JP3579489B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電動アクチュエータにより駆動されるポンプからの圧油によって操舵補助力を発生させるパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵により軸方向移動することで車輪を転舵させる操舵部材と、電動アクチュエータにより駆動されるポンプと、そのポンプからの圧油により操舵補助力を発生させる油圧アクチュエータとを備えるパワーステアリング装置において、そのポンプを常に操舵補助に必要な速度に保持しようとすると、その電動アクチュエータの電源となるバッテリーのエネルギーを無駄に消費することになる。
【0003】
そこで、そのポンプを電動アクチュエータにより操舵時のみ操舵補助速度に増速し、直進時すなわち舵角中点において待機速度まで減速する制御を行なうことで、省エネルギー性を向上することが図られている(特開昭56‐99859号公報、特開平3‐132474号公報)。
【0004】
すなわち、アブソリュート形のロータリーエンコーダ等を用い、ステアリングホイールの回転角度に応じたパルス信号から操舵角度を検知し、操舵中点からの操舵角度により操舵を行っているか否かを判断していた。
【0005】
そのようなアブソリュート形のロータリーエンコーダから送られるパルス信号により検知される操舵角度は相対的なものであり、舵角中点を基準とする絶対的なものではないため、舵角中点の決定を行なう必要があった。例えば、操舵トルクは舵角中点において小さくなることを利用し、操舵トルクを検出するトルクセンサを設け、操舵トルクが設定値よりも小さくなる時を舵角中点として決定したり(特開平2‐197465号公報)、検出されるパルス信号の出現頻度の統計的分布は舵角中点において最大になるような正規分布になることを利用し、そのパルス信号の出現頻度の統計的分布に基づき舵角中点を決定することが提案されている(特公平6‐43188号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、その舵角中点の決定までは操舵を行なっているか否かを判断できないため、ポンプを電動アクチュエータにより操舵補助速度に保持する必要がある。そのため、その決定までに停車してアイドリング状態を続けるような場合、無駄なエネルギーを消費するという問題があった。また、舵角中点を決定するためにトルクセンサを用いると、構造が複雑になり大型化するという問題点がある。
【0007】
また、ステアリングホイールをロック位置まで回転させた状態で据え切り等を行なう場合、ステアリングホイールはロック位置に保持されるため操舵補助を行なう必要はないにも拘らず、従来の構成ではポンプを電動アクチュエータにより操舵補助速度に保持していた。そのため、無駄なエネルギーを消費し、電動アクチュエータの焼き付きが生じ、圧油の流動音が増大するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決することのできるパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、操舵により軸方向移動することで車輪を転舵させる操舵部材と、電動アクチュエータにより駆動されるポンプからの圧油によって操舵補助力を発生させる油圧アクチュエータと、そのポンプを電動アクチュエータにより操舵補助条件の充足時に操舵補助速度に増速すると共に操舵補助解除条件の充足時に待機速度に減速する手段とを備えるパワーステアリング装置において、その操舵部材の舵角中点からの軸方向移動量を検知する手段が設けられ、その操舵部材の舵角中点からの軸方向移動量に応じて操舵補助条件を充足しているか否かを判断することを特徴とする。
【0010】
少なくとも二つの操舵補助解除条件を有し、一つの操舵補助解除条件は、直進時においてポンプを電動アクチュエータにより待機速度に減速できるように設定され、他の一つの操舵補助解除条件は、操舵部材が移動端に位置する時にポンプを電動アクチュエータにより待機速度に減速できるように設定されているのが好ましい。
【0011】
【発明の作用および効果】
本発明の構成によれば、操舵による操舵部材の軸方向移動により車輪が転舵するので、その操舵部材の舵角中点からの軸方向移動量を検知することで、操舵が行なわれているか否かを判断できる。これにより、電動アクチュエータによってポンプを操舵時のみ操舵補助速度にまで増速し、直進時において待機速度まで減速することで省エネルギー性を向上できる。
【0012】
その操舵部材の舵角中点からの軸方向移動量の検知は、例えば格子スケールとセンサとを有するインクリメンタル形のリニアエンコーダを用い、その格子スケールを操舵部材側に、センサを固定側に取り付け、舵角中点を予め基準点としてスケールの目盛りをセンサにより読み取ることで行なえる。すなわち、従来のようにステアリングホイールの回転角度から舵角を検知する場合、ステアリングホイールの回転角度範囲は360度を超えるため、予め基準点を設定可能なインクリメンタル形エンコーダのような検知手段は用いることはできない。これに対し、本発明では操舵部材の軸方向移動量を検知することで、予め基準点を設定可能なインクリメンタル形エンコーダ等を用いることができるので、舵角中点を決定する必要がない。これにより、舵角中点の決定までポンプを電動アクチュエータにより操舵補助速度に保持する必要がなく、省エネルギー性を向上できる。しかも、舵角中点を決定するためのトルクセンサが不要で、構造が複雑化したり大型化することはない。
【0013】
また、操舵部材が移動端に位置する時、すなわちステアリングホイールをロック位置まで回転させた時に、ポンプを電動アクチュエータにより待機速度に減速することで、ステアリングホイールをロック位置まで回転させた状態で据え切り等を行なう場合に、省エネルギー性を向上でき、電動アクチュエータの焼き付きを防止し、圧油の流動音を低減できる。
【0014】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0015】
図1、図2に示すラックピニオン式パワーステアリング装置1は、ステアリングホイールHに連結される入力軸2と、この入力軸2にトーションバー3を介し連結される出力軸4とを備えている。そのトーションバー3はピン5を介し入力軸2に連結され、また、セレーション6を介し出力軸4に連結されている。その出力軸4にピニオン7が形成され、このピニオン7に噛み合うラック(操舵部材)8の各端はラックハウジング10bの両端に形成された開口から突出する。そのラック8の各端にボールジョイント19a、19b、タイロッド等を介して操舵用車輪(図示省略)が連結される。その入力軸2はベアリング9を介しバルブハウジング10aに支持され、また、ブッシュ11を介し出力軸4に支持されている。その出力軸4はベアリング12、13を介しラックハウジング10bに支持されている。これにより、ハンドルHの操舵による入力軸2の回転はトーションバー3を介しピニオン7に伝達され、そのピニオン7の回転によりラック8は軸方向に移動する。このラック8の移動により車輪が転舵される。なお、その入出力軸2、4とバルブハウジング10aとの間にオイルシール14、15が設けられている。また、そのラック8を支持するサポートヨーク16が設けられ、このサポートヨーク16はバネ17の弾性力によりラック8に押し付けられている。
【0016】
図2に示すように、そのラックハウジング10bの内周とラック8の外周との間においてラック8にピストン20が取り付けられ、これにより、ピストン20によって仕切られる一対の油室21、22を有する操舵補助用油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)18が構成されている。その一方の油室21をシールするシール部材44の外方側において、ラックハウジング10bに環状のストッパー45が取り付けられている。そのストッパー45によって一方のボールジョイント19aがラックハウジング10bの内方に移動するのが阻止される。また、ラックハウジング10bの他方の開口の内周に段差10cが形成され、この段差10cに他方のボールジョイント19bが当接することで、ラック8のラックハウジング10bの内方への移動が阻止される。これにより、ラック8の軸方向移動量は一定範囲に規制されている。
【0017】
その油圧シリンダ18の各油室21、22は、配管46a、46bを介してロータリー式油圧制御弁23に接続されている。図1、図3に示すように、その制御弁23は、筒状の第1バルブ部材24と、この第1バルブ部材24に相対回転可能に挿入される第2バルブ部材25とを備えている。その第1バルブ部材24は出力軸4にピン26を介し同行回転可能に取り付けられている。その第2バルブ部材25は入力軸2の外周に一体に形成されている。
【0018】
その第1バルブ部材24の内周と第2バルブ部材25の外周とに軸方向に沿う複数の凹部が周方向等間隔に形成されている。
その第1バルブ部材側凹部は、互いに周方向等間隔に位置する4つの右操舵用凹部27と、互いに周方向等間隔に位置する4つの左操舵用凹部28とで構成される。
その第2バルブ部材側凹部は、互いに周方向等間隔に位置する4つの圧油供給用凹部29と、互いに周方向等間隔に位置する4つの圧油排出用凹部30とで構成される。
各右操舵用凹部27と各左操舵用凹部28とは周方向に交互に配置され、各圧油供給用凹部29と各圧油排出用凹部30とは周方向に交互に配置される。
各右操舵用凹部27は、第1バルブ部材24に形成された第1流路31およびバルブハウジング10aに形成された第1ポート32を介し、図1に示すように油圧シリンダ18の一方の油室21に通じ、各左操舵用凹部28は、第1バルブ部材24に形成された第2流路33およびバルブハウジング10aに形成された第2ポート34を介し油圧シリンダ18の他方の油室22に通じる。
各圧油供給用凹部29は、第1バルブ部材24に形成された第3流路35およびバルブハウジング10aに形成された入口ポート36を介し、図1に示すようにポンプ37に通じる。そのポンプ37は、モータ(電動アクチュエータ)50により駆動され、例えば、回転速度に応じた流量の圧油を吐出するベーンポンプにより構成できる。そのモータ50の駆動用電源として車載バッテリーが用いられる。
各圧油排出用凹部30は、第2バルブ部材25に形成された第1排出路38、入力軸2とトーションバー3の内外周間の通路47、図1に示す入力軸2に形成された第2排出路39、及びバルブハウジング10aに形成された排出ポート40を介しタンク41に通じる。
これにより、そのポンプ37、タンク41、及び油圧シリンダ18の各油室21、22が第1バルブ部材24と第2バルブ部材25の内外周間の弁間流路42を通じ連通する。
その弁間流路42における第1バルブ部材側凹部と第2バルブ部材側凹部の間は、両バルブ部材24、25の相対回転により開度が変化する絞り部A、B、C、Dとされ、その絞り部A、B、C、Dの開度変化により油圧シリンダ18に作用する油圧が制御される。
【0019】
図3は、操舵が行なわれていない舵角中点での両バルブ部材24、25の相対位置を示しており、この状態においては各圧油供給用凹部29と各圧油排出用凹部30とが全絞り部A、B、C、Dを介し連通するため、ポンプ37から供給された圧油は直接タンク41へ還流し操舵補助力は発生せず、そのため、ポンプ37を操舵補助に必要な操舵補助速度で駆動する必要はない。
【0020】
舵角中点から右方へ操舵すると、操舵トルクに応じトーションバー3は捩じれ、両バルブ部材24、25は相対回転する。その結果、各右操舵用凹部27と各圧油供給用凹部29との間の絞り部Aの開度および各左操舵用凹部28と各圧油排出用凹部30との間の絞り部Bの開度が大きくなり、各左操舵用凹部28と各圧油供給用凹部29との間の絞り部Cの開度および各右操舵用凹部27と各圧油排出用凹部30との間の絞り部Dの開度が小さくなる。これにより、ポンプ37から油圧シリンダ18の一方の油室21へ圧油が供給され、油圧シリンダ18の他方の油室22からタンク41へ圧油が還流され、車両の右方への操舵補助力がラック8に作用する。
【0021】
舵角中点から左方へ操舵すると、各絞り部A、B、C、Dの開度は右方へ操舵した場合と逆に変化するので、車両の左方への操舵補助力がラック8に作用する。
【0022】
図2に示すように、そのラック8の舵角中点からの軸方向移動量を検知する移動距離検知装置51が設けられている。この移動距離検知装置51は、例えば公知のインクリメンタル形のリニアエンコーダであって、格子スケール51aと、そのスケール51aの目盛りの読み取りパルスを発信するセンサ51bとを有するものにより構成できる。そのスケール51aはラック8に同行移動するように取り付けられ、そのセンサ51bはラックハウジング10bや車体等の固定側に取り付けられる。そのセンサ51bは、スケール51aに形成された基準目盛りを舵角中点において読み取って基準パルスを発信するように、スケール51aに対し配置されている。図1に示すように、そのセンサ51aは、コンピュータにより構成される制御装置52に接続される。
【0023】
その制御装置52に、車速センサ53と、前記ポンプ駆動用モータ50とが接続される。その制御装置52は、モータ50の制御プログラムを記憶する。その制御プログラムの一部として、一つの操舵補助条件と二つの操舵補助解除条件とを記憶する。制御装置52は、操舵補助条件の充足時に、操舵補助信号をモータ50にパワーアンプ(図示省略)を介して送り、これにより、モータ50を操舵補助信号に応じた制御電圧で駆動し、ポンプ37を待機速度から操舵補助速度まで増速する。また、制御装置52は、各操舵補助解除条件それぞれの充足時に、モータ50に送る操舵補助信号を解除することでポンプ37を待機速度に減速する。
【0024】
その操舵補助条件は、ラック8の舵角中点からの軸方向移動量が零を超えることにより充足される。
【0025】
第1の操舵補助解除条件は、ラック8の軸方向移動量が設定時間だけ零の場合に充足される。その設定時間は、無駄なポンプ37の増速を可及的に少なくできるように経験的に判断して設定すればよく、例えば1秒とされる。
【0026】
第2の操舵補助解除条件は、ラック8が移動端に位置する時にポンプ37をモータ50により待機速度に減速できるように設定される。本実施例では、ラック8が移動端近傍の予め設定した位置に達した時に第2の操舵補助解除条件は充足される。
【0027】
制御装置52は、車速センサ53により検知される車速に応じ、操舵補助時のモータ50の制御電圧を変化させる。すなわち、操舵補助時におけるモータ50の制御電圧に対応するポンプ37の操舵補助速度は、図4において実線Kで示すように車速に比例して減少し、車速が零において最大値Nmaxとされ、予め設定した車速Va以上では最小値Nminとされる。これにより、ポンプ37の操舵補助速度を車速に応じ変化させ、低車速では操舵補助力を大きくして車両の旋回性能を向上し、高速では操舵補助力を小さくして車両の走行安定性を向上している。また、制御装置52は、待機速度が一点鎖線Lで示すように操舵補助時における最小値Nminになるように、モータ50を駆動する。これにより、ポンプ37から送り出される圧油流量は、停車中の据え切り時は図5において実線Mで示すように、ラック8が移動端近傍の予め設定した位置±Eに達するまでは最大値Qmaxとされ、ラック8が移動端近傍の予め設定した位置±Eに達すると減少を開始し、移動端において最小値Qminとされる。また、一定の車速での走行中における圧油流量は、図5において実線Nで示すように、ラック8が移動端近傍の予め設定した位置±Eに達するまでは車速に対応する値Qnとされ、ラック8が移動端近傍の予め設定した位置±Eに達すると減少を開始して移動端において最小値Qminとされる。なお、操舵補助の開始時点においては、図中破線で示すように、圧油流量はラック8の舵角中点からの移動量に応じて次第に増加する。
【0028】
図6のフローチャートを参照し、ポンプ37のモータ50を介する制御手順を説明する。
【0029】
まず、エンジンを始動し(ステップ1)、モータ50によりポンプ37を待機速度にする(ステップ2)。次に、ラック8の移動量を検知し(ステップ3)、ラック8が舵角中点に位置するか否か判断する(ステップ4)。ラック8が舵角中点に位置すればステップ2に戻り、舵角中点に位置しなければ移動端近傍に達しているか否かを判断する(ステップ5)。ラック8が移動端近傍に達していればステップ2に戻り、移動端近傍に達していなければモータ50によってポンプ37を操舵補助速度に増速する(ステップ6)。次に、ラック8の移動量を検知し(ステップ7)、ラック8が舵角中点に位置するか否か判断する(ステップ8)。ラック8が舵角中点に位置すれば設定時間が経過したか否かを判断する(ステップ9)。なお、その設定時間が経過したか否かを判断する計時の進行途中に、ステップ8においてラック8が舵角中点に位置しないと判断された場合、その計時の進行はキャンセルされ、再度ステップ8において舵角中点に位置すると判断されてから新たに計時が進行する。その設定時間が経過していなければステップ6に戻る。その設定時間が経過していればステップ2に戻り、モータ50によってポンプ37を待機速度に減速する。ステップ8においてラック8が舵角中点に位置しないと判断された場合、移動端近傍に達しているか否かを判断する(ステップ10)。ラック8が移動端近傍に達していなければステップ6に戻り、移動端近傍に達していればステップ2に戻り、モータ50によってポンプ37を待機速度に減速する。
【0030】
上記構成によれば、操舵によるラック8の軸方向移動により車輪が転舵するので、そのラック8の舵角中点からの軸方向移動量を検知することで、操舵が行なわれているか否かを判断できる。これにより、モータ50によってポンプ37を操舵時のみ操舵補助速度にまで増速し、直進時においては待機速度まで減速することで省エネルギー性を向上できる。そのラック8の舵角中点からの軸方向移動量を検知する移動距離検知装置51として、予め基準点を設定可能なインクリメンタル形エンコーダ等を用いることができるので、舵角中点を決定する必要がなくなり、舵角中点の決定までポンプ37をモータ50により操舵補助速度に保持する必要がなく、省エネルギー性を向上できる。しかも、舵角中点を決定するためのトルクセンサが不要で、構造が複雑化したり大型化することはない。また、ラック8が移動端に位置する時、すなわちステアリングホイールHをロック位置まで回転させた時に、ポンプ37をモータ50により待機速度に減速でき、ステアリングホイールHをロック位置まで回転させた状態で据え切り等を行なう場合に、省エネルギー性を向上でき、モータ50の焼き付きを防止し、制御弁23における圧油の流動音を低減できる。
【0031】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、移動距離検知装置51はインクリメンタル形のリニアエンコーダに限定されず、ポテンショメータを介して得られるラック8の軸方向移動量に応じた電気信号を、A/D変換器によりデジタル信号に変換して制御装置52に送るものにより構成でき、この場合、パワーステアリング装置の組み立て時に舵角中点に対応する電気信号の基準値を制御装置52に記憶することで、制御装置52により舵角中点の決定を行なうことなく、その基準値からの変化に応じてラック8の舵角中点からの軸方向移動量を検知できる。また、直進走行時であっても路面の凹凸に対する応答時や、緩やかなカーブのコーナリング時は、操舵補助を行なうことなく省エネルギー性を向上するため、ラック8の軸方向移動量が零を超える値を超えることにより操舵補助条件が充足されるようにしてもよい。また、ラック8の軸方向移動量が零を超える値を超えることにより操舵補助条件が充足される場合は、ラック8の軸方向移動量が設定時間だけ、その零を超える値以下の場合に第1の操舵補助解除条件が充足されるようにしてもよい。また、ラック8が移動端に達した時に第2の操舵補助解除条件が充足されるようにしてもよい。また、ポンプ37の待機速度は零であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の油圧パワーステアリング装置の縦断面図
【図2】実施例の油圧パワーステアリング装置の正面図
【図3】図1のIII‐III線断面図
【図4】実施例のパワーステアリング装置のポンプ速度と車速との関係を示す図
【図5】実施例のパワーステアリング装置のラック移動距離と圧油流量との関係を示す図
【図6】実施例のパワーステアリング装置のポンプの制御手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1 パワーステアリング装置
18 油圧シリンダ
37 ポンプ
50 ポンプ駆動用モータ
51 移動距離検知装置
52 制御装置
53 車速センサ

Claims (1)

  1. 操舵により軸方向移動することで車輪を転舵させる操舵部材と、電動アクチュエータにより駆動されるポンプからの圧油によって操舵補助力を発生させる油圧アクチュエータと、そのポンプを電動アクチュエータにより操舵補助条件の充足時に操舵補助速度に増速すると共に操舵補助解除条件の充足時に待機速度に減速する手段とを備えるパワーステアリング装置において、
    その操舵部材の舵角中点からの軸方向移動量を検知する手段が設けられ、
    少なくとも二つの操舵補助解除条件を有し、一つの操舵補助解除条件は、直進時においてポンプを電動アクチュエータにより待機速度に減速できるように設定され、他の一つの操舵補助解除条件は、操舵部材が移動端に位置する時にポンプを電動アクチュエータにより待機速度に減速できるように設定され、
    その操舵部材の舵角中点からの軸方向移動量に応じて操舵補助条件を充足しているか否かを判断することを特徴とする油圧パワーステアリング装置。
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