JP3576604B2 - リクライニング装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、リクライニング装置に関し、特に、シートバックの前倒動作時における前倒速度を緩和し得るように構成したリクライニング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両の運転席、助手席(前部座席)にはシートバックの傾斜角度を調整、固定するためのリクライニング装置が取り付けられている。このリクライニング装置は、例えば乗員が着座してシートバックに背中を押し当てた状態でシートバックの傾斜角度を任意の位置に調節したり、或いは、2ドア車における後部座席への乗降に際し、前部座席に乗員がいない状態でシートバックを最前位置まで前倒する等の操作が行われるようになっている。
従来、上記の調整、操作を円滑に行うため、リクライニング装置にはシートバックを前倒方向に付勢する渦巻きバネが内装されており、リクライニング装置を操作してもシートバックがその自重で後方に倒れたりせず、また、乗員がいない状態でシートバックが自動的に前倒位置に回動するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記リクライニング装置において、シートバックが後倒し、上述した渦巻きバネが十分に巻締められている状態で、ロツク機構が解除されると、シートバックが該渦巻きバネの復帰力により必要とされる速度よりも早い速度で起き上がるため操作感が悪かった。特に、乗員が楽な姿勢で休憩ができるようにシートバックがシートクッションに対してほぼ180°に近い角度まで後倒するように構成されたシートのリクライニング装置については、この後倒限界である180°に近い角度までシートバックが倒された位置でロツク解除がなされると、シートバックは高い速度に達する。このようにシートバックが高い速度で起き上がると、シートの作りが上質ではないとの印象を与え得ることは否みえなかった。
【0004】
また、シートバックの後方への傾斜角度を増大させる場合には、操作者が背中をシートバックに押し当てることにより通常行われている。しかしながら、従来のリクライニング装置では、角度調整を行おうとして操作者がシートバックに体重を掛けた状態でロツク解除を行うと、ロツク解除と同時にシートバックが必要以上に後方へ倒れ込み、操作者を驚かすことがあった。
【0005】
この課題を解決するため、実公昭60−10435号及び実開平2−2047号が提案されている。実公昭60−10435号においては、半円状のラックを用い、このラックと噛合するピニオンを、シートバック側に取り付けられた減速装置の軸に固定することにより、シートバックの減速を行っている。しかしながら、この機構は、ラック及びピニオンを必要とし部品点数が増してコストが高くなり、また、減速装置がシートバックの回転中心であるシャフトから離れた位置に置かれるため、該減速装置への力を伝達するラックとピニオンとの間で揺動が発生し易い傾向があった。一方、実開平2−2047号においては、シートクッション側のフレームにダンパーを取り付け、このダンパーの軸にシートバック側のフレームを取り付けた構成、即ち、フリーヒンジにダンパーを組み込む構成について開示されている。しかしながら、この機構は、シート組付時にフリーヒンジ側にダンパー機構を組み付け、かつ、他方の側に通常のリクライニング装置を取り付ける必要があり、シート組立時の部品点数が増えると共に、その手数が掛かる決定があった。
【0006】
また、これら公報には、上述した角度調整時のシートバックの後方への倒れ込みを防止する機構について何ら開示されていなかった。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、シートバックが後方より戻るときのスピードを抑える機構を有するリクライニング装置を、安価且つ高い組み立て性を有するよう提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のリクライニング装置では、第1の態様において、シートクッション80側に固定される第1ブラケツト11と、シートバック70側に固定される第2ブラケツト12と、第1ブラケツト11又は第2ブラケツト12のいずれかに固定され第1ブラケツト11と第2ブラケツト12とを回転可能に支持するシャフト13であって、シート外方を指向する側端部にスリット13aが設けられたシャフト13と、該スリット13aに一方の端が取り付けられ、そして他端24aが前記シャフト13の固定されていない側のブラケツト側に取り付けられる渦巻きバネ24と、前記第1ブラケツト11及び第2ブラケツト12に取り付けられたロツクギア16及びセクターギア14から成り、該第1及び第2ブラケツト12の間でロツク及びロツク解除を行うロツク機構と、から成るリクライニング装置50において、
孔部30eが設けられた回転軸30aを有し、該回転軸30aの回転に対して抵抗力を与えるダンパー30と、固定部材32とを備え、該ダンパー30の該回転軸30aの孔部30eを、前記渦巻きバネ24が固定された前記シャフト13のスリット13aに挿入し、該ダンパー30を前記固定部材32により前記渦巻きバネ24の他端24aの取り付けられた側のブラケツトに固定して成り、前記シャフト13の前記シート外方を指向する側端部に前記ダンパー30の回転軸30aと接して該ダンパー30を固定するカシメ部13bを設ける。
【0009】
また、上記の目的を達成するため、本発明のリクライニング装置では、第2の態様において、シートクッション80側に固定される第1ブラケツト11と、シートバック70側に固定される第2ブラケツト12と、第1ブラケツト11又は第2ブラケツト12のいずれかに固定され第1ブラケツト11と第2ブラケツト12とを回転可能に支持するシャフト13であって、シート外方を指向する側端部にスリット13aが設けられたシャフト13と、該スリット13aに一方の端が取り付けられ、そして他端24aが前記シャフト13の固定されていない側のブラケツト側に取り付けられる渦巻きバネ24と、前記第1ブラケツト11及び第2ブラケツト12に取り付けられたロツクギア16及びセクターギア14から成り、第1及び第2ブラケツト12の間でロツク及びロツク解除を行うロツク機構と、から成るリクライニング装置50において、
前記シャフト13のスリット13a側と反対側の端部に所定形状の突部13cを形成し、孔部30gが設けられた回転軸30aを有し、該回転軸30aの回転に対して抵抗力を与えるダンパー30と、固定部材32とを備え、該ダンパー30の該回転軸30aの孔部30gを、前記シャフト13の前記突部13cに嵌入し、該ダンパー30を前記固定部材32により前記渦巻きバネ24の他端24aの取り付けられた側のブラケツトに固定して成ることを特徴とする。
【0010】
【作用効果】
上記のように構成されたリクライニング装置では、請求項1記載の態様において、ダンパー30の回転軸30aがシャフト13に固定され、該ダンパー30はは、渦巻きバネ24の他端24aが取り付けられた側のブラケツトに固定される。ここで、ロツクギア16とセクターギア14との噛合が解かれて、シートバック70が該渦巻きバネ24の復帰力により起き上がる際に、該ダンパー30はシートバック70のスピードの上昇を抑える。
請求項1記載の態様においては、ダンパー30の回転軸30aの孔部30eを、渦巻きバネ24が固定されたシャフト13のスリット13aに挿入し、該ダンパー30を、固定部材32により第1ブラケツト11又は第2ブラケツト12に固定することにより取り付ける。従って、本リクライニング装置では、シャフト長を延ばし、固定部材32を用いることにより、リクライニング装置50を構成する他の部材に何ら変更を加えることなくダンパー30を簡単に組み込めるため、安価にリクライニング装置を構成することができる。また、リクライニング装置50側にダンパー30を組み込むため、フリーヒンジ60は従来のものをそのまま用いることができる。
【0011】
請求項1記載の態様においては、ワッシャを用いることなく、シャフト13の先端部に設けたカシメ部13bにより、ダンパー30及び渦巻きバネ24を固定するため、組み付けが簡易になると共に、コストを低減することができる。即ち、渦巻きバネ24が固定されるシャフト13のスリット13aには、該渦巻きバネ24により開く方向に力が加わるため、従来の構成では該スリット13aの開きを防止するためにシャフト13の先端にワッシャを配置することが必須であった。これに対して、請求項2記載のリクライニング装置においては、該スリット13aにダンパー30の回転軸30aの孔部30eが嵌め入れられるため、ワッシャを用いることなくスリット13aの開きを防止できる。
【0014】
また、上述したように請求項2記載のリクライニング装置においては、スリット13aと反対側のシャフト端部、即ち、シャフト13のシート側に所定形状の突部13cを形成し、ダンパー30の回転軸30aの孔部30gを、シャフト13の該突部13cに嵌入し、該ダンパー30を第1ブラケツト11又は第2ブラケツト12に固定している。即ち、リクライニング装置50のシート側の側面にダンパー30を取り付けている。このため、従来のシート及びリクライニング装置と同じ横幅でダンパー30を組み込むことが可能となる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を具体化した実施例を図を参照して説明する。
図1は、本発明のリクライニング装置50を取り付けたシートを示すもので、シート100は、シートバック70とシートクッション80とから成っており、シート100の一方の側にフリーヒンジ60が取り付けられ、他方の側にリクライニング装置50が取り付けられている。リクライニング装置50のブラケツト11は、シートクッション80に固定され、ブラケツト11とシャフト13によって連結されたブラケツト12は、シートバック70に固定されており、後述のロック機構を操作するとブラケツト11とブラケツト12との相対回転角度が調整可能となり、シートバック70のシートクッション80に対する角度が調整されるようになっている。なお、図1のシートにおいては、フリーヒンジ60は上記シートバック70の変化に追従して回転するようになっている。
【0016】
先ず、このリクライニング装置50のロック機構について図2、図3、図4を参照して説明する。ここで、図2はリクライニング装置50の側面図であり、図3は、図2のリクライニング装置50にダンパーが取り付けられる前の状態の側面図であり、また、図4は図2のA−A断面図である。
図3に示すようにリクライニング装置50は、シートクッション80側に固定されるブラケツト11と、シートバック70側に固定されるブラケツト12と、ブラケツト11側に固着されブラケツト12を回動させるシャフト13とを有している。このブラケツト12側には、リベット15a〜15dによりセクターギア14が取り付けられており、該セクターギア14の外周には歯部14aが設けられている。このセクターギア14の外側にはロックギア16が配置され、ブラケツト11に固着された軸17で回動可能に枢支されている。このロックギア16の上部には、上記セクターギア14の歯部14aと噛合する歯部16aと、後述するカム18が嵌入する嵌入部16cとが設けられ、そして、側方(図中上方)へ突出する突部16bが形成されている。ロックギア16の嵌入部16cに嵌入する位置には、カム18が設けられて該ロックギア16の歯部16aを上記セクターギア14の歯部14aへ押し当てる。このカム18には、該ロックギア16の突部16bを嵌入するカム孔19aと側方へ突出するピン19bとを有するカムプレート19が固定されている。このカム孔19aには、ロックギア16を時計方向へ送るカム部19cと、反時計方向へ送るカム部19dとが形成されている。該カム18及びカムプレート19は、ブラケツト11に固着された軸20を支点に一体に回動する。これらロックギア16及びカムプレート19の側方には、リクライニング装置の補強用のサブブラケツト22(図2参照)が取り付けられている。サブブラケツト22には、該カムプレート19のピン19bを挿通するための長孔22aが設けられている。
【0017】
一方、図2に示すように上記ロック機構を解除するための操作レバー21がシャフト13を支点に回動可能に配置されている。この操作レバー21の略中央位置には長孔21aが設けられており、この長孔21aには、上記サブブラケツト22の長孔22aを挿通したカムプレート19のピン19bが挿通されている。該操作レバー21は、サブブラケツト22との間に張設された引っ張りバネ23により図中反時計方向に付勢されロック状態を保っている。なお、図2に示すようにブラケツト12にはバネ保持部材25が側方を指向して立設されており、該バネ保持部材25には渦巻きバネ24の係止部24aが係合され、また、シャフト13にはスリット部13aが設けられ、図4に示すように該渦巻きバネ24の他方の端が嵌入されている。該渦巻きバネ24は、シャフト13を支点にしてブラケツト12を図2に示す反時計方向、即ち、ブラケツト12に固定されたシートバックを前倒方向に付勢する。
【0018】
ここで、操作者がリクライニング装置のロック解除するために操作レバー21を引き上げると、操作レバー21に係合するピン19bによりカムプレート19とカム18(図3参照)とが反時計方向に回動されて、先ず、カム18がロックギア16の嵌入部16cから離れ、該ロックギア16の歯部16aと上記セクターギア14の歯部14aとの噛合が解除可能な状態になる。更にカムプレート19が反時計方向に回動されて、カムプレート19のカム孔19aのカム部19dに、ロックギア16の突部16bが摺接するようになり、該突部16bによってロックギア16が反時計方向へ回動され、ロックギア16の歯部16aと上記セクターギア14の歯部14aとの噛合が解除される。これにより、ブラケツト11に対してシャフト13を支点にブラケツト12が回動可能な状態になる。他方、操作者がリクライニング装置をロックするために図2に示す操作レバー21から手を離すと、該操作レバー21が引っ張りバネ23により図中反時計方向に回動され、先ず、カムプレート19(図3参照)が時計方向に回動されて、該カムプレート19のカム孔19aに設けられたカム部19cに、ロックギア16の突部16bが摺接して、ロックギア16が時計方向へ回動される。これによりロックギア16の歯部16aと上記セクターギア14の歯部14aとが噛合可能な状態になる。そして、カム18が回動されてロックギア16の嵌入部16cに嵌入し、該ロックギア16の歯部16aと上記セクターギア14の歯部14aとを噛合させロックが行われる。
【0019】
次に、第1実施例のダンパー30について図5を参照して説明する。図5はダンパーの側面を示している。ダンパー30は、中央に設けられた回転軸30aとケーシング30bとから成り、該回転軸30aには、羽根30cが周設された羽根車30dが固定されている。このケーシング30bの中には、該羽根30cにより攪拌されるシリコンオイル30fが充填されている。回転軸30aには、半月状の通孔30eが一対穿設されている。該ダンパー30の上端には、クランク状に形成されたダンパー保持具32が取り付けられ、このダンパー保持具32の上片には通孔32aが穿設されている。
【0020】
ここで、第1実施例のリクライニング装置50への渦巻きバネ24及びダンパー30の取り付けについて説明する。
先ず、渦巻きバネ24の取り付けは、図4に示すようにシャフト13のスリット部13aに渦巻きバネ24の一方の端を嵌入させる。そして、専用の機械により該渦巻きバネ24を締め込み付勢力を与えた状態で、図2に示すように、ブラケツト12に立設されたバネ保持部材25に渦巻きバネ24の係止部24aを係合させることにより、ブラケツト12側に固定する。
【0021】
次に、図6(A)を参照してシャフト13へのダンパー30の取り付けについて説明する。なお、この図6(A)では、図示の便宜上渦巻きバネ24が示されていないことに注意されたい。ダンパー30は、回転軸30aに形成された半月状の通孔30eをシャフト13のスリット部13aに挿通し、そして、図2に示すようダンパー保持具32にネジ36を螺合させることによりブラケツト12側に固定する。その後、図4に示すようにシャフト13に形成されたカシメ部13bとダンパー30との間にワッシャ34を嵌入することによりダンパー30の組付けが完了する。なお、図6(A)に示すダンパー30の回転軸30aには一対の半月状の通孔30eを形成したが、この半月状の通孔30e代わりに図6(B)に示すように略H字状の通孔30e’を設けることも、また、図6(C)に示すようにキー溝形状を有する通孔30e’’を設けることも可能である。
【0022】
図7に、第1実施例の変形例を示す。渦巻きバネ24が固定されるシャフト13のスリット部13aには、該渦巻きバネ24により開く方向に力が加わるため、ダンパー30を用いない従来の構成では該スリット部の開きを防止するためにシャフトの先端へワッシャを配置することが必須であった。これに対して、上述したリクライニング装置においては、該スリット部13aにダンパー30の回転軸30aに設けられた通孔30eが嵌め入れられ、これがスリット13aの開きを防止する。このため、図7(A)に示す構成では、ワッシャを用いることなくカシメ部13bによってダンパー30を固定している。従って、ワッシャ分のコストを抑えることができるとともに、ワッシャ組付けの工程を無くすことができる。なお、図7(B)に示す構成のようにカシメ部を設けることなくダンパー30を固定することも可能である。また、図7(C)は、シャフト13の先端を、ダンパー30の側面から突出しないように形成した構成を示している。この図7(C)に示す構成によれば、リクライニング装置の横幅を抑えることが可能となり、空間的余裕の制限された車内にもリクライニング装置を備えるシートを容易に組み込むことができる。
【0023】
ここで、本リクライニング装置の動作について説明する。図1に示すシート100のシートバック70を後倒した状態において、操作者が操作レバー21を引き上げると、図3を参照して前述たようにロックギア16の歯部16aとセクターギア14の歯部14aとの噛合が解かれ、ロツク解除される。シートバック70を固定しているブラケツト12は、図2に示すシャフト13で回動自在に支持されており、渦巻きバネ24の付勢力により反時計方向に回動を開始する。このブラケツト12にはダンパー保持具32を介してダンパー30のケーシング30bが固定されており、このブラケツト12と共にダンパー30が回動し、ケーシング30b内に充填されたシリコンオイル30f(図5参照)も連れ回りする。一方、ダンパー30の回転軸30aはシャフト13に係止され、該回転軸30aに固定された羽根車30dの羽根30cは静止状態にあるため、該羽根30cと上記ケーシング30bに連れ回りするシリコンオイル30fとの間で大きな抵抗を発生する。このため、ブラケツト12、即ち、ブラケツト12に固定されたシートバック70は、ゆっくりと前倒していく。
【0024】
また、シートバックの後方への傾斜角度を増大させるため、操作者がシートバックに体重を掛けた状態でロツク解除を行うと、従来のリクライニング装置では、ロツク解除と同時にシートバックが後方へ大きく倒れ込むことがあった。これに対して、本実施例のリクライニング装置50によれば、シートバックに体重を掛けた状態でロツク解除を行っても、ダンパー30のシリコンオイル30fが大きな抵抗を発生するため、ロツク解除と同時にシートバックの角度が大きく変わることがなくなり、快適に角度調整を行うことが可能となる。
【0025】
次に、本発明の第2実施例について、図8及び図9を参照して説明する。図8は第2実施例に係るリクライニング装置の断面図であり、図9は、該リクライニング装置のダンパー及びシャフトの斜視図である。
図4を参照して上述した第1実施例においては、ダンパー30を渦巻きバネ24と隣接して配置されたが、この第2実施例では、図8に示すようにダンパー30がブラケツト12を介在させて渦巻きバネ24と対向する位置に置かれる。このダンパー30を固定するシャフト13には、図9(A)に示すように、スリット部13aの反対側を指向する角柱状の突部13cが形成されている。この第2実施例のダンパー30の取り付けは、回転軸30aに形成された方形状の通孔30gをシャフト13の突部13cに挿通し、そして、前述した第1実施例と同様にダンパー保持具32とブラケツト12とをネジで螺合させることにより行う。なお、図9(A)に示すダンパー30の回転軸30aには方形状の通孔30gを形成したが、この方形状の通孔30g代わりに図9(B)に示すように矩形状の通孔30g’を設けることも、図9(C)に示すように小判状の通孔30g’’を設けることも、また、図9(D)に示すよう6角状に通孔30g’’’ を穿設することも可能である。
【0026】
この第2実施例によれば、シャフト13のシート側に突部13cを形成し、ダンパー30を取り付けている。即ち、ダンパー30をリクライニング装置50の車両ドア側の側面ではなく、シート側の側面へ配設している。このため、ダンパーを備えない従来のリクライニング装置と同じ幅内にダンパー30を組込むことが可能となり、寸法的に制限された車内にも本リクライニング装置を備えるシートを容易に組み込むことができる。
【0027】
次に、本発明の第3実施例について、図10を参照して説明する。図10は第3実施例に係るリクライニング装置の断面を示している。
図4を参照して上述した第1実施例においては、ダンパー30と渦巻きバネ24とが、リクライニング装置50のドア側の側面に取り付けられたが、この第3実施例では、図10に示すように共にシート側の側面に置かれる。なお、このダンパー30及び渦巻きバネ24との干渉を避けるために、図示しないシートには逃げ部が形成されている。この第3実施例では、従来のリクライニング装置よりも渦巻きバネ24の幅だけ横幅を狭くできるので、空間的余裕が非常に制限された車内にも容易に組み込むことが可能となる。
【0028】
なお、図5を参照して前述したダンパー30においては、粘性を有する液体としてシリコンオイル30fを充填する例を示したが、この液体として例えばグリス等を用いることも可能である。また、上記ダンパーとして、羽根30cが周設された羽根車30dを用いる構成を例示したが、この羽根を用いる構成の代わりに、複数の摩擦板の間にグリス等を封入した構成に係るダンパー等を用いることもできる。
【0029】
更に、以上説明した実施例においては、シートクッション80側へ取り付けられるブラケツト11にシャフト13を固定し、このシャフト13でシートバック70側へ取り付けられるブラケツト12を回動自在に支持させた。この代わりに、ブラケツト12側にシャフト13を固定し、ブラケツト11を回動自在に支持させるよう構成することも可能である。この場合には、渦巻きバネ24の係止部24a及びダンパー30がブラケツト11側に固定されることになる。また、上記実施例においては、ブラケツト11側にセクターギア14を、また、ブラケツト12側にロツクギア16を固定したが、これとは反対に、ブラケツト12側にセクターギア14を、そして、ブラケツト11側にロツクギア16を固定することも勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリクライニング装置が取り付けられたシートを示す斜視図である。
【図2】第1実施例に係るリクライニング装置の側面図である。
【図3】図2のリクライニング装置にダンパーが取り付けられる前の状態を示す側面図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】リクライニング装置のダンパーの側面図である。
【図6】第1実施例に係るリクライニング装置のダンパー及びシャフトの斜視図である。
【図7】第1実施例の改変例を示すリクライニング装置の断面図である。
【図8】第2実施例に係るリクライニング装置の断面図である。
【図9】第2実施例に係るリクライニング装置のダンパー及びシャフトの斜視図である。
【図10】第3実施例に係るリクライニング装置の断面図である。
【符号の説明】
11 ブラケツト
12 ブラケツト
13 シャフト
14 セクターギア
16 ロツクギア
24 渦巻きバネ
30 ダンパー
50 リクライニング装置
70 シートバック
80 シートクッション
Claims (2)
- シートクッション側に固定される第1ブラケツトと、
シートバック側に固定される第2ブラケツトと、
第1ブラケツト又は第2ブラケツトのいずれかに固定され第1ブラケツトと第2ブラケツトとを回転可能に支持するシャフトであって、シート外方を指向する側端部にスリットが設けられたシャフトと、
該スリットに一方の端が取り付けられ、そして他端が前記シャフトの固定されていない側のブラケツト側に取り付けられる渦巻きバネと、
前記第1ブラケツト及び第2ブラケツトに取り付けられたロツクギア及びセクターギアから成り、該第1及び第2ブラケツトの間でロツク及びロツク解除を行うロツク機構と、から成るリクライニング装置において、
孔部が設けられた回転軸を有し、該回転軸の回転に対して抵抗力を与えるダンパーと、
固定部材とを備え、
該ダンパーの該回転軸の孔部を、前記渦巻きバネが固定された前記シャフトのスリットに挿入し、
該ダンパーを、前記固定部材により前記渦巻きバネの他端の取り付けられた側のブラケツトに固定して成り、
前記シャフトの前記シート外方を指向する側端部に前記ダンパーの回転軸と接して該ダンパーを固定するカシメ部を設けたことを特徴とするリクライニング装置。 - シートクッション側に固定される第1ブラケツトと、
シートバック側に固定される第2ブラケツトと、
第1ブラケツト又は第2ブラケツトのいずれかに固定され第1ブラケツトと第2ブラケツトとを回転可能に支持するシャフトであって、シート外方を指向する側端部にスリットが設けられたシャフトと、
該スリットに一方の端が取り付けられ、そして他端が前記シャフトの固定されていない側のブラケツト側に取り付けられる渦巻きバネと、
前記第1ブラケツト及び第2ブラケツトに取り付けられたロツクギア及びセクターギアから成り、第1及び第2ブラケツトの間でロツク及びロツク解除を行うロツク機構と、から成るリクライニング装置において、
前記シャフトのスリット側と反対側の端部に所定形状の突部を形成し、
孔部が設けられた回転軸を有し、該回転軸の回転に対して抵抗力を与えるダンパーと、
固定部材とを備え、
該ダンパーの該回転軸の孔部を、前記シャフトの前記突部に嵌入し、
該ダンパーを、前記固定部材により前記渦巻きバネの他端の取り付けられた側のブラケツトに固定して成ることを特徴とするリクライニング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19910894A JP3576604B2 (ja) | 1994-08-01 | 1994-08-01 | リクライニング装置 |
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JP19910894A JP3576604B2 (ja) | 1994-08-01 | 1994-08-01 | リクライニング装置 |
Publications (2)
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