JP3574373B2 - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイス、電子写真用感光体、画像センシングデバイス、光起電力デバイス等の薄膜の形成やエッチングに用いるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラズマを用いた加工装置の構成について、アモルファスシリコン(以後a−Siとする)の薄膜形成に適用されるプラズマCVD装置を一例に挙げて、以下に図を用いて説明する。
【0003】
図6は装置概略図を示しており、反応容器50内に高周波電極51と基板加熱用ヒータを備えた基板ホルダー53とが平行に配置されている。高周波電極51には高周波電源54が接続され、例えば13.56MHzの高周波電力が供給される。基板ホルダー53は反応容器50とともに接地され、対向電極となっている。これにより、高周波電極51と基板ホルダー53との間に、グロー放電プラズマが発生する。反応容器50内には反応ガス供給管55を通して、例えばモノシランと水素の混合ガスが供給され、反応容器内50内のガスは排気管56を通して排気される。基板52は上記基板ホルダー53の上に保持され、所定の温度に加熱される。
【0004】
次に、この装置の動作を説明する。
【0005】
まず、真空ポンプ(図示せず)を駆動して反応容器50内を排気した後、反応ガス供給管55を通して例えばモノシランと水素を供給する。反応容器50内の圧力を0.05〜0.1Torrに保ちながら、高周波電源54から高周波電極51に電圧を印加すると、高周波電極51と基板ホルダー53の間にグロー放電プラズマが発生し、反応ガス供給管55から供給されたガスの内、モノシランガスはこのグロー放電プラズマにより分解される。そしてSiを含むラジカルが発生し、基板52の表面に付着してa−Si薄膜が形成される。
【0006】
このような従来の装置を用いた成膜方法では、高速成膜により品質が低下することが一般に知られている。そこで、現在、膜品質を悪化させることのない高速成膜を実現するために、プラズマ条件(周波数、電力、駆動波形)、ガス条件(分圧、流量、添加ガス種、不純物濃度)、温度条件等の最適化の検討がなされており、プラズマ生成の周波数に関しては100MHz前後のVHF帯の有効性が明らかになりつつある。VHF帯の有効性については、13.56MHzと比べて、電子やイオンのエネルギーが小さい条件でプラズマ密度が増加するため、膜質を落とさずに高速な成膜が可能となると理解されている。
【0007】
ところが、例えば太陽電池や液晶表示素子等で要求される大面積の成膜に、上記装置及びプラズマ条件を適用した場合、膜厚や膜質に無視し得ない大きな分布を生じてしまう。これは交流電力を投入すると電流が電極を伝搬していく過程で定在波がたち、プラズマ周波数が高くなるとその電磁波の波長が短くなるため、そこで大面積の電極を用いると電極に分布する電磁波の定在波が無視できなくなることによると考えられる。この定在波によるプラズマ生成前の電界分布が例え1%程度であっても、プラズマ生成時にはプラズマ密度とプラズマ温度に寄与し、結果的に十数%から数十%にも及ぶ加工分布を生み出すこともある。
【0008】
この点を改善する方法が、例えば特開平11−243062号公報に開示されている。この装置の一例を図7を用いて説明する。
【0009】
図7は装置概略図を示しており、分割された誘電体部材からなる反応容器60の中心には直径108mm、長さ358mmの円筒状の成膜される基体62を載せるための基体ホルダー63が設けられている。反応容器60の外側にはプラズマ生成領域の中心となる位置に直径20mm、長さ450mmの棒状の高周波電極61が設けられており、高周波電力は高周波電源64で発生し、整合回路680を介して分割され、補助整合回路681を介して高周波電極61の一端に供給され、反対側の先端に位相調整回路682を介して接地されている。ガスの供給はガスボンベ、マスフローコントローラ、バルブ等で構成されたガス供給手段65によって行われ、ガスの排気は排気バルブを備えた排気パイプを介して真空ポンプを備えた真空排気手段66によって行われる。なお、この装置は中心軸を対象とする円筒状であり、高周波電極61等は軸対象の位置に4個づつ設けられている。
【0010】
特開平11−243062号公報によれば、この装置において、SiHガスを500sccmで反応容器60内に導入させながら圧力を10mTorrに調整し、基体を回転させながら成膜を行い、例えば100MHz、1kWの高周波電力を発生させ、整合回路680を介して4つに分割し、補助整合回路681を介して均等に高周波電極61に供給したときに、位相調整回路682をはずして高周波電極61を解放した場合には、成膜速度5.7nm/s、成膜速度分布24%、光感度ばらつき大であったのに対して、4つの位相調整回路682のうちの対向する1組の高周波電極61については反応容器60の内部で高周波電極61を直接アースに短絡し、残りの対向する1組はアースに接続せずに位相調整回路682内の浮遊容量のみのほぼ開放端にすることにより、成膜速度6.4nm/s、成膜速度分布4%、光感度ばらつきが小で、かつ良好な結果が得られている。この改善されたプラズマ条件では、隣り合う高周波電極の終端を開放と短絡とすることにより定在波の位相を逆転し、電界分布を相殺することにより成膜速度や膜品質の分布を低減している。
【0011】
また、実開昭62−37919号公報等に提案されている装置では、対向電極構造を凸形状に最適化することで、成膜速度分布を低減させている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記に示した特開平11−243062号公報に提案されている装置では、膜品質やその分布さらに膜厚分布の悪化を抑えながら大面積で成膜速度の高速化が可能となるが、複数の線対象な高周波電極が必要となり、また、これに伴い複数の給電装置が必要となるため、装置が複雑になる。また、高周波電極が線対象でない場合は、位相調整の制御も複雑になる。
【0013】
また、実開昭62−37919号公報に提案されている装置では、上述のような形状に電極を加工する方法については一切記載されていない。例えば、機械加工等により加工することは可能であるが、どの様な形状に加工すれば良いかを事前に予測すること、つまり、電極に形成される定在波の分布形状及びそれによるプラズマエネルギー分布を計算により正確に求めることは甚だ困難であり、また実際に成膜を行いながら加工形状を最適化して行くには多大な試行錯誤を必要とする。また、成膜条件が異なる度に新たな電極を用意する必要がある。
【0014】
以上、プラズマCVD装置を対象に説明したが、例えばプラズマエッチング装置において、加工レートを大きくしたときのイオンダメージ等による膜品質の悪化や、これを改善するための一手法として電源周波数を上げたときの加工レート分布においても全く同様の課題である。
【0015】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、膜品質や膜厚分布が小さく、高速かつ大面積で高品質な薄膜の成膜が可能となるプラズマCVD装置あるいは、加工レート分布が小さく高速かつ大面積でエッチングが可能となるプラズマエッチング装置等に用いられる、プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に基づくプラズマ処理装置は、高周波用電極および対向電極を備え、反応ガスが供給されるとともに上記高周波用電極に高周波電力が供給されることで、上記高周波用電極と上記対向電極との間に上記反応ガスのプラズマを生成し、内部に配置された基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、上記高周波用電極および上記対向電極のうち少なくとも一方は、上記高周波用電極と上記対向電極との間に形成された電極エッチング用ガスのプラズマによって、上記電極エッチング用ガスのプラズマに対向する表面全域におけるエッチングレートが略同じになるまでエッチングが行なわれて形成されている。
【0017】
上記発明において好ましくは、上記高周波用電極および上記対向電極のうち少なくとも一方は、少なくとも上記プラズマと対向する表面がモリブデンで形成されている。
【0018】
上記発明において好ましくは、上記高周波用電極と上記対向電極とは短絡されている。
【0019】
本発明に基づくプラズマ処理方法は、高周波用電極および対向電極を備えたプラズマ処理装置の内部に、反応ガスを供給するとともに上記高周波用電極に高周波電力を供給することで、上記高周波用電極と対向電極との間に上記反応ガスのプラズマを生成し、内部に配置された基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理方法において、上記プラズマ処理装置の内部に電極エッチング用ガスを導入するとともに、上記高周波用電極と上記対向電極との間に上記電極エッチング用ガスのプラズマを生成して、上記プラズマに対向する表面全域において、エッチングレートが略同じになるまでエッチングを行なった電極を、上記高周波用電極および上記対向電極のうち少なくとも一方に用いる。
【0021】
上記発明において好ましくは、上記電極エッチング用ガスを導入した上記プラズマ生成用電極のエッチング時における上記高周波用電極と上記対向電極との間隔、上記高周波用電極へ供給する高周波電力、及び、上記プラズマ処理装置内に供給するガスの圧力上記反応ガスを導入して上記基板に対して上記プラズマ処理を行なう際と同一にする。
【0022】
上記発明において好ましくは、上記電極エッチング用ガスを導入した上記プラズマ生成用電極のエッチング時に、ダミー基板を上記プラズマ処理装置の内部に配置する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明のプラズマ処理方法、プラズマ処理装置を説明する。
【0024】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1のプラズマ処理装置の断面図である。図1において、反応容器10内に高周波電極11が絶縁性の電極支持部材(図示せず)によって支持されており、これと平行に移動可能な基板ホルダー13が配置されている。高周波電極11内部には冷却するための冷却水が通り抜けるための水路(図示せず)が設けられており、反応容器10外部より冷却水が供給され循環している。基板ホルダー13は内部にヒータ19を、上面に真空チャック溝を備えており、Xステージ171により左右方向及びYステージ172により上下方向に移動可能なテーブル17の上に載せられている。そして基板ホルダー13上に設置された基板12と高周波電極11とのギャップが数mm以下に調整することができるようになっている。高周波電極11にはその一端にインピーダンスマッチング部141及び給電部材142を介して高周波電源14が接続され、高周波電力が供給される。基板ホルダー13は反応容器10とともに接地され、対向電極となっている。反応容器10内には、反応ガス供給管15及び排気管16が挿入されており、反応ガスが、反応ガス供給経路151を通って高周波電極11の極近傍に供給され、高周波電極11の下流側近傍から反応ガス排出経路161を通り、さらに排気管16を通して排気されるようになっている。
【0025】
この装置における電極の加工方法の原理について説明する。
【0026】
(ステップ1)
まず、図2に示すようなプラズマ生成用電極(加工前のもの)を高周波電極11として上述のプラズマ処理装置に設置する。なお、図2における矢印Pで示す方向は図1の紙面を貫く方向に一致している。すなわち、基板12のスキャン方向(図中Q方向)に垂直な方向を示している。加工前の段階では、高周波電極11の基板に対向する面は、対向電極(基板ホルダー13)あるいは基板12に対して平行である。
【0027】
(ステップ2)
図1に示す装置内に、ダミー基板を配設し、電極をエッチングすることが可能なガスを、反応ガス供給管15及び反応ガス供給経路151を通って高周波電極部に供給するとともに、高周波電極11に高周波電圧を印加する。これにより、高周波電極11と基板ホルダー13の間にグロー放電プラズマが発生し、反応ガスが分解され、生成されたラジカルの一部が高周波電極11の原子と結合し、ガス中に出ていく。すなわち、高周波電極11のエッチングが起こる。
【0028】
このステップ2では、高周波電極11におけるプラズマ生成領域(プラズマ領域に対向する表面)の各部位(例えば、図2のA、B、C点)におけるエッチングレートが略同じとなるまで、高周波電極11の加工を行う(この点に関しては以下に図3を用いて詳述する)。具体的には、予め実験等により求めておいたエッチングレートが略同じとなる時間以上にエッチング行ったり、高周波電極11の加工状態をモニターして(エッチングを実行中のモニターでも、エッチングを逐次中断してのモニターでも良い)、エッチングレートが略同じとなるまでエッチングしたりする。
【0029】
(ステップ3)
電極の加工に引き続き、反応容器10を十分にベーキング及び真空排気した後に、プラズマ処理を施す基板12を配設し、その基板12に対して所望のプラズマ処理を施す。すなわち、所望のプラズマ処理を実行することが可能なガスを、反応ガス供給管15及び反応ガス供給経路151を通して高周波電極部に供給するとともに、高周波電極11に高周波電圧を印加することにより、高周波電極11と基板ホルダー13の間にグロー放電プラズマが生じさせ、基板12をプラズマ処理する。
【0030】
なお、ステップ2により、高周波電極11を一旦加工してしまえば、その後はステップ2を実行せずに、ステップ3のプラズマ処理を連続的に行うことが可能である。
【0031】
本発明のプラズマ処理方法では、以上のステップ1〜3に示したように、高周波電極11におけるプラズマ生成領域のエッチングレートが略同じとなるまで高周波電極を加工した後、基板に所望のプラズマ処理を実行する。これにより、均一なプラズマ処理を実現できる。この原理に関し、以下に詳しく説明する。
【0032】
上記したステップ2では、高周波電極11をエッチングするが、そのエッチング時における図2のA、B、C点のエッチングレートの時間変化を図3(a)に示す。この図に示すように、放電直後は、定在波の影響などによって、プラズマエネルギー分布にむらが生じており、エッチングレートは各位置によってばらついている。しかしながら、時間の経過とともに、各点での加工レートは近接し、最終的には略同じになる。
【0033】
図3(b)は電極長手方向(図2の矢印P方向)における形状を示す図である。図3(b)におけるα、β、γは加工時間が異なっており、α、β、γの順に加工時間が長くなっている。縦軸の加工量は任意単位で、左端の基準点からの変位量を示しており、点線は加工前の電極端面の位置を示している。ここではαからβまでは加工電極11のプラズマ生成領域の一部が特に深くエッチングされその面の形状が大きく変化するが、βとγでは表面の形状の変化は小さい(相似形で変化する)。すなわち、端部と中央部での加工レートの差は小さくなっている。なお、図3の例では、エッチング形状は基板面に対し凹形状であるが、プラズマ反応装置の構成によっては、凸形状になることもあり、電極の形状を限定するものではない。
【0034】
上述の現象は、下記のように説明できる。エッチング前の電極面は平坦であるが、軸方向中程を腹とする電界分布ができている。エッチング開始後、中央部分のプラズマエネルギー(電子密度と電子温度)が大きいためエッチングレートが大きい。エッチングが進行するに連れ、エッチングが進んだ部分ではギャップが大きくなって電界が弱まるため、プラズマエネルギーが小さくなりエッチングレートが下がる。このような自己制御効果により、やがてエッチングレート分布がなくなる。
【0035】
このようにエッチングレートに分布がなくなった段階では、定在波による電圧分布と電極形状による放電ギャップ分布により、プラズマ空間の電界分布が相殺され、結果的にプラズマエネルギー分布の非常に小さい電極となっていると考えられる。したがって、この状態で、プラズマ処理を行うと分布のない均一なプラズマ処理が実現できる。
【0036】
なお、本発明は、以上説明した原理によるものであるため、ステップ2における高周波電極11の加工とステップ3におけるプラズマ処理は同様の条件で実行することが望ましい。すなわち、高周波電極11と対向電極(基板ホルダー13)とのギャップ、高周波電力、装置内に導入するガスの圧力は同一であることが望ましい。また、プラズマ条件を同じにするため、高周波電極11のエッチング時においても上述のように基板(ダミー基板)を載置しておくことが望ましい。勿論、このダミー基板と基板12の材質及び形状は同一であることが望ましい。
【0037】
以下、具体的な実施例を説明する。
【0038】
(実施例1)
上記に示した装置を用いて、成膜を行った場合の具体例について、▲1▼高周波電極の加工(前加工)、▲2▼成膜、の順に説明する。
【0039】
▲1▼高周波電極の加工(前加工)
図2に示したような軸長さ1m(図中矢印P方向)、幅50mmのアルミニウム製の高周波電極11を用い、高周波電極11とのギャップが300μmの位置に石英ガラス製のダミー基板を配置し、真空ポンプ(図示せず)を駆動して反応容器10内を1×10−7Torr程度まで排気した後、四塩化炭素と塩化ボロンとヘリウムの混合ガスを1atmに調整しながら供給した。次に、周波数144MHz、5kWの高周波電力を投入し、四塩化炭素2%、塩化ボロン0.2%の反応ガスを300slm供給しながら高周波電極11の加工を行った。
【0040】
高周波電極11は、加工時間を4分、8分、12分と変化させたところ、加工時間が4分から8分に増加したときにはプラズマ生成領域(プラズマ領域に対向する表面)の形状が大きく変化したが、8分から12分に増加しても形状の変化は僅かであった。先の説明において用いた図3(b)の加工形状は本実施例における加工形状を示しており、α,β,γはそれぞれ加工時間4分、8分、12分における加工形状に対応している。レーザ式の寸法測定器を用いて、軸方向の各位置での基板からの電極端面までの距離を測定し、加工形状とエッチング時間の関係から軸中心付近での加工速度を算出したところ、α,β,γの順に、およそ10μm/min、7μm/min、6μm/min(加工量/加工時間)であった。したがって、12分加工した段階では、エッチングレートは高周波電極11プラズマ生成領域全体において6μm/min(加工量/加工時間)であったことになる。
【0041】
なお、本実施例では大きな加工速度を得るために1atm下で加工(高周波電極11のエッチング)を行ったが、特にこの条件に限るものではなく、一般的に適用されている数m〜数百mTorrオーダの圧力下で行っても良い。勿論、上述したように、プラズマ処理を実行する際と同様なプラズマ条件下で加工を行うことがより好ましい。
【0042】
さらに、アルミニウムのエッチングガスでは上記に用いたCCl以外にBCl、CCl、SiCl等のCl系ガスやBr、BBr等のBr系ガスを用いることができる。
【0043】
▲2▼成膜
上記の高周波電極11の加工に引き続き、反応容器10を十分にベーキング及び真空排気した後に、図1の装置を用いて以下の成膜プロセスを実施した。
【0044】
まず、十分洗浄した石英ガラスの基板12を基板ホルダー13上に設置した。そして、テーブル17を基板12と高周波電極11が所定のギャプとなる位置まで上昇させ、またヒータ19により基板12を所望の温度(200℃)に加熱した。次に、反応容器10内の雰囲気圧力が約1atmになるまでヘリウムでパージし、反応ガス供給管15及び反応ガス供給経路151を通して反応ガス(モノシラン0.1〜0.5%、水素1〜5%を含むヘリウムガス)を1atmに調整しながら供給した。ガスの漏出防止の安全性のため、実際には1atmより若干負圧にしておく方が望ましい。
【0045】
ここで、高周波電源14から高周波電極11に高周波電圧(投入電力:144MHz、1.5〜7kW)を印加し、高周波電極11と基板ホルダー13の間にグロー放電プラズマを生じさせ、上記モノシランガスをこのグロー放電プラズマにより分解することで、薄膜(a−シリコン)を形成した。基板面まで輸送されなかったラジカル等含むガスは排気経路161、排気管16を通ってチャンバ外に排出され、パーティクルを除くためのフィルターを通った後、再度チャンバ内に供給される。
【0046】
成膜中、基板ホルダー13を図1中の矢印Q方向(スキャン方向)に基板移動速度1mm/sの条件で移動させることで基板12の全面(800mm×600mm)にわたって薄膜を形成し、成膜後、テーブル17を下降させ、反応容器内の残留ガスを窒素に置換しながら電極11を冷却した。窒素置換、高周波電極11および基板12の冷却がなされた後に、薄膜が形成された基板12を取り出した。
【0047】
このようにして3500Åから5000Åのa−Siを成膜したところ、その成膜速度は10〜100Å/sで、図4に示す測定点における軸方向の膜厚分布(軸方向1ラインが1セット)が80Å〜220Åのであり、膜厚分布が小さいa−Si膜を作製できることが分かった。
【0048】
(比較例)
上記装置において、前加工を施していないプラズマ生成面が平坦な高周波電極を用いて、上記と同様の条件で成膜したところ、膜厚分布は最小でも400Åであった。
【0049】
(実施例2)
実施例1で示した高周波電極11の加工プロセスでは、ステージを移動させないで行ったが、本実施例2では、通常の成膜プロセスと同様の条件、すなわち基板を1mm/sで往復移動させながら行った。
【0050】
この電極を用いて、実施例1で示したプロセスでa−Siの成膜を行った。800mm×600mmの範囲にわたって3500Åから5000Åの成膜では、その成膜速度は10Å〜100Å/sであり、成膜速度は実施例1と同様であったが、軸方向の膜厚分布(軸方向1ラインが1セット)は50Å〜180Åであり、さらに分布の小さいa−Si膜を作製することができた。
【0051】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2のプラズマ処理方法、プラズマ処理装置について説明する。但し、本実施の形態では、実施の形態1と同様の部分については説明を省略または簡略化する。
【0052】
図5は、実施の形態2のプラズマ処理装置の構成を示す図である。図1のプラズマ処理装置と異なる点は、以下の点である。すなわち、高周波電極11の軸方向(図中P方向)の一端部にインピーダンスマッチング部141及び給電部材142を介して高周波電源14を接続しているとともに、その反対側の端部を対向電極となっている基板ホルダ13と短絡部材143を介して接続している点である。
【0053】
このプラズマ処理装置を用いて、上記した実施例1と同様の条件で、高周波電極11の加工及び成膜を行ったところ、膜厚分布は70〜150Åであり、実施例1より小さくできた。
【0054】
実施例1においても、成膜装置と同じ装置の中で前加工した電極を用いて成膜することにより膜厚分布の小さい成膜が可能となっていたが、一部例外的に膜厚分布が500Å〜600Å程度の大きなものがあった(実施例1ではその例外的なものは排除して、分布範囲を80Å〜220Åと記載している)。
【0055】
本願発明者は、これは定在波の終端位置(電極端から見た負荷)が何らかの理由により変わり、定在波の分布が電極の前加工時と変わったことによるものと考え、本実施の形態では、この問題を解決するため、高周波電極11の一端と対向電極の一端を短絡した。これにより、終端位置が短絡端として固定され、定在波分布も固定されたため、電極加工時に均一化されたプラズマエネルギー分布が安定してそのまま成膜に反映された結果、膜厚分布が小さくなりまたその効果が安定した。
【0056】
以上説明した本発明の実施の形態では、高周波電極として通常のプラズマ処理装置において用いられるアルミニウム製のものを使用したが、アルミニウムは、四塩化炭素でエッチングされたときの反応生成物(塩化アルミニウム)が飽和蒸気圧が低いため微粒子化しやすく、装置の汚染を招く惧れがある。このため、上述の実施の形態1,2では、反応ガスの流れる方向に対して反応空間を小さくし、さらに反応空間の極近傍からガスの排気経路を設けることにより、生成された微粒子が装置内を飛散し、装置を汚染するのを防いでいる。
【0057】
装置の汚染を防ぐには、前加工される高周波電極として、例えばプラズマ生成領域(プラズマと対向する表面)にモリブデンをコートした電極を用い、エッチングガスとして四フッ化炭素を用いれば良い。この場合、反応生成物(フッ化モリブデン)の飽和蒸気圧は高いため、微粒子の析出が起こりにくく装置汚染を防ぐことができる。
【0058】
また、以上の実施の形態では、高周波電極の加工をエッチングレートがプラズマ生成領域(生成されるプラズマに対向する表面)内で略同一となるまで行ったが、略同一にまでならなくてもよく、プラズマ処理を行う装置内でエッチングが行われていれば、ある程度の効果が得ることができる。
【0059】
さらに、以上では高周波電極を加工する場合について述べたが、これに限るものではなく、対向電極と高周波電極の少なくともどちらか一方を加工すれば良い。但し、基板を電極(高周波電極または対向電極)上に載置する場合には基板が載る電極は加工しないことが好ましい。
【0060】
また、本発明は、上述したプラズマを用いた成膜のみならず、プラズマを用いたエッチングにも適用可能であり、この場合にもエッチングの均一性を高めることができる。
【0061】
また、本発明のプラズマ処理装置は図1、図5の構成に限るものではなく、様々な形態のプラズマ処理装置に適用可能である。例えば、平行平板型やシャワー電極型のプラズマ処理装置にも適用可能である。
【0062】
【発明の効果】
本発明のプラズマ処理方法、プラズマ処理装置によれば、プラズマ処理に先立って装置内でエッチングされた高周波電極を用いて、プラズマ処理を実行するため、プラズマエネルギー分布を抑制することができ、プラズマ処理を均一に行うことができる。
【0063】
また、高周波電極と対向電極を短絡し終端を固定することにより、定在波が固定され、安定して分布の小さなプラズマ処理を行うことが可能となる。
【0064】
また、高周波電極の少なくともプラズマと対向する表面をモリブデンにてコートすることにより、その加工後のプラズマ処理の際に微粒子の析出が起こりにくく、装置汚染を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のプラズマ処理装置を示す構成図である。
【図2】図1のプラズマ処理装置の電極形状を示した図である。
【図3】図1のプラズマ処理装置の電極の(a)エッチングレートの変化を示した図、(b)加工時の形状変化を示した図である。
【図4】膜厚分布の測定位置を示した図である。
【図5】本発明の実施の形態2のプラズマ処理装置を示す構成図である。
【図6】従来のプラズマCVD装置を示す構成図である。
【図7】従来の他のプラズマCVD装置を示す構成図である。
【符号の説明】
10 反応容器
11 高周波電極
12 基板
13 基板ホルダー
14 高周波電源
15 反応ガス供給管
16 反応ガス排気管
151 反応ガス供給経路
161 反応ガス排気経路
142 給電部材
143 短絡部材

Claims (3)

  1. 高周波用電極および対向電極を備え、反応ガスが供給されるとともに前記高周波用電極に高周波電力が供給されることで、前記高周波用電極と前記対向電極との間に前記反応ガスのプラズマを生成し、内部に配置された基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、
    前記高周波用電極および前記対向電極のうち少なくとも一方は、前記高周波用電極と前記対向電極との間に形成された電極エッチング用ガスのプラズマによって、前記電極エッチング用ガスのプラズマに対向する表面全域におけるエッチングレートが略同じになるまでエッチングが行なわれて形成された、プラズマ処理装置。
  2. 前記高周波用電極および前記対向電極のうち少なくとも一方は、少なくとも前記プラズマと対向する表面がモリブデンで形成された、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 高周波用電極および対向電極を備えたプラズマ処理装置の内部に、反応ガスを供給するとともに前記高周波用電極に高周波電力を供給することで、前記高周波用電極と対向電極との間に前記反応ガスのプラズマを生成し、内部に配置された基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処理方法において、
    前記プラズマ処理装置の内部に電極エッチング用ガスを導入するとともに、前記高周波用電極と前記対向電極との間に前記電極エッチング用ガスのプラズマを生成して、前記プラズマに対向する表面全域において、エッチングレートが略同じになるまでエッチングを行なった電極を、前記高周波用電極および前記対向電極のうち少なくとも一方に用いる、プラズマ処理方法。
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