JP3586794B2 - 水性硬化性組成物の製造方法 - Google Patents
水性硬化性組成物の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば建築内外装、自動車、家電用品、プラスチックなどに対する各種塗装、特に耐候性、耐久性の要求される塗装などに使用される水性硬化性組成物(以下、単に「硬化性組成物」ともいう)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
近年、塗料や接着剤の分野において、公害対策あるいは省資源の観点より、有機溶剤を使用するものから、水溶性あるいは水分散性樹脂への転換が試みられている。
【0003】
しかしながら、従来の水系塗料は、架橋性の官能基を持たないため、重合に使用する界面活性剤の影響を強く受け、形成された塗膜の耐候性、耐水性、耐汚染性が著しく悪くなり、溶剤系塗料に比べ塗膜物性が劣るという欠点を有していた。
【0004】
そこで、架橋性を有するエマルションとして、アルコキシシリル基を有するエマルションを応用した塗料が提案された(特開平3−227312号公報)。
【0005】
しかしながら、このエマルションでも耐水性、耐候性は十分でないという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点について鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(I)で示されるシリル基を有する重合体のエマルションを調製する際、乳化重合することによって前記重合体を製造し、当該重合体のエマルションに、エポキシ化合物および硬化触媒を添加することにより、硬化生成物が著しく耐水性、耐候性などに優れることを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(A)下記一般式(I)で示されるシリル基を有する重合体のエマルションを調製する際、乳化重合することによって前記重合体を製造し、当該重合体のエマルションを、
【化2】
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基より選ばれる1価の炭化水素基、Xはハロゲン原子、またはアルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基より選ばれる基、yは0〜2の整数である。Siに結合するXおよびRがそれぞれ2個以上の場合、それらは同一の基であっても異なる基であってもよい。)
(B)1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物または1分子中にエポキシ基と加水分解性シリル基を有する化合物、及び
(C)有機アルミニウム化合物または有機ジルコニウム化合物と混合することを特徴とする水性硬化性組成物の製造方法である。
【0008】
以下、(A)、(B)、(C)成分を順次説明する。
【0009】
シリル基を有する重合体のエマルション(A)
[シリル基を有する重合体のエマルション]
一般式(I)で示されるシリル基を有する重合体の基体に特に限定はなく、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。特に、アクリル樹脂が、耐候性、耐薬品性、樹脂設計の幅の広さ、価格の点で好ましい。
【0010】
上記樹脂に一般式(I)で示されるシリル基を導入する方法としては特に限定はなく、公知の方法を用いることができるが、とりわけ、一般式(I)で示されるシリル基を有するビニル系単量体(以下、「シリル基含有ビニル系単量体」ともいう)を、他のビニル系単量体と乳化重合する方法が容易であり、好ましい。
【0011】
一般式(I)で示されるシリル基を有するビニル系単量体に限定はないが、具体例としては、
【化3】
【化4】
【化5】
などが挙げられる。
【0012】
これらのシリル基含有ビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよいし、また2種以上を併用してもよい。特に、取扱いの容易さ、価格、反応副生物の点からアルコキシシリル基含有化合物を使用することが好ましい。
【0013】
シリル基含有ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体に限定はなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系単量体;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどのフッ素含有ビニル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などの重合可能な炭素−炭素二重結合を有する酸、あるいはそれらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など);無水マレイン酸などの酸無水物またはそれらと炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとのハーフエステル;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリンあるいは、それらの塩酸、酢酸塩;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビニル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシスチレン、アロニクス5700(東亜合成化学(株)製)、PlaccelFA−1、PlaccelFA−4、PlaccelFM−1、PlaccelFM−4(以上、ダイセル化学(株)製)、HE−10、HE−20、HP−10、HP−20(以上、日本触媒化学(株)製)、ブレンマーPPシリーズ、ブレンマーPEシリーズ、ブレンマーPEPシリーズ、ブレンマーAP−400、ブレンマーAE−350、ブレンマーNKH−5050、ブレンマーGLM(以上、日本油脂(株)製)、水酸基含有ビニル系変性ヒドロキシアルキルビニル系モノマーなどの水酸基含有ビニル系単量体;(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸もしくはリン酸エステル類との縮合生成物たるリン酸エステル基含有ビニル化合物あるいはウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどのビニル化合物;東亜合成化学(株)製のマクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物、ビニルメチルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニル系単量体、旭電化工業(株)製のLA87、LA82、LA22などの重合型光安定剤、重合型紫外線吸収剤、などが挙げられる。
【0014】
n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどの炭素数4以上のアルキル基あるいはシクロアルキル基を有するメタクリレートを、重合成分全量100重量部(以下、単に「部」という)に対して60部以上共重合することにより、シリル基の安定性は向上する。
【0015】
フッ素含有ビニル系単量体、シロキサン含有ビニル系単量体を使用することにより撥水性が向上し、耐水性、耐久性が向上する。また、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、水酸基含有ビニル系単量体あるいはポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレートのような親水性単量体を使用するとエマルションの安定性が向上する。
【0016】
それに加えて、例えば、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリアリルシアヌレートなどの重合性の不飽和結合を2つ以上有する単量体を使用することにより、生成するポリマーが架橋構造を有するものにすることも可能である。
【0017】
前記シリル基含有ビニル系単量体とこれと共重合可能な他のビニル系単量体との使用割合としては、これらの合計量に対してシリル基含有ビニル系単量体を、0.5〜30%(重量%、以下同様)使用するのが好ましく、さらに2〜20%使用するのが好ましい。シリル基含有ビニル系単量体の量が、0.5%未満だと、耐水性、耐候性が劣る傾向が生じ、30%を超えると、エマルションの安定性が低下しやすくなる。
【0018】
次に、上記したシリル基含有ビニル系単量体とこれと共重合可能な他のビニル系単量体とを乳化重合させて得られる乳化重合体の製造について説明する。
【0019】
乳化重合法としては、バッチ重合法、モノマー滴下重合法、乳化モノマー滴下重合法などの各種乳化重合法を適宜選択して採用することができるが、特に、製造時の安定性を確保する上でモノマー滴下重合法、乳化モノマー滴下重合法が適している。
【0020】
前記製法に用い得る乳化剤としては、通常の乳化重合に使用されるものであれば特に限定はなく、たとえばイオン性あるいは非イオン性の界面活性剤などが挙げられる。
【0021】
イオン性界面活性剤としては、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソオクチルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;Newcol−723SF、Newcol−707SN、Newcol−707SF、Newcol−740SF、Newcol−560SN(以上、日本乳化剤(株)製)などの(ポリ)オキシエチレン基を含むアニオン性乳化剤;イミダリンラウレート、アンモニウムハイドロオキサイドなどのアンモニウム塩、などが挙げられる。
【0022】
また、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレン類;L−77、L−720、L−5410、L−7602、L−7607(以上、ユニオンカーバイド社製)などのシリコンを含むノニオン系乳化剤などが代表例として挙げられる。
【0023】
乳化剤として、1分子中に重合性二重結合を有する反応性乳化剤を使用することも本発明を妨げるものではない。特に、分子内にポリオキシエチレン基を有する反応性乳化剤を用いると耐水性が向上する。具体例として、アデカソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40、SE−10N(以上、旭電化工業(株)製)、Antox−MS−60(日本乳化剤(株)製)、アクアロンRN−20、RN−30、RN−50、HS−10、HS−20、HS−1025(以上、第一工業製薬(株)製)が挙げられる。
【0024】
また、乳化剤の代りに、水溶性樹脂を用いて重合することも可能である。この方法を用いると、塗膜の耐水性が向上する。水溶性樹脂に一般式(I)で示されるシリル基を導入することにより、より耐水性を高めることができる。
【0025】
重合をより安定に行なうためには、レドックス系触媒を用いて70℃以下の温度、好ましくは40〜65℃の温度で行なう。また、シリル基安定化のために重合中のpHを調整することが好ましく、pH5〜8、さらに好ましくは6〜7に調整される。
【0026】
前記レドックス系触媒としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムと酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリットの組み合わせ、過酸化水素とアスコルビン酸の組み合わせ、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物と酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどとの組み合わせなどが用いられる。特に、有機過酸化物と還元剤の組み合わせが、安定に重合を行なえるという点から好ましい。また、触媒活性を安定的に得るために硫酸鉄などの2価の鉄イオンを含む化合物とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムのようなキレート剤を適宜併用してもよい。
【0027】
このようなレドックス系触媒(開始剤)の使用量は、モノマーの重量を基準として、0.01〜10%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜5%である。
【0028】
エマルション微粒子の平均粒径は0.02〜1.0μmである。
【0029】
[シリル基を有する水溶性樹脂]
一般式(I)で示されるシリル基を有する重合体の基体に特に限定はなく、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。特に、アクリル樹脂が、耐候性、耐薬品性、樹脂設計の幅の広さ、価格の点で好ましい。
【0030】
上記樹脂に一般式(I)で示されるシリル基を導入する方法としては、特に限定はないが、一般式(I)で示されるシリル基を有するビニル系単量体および酸性基または塩基性基を有するビニル系単量体(水溶性基含有ビニル系単量体)を、他の共重合可能なビニル系単量体と水溶性媒体中で溶液重合し、重合中あるいは重合後に、アンモニアもしくは有機アミン化合物または塩酸もしくは酢酸などの酸性化合物により中和して行なう方法が、樹脂設計の幅の広さ、耐候性、耐薬品性、簡便さの点で好ましい。
【0031】
一般式(I)で示されるシリル基を有するビニル系単量体に限定はないが、具体例としては、
【化6】
【化7】
【化8】
などが挙げられる。
【0032】
シリル基含有ビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよいし、また2種以上を併用してもよく、0.2〜50部共重合されるのが好ましく、更に好ましくは0.5〜20部共重合されるのがよい。0.2部未満では耐水性、耐候性が低下し、50部を超えると塗膜がもろくなる。
【0033】
シリル基を有する水溶性樹脂を得るための必須成分である水溶性基あるいは水溶性基を生成しうる基を有するビニル系単量体(以下、「水溶性基含有ビニル系単量体」ともいう)の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などの重合可能な炭素−炭素二重結合を有する酸;あるいは、それらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など);無水マレイン酸などの酸無水物またはそれらと炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとのハーフエステル;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、あるいはそれらの塩酸、酢酸塩を挙げることができる。
【0034】
また、水溶性樹脂としては、酸型で重合し、その後中和することによって塩とする方法によって得られるものが、アルコキシシリル基などの安定化の点で好ましい。すなわち、カルボキシル基含有ビニル系単量体、または酸無水物もしくはハーフエステルを用いるのが好ましい。さらに好ましくは、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有ビニル系単量体を用いるのがよい。
【0035】
これらの単量体は、1種を単独で用いてもよいし、また2種以上を併用してもよく、0.5〜30部共重合されるのが好ましく、更に好ましくは1〜20部共重合されるのがよい。0.5部未満だと十分に水溶化せず、30部を超えると耐水性が低下する。
【0036】
これらのシリル基含有ビニル系単量体、水溶性基含有ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体については、特に限定はなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのビニル系単量体;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどのフッ素含有ビニル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビニル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシスチレン、アロニクス5700(東亜合成化学(株)製)、PlaccelFA−1、PlaccelFA−4、PlaccelFM−1、PlaccelFM−4(以上、ダイセル化学(株)製)、HE−10、HE−20、HP−10、HP−20(以上、日本触媒化学(株)製)、ブレンマーPPシリーズ、ブレンマーPEシリーズ、ブレンマーPEPシリーズ、ブレンマーAP−400、ブレンマーAE−350、ブレンマーNKH−5050、ブレンマーGLM(以上、日本油脂(株)製)、水酸基含有ビニル系変性ヒドロキシアルキルビニル系モノマーなどの水酸基含有ビニル系単量体;(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸もしくはリン酸エステル類との縮合生成物たるリン酸エステル基含有ビニル化合物あるいはウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどのビニル化合物;東亜合成化学(株)製のマクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物;ビニルメチルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエンなどのビニル系単量体などが挙げられる。
【0037】
溶液重合を実施するにあたり、使用する溶剤は、共重合反応生成物を溶解し、水溶性を有しているもので、造膜性を著しく改良しうるものが好ましい。そのような溶剤の例としては、式;HO−(CH2CH2O)n−R3で示される(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテルまたは、式;HO−(CH2CH2CH2O)n−R4で示される(ポリ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル(式中、R3,R4は炭素数1〜10のアルキル基、nは1〜10の整数)が好ましく、具体的には、例えば、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテルなどのエーテル類が挙げられる。
【0038】
このような溶剤の使用割合としては特に限定はないが、通常は、全単量体100部に対して20〜300部である。
【0039】
上記グリコールエーテルと併用して、メタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類;ブチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル類;2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレートなどを用いてもよい。
【0040】
重合開始剤は、通常使用されている開始剤であれば特に限定はなく、レドックス系開始剤、アゾ系開始剤、過酸化物を用いればよい。これらの開始剤の中ではアゾ系開始剤が好ましく、具体的な例を挙げると、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル、アゾビスジメチルメトキシバレロニトリルなどのアゾ系ニトリル類;V−50、VA−041、VA−044、VA−061(以上、和光純薬(株)製)などのアゾアミジン類;VA−080、VA−086、VA−088(以上、和光純薬(株)製)などのアゾアミド類;アゾジ−tert−オクタン、アゾジ−tert−ブタンなどのアゾアルキル類;シアノプロピルアゾホルムアミド、アゾビスシアノバレロイル酸、ジメチルアゾビスメチルプロピオネート、アゾビスヒドロキシメチルプロピオニトリルなどが挙げられる。また、必要に応じて、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si−(OCH3)3、(CH3O)3Si−(CH2)3−S−S−(CH2)3−Si−(OCH3)3、(CH3O)3Si−S8−Si(OCH3)3などの連鎖移動剤を用い、分子量調節をしてもよい。
【0041】
重合条件に関しては、通常40〜170℃、好ましくは50〜150℃の重合温度で、3〜24時間、好ましくは4〜20時間の重合が望ましい。
【0042】
水溶化するには、アンモニアまたは有機アミン化合物などの塩基性化合物でカルボキシル基などの酸性基を中和処理するのが好ましい。中和処理に用いるアミン化合物の具体例としては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどが挙げられる。
【0043】
また、アミノ基などの塩基性基を有する場合は、塩酸、酢酸などの酸性化合物で中和し、4級化を行なう。
【0044】
中和処理に用いる塩基性化合物または酸性化合物の使用量は、カルボキシル基またはアミノ基などの対象の基の当量より少なくてもよいし、当量でもよいし、小過剰でもよいが、どちらかといえば、当量あるいは小過剰用いるのが好ましく、重合速度、重合安定性、加水分解性シリル官能基の安定性の点から、中和処理によりpH5〜10、好ましくはpH6〜8に調整するのがよい。
【0045】
水溶性樹脂の数平均分子量としては、特に限定はないが、2,000〜30,000であることが好ましく、3,000〜20,000であることがさらに好ましい。数平均分子量が2,000未満である場合、耐水性が低下するという問題が生じ易くなり、30,000を超えると、水溶性樹脂の安定性が低下するという問題が生じ易くなる。
【0046】
得られた水溶性樹脂は任意の割合で水を混合することができる。また、シリル基を有するエマルションとシリル基を有する水溶性樹脂は、混合して使用することも可能であり、それぞれのガラス転移点、シリコン量、分子量を変えることにより幅広い樹脂設計が可能である。
【0047】
エポキシ基を有する化合物(B)
本発明に用いる(B)成分の1種である1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物は、硬化物の硬度、耐溶剤性、耐薬品性、密着性などの塗膜物性を良好にするために使用される成分であり、中でもエポキシ基が3個以上含まれるものが好ましい。エポキシ基が2個未満の場合は架橋が不十分となり、硬度、耐薬品性、耐溶剤性などの要求される塗膜性能が得られない。
【0048】
また、エポキシ基とともに水酸基をも有するエポキシ化合物を用いると、硬化活性が高く好ましい。
【0049】
エポキシ基を2個以上有する化合物の具体例としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル類、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル類、ジグリセロールポリグリシジルエーテル類、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート類、グリセロールポリグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル類、レゾルシンジグリシジルエーテル類、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル類、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル類、ビスフェノールSジグリシジルエーテル類、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル類、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸あるいはイソフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸のグリシジルエステル、ビスフェノールA型あるいは水添ビスフェノールA型あるいはビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ヒダントイン環含有エポキシ樹脂、エポキシ樹脂をウレタン変性したエポキシウレタン樹脂、または側鎖にエポキシ基を有する各種ビニル系(共)重合体、エポキシ変性シリコーンオイル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのようなエポキシ基含有アルコキシシランの部分加水分解物、エポキシ基含有アクリル樹脂などが挙げられる。
【0050】
特に、エポキシ基含有アクリル樹脂は、主鎖がアクリル樹脂であることから耐久性、耐溶剤性、耐薬品性などに優れる。このエポキシ基含有アクリル樹脂は、エポキシ基含有ビニルモノマーをアクリル酸またはメタクリル酸の誘導体と共重合することにより容易に得ることができる。また、使用するモノマー組成、開始剤量、官能基の種類、量を変えることにより幅広い樹脂設計が可能である。
【0051】
エポキシ基含有ビニルモノマーに特に限定はないが、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ジグリシジルマレート、β−メチルグリシジルマレート、ジグリシジルフマレート、ジ−β−メチル−グリシジルフマレート、脂環エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルであるダイセル化学工業(株)製のAETHB、METHBなどが挙げられる。
【0052】
エポキシ基を2個以上有する化合物の中でも、ディナコールEX612、EX421、EX313、EX314、EX810、EX512、EX521(以上、ナガセ化成工業(株)製)、アデカレジンEPEC−0436、EPEA−0059(以上、旭電化工業(株)製)のような水溶性エポキシ化合物またはディナコールEM−125(ナガセ化成工業(株)製)、アデカレジンEPE−0410、EPES−0425W(以上、旭電化工業(株)製)などのエマルションもしくはエポキシ樹脂を乳化剤でエマルション化したものが、硬化性や(A)成分との相溶性の点で好ましい。
【0053】
(B)成分としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物以外に、1分子中にエポキシ基と加水分解性シリル基を有する化合物を使用することができる。エポキシ基と加水分解性シリル基を有する化合物は、具体的には、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの化合物は、あらかじめエマルション(A)に含浸させておいてもよい。
【0054】
エポキシ基を有する化合物(B)の配合量は、シリル基を有するエマルションおよび/または水溶性樹脂(A)の固形分100部に対して1〜500部が好ましく、2〜200部が更に好ましい。1部未満では、硬化性が低下する。500部を超えると、耐候性が低下する傾向にある。
【0055】
有機アルミニウム化合物または有機ジルコニウム化合物(C)
(C)成分である有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムエチレートなどのアルコレート類;エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどのキレート化合物;が挙げられる。特に、水中での安定性の観点よりキレート化合物が好ましい。
【0056】
有機ジルコニウム化合物としては、テトラエチルジルコネート、テトラ−n−プロピルジルコネート、テトライソプロピルジルコネート、テトラ−n−ブチルジルコネート、テトライソブチルジルコネート、テトラ−sec−ブチルジルコネート、テトラ−tert−ブチルジルコネート、テトラ−n−ペンチルジルコネート、テトラ−tert−ペンチルジルコネート、テトラ−tert−ヘキシルジルコネート、テトラ−n−ヘプチルジルコネート、テトラ−n−オクチルジルコネート、テトラ−n−ステアリルジルコネートなどのジルコネート類があり、特にテトライソプロピルジルコネート、テトラ−n−プロピルジルコネート、テトライソブチルジルコネート、テトラ−n−ブチルジルコネート、テトラ−sec−ブチルジルコネート、テトラ−tert−ブチルジルコネートなどを挙げることができる。また、テトライソプロピルジルコネート、テトラ−n−プロピルジルコネート、テトラ−n−ブチルジルコネート、テトライソブチルジルコネート、テトラ−sec−ブチルジルコネート、テトラ−tert−ブチルジルコネートなどの2量体以上の化合物も使用できる。また、これらジルコネート類同士が会合した構成単位を含んでいてもよい。さらに、キレート化合物であるテトラキス(N−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、iso−ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−iso−ブトキシ−ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−iso−ブトキシアセチルアセトナートジルコニウム、n−ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシアセチルアセトナートジルコニウム、iso−プロポキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−iso−プロポキシビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−iso−プロポキシアセチルアセトナートジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエチルアセトアセテートトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウムなどが挙げられる。特に、水中での安定性の点よりキレート化合物が好ましい。
【0057】
有機アルミニウム化合物または有機ジルコニウム化合物(C)の配合量は、(A)成分および(B)成分の固形分合計量100部に対し、0.01〜50部が好ましく、0.1〜20部であるのが更に好ましい。配合量が0.01部未満では、架橋が不十分となり、耐溶剤性、耐薬品性などの必要な物性が得られなくなり、50部を超えると、塗膜がもろくなる傾向がある。
【0058】
(C)成分は、あらかじめ乳化して使用すると、(A)、(B)成分との相溶性が増し、硬化活性が向上する。また、乳化することにより、(A)、(B)、(C)成分混合後の安定性も向上する。
【0059】
なお、他の成分として、加水分解性シリル基の架橋を促進させるジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジメトキサイド、ジブチルスズチオグリコレートなどの有機スズ化合物を併用することができる。
【0060】
本発明の硬化性組成物は、常温から180℃までの範囲で硬化させて使用できる。
【0061】
得られた硬化性組成物に、必要に応じて、通常塗料に用いられる顔料(二酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、カオリンなどの白色顔料、カーボン、ベンガラ、シアニンブルーなどの有色系顔料)や造膜剤、コロイダルシリカ、可塑剤、溶剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、紫外線吸収剤、造膜助剤などの通常の塗料用成分として使用される添加剤、エチルシリケート、メチルシリケートあるいはそれらの部分加水分解縮合物を混合して使用することもさしつかえない。
【0062】
また、架橋剤として、メラミン樹脂、イソシアネート化合物を添加し、速硬化性を出すことも可能である。
【0063】
本発明の組成物は、例えば建築内外装用、メタリックベースあるいはメタリックコート上のクリアー、アルミニウム、ステンレスなどの金属直塗用、スレート、コンクリート、瓦などの窯業系直塗用、ガラス用、天然大理石、御影石などの石材用の塗料あるいは上面処理剤として用いられる。また、接着剤や粘着剤としても使用可能である。
【0064】
また、市販されている水系の塗料ともブレンドすることが可能であり、例えば、アクリル系塗料、アクリルメラミン系塗料のような熱硬化アクリル塗料、アルキッド塗料、エポキシ系塗料、フッ素樹脂塗料とブレンドし、これら塗料の耐候性、耐酸性、耐溶剤性を向上させることができる。
【0065】
【実施例】
製造例1 シリル基を含有する重合体のエマルションの合成(A−1)(A−2)
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを取り付けた反応装置に、脱イオン水40部、ロンガリット0.35部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.9部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル1.0部、酢酸アンモニウム0.5部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.2部および下記表1に示す組成のモノマー乳化液158部中の20部を用いて初期仕込みを行なった。次に、窒素ガスを導入しつつ、50℃に昇温し、1時間加温後、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.5部と前記したモノマー乳化液における残りの138部との混合物を3時間かけて滴下した。その後、1時間後重合して、脱イオン水を用いて固形分濃度が40%となるように調整し、エマルション(A−1)および(A−2)を得た。
【0066】
【表1】
【0067】
製造例2 シリル基含有水溶性樹脂の合成(A−3)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器にブチルセロソルブ60部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ75℃に昇温した後、表2に示す組成の混合物を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。混合物の滴下終了後、75℃で2時間熟成した後、アンモニアを8.5部添加した後に冷却し、数平均分子量15,000の水溶性樹脂を得た。さらに、樹脂溶液に水を加えて固形分濃度が40%になるようにした。
【0068】
【表2】
【0069】
実施例1〜8、比較例1、2
表3に示す配合処方で硬化性組成物を得た。配合量は、(A)成分については固形分濃度40%のエマルション量または樹脂溶液量、(B)および(C)成分については純分換算である。この硬化性組成物の物性を評価した結果を表3に示した。評価は以下のようにして行なった。
【0070】
[ゲル分率]
組成物の所定量をポリエチレンシートに塗布し、120℃で30分強制乾燥した後、ポリエチレンシート上に形成した塗膜の全てを剥離させ、これにより得た乾燥塗膜をアセトンに1日浸漬し、アセトン浸漬後の塗膜の残存率をゲル分率(%)として表わした。
【0071】
[耐水性]
組成物をガラス板上に流し塗りし、120℃で30分強制乾燥した後に、水に常温で1週間浸漬し、目視で表面状態を観察した。
【0072】
[耐候性(光沢保持率)]
予めエポキシシーラーを塗布したスレート板に組成物を塗布し、120℃で30分乾燥した後に、促進耐候性試験機QUVにかけた。1200時間試験後の光沢を測定し、初期光沢に対する光沢保持率(%)を求めた。
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物は、硬化性がよく、得られる硬化物は耐水性、耐候性に優れる。
Claims (5)
- (A)下記一般式(I)で示されるシリル基を有する重合体のエマルションを調製する際、乳化重合することによって前記重合体を製造し、当該重合体のエマルションを、
(B)1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物または1分子中にエポキシ基と加水分解性シリル基を有する化合物、及び
(C)有機アルミニウム化合物または有機ジルコニウム化合物と混合することを特徴とする水性硬化性組成物の製造方法。 - (A)成分のシリル基がアルコキシシリル基含有ビニル系単量体と他のビニル系単量体との共重合により導入される請求項1記載の水性硬化性組成物の製造方法。
- (B)成分の1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物が水溶性エポキシ化合物である請求項1または2に記載の水性硬化性組成物の製造方法。
- (B)成分の1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物がエマルション化されているエポキシ化合物である請求項1または2に記載の水性硬化性組成物の製造方法。
- (B)成分の1分子中にエポキシ基と加水分解性シリル基を有する化合物がγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである請求項1または2に記載の水性硬化性組成物の製造方法。
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