JP3575214B2 - 加熱ローラ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式の複写機、プリンタ等の画像形成装置においてトナー像等の未定着画像を保持した記録材に該画像を加熱して定着させる定着装置における加熱ローラを含む加熱ローラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置における定着装置は、一般的には、加熱ローラを備えており、トナー像等の未定着画像を保持した記録材を該加熱ローラとバックアップ部材(一般的には加圧ローラ)との間に挟持しつつ通過させることで該未定着画像を記録材上に加熱加圧して定着させる。
【0003】
かかる加熱ローラにはこれまでハロゲンランプヒータ等の発熱ヒータを内蔵して、該ヒータからの輻射熱でローラを加熱するものが多用されてきた。
しかしハロゲンランプヒータ等の内蔵発熱ヒータを熱源とする加熱ローラによると、該ヒータの通電開始時から加熱ローラ表面の所定定着温度までの昇温速度が遅く、そのため画像形成装置の電源スイッチをオンしてから加熱ローラが所定温度に到達するまでの予熱時間(いわゆるウォーミングアップ時間)が長くなり、それだけ装置が使い難くなっていた。
【0004】
そこで所定温度に到達するまでの昇温時間が短く済む加熱ローラとして、芯ローラに通電により発熱する物質よりなる抵抗発熱体を該芯ローラとともに回転するように形成した加熱ローラが提案されている。このタイプの加熱ローラは電気・熱変換効率が良く、該抵抗発熱体への通電開始後速やかに加熱ローラ表面温度を所定温度まで上昇させることができ、これにより加熱ローラの予熱時間を短縮することができる。
【0005】
このタイプの加熱ローラにおいては、抵抗発熱体に通電するために、一般的には、抵抗発熱体に電気的に接続形成され加熱ローラと共に回転する受電部材と、該受電部材に接触せしめられる給電部材とが設けられ、それらを介して該抵抗発熱体に通電される。
例えば、加熱ローラの芯材となる芯ローラの回転中心軸線方向における両端部にローラと一体的に回転するように受電部材を設け、これら各受電部材に該軸線方向外側から給電部材を当接させた加熱ローラが提案されている。かかる受電部材には給電部材との接触のために、通常、芯ローラの回転中心と中心を合わせた円形平面が設けられ、同様に給電部材には受電部材との接触のための円形平面が設けられている。給電部材は、その受電部材との接触のための円形平面の中心を、受電部材の給電部材との接触のための円形平面の回転中心に合わせて配置され、通常バネ等によって受電部材に向けて押圧されている。これらにより、受電部材と給電部材とは互いに面接触している。また、給電部材は、通常、カーボン又はカーボン含有材料により形成されているカーボン製のものである。これらにより、芯ローラが回転して受電部材がこれと一体的に回転するときに、給電部材が受電部材の摺動により削られて、相互接触面においてカーボン皮膜が形成され、該接触面における接触抵抗を小さくすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、抵抗発熱体に通電するために、受電部材が芯ローラのローラ回転中心軸線方向の両端部に装着され、カーボン製給電部材が該軸線方向の外側から当接する加熱ローラにおいて、記録材上に保持される未定着トナー像の加熱定着等に際して加熱ローラ(芯ローラ)が回転駆動されると、受電部材は芯ローラと一体的に回転して受電部材と給電部材とはこれらの相互接触面において摺動接触するが、受電部材の給電部材との接触のための面の周速は、その回転半径方向において大きく異なるため、すなわち、該面の回転半径方向外縁部分の周速は回転半径方向中心部分の周速よりも速いため、それぞれの部分における給電部材との接触状態は異なるものとなってしまう。そのため、これらの相互接触面においては、回転半径方向外縁部分よりも回転半径方向中心部分の方がカーボン皮膜が形成されにくく、外縁部分と中心部分とで給電部材との接触抵抗やそれ自身の抵抗変動が大きくなる等の不都合が生じる。また、給電部材と受電部材との相互接触面に形成されるカーボン皮膜の半径方向でのムラが進むとスパークが発生したり、該相互接触面における発熱が大きくなったりする。これらにより抵抗発熱体に安定した電圧印加を行うことができなくなる。
【0007】
そこで本発明は、未定着画像を保持した記録材に該画像を加熱定着させる定着装置の加熱ローラを含む加熱ローラ装置であり、該加熱ローラを構成する芯ローラにはローラ加熱のための抵抗発熱体が形成され、該抵抗発熱体への通電のためにローラの回転中心軸線方向の両端部に装着されて該芯ローラと一体的に回転する受電部材と、該受電部材に該軸線方向外側から圧接されるカーボン製給電部材とを有する加熱ローラ装置であって、受電部材と給電部材との相互接触面において均一なカーボン皮膜を形成することができ、これにより該相互接触面における抵抗変動や接触抵抗を低減して、それだけ安定して抵抗発熱体に通電することができる加熱ローラ装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、未定着画像を保持した記録材に該画像を加熱定着させる定着装置の加熱ローラ装置であり、芯ローラと、前記芯ローラの外周面及び(又は)内周面に沿って形成されて該芯ローラと共に回転し、通電により発熱する抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体に電気的に接続され、前記芯ローラの回転中心軸線方向の両端部に装着され、該芯ローラと共に回転する一対の受電部材とを含む加熱ローラと、前記各受電部材に前記芯ローラの回転中心軸線方向外側から該受電部材に向けて押圧されて当接する一対のカーボン製給電部材とを有し、前記給電部材は、前記受電部材に当接する面が中心部が空いた面に形成されていて、該受電部材における回転半径方向外部領域に接触することを特徴とする加熱ローラ装置を提供する。
【0009】
前記カーボン製給電部材はカーボン又はカーボン含有材料からなるもので、例えば銅系カーボン、銀系カーボンで構成できる。
前記受電部材は導電性材料からなり、例えば真鍮、鉄、銅からなるものとすることができる。
前記受電部材は前記給電部材と接触するための面を有し、該給電部材も該受電部材と接触するための面を有している。これらの面は互いに面接触するが、給電部材の受電部材との接触のための面は中心部が空いた面であり、受電部材の給電部材との接触のための面における芯ローラ回転半径方向(換言すれば、芯ローラと一体的に回転する受電部材の回転半径方向)の外部領域だけに接触し、すなわち、該半径方向中心部分においてはこれらの面は接触していない。
【0010】
このように給電部材を受電部材の回転半径方向外部領域だけに接触させるには、例えば次の▲1▼又は▲2▼のようにすればよい。
▲1▼ 前記受電部材に、前記給電部材と接触するための、前記芯ローラの回転中心軸線方向(換言すれば、芯ローラと一体的に回転する受電部材の回転中心軸線方向)にほぼ直交して該回転中心軸線とほぼ中心が一致する円形平面を設け、該給電部材に、該受電部材と接触するためのリング状平面を設けて、該給電部材のリング状平面をその中心が該受電部材の円形平面の中心にほぼ合致するように該円形平面に当接させる。給電部材のリング状平面は、例えば円柱状部材の一端の円形平面中心部分に円形凹部を設けることにより、又は円柱状部材の一端の円形平面中心部分から他端面へ貫通する円形孔を設けることにより形成することができる。この場合、前記給電部材のリング状平面は所定の中心角度間隔で2以上、好ましくは3つに分割(より好ましくは等分割)されていてもよい。
▲2▼ 前記受電部材に、前記給電部材と接触するための、前記芯ローラの回転中心軸線方向に対して傾斜し、該回転中心軸線とほぼ中心が一致する凸状円錐面を設け、該給電部材に、該受電部材と接触するための、該受電部材の凸状円錐面に嵌合接触するリング形凹状円錐面を設けて、該給電部材のリング形凹状円錐面をその中心が該受電部材の凸状円錐面の中心にほぼ合致するように該凸状円錐面に当接させる。なお、受電部材の凸状円錐面というときの「円錐面」とは、円錐の錐面のことをいい、円錐の頂点までを含まない一部の錐面であってもよい。また、給電部材の凹状円錐面というときの「円錐面」とは、円錐状に陥没している鉢状の部材の錐面をいう。給電部材の凹状円錐面はリング形であるので、その円錐の頂点までを含まない一部の錐面である。給電部材のリング形凹状円錐面は、例えば円柱状部材の片側端面から、まず凹状の円錐面を設けて、その後円錐頂点を含む部分に円形凹部又は円形貫通孔を設けることにより形成できる。この場合も、前記給電部材のリング形凹状円錐面は所定の中心角度間隔で2以上、好ましくは3つに分割(より好ましくは等分割)されていてもよい。
【0011】
本発明の加熱ローラ装置においては、給電部材及び受電部材を介して抵抗発熱体に通電されると、抵抗発熱体は発熱して、加熱ローラを昇温させる。未定着画像の加熱定着時等において、加熱ローラが回転駆動されると、受電部材は芯ローラと一体的に回転し、受電部材は給電部材に対して相対的に摺動して、これらの相互接触面においては給電部材が削られてカーボン皮膜が形成される。このとき、受電部材の回転半径方向中心部分より周速が速い該回転半径方向外部領域だけが、給電部材に対して摺動するため、また、受電部材の周速のほぼ同じ部分だけが給電部材に対して摺動するため、均一なカーボン皮膜が形成されやすく、それだけこれら相互接触面における接触抵抗は低減され、また、接触抵抗の変動が抑制されて、抵抗発熱体に安定した通電を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に本発明の一実施形態である加熱ローラ装置を備える定着装置の1例の概略断面図を示す。この定着装置は、未定着のトナー像を保持するシート状記録材上に、該トナー像を加熱定着させるためのものである。
【0013】
この定着装置は、本発明に係る加熱ローラ1等を含む加熱ローラ装置及び加熱ローラ1に対向する加圧ローラ2を備えている。
加熱ローラ1はその両端部において、定着装置ハウジングHに支持された軸受け31、31により回転可能に支持されている。加熱ローラ1は、図示しない駆動手段により回転駆動される。
【0014】
加圧ローラ2は、図示しない支持手段により回転可能に支持されており、図示しないバネ、弾性体等の押圧手段により加熱ローラ1に向けて押圧されている。加圧ローラ2は、加熱ローラ1の回転に従動して、或いは、両ローラの間に通される記録材の移動に従動して回転する。
加熱ローラ1は中空円筒状の芯ローラ10(本例では、アルミニウム合金製)を有し、芯ローラ10の内周面には、絶縁層11、層状の抵抗発熱体(以下、抵抗発熱層という。)12が順に形成されており、また、外周面には離型層13が形成されている。
【0015】
絶縁層11は、抵抗発熱層12と芯ローラ10との間の電気絶縁性を保つために、両者の間に形成されており、本例では耐熱絶縁性樹脂のポリイミドからなる。
抵抗発熱層12は、通電により自らジュール発熱をし、本例ではチタン酸バリウム系セラミックからなる。
【0016】
離型層13は、未定着のトナー像を保持する記録材が加熱ローラ1とこれに対向する加圧ローラ2との間に挟持されつつ通過するときに、加熱されるトナー像が加熱ローラ1から剥がれやすくするために形成されており、本例ではポリテトラフルオロエチレンからなる。
これら絶縁層11、抵抗発熱層12及び離型層13は芯ローラ10と一体的に回転する。
【0017】
加熱ローラ1の回転中心軸線方向の両端部には、それぞれ受電部材141が装着されている。それには限定されないが、ここでは芯ローラ10の内周面側に嵌装されている。各受電部材141は、ローラ1の回転中心軸線と中心線が一致し、該回転中心軸線方向にほぼ直交する円形平面1411を有するハット形状のもので、導電性材料、例えば、真鍮等からなっており、各受電部材141は導電性接着剤により抵抗発熱層12に接着固定され、該発熱層12に電気的に接続している。受電部材141は、芯ローラ10と一体的に回転する。
【0018】
各受電部材141の円形平面1411には、加熱ローラ1の回転中心軸線方向外側から、カーボン含有導電性材料、例えば、銅系カーボンからなる給電部材51がそれぞれ当接されている。なお、給電部材51は銀系カーボンからなるものとしてもよい。
給電部材51の斜視図を図2(A)に、断面図を図2(B)に示す。
【0019】
給電部材51はリング状の平面511を有し、このリング状平面511に囲まれる部分は円形凹部512となっている。換言すれば、該凹部512により給電部材51にはリング状の平面511が形成されている。前記受電部材141の円形平面1411には、リング状平面511がその中心を円形平面1411の中心に合わせるようにして臨んでいる。
【0020】
各給電部材51は、図示しないバネ等の押圧手段により適圧下に、受電部材141に向けて押圧されている。これにより、受電部材141が芯ローラ10と一体的に回転しても受電部材141と給電部材51との電気的接続が保たれるようになっている。左側給電部材51は電源4の一端に電気的に接続され、また、右側給電部材51はソリッド・ステート・リレーSSRの接点を介して電源4の他端に接続されており、リレーSSRの接点を閉じることによって抵抗発熱層12に通電することができる(図1参照)。
【0021】
リレーSSRの接点は、定着装置全体の動作制御を行う中央演算装置(CPU)を含む制御部CTRによって開閉することができる。制御部CTRは、加熱ローラ1の離型層13の外周面上に当接された温度検出素子であるサーミスタTHの検出する加熱ローラ1の温度に基づいて、リレーSSRの開閉を行う。
以上説明した定着装置によると、未定着のトナー像を保持した記録材上へのトナー像の定着は次のようにして行われる。すなわち、制御部CTRによりリレーSSRの接点が閉じられて、給電部材51や受電部材141等を介して抵抗発熱層12に電源4から電圧が印加され、これにより抵抗発熱層12はジュール発熱して、加熱ローラ1がその内周面側から加熱される。加熱ローラ1の加熱源として抵抗発熱体を採用したことにより、加熱ローラ1は速やかに昇温する。このとき、サーミスタTHの検出する加熱ローラ1の温度に基づいて通電制御が行われ、加熱ローラ1は所定の定着温度に保たれる。そして、図示しない駆動手段により加熱ローラ1が回転駆動され、定着温度の加熱ローラ1とこれに向け押圧された加圧ローラ2との間を、記録材が通されることにより、該記録材上の未定着トナー像が加熱、加圧下に定着される。
【0022】
本発明の加熱ローラ1等を含む加熱ローラ装置においては、給電部材51を銅系カーボン材料により形成したことにより、加熱ローラ1(芯ローラ10)が回転駆動され、受電部材141が芯ローラ10と一体的に回転すると、給電部材51と受電部材141とは相互に摺動して、これらの相互接触面においてカーボン皮膜が形成される。このとき、給電部材51の受電部材円形平面1411との接触面となる平面511をリング状としたことによって、受電部材円形平面1411の回転半径方向中心部分より周速が速い回転半径方向外部領域だけが、給電部材51に対して摺動するため、かかるカーボン皮膜は形成されやすく、それだけこれら相互接触面における接触抵抗は低減され、また、受電部材141の周速がほぼ同じとなる回転半径方向外部領域だけが給電部材51に対して摺動するため、かかるカーボン皮膜は均一なものとなり、それだけ相互接触面における接触抵抗の変動が抑制され、かくして抵抗発熱層12に安定した電圧印加を行うことができる。換言すれば、この加熱ローラ装置においては、受電部材円形平面1411の回転半径方向において比較的周速が速く、且つ、周速がほぼ等しく、給電部材51と摺動してカーボン皮膜が均一に形成されやすい部分だけに、給電部材51が接触するように、給電部材51の受電部材円形平面1411との接触面となる面を、回転半径方向中心部分に凹部512を設けて接触しないようにし、その外縁部分となるリング状平面511だけを接触するようにしている。
【0023】
なお、給電部材51のリング状平面511に囲まれる部分は、凹部に代えて図3に示すように貫通孔513としてもよい。
また、図2に示す給電部材51に代えて、図4に示す給電部材52を採用してもよい。図4(A)は給電部材の他の例を示す斜視図、図4(B)は該給電部材の側面図、図4(C)は該給電部材の正面図である。
【0024】
図4に示す給電部材52は、同一平面上にある3つの平面521A、521B及び521Cを有しており、これら各平面はそれぞれリング状平面の一部をなす円弧状のものであり、これら3つの平面は全体的にはリング形状をしている。これら3つの平面に囲まれる部分は凹部522となっている。なお、給電部材52の形状は、図2に示す給電部材51のリング状平面511を、3つに等分割した形態のものである。
【0025】
給電部材52は、3つの平面521A、521B及び521Cを、これらの中心が受電部材141の円形平面1411の中心に一致するように該受電部材141に当接させて配置され、これにより、受電部材円形平面1411の回転半径方向中心部分より周速が速い回転半径方向外部領域だけが、給電部材52に対して摺動することとなるため、且つ、周速のほぼ等しい部分だけが給電部材52に対して摺動することとなるため、図2に示す給電部材51と同様に、これらの相互接触面において均一なカーボン皮膜が形成されやすい。また、給電部材52の受電部材141に接触する面が、3つに分割された形態となっているため、給電部材52は受電部材141に安定した姿勢で押圧される。
【0026】
図5に本発明の加熱ローラ装置を有する定着装置の他の例の概略断面図を示す。この定着装置は、図1に示す定着装置において受電部材141に代えて受電部材142を採用し、給電部材51に代えて給電部材53を採用したものであり、その他の部分については実質的に同様のものであるため、以下、受電部材142及び給電部材53に関して説明する。なお、同様の作用の部品には図1と同じ参照符号を付してある。受電部材142の斜視図を図6(A)に、給電部材53の斜視図を図6(B)に、給電部材53の断面図を図6(C)に示す。
【0027】
受電部材142は、芯ローラ10の回転中心軸線に対して傾いた傾斜面となる凸状の円錐面1421を有する。凸状円錐面1421は、円錐頂点までを含まない円錐の錐面の一部である。凸状円錐面1421は、芯ローラ10の回転中心軸線と中心線が一致し、抵抗発熱層12に電気的に接続している。受電部材142は、芯ローラ10と一体的に回転する。
【0028】
給電部材53は、受電部材142の凸状円錐面1421に嵌合する形状のリング形凹状円錐面531を有し、リング形凹状円錐面531に囲まれる中心部は凹部532となっている。給電部材53は受電部材142に対して、これらの中心を合わせるようにして臨んでおり、また、給電部材53は芯ローラ10の回転中心軸線方向外側から受電部材142に向けて押圧されていて、これらにより給電部材53のリング形凹状円錐面531と受電部材142の凸状円錐面1421とが接触している。また、給電部材53や受電部材142の回転半径方向の中心部分においては、その位置に給電部材凹部532が設けられているため接触していない。すなわち、給電部材53と受電部材142とは、回転半径方向中心部分では接触しておらず、該回転半径方向外部領域のみで接触している。
【0029】
この加熱ローラ装置においても、加熱ローラ1が回転駆動され、受電部材142が芯ローラ10と一体的に回転すると、給電部材53と受電部材142とは相互に摺動して、これらの相互接触面においてカーボン皮膜が形成される。このとき、受電部材凸状円錐面1421の半径方向中心部分より周速が速い半径方向外部領域だけが、給電部材53のリング形凹状円錐面531に対して摺動するため、また、受電部材142の周速がほぼ同じ部分だけが給電部材53に対して摺動するため、均一なカーボン皮膜が形成され、それだけ接触抵抗は低減し、接触抵抗の変動が抑制される。また、給電部材53と受電部材142との相互接触面を、受電部材142の回転中心軸線方向(又は回転中心軸線方向に直交する面)に対して傾いたものとしたため、給電部材53の中心が受電部材142の回転中心からずれるようなことが抑制され、それだけ安定して抵抗発熱層12に電圧印加を行うことができる。
【0030】
なお、給電部材53のリング形凹状円錐面531に囲まれる部分は、凹部532に代えて、図7に示すように貫通孔533としてもよい。
また、図4の給電部材52のように、給電部材53のリング形凹状円錐面531を所定の中心角度間隔で2以上に分割した形態としてもよい。
なお、以上説明した加熱ローラ1においては、抵抗発熱層を芯ローラの内周面に設けたが、芯ローラの外周面、或いは内外周面に設けてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によると、未定着画像を保持した記録材に該画像を加熱定着させる定着装置の加熱ローラを含む加熱ローラ装置であり、該加熱ローラを構成する芯ローラにはローラ加熱のための抵抗発熱体が形成され、該抵抗発熱体への通電のためにローラの回転中心軸線方向の両端部に装着されて該芯ローラと一体的に回転する受電部材と、該受電部材に該軸線方向外側から圧接されるカーボン製給電部材とを有する加熱ローラ装置であって、受電部材と給電部材との相互接触面において均一なカーボン皮膜を形成することができ、これにより該相互接触面における抵抗変動や接触抵抗を低減して、それだけ安定して抵抗発熱体に通電することができる加熱ローラ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱ローラ装置を有する定着装置の一例の概略断面図である。
【図2】図(A)は図1に示す加熱ローラ装置の給電部材の一例の斜視図、図(B)は該給電部材の断面図である。
【図3】図(A)は図1に示す加熱ローラ装置の給電部材の他の例の斜視図、図(B)は該給電部材の断面図である。
【図4】図(A)は給電部材のさらに他の例の斜視図、図(B)は該給電部材の側面図、図(C)は該給電部材の正面図である。
【図5】本発明の加熱ローラ装置を有する定着装置の他の例の概略断面図である。
【図6】図(A)は図5に示す加熱ローラ装置の受電部材の一例の斜視図、図(B)は図5に示す加熱ローラ装置の給電部材の斜視図、図(C)は該給電部材の断面図である。
【図7】図(A)は図5に示す加熱ローラ装置の給電部材の他の例の斜視図、図(B)は該給電部材の断面図である。
【符号の説明】
1 加熱ローラ
10 芯ローラ
11 絶縁層
12 抵抗発熱層
13 離型層
141、142 受電部材
1411 受電部材141の円形平面
1421 受電部材142の凸状円錐面
2 加圧ローラ
31 加熱ローラ1の軸受け
4 電源
51、52、53 給電部材
511 給電部材51のリング状平面
512 給電部材51の凹部
513 給電部材51の貫通孔
521A、521B、521C 給電部材52の平面
522 給電部材52の凹部
531 給電部材53のリング形凹状円錐面
532 給電部材53の凹部
533 給電部材53の貫通孔
H 定着装置ハウジング
SSR リレー
Claims (5)
- 未定着画像を保持した記録材に該画像を加熱定着させる定着装置の加熱ローラ装置であり、
芯ローラと、前記芯ローラの外周面及び(又は)内周面に沿って形成されて該芯ローラと共に回転し、通電により発熱する抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体に電気的に接続され、前記芯ローラの回転中心軸線方向の両端部に装着され、該芯ローラと共に回転する一対の受電部材とを含む加熱ローラと、
前記各受電部材に前記芯ローラの回転中心軸線方向外側から該受電部材に向けて押圧されて当接する一対のカーボン製給電部材とを有し、
前記給電部材は、前記受電部材に当接する面が中心部が空いた面に形成されていて、該受電部材における回転半径方向外部領域に接触することを特徴とする加熱ローラ装置。 - 前記受電部材は、前記給電部材と接触するための、前記芯ローラの回転中心軸線方向にほぼ直交して該回転中心軸線とほぼ中心が一致する円形平面を有し、該給電部材は、該受電部材と接触するためのリング状平面を有し、該給電部材のリング状平面はその中心が該受電部材の円形平面の中心にほぼ合わされて該円形平面に当接されている請求項1記載の加熱ローラ装置。
- 前記給電部材のリング状平面は所定の中心角度間隔で2以上に分割されている請求項2記載の加熱ローラ装置。
- 前記受電部材は、前記給電部材と接触するための、前記芯ローラの回転中心軸線方向に対して傾斜し、該回転中心軸線とほぼ中心が一致する凸状円錐面を有し、該給電部材は、該受電部材と接触するための、該受電部材の凸状円錐面に嵌合接触するリング形凹状円錐面を有し、該給電部材のリング形凹状円錐面はその中心が該受電部材の凸状円錐面の中心にほぼ合わされて該凸状円錐面に当接されている請求項1記載の加熱ローラ装置。
- 前記給電部材のリング形凹状円錐面は所定の中心角度間隔で2以上に分割されている請求項4記載の加熱ローラ装置。
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