JP3577199B2 - 流体圧制御弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮空気のパイロット圧によって作動流体の流れを制御する流体圧制御弁に関し、特に、バルブステムの移動速度を抑制することにより水撃現象を緩和したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧縮空気のパイロット圧によって作動流体の流れを制御する流体圧制御弁の一つに、高圧な作動流体の流れを2つの方向に制御する空気圧パイロット操作切換弁(3ポート弁)がある。ここでは、その一例として、図4の内部構造をもった空気圧パイロット操作切換弁100について説明する。
【0003】
図4の空気圧パイロット操作切換弁100は、復帰状態の内部構造を示したものである。すなわち、空気圧パイロット操作切換弁100においては、バルブステム101の復帰力として、スプリング102の弾性力が、ピストン103を介し、バルブステム101に対して、復帰方向(図の上方向)に常に作用している。この結果、バルブステム101が、第2弁座104とは着接して閉塞させる一方、第1弁座105とは離間して開放させる。
【0004】
従って、図4の復帰状態の空気圧パイロット操作切換弁100は、Cポート106から流入した高圧な作動流体(例えば、7.0MPa前後)に対し、第2弁座104のオリフィス104Aと連通するAポート107への流れを阻止し、第1弁座105のオリフィス105Aと連通するBポート108への流れを許可する。このとき、第2弁座104に着接したバルブステム101には、高圧な作動流体からの面圧を復帰方向(図の上方向)に受けている。よって、かかる面圧がバルブステム101の復帰力に加わることによって、バルブステム101が第2弁座104に着接した状態を安定させることができる。
【0005】
一方、図4の復帰状態の空気圧パイロット操作切換弁100において、図示しない電磁弁をONさせると、圧縮空気口109を介して、パイロット圧の源である圧縮空気(例えば、0.30MPa程度)がシリンダ室111に供給される。そして、シリンダ室111に供給された圧縮空気によるパイロット圧が、ピストン103を介し、バルブステム101に対して、上述した復帰力より大きい反復帰力を反復帰方向(図の下方向)に作用させる。
【0006】
この結果、空気圧パイロット操作切換弁100は、図4の復帰状態から図5の反復帰状態に移行して、バルブステム101は、第2弁座104とは離間して開放させる一方、第1弁座105とは着接して閉塞させる。尚、スプリング102周囲の空気は、通気口110を介して、外部へ排出される。
【0007】
従って、図8の反復帰状態の空気圧パイロット操作切換弁100は、Cポート106から流入した高圧な作動流体に対し、第2弁座104のオリフィス104Aと連通するAポート107への流れを許可し、第1弁座105のオリフィス105Aと連通するBポート108への流れを阻止する。
【0008】
このとき、第1弁座105に着接したバルブステム101には、高圧な作動流体からの面圧を復帰方向(図の上方向)に受けていない。なぜなら、バルブステム101のロッド部101Aの断面積と第1弁座105のオリフィス105Aの断面積を同じにすることで、第1弁座105に着接したバルブステム101に対して、高圧な作動流体からの面圧が作用しないようにしているからである。
【0009】
この結果、第1弁座105に着接した際のバルブステム101の復帰力は、スプリング102の弾性力のみで構成されるから、シリンダ室111の圧縮空気のパイロット圧によるバルブステム101の反復帰力はほとんど減殺されることがない。従って、バルブステム101が第1弁座105に着接した状態を安定させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100では、図5の反復帰状態から図4の復帰状態に移行する際に、水撃現象が発生する問題点があった。すなわち、図5の反復帰状態の空気圧パイロット操作切換弁100において、図示しない電磁弁をOFFさせると、圧縮空気口109を介して、パイロット圧の源である圧縮空気がシリンダ室111から排出される。従って、シリンダ室111の圧縮空気のパイロット圧が減少するので、バルブステム101に作用する反復帰力も小さくなる。
【0011】
そして、第1弁座105に着接した際のバルブステム101に対して作用する復帰力よりも小さくなると、バルブステム101が復帰方向(図の上方向)へ移動を開始し、この結果、空気圧パイロット操作切換弁100は、図5の反復帰状態から図4の復帰状態に移行し、バルブステム101は、第2弁座104とは着接して閉塞させる一方、第1弁座105とは離間して開放させる。尚、スプリング102周囲へは、通気口110を介して、外部から空気が流入する。
【0012】
ここで、第1弁座105に着接した際のバルブステム101の復帰力は、上述したように、スプリング102の弾性力のみで構成されている。従って、バルブステム101が復帰方向(図の上方向)へ移動を開始した直後においては、シリンダ室111の圧縮空気のパイロット圧は、スプリング102の弾性力でさえ抵抗できない程に低くなっている。さらに、復帰方向(図の上方向)へ移動を開始した直後のバルブステム101には、第1弁座105のオリフィス105Aの断面と接していた下端表面に改めて高圧な作動流体が接するので、高圧な作動流体からの面圧が復帰方向(図の上方向)に作用することになる。
【0013】
従って、復帰方向(図の上方向)の抵抗が殆どない状態のバルブステム101に対して、高圧な作動流体からの面圧が復帰方向(図の上方向)に作用するので、バルブステム101は復帰方向(図の上方向)へ急速に移動し、第2弁座104を急閉塞させる。これにより、高圧な作動流体の流れが一時的に急遮断されたような状態となるので、空気圧パイロット操作切換弁100に接続された管内に急激な圧力変化が起こり、水撃現象が発生する。
【0014】
このような問題点に対しては、シリンダ室111の圧縮空気のパイロット圧がまだ高い状態にあるうちに、バルムステム101の復帰方向(図の上方向)への移動を開始させることができれば、復帰方向(図の上方向)へ移動中のバルムステムは、ピストン103を介して、シリンダ室111の圧縮空気のパイロット圧から大きな抵抗を受けることができる。その結果、復帰方向(図の上方向)へのバルブステム101の移動速度が抑制されて、第2弁座104が急閉塞しないようにすることが可能となる。
【0015】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、シリンダ室の圧縮空気のパイロット圧がまだ高い状態にあるうちに、バルムステムの復帰方向への移動を開始させることによって、バルムステムが復帰方向への移動した際に生じる水撃現象を緩和した流体圧制御弁を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために成された請求項1に係る流体圧制御弁は、圧縮空気のパイロット圧からバルブステムに作用する反復帰力が、第1弁座に着接した際の前記バルブステムに作用する復帰力より小さくなったときに、前記バルブステムが復帰方向へ移動を開始することによって、前記バルブステムが前記第1弁座から離間し第2弁座に着接する流体圧制御弁であって、前記第1弁座に着接した際の前記バルブステムにおける、作動流体により復帰方向に作用する受圧面積を、作動流体により反復帰方向に作用する受圧面積より大きくしたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項2に係る流体圧制御弁は、請求項1に記載する流体圧制御弁であって、前記第1弁座に設けられたオリフィスの断面積が前記バルブステムのロッドの断面積より小さいことを特徴とする。
【0018】
また、請求項3に係る流体圧制御弁は、請求項1又は請求項2に記載する流体圧制御弁であって、3ポート弁であることを特徴とする流体圧制御弁。
【0019】
このような構成を有する本発明の流体圧制御弁では、常時、復帰力がバルブステムに対して復帰方向に作用している。従って、かかる復帰力をもって、バルブステムは第2弁座に着接している。そして、パイロット圧の源である圧縮空気の供給が行われると、パイロット圧が起因となって、かかる復帰力より大きい反復帰力がバルブステムに対して反復帰方向に作用する。これにより、バルブステムが反復帰方向へ移動を開始し、その結果、第2弁座とは離間する一方、第1弁座とは着接する。
【0020】
この状態で、パイロット圧の源である圧縮空気の供給が遮断されると、パイロット圧の減少に伴い、バルブステムに作用する反復帰力も小さくなる。さらに、弁座に着接した際のバルブステムに作用する復帰力よりも小さくなると、バルブステムが復帰方向へ移動を開始し、その結果、第2弁座とは着接する一方、第1弁座とは離間する。
【0021】
ただし、本発明の流体圧制御弁においては、第1弁座に着接した際のバルブステムに対して、作動流体からの面圧が復帰方向に作用している。従って、第1弁座に着接した際のバルブステムに作用する復帰力は、従来技術のものと比べて、大きなものとなる。これにより、パイロット圧の源である圧縮空気の供給が遮断されてから、バルブステムに作用する反復帰力が、第1弁座に着接した際のバルブステムに作用する復帰力より小さくなるまでに要する時間は、従来技術のものと比べて、短くなる。
【0022】
従って、従来技術のものと比べて、パイロット圧がまだ高い状態にあるときに、バルムステムが復帰方向へ移動を開始することになる。まだ高い状態にあるパイロット圧は、復帰方向へ移動中のバルブステムに対して、ある程度の大きさの反復帰力を反復帰方向に作用させるので、所謂「ダンパー」のような働きをする。以上より、従来技術のものと比べて、バルムステムが復帰方向へ移動する速度は遅くなり、その結果、第2弁座を急閉塞させない。
【0023】
また、第1弁座に着接した際のバルブステムの表面においては、少なくとも第1弁座のオリフィスの断面積分は作動流体と接していないので、作動流体が第1弁座のオリフィスの断面積分に及ぼす面圧(復帰方向のもの)を受けていない。従って、バルブステムが復帰方向へ移動したときには、少なくとも第1弁座のオリフィスの断面積分のバルブステムの表面が作動流体と改めて接することになる。よって、復帰方向へ移動中のバルブステムは、第1弁座のオリフィスの断面積分の表面に及ぼす作動流体からの面圧を、加速力として受けることを避けられない。
【0024】
しかし、第1弁座のオリフィスの断面積をバルブステムのロッドの断面積より小さくすることによって、第1弁座に着接した際のバルブステムに対して、作動流体からの面圧を復帰方向に作用させた場合には、復帰方向へ移動中のバルブステムが作動流体と改めて接する表面の面積がより小さくなって、復帰方向へ移動中のバルブステムが受ける加速力をより小さくすることができるから、バルムステムが復帰方向へ移動する速度をより遅くすることができる。
【0025】
すなわち、本発明の流体圧制御弁では、第1弁座に着接した際のバルブステムに対して、作動流体からの面圧を復帰方向に作用させたことによって、従来技術のものと比べて、シリンダ室の圧縮空気のパイロット圧がまだ高い状態にあるうちに、バルムステムの復帰方向への移動を開始させることができ、これにより、バルムステムの復帰方向への移動速度が遅くなって、第2弁座が急閉塞することはなくなるので、バルムステムが復帰方向への移動した際に生じる水撃現象を緩和することができる。
【0026】
また、従来技術のものと比べて、バルムステムの復帰方向への移動速度を遅くさせたことは、さらに、バルムステムが第2弁座に着接する際に生じる衝撃をも小さくすることができる。
【0027】
また、第1弁座のオリフィスの断面積をバルブステムのロッドの断面積より小さくすることによって、第1弁座に着接した際のバルブステムに対して、作動流体からの面圧を復帰方向に作用させた場合には、復帰方向へ移動中のバルブステムが受ける加速力がより小さくなって、バルムステムが復帰方向へ移動する速度をより遅くすることができるから、上述した効果が大となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。先ず、本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁10(流体圧制御弁に相当する)の内部構造を、図1、図2に示す。本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁10は、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)と同様に、圧縮空気のパイロット圧によって、高圧な作動流体(例えば、7.0MPa前後)の流れを2つの方向に制御する3ポート弁である。図1は、反復帰状態の空気圧パイロット操作切換弁10の内部構造を示す図である。また、図2は、復帰状態の空気圧パイロット操作切換弁10の内部構造を示す図である。
【0029】
図2の復帰状態の空気圧パイロット操作切換弁10においては、バルブステム11の復帰力として、スプリング12の弾性力が、ピストン13を介し、バルブステム11に対して、復帰方向(図の上方向)に常に作用している。この結果、バルブステム11が、第2弁座14とは着接して閉塞させる一方、第1弁座15とは離間して開放させる。
【0030】
従って、図2の復帰状態の空気圧パイロット操作切換弁10では、Cポート16から流入した高圧な作動流体に対し、第2弁座14のオリフィス14Aと連通するAポート17への流れを阻止し、第1弁座15のオリフィス15Aと連通するBポート18への流れを許可する。このとき、第2弁座14に着接したバルブステム11には、高圧な作動流体からの面圧を復帰方向(図の上方向)に受けている。よって、かかる面圧がバルブステム11の復帰力に加わることによって、バルブステム11が第2弁座14に着接した状態を安定させることができる。
【0031】
一方、図2の復帰状態の空気圧パイロット操作切換弁10において、図示しない電磁弁をONさせると、圧縮空気口19を介して、パイロット圧の源である圧縮空気(例えば、0.30MPa程度)がシリンダ室21に供給される。そして、シリンダ室21に供給された圧縮空気のパイロット圧は、ピストン13を介し、バルブステム11に対して、上述した復帰力より大きい反復帰力を反復帰方向(図の下方向)に作用させる。
【0032】
この結果、空気圧パイロット操作切換弁10は、図2の復帰状態から図1の反復帰状態に移行し、バルブステム11は、第2弁座14とは離間して開放させる一方、第1弁座15とは着接して閉塞させる。尚、スプリング12周囲の空気は、通気口20を介して、外部へ排出される。
【0033】
従って、図1の反復帰状態の空気圧パイロット操作切換弁10では、Cポート16から流入した高圧な作動流体に対し、第2弁座14のオリフィス14Aと連通するAポート17への流れを許可し、第1弁座15のオリフィス15Aと連通するBポート18への流れを阻止する。
【0034】
ただし、このとき、第1弁座15に着接したバルブステム11は、高圧な作動流体からの面圧を復帰方向(図の上方向)に受けている。なぜなら、バルブステム11のロッド部11Aの断面積より第1弁座15のオリフィス15Aの断面積を小さくすることによって、第1弁座15に着接したバルブステム11に対して、高圧な作動流体からの面圧が復帰方向(図の上方向)に作用するようにしているからである。
【0035】
従って、この結果、第1弁座15に着接した際のバルブステム11の復帰力は、スプリング12の弾性力と高圧な作動流体からの面圧で構成されるから、シリンダ室21の圧縮空気のパイロット圧によるバルブステム11の反復帰力は減殺されることになる。しかし、バルブステム11が第1弁座15に着接した状態を維持でいないほどの減殺ではないので、Cポート16から流入した高圧な作動流体の流れには影響しない。
【0036】
また、図2の反復帰状態の空気圧パイロット操作切換弁10において、図示しない電磁弁をOFFさせると、圧縮空気口19を介して、パイロット圧の源である圧縮空気がシリンダ室21から排出される。従って、シリンダ室21の圧縮空気のパイロット圧が減少するので、バルブステム11に作用する反復帰力も小さくなる。
【0037】
そして、第1弁座15に着接した際のバルブステム11に作用する復帰力よりも小さくなると、バルブステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動を開始し、この結果、空気圧パイロット操作切換弁10は、図1の反復帰状態から図2の復帰状態に移行し、バルブステム11は、第2弁座14とは着接して閉塞させる一方、第1弁座15とは離間して開放させる。尚、スプリング12周囲へは、通気口20を介して、外部から空気が流入する。
【0038】
ここで、第1弁座15に着接した際のバルブステム11の復帰力は、上述したように、スプリング12の弾性力と高圧な作動流体からの面圧で構成されている。従って、第1弁座15に着接した際のバルブステム11に作用する復帰力は、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)と比べて、大きなものとなる。これにより、パイロット圧の源である圧縮空気の供給が遮断されてから、バルブステム11に作用する反復帰力が、第1弁座15に着接した際のバルブステム11に作用する復帰力より小さくなるまでに要する時間は、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)と比べて、短くなる。
【0039】
図3のt/Tは、圧縮空気の供給が遮断されてからバルムステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動を開始するまでに要する時間tを、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)における時間Tに対する比をもって示した値である。
【0040】
尚、図3においては、3つのポートの大きさが、「Rc1」のもので比較している。また、比較条件として、7.0MPaの作動流体と、0.25MPaの圧縮空気とを使用している。さらに、本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁10においては、第1弁座15のオリフィス15Aの断面積はバルブステム11のロッド部11Aの断面積より小さく、その比は「約0.64」である。一方、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)においては、第1弁座105のオリフィス105Aの断面積はバルブステム101のロッド部101Aの断面積と同じであり、その比は「1」である。
【0041】
これらの図3における条件は、後述する図3のv/V、b/B、h/Hにおいても同様である。
【0042】
図3のt/Tより、本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁10においては、バルムステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動することを、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)よりも、5割ほど早く開始していることがわかる。従って、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)と比べて、パイロット圧がまだ高い状態にあるときに、バルムステム11が復帰方向へ移動を開始している。
【0043】
また、図3のv/Vは、バルムステム11の復帰方向(図の上方向)への移動速度vを、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)における移動速度Vに対する比をもって示した値である。
【0044】
図3のv/Vより、本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁10においては、バルムステム11の復帰方向(図の上方向)への移動速度vが、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)の移動速度Vに対して、2割ほどしかないことがわかる。
【0045】
なぜなら、まだ高い状態にあるパイロット圧は、復帰方向(図の上方向)へ移動中のバルブステム11に対して、ある程度の大きさの反復帰力を反復帰方向に作用させるので、所謂「ダンパー」のような働きをするからである。以上より、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)と比べて、バルムステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動する速度vは遅くなり、その結果、第2弁座14を急閉塞させない。これにより、高圧な作動流体の流れが一時的に急遮断されたような状態を回避できる。
【0046】
以上詳細に説明したように、本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁10では、常時、復帰力がバルブステム11に対して復帰方向(図の上方向)に作用している。従って、かかる復帰力をもって、バルブステム11は第2弁座14に着接している(図2参照)。そして、パイロット圧の源である圧縮空気の供給が行われると、パイロット圧が起因となって、かかる復帰力より大きい反復帰力がバルブステム11に対して反復帰方向(図の下方向)に作用する。これにより、バルブステム11が反復帰方向(図の下方向)へ移動を開始し、その結果、第2弁座14から離間して第1弁座15に着接する(図1参照)。
【0047】
この反復帰状態で、パイロット圧の源である圧縮空気の供給が遮断されると、パイロット圧の減少に伴い、バルブステム11に作用する反復帰力も小さくなる。さらに、第1弁座15に着接した際のバルブステム11に作用する復帰力よりも小さくなると、バルブステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動を開始し、その結果、第1弁座15から離間して第2弁座14に着接する(図2参照)。
【0048】
ただし、本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁10においては、第1弁座15に着接した際のバルブステム11に対して、作動流体からの面圧が復帰方向(図の上方向)に作用するようになっている。従って、第1弁座15に着接した際のバルブステム11に作用する復帰力は、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)と比べて、大きなものとなる。
【0049】
これにより、パイロット圧の源である圧縮空気の供給が遮断されてから、バルブステム11に作用する反復帰力が第1弁座15に着接した際のバルブステム11に作用する復帰力より小さくなるまでに要する時間tは、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)における時間Tと比べて、短くなる(図3のt/T参照)。
【0050】
従って、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)と比べて、パイロット圧がまだ高い状態にあるときに、バルムステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動を開始することになる。まだ高い状態にあるパイロット圧は、復帰方向(図の上方向)へ移動中のバルブステム11に対して、ある程度の大きさの反復帰力を反復帰方向(図の下方向)に作用させるので、所謂「ダンパー」のような働きをする。以上より、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)と比べて、バルムステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動する速度は遅くなり(図3のv/V参照)、その結果、第2弁座14を急閉塞させない。
【0051】
また、図2の反復帰時の空気圧パイロット操作切換弁10において、第1弁座15に着接した際のバルブステム11の下端表面では、少なくとも第1弁座15のオリフィス15Aの断面積分は作動流体と接していないので、作動流体が第1弁座15のオリフィス15Aの断面積分に及ぼす面圧(復帰方向(図の上方向)のもの)を受けていない。従って、バルブステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動したときには、少なくとも第1弁座15のオリフィス15Aの断面積分のバルブステム11の下端表面が作動流体と改めて接することになる。よって、復帰方向(図の上方向)へ移動中のバルブステム11は、第1弁座15のオリフィス15Aの断面積分の表面に及ぼす作動流体からの面圧を、加速力として受けることを避けられない。
【0052】
しかし、上述したように、第1弁座15のオリフィス15Aの断面積をバルブステム11のロッド11Aの断面積より小さくすることによって、第1弁座15に着接した際のバルブステム11に対して、作動流体からの面圧を復帰方向(図の上方向)に作用させているので、復帰方向(図の上方向)へ移動中のバルブステム11が作動流体と改めて接する表面の面積がより小さくなって、復帰方向(図の上方向)へ移動中のバルブステム11が受ける加速力をより小さくすることができるから、バルムステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動する速度vをより遅くすることができる。
【0053】
すなわち、本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁10では、第1弁座15に着接した際のバルブステム11に対して、作動流体からの面圧を復帰方向(図の上方向)に作用させたことによって、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)と比べて、シリンダ室21の圧縮空気のパイロット圧がまだ高い状態にあるうちに、バルムステム11の復帰方向(図の上方向)への移動を開始させることができ(図3参照)、これにより、バルムステム11の復帰方向(図の上方向)への移動速度vが遅くなって、第2弁座14が急閉塞することはなくなるので、バルムステム11が復帰方向(図の上方向)への移動した際に生じる水撃現象を緩和することができる。
【0054】
図3のb/Bは、水撃現象が発生したときの騒音bを、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)における騒音Bに対する比をもって示した値である。
【0055】
図3のb/Bより、本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁10においては、水撃現象が発生したときの騒音bが、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)の騒音Bに対して、1.5割ほど減少したことがわかる。水撃現象が発生したときの騒音bは水撃現象の大きさを測る一つの目安にすぎないが、騒音の単位がデジベルであることを考慮すれば、水撃現象がかなり緩和されたことがわかる。
【0056】
また、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)と比べて、バルムステム11の復帰方向(図の上方向)への移動速度vを遅くさせたことは(図4参照)、さらに、バルムステム11が第2弁座14に着接する際に生じる衝撃をも小さくすることができる。
【0057】
図3のh/Hは、バルムステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動して第2弁座15に着接した際の衝撃値hを、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)における衝撃値Hに対する比をもって示した値である。
【0058】
図3のh/Hより、本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁10においては、バルムステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動して第2弁座15に着接した際の衝撃値hが、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁100(図4、図5参照)の衝撃値Hに対して、2割ほど減少したことがわかる。これは、復帰方向(図の上方向)へ移動中のバルブステム11に対して、シリンダ室21に残留するパイロット圧が、所謂「ダンパー」のような働きをする結果、復帰方向(図の上方向)へ移動中のバルブステム11の加速力が低下したからである。
【0059】
また、第1弁座15のオリフィス15Aの断面積をバルブステム11のロッド11Aの断面積より小さくすることによって、第1弁座15に着接した際のバルブステム11に対して、作動流体からの面圧を復帰方向(図の方向)に作用させているので、復帰方向(図の上方向)へ移動中のバルブステム11が受ける加速力がより小さくなって、バルムステム11が復帰方向(図の上方向)へ移動する速度vをより遅くすることができるから、上述した効果が大となる。
【0060】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁10は、一つのバルムステム11の単動をもって作動流体の流れを制御する3ポート弁であった。しかし、二つのバルムステムの複動をもって作動流体の流れを制御する3ポート弁に対して適用すれば、シリンダ室内のパイロット圧に反して復帰するバルムステムの衝撃を小さくすることができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の流体圧制御弁では、第1弁座に着接した際のバルブステムに対して、作動流体からの面圧を復帰方向に作用させたことによって、従来技術のものと比べて、シリンダ室の圧縮空気のパイロット圧がまだ高い状態にあるうちに、バルムステムの復帰方向への移動を開始させることができ、これにより、バルムステムの復帰方向への移動速度が遅くなって、第2弁座が急閉塞することはなくなるので、バルムステムが復帰方向への移動した際に生じる水撃現象を緩和することができる。
【0062】
また、従来技術のものと比べて、バルムステムの復帰方向への移動速度を遅くさせたことは、さらに、バルムステムが第2弁座に着接する際に生じる衝撃をも小さくすることができる。
【0063】
また、第1弁座のオリフィスの断面積をバルブステムのロッドの断面積より小さくすることによって、第1弁座に着接した際のバルブステムに対して、作動流体からの面圧を復帰方向に作用させた場合には、復帰方向へ移動中のバルブステムが受ける加速力がより小さくなって、バルムステムが復帰方向へ移動する速度をより遅くすることができるから、上述した効果が大となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁において、反復帰状態の内部構造を示した図である。
【図2】本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁において、復帰状態の内部構造を示した図である。
【図3】本実施の形態の空気圧パイロット操作切換弁において、圧縮空気の供給が遮断されてからバルムステムが復帰方向へ移動を開始するまでに要する時間、バルムステムの復帰方向への移動速度、水撃現象が発生したときの騒音、バルムステムが復帰方向へ移動速度して第2弁座に着接した際の衝撃値を、従来技術の空気圧パイロット操作切換弁に対する比をもって示した表である。
【図4】従来技術の空気圧パイロット操作切換弁において、復帰状態の内部構造を示した図である。
【図5】従来技術の空気圧パイロット操作切換弁において、反復帰状態の内部構造を示した図である。
【符号の説明】
10 空気圧パイロット操作切換弁
11 バルムステム
11A バルムステムのロッド
14 第2弁座
15 第1弁座
15A 第1弁座のオリフィス

Claims (3)

  1. 圧縮空気のパイロット圧からバルブステムに作用する反復帰力が、第1弁座に着接した際の前記バルブステムに作用する復帰力より小さくなったときに、前記バルブステムが復帰方向へ移動を開始することによって、前記バルブステムが前記第1弁座から離間し第2弁座に着接する流体圧制御弁において、
    前記第1弁座に着接した際の前記バルブステムにおける、作動流体により復帰方向に作用する受圧面積を、作動流体により反復帰方向に作用する受圧面積より大きくしたことを特徴とする流体圧制御弁。
  2. 請求項1に記載する流体圧制御弁において、
    前記第1弁座に設けられたオリフィスの断面積が前記バルブステムのロッドの断面積より小さいことを特徴とする流体圧制御弁。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する流体圧制御弁において、
    3ポート弁であることを特徴とする流体圧制御弁。
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