JP3576197B2 - カメラの防振装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、カメラ本体に生じる手ブレを検出し、該検出値に基づいて、撮影光学系の光路中に介挿された補正用光学部材を駆動して撮影中に生じる像ブレの影響を軽減するカメラの防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラに用いるブレ補正光学系として種々の技術が提案されている。
例えば図19に示される従来例では、撮影レンズ系301の像面側に平行ガラス302を配置し、画像のブレ量に応じて平行ガラス302を傾けることによりフィルム面303上における画像のブレを補正する。
【0003】
さらに、図20に示される従来例では、撮影レンズ系301の物体側に2種類の弾性部材304a,304bからなる可変頂再プリズム304を配置し、撮影光学系全体のブレ量に応じてアクチュエータ305a,305bによりプリズム304の頂角を変えて結像面303上における画像のブレを補正する。
【0004】
この他、撮影レンズ系の一部をブレ量に応じて移動することにより画像のブレを補正する技術も既に公知である。
上記ブレ補正光学系は画像のブレを補正するために必要であるが、その反面、該光学系により撮影レンズの結像性能は劣下してしまうといった問題もある。
【0005】
以下、この一例として平行ガラスによる結像性能の劣化について述べることにする。図19に示すように平行ガラス302を回転させると、回転させる前に無収差であっても、回転後には多くの収差が発生する。非対称系であるので、ザイデルの5収差に分類できないのであるが、主として、光線が一点に収束しなくなったり結像位置が光軸方向で移動してしまったりするために点像がぼける空間的収差と、軸上と軸外で像の移動量が異なるために軸上の点が止まって写っても軸外の点が線像となってしまう時間的収差の二通りに分けられる。
【0006】
ここで、空間的収差をマージナル(marginal)光線と光軸のずれで代表させ「点像のぼけ」として、時間的収差を軸上と軸外の主光線の移動量の差で代表させ「像の伸縮」と表記する。
【0007】
そして、図21乃至図23は図19の従来例の平行平面板302及び像面303の部分を拡大したものであって、夫々平行平面板302の傾きによる光軸の移動量δの定義を示す図であり、点像のぼけΔPの定義を示す図及び像の伸縮ΔIの定義を示す図である。
【0008】
さらに、図21に示されるように、屈折率n,厚さdの平行平面板302が主レンズの光軸に対し垂直な位置からθだけ傾くと像面303上においてδだけ像が変位する。また、図22に示されるように、平行平面板が傾くことにより光軸に平行な光線に関しては平行平面板への入射角が大きくなる(0→θ)が、軸上上側マージナル光線に関しては寧ろ平行平面板への入射角が小さくなる。
【0009】
その結果、光軸に平行な光線とマージナル光線とに対する屈折作用の変化の大きさが異なり、光軸上の光線の変位の方がマージナル光線の変位よりも大きくなる。従って、光軸上の光線と上側マージナル光線の交わる位置は像面よりも後方へ寄ってしまい、ぼけΔPが生ずる。
【0010】
また、図23も図22と原理的には同様であり、平行平面板302が傾いた時の像面上における光軸上光線の変位と軸外主光線の変位の大きさとが異なる為、平行平面板302が光軸に垂直なときに像高I0 であった物体が平行平面板がθだけ傾くことにより像高I´で結像されるようになり、その結果、像の伸縮ΔIが生ずるのである。このように、光軸に平行な光線に対しては平行平面板302の作用は全く同じである。傾きの異なる光線に対しては平行平面板302の作用の大きさが異なるため「点像のぼけ」や「像の伸縮」が生ずる。
【0011】
以上説明した技術については、特開平3−141318号公報により既に開示されている。
一方、スチルカメラにおけるブレ補正動作はフィルムの露光中のみに必要な動作であるが、一眼レフカメラにおいては、その構造上、露光中はファインダより像が消失する。従って、露光中にブレ補正機能が働いているか確認する手段が無いことはカメラの使用者に不安感を与えているといった問題があった。
【0012】
かかる点に鑑みて、特開平4−361240号公報では、ブレ補正機能の確認ができる動作モードを有するカメラに関する技術が開示されている。
当該技術では所定のスイッチ操作により、露光中以外であってもブレ補正動作を実行可能としている。従って、カメラ使用者はファインダを介して任意にブレ補正機能の動作確認することができる。しかし、スチルカメラのフィルム露光中に必要なブレ補正範囲は、一般にビデオカメラ等に用いられるブレ補正装置のそれと比べると小さい。また、ビデオカメラで撮影した画像の再生画像においては、ブレ補正光学系の収差による像の劣下は目立たない。さらに、プリントした写真に比べるとビデオカメラで撮影した画像に対しては厳しく評価されない。従って、ビデオカメラにおいては、ブレ補正光学系による画質劣下が多少多くても、ブレ補正範囲が広いことが望ましい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、上記特開平3−141318号公報により開示された技術では、平行ガラス302の回転角θの最大値は、該平行ガラス302により発生する収差を考慮して決定する必要があった。即ち撮影したフィルムをプリントした時に、収差による像の劣下が目立たないように回転角θの最大値を決定する必要があった。
【0014】
一方、上記特開平4−361240号公報により開示された技術において、スチルカメラによる撮影ではフィルム上へ露光する限られた時間のみブレ補正機能が働けばよかった。従って、広いブレ補正範囲は必要はなく、むしろブレ補正光学系による画質劣下を考慮してブレ補正範囲を決定しなければならなかった。
【0015】
このためフィルム露光動作以外でブレ補正動作を実行し、ファインダを通じて補正動作を確認しようとしても、補正範囲が狭い為、カメラの使用者の視覚上ではその効果を確認しずらかった。よって、フィルムの露光中のブレ補正動作を単に実行するだけでは、動作確認機能としては問題があった。
【0016】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ブレ補正光学系による結像性能の劣下を考慮すると共に、使用者がファインダを通して視覚により効果を確認することができるブレ補正動作を実現することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様では、カメラの振動状態を検出する振動検出手段と、上記振動状態による像の変化を減少させるように、上記振動検出手段の検出出力に基づいて補正光学系の駆動を行う制御手段と、第1の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲を制限する第1制限手段と、上記第1の定められた範囲よりも小さい第2の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲を制限する第2制限手段と、撮影中は上記第2制限手段を選択し、撮影中以外で防振動作を行う際は上記第1制限手段を選択する選択手段と、を具備したことを特徴とするカメラの防振装置が提供される。
本発明の第2の態様では、上記第1の態様において、上記第1及び第2制限手段は、機械的制限手段により上記補正光学系の移動を制限することを特徴とするカメラの防振装置が提供される。
本発明の第3の態様では、上記第1の態様において、上記振動検出手段の出力はフィルタ手段を介して上記制御手段に供給され、上記制御手段は上記第1制限手段の動作時と上記第2制限手段の動作時とで、フィルタ手段のフィルタ特性を変える事を特徴とするカメラの防振装置が提供される。
本発明の第4の態様では、上記第1乃至第3の態様において、上記第2制限手段が選択された状態で、上記補正光学系が補正限界に達した場合には補正動作を停止し、上記第1制限手段が選択された状態で、上記補正光学系が補正限界に達した場合には補正動作を継続することを特徴とするカメラ防振装置が提供される。
本発明の第5の態様では、カメラの振動状態を検出する振動検出手段と、上記振動検出手段からの出力に対してフィルタリングを行うハイパスフィルタ手段と、撮影中以外にブレ補正を行う第1のモードと撮影中にブレ補正を行う第2のモードにてブレ補正が可能であって、上記ハイパスフィルタ手段からの出力に基づいて、補正光学系の駆動を行う制御手段と、第1の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲を制限する第1制限手段と、上記第1の定められた範囲よりも小さい第2の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲を制限する第2制限手段と、を具備し、上記第1のモードと第2のモードとで、上記ハイパスフィルタ手段のカットオフ周波数を切り替えると共に上記第1のモードでは上記第1制限手段を選択し上記第2のモードでは上記第2制限手段を選択することを特徴とするカメラの防振装置が提供される。
本発明の第6の態様では、上記第5の態様において上記第1のモードはレリーズスイッチの1段目のスイッチがオンされることでブレ補正動作を開始し、上記第2のモードは上記レリーズスイッチの2段目のスイッチがオンされることでブレ補正動作を開始することを特徴とするカメラの防振装置が提供される。
【0019】
【作用】
即ち、本発明の第1の態様では、振動検出手段によりカメラの振動状態が検出され、制御手段により上記振動状態による像の変化を減少させるように上記振動検出手段の検出出力に基づいて補正光学系の駆動制御が行われ、第1制限手段により第1の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲が制限され、第2制限手段により上記第1の定められた範囲よりも小さい第2の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲が制限され、選択手段により撮影中は上記第2制限手段が選択され、撮影中以外で防振動作を行う際は上記第1制限手段が選択される。
本発明の第2の態様では、上記第1の態様において、上記第1及び第2制限手段により、機械的制限手段によって上記補正光学系の移動が制限される。
本発明の第3の態様では、上記第1の態様において、上記振動検出手段の出力はフィルタ手段を介して上記制御手段に供給され、上記制御手段により上記第1制限手段の動作時と上記第2制限手段の動作時とでフィルタ手段のフィルタ特性が変えられる。
本発明の第4の態様では、上記第1乃至第3の態様において、上記第2制限手段が選択された状態で、上記補正光学系が補正限界に達した場合には補正動作が停止され、上記第1制限手段が選択された状態で上記補正光学系が補正限界に達した場合には補正動作が継続される。
本発明の第5の態様では、振動検出手段によりカメラの振動状態が検出され、ハイパスフィルタ手段により上記振動検出手段からの出力に対してフィルタリングが行われ、制御手段により、撮影中以外にブレ補正を行う第1のモードと撮影中にブレ補正を行う第2のモードにてブレ補正が可能であって、上記ハイパスフィルタ手段からの出力に基づいて、補正光学系の駆動が行われ、第1制限御手段により第1の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲が制限され、第2制御手段により上記第1の定められた範囲よりも小さい第2の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲が制限され、上記第1のモードと第2のモードとで、上記ハイパスフィルタ手段のカットオフ周波数が切り替えられると共に上記第1のモードでは上記第1制限手段が選択され上記第2のモードでは上記第2制限手段を選択される。
本発明の第6の態様では、上記第5の態様において、上記第1のモードではレリーズスイッチの1段目のスイッチがオンされることでブレ補正動作が開始され、上記第2のモードでは上記レリーズスイッチの2段目のスイッチがオンされることでブレ補正動作が開始される。
【0020】
そして、第2の態様では、上記第1の態様において、上記第1及び第2制限手段により、機械的制限手段により上記補正光学系の移動が制限される。
さらに、第3の態様では、上記第1の態様において、上記振動検出手段の出力はフィルタ手段を介して上記制御手段に供給され、上記制御手段により上記第1制限手段の動作時と上記第2制限手段の動作時とでフィルタ手段のフィルタ特性が変えられる。
【0021】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1には本発明の一実施例に係るカメラの防振装置の構成を示し説明する。
この図1に示すように、カメラ全体のシーケンス制御や各種演算を行うメインマイクロコンピュータ(以下、MμCOMと称す)1には、動作モードの表示や該MμCOM1の算出データを表示する表示回路2とレリーズスイッチ及びメインスイッチ、モードスイッチを含む操作スイッチ3、フィルム10のDXコードを読み取って感度情報を該MμCOM1へと出力するフィルム感度読み取り回路4とがそれぞれ電気的に接続されている。
【0022】
そして、測光用の光電変換素子6は測光処理回路5に電気的に接続されており、該測光処理回路5は上記MμCOM1に電気的に接続されている。そして、この測光処理回路5は上記光電変換素子6の光電流に基づいて被写体輝度を検出し、その輝度情報をMμCOM1へ出力する。
【0023】
さらに、上記MμCOM1には、クイックリターンミラー8のアップ/ダウンを制御するミラー制御部7や、フィルム10の自動巻き上げ及び自動巻き戻し等の制御を行うフィルム制御部9、MμCOM1からの制御信号に基づいてフォーカルプレーンシャッタ12の先幕と後幕の制御を行うシャッタ制御部11がそれぞれ電気的に接続されている。
【0024】
そして、上記MμCOM1は、焦点検出部13やブレ防止回路14、絞り制御部16、モータ制御回路18にもそれぞれ電気的に接続されている。特に、この焦点検出部13は焦点ズレ量を検出するために必要なデータをMμCOM1に出力し、該MμCOM1は当該データに基づいて焦点を合わせるために必要な撮影レンズ20の移動量を算出する。そして、モータ19は該移動量に基づいてモータ制御回路18によりその駆動が制御される。
【0025】
さらに、上記ブレ防止回路14はカメラのブレを検出するセンサと防振機構15とを制御する回路であり、上記絞り制御部16はMμCOM1の算出した絞りデータに基づいて絞り17を制御するものである。
【0026】
ここで、図2を参照して上記防振機構15の構成について詳細に説明する。
図2に示されるように、平行ガラス64は内枠63により係持されており、該内枠63は軸65a,65bにより外枠62に対して回転自在に係持される。そして、外枠62は軸60a,60bにより不図示のカメラボディ若しくは鏡枠に対して回転自在に保持される。
【0027】
y軸モータ50は、平行ガラス64をy軸を中心に回転させるためのモータであり、該y軸モータ50の回転軸にはスリット付の円板51とギア53が固定されている。そして、該y軸モータ50が回転すると、円板51のスリットがフォトインタラプタ52を横切る毎に該フォトインタラプタ52はパルス信号を発生する。従って、このパルス信号からy軸モータ50の回転速度と平行ガラス64の回転量を検出することができる。
【0028】
そして、このy軸モータ50の回転力は、ギア53乃至56によりカムギア57に機械的に伝達される。このカムギア57のカム部は内枠63に固定されたカムフォロワ58に当接している。さらに、カムフォロワ58はバネ66によってカムギア57に当て付く方向に押されており、該カムギア57にはミゾ57aが形成されている。そして、ソレノイド59は、不図示のカメラボディ或いは鏡枠に固定されている。従って、ミゾ57aの中をソレノイド59の軸59aが摺動し、カムギア57の回転範囲を規制することになる。
【0029】
一方、x軸モータ76は、平行ガラス64をx軸を中心に回転させるためのモータであり、該x軸モータ76の回転軸にはスリット付の円板74とギア73が固定されている。そして、このx軸モータ76が回転すると、円板74のスリットがフォトインタラプタ75を横切る毎に当該フォトインタラプタ75がパルス信号を発生する。従って、この信号からx軸モータ76の回転速度と平行ガラス64の回転量を検出することができる。
【0030】
そして、このx軸モータ76の回転力はギア70乃至73によりカムギア69へ機械的に伝達される。カムギア69のカム部は外枠62に固定されたカムフォロワ67に当接している。このカムフォロワ67はバネ61によってカムギア69に当てつく方向に押圧されており、該カムギア69にはミゾ69aが形成されている。ソレノイド68はカメラボディ或いは鏡枠に固定されている。従って、ミゾ69aの中をソレノイド68の軸68aが摺動し、カムギア69の回転範囲を規制することになる。
【0031】
ここで、図3は上記カムギア57及びミゾ57aの断面を詳細に示した図である。この図3に示されるように、ソレノイド59へ電流が流れると、その軸はAの位置へ移動する。そして、この時のカムギア57の回転可能な範囲はψ2 である。さらに、ソレノイド59の電流が流れていない時の軸はBの位置にあり、この時のカムギア57の回転可能な範囲はψ1 である。尚、上記カムギア69及びミゾ69aの断面についてもこれと同様であることは勿論である。
【0032】
次に図4を参照して、上記ブレ防止回路14、操作スイッチ3等、MμCOM1の周辺回路の詳細を説明する。図4に示されるように、操作スイッチ3はMAINSW,MODESW,1RSW,2RSWにより構成されており、各スイッチはMμCOM1の入力ポートP−MAIN,P−MODE,P−1R,P−2Rにそれぞれ接続されている。
【0033】
上記MAINSWは、本実施例のカメラの電源供給を制御するスイッチであり、該MAINSWは2連スイッチで構成されている。そして、このMAINSWがオンされるとシステムに電池80の電力が供給され、MμCOM1はパワーオンリセットされ、その動作を開始する。MμCOM1は、直ちに出力ポートP−POWERの信号をハイレベル“H”からローレベル“L”に設定してトランジスタQ1をオンする。これにより電源が保持されるのである。
【0034】
さらに、MODESWはブレ補正動作の可否を選択するスイッチである。そして、1RSW,2RSWはレリーズボタンに連動したスイッチであり、不図示のレリーズボタンを半押しすると1RSWがオンし、完全に押し込むと2RSWもオンするようになっている。
【0035】
そして、ゲート回路81は、割り込み信号を入力ポートP−INTへ出力するための回路で、該割り込み信号は操作スイッチ3のいずれかが操作されることで発生し、該割り込み信号はMμCOM1をスタンバイモードから解除する時に利用される。尚、符号82はMμCOM1の動作クロックを出力する発振子を示している。
【0036】
また、サブマイクロコンピュータ(以下、SμCOMと略す)83は、ブレ補正動作を実行するためのマイクロコンピュータであり、該SμCOM83はMμCOM1の出力ポートP−PQ0,P−PQ1,P−D0,P−D1,P−BUSYから出力される制御信号に基づいて動作する。
【0037】
そして、フォトインタラプタ75はジンバル機構のx軸モータ76の回転に連動してパルス信号を発生し、入力ポートp−PIxへ出力する。さらに、フォトインタラプタ52はジンバル機構のy軸モータ50の回転に連動してパルス信号を発生し、入力ポートp−PIyへ出力する。SμCOM83はこのパルス信号より平行ガラス64の傾き角を検出することができる。即ち、平行ガラス64による像の変位量を検出することができる。
【0038】
さらに、SμCOM83のD/Aコンバータ831,832の出力電圧はバッファ85,86により電力増幅され、トランジスタQ2乃至Q5からなるブリッジとトランジスタQ6乃至Q9からなるブリッジにそれぞれ印加される。そしてこのD/Aコンバータ831,832によりモータの回転速度が制御される。
【0039】
また、トランジスタQ2乃至Q5のブリッジはx軸モータ76に接続され、出力ポートp−Mx0〜p−Mx3の信号によりx軸モータ76の回転方向が制御される。このトランジスタQ6乃至Q9によるブリッジはy軸モータ50に接続されており、出力ポートp−My0〜p−My3の信号によりy軸モータ50の回転方向が制御される。
【0040】
そして、ジンバル機構のx軸に対するブレの量はx軸ブレ検出回路87により検出され、y軸に対するブレの量はy軸ブレ検出回路88により検出される。尚、各検出回路87,88は後述の振動ジャイロで構成されている。
【0041】
さらに、各検出回路87,88の出力はそれぞれSμCOM83のA/Dコンバータ833,834に入力される。このSμCOM83は、x軸のブレに関してはA/Dコンバータ833の出力に基づいてX軸モータ76を駆動することで補正する。また、y軸のブレに関してはA/Dコンバータ834の出力に基づいてy軸モータ50を駆動することで補正する。尚、符号84はSμCOM83の動作クロックを出力する発振子を示している。
【0042】
さらに、ソレノイド68は、平行ガラス64のx軸の回転範囲を変更するためのもので、トランジスタQ11がOFF状態の時、平行ガラス64のx軸の回転範囲はψ1 であり、トランジスタQ11がONし、ソレノイド68へ電流が流れるとx軸の回転範囲はψ2 になる(ψ1 ,ψ2 に関しては図3参照)。
【0043】
同様に、ソレノイド59は、平行ガラス64のy軸の回転範囲を変更するためのもので、トランジスタQ12がOFF状態ならば回転範囲はψ1 であり、トランジスタQ12がON状態ならば回転範囲はψ2 になる。尚、このトランジスタQ11,Q12は出力ポート,p−MGx,p−MGyにより制御される。
【0044】
次に上記ブレ検出回路87,88の一例として振動ジャイロを利用した検出回路について説明する。図5(a),(b)は正三角柱状の振動体を用いた振動ジャイロの構成を示す図である。
【0045】
図5(a)に示されるように、振動体100の一側面には駆動用圧電素子113aが形成され、他の2つの側面に帰還用圧電素子113b,113cが形成されている。
【0046】
そして、図5(b)に示されるように、帰還用圧電素子113b,113cと駆動用圧電素子113aとの間には発振回路114が接続されており、帰環用圧電素子113b,cの出力は発振回路114を介して駆動用圧電素子113aに帰環される。従って、振動体100は自励振動する。
【0047】
上記帰環用圧電素子113b,113cの出力電圧の差は振動体の角速度θに比例しており、該差は差動回路115により検出される。例えば角速度θ=0において、差動回路115の出力はゼロでなければならないのだが、実際にはオフセット信号が出力される為、差動回路115の出力はブレによる信号とオフセット信号が重畳したものとなる。尚、ブレにより発生する信号の周波数は0.1〜20Hz程度である。
【0048】
さらに、ハイパスフィルタ116はオフセット信号とブレにより発生した信号を分離するためのもので、該ハイパスフィルタ116は伝達特性が異なる2つのフィルタ116a,116bから構成される。
【0049】
上記SμCOM83の出力ポートp−SELがハイレベル“H”(ローレベル“L”)ならば、アナログSW116d(116c)がONして、フィルタ116b(116a)の出力信号がSμCOM83のA/Dコンバータへ入力する。
【0050】
そして、フィルムの露光中にブレ補正動作を実行する時は、フィルタ116aの出力に基いて補正動作が実行される。さらに、ブレ補正動作を確認する時はフィルタ116bの出力に基いて補正動作を実行する。そして、フィルタ116b,116aのカットオフ周波数はf1=1Hz,f2=0.1Hz程度に設定される。ここで、フィルタ116bのカットオフ周波数がフィルタ116aのそれと比べて大きい理由を述べる。
【0051】
カメラ使用者が確認のためにブレ補正動作を実行する時、該補正動作が実行される時間は露出中の補正動作の実行時間に比べて長い。そして、実行時間が長い為に周波数の低いブレ信号がブレ補正動作に与える影響が大きい。周波数の低い信号は、その振動の振幅も大きいことが多いため、ブレ補正動作中にブレ補正光学の変位限界まで変位してしまうことが多くなる。よって、ファインダを通してブレ補正動作を確認すると、突然、像がブレはじめるという状況が多くなる。このような状況はカメラ使用者に対して見苦しいという感覚を与え易いので、フィルタにより周波数の低いブレ信号を除去する必要が生じるのである。
【0052】
ところで、ブレ検出回路87,77への電力供給は、MAINSWがONである限り実行し続ける必要があるが、本システムにおいてMμCOM1とSμCOM83はカメラ使用者が一定時間、レリーズボタンを操作しないとスタンバイモードへ移行する。この時、周辺回路への給電を停止することが一般には行なわれている。これは、回路システムの消費電力を減少させるため必要な動作である。
【0053】
しかしながら、ブレ検出回路87、88は、電力供給後は直ちにその出力が安定するわけではない。従って、マイコンがスタンバイモードへ移行する動作に連動して、その電力供給を停止することは得策ではない。マイコンがスタンバイモードから解除されても直ちにその出力信号が利用出来ないからである。かかる点に鑑みて、本実施例ではマイコンの動作状態に関わらず、ブレ検出回路87,88への給電を続けているのである。
【0054】
以下、図6(a)乃至(c)のタイムチャートを参照して、上記MμCOM1とSμCOM83との通信について説明する。
先ず図6(a)はセンタリング動作実行時の通信タイムチャートである。
【0055】
センタリング動作が実行されると、平行ガラス64はレンズの光軸に対して垂直となる位置に駆動される。先ず出力ポートP−RQ0からは、MμCOM1の動作状態に係る信号が出力される。この信号はMμCOM1が通常の動作状態であるときはローレベル“L”であり、MμCOM1がスタンバイモード中ならば、ハイレベル“H”である。従って、MμCOM1とSμCOM83の通信ができるときは、ポートP−RQ0の信号がローレベル“L”のときである。
【0056】
そして、出力ポートP−RQ1からはSμCOM83に対して動作要求信号が出力される。この出力ポートP−RQ1からの信号のハイレベル“H”からローレベル“L”への変化に同期して、MμCOM1は、出力ポートP−D0とP−D1にモード信号をSμCOM83へ出力する。尚、“センタリングモード”の時は出力ポートP−D0の信号がローレベル“L”、ポートPD−1の信号がローレベル“L”である。モード信号を入力したSμCOM83はセンタリング動作を実行する。このセンタリング動作中、SμCOM83は出力ポートp−BUSYの信号をローレベル“L”に設定する。そして、MμCOM1は、入力ポートP−BUSYよりSμCOM83の動作状態を検知する。そして、ポートp−BUSYの信号がローレベル“L”からハイレベル“H”に変化すると、MμCOM1はポートP−RQ1の信号をハイレベル“H”に設定する。この動作により通信は終了する。
【0057】
次に図6(b)は露光出以外のカメラ動作中にブレ補正動作が実行されときの通信タイムチャートである。以下、このブレ補正動作を“防振モード1”と称する。MμCOM1はポートP−RQ1の信号のハイレベル“H”からローレベル“L”への変化に同期して、出力ポートP−D0,P−D1にモード信号を出力する。尚、“防振モード1”では、ポートP−D0の信号はローレベル“L”、ポートP−D1の信号はハイレベル“H”である。そして、モード信号を入力するとSμCOM83はポートp−BUSYの信号をハイレベル“H”からローレベル“L”へ設定し、“防振モード1”の動作を開始する。この“防振モード1”では、目で確認し易いようにブレ補正動作が実行される。このとき、平行ガラス64はψ1 (図3参照)で示される回転範囲で制御することが可能である。
【0058】
SμCOM83のブレ補正動作は、MμCOM1がポートP−RQ1の信号をローレベル“L”からハイレベル“H”に設定するまで続けられる。そして、ポートP−RQ1の信号がハイレベル“H”になると、SμCOM83はポートp−BUSYの信号をローレベル“L”からハイレベル“H”へ設定し防振モード1を終了する。
【0059】
次に、図6(c)は露光中にブレ補正動作が実行される時の通信タイムチャートである。以下、露光中のブレ補正動作を“防振モード2”と称する。
MμCOM1は、ポートP−RQ1の信号のハイレベル“H”からローレベル“L”への変化に同期して出力ポートP−D0,P−D1にモード信号を出力する。尚、“防振モード2”ではポートP−D0の信号はハイレベル“H”、ポートP−D1の信号はローレベル“L”である。
【0060】
SμCOM83はモード信号を入力すると、ポートp−BUSYの信号をハイレベル“H”からローレベル“L”へ設定し、“防振モード2”の動作を開始する。そして、“防振モード2”では平行ガラス64の収差による像の劣下を考慮してブレ補正動作を実行する。このとき平行ガラス64はψ2 (図3参照)で示される回転範囲で制御可能である。
【0061】
MμCOM1はフィルムへの露光中、ポートP−RQ1の信号をローレベル“L”に保つ。SμCOM83はポートP−RQ1の信号がローレベル“L”である限りブレ補正動作を実行し続ける必要がある。但し、カメラのブレ量が大きく、平行ガラス64が回転限界(カムギアに形成されたミゾの終端にソレノイドの軸が当接)まで回転してブレ補正動作ができなくなると、SμCOM83はポートP−RQ1の信号がローレベル“L”であってもその動作を停止する。
【0062】
そして、ポートp−BUSYの信号をハイレベル“H”へ設定する(タイムチャート上の#1がこの動作を示している)。従って、MμCOM1は露光中にポートp−BUSYの変化をモニタすることでブレ補正動作が完全に実行されたかどうかを判定することができる。
【0063】
そして、平行ガラス64が回転限界に達することがなければ、ポートP−RQ1の信号のローレベル“L”からハイレベル“H”への変化に連動して、SμCOM83はブレ補正動作を停止する(タイムチャート上の#2がこの動作を示している)。
【0064】
先に図6(b)で示した“防振モード1”では、平行ガラス64が回転限界に達してもSμCOM83は動作を停止しない。そして、SμCOM83は平行ガラス64が回転限界に達すると一時的にモータへの給電を停止する。しかし、カメラのブレの方向が変化すれば、モータの回転方向を反転してブレ補正動作を続ける。
【0065】
防振モード1はブレ補正動作を確認する為のモードであるのでMμCOM1からの動作要求信号がある限り該動作を止めることはない。そして、カメラ使用者がMODESWがオンし、且つ1RSWをオンし続けるとMμCOM1は後述するサブルーチン“防振モード1”の動作を要求し続ける。
【0066】
さらに、カメラ使用者が動作確認の目的でブレ補正動作を実行するときにカメラに発生しているブレはフィルム露光中のブレより大きいことが推測される。何故ならば、カメラ使用者はブレ補正動作の効果の程を知りたいという願望から故意にカメラのブレを発生させるからである。従って、平行ガラス64がその回転限界まで駆動される公算が高いのである。
【0067】
そして、カメラのブレの方向は周期的に変化するものであり、カメラ使用者が故意にカメラブレを発生させているならば尚更変化し易い。従って、一時的に平行ガラス64が回転限界に達することがあっても、しばらく経つとブレの方向が反転しブレ補正動作が可能になる。
【0068】
仮に、平行ガラス64が回転限界に端することで補正動作を禁止してしまうと、カメラの使用者にブレ補正動作が働いていないのではないかという不安を持たせることになる。従って、カメラ使用者が動作確認の為、ブレ補正動作を実行させている時は該動作を止めるわけにはいなかない。
【0069】
以下、図7及び図8のフローチャートを参照して、MμCOM1のメインルーチンのシーケンスについて説明する。
使用者がMAINSWをONすると、MμCOM1はパワーオンリセットし、その動作を開始する。ステップS1では、MμCOM1はI/Oポートの初期化メモリの初期化等を行なう。そして、ステップS2では、出力ポートP−POWERの信号をハイレベル“H”からローレベル“L”に設定する。この動作でトランジスタQ1はONし、これにより電源が保持される。
【0070】
続いて、ステップS3では、MμCOM1は出力ポートP−RQ0の信号をハイレベル“H”からローレベル“L”に設定する。この動作によりSμCOM83は該MμCOM1が動作中であることを検知する。
【0071】
このSμCOM83は、既に説明したように、カメラのブレ量を検出し該ブレにより生じる像のニジミを補正するためのマイクロコンピュータである。
該SμCOM83は上記MAINSWがONするとMμCOM1と同時に起動する。そして、SμCOM83はポートP−RQ0の信号がハイレベル“H”である場合にはMμCOM1がスタンバイモード中であると判定する。そして、SμCOM83自体もスタンバイモードに移行する。
【0072】
次いで、ステップS4では、MμCOM1はSμCOM83に対してセンタリング動作を実行させる。これについては、先に図6(a)で示した通信が実施される。このセンタリング動作は防振動作終了後は必ず必要な動作である。
【0073】
本発明では、カメラ使用者がカメラを使用していない時に何かのはずみでカメラに衝撃が与えられ、平行ガラス64が回転範囲の中央からはずれる可能性もある為、カメラに電源が入るとセンタリング動作を実行させている。
【0074】
さらに、使用者が処定時間、1RSWの操作を実行しないと、電池の消耗をさけるため自動的に動作状態がスタンバイモードへ移行するが、このスタンバイモード中に何らかの衝撃を受け、平行ガラス64が動く可能性もある。かかる点に鑑みて、本発明では、カメラの動作状態がスタンバイモードから解除されたときもセンタリング動作を実行している。
【0075】
続いて、ステップS5,6では、MμCOM1はタイマカウンタを初期化し、カウント動作を開始する。このタイマカウンタは、例えば30秒でオーバーフローするように設定されている。そして、MμCOM1は、このタイマカウンタがオーバーフローするとスタンバイモードへ移行する。
【0076】
次いで、ステップS7では、MμCOM1はMAINSWの状態を判定する。このMAINSWがOFFされるとステップS8に移行して、ステップS8では、MμCOM1は出力ポートP−POWERの信号をローレベル“L”からハイレベル“H”に設定する。この動作によりトランジスタQ1はOFFし、本システムへの電力供給は止まる。そして、MμCOM1,SμCOM83共に動作が停止される。
【0077】
上記ステップS7にて、MAINSWがONならばステップS9へ移行し、測光処理回路5から被写体の輝度情報を入力する。そして、絞り値とシャッタスピード値を算出する。さらに、ステップS10では、MμCOM1は、これらのデータを表示回路2を用いて表示する。そして、ステップS11では1RSWの状態を判定する。レリーズボタンの1段目まで押し込むと1RSWはONする。 ここで、1RSWがOFFならば、ステップS11からS12へ移行し、タイマカウンタがオーバーフローしているか判定する。尚、カメラ使用者が処定時間、レソーズボタンを操作しないとタイマカウンタはオーバーフローする。
【0078】
タイマカウンタがオーバーフローするとステップS12からS13へ処理が移行する。このステップS13では、MμCOM1はポートP−RQ0の信号をローレベル“L”からハイレベル“H”へ変更する。これにより、SμCOM83は、MμCOM1がスタンバイモードへ移行することを検知する。そして、SμCOM83自体もスタンバイモードへ移行する。
【0079】
続いて、ステップS14ではMμCOM1は割り込みを許可する。MAINSW或いは1RSWが操作されると割り込み信号が割り込み入力端子INTに入力する。そして、ステップS15では発振子82の発振動作を止めてスタンバイモードに移行する。尚、このスタンバイモードは割り込み信号により解除できる。
【0080】
そして、スタンバイモードが解除されると発振子82による発振動作が開始する。そして、上記ステップS3からMμCOM1の動作が開始する。尚、ステップS12においてタイマカウンタがオーバーフローしていない時は、ステップS7に移行する。
【0081】
上記ステップS11にて、1RSWがONならば、ステップS11からステップS16へ移行し、該ステップS16ではMμCOM1は、焦点検出部13から出力されるデータに基いて焦点のズレ量を算出する。そして、撮影レンズ20をズレ量に応じて移動する。
【0082】
続いて、ステップS17ではMμCOM1はMODESWの状態を判定する。このMODESWは、カメラ使用者がデモモードを選択する時に操作するスイッチである。そして、デモモードが選択された状態で、レリーズボタンの1段目(1RSWのみON)まで押し込むと、ブレ補正動作が実行され、使用者はその動作をファインダを通して確認することができる。
【0083】
上記ステップS17にて、MODESWがOFFならば、ステップS17からS28へと移行する。そして、ステップS28ではMμCOM1は2RSWの状態を判定する。尚、レリーズボタンを2段目まで押し込むと1RSWと2RSWがONする。
【0084】
このステップS28において2RSWがOFFならば、1RSWのみがONしていることになる。この場合は、ステップS28からステップS5へ移行して、MμCOM1はタイマカウンタを初期化しカウント動作を開始する。この動作により、MμCOM1がスタンバイモードへ移行することはない。
【0085】
上記ステップS28にて、2RSWがONならばステップS28からS24へ移行し、サブルーチン“露光”が実行される。このサブルーチン“露光”のシーケンスについては後述する。
【0086】
さらに、上記ステップS17において、MODESWがONならば、ステップS17からS18へ移行する。そして、このステップS18ではSμCOM83に対して“防振モード1”の実行を要求する。既に説明したように、出力ポートP−RQ1の信号をハイレベル“H”からローレベル“L”に設定する動作に連動して出力ポートP−D0とP−D1とにモード信号を出力する。そして、SμCOM83はブレ補正動作を開始する。このブレ補正動作は、1RSWをOFFする動作若しくは2RSWをONする動作が実行されるまで止まることはない。 そして、ステップS19にて、1RSWがOFFするとステップS19からS21へ移行する。そして、このステップS21では、MμCOM1はポートP−RQ1をローレベル“L”からハイレベル“H”に変更し、SμCOM83のブレ補正動作を止める。そして、ステップS4へ移行し、センタリングを行う。
【0087】
さらに、ステップS20にて、レリーズボタンを2段目まで押し込むと2RSWがONし、ステップS20からステップS22へ移行する。そして、MμCOM1はSμCOM83のブレ補正動作を止める。
【0088】
そして、ステップS23ではMμCOM1はセンタリングを行なう。後述するサブルーチン“露光”においてもブレ補正動作が実行されるため、サブルーチンの実行に先だってセンタリングが必要となるのである。
【0089】
さらに、フィルムへの露光が終了すると、ステップS24からステップS25へと移行する。このステップS25では、MμCOM1はフィルム制御部9を制御してフィルムを1コマ分巻上げる。
【0090】
そして、ステップ26ではMμCOM1はエラーフラグの状態を判定する。このエラーフラグはサブルーチン“露光”の中で設定される。フィルム露光中のブレ補正動作が完全に実行出来ない時、エラーフラグはセット(“1”)される。
【0091】
上記ステップ26にて、エラーフラグが“0”ならば、上記ステップS4へ移行する。エラーフラグが“1”ならばステップS27へ移行し、カメラ使用者に対して警告を与える。この警告は表示回路2を用いて行なわれる。そして、この警告表示が終了するとステップS4へ移行して上記シーケンスを繰り返す。
【0092】
次に図9のフローチャートを参照して、サブルーチン“露光”のシーケンスについて説明する。先ずステップS100では、MμCOM1はミラー制御部7を制御してクイックリターンミラー8を跳ね上げる。そして、ステップS101では、MμCOM1は絞り制御部16を制御して絞り17を所定の値に設定する。
【0093】
そして、ステップS102では、MμCOM1はSμCOM83に対して“防振モード2”の実行を要求する。既に説明したように、出力ポートP−RQ1の信号をハイレベル“H”からローレベル“L”に設定する動作に連動して、出力ポートP−D0,P−D1にモード信号を出力する。これにより、SμCOM83はブレ補正動作を開始する。
【0094】
続いて、ステップS103では、MμCOM1はシャッタ秒時に応じてタイマカウンタに初期化する。そして、ステップS104では、MμCOM1はタイマカウントを開始し、ステップS105では、MμCOM1はシャッタ制御部11を制御してフォーカルプレーンシャッタ12の先幕を駆動する。この動作でフィルムへの露光が始まる。尚、フィルムへの露光はタイマカウンタがオーバーフローするまで実行される。
【0095】
このタイマカウンタのオーバーフローは、ステップS106においてMμCOM1が判定する。そして、タイマカウンタがオーバーフローするとステップS106からステップS109へ移行し、フォーカルプレーンシャッタ12の従事を駆動する。この動作によりフィルムへの露光は終了する。
【0096】
そして、フィルムの露光中は、MμCOM1は入力ポートP−BUSYの状態からSμCOM83によるブレ補正動作が確実に実行されているか検知する。この動作はステップS107において実行される。
【0097】
上記SμCOM83は防振動作が出来なくなるとポートp−BUSYからの信号の出力を止める。即ち、出力ポートp−BUSYの信号をローレベル“L”からハイレベル“H”へ変更する。そして、ポートp−BUSYからの信号の出力が無くなると、ステップS107からステップS108へ移行し、エラーフラグをセットする。このエラーフラグに基いて警告表示を行なうか否かについて判定する。
【0098】
そして、フィルムへの露光が終了すると、ステップS110においてMμCOM1はポートP−RQ1をローレベル“L”からハイレベル“H”へ変更する。これによりSμCOM83による“防振モード2”の動作は禁止される。
【0099】
さらに、ステップS111では、MμCOM1は絞り制御部16を制御して絞り17を開放値に設定し、ステップS112では、ミラー制御部7を制御してクイックリターンミラー8を光路中に戻す。こうして、本シーケンスを終了しメインシーケンスに戻る。
【0100】
次に図10のフローチャートを参照して、SμCOM83のメインルーチンのシーケンスについて説明する。カメラ使用者がMAINSWをONするとシステムに電力が供給されMμCOM1と同様にSμCOM83も動作を開始する。
【0101】
すると、SμCOM83は、先ずI/Oポートの初期化、メモリの初期化等を行なう(ステップS200)。そして、SμCOM83は、MμCOM1の動作状態を検出する(ステップS201)。このMμCOM1は、所定時間レリーズボタンが操作されないとスタンバイモードとなるが、そのとき出力ポートP−RQ0をローレベル“L”からハイレベル“H”へ変更する。ステップS201ではかかる変化を検出することでMμCOM1の動作状態を判別する。。
【0102】
SμCOM83はMμCOM1がスタンバイモードに移行したことを検出すると、ステップS201からステップS202へ移行し、割り込みを許可する(ステップS202)。この割り込み信号は、MμCOM1がポートP−RQ0の信号をハイレベル“H”からローレベル“L”へ変更することにより発生する。
【0103】
この割り込み信号によりSμCOM83はスタンバイモードから解除され、上記ステップS201から動作を開始する。そして、ステップS203では、発振子84による発振動作を停止しSμCOM83はスタンバイモードへ移行する。
【0104】
一方、上記ステップS201にて、MμCOM1が動作中である場合には、SμCOM83はMμCOM1からの動作要求信号があるか否かを判定する(ステップS204)。そして、MμCOM1は動作要求信号としてポートP−RQ1の信号をハイレベル“H”からローレベル“L”へ変更する。この変化に同期してポートP−B01とP−D1にモード信号を出力する。
【0105】
そして、上記モード信号が“センタリングモード”を示している時は(ステップS205)、続いてサブルーチン“センタリング”が実行される(ステップS206)。さらに、上記モード信号が“防振モード1”を示しているときは(ステップS207)、続いてサブルーチン“防振1”が実行される(ステップS208)。また、上記モード信号が“防振モード2”を示している時は(ステップS209)、サブルーチン“防振2”が実行される(ステップS210)。そして、上記各サブルーチンのシーケンスを終了した後、上記ステップS201に戻り、前述のシーケンスを繰り返す。
【0106】
次に図11及び図12のフローチャートを参照して、サブルーチン“センタリング”のシーケンスについて説明する。
本サブルーチンが実行されると、平行ガラス64は、該平行ガラス64の回転範囲の中央に設定される。これれにより、撮影レンズ20の光軸はガラスの面に対して垂直となる。即ち、先ずx軸モータ76の駆動速度を決定するD/Aコンバータ831に最大値を設定し(ステップS300)、該モータ76を時計の回転方向(CW)と同じ方向に回転させるための信号をポートp−Mx0〜3より出力する(ステップS301)。そして、タイマカウンタを初期化した後、カウント動作を開始する(ステップS302,S303)。このタイマカウンタは平行ガラス64が回転範囲の限界端まで回転したかどうか判定するものである。
【0107】
続いて、入力ポートp−PIxに入力されるフォトインタラプタ75から出力されるパルス信号の変化に基づき平行ガラス64が限界端まで回転したかどうかを判定する(ステップS304〜S306)。
【0108】
そして、x軸モータ76が回転していればパルス信号が入力する為、ステップS305においてタイマカウンタは初期化される為、オーバーフローはしないが、平行ガラス64が限界端に達するとx軸モータ76は止まり、フォトインタラプタ75はパルス信号を発生しない。
【0109】
すると、タイマカウンタのカウント動作は進行し、ついにはオーバーフローしてステップS306からステップS307へ移行する。そして、x軸モータ76にショートブレーキをかけるための信号をポートp−Mx0〜3より出力する(ステップS307)。
【0110】
次に必要な動作は限界端を基準として回転範囲の中間位置まで平行ガラス64を回転させることである。
これについては、先ずモータ76を時計の回転方向と逆の方向(CCW)に回転させるための信号をポートp−Mx0〜3に出力し(ステップS308)、平行ガラス64の回転量を検出する(ステップS309〜S312)。
【0111】
即ち、入力ポートp−PIxにパルス信号が入力する毎に、PICoがインクリメントされ、該PICoがX0と一致するとモータ76にショートブレーキがかけられる(ステップS313)。尚、このX0は、回転範囲の限界端から回転範囲の中間位置までの平行ガラス64の回転量をフォトインタラプタ75のパルス数で換算した値である。以上のような処理(ステップS300〜S313)を実施することでx軸に関するセンタリング動作は終了する。
【0112】
尚、y軸に関するセンタリング動作も行われる(ステップS314〜S327)。これについては、前述のx軸の動作(ステップS300〜S313)と同じである為、ここでは説明を省略する。
【0113】
次に図13乃至16のフローチャートを参照して、サブルーチン“防振1”とサブルーチン“防振2”のシーケンスについて説明する。尚、フィルム露光中のブレ補正動作はサブルーチン“防振2”により、カメラ使用者がブレ補正動作を確認するためのブレ補正動作はサブルーチン“防振1”により実行される。
【0114】
サブルーチン“防振2”がコールされると、ステップS400にて、出力ポートp−SELをローレベル“L”に設定する。これによりブレ信号がフィルタ116aを通してMμCOM1のA/Dコンバータに入力される。そして、ステップS401では、SμCOM83はソレノイド59,68に通電する。
【0115】
尚、出力ポートp−MGxとp−MGyをハイレベル“H”からローレベル“L”へ変更することで、ソレノイドへ電流が流れる。これにより、平行ガラス64はψ2 (図3参照)の範囲で回転可能となる。また、フィルム露光中のブレ補正動作では、平行ガラス64の収差による画質劣下を考慮して平行ガラス64の回転範囲を決定する必要がある。
【0116】
一方、サブルーチン“防振1”がコールされた時は、ソレノイドへ通電する必要はない。従って、平行ガラス64は、ψ1(図3参照)の範囲で回転可能となる。そして、ステップS402にて、SμCOM83は出力ポートp−SELの信号をハイレベル“H”に設定する。これに基いてフィルタ116bからのブレ信号がMμCOM1へ入力する。
【0117】
続いて、ステップS403では、SμCOM83は出力ポートp−BUSYの信号をハイレベル“H”からローレベル“L”に変更する。MμCOM1は、該出力ポートp−BUSYの状態に基いてSμCOM83が動作中であることを検出することができる。
【0118】
そして、ステップS404〜S406では、タイマカウンタ1とタイマカウンタ2の初期化を行ない、カウント動作を開始する。タイマカウンタ1はx軸モータ76の回転速度を検出するために使用される。x軸モータ76の回転速度を検出する動作はジンバル機構のx軸に関する平行ガラス64の回転速度を求めることになる。そして、x軸モータ76の回転速度は、該モータ76に接続されたフォトインタラプタ75が出力するパルス信号の間隔をタイマカウンタ1を用いて測定することで検出することが可能である。
【0119】
尚、タイマカウンタは平行ガラス64の回転限界を検出するためにも使用される。そして、タイマカウンタ1により平行ガラス64のx軸に関する回転限界を検出することができる。このタイマカウンタ1はフォトインタラプタ75からのパルス信号が発生している限りオーバーフローすることはない。
【0120】
パルス信号が発生すると割り込み処理(図17参照)が実行される。割り込み処理の中でタイマカウンタは初期化されるためオーバーフローすることはない。しかし、ソレノイド59の軸59aがカムギア57のミゾ57aの端に当接するとx軸モータ76は回転できなくなる。
【0121】
すると、フォトインタラプタ75のパルス信号が発生しないためタイマカウンタ1のカウント動作が進行する。そして、オーバーフローすることになる。従って、タイマカウンタ1のオーバーフローを検出することによりx軸に関して平行ガラス64が回転限界に位置することを検出することができる。
【0122】
タイマカウンタ2はy軸モータ50の回転速度を求めるために使用される。また、オーバーフローを検出することで、y軸に関して平行ガラス64が回転限界に位置することを検出することができる。
【0123】
続いて、ステップS407では割り込み動作を許可する。この割り込みの処理は、フォトインタラプタ75(52)のパルス信号が入力ポートp−PIx(若しくはp−PIy)に入力すると実行される。
【0124】
そして、ステップS408ではx軸ブレ検出回路87の出力をA/Dコンバータ833より入力する。A/Dコンバータ833の出力は、x軸に関するブレにより生じた角速度(dθx/dt)を示している。
【0125】
さらに、ステップS409では、x軸モータ76の回転速度を設定するためのD/Aコンバータ831へデータを設定する。このデータはdωx/dt,dθx/dt,Kxより算出される。ここで、dωx/dtはx軸モータの回転速度であり、このdωx/dtは後述する割り込みルーチンで算出される。そして、Kxは定数であり、このKxはx軸モータに取りつけられたギアの減速比、平行ガラス64の光学特性、x軸ブレ検出回路87の出力特性などを考慮して決定される。
【0126】
そして、ステップS410ではx軸終端フラグの有無が判定される。x軸に関して平行ガラス64が回転限界に位置すると、x軸終端フラグはセット(“1”)される。即ちカメラのブレが大きく平行ガラス64による補正動作がこれ以上できないことを該フラグは示す。該フラグが“0”ならば、x軸に関する補正動作は実行することができる。
【0127】
続いて、ステップS415ではSμCOM83はブレ検出回路87の出力に基いてブレによって発生したx軸に関するカメラの回転方向を検出する。そして、回転方向がCCWならば、ステップS417へ移行してx軸モータ76を回転方向へCWへ回転させる。この動作によりカメラの回転による像の移動と平行ガラス64の回転による像の移動が相殺し像は移動しない。
【0128】
一方、ブレによって発生したカメラの回転方向がCWならば、ステップS415からステップS416へ移行する。そして、x軸モータ76を回転方向CCWへ回転させる。尚、x軸モータ76の回転方向は出力ポートp−Mx0〜p−Mx3の信号により制御することができる。
【0129】
続いて、ステップS418ではタイマカウンタ1がオーバーフローしていないか判定する。そして、タイマカウンタ1がオーバーフローしていない時は、y軸に関するブレ補正動作を実行するためステップS425へ移行する。これに対して、タイマカウンタ1がオーバーフローしている時は、ステップS418からS419へ移行する。
【0130】
そして、ステップS419ではx軸モータ76をOFFする。これは、タイマカウンタのオーバーフローは平行ガラス64が回転限界に位置することを示しているからである。続いて、ステップS420では“防振モード1”であるか判定する。カメラ使用者がブレ補正動作の確認のためブレ補正動作を実行する時、MμCOM1はSμCOM83に対して“防振モード1”の動作を要求する。この“防振モード1”の時はステップS420からS422へ移行し、タイマカウンタ1のカウント動作を止める。
【0131】
続いて、ステップS423ではx軸終端フラグをセットし、ステップS424では、x軸に関するブレによって発生したカメラの回転方向を記憶する。そしてy軸に関するブレ補正動作を実行すべくステップS425へ移行する。
【0132】
そして、上記ステップS420にて、“防振モード1”でないとき、即ち“防振モード2”の動作をMμCOM1が要求している時はステップS420からステップS421へ移行する。そしてy軸モータ50の回転を停止する。
【0133】
さらに、フィルム露光中にブレ補正動作を実行させるとき、MμCOM1はSμCOM83に対して“防振モード2”の動作を要求する。
フィルム露光中のブレ補正動作において、平行ガラス64の回転限界まで回転した時、SμCOM83はブレ補正動作の動作を諦める。そして、2つのモータ50,76は停止される。
【0134】
モータ50,76を停止するとステップS445へ移行し、ソレノイド59,68の通電を停止する。そして、ステップS446において、ポートp−BUSYの信号をローレベル“L”からハイレベル“H”へ変更する。この動作は図6(c)のタイムチャート上の#1の動作に相当する。即ち、MμCOM1はブレ補正動作の要求信号をポートP−RQ1に出力しているが、SμCOM83はブレ補正動作を止めた状態である。フィルム露光中カメラのブレの状態が補正可能な範囲を越えてしまった時、このような状態が発生する。
【0135】
SμCOM83は“防振モード1”におけるブレ補正動作において、平行ガラス64が回転限界に達しても動作は止めない。一時的にはモータの駆動は止めるが、ブレによって発生するカメラの回転方向が変われば補正動作を再開する。
【0136】
この動作は、ステップS410〜S414の処理によって実行される。即ち、x軸終端フラグが1ならば、ステップS410からS411へ移行する。そして、このステップS411ではステップS424で記憶された方向と現在のブレによるカメラの回転方向を比較する。そして、変化がなければステップS425へ移行する。x軸モータ76は停止したままであるが、方向に変化があるとステップS416へ移行して、終端フラグをクリアする。
【0137】
続いて、ステップS413,S414ではタイマカウンタ1を初期化、カウント動作を再開する。さらに、x軸モータ76を再度駆動するためステップS415へ移行する。
【0138】
以上説明したステップS408〜S424の処理は、x軸に関するブレ補正動作である。y軸に関するブレ補正動作は、これと同様にステップS425〜S441において実行される。尚、これについてはx軸に関する補正動作と同じなので説明は省略する。
【0139】
尚、SμCOM83はブレ補正動作中、x軸とy軸に関するブレ補正動作を時分割で交互に実行する。この補正動作はブレの信号周期に対して十分速くなければならない。ブレ補正動作は基本的には、MμCOM1からの動作要求信号が出力されている限り継続される。
【0140】
この動作要求信号の有無はステップS442において判定される。即ち、MμCOM1のポートP−RQ1の信号がローレベル“L”ならば、ブレ補正動作は継続される。そして、ステップS442からステップS408へ移行する。そして、ポートP−RQ1の信号がローレベル“L”からハイレベル“H”に変化するとステップS442からステップS443へ移行する。そして、ステップS443,S444ではモータの回転を止める。
【0141】
そして、ステップS446では、ポートp−BUSYの信号をローレベル“L”からハイレベル“H”へ変更し、ステップS447ではタイマカウンタ1とタイマカウンタ2の動作を止める。そして、ステップS448ではSμCOM83は割り込み動作を禁止し、こうして全てのシーケンスを終了してメインシーケンスにリターンする。
【0142】
次に図17(a)のフローチャートは、フォトインタラプタ75のパルス信号がポートp−PIxに入力した時に実行される割り込みルーチンのシーケンスを示している。即ち、ステップS501では、タイマカウンタ1のカウント値をTΔに記憶する。このTΔはフォトインタラプタ75のパルスのインターバルである。そして、ステップS502,503ではタイマカウンタ1を初期化し、カウント動作を開始する。ステップS504では、フォトインタラプタ75のインターバル(TΔ)と係数(kx)よりx軸モータ65の回転速度(dωx/dt)を算出する。このkxはモータ76に接続された円板74のスリットの数により定まる。
【0143】
同様に、図17(b)のフローチャートは、フォトインタラプタ52のパルス信号がポートp−PIyに入力した時に実行される割り込みルーチンのシーケンスを示している。即ち、ステップS510では、タイマカウンタ1のカウント値をTΔに記憶する。このTΔはフォトインタラプタ52のパルスのインターバルである。そして、ステップS511,512ではタイマカウンタ1を初期化し、カウント動作を開始する。ステップS513では、フォトインタラプタ52のインターバル(TΔ)と係数(ky)よりy軸モータ65の回転速度(dωy/dt)を算出する。このkyはモータ50に接続された円板51のスリットの数により定まる。
【0144】
次に図18を参照して、上記防振機構15の改良例について説明する。
図18に示されるように、本改良例では、2つのカムギア205上に図のような導電パターンを形成し、該導電パターンに接片202を接触させている。尚、接片202Cは回路システムのGNDへ接続される。よって、露光中に許されるカムギア205の回転範囲はψ2 である(図3のψ2 と同じ)。
【0145】
そして、カメラ使用者がブレ補正動作を確認するために補正動作を実行するときに、許されるカムギア205の回転範囲はψ1 である(図3のψ1 と同じ)。上記導電パターンの形状はψ1 とψ2 に対応したものである。接片202a,202bは抵抗を介して電源ラインにプルアップされている。そして、“防振モード2”のブレ補正動作を実行する時には、接片202bの電圧を検出しながら補正動作を実行する。上記接片202bの出力電圧がローレベル“L”の間はブレ補正動作が実行可能であり、出力電源がハイレベル“H”になったら補正動作を禁止する。また、“防振モード1”のブレ補正動作を実行する時には、接片202aの電圧を検出しながら補正動作を実行すればよい。
【0146】
尚、上記実施例では補正光学系は平行ガラスで構成されていたが、この構成に限らずレンズ、プリズムなどの光学系でもよい。また、上記実施例ではカム溝もしくは電気的接点手段によって、制限範囲を検出し、露光中はその移動範囲を制限していたが、このようなカム溝もしくは接点手段を設けずとも、露光中はリセット位置からの移動範囲を制限するようにプログラムを構成してもよい。
【0147】
さらに、上記実施例では補正光学系はモータによって駆動されていたが、モータに限らず電磁石等のアクチュエータを利用することもできる。また、上記実施例では露光動作中のみ即ちシャッタが開口してから第2の制限範囲で防振動作を開始していたが、これより先のタイミング、例えば2ndレリーズがなされた時点から第2の制限範囲で防振動作を介ししても良い。
【0148】
以上詳述したように、本発明のカメラの防振装置では、ブレ補正光学の制御範囲を可変にしたことで、補正光学系による結像性能の劣下を考慮したブレ補正動作と、ファインダを通して目でブレ補正動作を確認することが容易なブレ補正動作が実行可能になる。
【0149】
なお、本発明の上記実施態様によれば、以下のごとき構成が得られる。
(1)カメラの振動状態を検出する振動検出手段と、
撮影光学系の一部に介挿された補正用光学系と、
上記振動検出手段の検出出力に基づいて、上記振動状態による像の変位を減少させるように、補正補正光学系の駆動制御を行う制御手段と、
防振動作確認モードを設定するための手動操作部材と、
フィルムへの露光動作を行う露光手段と、
を具備するカメラの防振装置において、上記制御手段は、
上記手動操作部材によって上記防振動作確認モードが設定された際には、上記補正光学系の移動範囲を第1の定められた範囲(ψ1)内に制限する第1制限手段と、
上記露光手段によって、上記フィルムに露光動作を行っている際には、第2の定められた範囲(ψ2、但しψ1>ψ2)内に上記補正光学系の移動範囲を制限する第2制限手段と、
を具備したことを特徴とするカメラの防振装置。
(2)上記第1及び第2制限手段は、機械的制限手段により上記補正光学系の移動を制限することを特徴とする上記(1)に記載のカメラの防振装置。
(3)上記第1制限手段の上記第1の定められた範囲及び第2制限手段の上記第2の定められた範囲は、電気的検出手段によって決定されることを特徴とする上記(1)に記載のカメラの防振装置。
(4)上記振動検出手段の出力はフィルタ手段を介して上記制御手段に供給され、上記制御手段は上記第1制限手段の動作時と上記第2制限手段の動作時とで、上記フィルタ手段の特性を換えることを特徴とする上記(1)乃至(3)に記載のカメラの防振装置。
(5)上記フィルタ手段は上記第2制限手段の動作時に比べ、第1制限手段の動作時の方がカットオフ周波数が高いことを特徴とする上記(4)に記載のカメラの防振装置。
(6)上記制御手段は、上記防振動作確認モードの設定された際には、上記補正光学系がその移動範囲の限界に達した場合でも防振動作を継続し、上記露光動作中は上記補正光学系の上記移動範囲の限界に達した場合には防振動作を停止することを特徴とする上記(1)乃至(5)に記載のカメラの防振装置。
(7)カメラの振動状態を検出する振動検出手段と、
上記振動検出手段の検出出力に基づいて、上記振動状態による像の変位を減少させる振動減少手段と、
特定モードの設定を検出するための特定モード検出手段と、
フィルムへの露光動作を行う露光手段と、
上記特定モード検出手段によって上記特定モードが検出された際には、上記振動減少手段は防振動作の結果、撮影レンズによる結像が劣化に関わらず、機械的にもしくは光学的に駆動可能な範囲で防振動作を行う第1制御手段と、
上記特定モード検出手段によって上記特定モードが検出されない場合には、上記振動減少手段は防振動作の結果、撮影レンズによる結像が劣化しない範囲で防振動作の制御を行う第2制御手段と、
を具備したことを特徴とするカメラの防振装置。
(8)カメラの振動状態を検出する振動検出手段と、
この振動検出手段からの出力に対してフィルタリングを行うフィルタ手段と、
このフィルタ手段からの出力に基づいて、上記振動状態による像の変化を減少させる振動減少手段と、
特定モードの設定を検出するための特定モード検出手段と、
フィルムへの露光動作を行う露光手段と、
上記特定モード検出手段によって上記特定モードが検出された際と、上記露光手段による露光動作中とでは、上記フィルタの特性を変更させるフィルタ変更手段と、
を具備したことを特徴とするカメラの防振装置。
(9)カメラの振動状態を検出する振動検出手段と、
上記振動検出手段の検出出力に基づいて、上記振動状態による像の変位を減少させる振動減少手段と、
特定モードの設定を検出するための特定モード検出手段と、
フィルムへの露光動作を行う露光手段と、
上記特定モード検出手段によって上記特定モードの設定が検出された際には、ぶれ補正限界に達しても、上記振動減少手段による防振動作を継続し、上記露光動作による上記露光動作中は上記ぶれ補正限界に達した際に上記振動減少手段による上記防振動作を停止させる防振制御手段と、
を具備したことを特徴とするカメラの防振装置。
【0150】
上記(1)〜(7)記載の実施態様によれば、フィルム露光中は防振動作は画質の劣化を最小限とすることができ、しかも防振動作確認モード(特定モード)の際には防振動作を視覚上確認が容易にすることができる。上記(2)に記載の実施態様によれば補正光学系の制限範囲が機械的に制限されるので確実に制限することができる。上記(3)に記載の実施態様によれば、電気的に検出しているので、コンピュータとのマッチングが良い。上記(4)に記載の実施態様によれば、露光中と防振動作確認モード(特定モード)でフィルタの特性を変更するので、それぞれ最適の制御を行うことができる。上記(5)に記載の実施態様によれば、防振動作確認モードにおいて動作確認中に突然、像がぶれ始めるという状況を減少させることができる。上記(6)の実施態様によれば、防振動作確認モード(特定モード)の際に防振動作の確認が容易であると共に、露光動作中に像がぶれることがなくなる。上記(8)の実施態様によれば、フィルタの特性を変更するので、それぞれ最適の制御を行うことができる。上記(9)の実施態様によれば、特定モードの際に防振動作の確認が容易であると共に、露光動作中に像がぶれることがなくなる。
【0151】
【発明の効果】
本発明によれば、ブレ補正光学系による結像性能の劣下を考慮すると共に、使用者がファインダを通して視覚により効果を確認することができるブレ補正動作を実現するカメラの防振装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るカメラの防振装置の構成を示す図である。
【図2】図1における防振機構15の構成を詳細に示す図である。
【図3】図2におけるカムギア57及びミゾ57aの断面を詳細に示す図である。
【図4】図1におけるブレ防止回路14、操作スイッチ3等、MμCOM1の周辺回路の詳細な構成を示す図である。
【図5】(a)及び(b)は正三角柱状の振動体を用いた振動ジャイロの構成を示す図である。
【図6】(a)乃至(c)は、上記MμCOM1とSμCOM83との通信について説明するためのタイムチャートである。
【図7】MμCOM1のメインルーチンのシーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図8】MμCOM1のメインルーチンのシーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図9】サブルーチン“露光”のシーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図10】SμCOM83のメインルーチンのシーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図11】サブルーチン“センタリング”のシーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図12】サブルーチン“センタリング”のシーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図13】サブルーチン“防振1”とサブルーチン“防振2”のシーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図14】サブルーチン“防振1”とサブルーチン“防振2”のシーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図15】サブルーチン“防振1”とサブルーチン“防振2”のシーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図16】サブルーチン“防振1”とサブルーチン“防振2”のシーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図17】(a)はフォトインタラプタ75のパルス信号がポートp−PIxに入力した時に実行される割り込みルーチンのシーケンスを示すフローチャート、(b)はフォトインタラプタ52のパルス信号がポートp−PIyに入力した時に実行される割り込みルーチンのシーケンスを示すフローチャートである。
【図18】防振機構15の改良例について説明するための図である。
【図19】従来例に係るカメラの防振装置のブレ補正光学系の構成を示す図である。
【図20】従来例に係るカメラの防振装置のブレ補正光学系の構成を示す図である。
【図21】図19の従来例の平行平面板及び像面の部分の拡大図である。
【図22】図19の従来例の平行平面板及び像面の部分の拡大図である。
【図23】図19の従来例の平行平面板及び像面の部分の拡大図である。
【符号の説明】
1…メインマイクロコンピュータ、2…表示回路、3…操作スイッチ、4…フィルム感度読取り回路、5…測光処理回路、6…光電変換素子、7…ミラー制御部、8…クイックリターンミラー、9…フィルム制御部、10…フィルム、11…シャッタ制御部、12…フォーカルプレーンシャッタ、13…焦点検出部、14…ブレ防止回路、15…防振機構、16…絞り制御部、17…絞り、18…モータ制御回路、19…モータ、20…撮影レンズ
Claims (6)
- カメラの振動状態を検出する振動検出手段と、
上記振動状態による像の変化を減少させるように、上記振動検出手段の検出出力に基づいて補正光学系の駆動を行う制御手段と、
第1の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲を制限する第1制限手段と、
上記第1の定められた範囲よりも小さい第2の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲を制限する第2制限手段と、
撮影中は上記第2制限手段を選択し、撮影中以外で防振動作を行う際は上記第1制限手段を選択する選択手段と、
を具備したことを特徴とするカメラの防振装置。 - 上記第1及び第2制限手段は、機械的制限手段により上記補正光学系の移動を制限することを特徴とする請求項1に記載のカメラの防振装置。
- 上記振動検出手段の出力はフィルタ手段を介して上記制御手段に供給され、上記制御手段は上記第1制限手段の動作時と上記第2制限手段の動作時とで、フィルタ手段のフィルタ特性を変える事を特徴とする請求項1に記載のカメラの防振装置。
- 上記第2制限手段が選択された状態で、上記補正光学系が補正限界に達した場合には補正動作を停止し、上記第1制限手段が選択された状態で、上記補正光学系が補正限界に達した場合には補正動作を継続することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカメラ防振装置。
- カメラの振動状態を検出する振動検出手段と、
上記振動検出手段からの出力に対してフィルタリングを行うハイパスフィルタ手段と、
撮影中以外にブレ補正を行う第1のモードと撮影中にブレ補正を行う第2のモードにてブレ補正が可能であって、上記ハイパスフィルタ手段からの出力に基づいて、補正光学系の駆動を行う制御手段と、
第1の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲を制限する第1制限手段と、
上記第1の定められた範囲よりも小さい第2の定められた範囲内に上記補正光学系の移動範囲を制限する第2制限手段と、
を具備し、上記第1のモードと第2のモードとで、上記ハイパスフィルタ手段のカットオフ周波数を切り替えると共に上記第1のモードでは上記第1制限手段を選択し上記第2のモードでは上記第2制限手段を選択することを特徴とするカメラの防振装置。 - 上記第1のモードはレリーズスイッチの1段目のスイッチがオンされることでブレ補正動作を開始し、上記第2のモードは上記レリーズスイッチの2段目のスイッチがオンされることでブレ補正動作を開始することを特徴とする請求項5に記載のカメラの防振装置。
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