JP3582580B2 - 上衣 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポロシャツからなる上衣に関し、特に、身体のひねり、腕の振り回しが大きなゴルフ用に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフ場においては上衣として夏季は半袖ポロシャツ、春、秋には長袖ポロシャツを着用し、冬にはポロシャツにセータ等を重ね着することが基本となっている。また、風の強い日や寒い日にはさらにウインドブレーカーを着用したり、雨天ではレインウエアを着用する場合もある。基本となる半袖および長袖のポロシャツは図15(A)(B)に示すように、前身頃1と後身頃2とを両側線L1とL2で縫着して、頭かぶりとし、肩ぐりで袖3を縫着し、前身頃1の中央部に上端から所要長さの開口1aを設け、ボタン留めとされ、前身頃1および後身頃2の首回りに襟5が縫着されている。なお、袖口はオープンタイプとゴム編みを取り付けたクローズタイプがある。
【0003】
この種のゴルファー用のポロシャツは、ゴルフスィング時にゴルファーの動きに追従しやすいように、綿100%あるいは綿とポリエステルの混紡交編等の糸条を用い、伸縮性を有する編み方で編成して作製されている。また、単に全体的に均等に伸縮性を持たせているだけであり、特定部分に特定方向に伸びやすくされたものはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようにポロシャツの素材は伸縮性を持たせているが、前身頃1と後身頃2とが脇線L1とL2とで縫着されているため、縫着位置では伸びにくくなるため、脇線に沿った伸びが少ない問題がある。同様に、前身頃1および後身頃2の肩ぐりに袖3が縫着されているため、この肩回りの縫着位置で伸びが少なくなる問題がある。
【0005】
ゴルフのスィング時には身体をひねって腕を振り回すため、脇線に沿った伸びの挙動が大きく、また、肩を回す挙動が大きくなる。よって、ポロシャツには脇線に沿った伸び、特に縦方向の大きな伸びが要求されるが、前記したように前身頃1と後身頃2との縫着ラインが位置するために、他の箇所よりも伸びが小さくなっている。同様に、ゴルフスィング時には腕の振り回しが大きいため、肩回りの伸び、特に、横方向の伸びが要求されるが、前記したように、袖3が腕付け根の袖ぐりで前身頃1と後身頃2とに縫着され、伸びにくい縫着ラインが位置するため、他の箇所よりも伸びが小さくなっている。
【0006】
このように、従来のポロシャツでは、特に伸びが要求される部分に縫着ラインが存在して伸びにくくなっており、その分、ゴルフスィング時におけるストレッチ性が悪くなっている問題があった。
【0007】
上記した問題はゴルファー用のポロシャツに限らず、テニス、バトミントン、野球等の身体をひねり、腕を振り回すスポーツにおいても問題となり、かつ、ポロシャツだけでなく、Tシャツ等の上衣で、前身頃と後身頃とが左右脇線で縫着され、袖が肩くりで前身頃と後身頃とに縫着される上衣に共通する問題となる。さらに、ゴルファーは、風の強い日や防寒用としてウインドブレーカーを着用し、また、雨天にはレインウエアを着用してゴルフを行うため、これらウインドブレーカーやレインウエアも、通常、脇線で前身頃と後身頃とが縫着され、かつ、肩ぐりに沿って袖が縫着されているため、上記ポロシャツと同様の問題が生じる。
【0008】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、特に伸びが要求される脇線ラインおよび肩回りの伸びを向上させて、特に、ゴルファーに適したポロシャツ等の上衣を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、前身頃布(11)、後身頃布(12)、左右の脇布(13)、左右の前側袖布(14)および襟(15)を備え、
前身頃布(11)と後身頃布(12)とを肩に沿って縫着すると共に、これら前身頃布(11)と後身頃布(12)とは所要幅とした左右の脇布(13)の両縁と縫着して脇線ラインに沿った縫着を設けず、かつ、左右の脇布(13)に袖下部まで一枚布で延在させて袖下部(13b)を形成して腕の付け根の腋下に縫着部を設けず、
袖部は前側袖布(14)と、後身頃布(12)と一枚布からなる後側袖部(12b)と、脇布(13)の袖下部(13b)の3枚布からなり、これら3枚布を縫着して袖部を形成し、
左右の脇布(13)の伸びを、脇布(13)の長さ方向である縦方向に大とする一方、前身頃布(11)及び後身頃布(12)は横方向への伸びを大とし、かつ、
前身頃布(11)は上部を開閉式としている半袖あるいは長袖のゴルフ用ポロシャツからなる上衣を提供するものである。
【0010】
上記のように、脇布を設けて前身頃布と後身頃布とを脇布の両縁で縫着すると、縫着ラインが脇線ラインに存在せず、しかも、脇布の縦伸びを大としているため、特に、ゴルフ用上衣となるポロシャツに好適に着用できる。即ち、ゴルフクラブを振り上げるスィング時、腕の振りが大きく脇線の縦伸びが大きくすると、脇部で突っ張りが生じることがなく、プレーヤの挙動に対する追従性を良くなり、運動機能を高めることができる。
なお、スポーツ用以外にも、腕の挙動に対する追従性が良いため、腕の上げ下ろしが多い仕事用の上衣としても好適に着用でき、さらに、一般的な上衣としても着用感の良いものとなる。
【0011】
上記のように、後身頃布は後側袖部まで延在するように一枚布で構成している。このように、後身頃布を後側袖部へ延在させると、ゴルファーが身体をひねる時に背面から腕にかけての上衣の伸びが、後身頃と袖との縫着位置で阻害されず、挙動にスムーズに追従させることができる。なお、前身頃布はデザイン性が重視されると共に、プレー時には腕を前側に振る挙動が主となるため、前身頃布と袖の縫着線が腕の付け根の袖ぐりに位置して問題はなく、よって、前身頃布と袖とは袖ぐりで縫着することが好ましい。
【0012】
上記脇布はドルマン型とすることが好ましい。このようにドルマン型とすると、脇下がゆったりとして、腕の大きな動きにも窮屈感じさせず、ゆったりとプレーができると主に、脇線に美麗なシルエットを形成することができる。
【0013】
上記上衣は、襟をつけると共に、前身頃布は上部を開閉式としている半袖或いは長袖のゴルファー用のポロシャツとしている。
【0014】
また、上記上衣は、非通風性の生地より構成してウインドブレーカーとしてもよい。このウインドブレーカーはVネック、Uネック等の頭かぶりタイプ、あるいは前開タイプのいずれでもよい。かつ、ウインドブレーカーの場合には、首回り、袖口、身頃部の下端開口部等の開口部の周縁に、伸縮性素材を取り付けてクローズタイプとし、開口部からの風の侵入を防止している。さらに、防水性の生地より構成してレインウエアとしてもよい。特に、ウインドブレーカーやレインウエアを着用してプレーする場合、挙動追従性が悪くなるが、本発明のように、脇線および袖ぐりに縫着線を無くすと、ウインドブレーカーやレインウエアにおいても挙動追従性を高めることができる。
【0015】
上記袖部を長袖とする場合、肘より上部位置で、上記脇布、後身頃と一体の後側袖部および前側脇布とを縫着した上側袖部と、該上側袖部に継ぎ足して縫着している円筒形状の下側袖部とからなる構成してもよい。あるいは、上記脇布を長袖の開口先端位置まで延在させる一方、前後身頃布は肩ぐりまでとして、上側袖布を前後身頃布と肩ぐりで縫着すると共に、上記脇布から連続する下側袖部となる部分と縫着して、円筒形状の長袖としてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳述する。
図1乃至図3は第1実施形態を示し、半袖のゴルファー用ポロシャツ10からなる。図1は背中側、図2は前側、図3は脇側を示し、図示のように、ポロシャツ10は、前身頃布11、後身頃布12、左右2枚の脇布13(13A、13B)、左右2枚の前側袖布14(14A、14B)および、襟15とからなる。
【0017】
上記襟15を除く前身頃布11、後身頃布12、脇布13、前側袖布14は吸汗性に優れた綿100%の糸条を用いて伸縮性を持たせたカノコ編みとしており、地の目方向は図中1本矢印Xで示す方向としている。よって、伸びは1本矢印で示す地の目方向Xの伸び率よりも、該地の目方向Xと直交する2本矢印Yで示す方向の伸び率が大きくなっている。なお、編み方はカノコ編みに限定されず、伸びの大きなプレーン編み(天竺編み)等を用いてもよいが、伸び方向の大小は上記と同一方向とする必要がある。また、編成する糸条も綿100%に限定されず、綿とポリエステルの混紡、あるいはポリエステルのみ等のいずれでもよく、糸条の種類は限定されない。
【0018】
後身頃布12は、左右の脇線ラインより所要寸法をあけた背中全体に当たる部分12aから後側袖部12bに当たる部分を一枚布から裁断している。後身頃布12の2本矢印Yで示す伸び方向は左右方向とし、縦伸びよりも横伸びを大としている。かつ、脇から袖にかけるラインはドルマン型として脇下にゆとりを持たせている。
【0019】
前身頃布11は、左右の脇線ラインより所要寸法をあけた胸部、腹部に当たる前側全体を一枚布から裁断している。該前身頃布11の2本矢印Yで示す伸び方向は左右方向とし、縦伸びよりも横伸びを大としている。また、後身頃12と同様に前身頃11においても、脇から袖にかけるラインはドルマン型として脇下にゆとりを持たせている。
【0020】
上記前身頃布11と後身頃布12との左右脇線の間には、下端位置から半袖の袖14の開口側先端まで、幅Wで1枚布を裁断して設けた縦長の脇布13(13A、13B)を介在させている。これら脇布13の左右両縁を前身頃布11、後身頃布12の脇側端縁と縫着Sを行って、ドルマン型のシルエットとし、腕のオーバーな動きにもゆとりをもって追従できるようにしている。
【0021】
上記左右の脇布13の幅Wは本実施形態では8センチとしているが、4センチから10センチの範囲であれば良い。
【0022】
このように、左右の脇線L1、L2に沿った位置には縫着ラインを設けずに、前身頃布11および後身頃布12側へと移している。また、この脇布13の1本矢印Xで示す地の目方向は前後身頃布と逆の横方向とし、よって、2本矢印Yで示す伸び方向は縦方向としている。したがって、脇布13の脇線L1、L2に沿った部分13aは縦伸びが大きく、袖下に当たる部分13bが横伸びが大きくなることとなる。
【0023】
前側袖布14(14A、14B)は、前身頃布11の袖ぐり端縁と後身頃布12の後側袖部12bの端縁と、脇布13の袖下部分13bの前側縁とに縫着Sをおこなっている。この前側袖布14は、1本矢印Xで示す地の目方向が縦方向で、よって、2本矢印Yで示す伸び方向は横方向となるようにしている。
【0024】
このように、袖部は前側が前側袖布14、後側が後身頃布12と一体の後側袖部12b、下部が脇布13の袖下部13bの3枚の布からなるが、いずれも横方向の伸びを大としてる。また、後身頃布12は後側袖部12bと一体で縫着部を設けていないため、後側および脇側から連続した伸びが大きくなっている。前身頃布11と前側袖布14は袖ぐりで縫着しているが、ゴルフスィング時に腕を振り回す時、前肩部は開かずに閉じる方向になるため、縫着ラインを設けて伸びを少なくした方が好ましい。
【0025】
また、上記前身頃布11と後身頃布12の上縁の肩に沿った縫着Sの位置は、肩の上端位置よりやや前身頃布側にずらせて、後身頃布12を横方向により伸び易くしている。
【0026】
前身頃布11の中央上部には開き11aを設けて、ボタン16で開閉するようにし、かつ、前身頃布11から後身頃布12の首回りにそって別布からなる襟15を縫着してポロシャツとしている。さらに、上記半袖の先端開口にはゴム編み部17を縫着してクローズタイプとしている。しかしながら、必ずしもゴム編み部を取り付けてクローズタイプとする必要はなく、オープンタイプとしてもよい。また、前身頃11の中央に設ける開きも下端まで延在させて、ボタン、ファスナーなどで閉じる前全開タイプとしてもよい。
【0027】
上記構成としたポロシャツは、脇線ラインから袖下部にかけて脇布13を配置しているため、腕の付け根の腋下を含む脇線ラインの縫着がなく、且つ、脇布13は脇線位置で縦伸びが大きく、図3に示すように、ゴルファーがスィングで腕を振りあげた時は袖下部分13bも縦伸びが大きくなる。よって、スィングする時につっぱり感がなく、スィング挙動への追従性が良好となる。
【0028】
また、後身頃布12は後側袖部12bを一体化して、背中側から袖にかけて横伸びが大きくしているため、スィング時に身体をひねった際に、背中から袖にかけてのつっぱり感がなく、スィング挙動への追従性が良好となる。
【0029】
さらに、ゴルフクラブを振り上げてから打ち降ろす時には、背中側から後袖部は横伸びが要求される一方、前側では肩が閉じる方向となるため、前身頃布11と前側袖部14とは袖ぐりで縫着Sを施して伸びを少なくしているため、ダブつきが発生せない。また、前身頃側はデザイン上から袖ぐりに縫着位置がある方が外観上好ましい。さらに、脇から袖下にかけてドルマン型として脇下にはゆとりを持たせているため、オーバースィング時の場合等のいずれの挙動においても、脇下部分が窮屈とならず、ゆったりとスムーズにスィングを行うことができる。
【0030】
図4乃至図6は第2実施形態のポロシャツ10’を示し、第1実施形態との相違点は、半袖を長袖としただけである。即ち、第1実施形態の半袖をオープン型として、その開口端に円筒形状とした下側袖部30を継ぎ足し、該袖部30の上端を上記半袖の開口端に縫着Sを行っている。この縫着位置は肘より上部としている。また、該袖部30の先端はゴム編み31を取り付けてクローズダイプとしている。
【0031】
継ぎ足す袖部30は、他の部分の前身頃布11、後身頃布12、脇布13と同一布地から形成し、その1本矢印Xで示す地の目は周方向とし、直交する2本矢印Yで示す伸び方向は袖30の長さ方向としている。
他の構成および作用は第1実施形態と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
図7乃至図9は参考実施形態のポロシャツ10”を示す。該第3実施形態のポロシャツも第2実施形態と同様に長袖タイプであるが、左右脇布は前身頃布11及び後身頃布12の下端位置から長袖35の開口先端35aまで1枚布で延在させて脇布兼袖下布13’としている。この脇布兼袖下布13’の幅Wは第1実施形態と同様に8センチとしている。また、1本矢印Xで示す方向を地の目方向とし、よって、2本矢印Yで示す伸び方向は、脇部13a’では縦方向、袖下部13b’では長袖の長さ方向とし、腕を横にあげると横方向、腕を上方に振り上げると脇部13a’と連続した縦方向、腕を降ろした場合も縦方向としている。
【0033】
前身頃11は第1及び第2実施形態と同様に袖ぐりまでとし、かつ、後身頃12’も前身頃11と同様に袖ぐりまでとして、一枚布からなる袖布37の袖ぐり37aを前身頃布11と後身頃布12’の腕の付け根の袖ぐりで縫着している。また、脇布兼袖下布13’も第1、2実施形態と同様にドルマン型として、脇から腕にかけてゆったりとさせている。
【0034】
上記長袖タイプのポロシャツ10”においても、左右脇線から長袖35の先端までを1枚布で形成し、縦方向の伸びを大としているため、腕の振り回しへの追従性が良好となり、特に、脇から腕にかけての挙動が大きなゴルフスィング時のスムーズに追従させることができる。
【0035】
なお、図10および図11の変形例に示すように、後身頃布12’に肘近傍まで延在する後側袖部12b’を一体に設ける一方、袖布を前側袖布37a’と後側袖布37b’とから構成し、後身頃側での袖布との縫着Sの位置を袖ぐり位置よりも袖側へとずらせて、後身頃側における挙動追従性を高める一方、前身頃側での袖布との縫着Sの位置は袖ぐり位置とし、デザイン性を高めてもよい。
【0036】
第1、2実施形態および参考実施形態は、襟つきで前半開きのポロシャツであるが、図12(A)に示すように、襟15’をタートルネックタイプとしてファスナー40で開閉するタイプとしてもよい。また、図12(B)に示すようなTシャツタイプとしてもよい。さらに、図12(C)に示すように前全開タイプとしてもよい。これら図12(A)〜(C)タイプの上衣はいずれも、脇布13が袖下部分まで延在させている。
【0037】
上記図12(A)〜(C)のタイプのポロシャツタイプでないものは、ポロシャツ着用が基本であるゴルファー用ではなく、テニス、バトミントン、野球等の腕を振り上げ、振り回すタイプのスポーツ用の上衣に好適に用いられる。さらに、バレーボール、バスケットボール、サーカーボールなどのボール競技においても腕を大きく振り上げて脇線ラインの伸びが大きく、オーバーな腕の振り回しが多きスポーツ競技用の上衣としても好適に用いられるものである。また、スポーツ用に限らず、腕の振りに対する挙動追従性に優れているため、着用感の良い上衣としても好適に用いられる。
【0038】
図13および図14は参考実施形態のウインドブレーカー60からなり、ナイロン等の一方向の伸びを有する非通風性の生地より前身頃布50、後身頃布51、脇布兼袖下布52および袖布53から構成している。
【0039】
左右脇布は前身頃布50及び後身頃布51の下端位置から長袖55の開口先端55aまで1枚布で延在させて脇布兼袖下布52としている。この脇布兼袖下布52の伸び方向は2本矢印Yで示すように、脇部52aでは縦方向、袖下部52bでは長袖の長さ方向とし、腕を横にあげると横方向、腕を上方に振り上げると脇部52aと連続した縦方向、腕を降ろした場合も縦方向としている。
【0040】
後身頃布51は肘近傍まで延在する後側袖部51bを一体に設ける一方、前身頃布50は開閉部を設けず、Vネックの頭かぶりとし、かつ、袖側まで延在させず腕の付け根の袖ぐりまでとしている。これら前身頃布50と後身頃布51との伸び方向は二本矢印Yで示す横方向としている。なお、首回りはVネック形状に限定されずUネック等でもよい。また、頭かぶりとせず、前開きタイプとしてもよい。
【0041】
袖布53は前側袖布53aと後側袖布53bとから構成し、後身頃側での後側袖布53bと後身頃布の後側袖部51bとを肘近傍で縫着Sを行っている。また、前身頃側では前側袖布53aと前身頃布50とを袖ぐりで縫着Sを行っている。上記袖布53の伸び方向は二本矢印Yで示す横方向(袖の長さ方向)としている。
【0042】
Vネックの首回り、身頃部の下端、袖口にはそれぞれゴム編み部56を取り付けて、開口部からの風の侵入を防止している。
【0043】
上記のように非通風材より構成したウインドブレーカーにおいても、脇線ラインの伸びを大きいしていると共に、後身頃側での袖ぐりでの伸びを確保しているため、風の強い日や防寒用としてウインドブレーカを着用して、ゴルフあるいはテニス等のスポーツをした場合にも、腕の振り回しにウインドブレーカーをスムーズに追従させて、快適にプレーを行うことができる。
【0044】
さらに、防水性を有する生地より形成し、上記各実施形態と同様に、脇線ラインから袖下にかけて縦方向の伸びを有する脇布兼袖下布を、前身頃布および後身頃布と別布として互いに縫着し、レインウエアをしてもよい。該レインウエアを着用すると、雨天でも、腕の振りをレインウエアで阻害されずにプレーを行うことができる。また、スポーツ用としてでなく、通常のレインウエアとしても、挙動追従性が良いために、着用感が良いものとなる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明に係わる上衣では、脇布を設けて前身頃布と後身頃布とを脇布の両縁で縫着しているため、縫着ラインが脇線ラインに存在する場合に生じる脇線ラインの伸びにくさが解消できる。しかも、脇布の縦伸びを大としているため、特に、ゴルフ用のポロシャツとした場合、ゴルファーがゴルフクラブを振り上げるスィング時、テニスプレーヤーがラケットを振り上げる時など腕の振りが大きい時、脇線の縦伸びが大きく、脇部で突っ張りが生じることがないため、プレーヤの挙動に対する追従性を良くなり、運動機能を高めることができる。
【0046】
また、後身頃布は後側袖部まで延在するように一枚布で構成しているため、ゴルファーが身体をひねる時に背面から腕にかけての上衣の伸びが、後身頃と袖との縫着位置で阻害されず、腕の挙動に対してスムーズに追従させることができる。
【0047】
さらに、脇布をドルマン型とすると、脇下がゆったりとして、腕の大きな動きにも窮屈感じさせず、ゆったりとプレーができる。また、脇線に美麗なシルエットを形成することができると共にゆったりとした着用感から、スポーツ用に限らず、一般的な上衣としても好適に着用される。
【0048】
また、非通風性の生地からウインドブレーカーとして形成した場合、防水性の生地からレインウエアとして形成した場合においても、腕の挙動に対する追従性を持たせているため、ウインドブレーカーやレインウエアを着用した状態でも、これらウエアにより阻害されることなく、スポーツを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の上衣の背面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】腕を振り上げた場合の図1の側面図である。
【図4】第2実施形態の背面図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】腕を振り上げた場合の図4の側面図である。
【図7】参考実施形態の背面図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】腕を振り上げた場合の図7の側面図である。
【図10】他の実施形態の変形例の上衣の背面図である。
【図11】図10の正面図である。
【図12】(A)(B)(C)は他の実施形態を示す一部正面図である。
【図13】参考実施形態の上衣の正面図である。
【図14】図13の背面図である。
【図15】(A)(B)は従来のポロシャツの正面図と背面図である。
【符号の説明】
10 上衣
11 前身頃布
12 後身頃布
13 脇布
14 前側袖布
15 襟
60 ウインドブレーカー
X 地の目方向
Y 伸び方向
Claims (2)
- 前身頃布(11)、後身頃布(12)、左右の脇布(13)、左右の前側袖布(14)および襟(15)を備え、
前身頃布(11)と後身頃布(12)とを肩に沿って縫着すると共に、これら前身頃布(11)と後身頃布(12)とは所要幅とした左右の脇布(13)の両縁と縫着して、脇線ラインに沿った縫着を設けず、かつ、左右の脇布(13)に袖下部まで一枚布で延在させて袖下部(13b)を形成して、腕の付け根の腋下に縫着部を設けず、
袖部は前側袖布(14)と、後身頃布(12)と一枚布からなる後側袖部(12b)と、脇布(13)の袖下部(13b)の3枚布からなり、これら3枚布を縫着して袖部を形成し、
左右の脇布(13)の伸びを、脇布(13)の長さ方向である縦方向に大とする一方、前身頃布(11)及び後身頃布(12)は横方向への伸びを大とし、かつ、
前身頃布(11)は上部を開閉式としている半袖あるいは長袖のゴルフ用ポロシャツからなる上衣。 - 上記前身頃布(11)と後身頃布(12)の肩に沿った縫着位置は肩の上端位置よりやや前身頃側にずらせている請求項1に記載の上衣。
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