JP3578951B2 - リング部材の自動歪み矯正装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械の旋回輪や旋回輪ベアリングなどの大型リング部材に生じた径歪みを自動的に矯正する矯正装置、とくにこれらの大型リング部材を誘導加熱焼入れした後、発生した焼入歪みを能率良く矯正するリング部材の自動歪み矯正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設機械の旋回輪などの大型リング部材は、歯形や転動面などを誘導加熱焼入れされて使用されている。この誘導加熱焼入れは全体焼入れより歪みが少ないとはいえ、焼入歪みの発生は避けられず、焼入れ後に径歪みを矯正する必要がある。従来、この矯正作業は、焼入れ後のリング径を大型ノギスやダイアルゲージなどで計測して歪み箇所を計測し、矯正プレスやジャッキにより加圧し、計測した歪み量に対応して目測で加圧変形量を変えて矯正された。そして、計測と矯正を繰り返して真円に近付けるという作業を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の矯正方法では、重量も径寸法も大きい旋回輪などの大型リング部材では、取り扱いに人手と手間を要するため、精密な矯正には非常に工数がかかり、かつ安全上も問題があった。
【0004】
そこで本発明は、このような大型リング部材でも、取り扱いが容易で簡易に短時間に、かつ精密に矯正できるリング部材の自動歪み矯正装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のリング部材の自動歪み矯正装置は、被矯正リング部材を積載して回転させる回転手段と、該リング部材の径歪み変形量を回転中に計測する歪み計測手段と、該リング部材の回転角位置を計測する回転角計測手段と、該リング部材の径歪みを矯正する矯正手段と、前記歪み計測手段の計測値信号と回転角計測手段の回転角信号により前記リング部材の歪み変形部の位置を前記矯正手段の矯正位置に対応させて前記回転手段を停止させる回転制御手段と、前記計測された歪み変形量に対応して前記矯正手段の矯正量を変える矯正量制御手段とを備え、前記被矯正リング部材を積載して回転させる回転手段は、前記リング部材の回転中心から放射状に配列された回転駆動される複数のテーパーローラからなり、該テーパーローラは、その軸方向の各位置におけるロール径が、前記リング部材の回転中心からの距離に比例した径のテーパーを有することを特徴とするものである。
【0006】
すなわち、本発明の自動歪み矯正装置は、回転手段により被矯正リング部材を回転して、回転しながらリング部材の歪み変形量、主として楕円形に変形した場合の長径と短径を歪み計測手段により計測する。そして、この計測したリング部材の歪み位置、通常は歪み変形量の最大位置、例えば楕円変形の場合は楕円周の短径部または長径部の位置が矯正プレスの矯正位置に対応するようにして回転角計測手段と回転制御手段によりリング部材の回転を停止する。そして、この位置で矯正手段を作動させ、短径部の場合は内側から拡径するように、長径部の場合は外側から圧縮するように矯正変形を与え、リング部材が真円に近くなるように矯正する。上記において、歪み変形とは焼入れなどで生じた歪みによる変形をいい、単に歪みともいう。また、矯正変形とは歪み変形を矯正するためにリング部材に与える変形をいう。なお、リング部材の歪み変形部を矯正位置に対応させるとは、必ずしも最大歪み位置だけでなく、設定した歪み量の位置に対応させることもできることをいう。
【0007】
この際に、矯正量制御手段により、歪み計測手段で計測された歪み変形量に対応させて矯正プレスのストロークを変えるなどして矯正変形量を変える。従来は歪み変形量の測定値から経験的に矯正変形量を変えて矯正したが、本発明装置では、自動的に計測された歪みの量が大きい場合には矯正プレスのストロークを大きくして矯正量を大きくし、歪みの量が小さい場合にはストロークを小さくして矯正量を小さくするなどにより経験の有無にかかわらず精密に矯正することができる。
【0008】
このように、被矯正リング部材を積載して回転させる回転手段を、リング部材の回転中心から放射状に配列された複数のテーパーローラにすれば、被矯正リング部材をテーパーローラ上に載置するだけでリング部材を摩擦により回転させることができる。このテーパーローラは放射状に配設され、ローラのテーパーはリング部材の回転中心からの距離に比例した径を有するので、ローラ面に平面で接するリング部材の内周と外周の円周速度差がテーパーローラのテーパー部の速度差と一致して、テーパーローラとリング部材との間で滑りを生ずることなく回転力を伝達できる。
【0009】
上記テーパーローラによる駆動方法にすれば、被矯正リング部材がテーパーローラだけで調心される。なお、さらに複数の調心ローラをリング部材の外周または内周に接するように配列することにより、リング部材の設定が簡易になり脱落防止などの安全が図られる。
【0010】
また、前記リング部材の回転位置を計測する回転計測手段は、回転するリング部材の円周面に接して回転する回転円板を有するエンコーダからなり、前記リング部材の径歪み変形量を計測する歪み計測手段は、前記回転するリング部材の円周面に接触する接触子を有するリニヤゲージからなることにより、簡易な機構でリング部材の回転の制御と径歪み量の計測ができる。このエンコーダの回転円板とリニヤゲージの接触子は、リング部材の内周または外周の円周面のいずれかに接触すればよい。
【0011】
前記リング部材の径歪みを矯正する矯正手段は、該リング部材の内周または外周側に配設されたプレスヘッドを移動させ、該リング部材を外側または内側に向けて加圧して歪みを矯正する矯正プレスからなり、前記矯正量制御手段は、前記最大歪み変形量の計測値に対応した設定値に前記プレスヘッドを移動させる制御を行うことが望ましい。
【0012】
即ち、本発明の矯正装置は、矯正プレスのプレスヘッドをテーパーローラ上に載置されるリング部材の内周または外周側に配設し、内周に設置したときは外側に、外周側に設置したときは内側にプレスのプレスヘッドを移動させることにより、リング部材を拡径または縮径するように変形させて歪みを矯正することができる。とくにプレスヘッドを内周側に配設すると、装置がコンパクトになり装置の設置面積が少なくて済む。そして、矯正量制御手段により、計測された歪み変形量が大きい場合にはプレスヘッドの移動量(ストローク)を大きくして矯正変形量を大きくし、歪み変形量が小さい場合にはプレスヘッドの移動量(ストローク)を小さくして矯正変形量を小さくするように、ヘッドの移動量を計測された歪み量に応じて変えるように制御することにより、経験の有無にかかわらず精密に矯正を行うことができる。
【0013】
このリング部材の径歪みを矯正する矯正プレスは、ねじれ方向の異なる2つの雄ねじ部が設けられたねじ軸と、該ねじ軸の回転により相互に近接または離間するように、それぞれ前記ねじれ方向の異なる雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有する2つのプレスヘッドを備えたスクリュープレスであることが簡易な機構で目的を達するために望ましい。こうすれば、ねじ軸に回転トルクを加えるだけで、矯正ヘッドの間隔が拡がり、または縮まる方向に移動されるので、被矯正リング部材を内周側から拡径するか、または外周側から縮径するかして歪み変形を矯正できる。
【0014】
本発明矯正装置は、被矯正リング部材を載置し、該リング部材を前記回転手段のテーパーローラ上に下げ置きまたはテーパーローラ上から持ち上げするように上下移動駆動されるリフタを設けることにより、大型重量物のリング部材をローラ面を傷つけることなく載置でき、取り扱いが容易になる。
【0015】
また、被矯正リング部材の設定された径歪み変形量の円周位置にマーキングするマーカーを備えることにより、例えばリング部材の最大歪みの位置あるいは局部歪みの位置を設定すれば、リング部材のその円周位置にマーキングできるので、矯正の際の判断が容易になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の一実施形態について具体的に説明する。図1は本発明実施形態のリング部材の自動歪み矯正装置の斜視図、図2はその平面図、図3は装置制御手段の構成を示すブロック図である。
【0017】
これらの図において、矯正プレス(矯正手段)20は、プレスねじ軸21と2個のプレスヘッド31、32からなる。プレスねじ軸21は、軸を水平にして装置のほぼ中心に延長して配設されている。以下、各部材の配置・構成の説明において解り易いようにプレスねじ軸21の軸心線を基準にして説明する。
【0018】
プレスねじ軸21は、軸のほぼ中央部を境にして、両側にねじれ方向の異なる右ねじと左ねじの雄ねじ22と23が設けられ、この雄ねじ22、23の中間と両端側が軸受25、24、26により回転自在に軸支されている。一端にはスプロケット27が設けられ、チエン28とスプロケット29を介してプレスモータ30により回転駆動される。
【0019】
2個のプレスヘッド31、32は、アンビル31a,32aが被矯正リング部材(以下ワークという)Wの内周に対向するようにそれぞれ背を向けて、ワークWの内周側に配設されている。2個のプレスヘッド31、32には、それぞれプレスねじ軸21の右ねじと左ねじの雄ねじ22、23に螺合する雌ねじ31b,32bが設けられている。これにより、プレスねじ軸21がプレスモータ30により正回転されると、ヘッド31、32の間隔が広がってアンビル31a,32aがワークWの内周に接してワークを押し拡げる。また逆回転すると、ヘッド31、32の間隔が縮まってアンビル31a,32aがワークWの内周から離れるように作用する。
【0020】
プレスねじ軸21の軸線を中心として対称の位置に、軸線に対して45度の角度をなしてワークWを積載する4本のテーパーローラ11A,11Bと11C,11Dがワークの回転中心から放射状に配設されている。4本のテーパーローラ11のローラ面は同一水平面にされ、ローラ面の高さはその上に積載されるワークWが矯正プレス20のアンビル31a,31bの高さになるようにして配設されている。テーパーローラ11は、その軸方向の各位置のロール径が、その位置のワークの回転中心からの距離に比例したテーパーを形成している。すなわち、テーパーローラ11によりワークが回転させられるとき、ワークWの内外周側でワークWとローラの間に滑りを生ずることがないようなテーパーを有している。テーパーローラ11の面長は、図に示すように最大径のワークW1から最小径のワークW2まで載置できるような長さを有している。4本のテーパーローラ11は、それぞれ同期回転するローラモータ12により回転駆動され、ローラ面に積載されたワークWを摩擦により回転させる回転駆動手段を構成している。
【0021】
プレスねじ軸21の軸線両側に配設されたテーパーローラ11A,11B,11C,11Dのローラ面にほぼ平行して、それぞれレール15A,15Bと15C,15Dが配置される。調心ローラ16を垂直に回転自在に保持したローラ台17が、調心ローラ移動モータ19(図1には図示しない)により、設定されたワークWの径に応じてレール15上をスライドして移動されるようになっている。またローラ台17は手動で移動させることもでき、ハンドル18により任意の位置でレールに固定できる。これにより、調心ローラ16は回転するワークWの外周に接してワークWの回転中心を維持するようになっている。
【0022】
前記プレスねじ軸21に対称に配設されたレール15A,15Bの間と、15C,15Dの間の位置とに、それぞれリフタ40が設けられている。リフタ40は、ワークWを載せる受け板41とこれを上下移動させるエアシリンダ42からなる。受け板41は、翼を広げた鳥形状の鋼板からなり、ワークWを受ける翼部41aと両側の翼部41aを結合する頭部41bとを有する。両側の翼部41aの側面がそれぞれレール15Aと15Bおよび15Cと15Dに沿うような形状にされている。翼部41aの側面の長さは、テーパーローラ11の面長にほぼ等しくされ、前記した径が大きいW1のリングでも、径が小さいW2のリングでも支持するようになっている。
【0023】
受け板41は頭部41bがエアシリンダ42により支持されて板面を水平にして上下移動駆動され、受け板41が上位置に上昇したときは板面がテーパーローラ11の面より高く、下位置に下降したときはテーパーローラ11の面より低くなるようにされている。これにより、上位置でワークWを載置し、受け板を下降するとワークWがテーパーローラ11の面上に載置され、受け板はさらに下がってワークWから離れて下の待機位置に位置する。
【0024】
回転計測手段を構成するローラ51を有するエンコーダ50は、垂直に直立して設けられた支持軸53に水平にスイング可能に設けられたアーム52に保持されている。アーム52は図示しないエアシリンダなどのエンコーダモータ54によりスイング駆動され、待機位置ではワークWから外れた位置にあり、ワークWが回転されると、ローラ51がワークWの外周に接する位置にスイングされ、ローラ51が回転してエンコーダ50によりワークWの回転角が計測される。
【0025】
また、アーム52にはマーカー54が併設され、エンコーダ52とリニアゲージ61とにより計測されたワークWの回転角と歪み変形量から、ワークWの設定された歪み量の位置にマーキングできるようになっている。
【0026】
プレスヘッド31、32のアンビル31a,32aに対向する位置に、ゲージ台63、63´に支持された、接触子62を有する2つのリニアゲージ61、61´が設けられて歪み計測手段を構成している。ゲージ台63、63´は、それぞれねじれ方向が逆の移動ねじ64、64´により、プレスねじ軸21の軸長方向に移動される。移動ねじ64、64´は、それぞれ一端に設けられたスプロケット65、チエン66および図では隠れた位置にあるスプロケット67を介してゲージ移動軸68により回転駆動される。ゲージ移動軸68はゲージ移動モータ70により駆動され、またハンドル69により手動で回転することもできる。これにより、ゲージ移動軸68が回転駆動されると移動ねじ64と64´が回転するが、移動ねじ64、64´のねじれ方向が逆であるので、ゲージ台63、63´は近接したり離間したりして、ワークWの径の大小に応じてリニアゲージ61、61´の間隔が調整される。両側のリニアゲージ61、61´の計測値が補償されて、リニアゲージ61、61´間に挟まれるワークWの径の絶対値が計測されるようになっている。
【0027】
上記の装置全体の各機器の動作を制御する装置制御手段4は、図3のように構成されている。図3において、ワークWの回転を制御する回転制御部(回転制御手段)56は、CPU5の信号によりローラモータ12を駆動してテーパーローラ11上に積載されたワークWを回転させ、その回転角をエンコーダ51(回転計測手段)により計測し、リニヤーゲージ61、61´からなる歪み測定部(歪み量計測手段)が計測した最大歪み位置のワーク回転角を記憶し、この最大歪み位置を矯正プレス20のプレスヘッド31の位置で停止させるように、ローラモータ12を駆動制御する。
【0028】
ヘッド制御部(矯正量制御手段)35は、CPU5の信号によりプレスモータ30を駆動して、プレスヘッド31、32をワークWの径を拡径するように移動させ、ワーク内周にプレス圧力を加えワークWに矯正変形を与えて矯正する。
【0029】
この際に、ヘッド制御部35はプレスモータ30の回転を制御して、プレスねじ軸21の回転量を変える。これによって、プレスヘッド31、32は歪み測定部(歪み量計測手段)60が計測した最大歪み量に対応して設定された移動量(ストローク)だけ移動する。すなわち、歪み量が大きいときはストロークを大きくして矯正変形量を大きくし、歪み量が小さいときはストロークを小さくして矯正変形量を小さくすることにより矯正後のワークWを真円に近づける。この歪み量と矯正変形量の関係は、ワークWの肉厚、強度などにより異なるため、実験的に定めて設定部8に入力することにより毎回自動的に設定される。
【0030】
装置制御手段4のその他の構成については、以下の動作の説明の中で詳細説明する。
【0031】
以下、上記構成の本発明の自動矯正装置の動作について、図4のフローチャートを用いて具体的に説明する。
【0032】
まず、作業開始前に、ワークWの外径、内径などの諸元と、スプリングバックを考慮して歪み変形量に対応してワークに与えるプレス変形量(プレスヘッドの移動量)の設定数値を設定部8によりCPUに入力する(STEP1)。このとき、リフタ40の受け板41は上位置に上昇して待機位置にある。この位置でワークWを受け板41の上に載置する(STEP2)。
【0033】
作業開始でスタートボタン7を押すと(STEP3)、リフタシリンダ42が作動して受け板41が下降し(STEP4)、下位置で停止する(STEP5)。これにより、ワークWは受け板41から離れてテーパーローラ11上に載置される。
【0034】
続いて調心ローラ移動モータ19が駆動されて、調心ローラ16が移動し(STEP6)、設定部8に入力されたワークWの外径に対応した位置(STEP7)で停止する(STEP8)。これにより、ワークWの中心がねじ軸線上で回転中心になるように位置決めされる。この調心ローラ16の移動は、手動で行いハンドル69により所定位置に固定することもできる。
【0035】
同時にゲージ移動モータ70によりゲージ移動軸68が駆動されて、歪み測定部60のリニアゲージ61、61´(歪み測定部60)が前進し(STEP6´)、接触子62がワークWに接触したことを歪み測定部60が検出すると(STEP7´)、ゲージ移動モータ70が停止され、リニアゲージ61、61´(歪み測定部60)が停止する(STEP8´)。このとき、数値表示部6に測定値が表示される。ゲージ移動軸68の駆動をハンドル69により手動で行い、数値表示部6の表示を見ながらリニアゲージ61、61´を移動して固定することもできる。
【0036】
さらに同時に、エンコーダモータ54によりアーム52がスイングされて(STEP6”)、エンコーダローラ51がワークWの外周に接する(STEP8”)。
【0037】
調心ローラ16とリニアゲージ61、61´が所定位置に停止し、エンコーダローラ51がワークWの外周に接すると、続いてローラモータ12によりテーパーローラ11が回転起動され、ワークWがその径中心を心として回転する(STEP9)。そして回転しながらリニアゲージ61、61´によりワークWの外径が計測される(STEP10)。このとき、両側のリニアゲージ61と61´の計測数値が補償されてワークW外径の絶対値と設定値からのずれの数値とがCPUに入力され、数値表示部6に表示される。
【0038】
本発明の矯正装置では、リング部材の異常な局部的な歪み変形の矯正は構造上困難であり、原則的に楕円状の歪み変形だけが矯正できる。したがって、上記の外径計測において、楕円状変形か局部変形かが判断される。ここで局部変形と計測された場合はステップ31以降のようになるが、この場合については後述する。
【0039】
歪み測定部60により歪み変形が楕円状であると判断されると(STEP10)、エンコーダ50により最小径の円周位置(最大歪み位置)が検出され(STEP11)、この位置をプレスヘッド31、32の位置に一致させてローラモータ12が停止され、ワークWの回転が停止する(STEP12)。
【0040】
ワークWが停止すると、プレスモータ30が正回転駆動され、プレスねじ軸21が回転してプレスヘッドが互いに離れてワークWの内周に接するように前進移動し(STEP13)、設定移動量の位置で停止する(STEP14)。この移動量は前記の歪み変形量に応じてスプリングバックを考慮して設定部8に入力されたストロークになるようにCPUにより制御される。すなわち、歪み変形量が大きいときは基準内径からの移動値を大きくしてプレス変形加工量を多くし、歪み変形量が小さいときは基準内径からの移動値を小さくしてプレス変形加工量を少なくして、スプリングバック後に真円になるように考慮される。このように、歪み変形量に適応した加工変形が加えられるので、一度のプレス矯正により、能率よく真円に近付けることができる。
【0041】
こうしてプレス加圧により矯正変形が与えられた後、プレスヘッドが待機位置に後退して(STEP15)、第1回の矯正が完了する。
【0042】
そして、再びテーパーローラ11が駆動されてワークWが回転され(STEP16)、STEP10と同様にワークWは回転した状態で歪み変形量が測定される(STEP17)。
【0043】
この歪み測定値が規定値内であれば、テーパーローラ11は停止される(STEP18)。ワークWが停止すると、エンコーダ50がスイングして離脱され(STEP19)、調心ローラ16とリニアゲージ61、61´が後退して所定待機位置で停止する(STEP20、21)。そして、自動でリフタが上昇し(STEP22)、ワークWを取り外して(STEP23)、矯正が完了する(STEP24)。
【0044】
前記第1回の矯正後の歪み変形量の測定数値が、なお規格内にないときは、再びSTEP11からSTEP17までの動作が繰り返され、変形が規格値内になると矯正を完了する(STEP18〜24)。
【0045】
歪み測定部60により歪み変形が局部的歪み変形で楕円状でないと判断されると(STEP10)、STEP31〜39の工程に移る。即ち、その局部歪みの変形位置が検出され(STEP31)、テーパーローラ11が停止される(STEP32)。そして、歪み量が記録されると共にワークWのその位置にマーカー55によりマーキングされ(STEP33)、エンコーダ50、調心ローラ16およびリニアゲージ61が後退する(STEP34、35、36)。続いて、リフタ40の受け板41aが上昇され(STEP37)、ワークWは取り下ろされる(STEP38)。この場合、ワークWはその処分方法が検討される(STEP39)。
【0046】
なお、楕円状でない局部的歪みの場合にも、本装置で矯正可能と判断された場合には、前記のマーキング位置を目印として、前記のSTEP13〜24の動作を行って矯正することができる。
【0047】
【実施例】
外径1516mm×内径1312mm×厚さ123mmの内歯車を誘導加熱により歯形焼入れを行ったリング部材について試験した。その焼入れ後の楕円量は2.0mmであった。このように、大型リングにかかわらず歪み量が小さいのは、誘導加熱焼入れでかつ拘束焼入れを行っているためであるが、なお、楕円量で0.3mm以下であることが要求される。
【0048】
上記焼入れ後のリングを、本発明装置により楕円量で0.3mm以下に矯正した結果は1人で3分で矯正できた。同様な矯正が、従来は1人で20分を要した。このように本実施例によれば、矯正作業工数が従来より85%低減でき、安全性も大幅に向上した。
【0049】
なお上記実施形態では、プレスヘッドをワークWの内周側に配設して、ワークWを拡径して矯正したが、プレスヘッドをワークWの外周側に配設して、ワークWを圧縮して矯正するようにすることもできる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、従来旋回輪などのように重量や径寸法が大きい大型リング部材の焼入れ後の歪み矯正には、取り扱いと測定に人手と手間を要しコストがかかったが、本発明のリング部材の自動矯正装置によれば、人手を要せず簡易に短時間に、安全にかつ精密に矯正できる。これにより、大型リング部材の焼入れにおけるコストを大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のリング部材の自動矯正装置の斜視図である。
【図2】本発明実施形態のリング部材の自動矯正装置の平面図である。
【図3】本発明実施形態のリング部材の自動矯正装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明実施形態のリング部材の自動矯正装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
W ワーク(被矯正リング部材)、4 装置制御手段、5 CPU、6 表示部、7 スタート釦、8 設定部、11A,11B,11C,11D テーパーローラ、12 ローラモータ、15 レール、16 調心ローラ、17 ローラ台、18 ハンドル、19 調心ローラ移動モータ、20 矯正プレス、21 プレスねじ軸、22 雄ねじ(右ねじ)、23 雄ねじ(左ねじ)、24、25、26 軸受、27、29 スプロケット、28 チエン、30 プレスモータ、31、32 プレスヘッド、31a、32a プレスアンビル、35 ヘッド制御部(矯正量制御手段)、40 リフタ、41 受け板、41a 翼部、41b 頭部、42 エアシリンダ、50 エンコーダ、51 エンコーダローラ、52 アーム、53 支持軸、54 エンコーダモータ、55 マーカー、56回転制御部(回転制御手段)、60 歪み測定部(歪み変形計測手段)、61、61´ リニアゲージ、62 接触子、63、63´ ゲージ台、64、64´ 移動ねじ、65、67 スプロケット、66 チエン、68 ゲージ移動軸、69 ハンドル、70 ゲージ移動モータ

Claims (6)

  1. 被矯正リング部材を積載して回転させる回転手段と、該リング部材の径歪み変形量を回転中に計測する歪み計測手段と、該リング部材の回転角位置を計測する回転角計測手段と、該リング部材の径歪みを矯正する矯正手段と、前記歪み計測手段の計測値信号と回転角計測手段の回転角信号により前記リング部材の歪み変形部の位置を前記矯正手段の矯正位置に対応させて前記回転手段を停止させる回転制御手段と、前記計測された歪み変形量に対応して前記矯正手段の矯正量を変える矯正量制御手段とを備え、前記被矯正リング部材を積載して回転させる回転手段は、前記リング部材の回転中心から放射状に配列された回転駆動される複数のテーパーローラからなり、該テーパーローラは、その軸方向の各位置におけるロール径が、前記リング部材の回転中心からの距離に比例した径のテーパーを有することを特徴とするリング部材の自動歪み矯正装置。
  2. 前記リング部材の回転位置を計測する回転計測手段は、回転するリング部材の円周面に接して回転する回転円板を有するエンコーダからなり、前記リング部材の径歪み変形量を計測する歪み計測手段は、前記回転するリング部材の円周面に接触する接触子を有するリニヤゲージからなることを特徴とする請求項1に記載のリング部材の自動歪み矯正装置。
  3. 前記リング部材の径歪みを矯正する矯正手段は、該リング部材の内周または外周側に配設されたプレスヘッドを移動させ、該リング部材を外側または内側に向けて加圧して歪みを矯正する矯正プレスからなり、前記矯正量制御手段は、前記歪み変形量の計測値に対応した設定値に前記プレスヘッドを移動させる制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のリング部材の自動歪み矯正装置。
  4. 前記リング部材の径歪みを矯正する矯正プレスは、ねじれ方向の異なる2つの雄ねじ部が設けられたねじ軸と、該ねじ軸の回転により相互に近接または離間するように、それぞれ前記ねじれ方向の異なる雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有する2つのプレスヘッドを備えたスクリュープレスであることを特徴とする請求項3に記載のリング部材の自動歪み矯正装置。
  5. 被矯正リング部材を載置し、該リング部材を前記回転手段のテーパーローラ上に下げ置きまたはテーパーローラ上から持ち上げするように上下移動駆動されるリフタが設けられたことを特徴とする請求項1に記載のリング部材の自動歪み矯正装置。
  6. 被矯正リング部材の設定された径歪み変形量の円周位置にマーキングするマーカーを備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のリング部材の自動歪み矯正装置。
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