベンゼン、ケロシン、トルエン、キシレン等が使用でき、エステル類として、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等が使用できる。アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類、エチルエーテル、ブチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキサン、フラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が使用できる。
【0045】
そのうえ、一般に、使用条件、所望の膜特性等に応じて適宜選択すればよい。尚、使用条件、アクリル・ポリオール(A)の種類、使用量等によっては、官能基が多く、成膜後の硬化速度向上のために触媒を更に添加するのが望ましい場合もあるが、一般には、配合後の熟成の際に添加した触媒で充分である。
【0046】
この際の触媒成分の添加量は、触媒としての機能を発揮し得る量であれば特に制限されるものではないが、通常、有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物とアクリル・ポリオール(A)の混合物100重量部に対し、0.01〜10重量部程度の範囲から選択され、好ましくは0.1〜2重量部である。
尚、これら溶媒及び触媒を使用する際の添加順序は特に限定されず、アクリル・ポリオール(A)と同時に熟成物に添加してもよく、あるいは配合し、混合、放置等してから添加してもよい。
【0047】
こうして得られた本発明のコーティング液をポリマー、金属、セラミック等の基材や線材に含浸法、スピンコーター法、スプレー法等で造膜したり、粉体と混合して造膜する。室温で硬化、又は室温で脱溶剤処理として1〜10分放置後、20℃以上で加熱硬化する。加熱炉はガス炉、電気炉等汎用炉でよい。
【0048】
また、本発明のコーティング液によれば、充分な熟成により有機ケイ素化合物の加水分解縮合物が微小粒子を形成し、かつ多数のヒドロキシル基を有しているため、アクリル・ポリオールとの相溶性がよく、架橋反応の進行速度、進行程度が極めて優れている。このため特に加熱工程を要さず、常温で乾燥させ脱溶媒過程を進行させれば、液中各成分の架橋反応も進行し、充分な高硬度を有するコーティング膜を得ることができるので、屋外での使用にも好適である。
【0049】
また、本発明のコーティング液は再塗布性が良いため、用途によっては、乾燥後、さらに再塗布し、乾燥してもよいが、本発明のコーティング液によれば、一回の塗布で10μm以上の膜厚を得ることができる。
塗布自体は常法によることができ、膜厚も適宜選定することができる。
【0050】
膜厚の選定は、常法によることができ、例えば液中非揮発成分濃度、液の粘度、ディップ法における引上げ速度、スプレー法における噴射時間等を調整したり、再塗布を行ったりすることにより選定できる。更にはアクリル・ポリオールの種類、添加量の調整等によっても、得られる膜厚は適宜変化させることができる。
本発明のコーティング液は液でのポットライフが2週間以上、増粘もなく造膜可能で且つ、造膜後の塗膜硬度も高く、可撓性もある上、耐汚染性に極めて優れているという特徴を有する。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により、更に本発明を詳細に説明する。なお部及び%は特にことわりのない限り重量部及び重量%を示す。
(1)オリゴマーの合成
撹拌機と還流用コンデンサー及び温度計を付けた500mlの四つ口丸底フラスコに、テトラメトキシシラン234gとメタノール74gを加えて混合した後、0.05%塩酸22.2gを加え、内温度65℃、2時間加水分解反応を行った。
【0052】
ついでコンデンサーを留出管に取り替え、内温度が130℃になるまで昇温し、メタノールで留出させた。このようにして部分加水分解縮合物(以下「テトラメトキシシラン・オリゴマー」という)を得た(部分加水分解率40%)。重合度2〜8のオリゴマーが確認され、重量平均分子量は550であった。テトラメトキシシラン・オリゴマー中のモノマー量は5%であった。引き続き130℃に加熱したフラスコにテトラメトキシシラン・オリゴマーを入れ、気化したモノマーを不活性ガスと共に系外に排出しながら、150℃まで昇温し、3時間保持した。こうして得られたモノマー除去後のテトラメトキシシラン・オリゴマー中のモノマー量は0.2%であった。
【0053】
(2)アクリル・ポリオールの合成
製造例1 アクリル・ポリオール(A−1)の合成
温度計、還流冷却器、撹拌機、窒素ガス導入管を備えた反応容器にi−プロピルアルコール510部、を仕込み80℃に昇温後、i−ブチルメタクリレート278部、n−ブチルメタリレート126部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート196部にアゾビスメチルブチロニトリル6部を溶解させた混合モノマー液を4時間かけて反応容器中に滴下し、終了後アゾビスイソブチロニトリル1.2部を1時間おきに3回に分けて添加し、重合を終了させた。得られた共重合体は水酸基価が140mgKOH/gで、GPCによる重量平均分子量が17,300であった。最後にi−プロピルアルコールを90部加えて希釈し固形分49.6%のヒドロキシル基含有アクリルポリオール溶液(A−1)を得た。
【0054】
製造例2 アクリル・ポリオール(A−2)の合成
温度計、還流冷却器、撹拌機、窒素ガス導入管を備えた反応容器にi−プロピルアルコール510部、を仕込み80℃に昇温後、i−ブチルメタクリレート189部、n−ブチルメタリレート132部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート279部にアゾビスメチルブチロニトリル6部を溶解させた混合モノマー液を4時間かけて反応容器中に滴下し、終了後アゾビスイソブチロニトリル1.2部を1時間おきに3回に分けて添加し、重合を終了させた。得られた共重合体は水酸基価が200mgKOH/gで、GPCによる重量平均分子量が15,000であった。最後にi−プロピルアルコールを90部加えて希釈し固形分50.2%のヒドロキシル基含有アクリルポリオール溶液(A−2)を得た。
【0055】
製造例3 アクリル・ポリオール(A−3)の合成
温度計、還流冷却器、撹拌機、窒素ガス導入管を備えた反応容器にi−プロピルアルコール510部、を仕込み80℃に昇温後、i−ブチルメタクリレート480部、n−ブチルメタリレート120部、にアゾビスメチルブチロニトリル6部を溶解させた混合モノマー液を4時間かけて反応容器中に滴下し、終了後アゾビスイソブチロニトリル1.2部を1時間おきに3回に分けて添加し、重合を終了させた。得られた共重合体は水酸基価が0mgKOH/gで、GPCによる重量平均分子量が15,200であった。最後にi−プロピルアルコールを90部加えて希釈し固形分49.3%のヒドロキシル基含有アクリルポリオール溶液(A−3)を得た。
【0056】
製造例4 アクリル・ポリオール(A−4)の合成
温度計、還流冷却器、撹拌機、窒素ガス導入管を備えた反応容器にi−プロピルアルコール510部、を仕込み80℃に昇温後、i−ブチルメタクリレート114部、n−ブチルメタリレート138部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート348部にアゾビスメチルブチロニトリル6部を溶解させた混合モノマー液を4時間かけて反応容器中に滴下し、終了後アゾビスイソブチロニトリル1.2部を1時間おきに3回に分けて添加し、重合を終了させた。得られた共重合体は水酸基価が250mgKOH/gで、GPCによる重量平均分子量が17,300であった。最後にi−プロピルアルコールを90部加えて希釈し固形分50.7%のヒドロキシル基含有アクリルポリオール溶液(A−4)を得た。
【0057】
実施例1
(コーティング液の調製及び塗膜の形成・評価)
上記(1)オリゴマーの合成で得られたテトラメトキシシラン・オリゴマー30.8gにエタノール62.4gを添加し、次いでアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)0.3g及び脱塩素水6.57gを添加した。水の添加量はテトラメトキシシラン・オリゴマーを理論上完全に加水分解する量に対し114%である。室温で1日放置し熟成した。
【0058】
こうして得られた熟成物を、製造例1で得られたアクリル・ポリオール(A−1)100部に対して78部配合し、シンナーを加えてフォードカップNo.4で12秒に希釈した後、脱脂したアルミ板(材質A1050、板厚0.8mm)、ガラス板、SPCC板に乾燥膜厚が1〜200μmとなるように150μmアプリケーターで塗装し、150℃×2時間乾燥後、塗膜物性の評価試験を行った。
【0059】
(微小粒子の確認)
(1)オリゴマーの合成で得られたモノマー除去後のテトラメトキシシラン・オリゴマー34.99gにエタノール49.31gを添加し、次いでマレイン酸0.38g及び脱塩素水8.32gを添加した。水の添加量はテトラメトキシシラン・オリゴマーを理論上完全に加水分解する量に対し127%である。室温で2日放置し熟成して得られた液(組成物A、SiO 換算濃度16重量%、8.1vol%)、及びこれをエタノールで約4倍に希釈した液(組成物B、SiO 換算濃度4.3重量%、2vol%)について、以下の条件で、小角X線散乱による解析を行った。
【0060】
Figure 0003586912
【0061】
図−1及び図−2に、組成物A及び組成物Bの、受光スリットにおける散乱X線の移動距離に対する、散乱強度の測定データ(バックグラウンド補正、吸収補正済)を示す。
図−3及び図−4に、組成物A及び組成物Bのスリット補正後のポイントビームデータを示す。
【0062】
これら図−3及び図−4からGuinierの式I=C exp(−H Rg /3)(I:散乱強度、H:散乱ベクトル(=2πsin2θ/π)、Rg:慣性半径、C:const、λ:Cu−Kα線波長、2θ:ひろがり角)に従って慣性半径の最大値を求めると、図−5及び図−6に示した様に、組成物Aについては、7.0Å(球形と仮定すると実半径R=(5/3)1/2 Rgより、半径9.0Å)組成物Bについては6.0Å(球形と仮定すると半径7.7Å)であった。また、図−3及び図−4を逆フーリェ変換し、半径(球形と仮定)の分布を求めた結果を図−7及び図−8に示す。半径の最大値は、各々約6Å及び7Åであった。
【0063】
なお、上記(1)オリゴマーの合成で得られたモノマー除去後のテトラメトキシシラン・オリゴマーについて、同様の条件下に小角X線散乱による解析を行った。図−9に散乱強度の測定データを示すが、これにより明らかなように、微小粒子等の構造は認められなかった。
【0064】
(分子量の測定)
組成物Aを、以下の条件下、分子量の測定を行った。
Figure 0003586912
結果を以下に示す。
【0065】
Figure 0003586912
この組成物Aの塩素濃度を測定したところ、1.5ppm以下であった。
【0066】
(反応性官能基の量の測定)
こうして得られた熟成物を、密閉し13日間室温で放置した後、液中のメタノール及びエタノールをガスクロマトグラフィーにより、また液中の水分をカールフィッシャー分析により測定することにより、熟成物中の反応性超微粒シリカの有する反応性官能基の量を算出した。分析条件は、以下の通りである:
【0067】
ガスクロマトグラフィー分析条件:
インジェクション温度:180℃
カラム温度 :180℃
TCD(検出器) :200℃
キャリアーガス :He 40ml/分
カレント電流 :100mA
充填剤 :Porapaq type Q
【0068】
その結果、液中のメタノール量は18.9%(0.591mol)、エタノール量は57.1%(1.241mol)、水の量は1.15%(0.0639mol)であることから消費された水の量は0.3041molとなった。したがって、熟成物中の反応性超微粒シリカの有する反応性官能基の量を計算すると、メトキシ基13.2mol%、エトキシ基40.3mol%、シラノール基46.0mol%となった。
【0069】
実施例2〜4、比較例1〜2
実施例1と同様な方法に従って、表1〜2に示すアクリル・ポリオール(A−2〜4)、実施例1で得られた熟成物を配合、希釈、塗装し評価を行った。
*1 キシレンを含浸させた脱脂綿1cm に500gの荷重をかけて塗膜をこすり、100回後の外観を観察した。
*2 5%硫酸水溶液をスポットし15時間後の塗膜外観を観察した。
*3 JIS K5400第6−14項による鉛筆引っかき試験に準じて行った。
*4 1mm角のゴバン目を100目作り、セロテープで剥離した後の剥離していない目数を記録した。
*5 配合液を密封し、40の温水に浸し、ゲル化までの時間(日)。
【0070】
【表1】
Figure 0003586912
【0071】
【表2】
Figure 0003586912
【0072】
【発明の効果】
本発明により、液での貯蔵安定性に優れ、しかも耐汚染性、耐擦傷性、耐溶剤性、耐薬品性等の膜特性に優れた厚膜を得ることが可能なコーティング液を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における組成物Aの散乱強度の測定データ。
【図2】実施例1における組成物Bの散乱強度の測定データ。
【図3】実施例1における組成物Aのスリット補正後のポイントビームデータ。
【図4】実施例1における組成物Bのスリット補正後のポイントビームデータ。
【図5】実施例1における組成物A中の微小粒子の慣性半径の分布。
【図6】実施例1における組成物B中の微小粒子の慣性半径の分布。
【図7】実施例1における組成物A中の微小粒子の球仮定半径の分布。
【図8】実施例1における組成物Bの微小粒子の球仮定半径の分布。
【図9】実施例1(1)オリゴマーの合成で得られたテトラメトキシシラン・オリゴマーの散乱強度の測定データ。

Claims (12)

  1. (a)ヒドロキシル基含有モノマー1〜80重量%、及び(b)アルキル基の炭素数が1〜4のメタクリル酸アルキルエステル15〜85重量%を含めて(a)のヒドロキシル基含有モノマーと共重合可能なビニル系モノマー20〜99重量%を共重合してなるアクリル・ポリオール(A)(但しビニル基含有アルコキシシラン及び/又はビニル基含有ポリシロキサンを共重合したものを除く)と、下記一般式(I)で示される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物にこれを理論上100%加水分解縮合可能な量以上の水を加えて得られた加水分解縮合物(B)を配合してなるコーティング液。
    Figure 0003586912
    (但しRは炭素数1〜8の炭化水素基)
  2. アクリル・ポリオール(A)の水酸基価が5〜220mgKOH/gである請求項1記載のコーティング液。
  3. アクリル・ポリオール(A)のTgが−10〜60℃である請求項1又は2記載のコーティング液。
  4. アクリル・ポリオール(A)の重量平均分子量が5000〜50000である請求項1ないし3のいずれかに記載のコーティング液。
  5. アクリル・ポリオール(A)が、アルキル基の炭素数が1〜4のアクリル酸アルキルエステルを0〜60重量%共重合してなる請求項1ないし4のいずれかに記載のコーティング液。
  6. アクリル・ポリオール(A)が、ヒドロキシアルキル基の炭素数が4以下
    のメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルを1〜80重量%共重合してなる請求項1ないし5のいずれかに記載のコーティング液。
  7. アクリル・ポリオール(A)が、炭素数4以下のアルキルアルコールを5〜100重量%含有する溶剤中で溶液重合によって得られたものである請求項1ないし6のいずれかに記載のコーティング液。
  8. 一般式(I)で示される有機ケイ素化合物がテトラメトキシシランである請求項1ないし7のいずれかに記載のコーティング液。
  9. 一般式(I)で示される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物がテトラメトキシシラン・オリゴマーである請求項1ないし7のいずれかに記載のコーティング液。
  10. 一般式(I)で示される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物がモノマー含有量が1重量%以下のテトラメトキシシラン・オリゴマーである請求項1ないし7のいずれかに記載のコーティング液。
  11. 一般式(I)で示される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物にこれを理論上100%加水分解可能な量以上の水を加えて得られた部分加水分解縮合物(B)が、慣性半径10Å以下の微小粒子を形成している請求項1なし10のいずれかに記載のコーティング液。
  12. 下記一般式(I)で示される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物並びにこれを理論上100%加水分解縮合可能な量以上の水を含む液を熟成後、(a)ヒドロキシル基含有モノマー1〜80重量%、及び(b)アルキル基の炭素数が1〜4のメタクリル酸アルキルエステル15〜85重量%を含めて(a)のヒドロキシル基含有モノマーと共重合可能なビニル系モノマー20〜99重量%を共重合してなるアクリル・ポリオール(A)(但し、ビニル基含有アルコキシシラン及び/又はビニル基含有ポリシロキサンを共重合したものを除く)と配合することを特徴とするコーティング液の製造方法。
    Figure 0003586912
    (但しRは炭素数1〜8の炭化水素基)
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