JP3583189B2 - 粉体塗料 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、溶媒を使用せずに塗装を行う粉体塗装に用いられる粉体塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液状塗装における、溶媒に起因する臭気や公害等の問題点を解決する手段として、塗膜形成成分のみが配合された粉末の塗料(粉体塗料)を用いた塗装(粉体塗装)が実施されている。上記粉体塗料は、溶媒を用いていないため、臭気や公害等の問題が改善されると共に、過剰に塗布された塗料を回収して再利用することが可能である。また、粉体塗装は、溶液型塗装に比べて、厚塗りが容易である等の利点を有している。
【0003】
このような粉体塗料として、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、またはアクリル樹脂を用いた熱硬化性粉体塗料がある。近年、これら熱硬化性粉体塗料として、上記エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、またはアクリル樹脂に、硬化剤としてオキサゾリン化合物を用いることで、低温硬化性に優れた粉体塗料が得られることが知られている。また、上記エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、またはアクリル樹脂に、硬化剤としてエポキシ化合物を用いることで、保存安定性に優れた粉体塗料が得られることが知られている。
【0004】
このような熱硬化性粉体塗料として、特開昭51−111239号公報には、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂、ポリオキサゾリン化合物、およびエポキシ化合物を含んでなる粉体塗料が開示されている。また、特開昭50−27829号公報には、カルボキシル基を含有するポリエステル樹脂と、ポリエポキシ化合物および/またはポリオキサゾリン化合物とを含有してなる粉体塗料が開示されている。また、特公昭58−7675号公報には、飽和二塩基酸および2価アルコールを、ソルビン酸と、フマール酸またはマレイン酸あるいはその無水物との共存下で反応させることによって得られるポリエステル樹脂と、ポリエポキシ化合物あるいはポリオキサゾリン化合物とを含有してなる粉体塗料が開示されている。さらに、特公昭60−27699号公報には、カルボキシル基およびオキサゾリン基を含有するアクリル樹脂と、ポリエポキシ化合物とを含有してなる粉体塗料が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の粉体塗料は、保存安定性並びに低温硬化性に優れているとは言い難い。このため、これら保存安定性および低温硬化性に優れた粉体塗料が求められている。即ち、本発明の目的は、保存安定性および低温硬化性に優れた粉体塗料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、保存安定性および低温硬化性に優れた粉体塗料を提供すべく鋭意検討した結果、エポキシ基とオキサゾリン基とを含有する重合体と、複数のカルボキシル基を含有する化合物とを共存させることにより、上記従来の問題点を解決することができる粉体塗料が得られることを見いだして、本発明を完成させるに至った。さらに、エポキシ基を含有する重合体と、オキサゾリン基を含有する重合体と、複数のカルボキシル基を含有する化合物とを共存させることにより、上記従来の問題点を解決することができる粉体塗料が得られることもまた、見いだした。
【0007】
尚、エポキシ基とオキサゾリン基とを含有する重合体、および複数のカルボキシル基を含有する化合物を含有してなる粉体塗料、並びに、エポキシ基を含有する重合体、オキサゾリン基を含有する重合体、および複数のカルボキシル基を含有する化合物を含有してなる粉体塗料は、未だ知られていない。
【0008】
即ち、請求項1の発明にかかる粉体塗料は、エポキシ基とオキサゾリン基とを含有する重合体(カルボキシル基を含まない)、および複数のカルボキシル基を含有する化合物(エポキシ基およびオキサゾリン基を含まない)を含有してなる粉体塗料であって、上記エポキシ基1モル当量に対するオキサゾリン基の含有量が、 0.05 モル当量〜 0.5 モル当量の範囲内であることを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明にかかる粉体塗料は、エポキシ基を含有する重合体(オキサゾリン基およびカルボキシル基を含まない)、オキサゾリン基を含有する重合体(エポキシ基およびカルボキシル基を含まない)、および複数のカルボキシル基を含有する化合物(エポキシ基およびオキサゾリン基を含まない)を含有してなる粉体塗料であって、上記エポキシ基1モル当量に対するオキサゾリン基の含有量が、 0.05 モル当量〜 0.5 モル当量の範囲内であることを特徴としている。
【0011】
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明にかかる粉体塗料の原料として用いられるカルボキシル基含有化合物は、1分子中に複数個のカルボキシル基を含有する化合物であり、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、脂肪族ジカルボン酸;脂肪族トリカルボン酸;脂肪族テトラカルボン酸;芳香族ジカルボン酸;芳香族トリカルボン酸;芳香族テトラカルボン酸;または、これらカルボン酸の無水物やエステル化物等のカルボキシル基を含有する化合物、並びに、カルボキシル基を含有する重合体等が挙げられる。上記脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸;グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げられるが、特に限定されるものではない。尚、これらカルボキシル基含有化合物は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0012】
上記例示のカルボキシル基を含有する化合物の中でも、融点が70℃〜180 ℃の範囲内のジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸、または、これらカルボン酸の無水物やエステル化物がさらに好ましく、炭素数5〜20の飽和脂肪族ジカルボン酸が最も好ましい。尚、融点が70℃〜180 ℃の範囲内にあるカルボキシル基を含有する化合物を用いることで、常温で固体であると共に、保存性、作業性が良い粉体塗料を得ることができる。
【0013】
また、カルボキシル基を含有する重合体は、例えば、付加重合性カルボキシル基含有化合物(以下、説明の便宜上、重合性モノマー(A)と称する)を、単独で、あるいは、該重合性モノマー(A)と共重合可能な別の単量体(以下、説明の便宜上、共重合性モノマー(a)と称する)とをラジカル共重合させることにより、容易に得られる。尚、重合性モノマー(A)と、上記共重合性モノマー(a)とをラジカル共重合させるにあたっては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法等の従来公知の種々の方法を用いることができる。
【0014】
上記の重合性モノマー(A)としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、ケイ皮酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸や、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸またはこれらカルボン酸の無水物やエステル化物等が挙げられる。これら重合性モノマー(A)は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0015】
上記の共重合性モノマー(a)としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、スチレンスルホン酸およびその塩等のスチレン誘導体類;(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N −ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜18のアルコールとからなる(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の、(メタ)アクリル酸と、ポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールとからなるヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート類;エチレン、プロピレン、n−ブテン等のオレフィン類;2−スルホン酸エチル(メタ)アクリレートおよびその塩、ビニルスルホン酸およびその塩等の不飽和スルホン酸類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル等のビニルエーテル類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート;4−(メタ)アクロイルオキシ−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクロイルアミノ−2,2,6,6 −テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクロイルオキシ−1,2,2,6,6 −ペンタメチルピペリジン等の、紫外線に安定な単量体等が挙げられる。これら共重合性モノマー(a)は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0016】
前記重合性モノマー(A)と、上記共重合性モノマー(a)との添加量の割合は、所望する粉体塗料の各種物性にもよるが、重合性モノマー(A)1重量%〜30重量%、共重合性モノマー(a)99重量%〜70重量%とするのが好ましい。尚、上記重合性モノマー(A)の割合が、1重量%より少なければ、カルボキシル基含有化合物と、後述するオキサゾリン基およびエポキシ基との反応を効率よく行うことができないため、好ましくない。一方、重合性モノマー(A)の割合が、30重量%より多ければ、得られる塗膜の耐水性が低下するため、好ましくない。
【0017】
尚、上記重合体を製造する場合に、重合性モノマー(A)として、不飽和ジカルボン酸の無水物を用いる場合、上記無水物が開環して生じる2つのカルボキシル基のうち、何れか一方のカルボキシル基がエステル化されていてもよい。
【0018】
この場合、エステル化反応に用いられるアルコールとしては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、イソブタノール、メチルセロソルブ、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、アセトール等の低分子量アルコールが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0019】
また、エステル化反応は、常法を用いて行うことができる。反応温度は、特に限定されるものではないが、例えば、室温〜120 ℃の範囲内に設定すればよい。また、必要に応じて、例えば3級アミン等を触媒として用いてもよい。反応時間は、特に限定されるものではないが、反応温度、並びに、重合性モノマー(A)、アルコール、および触媒の種類や添加量に応じて、反応が完了するように、適宜設定すればよい。尚、上記エステル化反応は、重合の前に行っても、重合の後に行ってもよい。但し、上記エステル化反応を重合の後に行う場合には、重合中にエステル化反応が起らない様に、共重合性モノマー(a)としてヒドロキシル基を含有する単量体や、重合反応に用いられる溶媒としてアルコール系溶媒の使用は控えることが好ましい。
【0020】
また、カルボキシル基を含有する重合体として、カルボキシル基を含有するポリエステル樹脂を用いてもよい。
【0021】
ポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとの重縮合体であり、多塩基酸としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸が挙げられる。また、必要に応じて、これら酸の低級アルキルエステル化物;安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸等の1塩基酸;無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセンカルボン酸、無水ピロメリット酸等の3価以上の多塩基酸を用いてもよい。これら酸は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0022】
多価アルコールとしては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4 −ヘキサンジオール、1,6 −ヘキサンジオール等の2価アルコールが挙げられる。また、必要に応じて、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールを用いてもよい。これらアルコールは、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0023】
上記ポリエステル樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を用いて製造することができる。また、上記ポリエステル樹脂の製造条件、即ち、反応条件は、特に限定されるものではなく、上記反応が完了するように、適宜設定すればよい。
【0024】
尚、上記何れの場合にも、該カルボキシル基を含有する重合体は、粉体塗料の原料として用いるため、固体であることが望ましい。そのため、重合後、溶媒や、反応によって生成した水を除去することによって、所望するカルボキシル基を含有する重合体を得ることが好ましい。溶媒や水を除去する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を用いることができる。具体的には、例えば、蒸留、蒸発、または、ロータリーエバポレーター等による留去等によって、容易に溶媒を留去することができる。
【0025】
このようにして得られたカルボキシル基を含有する重合体のうち、数平均分子量(Mn)が1,000 〜20,000で、所定の方法を用いて測定した酸価が、10mgKOH/g〜 250mgKOH/gで、ガラス転移温度(Tg)が50℃〜120 ℃(付加重合の場合)または軟化温度が60℃〜150 ℃(縮重合の場合)である重合体が好ましい。尚、上記酸価が10mgKOH/g未満であれば、得られる塗膜の架橋密度が小さくなり、耐溶剤性、耐水性、硬度、耐酸性雨性、耐汚染性が低下するため、好ましくない。一方、上記酸価が 250mgKOH/gを越えれば、得られる塗膜の架橋密度が大きくなり過ぎて、加工性、密着性、伸び、耐衝撃性等の機械的性質が低下するため、好ましくない。ガラス転移温度(Tg)が50℃〜120 ℃または軟化温度が60℃〜150 ℃の範囲内にあるカルボキシル基を含有する重合体を用いることで、常温で固体であると共に、保存性、作業性が良い粉体塗料を得ることができる。
【0026】
尚、上記カルボキシル基含有化合物は、固体であることが望ましいが、耐ブロッキング性が充分に発揮される範囲内で、液状のものも使用することができる。
【0027】
本発明にかかる粉体塗料の原料として用いられるオキサゾリン基を含有する重合体は、付加重合性オキサゾリン基含有化合物(以下、説明の便宜上、重合性モノマー(B)と称する)を、単独で、あるいは、該重合性モノマー(B)と共重合可能な別の単量体(以下、説明の便宜上、共重合性モノマー(b)と称する)と共重合させることにより、容易に得られる。
【0028】
上記の重合性モノマー(B)としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリ、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等が挙げられる。これら重合性モノマー(B)の中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンは、工業的に入手しやすく、また、共重合性モノマー(b)との反応性や重合性に優れているので、好ましい。これら重合性モノマー(B)は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0029】
上記の共重合性モノマー(b)は、特に限定されるものではないが、オキサゾリン基と反応しない単量体であり、オキサゾリン基以外の官能基を含有する単量体であればよい。上記共重合性モノマー(b)としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等が挙げられる。さらに、共重合性モノマー(b)として、ヒドロキシル基を含有する不飽和化合物等、前記共重合性モノマー(a)を用いることもできる。これら共重合性モノマー(b)は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0030】
上記のオキサゾリン基を含有する重合体の製造方法、即ち、重合性モノマー(B)と共重合性モノマー(b)との反応方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を用いることができる。例えば、上記カルボキシル基を含有する重合体の製造方法と同様の製造方法を用いることができる。
【0031】
上記重合性モノマー(B)と共重合性モノマー(b)との添加量の割合は、所望する粉体塗料の各種物性にもよるが、例えば、重合性モノマー(B)3重量%〜70重量%、共重合性モノマー(b)97重量%〜30重量%とすればよい。尚、上記重合性モノマー(B)の割合が、3重量%より少なければ、オキサゾリン基含有化合物と前記カルボキシル基含有化合物との硬化反応を効率よく行うことができないため、好ましくない。一方、重合性モノマー(B)の割合が、70重量%より多ければ、所望する物性を充分に発揮することができないため、好ましくない。
【0032】
尚、上記重合反応における反応条件は、上記重合反応が完了するように、適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。但し、上記オキサゾリン基を含有する重合体は、粉体塗料の原料として用いるため、固体であることが望ましい。そのため、重合後、用いた溶媒を除去することによって、所望するオキサゾリン基を含有する重合体を得ることができる。尚、溶媒を除去する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法、例えば、前記カルボキシル基を含有する重合体の製造方法において例示した方法と同様の方法を用いることができる。
【0033】
このようにして得られたオキサゾリン基を含有する重合体のうち、数平均分子量(Mn)が1,000 〜20,000で、ガラス転移温度(Tg)が40℃〜120 ℃である重合体が好ましい。また、オキサゾリン基を含有する重合体が、アクリル共重合体であることが特に好ましい。尚、ガラス転移温度(Tg)が40℃〜120 ℃の範囲内にあるオキサゾリン基を含有する重合体を用いることで、常温で固体であると共に、保存性、作業性が良い粉体塗料を得ることができる。
【0034】
尚、上記オキサゾリン基含有化合物は、粉体塗料の原料として用いるため、固体であることが望ましいが、耐ブロッキング性が充分に発揮される範囲内で、液状のものも使用することができる。
【0035】
本発明にかかる粉体塗料の原料として用いられるエポキシ基を含有する重合体は、付加重合性エポキシ基含有化合物(以下、説明の便宜上、重合性モノマー(C)と称する)を、単独で、あるいは、該重合性モノマー(C)と共重合可能な別の単量体(以下、説明の便宜上、共重合性モノマー(c)と称する)と共重合させることにより、容易に得られる。
【0036】
上記の重合性モノマー(C)としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル類等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸グリシジル類の中でも、メタクリル酸グリシジルが、工業的に入手しやすく、また、共重合性モノマー(c)との反応性や重合性に優れているため、好ましい。これら重合性モノマー(C)は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0037】
上記の共重合性モノマー(c)は、特に限定されるものではないが、エポキシ基と反応しない単量体であり、エポキシ基以外の官能基を含有する単量体であればよい。上記共重合性モノマー(c)としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等が挙げられる。さらに、共重合性モノマー(c)として、ヒドロキシル基を含有する不飽和化合物等、前記共重合性モノマー(a)を用いることもできる。これら共重合性モノマー(c)は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0038】
上記のエポキシ基を含有する重合体の製造方法、即ち、重合性モノマー(C)と共重合性モノマー(c)との反応方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を用いることができる。例えば、上記カルボキシル基を含有する重合体の製造方法と同様の製造方法を用いることができる。
【0039】
上記重合性モノマー(C)と共重合性モノマー(c)との添加量の割合は、所望する粉体塗料の各種物性にもよるが、例えば、重合性モノマー(C)3重量%〜50重量%、共重合性モノマー(c)97重量%〜50重量%とすればよい。尚、上記重合性モノマー(C)の割合が、3重量%より少ない場合、あるいは、50重量%より多い場合には、所望する物性を充分に発揮することができないため、好ましくない。
【0040】
尚、上記重合反応における反応条件は、上記重合反応が完了するように、適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。但し、上記エポキシ基を含有する重合体は、粉体塗料の原料として用いるため、固体であることが望ましい。そのため、重合後、用いた溶媒を除去することによって、所望するエポキシ基を含有する重合体を得ることができる。溶媒を除去する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法、例えば、前記カルボキシル基を含有する重合体の製造方法において例示した方法と同様の方法を用いることができる。
【0041】
このようにして得られたエポキシ基を含有する重合体のうち、数平均分子量(Mn)が1,000 〜20,000で、ガラス転移温度(Tg)が40℃〜120 ℃である重合体が好ましい。また、エポキシ基を含有する重合体が、アクリル共重合体であることが特に好ましい。尚、ガラス転移温度(Tg)が40℃〜120 ℃の範囲内にあるエポキシ基を含有する重合体を用いることで、常温で固体であると共に、保存性、作業性が良い粉体塗料を得ることができる。
【0042】
尚、上記エポキシ基を含有する重合体は、粉体塗料の原料として用いるため、固体であることが望ましいが、耐ブロッキング性が充分に発揮される範囲内で、液状のものも使用することができる。
【0043】
また、本発明にかかる粉体塗料の原料として用いられるオキサゾリン基とエポキシ基とを含有する重合体は、上記重合性モノマー(B)と重合性モノマー(C)とを共重合させることにより、容易に得ることができる。この場合、オキサゾリン基およびエポキシ基と反応しない共重合性モノマーを併用してもよい。上記共重合性モノマーとしては、特に限定されるものではなく、前記例示の共重合性モノマー(b)並びに共重合性モノマー(c)と同様の単量体を用いることができる。
【0044】
上記重合性モノマー(C)に対する重合性モノマー(B)の添加量は、重合性モノマー(C)1モルに対して、重合性モノマー(B)0.05モル〜0.5 モルの範囲内となるように添加することが好ましい。上記重合性モノマー(B)の割合が、0.05モルより少ないと、低温硬化性が充分に得られなくなるため好ましくない。一方、重合性モノマー(B)の割合が、0.5 モルより多くなると、保存安定性等の物性に悪影響を及ぼすため、好ましくない。
【0045】
尚、上記重合反応における反応条件は、上記重合反応が完了するように、適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。但し、上記オキサゾリン基とエポキシ基とを含有する重合体は、粉体塗料の原料として用いるため、固体であることが望ましい。そのため、重合後、用いた溶媒を除去することによって、所望する重合体を得ることができる。溶媒を除去する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の方法、例えば、前記カルボキシル基を含有する重合体の製造方法において例示した方法と同様の方法を用いることができる。
【0046】
尚、上記オキサゾリン基とエポキシ基を含有する重合体は、粉体塗料の原料として用いるため、固体であることが望ましいが、耐ブロッキング性が充分に発揮される範囲内で、液状のものも使用することができる。
【0047】
本発明にかかる粉体塗料は、上記オキサゾリン基とエポキシ基とを含有する重合体およびカルボキシル基含有化合物を含有してなる。
【0048】
該粉体塗料の製造方法は、特に限定されるものではなく、常法を用いて容易に製造することができる。例えば、上記オキサゾリン基とエポキシ基とを含有する重合体およびカルボキシル基含有化合物を反応温度以下の温度で均一に加熱、混練した後、冷却し、所定の粒度に粉砕、分級することによって、容易に得ることができる。
【0049】
上記カルボキシル基含有化合物に対するオキサゾリン基とエポキシ基とを含有する重合体の添加量は、カルボキシル基含有化合物が有するカルボキシル基1モル当量に対して、オキサゾリン基およびエポキシ基の割合が、 0.5モル当量〜2.0 モル当量の範囲内となるように添加することが好ましい。上記オキサゾリン基およびエポキシ基の割合が、0.5 モル当量より少なければ、上記オキサゾリン基とエポキシ基とを含有する重合体と、カルボキシル基含有化合物との硬化反応を、効率良く行うことができないため、好ましくない。また、上記オキサゾリン基およびエポキシ基の割合が、2.0 モル当量より多ければ、例えば、乾燥性、硬度、耐候性、耐水性、耐溶剤性、および耐酸性雨性等の各種物性を低下させる虞れがあるため、好ましくない。
【0050】
また、該粉体塗料の製造過程において、該粉体塗料には、上記オキサゾリン基とエポキシ基とを含有する重合体およびカルボキシル基含有化合物以外の添加剤として、粉体塗料の着色や、各種物性を付与するための顔料、各種樹脂、粉末状での粉体塗料の流動性を調整するための流動性調整剤、粉体塗料を硬化してなる塗膜の帯電を防止し、異物の付着を防止するための帯電防止剤、粉体塗料への紫外線照射による特性変化を防止するための紫外線吸収剤、および粉体塗料の酸化による特性変化を防止するための酸化防止剤等、常用の添加剤を添加してもよい。上記添加剤の添加量は、該粉体塗料の有する物性を向上させるものであればよく、特に限定されるものではない。
【0051】
また、本発明にかかる粉体塗料は、前記エポキシ基を含有する重合体、オキサゾリン基を含有する重合体、およびカルボキシル基含有化合物を含有してなる。該粉体塗料の製造方法は、特に限定されるものではなく、常法を用いて容易に製造することができる。例えば、上記エポキシ基を含有する重合体、オキサゾリン基を含有する重合体、およびカルボキシル基含有化合物を反応温度以下の温度で均一に加熱、混練した後、冷却し、所定の粒度に粉砕、分級することによって、容易に得ることができる。
【0052】
上記エポキシ基を含有する重合体に対するオキサゾリン基を含有する重合体の添加量は、エポキシ基1モル当量に対して、オキサゾリン基の割合が、0.05モル当量〜0.5 モル当量の範囲内となるように添加することが好ましい。上記オキサゾリン基の割合が、0.05モル当量より少ないと、低温硬化性が充分に得られなくなるため好ましくない。一方、オキサゾリン基の割合が、0.5 モル当量より多くなると、保存安定性等の物性に悪影響を及ぼすため、好ましくない。
【0053】
また、上記カルボキシル基含有化合物に対する、オキサゾリン基を含有する重合体およびエポキシ基を含有する重合体の添加量は、カルボキシル基含有化合物が有するカルボキシル基1モル当量に対して、オキサゾリン基およびエポキシ基の割合が、 0.5モル当量〜2.0 モル当量の範囲内となるように添加することが好ましい。上記オキサゾリン基およびエポキシ基の割合が、0.5 モル当量より少なければ、上記オキサゾリン基を含有する重合体およびエポキシ基を含有する重合体と、カルボキシル基含有化合物との硬化反応を、効率良く行うことができないため、好ましくない。また、上記オキサゾリン基およびエポキシ基の割合が、2.0 モル当量より多ければ、例えば、乾燥性、硬度、耐候性、耐水性、耐溶剤性、および耐酸性雨性等の各種物性を低下させる虞れがあるため、好ましくない。
【0054】
また、上記粉体塗料の製造過程において、上記粉体塗料には、上記オキサゾリン基を含有する重合体、エポキシ基を含有する重合体、およびカルボキシル基含有化合物以外の添加剤として、前記した顔料、各種樹脂、流動性調整剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、および酸化防止剤等、常用の添加剤を添加してもよい。上記添加剤の添加量は、該粉体塗料の有する物性を向上させるものであればよく、特に限定されるものではない。
【0055】
このようにして製造された粉体塗料は、従来公知の種々の方法を用いて塗布、硬化させた後、冷却することによって、成膜することができる。上記塗布方法としては、具体的には、例えば、放電により粉体塗料に電荷を与えて、該粉体塗料を静電的に被塗布物に吹きつけるいわゆる静電塗装法、流動浸漬法、あるいは、粉体散布法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。被塗布物上に塗布された該粉体塗料は、例えば、加熱することによって、焼き付け、即ち、硬化させることができる。尚、硬化方法および硬化条件は、特に限定されるものではない。
【0056】
以上のように、本発明にかかる粉体塗料は、エポキシ基とオキサゾリン基とを含有する重合体、および複数のカルボキシル基を含有する化合物を含有してなる。また、本発明にかかる粉体塗料は、エポキシ基を含有する重合体、オキサゾリン基を含有する重合体、および複数のカルボキシル基を含有する化合物を含有してなる。上記それぞれの粉体塗料におけるエポキシ基1モル当量に対するオキサゾリン基の含有量は、0.05モル当量〜0.5 モル当量の範囲内が好ましい。
【0057】
これにより、上記粉体塗料は、何れも保存安定性および低温硬化性に優れている。また、上記粉体塗料を硬化、冷却することで、例えば、乾燥性、硬度、耐候性、耐水性、耐溶剤性、および耐酸性雨性等の各種物性に優れた塗膜を得ることができる。
【0058】
【作用】
上記の構成によれば、本発明にかかる粉体塗料は、保存安定性および低温硬化性に優れている。また、該粉体塗料を硬化、冷却することで、例えば、乾燥性、硬度、耐候性、耐水性、耐溶剤性、および耐酸性雨性等の各種物性に優れた塗膜を得ることができる。
【0059】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、粉体塗料を硬化してなる塗膜の物性は、次のようにして測定した。
【0060】
外観を評価するために、該塗膜表面の状態を目視により確認した。
また、耐溶剤性を評価するために、いわゆるラビングテストを行った。即ち、該塗膜表面を、メチルエチルケトンを含ませた脱脂綿を用いて摩擦した。そして、この摩擦動作を、1往復を1回として、50回行った後の塗膜表面の状態を目視により確認した。
【0061】
尚、保存安定性は、調製直後(初期状態)の粉体塗料を硬化してなる塗膜、および、調製後、温度48℃〜52℃の範囲内で1週間放置した後の粉体塗料を硬化してなる塗膜について、上記各種物性を測定し、両者の差を比較することで評価した。
【0062】
〔製造例1〕
温度計、ガス吹き込み管、還流冷却器、滴下装置、および攪拌装置を取り付けた反応容器に、溶媒としてのキシレン 500重量部(以下、部と称する)を仕込み、窒素雰囲気下で90℃まで昇温した。一方、重合性モノマー(B)である2−イソプロペニル−2−オキサゾリン10部、重合性モノマー(C)であるメタクリル酸グリシジル 115部、スチレン 175部、メタクリル酸メチル 125部、およびアクリル酸ブチル75部、および重合開始剤であるパーブチルO(日本油脂株式会社製)25部とを攪拌、混合して混合溶液を調製した。次いで、上記混合溶液を滴下装置に入れ、上記反応容器内に、3時間かけて滴下した。その後、該反応溶液を90℃に保ちながら、6時間反応させた後、室温まで冷却して、反応を完了させた。
【0063】
次に、この反応溶液をロータリーエバポレーターに移し、所定の温度および圧力でキシレンを留去した後、残留物を粉砕して、固形樹脂( 以下、説明の便宜上、固形樹脂(I)と称する)を得た。得られた固形樹脂(I)、即ち、オキサゾリン基と、エポキシ基とを含有する重合体からなる固形樹脂(I)の数平均分子量(Mn)を測定したところ、6,000 であった。
【0064】
〔製造例2〕
実施例1における混合溶液に代えて、メタクリル酸グリシジル 128部、スチレン 175部、メタクリル酸メチル 122部、アクリル酸ブチル75部、およびパーブチルO25部を混合することにより調整した混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様の反応・操作を行って固形樹脂( 以下、説明の便宜上、固形樹脂(II)と称する)を得た。得られた固形樹脂(II)、即ち、エポキシ基を含有する重合体からなる固形樹脂(II)の数平均分子量(Mn)を測定したところ、6,000 であった。
【0065】
〔製造例3〕
実施例1における混合溶液に代えて、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン 100部、スチレン 175部、メタクリル酸メチル 150部、アクリル酸ブチル75部、およびパーブチルO25部を混合することにより調整した混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様の反応・操作を行って固形樹脂( 以下、説明の便宜上、固形樹脂(III) と称する)を得た。得られた固形樹脂(III) 、即ち、オキサゾリン基を含有する重合体からなる固形樹脂(III) の数平均分子量(Mn)を測定したところ、5,800 であった。
【0066】
〔製造例4〕
実施例1における混合溶液に代えて、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン50部、メタクリル酸グリシジル64部、スチレン 175部、メタクリル酸メチル 136部、アクリル酸ブチル75部、およびパーブチルO25部を混合することにより調整した混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様の反応・操作を行って固形樹脂( 以下、説明の便宜上、固形樹脂(IV)と称する)を得た。得られた固形樹脂(IV)、即ち、オキサゾリン基と、エポキシ基とを含有する重合体からなる固形樹脂(IV)の数平均分子量(Mn)を測定したところ、6,200 であった。
【0067】
〔実施例1〕
製造例1で得られた固形樹脂(I)100部、カルボキシル基を含有する化合物であるセバシン酸12.5部、および顔料としての酸化チタン30部を押出機に入れ、所定の温度で混練・押出した後、冷却、粉砕して粉体塗料を得た。
【0068】
得られた粉体塗料を軟鋼板に所定の方法を用いて塗布した後、140 ℃で25分間焼き付け、その後、冷却することによって、成膜した。得られた塗膜の物性を所定の方法を用いて測定した。この結果を表1に示す。
【0069】
〔実施例2〕
実施例1において、用いた固形樹脂を、固形樹脂(I)100部から、固形樹脂(II) 90部、固形樹脂(III) 10部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って粉体塗料を得た。
【0070】
得られた粉体塗料を、実施例1と同様の方法を用いて、成膜した。得られた塗膜の物性を所定の方法を用いて測定した。この結果を表1に示す。
【0071】
〔実施例3〕
実施例1において、用いた固形樹脂を、固形樹脂 (I)100部から、固形樹脂(II)95部、固形樹脂(III) 5部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って粉体塗料を得た。
【0072】
得られた粉体塗料を、実施例1と同様の方法を用いて、成膜した。得られた塗膜の物性を所定の方法を用いて測定した。この結果を表1に示す。
【0073】
〔比較例1〕
実施例1において、用いた固形樹脂を、固形樹脂(I)100部から、固形樹脂(II)100部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って粉体塗料を得た。
【0074】
得られた粉体塗料を、実施例1と同様の方法を用いて、成膜した。得られた塗膜の物性を所定の方法を用いて測定した。この結果を表1に示す。
【0075】
〔比較例2〕
実施例1において、用いた固形樹脂を、固形樹脂(I)100部から、固形樹脂(III)100部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って粉体塗料を得た。
【0076】
得られた粉体塗料を、実施例1と同様の方法を用いて、成膜した。得られた塗膜の物性を所定の方法を用いて測定した。この結果を表1に示す。
【0077】
〔比較例3〕
実施例1において、用いた固形樹脂を、固形樹脂(I)100部から、固形樹脂(IV) 100部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って粉体塗料を得た。
【0078】
得られた粉体塗料を、実施例1と同様の方法を用いて、成膜した。得られた塗膜の物性を所定の方法を用いて測定した。この結果を表1に示す。
【0079】
〔比較例4〕
実施例1において、用いた固形樹脂を、固形樹脂(I)100部から、固形樹脂(II)50部、固形樹脂(III) 50部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って粉体塗料を得た。
【0080】
得られた粉体塗料を、実施例1と同様の方法を用いて、成膜した。得られた塗膜の物性を所定の方法を用いて測定した。この結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
Figure 0003583189
【0082】
上記表1の結果から明らかなように、本実施例にかかる粉体塗料は、低温での焼き付けにおいても、外観および耐溶剤性に優れた塗膜が得られることが判る。また、本実施例にかかる粉体塗料は、48℃〜52℃で1週間放置した後で成膜しても、得られた塗膜の物性は良好である。即ち、保存安定性に優れている。これに対し、比較例1で得られた粉体塗料は、オキサゾリン基を含有する重合体が含まれていないために、外観が劣っていると共に、低温硬化性が悪く、耐溶剤性が劣っている。また、比較例2〜4で得られた粉体塗料は、粉体塗料中におけるオキサゾリン基の割合が多すぎるため、上記粉体塗料を48℃〜52℃で1週間放置した後で成膜した場合、得られた塗膜の物性は極端に低下する。即ち、保存安定性が劣っている。このことから、本実施例にかかる粉体塗料は、保存安定性および低温硬化性に優れていることが判る。
【0083】
【発明の効果】
本発明の請求項1にかかる粉体塗料は、以上のように、エポキシ基とオキサゾリン基とを含有する重合体(カルボキシル基を含まない)、および複数のカルボキシル基を含有する化合物(エポキシ基およびオキサゾリン基を含まない)を含有してなる粉体塗料であって、上記エポキシ基1モル当量に対するオキサゾリン基の含有量が、 0.05 モル当量〜 0.5 モル当量の範囲内である構成である。
【0084】
本発明の請求項2にかかる粉体塗料は、以上のように、エポキシ基を含有する重合体(オキサゾリン基およびカルボキシル基を含まない)、オキサゾリン基を含有する重合体(エポキシ基およびカルボキシル基を含まない)、および複数のカルボキシル基を含有する化合物(エポキシ基およびオキサゾリン基を含まない)を含有してなる粉体塗料であって、上記エポキシ基1モル当量に対するオキサゾリン基の含有量が、 0.05 モル当量〜 0.5 モル当量の範囲内である構成である。
【0086】
上記の構成によれば、本発明にかかる粉体塗料は、保存安定性および低温硬化性に優れている。また、該粉体塗料を被覆塗布物に塗布し、硬化させることによって、例えば、乾燥性、硬度、耐候性、耐水性、耐溶剤性、および耐酸性雨性等の各種物性に優れた塗膜を得ることができるという効果を併せて奏する。

Claims (2)

  1. エポキシ基とオキサゾリン基とを含有する重合体(カルボキシル基を含まない)、および複数のカルボキシル基を含有する化合物(エポキシ基およびオキサゾリン基を含まない)を含有してなる粉体塗料であって、
    上記エポキシ基1モル当量に対するオキサゾリン基の含有量が、 0.05 モル当量〜 0.5 モル当量の範囲内であることを特徴とする粉体塗料。
  2. エポキシ基を含有する重合体(オキサゾリン基およびカルボキシル基を含まない)、オキサゾリン基を含有する重合体(エポキシ基およびカルボキシル基を含まない)、および複数のカルボキシル基を含有する化合物(エポキシ基およびオキサゾリン基を含まない)を含有してなる粉体塗料であって、
    上記エポキシ基1モル当量に対するオキサゾリン基の含有量が、 0.05 モル当量〜 0.5 モル当量の範囲内であることを特徴とする粉体塗料。
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