JP3580744B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は自動変速機の制御装置に関し、より具体的には変速ショックの低減を意図した自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジントルクは、例えば特開平6−207660号公報に記載されるように車速とスロットル開度から推定、あるいはエンジン回転数と吸気管内絶対圧などの情報から推定、さらにはトルクコンバータの状態などから推定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スロットル開度などから推定するときは、環境変化に対して十分に追従することができず、また吸気管内絶対圧などから推定するときはトルクコンバータおよびイナーシャエネルギの要素が加味されていないため、推定精度が十分ではない不都合があった。さらに、トルクコンバータの状態から推定するときは、直結付近でトルク吸収特性が急変するため、特に過渡状態などにおいて推定精度が低下する不都合があった。
【0004】
従って、この発明の目的は従来技術の上記した不都合を解消し、機関回転数および機関負荷から機関出力トルクを算出すると共に、機関回転数の上昇に使用された値を用いて自動変速機に入力されたトルクを精度良く算出し、よって変速ショックを効果的に低減して乗員の感性に良く適合するようにした自動変速機の制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を解決するために、この発明は請求項1項において、車両に搭載された内燃機関の出力をトルクコンバータを介して入力すると共に、運転状態に応じて予め設定された変速特性に従って摩擦係合要素を介して変速して駆動輪に伝達する自動変速機の制御装置において、前記内燃機関の回転数および負荷を含む運転状態を検出する運転状態検出手段、前記検出された機関回転数および機関負荷から所定の特性に従って機関出力トルクを算出する機関出力トルク算出手段、前記検出された機関回転数に基づいて前記機関回転数の上昇に使用されたイナーシャトルクを示す値を算出するイナーシャトルク算出手段、前記トルクコンバータのトルク比を算出するトルク比算出手段、前記算出された機関出力トルクとイナーシャトルクを示す値とトルク比に基づいて前記自動変速機に入力される入力トルクを算出する入力トルク算出手段、前記算出された入力トルクに基づいて前記摩擦係合要素に供給すべき油圧量を算出する油圧量算出手段、および前記算出された油圧量に基づいて前記摩擦係合要素に油圧を供給する油圧制御回路を備えると共に、変速開始後のトルク比は減少方向でのみ変化させる、換言すれば、減少方向でのみ追従性を持たせる如く構成した。
【0006】
検出された機関回転数および機関負荷から所定の特性に従って機関出力トルクを算出し、検出された機関回転数に基づいて機関回転数の上昇に使用されたイナーシャトルクを示す値を算出し、算出された機関出力トルクとイナーシャトルクを示す値とトルク比に基づいて自動変速機に入力される入力トルクを算出し、それに基づいて摩擦係合要素に供給すべき油圧量を算出するようにしたので、自動変速機に入力されたトルクを精度良く算出でき、従って摩擦係合要素に供給すべき油圧量を適正に算出することができ、よって変速ショックを効果的に低減して乗員の感性に良く適合させることができる。また、トルク比を用いる場合においては、アップシフトのイナーシャ相でのトルク比が大きくなる(変速による変化)。この値を用い入力トルクを算出した場合クラッチトルクが大きくなりショックが発生するが、減少方向でのみ変化させることでエンジントルクに追従した良好な変速が行える。
【0007】
請求項2項にあっては、前記イナーシャトルク算出手段は、前記トルクコンバータのスリップ率が所定値を超えるとき、前記イナーシャトルクを示す値を零とする如く構成した。
【0008】
これにより、前記した作用効果に加え、トルクコンバータが直結状態にあってトルク吸収特性が急変するなどの過渡状態において、その影響を受けて機関出力トルクを誤って算出することがない。
【0009】
請求項3項にあっては、前記イナーシャトルク算出手段は、前記イナーシャトルクを示す値を平滑化する如く構成した。
【0010】
これにより、前記した作用効果に加え、アップシフトにおいても機関出力トルクを適正に算出することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即してこの発明の一つの実施の形態に係る自動変速機の制御装置を説明する。
【0012】
図1はその装置を全体的に示す概略図である。
【0013】
以下説明すると、符号Tは自動変速機(以下「トランスミッション」という)を示す。トランスミッションTは車両(図示せず)に搭載されてなると共に、前進5速および後進1速の平行軸式の有段自動変速機からなる。
【0014】
トランスミッションTは、内燃機関(以下「エンジン」という)Eのクランクシャフト10にロックアップ機構Lを有するトルクコンバータ12を介して接続されたメインシャフト(入力軸)MSと、このメインシャフトMSに複数のギヤ列を介して接続されたカウンタシャフト(出力軸)CSとを備える。
【0015】
メインシャフトMSには、メイン1速ギヤ14、メイン2速ギヤ16、メイン3速ギヤ18、メイン4速ギヤ20、メイン5速ギヤ22、およびメインリバースギヤ24が支持される。
【0016】
また、カウンタシャフトCSには、メイン1速ギヤ14に噛合するカウンタ1速ギヤ28、メイン2速ギヤ16と噛合するカウンタ2速ギヤ30、メイン3速ギヤ18に噛合するカウンタ3速ギヤ32、メイン4速ギヤ20に噛合するカウンタ4速ギヤ34、メイン5速ギヤ22に噛合するカウンタ5速ギヤ36、およびメインリバースギヤ24にリバースアイドルギヤ40を介して接続されるカウンタリバースギヤ42が支持される。
【0017】
上記において、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン1速ギヤ14を1速用油圧クラッチC1でメインシャフトMSに結合すると、1速(ギヤ。変速段)が確立する。
【0018】
メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン2速ギヤ16を2速用油圧クラッチC2でメインシャフトMSに結合すると、2速(ギヤ。変速段)が確立する。カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ3速ギヤ32を3速用油圧クラッチC3でカウンタシャフトCSに結合すると、3速(ギヤ。変速段)が確立する。
【0019】
カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ4速ギヤ34をセレクタギヤSGでカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン4速ギヤ20を4速−リバース用油圧クラッチC4RでメインシャフトMSに結合すると、4速(ギヤ。変速段)が確立する。
【0020】
また、カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ5速ギヤ36を5速用油圧クラッチC5でカウンタシャフトCSに結合すると、5速(ギヤ。変速段)が確立する。
【0021】
さらに、カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタリバースギヤ42をセレクタギヤSGでカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメインリバースギヤ24を4速−リバース用油圧クラッチC4RでメインシャフトMSに結合すると、後進変速段が確立する。
【0022】
カウンタシャフトCSの回転は、ファイナルドライブギヤ46およびファイナルドリブンギヤ48を介してディファレンシャルDに伝達され、それから左右のドライブシャフト50,50を介し、内燃機関EおよびトランスミッションTが搭載される車両(図示せず)の駆動輪W,Wに伝達される。
【0023】
車両運転席(図示せず)のフロア付近にはシフトレバー54が設けられ、運転者の操作によって8種のレンジ、P,R,N,D5,D4,D3,2,1のいずれか選択される。
【0024】
エンジンEの吸気路(図示せず)に配置されたスロットルバルブ(図示せず)の付近には、スロットル開度センサ56が設けられ、スロットル開度THを示す信号を出力する。またファイナルドリブンギヤ48の付近には車速センサ58が設けられ、ファイナルドリブンギヤ48が1回転するごとに車速Vを示す信号を出力する。
【0025】
更に、カムシャフト(図示せず)の付近にはクランク角センサ60が設けられ、特定気筒の所定クランク角度でCYL信号を、各気筒の所定クランク角度でTDC信号を、所定クランク角度を細分したクランク角度(例えば15度)ごとにCRK信号を出力する。また、エンジンEの吸気路のスロットルバルブ配置位置の下流には絶対圧センサ62が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAを示す信号を出力する。
【0026】
また、メインシャフトMSの付近には第1の回転数センサ64が設けられ、メインシャフトMSが1回転する度に信号を出力すると共に、カウンタシャフトCSの付近には第2の回転数センサ66が設けられ、カウンタシャフトCSが1回転する度に信号を出力する。
【0027】
さらに、車両運転席付近に装着されたシフトレバー54の付近にはシフトレバーポジションセンサ68が設けられ、前記した8種のポジション(レンジ)の中、運転者によって選択されたポジションを示す信号を出力する。
【0028】
さらに、トランスミッションT、あるいはその付近の適宜位置には温度センサ70が設けられ、油温(Automatic Transmission Fluid温度。作動油温)TATFに比例した信号を出力すると共に、ブレーキペダル(図示せず)の付近にはブレーキスイッチ72が設けられ、運転者によってブレーキペダルが踏まれると、ON信号を出力する。
【0029】
これらセンサ56などの出力は、ECU(電子制御ユニット)80に送られる。
【0030】
ECU80は、CPU82,ROM84,RAM86、入力回路88、および出力回路90からなるマイクロコンピュータから構成される。マイクロコンピュータはA/D変換器92を備える。
【0031】
前記したセンサ56などの出力は、入力回路88を介してマイクロコンピュータ内に入力され、アナログ出力はA/D変換器92を介してデジタル値に変換されると共に、デジタル出力は波形整形回路などの処理回路(図示せず)を経て処理され、前記RAM86に格納される。
【0032】
前記した車速センサ58の出力およびクランク角センサ60のCRK信号出力はカウンタ(図示せず)でカウントされ、車速Vおよびエンジン回転数NEが検出される。第1の回転数センサ64および第2の回転数センサ66の出力もカウントされ、トランスミッションの入力軸回転数NMおよび出力軸回転数NCが検出される。
【0033】
マイクロコンピュータにおいてCPU82は行先段あるいは目標段(変速比)を決定し、出力回路90および電圧供給回路(図示せず)を介して油圧制御回路Oに配置されたシフトソレノイドSL1からSL5を励磁・非励磁して各クラッチの切替え制御を行うと共に、リニアソレノイドSL6からSL8を励磁・非励磁してトルクコンバータ12のロックアップ機構Lの動作及び各クラッチの油圧を制御する。
【0034】
次いで、この発明に係る自動変速機の制御装置の動作を説明する。
【0035】
図2はその動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは、例えば10msecごとに実行される。
【0036】
以下説明すると、S10において検出された車速Vとスロットル開度THから公知のシフトマップ(シフトスケジューリングマップ。図示せず)を検索し、S12に進み、検索値を行先段(変速段)SHと書き換え、S14に進み、現在係合されている現在段(変速段)を検出してGAと書き換えると共に、目標段SHを先行段GBと書き換える。
【0037】
次いでS16に進み、変速モードQATNUMを検索する。変速モードQATNUMは、具体的には、11h(1速から2速へのアップシフト)、12h(2速から3速へのアップシフト)、21h(2速から1速へのダウンシフト)、31h(1速ホールド(保持))などと標記される。即ち、最初の数字が1であればアップシフトを、2であればダウンシフトを、3であればホールドを示す。尚、以下の説明において、変速モードQATNUMが1*hかなどと標記される場合があるが、その場合、*は数字を問わず、アップシフトか否か判断することを意味する。
【0038】
次いでS18に進み、S10以降の処理において変速が必要と判断されるとき、制御時期を示すRAM上の値SFTMONを0に初期化し、S20に進み、変速制御を実行する。尚、上記の説明から明らかな如く、変速モードQATNUMが3であれば、現在段(ギヤ)を保持し、変速制御を実行しない。
【0039】
尚、以下の説明では、1速(ギヤ)から2速(ギヤ)へのアップシフトを例にとる。即ち、現在段GAを1速(ギヤ)、行先段GBを2速(ギヤ)とする。
【0040】
図3はその変速制御、より具体的にはアップシフト制御を全体的に示すフロー・チャートである。
【0041】
図3の制御時期を示す図4タイム・チャートを併せて参照しつつ以下説明すると、S100において前記した値SFTMONのビットが0であるか否か判断する。この値は図2フロー・チャートのS18で0に初期化されていることからS100の判断は肯定されてS102に進み、後述する目標クラッチトルクなどの値を全て0に初期化(イニシャライズ)し、S104に進み、SFTMONを10hに設定する。
【0042】
次いでS106に進み、現時点が図4タイム・チャートにおいて変速準備開始時点であるので、行先段である2速ギヤを実現するクラッチC2の目標クラッチトルク(以下「TQON」という)を0とし、S108に進み、現在段である1速ギヤを実現するクラッチC1の目標クラッチトルク(以下「TQOF」という)を所定のOFF棚トルク、より具体的にはエンジントルクを保持するのに必要なトルク量に設定(算出)する。尚、この実施の形態において、解放(OFFあるいはオフ)側の目標クラッチトルクおよび油圧量において平坦な部位を棚と称する。
【0043】
図5はそのOFF棚トルク算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0044】
以下説明すると、S200においてエンジントルク(推定入力トルク。後述)TTAPに余裕加算トルク値#dTQUTRFを加算した値を棚トルク(OFF側目標クラッチトルクTQOF)とする。
【0045】
図3フロー・チャートにあっては次いでS110に進み、係合(ON)側である行先段を実現するクラッチC2のON(オン)準備圧(クラッチ油圧量。以下「QATON」という)を算出(設定)する。これは、いわゆる無効ストローク詰めに相当する作業である。
【0046】
図6はその作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0047】
同図の説明に入る前に、この実施の形態に係る準備圧算出(無効ストローク詰め相当圧)を概説すると、当該クラッチ(例の場合では2速クラッチC2)の回転数とATF油温により、当該クラッチの無効ストローク詰めに最適な供給油圧と充填時間を決定するようにした。
【0048】
充填時間は、操作量(供給油圧)、クラッチ回転数、ATF油温、変速インタバル(あるクラッチへの操作量を零にしてから当該クラッチに再び操作量を与えるまでの時間)、クラッチの位置(排油時のドレン系のリザーバ油面からの高さ、ドレン系のリザーバまでの距離など)、供給・排出油路の経路(長)、シフトバルブ経由数、シフトソレノイド(アクチュエータ)SLnの特性、およびクラッチの機械的なバラツキ(容積、スプリング特性など)などの要因によって変化する。
【0049】
そこで、この実施の形態においては、これらの変動要因の中、クラッチの位置、供給・排出油路の経路(長)、シフトバルブ経由数についてはクラッチごとに予め求めておいて記憶すると共に、リニアソレノイドの特性、クラッチの機械的なバラツキなどは、変速制御系全体で補償するようにした。
【0050】
以下説明すると、操作量QATONを増加するほど準備を終了するのに要する時間(準備終了時間)を短縮することができて有利であるが、反面、図7に示すようにバラツキ幅が増大して制御精度が低下するため、変速インタバルの場合と同様に、図8に符号Aで示すようなバラツキ幅の小さい、制御精度と応答性を両立させる操作量を求めて設定しておく。
【0051】
以上のように設定した変速インタバルと操作量に対し、クラッチ回転数(入力軸回転数NM)とATF油温を変更しながら、図9に示すように準備終了時間を計測することで、各クラッチに必要なデータを収集することができる。
【0052】
上記のようにして収集したデータをベースとし、変速インタバルについては以下のように内部オイル量(ATF量あるいは作動油量)を推定し、上記した準備終了時間を補正する。
【0053】
以下、このデータの収集について説明すると、先ず、図10に示す如く、変速インタバルXnを変更しながら、データ収集用準備終了時間(以下「T」という)を計測する。
【0054】
XnとTの関係を図11に示すようにグラフ化し、図12に示すようにXnに対してTを0(内部オイル空)と1(内部オイル充満)の間で正規化する。次いで、図13に示すように、変速インタバルXnに対するオイル減少量(減少速度)を求め、図14に示すように、オイル量に対するオイル減少量(減少速度)dOILに変換する。
【0055】
即ち、操作量を零とした時点から一定時間ごとに内部オイル量に対する図13の値を検索し、その傾きの分だけ内部オイル量から減算する、長時間にわたって操作量を零にするとき、内部オイル量も零となる。
【0056】
次いで、図15に示すように、オイル量(オイル残量)と入力軸回転数NMに対するオイル減少量をATF油温TATFについてマップ化することで、図16に示すように、入力軸回転数NMの変化に対するオイル量の変化を把握することができる。
【0057】
即ち、図17に符号Bで示すように、変速インタバルXnに対するオイル量としてのみ記憶した場合、時間軸方向に不連続に進む(あるいは戻る)こととなって回転数変化に対する追従が非常に困難であることから、入力軸回転数の変化に対するオイル量の変化を把握することができないが、上記のように構成したことで、その把握が可能となる。
【0058】
従って、操作量を与えるとき、内部オイル空のときの準備終了時間Tを記憶すると共に、オイル減少量dOILから内部オイル量OILnを算出し、それらに基づいて実際の準備終了時間(制御時間。以下「T1」という)を決定(補正)することができる。
【0059】
上記を前提として図6を参照してON準備圧算出処理を説明する。
【0060】
先ずS300においてSFTMONが10hか否か判断する。SFTMONは図3フロー・チャートのS104で10hに設定されているので、肯定されてS302に進み、SFTMONの値を11hに書き換え、S304に進み、ON側クラッチ(例の場合は2速クラッチC2)の準備圧QDB1Aと上記した(実際の)準備終了時間T1を検索する。
【0061】
図18フロー・チャートは、その処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0062】
以下説明すると、S400において、検出された入力軸回転数NMとATF油温TATFから準備終了時間T1をマップ検索し、S402に進み、同様に検出された入力軸回転数NMとATF油温TATFから準備圧QDB1Aをマップ検索し、S404に進み、前記したオイル残量OILnを推定する。オイル残量OILnにおいて、nは1から5の値であり、1速クラッチC1から5速クラッチC5のそれぞれに対応するクラッチオイル残量を示す。
【0063】
図19はそのオイル残量OILnの推定処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。尚、この処理はクラッチごとに行われる。以下、説明の簡略化のため、この例の行先段用の2速クラッチC2を例にとって説明するが、他のクラッチに関しても同様である。
【0064】
以下説明すると、S500においてタイマtmST(ダウンカウンタ)の値が0か否か判断する。このタイマは図3フロー・チャートのS102において、変速中にないとき、換言すれば、図4タイム・チャートにおいてSFTMON=0の状態にあるときは0とされる。
【0065】
S500で肯定されるときはS502に進み、行先段(ギヤ)GBが2速か否か判断する。肯定されるときは変速中になく、2速クラッチC2がオン(係合)していることから、S504に進み、オイル残量OIL2(2速クラッチC2のオイル残量)を1とする。即ち、2速クラッチC2はオイルで充満されていると推定する。
【0066】
S502で否定されるときはS506に進み、2速クラッチC2のオイル残量OIL2が所定値#OILMINより小さいか否か判断し、肯定されるときはS508に進み、オイル残量(前回値)は0、即ち、2速クラッチC2はオイルがなく、空と推定する。
【0067】
他方、S506で否定されるときはS510に進み、検出された入力軸回転数NMとオイル残量OIL2からATF油温TATFおよびクラッチの排出油路経路に従って別々に設定されたマップの中から該当するマップを検索して前記したオイル減少量dOIL2を求める。
【0068】
次いで、S512に進み、オイル減少量dOIL2だけ減算してオイル残量OIL2を補正する。
【0069】
一方、S500で否定されるときは変速中と判断してS514に進み、目標段GBが2速か否か判断する。S514で肯定されるときはS516に進み、現在段GAが2速で、かつ操作量(供給油圧)QATOFが所定値#QDB1MIN以上か否か判断し、肯定されるときはS518に進み、オイル残量OIL2を1と設定する。
【0070】
他方、S516で否定されるときはS520に進み、オイル残量OIL2が所定値#OILMIN未満か否か判断し、肯定されるときはS522に進み、オイル残量OIL2を0とする。また、S520で否定されるときはS524に進み、S510の処理と同様にオイル減少量dOIL2をマップ検索し、S526に進み、S512と同様にオイル残量OIL2を減算補正する。
【0071】
S514で否定されるときはS528に進み、変速モードQATNUMが1*hで、かつ、タイマtUPA1(準備終了時間相当値)の値が0ではないか、即ち、アップシフト準備中か否か判断し、肯定されるときはS530に進み、オイル残量OIL2を値tUPA1で除算して得た値だけオイル残量を加算補正する。
【0072】
S528で否定されるときはS532に進み、変速モードQATNUMが2*hで、かつタイマtKPAJの値が0ではないか、即ち、ダウンシフト準備中か否か判断し、肯定されるときはS534に進み、オイル残量OIL2を値tKPAJで除算して得た値だけオイル残量を加算補正する。また、S532で否定されるときはS536に進み、オイル残量OIL2を1とする。
【0073】
図18フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS406に進み、このようにして得たオイル残量OILnを準備終了時間T1に乗じて準備終了時間T1を補正する。
【0074】
図6フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS306に進み、よって得た準備終了時間T1をタイマtUPA1(ダウンカウンタ)にセットして時間計測を開始する。
【0075】
次いでS308に進み、よって得たON準備圧QDB1Aをクラッチ油圧量QATONとする。尚、これはS300で否定されたときも同様である。
【0076】
このように構成したことによって、クラッチの立ち上がりに応じてバラツキ幅が小さく、応答性も適切な操作量および制御時間を求めることができる。また、連続的な変速に対しても、内部オイル量(オイル残量)を推定して補正することにより、適切な制御を実現することができる。
【0077】
図3フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS112に進み、OFF棚圧を算出する。
【0078】
図20はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0079】
以下説明すると、S600においてOFF棚圧(下限圧)TQOFを適宜算出し、S602に進み算出したOFF棚圧をクラッチ油圧量QATOFとする。
【0080】
図3フロー・チャートの説明に戻ると、次回のプログラムループにおいてS100の判断は、先のプログラムループにおいてS110で11hに設定されていることから、否定されてS114に進み、SFTMONが10hあるいは11h(図4に示す)か否か判断する。
【0081】
S114で肯定されるとS116に進み、前記した準備終了時間T1を示すタイマtUPA1の値が0に達したか否か判断し、否定されるときは未経過と判断してS106に進むと共に、肯定されるときはS118に進み、SFTMONを20hに書き換える。
【0082】
次いでS120に進み、トルク相ON/OFFトルクを算出する。
【0083】
図21はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0084】
同図の説明に入る前にその処理を概説すると、この実施の形態にあっては、ON側クラッチにおいて、準備終了後の立ち上がりについて、その油圧高さに対する追従時間とトルクの立ち上がり特性を、ECU80の内部に保持しているデータから決定するようにした。
【0085】
それにより、ECU80はON側クラッチがどの時点からどのようにトルクを持ち始めるのか認識することができ、認識したON側クラッチトルクと推定入力トルク(エンジントルク)からOFF側クラッチに必要な油圧を算出することができる。即ち、この処理においては、ON側の入力にバランスするようにOFF側の値を決定する。
【0086】
以下説明すると、アップシフトにおいて、イナーシャ相の油圧は、変速ショック低減の観点から設定される。図22においてその基準目標操作量をXとすると、設定された目標時間Yに実際のクラッチ(油)圧を基準目標操作量Xに到達させるために、過渡的な操作量を以下の如く決定する。
【0087】
即ち、ECU80のROM84に、図23に示す如く、一定の(油)圧(操作量A)を出力したときの追従時間(トルクが立ち上がり始めてから油圧が指令値に到達するまでの時間)Bを実験を通じて求め、傾きK(=A/B)として記憶しておく。操作量Aは、制御に実際に使用される操作量の中から決定した複数値で、入力軸回転数NMやATF油温に対してマップデータ(第1のデータ)X1(n)として保持する。
【0088】
さらに、図24に示すように、傾き、即ち、それを出力したときにある時間で到達する実油圧を実現する操作量Aの応答特性を示すものとして、Kを同様にマップデータ(第2のデータ)として保持しておく。
【0089】
次いで、前記XとYの比(=X/Y)を求め、その比(以下「KX」という)を目標値とし、図25(a)に示す如く、K(Aの応答特性を示す第2のデータ)と比較する。その結果、K>KXであれば、内部データの方が大きい、即ち、基準目標操作量Xに目標時間Yで到達することが可能であることから、同図(b)に示すように実行すべき傾き(決定値)KZを目標値KXとする。
【0090】
他方、K<KXであれば、目標の傾きの方が大きい、即ち、基準目標操作量Xに目標時間Yで到達することが不可能であることから、同図(c)に示すように実行時間をY1に延長し、実行すべき傾きKZを前記マップデータKとする。
【0091】
次いで、図26に示すようなマップデータ(第2のデータ)から、操作量Aを決定する。即ち、決定された傾きKZでマップデータを検索し、操作量X1(n)を算出する。K<KXのとき、基準目標操作量Xを目標時間の間中、出力する必要がないため、X1<Xとなる。K>KXのとき、XとX1は基本的に近い値となる。
【0092】
目標時間に対し、実行時間Y1は、Y1=X/KZとなる。KZ=KXのとき、Y=Y1となり、KZ<KXのときは図25(c)に示す如く、Y1=(X/KZ)>Yとなる。このことは、設定データにおける機械系の固有値に基づいて、目標時間が実現不可能なときは自動的に実行時間が延長されることを意味する。
【0093】
また、KZ>KXのときは図25(b)に示す如く、目標時間丁度に油圧を到達させるために過渡的な中間圧(操作量)としてX1を出力するとき、そのX1を出力する時間Y1は、Y1=X1/KZで求めることができる。
【0094】
上記を前提として図21を参照してトルク相ONトルクおよびOFFトルクの算出を説明する。
【0095】
以下説明すると、S700においてG1トルクTQUIA1を算出する。ここでG1トルクとは、前後方向重力加速度(以下「G」という)目標値に基づいて決定されるイナーシャ相開始時点の目標トルクを意味する。また、後述するG2トルクおよびG3トルクは、イナーシャ相中間点および終端点における同様のトルクを意味する。
【0096】
図27はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0097】
以下説明すると、S800においてSFTMONが20hであるか否か判断する。図3フロー・チャートのS118で20hに設定されていることから、S800の判断は肯定されてS802に進み、検出された車速Vを所定車速VUTAに固定する。これは、後述するG2トルクおよびG3トルクを算出するときも同一の車速、即ち、この固定車速VUTAを使用するためである。
【0098】
次いでS804に進み、推定入力トルク(エンジントルク)TTAPが0以上か否か判断し、否定されるときはS806に進み、G1トルクTQUIA1を所定値#dTQUIAM(余裕トルクを示す値。例えば3kgf・m)とする。
【0099】
S804で肯定されるときはS808に進み、推定入力トルク(エンジントルク)TTAPに固定車速VUTAおよびスロットル開度THからマップ検索して得た比率(補正係数)#kGUIA1とギヤ比#RATIOn/#RATIOmから1を減算して得た値を乗じた値が、前記した所定値#dTQUIAMを超えるか否か判断する。
【0100】
S808で否定されるときはS812に進み、推定入力トルクTTAPに前記した所定値#dTQUIAMを加算して得た値をG1トルクTQUIA1とすると共に、肯定されるときはS810に進み、以下のようにG1トルクTQUIA1を算出する。
TQUIA1=TTAP*{1+#KGUIA1*((#RATIOn/#RATIOm)−1)}
【0101】
尚、G1トルクおよび比率(補正係数)#kGUIA1などに関しては後で再び触れる。また、上式および他の数式で*は乗算記号を示す。
【0102】
図21フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS702に進み、GtトルクTQUTA1を算出する。GtトルクTQUTA1は、トルク相終了時のトルクである。
【0103】
図28はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0104】
以下説明すると、S900において推定入力トルク(エンジントルク)TTAPが0以上であるか否か判断し、肯定されるときはS902に進み、推定入力トルクTTAPに所定のトルク相設定値#kGUTA1を乗じて得た値を目標トルクtquta1とすると共に、否定されるときはS904に進み、目標トルクtquta1を0とする。
【0105】
次いでS906に進み、SFTMONが20hか否か判断し、肯定されるときはトルク相初回と判断してS908に進み、目標トルクtquta1をGtトルクTQUTA1とすると共に、否定されるときはS910に進み、値tquta1がGtトルクTQUTA1以上か否か判断する。肯定されるときは前回値より大きいために更新しないようにそのままプログラムを終了すると共に、否定されるときはS912に進み、目標トルクtquta1をGtトルクTQUTA1とする。
【0106】
図29(a)(b)(c)に、図27および図28フロー・チャートで使用される変数を示す。
【0107】
図21フロー・チャートに戻ると、次いでS704に進み、SFTMONが20hか否か、即ち、トルク相に入って初めてのプログラムループか否か判断し、肯定されるときはS706に進み、SFTMONの値を21hに設定し、S708に進み、GtトルクTQUTA1を油圧換算してGt圧QUTA1とする。
【0108】
次いでS710に進み、ON側の最低圧QUIALを検索する。
【0109】
次いでS712に進み、所定値#TMUTAGを検索してトルク相目標時間TMUTAGとし、S714に進み、アップシフトのON側クラッチのトルク相制御時間TMDB2A(目標値までの追従時間)、トルク相ブースト圧QDB2A(図25(b)のX1(a)相当値)、ブースト制御時間TMDB2B(図25(b)のY相当値)などを算出する。
【0110】
図30はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートであり、図31および図32はトルク相時間TMDB2Aなどを示すタイム・チャートである。
【0111】
以下説明すると、S1000においてGt圧QUTA1がON側の最低圧QUIALを超えるか否か判断し、肯定されるときはS1002に進み、到達圧高さquta1(図22に関して前記したXに相当)をGt圧QUTA1とすると共に、否定されるときはS1004に進み、到達圧高さquta1を最低圧QUIALとする。
【0112】
次いでS1006に進み、変速モードQATNUMに基づき、入力軸回転数NM、到達圧高さquta1およびATF油温TATFからトルク相最大傾きkDB2A(図25(a)に関して前記したKに相当)をマップ検索する。次いでS1008に進み、到達圧高さquta1を前記した値(トルク相目標時間。図22に関して前記したYに相当)TMUTAGで除算し、よって得た値をトルク相傾きkDB2B(図25(a)に関して前記したKXに相当)とする。図32(a)にトルク相目標時間TMUTAGなどを示す。
【0113】
次いでS1010に進み、得たトルク相傾きkDB2Bがトルク相最大傾きkDB2Aを超えるか否か判断し、肯定されるときはトルク相時間延長と判断してS1012に進み、トルク相最大傾きkDB2Aを傾きkとする。他方、否定されるときはS1014に進み、トルク相傾きkDB2Bを傾きkとする。
【0114】
次いでS1016に進み、変速モードQATNUMに基づき、検出された入力軸回転数NM、傾きkおよびATF油温TATFからブースト圧QDB2Aをマップ検索する。
【0115】
次いでS1018に進み、前記したquta1を傾きkで除算してトルク相制御時間TMDB2Aを決定(設定)し、S1020に進み、ブースト圧QDB2Aを傾きkで除算してブースト制御時間TMDB2Bを決定(設定)し、S1022に進み、変速モードQATNUMに基づき、入力軸回転数NM、ブースト圧QDB2AおよびATF油圧TATFから中折れ時間TMDB2Cをマップ検索する。
【0116】
図21の説明に戻ると、次いでS716に進み、トルク相制御時間TMDB2A、ブースト制御時間TMDB2Bおよび中折れ時間TMDB2Cを、それぞれタイマtUTAG,tUTA1,tUTA2にセットして時間計測を開始し、S718に進み、適宜な特性に従って算出したブースト圧QDB2AをトルクTQUTABに変換する。
【0117】
次いでS720に進み、ON側クラッチトルクTQONを0とし、S722に進み、推定入力トルクTTAPに余裕加算トルク値#dTQUTRFを加算し、その和をOFF側クラッチトルクTQOFとする。
【0118】
他方、S704で否定されるときはS724に進み、SFTMONが21hか否か判断し、肯定されるときはS726に進み、タイマtUTA2(TMDB2C)の値が0か否か判断し、否定されるときは図31(a)に示す如く、中折れ前にあると判断してS720に進む。
【0119】
また、S726で肯定されるときはS728に進み、SFTMONを22hに設定し、S730に進み、図31(b)に示す如く、TQUTA1などを直線補間してON側クラッチトルクTQONを算出し、S732に進み、S722と同様に求めた値からTQONを減算し、よって得た値をOFF側クラッチトルクTQOFとする。
【0120】
また、S724で否定されるときはS734に進み、SFTMONが22hか否か判断し、肯定されるときはS736に進み、タイマtUTA1が0か否か判断し、否定されるときはS730に進むと共に、肯定されるときはS738に進み、SFTMONを23hに設定する。また、S734で否定されるときは、S740に進む。
【0121】
次いで、S740に進み、同様に図31(c)のTQUTABからTQUTA1の間を図示の如く直線補間してON側クラッチトルクTQONを算出し、S742に進み、S732の処理と同様にOFF側クラッチトルクTQOFを算出する。
【0122】
このように構成することで、油圧の追従性を考慮した制御が可能となり、推定入力トルク(エンジントルク)の変化に対しても吹き上がりを生じることなく、追従することができる。また、吹きを検知することがないため、トルク相制御時間を短縮することができ、良好な変速ショック制御を実現することができる。
【0123】
図3のフロー・チャートの説明に戻ると、次いでS122に進み、前記したGt圧などからON側トルク相圧力(クラッチ油圧量)QATONを算出し、S124に進み、図20に示す如く、OFF側クラッチトルク相圧力(クラッチ油圧量)QATOFを算出する。
【0124】
他方、S114で否定されるときはS126に進み、SFTMONが20hあるいは21hか否か判断し、肯定されるときはS128に進み、前記タイマtUTAGの値が0か否か判断し、否定されるときはS120に進むと共に、肯定されるときはS130に進み、SFTMONの値を30hに設定する。
【0125】
ここで、エンジントルク(推定入力トルク)TTAPの算出(推定)について説明する。
【0126】
従来、エンジントルクは、前記した如く、例えば特開平6−207660号公報に記載されるように車速とスロットル開度から推定、あるいはエンジン回転数と吸気管内絶対圧などの情報から推定、さらにはトルクコンバータの状態などから推定していた。
【0127】
しかしながら、スロットル開度などから推定するときは、環境変化に対して十分に追従することができず、また吸気管内絶対圧などから推定するときはトルクコンバータおよびイナーシャエネルギの要素が加味されていないため、推定精度が十分ではない不都合があった。さらに、トルクコンバータの状態から推定するときは、直結付近でトルク吸収特性が急変するため、特に過渡状態などにおいて推定精度が低下する不都合があった。
【0128】
従って、この実施の形態においては、図33に示す如く、エンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAからマップ検索自在に設定したエンジントルクTEPBを用いると共に、エンジン回転数NEからその上昇に使用されたイナーシャトルクDTEIを算出し、算出されたイナーシャトルクDTEIおよびトルコントルク比KTRを用いて入力トルクTTAPを算出(推定)するようにした。
【0129】
より具体的には、以下の式のように算出する。
TTAP=(TEPB−DTEI)*KTRLAT
【0130】
尚、DTEIは、トルコンスリップ率ETR>1.0、即ち、逆駆動状態では零とすると共に、アップシフトでの使用に備えて平滑化する。さらに、イナーシャ相中の回転変化の影響を避けるために、シフトアップ時に変速が開始すると、エンジン回転数NEが低下し、イナーシャトルクDTEIが負になるが、エンジントルクは変わらないことから、変速中でのイナーシャトルクは算出しない。即ち、DTEIは、イナーシャ相制御に移行した時点で固定する。
【0131】
また、KTRに関しては、図34タイム・チャートに示すように、変速中に実KTRを用いる場合、実KTRが増加すると、入力トルクTTAPが増大する。その結果、制御圧も増大するため、変速ショックが大きくなる。従って、KTRは変速中には増加させないようにし、よって後述するイナーシャ相制御における目標Gへの追従性を向上させるようにした。
【0132】
上記を前提として図35フロー・チャートを参照して推定入力トルクの演算処理を説明する。
【0133】
先ずS1100において検出されたエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAから上記したエンジントルクTEPBをマップ検索し、S1102に進み、DTEIを算出する。
【0134】
図36はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0135】
以下説明すると、S1200でエンジンストールかどうか適宜な手法で判断し、肯定されるときはS1202に進み、カウンタ(リングバッファ)をクリアする。尚、カウンタは10個のバッファを備え、プログラムループ(10msec)ごとに検出されたエンジン回転数NEの値を保持する。次いでS1204に進み、エンジン回転数変化量DNE(後述)を0にリセットする。
【0136】
S1200で否定されるときはS1206に進み、カウンタ(リングバッファ)の10個のバッファが埋まったか否か判断し、肯定されるときはS1208に進み、今回検出されたエンジン回転数NEから100msec前に検出されてバッファに格納されているエンジン回転数NEBUFnを減算して上記したエンジン回転数変化量DNEを算出する。また、否定されるときはS1208をスキップする。
【0137】
次いでS1210に進み、今回検出されたエンジン回転数NEをバッファ内に格納し、S1212に進み、検出されたエンジン回転数NEと入力軸回転数NMの比を求めてトルコンスリップ率ETRを算出し、算出値が1.0より大きいか否か判断する。
【0138】
S1212で肯定されるときはS1214に進み、値DTEI(後述)を0にリセットすると共に、否定されるときはS1216に進み、算出したエンジン回転数変化量DNEが0未満か否か判断する。S1216で肯定されるときはS1214に進むと共に、否定されるときはS1218に進み、エンジン回転数変化量DNEに所定値#KDTEIXを乗じて上記した値DTEIを算出する。
【0139】
次いでS1220に進み、タイマtSTが0か否か判断する。このタイマは図示しない別ルーチンにおいて変速中はその値が0となることから、S1220の判断は変速中か否か判断することに相当する。S1220で否定されるときは以降の処理をスキップする、即ち、変速中はDTEIの値を保持すると共に、肯定されるときはS1222に進み、重み係数#NDTEIを用いて前回値DETInとの加重平均値を算出して平滑化(平均化)する。
【0140】
図35フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS1104に進み、図33に示すように算出したETRからKTRをテーブル検索し、S1106に進み、算出したTEPBが0を越えるか否か判断する。
【0141】
S1106で肯定されるときはS1108に進み、TEPBがDTEIを越えるか否か判断し、肯定されるときはS1110に進み、TEPBからDTEIを減算して得た値にKTRを乗じて得た値をTEPBKとする。尚、S1106あるいはS1108で否定されるときはS1112に進み、TEPBをTEPBKとする。尚、TEPBKは、パワーオンダウンシフト制御のエンジントルク算出用の値である。
【0142】
次いでS1114に進み、前記したタイマtSTの値から変速中か否か判断し、肯定されるときはS1116に進み、KTRをKTRLATと書き換えると共に、否定されるときはS1118に進み、KTRがKTRLAT未満か否か判断し、肯定されるときはS1120に進み、同様にKTRをKTRLATと書き換えると共に、否定されるときはS1122に進む。
【0143】
図33に示す如く、これらはアップシフト制御のエンジントルク算出用のためである。図33および図35ではKTRをKTRLAT、TTAPをTTAPLと表示するが、この実施の形態ではアップシフトを例にとって説明しているため、KTRはKTRLATと、またTTAPはTTAPLと同義である。
【0144】
次いでS1122に進み、TEPBが0を越えるか否か判断し、否定されるときはS1124に進み、TEPBをTTAPとすると共に、肯定されるときはS1126に進み、TEPBがDTEIを越えるか否か判断し、否定されるときはS1124に進むと共に、肯定されるときはS1128に進み、TTAPを図示の如く算出する。
【0145】
次いでS1130に進み、変速モードQATNUMが1*hで、かつSFTMONが30h以上か否か判断し、否定されるときはトルク相なので、S1132に進みNEをNELと書き換えてラッチする。
【0146】
次いでS1134に進み、図33に示すようにラッチされたエンジン回転数NELと吸気管内絶対圧PBAからTEPBLをマップ検索し、S1136に進み、検索値TEPBLが0を越えるか否か判断し、否定されるときはS1138に進み、TEPBLをTTAPLとする。
【0147】
他方、S1136で肯定されるときはS1140に進み、TEPBLがDTEIを越えるか否か判断し、否定されるときはS1138に進むと共に、肯定されるときはS1142に進み、TTAPLを図示の如く算出する。
【0148】
このように、図33に示す如く、アップシフトのイナーシャ相制御に入った時点で検索用のエンジン回転数NEをラッチし、推定入力トルクはアップシフトとダウンシフト(特にKD(パワーオンダウンシフト))では別に算出する。尚、TTAPLがTTAPと等価なことは前記した通りである。
【0149】
図3フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS132に進み、イナーシャ相のON側の前記したG1トルク、G2トルクおよびG3トルクを算出する。
【0150】
図37はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0151】
同図の説明に入る前に、図38から図40を参照してこの処理を概説する。
【0152】
従来、アップシフトにおいて、前段(現在段)の駆動力に等しい駆動力になるまで油圧を上昇させて所定時間保持しているが、車両の駆動軸まわりに作用する駆動力は、車両全体に作用する前後方向あるいは重力方向の重力加速度Gと等価でなく、前段と等しい駆動力に制御することにより、車両全体としてのショックが却って悪化する場合も生じ得る。
【0153】
即ち、車両の運転状態によっては、トルク相の引込みからのトルクの立ち上がりが大きくなり、車両全体としては前後方向加速度の他、上下方向の重力加速度(ピッチング)が発生して乗員が却って大きなショックを感じることがある。
【0154】
また、図38に示すように、エンジンEのイナーシャを吸収させるために回転変化中にGが発生することは避けられないが、前段(現在段)で発生しているGを越える結果を招くのは好ましくない。
【0155】
従って、この実施の形態においては、イナーシャ相の前側と後側で目標Gを予め設定すると共に、その設定に際して推定入力トルクTTAP(TTAPL)と変速前後のギヤレシオ#RATIOn,mを用いた比率(所定の値)KGUIAn(n:1から3程度)とし、その値に基づいてクラッチトルク(操作量)を決定するようにした。
【0156】
より具体的には、予め設定された車両の目標Gの高さ(大きさ)について現在段のそれを1とし、目標段のそれを0と定義するとき、前記1と0の間に選択される比率KGUIAn(n:1から3。図29(c)に示す)を用い、少なくともその比率と推定入力トルクなどからクラッチトルクを決定することで、変速ショックを効果的に低減して乗員の感性に良く適合するようにした。
【0157】
より具体的には、図39に示す如く、アップシフトにおいて、イナーシャ相の目標G波形を、イナーシャ相の前後のGの高さとして設定する。前段ギア(例で言えば1速ギア)のGと等しい高さを1(同図(a))、後段(例で言えば2速ギア)のGと等しい高さを0と定義した場合(同図(b))、0.3から0.7程度に設定し(同図(c))、よって変速ショックと変速時間(換言すればクラッチ負荷)のバランスが取れた制御を実現することができる。
【0158】
図40はその制御を全体的に示すタイム・チャートである。同図において、推定入力トルクTTAPに相当する値が、後段のGと等しい高さ0(KGUIA1=0)に対応する。
【0159】
計算式で示すと、以下の如くとなる。
イナーシャ相前側クラッチトルク
TQON1=TTAP*{1+KGUIA1*((#RATIOn/#RATIOm)−1)}
イナーシャ相中間クラッチトルク
TQON2=TTAP*{1+KGUIA2*((#RATIOn/#RATIOm)−1)}
イナーシャ相後側クラッチトルク
TQON3=TTAP*{1+KGUIA3*((#RATIOn/#RATIOm)−1)}
【0160】
上記で、#RATIOn:前段ギヤの減速比、#RATIOm:行先段ギヤの減速比である。そして、TQON1,TQON2,TQON3に基づいてクラッチ操作量を算出する。
【0161】
尚、G波形の設定は任意であり、例えば、右下がりのG波形に設定しようとするときは、比率KGUIA1を大きめに、比率KGUIA2あるいは3を小さめにすることで容易に実現することができる。また、設定値を追加すれば、一層詳細に設定することができる。
【0162】
比率KGUIAnは、1速から2速へのアップシフト、あるいは2速から3速へのアップシフトなどの変速モードごとに、図27フロー・チャートのS808,S810で述べたように、車速Vおよびスロットル開度THから検索自在なマップ値として設定する。尚、クラッチの熱負荷を考慮して高スロットル開度ほど大きくなるように設定するのが望ましい。
【0163】
上記を前提として図37フロー・チャートを参照して以下説明する。
【0164】
先ずS1300において前段(現在段)相当クラッチスリップ率GRATIO(GA)に所定値#dGRUIA2を加算してイナーシャ相の切換スリップ率gruia2を算出する。図41に切換スリップ率gruia2を示す。尚、GRATIO(GA)は、クラッチスリップ率GRATIO(入力軸回転数NM/出力軸回転数NC)に減速比を乗じて求めた値で、前段変速段(ギヤ)に対応する値である。
【0165】
次いで、S1302に進み、クラッチスリップ率GRATIOが切換スリップ率gruia2未満か否か判断し、肯定されるときはイナーシャ相の前側にあると判断してS1304に進み、G1トルクTQUIA1を算出する。
【0166】
G1トルクTQUIA1の算出については先に図27を参照して説明しているが、ここで再説すると、そのS808あるいはS810に示す如く、推定入力トルク(エンジントルク)TTAPに上記した比率(補正係数。スロットル開度THおよび固定車速VUTAからマップ検索)#kGUIA1を乗じて得た値をG1トルクTQUIA1とする。
【0167】
図37フロー・チャートの説明に戻ると、次いで、S1306に進み、G2トルクTQUIA2を算出する。
【0168】
図42はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートであり、S1400からS1408の処理を経てG2トルクTQUIA2を算出するが、G2トルクに対応する第2の比率#kGUIA2を使用する点を除くと、図27に示すG1トルクTQUIA1の算出と異ならない。
【0169】
図37フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS1308に進み、算出したG1トルクTQUIA1とG2トルクTQUIA2を補間し、その間のON側クラッチトルクTQONを算出する。
【0170】
尚、S1302で否定されるときはS1310に進み、図42に示すようにG2トルクTQUIA2を算出し、S1312に進み、G3トルクTQUIA3を算出する。
【0171】
図43はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートであり、S1500からS1508の処理を経てG3トルクTQUIA3を算出するが、同様にG3トルクに対応する第3の比率#kGUIA3を使用する点を除くと、図27に示すG1トルクTQUIA1の算出と異ならない。
【0172】
図37フロー・チャートにおいては次いでS1314に進み、算出したG2トルクTQUIA2とG3トルクTQUIA3を補間し、その間のON側クラッチトルクTQONを算出する。
【0173】
この実施の形態においては上記の如く構成したので、設定者の感性に近い設定が可能となり、変速ショックを効果的に低減することができる。また、推定入力トルクTTAPをパラメータとして操作量を算出するため、クラッチ容量が均衡することがなく、よって変速時間が不要に長引いて予定時間内に変速が終了しないなどの不都合が生じることがない。
【0174】
図3の説明に戻ると、次いでS134に進み、イナーシャ相のOFF側クラッチトルクTQOFを0に設定し、S136に進み、算出したON側のイナーシャ相のクラッチトルクTQONに基づいて後述するトルク油圧変換処理に従ってクラッチ油圧QATONを算出し、算出したクラッチ油圧QATONに基づいて該当するシフトソレノイドSLnに指令する。
【0175】
次いでS138に進み、同様に設定したOFF側のイナーシャ相のクラッチトルクTQOFに基づいて後述するトルク油圧変換処理に従ってクラッチ油圧QATOFを算出し、算出したクラッチ油圧QATOFに基づいて該当するシフトソレノイドSLnに指令する。
【0176】
次回以降のプログラムループにおいてS126の判断は否定されてS140に進み、SFTMONが30hあるいは31hか否か判断し、肯定されるときはS142に進み、クラッチスリップ率GRATIOが所定値#GRUEAGを越えるか否か判断する。
【0177】
所定値#GRUEAGはエンゲージ(係合)制御開始クラッチスリップ率であり、従ってS142の処理は、クラッチがエンゲージ(係合)制御を開始するほどに変速が終了しつつあるか否か判断することを意味する。
【0178】
S142で否定されるときはS132に進むと共に、肯定されるときはS144に進み、SFTMONを40hに設定する。次いで、S146に進み、クラッチトルクTQONに基づいてON側のエンゲージ圧(クラッチ油圧量QATON。即ち、トルク油圧変換値)を算出する。
【0179】
図44はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0180】
同図の説明に入る前に、この実施の形態におけるイナーシャ相でのトルク油圧変換値の算出について概説する。
【0181】
トルク油圧変換値の算出に際しては、一般に、油圧変換値を油温で補正しているが、油温補正特性が必ずしも一定値とならない不都合があった。さらに、車速V(即ち、差回転)やスロットル開度TH(即ち、油圧)も考慮すべきであった。
【0182】
従って、この実施の形態においては、ATFの粘性、クラッチ(Cn)の面圧によって決定されるゾンマフェルト数(Sommerfeld Number)からクラッチ摩擦係数μを推定してイナーシャ相におけるトルク油圧変換を行うようにした。尚、他の相におけるトルク油圧変換も同様である。
【0183】
以下、前記の如く算出された目標クラッチトルクTQONに基づいて行われるクラッチ油圧量の算出について説明する。
【0184】
クラッチ(Cn)のクラッチディスク摩擦特性(μ特性)は、クラッチディスクと対向面プレートの回転差、ATF油温TATFおよびクラッチディスク面圧によって変化するが、一般的には以下が知られている。
【0185】
1.クラッチディスクと対向面プレートとの回転差(周速差)が減少すると、クラッチディスクの摩擦係数μ、より具体的には動摩擦係数μdは、減少する傾向にある。
2.ATF油温が低下すると、ATF粘度が上昇するため、オイル剪断力が増大し、μdは上昇する傾向にある。
3.クラッチディスク面圧が増大すると、μdは減少する傾向にある。
【0186】
実際には、上記した3つの特性から相互に影響し合ってクラッチディスクの摩擦係数μdが決定されるため、クラッチディスクと対向面プレートとの回転差、ATF油温およびクラッチディスク面圧から状態値S(前記したゾンマフェルト数)をクラッチディスク摩擦係数として予め実験を通じて求めておき、前記したECU80のROM84内に格納(記憶)しておく。
【0187】
状態値S(ゾンマフェルト数)は、式で示すと、以下のようになる。
S=ATF粘度*周速度/クラッチディスク面圧
【0188】
アップシフトのイナーシャ相では、ON側クラッチトルクが出力軸トルクにそのまま反映されるため、速度ショックを低減するには、ON側のクラッチトルクTQONを管理する必要がある。クラッチトルクTQONは一般に以下のように算出される。
TQON=μ*クラッチディスク枚数*クラッチ径*(クラッチ圧*ピストン面積+遠心油圧成分−リターンスプリング力)
【0189】
その中でも、μ、より具体的にはμdの値は上記したように状況に応じて変化するため、μdの値を正確に把握することが、変速ショックの低減のために重要となる。
【0190】
従って、アップシフト時のイナーシャ相において、ON側クラッチに関し、状態値Sを用いてクラッチディスク摩擦係数μdをリアルタイムに算出してクラッチ油圧QATONを演算することになり、目標通りのクラッチトルクを出力することができる。
【0191】
即ち、算出したクラッチ油圧QATONに基づいて実際のクラッチ供給圧を制御することにより、クラッチディスクと対向面プレートとの回転差、ATF油温およびクラッチディスク面圧の変化に関わらず、均一なG波形を得ることができて変速ショックを有効に低減することができる。
【0192】
即ち、ATF油温の高温時は図45(a)に示す如く小さいSの値から変速を開始すると共に、低温時は図45(b)に示す如く大きいSの値から変速を開始する。図45(c)は高温時における摩擦係数μの時間的な変化を示し、図45(d)は低温時のそれを示す。このように、摩擦係数μの変化を把握し、クラッチ油(圧)を制御することで、より均一な油圧特性を得ることができる。
【0193】
上記を前提として図44フロー・チャートに従ってON側クラッチトルクについて油圧変化処理を説明する。尚、図46はその処理を同様に示すブロック図である。
【0194】
先ずS1600において算出された目標クラッチトルクTQONが0未満か、換言すれば負値か否か判断し、肯定されるときはS1602に進み、目標クラッチトルクTQONを0とする。
【0195】
次いでS1604に進み、フラグf.MYUONのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグのビットは図示しない別ルーチンにおいて変速が開始されるとき1にセットされることから、S1604の判断は変速の初回か否か判断することに相当する。
【0196】
S1604で肯定されるときは変速制御初回時であることあからS1606に進み、そのフラグのビットを0にリセットし、S1608に進み、クラッチディスク摩擦係数μを初期値#μDCnに設定する。これは状態値Sの算出にμの値が必要なためである。尚、S1604で否定されるときはS1610に進み、μの前回値(前回プログラムループ時)μnをμ(今回の)とする。
【0197】
次いでS1612に進み、入力軸回転数NMと出力軸回転数NCと減速比#RATIOnから差回転dnm.ncを算出し、S1614に進み、状態値(ゾンマフェルト数)Sを算出する。状態値Sは粘性ηと差回転dnm.ncと摩擦係数μおよびゾンマフェルト算出係数KZOMを乗算して得た値をクラッチトルクTQONで除算して求める。
【0198】
より具体的には、S=(η*dnm.nc)/Pdiskで算出する。尚、Pdiskはクラッチ面圧を示し、Pdisk=TQON/(KSOM*μ)で算出する。また、ηはオイル粘性を示し、検出されたATF油温からテーブル検索して得た値を使用する。また、摩擦係数μは前記ステップで説明したように前回値または固定値を用いる。
【0199】
次いでS1616に進み、クラッチディスク摩擦係数μdを算出した状態値(ゾンマフェルト数)Sからテーブル検索し、S1618に進み、目標クラッチトルクTQONを係数KDISKと摩擦係数μdを乗算したもので除算してFDISK(油圧によるディスク押力)を算出する。尚、係数KDISKは目標クラッチトルクTQONからディスク押力FDISKを算出するために、クラッチごとに設定される値である。
【0200】
次いでS1620に進み、図示の如く、FDISKからクラッチドラム内遠心油圧力Fctfを減算しリターンスプリング力Frtnを加算して得た値をクラッチのピストン受圧面積Apisで除算してクラッチ油圧QATONを算出する。尚、Fctfは入力軸回転数NMからテーブル検索して得た値を用いる。
【0201】
図3フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS148に進み、OFF側のエンゲージ圧(クラッチ油圧量QATOF)を同様な手法で算出する。
【0202】
図47はその処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0203】
以下説明すると、S1700において算出された目標クラッチトルクTQOFが0未満か、換言すれば負値か否か判断し、肯定されるときはS1702に進み、クラッチトルクTQOFを0とする。
【0204】
次いでS1704に進み、変速モードQATNUMが2*hか否か、換言すればダウンシフトか否か判断し、否定されるときはS1706に進み、フラグf.MYUOFのビットを0にリセットし、S1708に進み、アップシフトでのOFF圧制御はクラッチを滑らせないことが前提であるため、クラッチディスク摩擦係数μdを所定値#μSCn(静摩擦係数)とする。
【0205】
尚、S1704で肯定されてダウンシフトと判断されるときはS1710に進み、前記したフラグf.MYUOFのビットが1にセットされているか否か判断し、肯定されるときはS1712に進み、そのフラグのビットを0にリセットし、S1714に進み、μを初期値#μDCnに設定する。尚、S1710で否定されるときはS1716に進み、μの前回値(前回プログラムループ時)μnをμ(今回の)とする。
【0206】
次いでS1718に進み、クラッチ差回転domegaを一定値#dOMEGAとする。以下、ON側の場合と同様に、S1720に進んで状態値(ゾンマフェルト数)Sを算出し、S1722に進んでクラッチディスク摩擦係数μdを算出した状態値(ゾンマフェルト数)Sからテーブル検索し、S1724に進み、FDISKを検出し、S1726に進み、図示の如くクラッチ油圧QATOFを算出する。
【0207】
図3フロー・チャートの説明に戻ると、S140で否定されるときはS150に進み、タイマtUEAGの値が零に達したか否か判断し、否定されるときはS146に進むと共に、肯定されるときはS152に進み、パラメータをリセットするなどの終了処理を行って終わる。
【0208】
【発明の実施の形態】
この実施の形態においては、上記の如く、車両に搭載された内燃機関(エンジンE)の出力をトルクコンバータ(12)を介して入力すると共に、運転状態、より具体的には車速(V)とスロットル開度(TH)などに応じて予め設定された変速特性に従って摩擦係合要素(クラッチCn)を介して変速して駆動輪(W)に伝達する自動変速機(トランスミッションT)の制御装置において、前記内燃機関の回転数(エンジン回転数NE)および負荷(吸気管内絶対圧PBA)を含む運転状態を検出する運転状態検出手段(クランク角センサ60、絶対圧センサ62,ECU80)、前記検出された機関回転数および機関負荷から所定の特性に従って機関出力トルク(エンジントルクTEPB)を算出する機関出力トルク算出手段(ECU80,S20,S1100)、前記検出された機関回転数に基づいて前記機関回転数の上昇に使用されたイナーシャトルクを示す値(DTEI)を算出するイナーシャトルク算出手段(ECU80,S20,S1102,S1200からS1222)、前記トルクコンバータのトルク比(トルコントルク比KTR)を算出するトルク比算出手段(ECU80,S20,S1104)、前記算出された機関出力トルクとイナーシャトルクを示す値とトルク比に基づいて前記自動変速機に入力される入力トルク(TTAP)を算出する入力トルク算出手段(ECU80,S20,S1106からS1112)、前記算出された入力トルクに基づいて前記摩擦係合要素に供給すべき油圧量(QATON,QATOF)を算出する油圧量算出手段(ECU80,S20,S138,S140)、および前記算出された油圧量に基づいて前記摩擦係合要素に油圧を供給する油圧制御回路(O)を備え、変速開始後のトルク比は減少方向でのみ変化させる、換言すれば、減少方向でのみ追従性を持たせる如く構成した。
【0209】
検出された機関回転数(エンジン回転数NE)および機関負荷(吸気管内絶対圧PBA)から所定の特性に従って機関出力トルク(TEPB)を算出し、検出された機関回転数に基づいて機関回転数の上昇に使用されたイナーシャトルクを示す値(DTEI)を算出し、算出された機関出力トルクとイナーシャトルクを示す値とトルク比に基づいて自動変速機に入力される入力トルク(TTAP)を算出し、それに基づいて摩擦係合要素(クラッチCn)に供給すべき油圧量を算出するようにしたので、自動変速機に入力されたトルクを精度良く算出でき、従って摩擦係合要素に供給すべき油圧量を適正に算出することができ、よって変速ショックを効果的に低減して乗員の感性に良く適合させることができる。また、トルク比を用いる場合においては、アップシフトのイナーシャ相でのトルク比(KTR)が大きくなる(変速による変化)ので、この値を用いて入力トルクを算出した場合にはクラッチトルクが大きくなってショックが発生するが、減少方向のみ変化させる、換言すれば減少方向のみ追従性を持たせるように構成したことでエンジントルクに追従した良好な変速が行える。
【0210】
また、前記イナーシャトルク算出手段は、前記トルクコンバータのスリップ率が所定値を超えるとき、前記イナーシャトルクを示す値を零とする(ECU80,S20,S1102,S1214)如く構成した。
【0211】
これにより、前記した作用効果に加え、トルクコンバータが直結状態にあってトルク吸収特性が急変するなどの過渡状態において、その影響を受けて機関出力トルクを誤って算出することがない。
【0212】
また、前記イナーシャトルク算出手段は、前記イナーシャトルクを示す値を平滑化する(ECU80,S20,S1102,S1222)如く構成した。
【0213】
これにより、前記した作用効果に加え、アップシフトにおいても機関出力トルクを適正に算出することができる。
【0214】
尚、上記においてエンジントルク(入力トルク)を推定(算出)で求めたが、トルクセンサなどを用いて検出しても良い。
【0215】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、検出された機関回転数および機関負荷から所定の特性に従って機関出力トルクを算出し、検出された機関回転数に基づいて機関回転数の上昇に使用されたイナーシャトルクを示す値を算出し、算出された機関出力トルクとイナーシャトルクを示す値とトルク比に基づいて自動変速機に入力される入力トルクを算出し、それに基づいて摩擦係合要素に供給すべき油圧量を算出するようにしたので、自動変速機に入力されたトルクを精度良く算出でき、従って摩擦係合要素に供給すべき油圧量を適正に算出することができ、よって変速ショックを効果的に低減して乗員の感性に良く適合させることができる。また、トルク比を用いる場合においては、アップシフトのイナーシャ相でのトルク比が大きくなる(変速による変化)ので、この値を用い入力トルクをを算出した場合クラッチトルクが大きくなりショックが発生するが、減少方向でのみ変化させる、換言すれば、減少方向でのみ追従性を持たせるように構成したことでエンジントルクに追従した良好な変速が行える。
【0216】
請求項2項にあっては、前記した作用効果に加え、トルクコンバータが直結状態にあってトルク吸収特性が急変するなどの過渡状態において、その影響を受けて機関出力トルクを誤って算出することがない。
【0217】
請求項3項にあっては、前記した作用効果に加え、アップシフトにおいても機関出力トルクを適正に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係る自動変速機の制御装置を全体的に示す説明図である。
【図2】図1装置の動作を示すメインフロー・チャートである。
【図3】図2フロー・チャートの中の変速制御処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図4】図3フロー・チャートの中の制御時点を示すタイム・チャートである。
【図5】図3フロー・チャートの中のOFF棚トルク算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図6】図3フロー・チャートの中のON準備圧算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図7】図6フロー・チャートのON準備圧算出における操作量とバラツキ幅の関係を示す説明グラフである。
【図8】同様に図6フロー・チャートのON準備圧算出における操作量とバラツキ幅の関係を示す説明グラフである。
【図9】図6フロー・チャートで使用する準備終了時間の計測などを示す説明グラフである。
【図10】同様に図6フロー・チャートで使用する準備終了時間を変速インタバルを変更しながら計測する場合を示す説明グラフである。
【図11】図10に示す準備終了時間と変速インタバルの関係をグラフ化して示す説明図である。
【図12】図11に示す特性を変速インタバルに対して準備終了時間を正規化して示す説明グラフである。
【図13】図12に示す特性を変速インタバルに対するオイル減少量に変換して示す説明グラフである。
【図14】同様に図13に示す特性をオイル量に対するオイル減少量に変換して示す説明グラフである。
【図15】図14に示すオイル減少量を、オイル量と入力軸回転数とATF油温に対してマップ化して示す説明グラフである。
【図16】同様に、図14に示すオイル減少量を、オイル量と入力軸回転数とシフト方向に対して示す説明グラフである。
【図17】従来技術における図16と同様の特性を示す説明グラフである。
【図18】図6フロー・チャートのON側クラッチの準備圧QDB1Aと準備終了時間T1の検索処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図19】図18フロー・チャートの中のオイル残量推定処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図20】図3フロー・チャートの中のOFF棚圧算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図21】図3フロー・チャートの中のトルク相のON/OFFトルク算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図22】図21の処理を説明する、アップシフトにおけるイナーシャ相の基準目標操作量および目標時間などを示す説明グラフである。
【図23】図22の処理において一定の操作量を出力したときの追従時間(到達時間)の関係を示す説明グラフである。
【図24】図23に示す関係における操作量の応答特性を示す説明グラフである。
【図25】図24に示す操作量の応答特性の比較結果を示す説明グラフである。
【図26】図24に示す操作量を応答特性で検索して算出される過渡的な操作量の特性を示す説明グラフである。
【図27】図21フロー・チャートの中のG1トルクの算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図28】図21フロー・チャートの中のGtトルクの算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図29】図27および図28フロー・チャートで使用される変数を示すタイム・チャートである。
【図30】図21フロー・チャートの中のトルク相時間などの算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図31】同様にフロー・チャートの中のトルク相時間などの算出処理を示すタイム・チャートである。
【図32】同様にフロー・チャートの中のトルク相時間などの算出処理を示すタイム・チャートである。
【図33】図21フロー・チャートなどの中のエンジントルク(推定入力トルク)の算出処理を示すブロック図である。
【図34】図21フロー・チャートなどの中のエンジントルク(推定入力トルク)の算出処理を示すタイム・チャートである。
【図35】図21フロー・チャートなどの中のエンジントルク(推定入力トルク)の算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図36】図35フロー・チャートなどの中のDTEIの算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図37】図3フロー・チャートの中のイナーシャ相のON側のG1トルクなどの算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図38】図37の処理が前提とする、前後方向重力加速度Gについて前段のそれに対する行先段のそれの設定を示す説明グラフである。
【図39】同様に、図37の処理が前提とする、前後方向重力加速度Gについて前段のそれに対する行先段のそれの設定を示す説明グラフである。
【図40】図37フロー・チャートの処理を示すタイム・チャートである。
【図41】同様に図37フロー・チャートの処理を部分的に示すタイム・チャートである。
【図42】図37フロー・チャートの中のG2トルク算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図43】図37フロー・チャートの中のG3トルク算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図44】図3フロー・チャートの中の目標クラッチトルクに基づくON側のエンゲージ圧算出、即ち、トルク油圧変換処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図45】図44フロー・チャートの中のトルク油圧変換処理を説明する説明グラフである。
【図46】図44フロー・チャートの中のトルク油圧変換処理を説明するブロック図である。
【図47】図3フロー・チャートの中の目標クラッチトルクに基づくOFF側のエンゲージ圧算出、即ち、トルク油圧変換処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【符号の説明】
T 自動変速機(トランスミッション)
O 油圧制御回路
E 内燃機関(エンジン)
Cn クラッチ(摩擦係合要素)
12 トルクコンバータ
56 スロットル開度センサ
64 第1の回転数センサ
66 第2の回転数センサ
70 温度センサ
80 ECU(電子制御ユニット)

Claims (3)

  1. 車両に搭載された内燃機関の出力をトルクコンバータを介して入力すると共に、運転状態に応じて予め設定された変速特性に従って摩擦係合要素を介して変速して駆動輪に伝達する自動変速機の制御装置において、
    a.前記内燃機関の回転数および負荷を含む運転状態を検出する運転状態検出手段、
    b.前記検出された機関回転数および機関負荷から所定の特性に従って機関出力トルクを算出する機関出力トルク算出手段、
    c.前記検出された機関回転数に基づいて前記機関回転数の上昇に使用されたイナーシャトルクを示す値を算出するイナーシャトルク算出手段、
    d.前記トルクコンバータのトルク比を算出するトルク比算出手段、
    e.前記算出された機関出力トルクとイナーシャトルクを示す値とトルク比に基づいて前記自動変速機に入力される入力トルクを算出する入力トルク算出手段、
    f.前記算出された入力トルクに基づいて前記摩擦係合要素に供給すべき油圧量を算出する油圧量算出手段、
    および
    g.前記算出された油圧量に基づいて前記摩擦係合要素に油圧を供給する油圧制御回路、
    を備えると共に、変速開始後のトルク比については減少方向でのみ変化させるようにしたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記イナーシャトルク算出手段は、前記トルクコンバータのスリップ率が所定値を超えるとき、前記イナーシャトルクを示す値を零とすることを特徴とする請求項1項記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記イナーシャトルク算出手段は、前記イナーシャトルクを示す値を平滑化することを特徴とする請求項1項または2項記載の自動変速機の制御装置。
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