JP3224011B2 - プラズマ励起化学蒸着装置及びプラズマエッチング装置 - Google Patents

プラズマ励起化学蒸着装置及びプラズマエッチング装置

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JP3224011B2
JP3224011B2 JP12883296A JP12883296A JP3224011B2 JP 3224011 B2 JP3224011 B2 JP 3224011B2 JP 12883296 A JP12883296 A JP 12883296A JP 12883296 A JP12883296 A JP 12883296A JP 3224011 B2 JP3224011 B2 JP 3224011B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ励起化学
蒸着装置及びプラズマエッチング装置に関し、特に、水
素化アモルファスシリコン(以下、a−Si:Hと略記
する。)薄膜、シリコン結晶性薄膜などの半導体膜や絶
縁膜などを高周波プラズマによる化学蒸着(以下、プラ
ズマCVDともいう。)により成膜する装置、及びこれ
らの半導体膜や絶縁膜を高周波プラズマによりエッチン
グする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の平行平板型高周波プラズ
マCVD装置を説明するための図であり、図6(a)は
該装置の反応容器の概略構成を示し、図6(b)は該反
応容器内に設けられているカソード電極の平面形状を示
している。
【0003】図において、200は高周波プラズマを用
いた化学蒸着を行うための反応容器4を有し、該反応容
器4内にて半導体膜や絶縁膜の成膜処理を行うプラズマ
CVD装置である。上記反応容器4内には、半導体基板
などの被処理部材3が装着されるアノード電極2が設け
られており、また該アノード電極2と対向するようカソ
ード電極1が配設されている。そして、該アノード電極
2は接地され、該カソード電極1にはプラズマを励起す
るための高周波電圧が印加されるようになっている。ま
た、上記反応容器4の、カソード電極の中心部と対向す
る部分には、材料ガスを該反応容器4内に導入するため
のガス導入口5が形成されており、該ガス導入口5から
は、上記カソード電極1に印加する高周波電力も導入さ
れるようになっている。
【0004】次にこのような構成のプラズマCVD装置
を用いた成膜処理について説明する。材料ガスが上記反
応容器4内に供給され、上記カソード電極1に高周波電
力が供給されると、このカソード電極1と、接地されて
いるアノード電極2との間の空間200aで生じる高周
波電界により、材料ガスが電離されて放電現象が生ず
る。このとき、発生するプラズマにより材料ガスの解離
が促進され、アノード電極2上に装着された基板1上で
は成膜材料の堆積が起こる。
【0005】ここで、上記カソード電極1に印加される
高周波電圧の周波数は、通常13.56MHzであり、
上記電極の寸法形状が800mm角である場合、材料ガ
スにシラン等を用いたプラズマCVD法におけるa−S
i:H等の成膜速度、及び成膜された膜質は、電極面内
でほぼ均一となり、1m2以上の大面積で、膜厚の変動
率を±4%以内に抑えた高均一性でもって成膜処理を行
うことが可能である。
【0006】ここで上記膜厚の変動率とは、下記(1)
式で表わされる△Tである。なおTは基板を分割してで
きた複数の領域の各々で測定した膜厚、Taはこれらの
膜厚の平均値である。
【0007】 ΔT=(T−Ta)/Ta×100 ・・・(1) また、電力用a−Si:H薄膜太陽電池や液晶ディスプ
レイ素子等に用いられる大型基板上での成膜処理にプラ
ズマCVDを用いる場合、通常、電極の形状寸法が1m
角前後である装置が使用され、上記のような大面積での
高均一な成膜処理が可能な技術が欠かせない。
【0008】一方、近年、上記プラズマを発生させるた
めの高周波電力の周波数を13.56MHzのRF帯か
ら数十MHzのVHF帯、さらに数百MHzのUHF帯
にまで上昇させることによって、プラズマ密度を増大さ
せて成膜速度を高めたり、イオンシース電圧を減少させ
て膜へのイオンダメージを低減したりする方法が報告さ
れている。特に、比較的小面積の電極を用い、これにV
HF帯の高周波電力を印加してプラズマCVDを行う方
法としては、既に良好な成膜技術が報告されている(特
開平6−77144号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このようにプラズマC
VD処理において、VHF帯あるいはUHF帯の周波数
領域にある電磁波を用いることには大きな利点がある
が、大面積での成膜処理に対してVHF帯の高周波電力
を適用した場合、成膜速度や成膜膜質の電極面内分布に
不均一性が生じるという不都合が見いだされた。
【0010】つまり、大面積の電極を持つ成膜装置に対
して、プラズマ発生のための高周波電力としてVHF帯
のものを用いた場合、電極中心部に比べて電極外縁部で
は成膜速度が著しく減少することとなる。このような成
膜速度の電極面内での不均一性、及びこれに起因する電
極面内での成膜膜質の不均一性は、例えば、太陽電池の
特性劣化につながるものであり、プラズマCVDにより
太陽電池を製造する上で大きな問題となる。
【0011】そこで、本件発明者等は、このような成膜
処理での不均一性が生じた原因を探るため、アノード電
極及びカソード電極間に高周波電圧を印加した場合に生
じる、これらの電極間での電界分布を調べてみた。
【0012】まず、上記各電極の寸法形状が800mm
角であり、高周波電力として周波数13.56MHzの
ものを用いる場合、電極の一辺の寸法は高周波の波長の
約1/28であり、反応容器内を伝搬する電磁波の位相
は、反応容器内全領域でほぼ一定である。
【0013】このとき、図7に示すように、電磁界の計
算によって得られるカソード−アノード電極間に生じる
高周波の電界強度は、面内でほぼ一定となり、電極面内
で均一なプラズマ生成が実現される。このことが、成膜
速度や成膜膜質の面内均一化に寄与していることがわか
った。
【0014】一方、VHF帯の周波数をもつ高周波電力
による大面積の成膜処理を考えた場合、プラズマ励起の
ための高周波電力の周波数が上がるにつれ、高周波の波
長が短くなり、反応容器内で伝搬する高周波の位相差が
存在するようになる。これによって、カソード電極とア
ノード電極との間での電界分布の不均一性が生じてく
る。
【0015】図8は、電極の寸法形状が800mm角で
あり、プラズマ励起に用いる高周波の周波数が81.3
6MHzである場合の、電磁界計算によって得られた電
極間での電界の分布を示している。この場合は、電極寸
法は高周波の波長の約1/4.5であり、電極間での電
界の面内分布の不均一性は±6%となる。また、電極の
寸法形状が1200mm角になると、電極寸法が上記高
周波の波長の約1/3となって面内不均一性は±10%
にも達する。図9は、寸法形状が800mm角〜120
0mm角である電極について、高周波の波長に対する電
極寸法の割合を変化させたときに電界の面内不均一性が
どのように変化するかを調べた結果を示している。ここ
で電界の面内不均一性は、下記(2)式で表わされる△
Eの変動範囲の大きさである。なお、Eはカソード電極
面を分割してできた複数の領域の各々における電界強
度、Eaはこれらの電界強度の平均値である。
【0016】 △E=(E−Ea)/Ea×100 ・・・(2) 電極間での電界分布の不均一性、つまり電極中心部から
電極外縁部にいくに従って電界強度が減少する現象は、
電極寸法が高周波の波長の約1/8付近から顕著にな
り、電磁波の波長に対する電極寸法が大きくなるほど不
均一性は増大する。
【0017】上述した電極間の電界分布の均一性が崩れ
ると、それに伴い電極間でのプラズマ密度分布、及びラ
ジカル密度分布の均一性が悪化することとなり、これに
より、プラズマCVDによる成膜速度や成膜された膜の
膜質の電極面内での一様性を確保することが困難とな
る。
【0018】また、ここでは、プラズマCVD装置にお
ける電極間での電界分布の不均一性の問題について説明
したが、プラズマエッチング装置においても、このよう
な電極間での電界分布の不均一性により、電極面内での
エッチング速度のバラツキが生ずることとなり、電極面
内でのエッチング速度の均一性を確保することが困難と
なるという問題がある。
【0019】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたものであり、電磁波の波長に対して無視で
きない程度の大きさの電極を用いてプラズマ励起を行う
場合でも、高周波電界の電極面内分布を均一化すること
ができ、これにより成膜速度及び成膜された膜の膜質の
電極面内での均一化を可能とするプラズマ励起化学蒸着
装置を得ることを目的とする。
【0020】また、本発明は、電磁波の波長に対して無
視できない程度の大きさの電極を用いてプラズマ励起を
行う場合でも、高周波電界の電極面内分布を均一化する
ことができ、これによりエッチング速度の電極面内での
均一化を可能とするプラズマエッチング装置を得ること
を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係るプラズマ励起化学蒸着装置は、被処理部材に対して
プラズマを用いた化学蒸着処理を行うための反応容器
と、該反応容器内に配置され、接地されたアノード電極
と、該反応容器内に該アノード電極と対向するよう配置
され、プラズマを励起するための高周波電圧が印加され
るカソード電極とを備えている。
【0022】そして、この装置では、前記アノード電極
は、前記カソード電極と対向する、板状の被処理部材を
装着するための面が平面状となっており、該カソード電
極におけるアノード電極と対向する面の外縁部に、内側
から外側にかけて複数の壁状部材が所定の間隔を隔てて
配置されており、各壁状部材の高さが外側になるにつれ
て順次高くなっている。そのことにより上記目的が達成
される。
【0023】
【0024】好ましくは、前記カソード電極及びアノー
ド電極の平面形状をそれぞれ、正方形形状,長方形形
状,あるいはその他の所定の形状とし、該正方形または
長方形の平面形状を有する各電極の一辺の長さ、あるい
は該その他の平面形状を有する各電極の、電極面内に確
保できる最大の寸法を、該カソード電極から励起される
高周波電界の波長の1/8以上かつ1/2以下の寸法に
設定する
【0025】好ましくは、前記カソード電極から励起さ
れる高周波電界の周波数を20MHz以上かつ200M
Hz以下の範囲の値とし、太陽電池を構成する半導体薄
膜の成長に使用される構成する
【0026】この発明に係るプラズマエッチング装置
は、被処理部材に対してプラズマエッチング処理を行う
ための反応容器と、該反応容器内に配置され、接地され
たアノード電極と、該反応容器内に該アノード電極と対
向するよう配置され、プラズマを励起するための高周波
電圧が印加されるカソード電極とを備えている。
【0027】本プラズマエッチング装置では、前記アノ
ード電極は、前記カソード電極と対向する、板状の被処
理部材を装着するための面が平面状となっており、該カ
ソード電極におけるアノード電極と対向する面の外縁部
に、内側から外側にかけて複数の壁状部材が所定の間隔
を隔てて配置されており、各壁状部材の高さが外側にな
るにつれて順次高くなっている
【0028】以下、本発明の作用について説明する。こ
の発明(請求項1)においては、カソード電極とアノー
ド電極との間の距離を、該両電極間に形成される電界の
強度分布が被処理部材の処理面に平行な面内でより均一
となるよう、該面内で部分的に異ならせるようにしたか
ら、該カソード電極に印加する高周波電力の周波数の上
昇により電極の寸法が相対的に高周波電界の波長に対し
て無視できない程度の大きさとなっても、平行平板電極
間の空隙で生ずる、カソード電極の給電点から遠い部分
での電界強度の低下を抑制あるいは回避することがで
き、アノード電極のカソード電極と対向する面内(電極
面内)での、成膜速度や形成された膜の膜質の分布の高
い均一性を確保できる。
【0029】これによりVHF帯やUHF帯の周波数領
域の高周波電磁波をプラズマCVD処理に用いることに
よる利点,つまりプラズマ密度の増大による成膜速度の
増大やイオンシース電圧の減少による膜へのイオンダメ
ージの低減を生かしつつ、プラズマ励起のための高周波
電力の周波数増大により電極面内での成膜速度や膜質の
分布が不均一になるのを抑制あるいは防止できる。
【0030】この発明(請求項2)においては、前記カ
ソード電極を、そのアノード電極と対向する面の外縁部
が盛り上がった形状とし、該カソード電極の盛上がり部
分の表面を、これと対向するアノード電極の表面に対し
て傾斜した傾斜面としたので、カソード電極の給電点か
ら遠ざかるほどその強度が低下する傾向にある、カソー
ド電極とアノード電極との間での高周波電界を、電極面
内での均一性のよいものとできる。
【0031】この発明(請求項3)においては、前記カ
ソード電極及びアノード電極の平面形状をそれぞれ、正
方形形状,長方形形状,あるいはその他の所定の形状と
し、該正方形または長方形の平面形状を有する各電極の
一辺の長さ、あるいは該その他の平面形状を有する各電
極の、電極面内に確保できる最大の寸法を、該カソード
電極から励起される高周波電界の波長の1/8以上かつ
1/2以下の寸法に設定したので、種々の平面形状を有
するカソード電極及びアノード電極を用いたプラズマC
VD装置において、VHF帯やUHF帯の高周波をプラ
ズマCVD処理に用いることよる利点を生かしつつ、プ
ラズマ励起の高周波電界の周波数増大に起因する大面積
成膜処理における成膜速度や膜質の不均一化を抑制ある
いは防止できる。
【0032】この発明(請求項4)においては、前記カ
ソード電極から励起される高周波電界の周波数を20M
Hz以上かつ200MHz以下の範囲の値とし、太陽電
池を構成する半導体薄膜の成長に使用される構成とした
ので、プラズマ密度の増大による成膜速度の増加と、イ
オンシース電圧の低減による膜へのイオン衝撃ダメージ
の抑制とを図ることができる。これによりa−Si:H
太陽電池を構成する薄膜における、光導電率と暗導電率
の比を大きくでき、また膜中欠陥密度を小さくできる。
【0033】この発明(請求項5)においては、カソー
ド電極とアノード電極との間の距離を、該両電極間に形
成される電界の強度分布が該被処理部材の処理面に平行
な面内でより均一となるよう、該面内で部分的に異なら
せるようにしたので、該カソード電極に印加する高周波
電力の周波数の上昇により電極の寸法が相対的に高周波
電界の波長に対して無視できない程度の大きさとなって
も、平行平板電極間の空隙で生ずる、カソード電極の給
電点から遠い部分での電界強度の低下を抑制あるいは回
避することができ、アノード電極のカソード電極と対向
する面内(電極面内)でのエッチング速度分布の高い均
一性を確保できる。
【0034】これによりVHF帯やUHF帯の周波数領
域の高周波電磁波をプラズマエッチング処理に用いるこ
とによる利点,つまりプラズマ密度の増大によるエッチ
ング速度の増大を生かしつつ、プラズマ励起のための高
周波電力の周波数増大により電極面内でのエッチング速
度分布が不均一になるのを抑制あるいは防止できる。
【0035】
【発明の実施の形態】まず、本発明の概要について説明
する。本発明の高周波プラズマCVD装置あるいはエッ
チング装置では、図1に示すように、CVD処理あるい
はエッチング処理を行うための反応容器4内に、高周波
電圧が印加されるカソード電極101と、接地されたア
ノード電極2とが対向するよう配置されている。ここ
で、各電極は正方形形状を有し、その一辺の寸法が、カ
ソード電極に印加される高周波電圧の波長の1/8以上
かつ1/2以下の寸法となっており、両電極間に生ずる
電界の強度が電極面内、つまり被処理部材の被処理面に
平行な面内で実質的に均一になるようになっている。
【0036】また、上記反応容器内では、両電極の離間
間隔が電極面の中心部から外縁部にかけて徐々に狭くな
る部分が存在するようにしている。
【0037】また、上記両電極間での離間間隔の変化
は、平板状カソード電極の表面形状を変化させることに
より実現している。
【0038】また、上記カソード電極に印加される高周
波電力の周波数を、特に20MHz以上200MHz以
下として、太陽電池製造に使用可能な構成を実現してい
る。
【0039】次に本発明の基本原理について詳述する。
本発明の高周波プラズマCVD装置においては、装置内
に供給されたシラン,水素等の材料ガスが高周波電界に
より電離され、プラズマ状態(放電状態)となる。この
プラズマが材料ガスを解離し、その結果、生成された原
子状ラジカル,分子状ラジカルが、アノード電極あるい
はカソード電極に取り付けられたシリコンウェハ基板や
ガラス等の基板上に堆積する。
【0040】従って、高周波電界の電極面内での分布を
実質的に均一にすることにより、プラズマが基板面内で
均一に生成され、材料ガスの解離が基板面内で一様にな
され、結果的に基板上での成膜速度、及び基板上に成膜
された膜の膜質等の均一性の高い成膜処理が可能とな
る。
【0041】本発明の高周波プラズマCVD装置及びプ
ラズマエッチング装置は、図1に示すように、アノード
電極とカソード電極との間のスペースが一様に一定間隔
である通常の平行平板型装置とは異なり、両電極の離間
間隔が中心部から外縁部にかけて徐々に狭くなるよう構
成されている。この電極間空隙の空間的変化は、カソー
ド電極101及びアノード電極2の少なくとも一方の形
状を、表面が平坦な平板型から、表面の一部が盛り上が
ったものに変形することにより実現される。
【0042】ここで、上記電極間空隙の空間的変化は、
特にカソード電極の形状の変形によるものが好ましい。
なぜなら、アノード電極には、通常その表面に平板型の
基板が取り付けられるため、アノード電極は表面が平坦
な平板型に保っておくのが適当であるからである。
【0043】さらに、電極形状の変形方法としては、平
板の外縁部を歪曲させる方法、あるいは平板の外縁部に
盛り上がりをもたせる方法を取ることができる。この盛
り上がり部は、単一の板状部材からなる構造、複数の板
状部材を所定間隔離して平行に配置した構造、あるい
は、電極中心側から電極外縁側にかけて徐々に厚くなる
テーパ状部材からなる構造とすることができる。
【0044】また、高周波電界は、高周波電力がカソー
ド電極にその給電点から供給されることにより、電極全
面にわたって形成される。ここで、高周波電力の周波数
がVHF帯にある場合、通常の大面積の平行平板型電極
を用いた装置では、周辺部で電界強度が減少するが、本
発明の構成では、平行平板型電極の離間間隔を局所的に
狭くすることにより、両電極間の高周波電界を局所的に
強めることができる。つまり、定在波の存在等の高周波
電磁界の伝搬の特質により電極中央部で電界強度が大き
くなる傾向、言い換えると、外縁部で電界強度が減少す
る傾向を、外縁部で電極間隔を狭くすることにより抑
え、高周波電界の実質的な面内均一性を確保するもので
ある。
【0045】つまり、本発明は、図9に示すように、正
方形状の電極の一辺の寸法(電極寸法)が電磁波の波長
に対して1/8以上である、通常の平板電極構造の場合
に高周波電界の電極面内での電界分布の不均一性が強く
なる領域で効力を発揮する。また、電極面内に定在波が
1つ存在する、上記電極寸法が高周波の波長の1/2以
下となる条件下、つまり電極中心部で高周波電界が強く
なりかつ電極周辺部で電界が弱くなるような電界分布と
なる領域(電極寸法と電磁波の波長との比の範囲)に対
して有効である。
【0046】また、本発明では、周波数10MHzの場
合、電極寸法として15mまで、100MHzの場合
1.5mまで、1GHzの場合150mmまでの高均一
での放電が可能となり、大面積での高均一性の成膜処理
を実現できる。
【0047】特に、本発明のプラズマCVD装置を、電
力用a−Si:H薄膜太陽電池等の成膜に適用する場
合、電極寸法が1m角前後の大きさの装置が使用される
ことを考えると、周波数が20MHz(この場合電極寸
法が1880mm角のとき、電極寸法/電磁波の波長が
1/8となる。)以上でありかつ200MHz(この場
合電極寸法が750mm角のとき、電極寸法/電磁波の
波長が1/2となる。)以下の電磁波を用いる場合に有
効である。
【0048】また、実際に成膜される薄膜の観点から考
えると、高周波の周波数が20MHz以上のところで、
生成されるプラズマ密度が高くなるため成膜速度の上昇
が起こるのに対し、200MHz近辺の周波数以上の高
周波を用いた場合、プラズマ粒子と材料ガスの衝突頻度
が減少しプラズマ密度が減少するために、成膜速度は減
少することから、効果的な周波数領域は20MHz以上
200MHz以下となる。
【0049】また、周波数が20MHz以上に上昇する
と、イオンシース電圧が下がるために膜へのイオン衝撃
ダメージが減少し、成膜される膜質の向上が観測され
る。このとき、a−Si:H太陽電池の薄膜について検
討してみると、高品質膜の指標となる光導電率と暗導電
率の比が大きくなり、また膜中欠陥密度が小さくなる。
【0050】従来技術では、このようなプラズマCVD
装置におけるVHF帯高周波の使用による成膜速度の上
昇、及び成膜された膜の膜質向上等の効果が大面積成膜
の場合には生かされないのに対し、本発明では、VHF
帯高周波の効果を太陽電池等に対応した大面積での高均
一性の成膜処理において生かすことが可能となる。
【0051】以下、本発明の実施形態について説明す
る。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施形態1による高
周波励起プラズマCVD装置を説明するための図であ
り、図1(a)は、該装置の反応容器の概略構成を示
し、図1(b)は該反応容器内に設けられているカソー
ド電極の平面形状を示している。
【0052】図において、100aは高周波プラズマを
用いた化学蒸着を行うための反応容器4を有し、該反応
容器4内にて半導体膜や絶縁膜の成膜処理を行う、本実
施形態1のプラズマCVD装置である。上記反応容器4
内には、従来のプラズマCVD装置200と同様、半導
体基板などの被処理部材3が装着されるアノード電極2
が設けられており、また該アノード電極2と対向するよ
うカソード電極101が配設されている。ここで、該ア
ノード電極2は接地され、該カソード電極101には高
周波電力が印加されるようになっている。また、上記反
応容器4の、カソード電極の中心部と対向する部分に
は、材料ガスを該反応容器4内に導入するためのガス導
入口5が形成されており、該ガス導入口5からは、上記
カソード電極101に印加する高周波電力も導入される
ようになっている。つまり、上記反応容器4では、カソ
ード電極中央部に高周波電力を注入する同軸構造の内導
体を接触させ、アノード電極2及び反応容器4の壁は接
地電位としている。
【0053】そして、本実施形態1では、上記アノード
電極2及びカソード電極101の平面形状は、1辺が8
00mmの正方形形状となっており、また、カソード電
極101の外縁部1aは外側ほど厚くなったテーパ状盛
上り構造となっている。つまり、上記アノード電極2と
カソード電極101との間隔は、図2に示すように該カ
ソード電極101の中央部101bでは25mmとな
り、外縁部101aでは、上記テーパ状盛上り構造によ
り、その内側から外側にかけて一定の割合で徐々に狭く
なっている。具体的には、カソード電極101の外縁部
101aの内側端では電極間隔が25mm、該外縁部1
01aの外側端では電極間隔が22.5mmとなってい
る。またテーパ状盛上り構造部分の電極面と平行な方向
での寸法は200mmとなっている。
【0054】次に作用効果について説明する。図2に
は、上記実施形態1の高周波プラズマCVD装置におけ
るアノード電極及びカソード電極の断面構造とともに、
上記構造のプラズマCVD装置のカソード電極に高周波
電圧を印加したときのアノード電極表面と平行な面内で
の高周波電界分布の計算結果を示している。
【0055】ここでは、プラズマ励起用高周波の周波数
は81.36MHzであり、電極寸法は高周波波長の約
1/4.5に相当している。図2では、図8に見られた
ような電極外縁部での電界強度の減少は抑えられ、電界
強度の面内分布(不均一性)△Eは±2.5%にまで減
少している。つまり、上記カソード電極とアノード電極
との間に形成される電界の強度分布は、被処理部材3の
処理面に平行な面内で実質的に均一となっている。
【0056】なお、同様の電界分布は、複数の板状の盛
り上がり(壁状部材)をカソード電極外縁部に、外側ほ
ど高く内側に行くほど低くなるよう設置することによっ
ても実現できることが計算により明らかになっている。
【0057】次に、上記実施形態1のプラズマCVD装
置の反応容器4内にて成膜した薄膜の膜厚分布を、図6
に示す従来の装置の反応容器内にて成膜した薄膜の膜厚
分布と対比させて説明する。
【0058】まず、図1に示す反応容器4内にて実際に
プラズマを生成し薄膜の成膜を行う処理を、励起する周
波数及び電極寸法を変化させて行い、それぞれの電極寸
法と高周波の波長との比率について、形成された薄膜の
膜厚分布等の測定を行った結果を以下の表1に示す。図
1に示す反応容器4を用いた処理については、電極の寸
法形状が1600mm角、励起高周波の周波数が27.
12MHzである場合と、電極の寸法形状が800mm
角、励起高周波の周波数が81.36MHzである場合
とを示している。
【0059】
【表1】
【0060】また、該表1には、図6に示す反応容器4
内にて実際にプラズマを生成し薄膜の成膜を行い、形成
された薄膜の膜厚分布等の測定を行った結果も示されて
いる。この場合は、電極の寸法形状を800mm角、励
起高周波の周波数を13.56MHzとしている。
【0061】上記各成膜処理における設定パラメータと
しては、カソード電極に印加される励起高周波電力を
0.1W/cm2、反応容器4内の雰囲気の圧力を0.
3Torr、反応容器内に供給される材料ガスをシラン
及び水素としている。
【0062】上記表1から分かるように、電極寸法と電
磁波の波長の比率が1/8以上になる場合(27.12
MHzおよび81.36MHz)においても、上記比率
が1/28である場合(13.56MHz)と同じよう
に、膜厚分布の不均一性は小さな値に留まっており、こ
れは上述したように電極間の電界分布が均一化されたた
めである。
【0063】また、周波数が20MHz以上となると、
成膜速度が上昇し、薄膜の光導電率と暗導電率の比の上
昇や、膜中欠陥密度の減少が見られ、成膜速度上昇及び
成膜膜質向上が実現されている。
【0064】すなわち、図1に示す実施形態1の反応容
器を用いることによって、大型の成膜装置に、20MH
z以上かつ200MHz以下のVHF帯の周波数の高周
波電力を適用した場合でも、大面積で高均一性の成膜処
理と、高速での高品質の膜の成膜処理とを同時に達成で
きた。
【0065】つまり、この実施形態1のプラズマCVD
装置は、電力用大型薄膜太陽電池の生産を考えた場合、
従来と同程度の大面積基板に対し、より高品質な太陽電
池をより高速度で生産することを可能にするものであ
る。
【0066】このように本実施形態では、高周波の波長
に対して電極寸法が1/8以上1/2以下の長さとなる
場合の電極間での電界の面内均一化を成し遂げ、大面積
高均一性の成膜処理を可能とする。従って、太陽電池、
液晶ディスプレイ、大規模集積回路の分野でのプラズマ
励起用高周波電磁界の高周波化、成膜基板の大面積化を
可能とし、工業的にその品質向上に寄与するところが大
きい。
【0067】(実施形態2)図3は、本発明の実施形態
2による高周波プラズマCVD装置を説明するための図
であり、図3(a)は、該装置の反応容器の概略構成を
示し、図3(b)は該反応容器内に設けられているカソ
ード電極の平面形状を示している。
【0068】図において、100bは高周波プラズマを
用いた化学蒸着を行うための反応容器4を有し、該反応
容器4内にて半導体膜や絶縁膜の成膜処理を行う、本実
施形態2のプラズマCVD装置である。
【0069】そして、本実施形態2では、上記アノード
電極2及びカソード電極102の平面形状は、1辺が8
00mmの正方形形状となっており、また、カソード電
極102の、該アノード電極2と対向する面上には、そ
の外縁に沿って壁状部材102aが配置されている。そ
の他の構成は上記実施形態1のプラズマCVD装置10
0aと同一である。
【0070】このような構成の実施形態2では、カソー
ド電極102の、該アノード電極と対向する面上に、そ
の外縁に沿って壁状部材を配置したので、簡単な構成に
より、カソード電極の給電点から遠ざかるほどその強度
が低下する傾向にある、カソード電極とアノード電極と
の間での高周波電界を均一化することができるという効
果がある。
【0071】(実施形態3)図4は、本発明の実施形態
3による高周波プラズマCVD装置を説明するための図
であり、図4(a)は、該装置の反応容器の概略構成を
示し、図4(b)は該反応容器内に設けられているカソ
ード電極の平面形状を示している。
【0072】図において、100cは高周波プラズマを
用いた化学蒸着を行うための反応容器4を有し、該反応
容器4内にて半導体膜や絶縁膜の成膜処理を行う、本実
施形態3のプラズマCVD装置である。
【0073】そして、本実施形態3では、上記アノード
電極2及びカソード電極102の平面形状は、1辺が8
00mmの正方形形状となっており、また、該カソード
電極103のアノード電極と対向する面の外周部には、
その内側部分から外側部分にかけて複数の壁状部材10
3a1,103a2,103a3,103a4,103a5
が所定間隔隔てて配置されており、これらの壁状部材の
高さは、外側のものほど高くなるようになっている。そ
の他の構成は上記実施形態1のプラズマCVD装置10
0aと同一である。
【0074】このような構成の実施形態3では、カソー
ド電極のアノード電極と対向する面の外周部に、その内
側部分から外側部分にかけて複数の壁状部材を所定間隔
隔てて配置し、各壁状部材の高さが、外側のものほど高
くなるようにしたので、カソード電極とアノード電極と
の間での高周波電界の均一化を非常に効果的に図ること
ができるという効果がある。
【0075】(実施形態4)図5は、本発明の実施形態
4による高周波プラズマCVD装置を説明するための図
であり、図5(a)は、該装置の反応容器の概略構成を
示し、図5(b)は該反応容器内に設けられているカソ
ード電極の平面形状を示している。
【0076】図において、100dは高周波プラズマを
用いた化学蒸着を行うための反応容器4を有し、該反応
容器4内にて半導体膜や絶縁膜の成膜処理を行う、本実
施形態4のプラズマCVD装置である。
【0077】そして、本実施形態4では、カソード電極
104a及びアノード電極105の平面形状をそれぞれ
円形とし、該各電極の直径の長さを、該カソード電極か
ら励起される高周波電界の波長の1/8以上かつ1/2
以下の寸法、例えば800mmに設定している。またカ
ソード電極104の外縁部104aは外側ほど厚くなっ
たテーパ状盛上り構造となっている。つまり、上記アノ
ード電極105とカソード電極104との間隔は、該カ
ソード電極104の中央部104bでは25mmとな
り、外縁部104aでは、上記テーパ状盛上り構造によ
り、その内側から外側にかけて一定の割合で徐々に狭く
なっている。具体的には、カソード電極104の外縁部
104aの内側端では電極間隔が25mm、該外縁部1
04aの外側端では電極間隔が22.5mmとなってい
る。
【0078】その他の構成は上記実施形態1のプラズマ
CVD装置100aと同一である。
【0079】このような構成の実施形態4では、前記カ
ソード電極及びアノード電極の平面形状をそれぞれ円形
とし、該各電極の直径を、該カソード電極から励起され
る高周波電界の波長の1/8以上かつ1/2以下の寸法
に設定したので、円形のカソード電極及びアノード電極
を用いたプラズマCVD装置において、VHF帯やUH
F帯の高周波をプラズマCVD処理に用いることよる利
点を生かしつつ、プラズマ励起の高周波電界の周波数増
大に起因する大面積成膜処理における成膜速度や膜質の
不均一化を防止できるという効果がある。
【0080】なお、上記実施形態4では、平面円形のカ
ソード電極の外縁部104aを、外側ほど厚くなったテ
ーパ状盛上り構造としたものを示したが、該カソード電
極の構造はこれに限定されるものではなく、例えば、円
形のカソード電極を、そのアノード電極と対向する面上
に、その外縁に沿って壁状部材を配置した構造としても
よく、また、円形のカソード電極を、そのアノード電極
と対向する面の外周部に、その内側部分から外側部分に
かけて複数の壁状部材を所定間隔隔てて配置しした構造
としてもよい。
【0081】また、上記各実施形態では、カソード電極
及びアノード電極の平面形状が正方形あるいは円形であ
る場合について示したが、該両電極の平面形状はこれら
に限定されるものではなく、例えば長方形形状,5角形
形状,6角形形状などの形状でもよく、さらにその他の
所定の平面形状でもよい。
【0082】この場合、長方形の平面形状を有するカソ
ード及びアノード電極の一辺の長さ、あるいはその他の
平面形状を有するカソード電極及びアノード電極の、電
極面内に確保できる最大の寸法を、該カソード電極から
励起される高周波電界の波長の1/8以上かつ1/2以
下の寸法に設定することにより、上記平面形状を有する
カソード電極及びアノード電極を用いたプラズマCVD
装置として、成膜速度が高くかつ膜へのダメージが少な
く、しかも大面積成膜処理における成膜速度や膜質の不
均一化を防止できるものが得られる。
【0083】さらに、上記各実施形態では、プラズマを
用いた化学蒸着処理を行うための反応容器を有するプラ
ズマCVD装置を例として挙げたが、上記各実施形態で
示したカソード電極及びアノード電極の構造は、プラズ
マ粒子及びプラズマ励起による活性種が膜をエッチング
するプラズマドライエッチング(アッシャ)装置による
面内高均一性のエッチング処理に対しても有効であるこ
とは言うまでもない。つまり上記各実施形態で示した構
造のカソード電極及びアノード電極を、プラズマエッチ
ング処理を行うための反応容器内に配設することによ
り、大面積での均一かつ高速なエッチング処理が可能な
プラズマエッチング装置を実現することができる。この
場合には、成膜用材料ガスの代わりにCF4、NF3等の
エッチングガスを用い、このエッチングガスをプラズマ
により解離,励起することになる。
【0084】また、さらに上記説明では、カソード電極
とアノード電極との間に形成される電界の強度分布が被
処理部材の処理面に平行な面内で実質的に均一となるよ
う、該両電極間の距離を該面内で部分的に異ならせたも
のについて説明したが、カソード電極とアノード電極と
の間の各部での距離の設定は、該両電極間に形成される
電界の強度分布が該被処理部材の処理面に平行な面内で
実質的に均一となるものでなくても、より均一となるも
のであればよい。この場合、該カソード電極及びアノー
ド電極間での電界の強度分布の均一化が高められること
により、VHF帯やUHF帯の周波数領域の高周波電磁
波をプラズマCVD処理に用いることによる利点,つま
りプラズマ密度の増大による成膜速度の増大やイオンシ
ース電圧の減少による膜へのイオンダメージの低減を生
かしつつ、プラズマ励起のための高周波電力の周波数増
大により電極面内での成膜速度や膜質の分布が不均一に
なるのを抑制あるいは防止することが可能である。
【0085】
【発明の効果】以上のようにこの発明(請求項1)に係
るプラズマ励起CVD装置によれば、カソード電極とア
ノード電極との間の距離を、該両電極間に形成される電
界の強度分布が該被処理部材の処理面に平行な面内でよ
り均一となるよう、該面内で部分的に異ならせるように
したので、VHF帯やUHF帯の周波数領域の高周波電
磁波をプラズマCVD処理に用いることによる利点,つ
まりプラズマ密度の増大による成膜速度の増大やイオン
シース電圧の減少による膜へのイオンダメージの低減を
生かしつつ、プラズマ励起のための高周波電力の周波数
増大により電極面内での成膜速度や膜質の分布が不均一
になるのを抑制あるいは防止できる効果がある。
【0086】この発明(請求項2)によれば、カソード
電極を、そのアノード電極と対向する面の外縁部が盛り
上がった形状とし、該カソード電極の盛上がり部分の表
面を、これと対向するアノード電極の表面に対して傾斜
した傾斜面としたので、カソード電極の給電点から遠ざ
かるほどその強度が低下する傾向にある、カソード電極
とアノード電極との間での高周波電界を、アノード電極
面内での均一性のよいものとできる。
【0087】この発明(請求項3)によれば、前記カソ
ード電極及びアノード電極の平面形状をそれぞれ、正方
形形状,長方形形状,あるいはその他の所定の形状と
し、該正方形または長方形の平面形状を有する各電極の
一辺の長さ、あるいは該その他の平面形状を有する各電
極の、電極面内に確保できる最大の寸法を、該カソード
電極から励起される高周波電界の波長の1/8以上かつ
1/2以下の寸法に設定したので、所定の平面形状を有
するカソード電極及びアノード電極を用いたプラズマC
VD装置として、成膜速度が高くかつ膜へのダメージが
少なく、しかも大面積成膜処理における成膜速度や膜質
の不均一化を抑制あるいは防止できるものが得られる。
【0088】この発明(請求項4)によれば、前記カソ
ード電極から励起される高周波電界の周波数を20MH
z以上かつ200MHz以下の範囲の値としたので、a
−Si:H太陽電池を構成する薄膜の成膜に適したプラ
ズマCVD装置を得ることができる。
【0089】この発明(請求項5)に係るプラズマエッ
チング装置によれば、カソード電極とアノード電極との
間の距離を、該両電極間に形成される電界の強度分布が
該被処理部材の処理面に平行な面内でより均一となるよ
う、該面内で部分的に異ならせるようにしたので、VH
F帯やUHF帯の周波数領域の高周波電磁波をプラズマ
エッチング処理に用いることによる利点,つまりプラズ
マ密度の増大によるエッチング速度の増大を生かしつ
つ、プラズマ励起のための高周波電力の周波数増大によ
り電極面内でのエッチング速度分布が不均一になるのを
抑制あるいは防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による高周波プラズマCV
D装置を説明するための図であり、図1(a)は該装置
の反応容器の概略構成を示し、図1(b)は該反応容器
内に設けられているカソード電極の平面形状を示してい
る。
【図2】上記実施形態1の高周波プラズマCVD装置に
おけるアノード電極及びカソード電極の断面構造ととも
に、該カソード電極に周波数81.36MHzの高周波
電圧を印加したときの、該両電極間でのアノード電極面
内における高周波電界の強度分布を示す図である。
【図3】本発明の実施形態2による高周波プラズマCV
D装置を説明するための図であり、図3(a)は該装置
の反応容器の概略構成を示し、図3(b)は該反応容器
内に設けられているカソード電極の平面形状を示してい
る。
【図4】本発明の実施形態3による高周波プラズマCV
D装置を説明するための図であり、図4(a)は該装置
の反応容器の概略構成を示し、図4(b)は該反応容器
内に設けられているカソード電極の平面形状を示してい
る。
【図5】本発明の実施形態4による高周波プラズマCV
D装置を説明するための図であり、図5(a)は該装置
の反応容器の概略構成を示し、図5(b)は該反応容器
内に設けられているカソード電極の平面形状を示してい
る。
【図6】従来の高周波プラズマCVD装置を説明するた
めの概略図であり、図6(a)は該装置の反応容器の概
略構成を示し、図6(b)は該反応容器内に設けられて
いるカソード電極の平面形状を示している。
【図7】従来の高周波プラズマCVD装置におけるアノ
ード電極及びカソード電極の断面構造とともに、該カソ
ード電極に周波数13.56MHzの高周波電圧を印加
したときの該両電極間での電極面内における高周波電界
の強度分布を示す図である。
【図8】従来の高周波プラズマCVD装置におけるアノ
ード電極及びカソード電極の断面構造とともに、該カソ
ード電極に周波数81.36MHzの高周波電圧を印加
したときの該両電極間での電極面内における高周波電界
の強度分布を示す図である。
【図9】従来の高周波プラズマCVD装置内における、
電磁波の波長と電極寸法との比率の、電極間での高周波
電界の強度分布の不均一性に対する依存性を示す図であ
る。
【符号の説明】
2 アノード電極 3 基板 4 反応容器 5 ガス導入口 100a,100b,100c,100d プラズマC
VD装置 101,102,103 カソード電極 101a 矩形テーパ状構造部(外縁部) 102a,103a1〜103a5 壁状部材 104 円形カソード電極 104a 円形テーパ状構造部(外縁部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富田 孝司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 山本 義宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−122502(JP,A) 特開 平6−295866(JP,A) 特開 平6−77144(JP,A) 実開 平3−99767(JP,U) 実開 昭64−13119(JP,U) 実開 平4−103641(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 C23C 16/50 H01L 21/3065 H05H 1/46

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理部材に対してプラズマを用いた化
    学蒸着処理を行うための反応容器と、 該反応容器内に配置され、接地されたアノード電極と、 該反応容器内に該アノード電極と対向するよう配置さ
    れ、プラズマを励起するための高周波電圧が印加される
    カソード電極とを備え、 前記アノード電極は、前記カソード電極と対向する、板
    状の被処理部材を装着するための面が平面状となってお
    り、該カソード電極におけるアノード電極と対向する面の外
    縁部に、内側から外側にかけて複数の壁状部材が所定の
    間隔を隔てて配置されており、各壁状部材の高さが外側
    になるにつれて順次高くなっている ことを特徴とするプ
    ラズマ励起化学蒸着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ励起化学蒸着装
    置において、 前記カソード電極及びアノード電極はそ
    れぞれ、正方形形状,長方形形状,あるいはその他の所
    定の平面形状を有するものであり、 該正方形または長方形の平面形状を有する各電極の一辺
    の長さは、あるいは該その他の平面形状を有する各電極
    の、電極面内に確保できる最大の寸法は、該カソード電
    極から励起される高周波電界の波長の1/8以上かつ1
    /2以下の寸法に設定されているプラズマ励起化学蒸着
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のプラズ
    マ励起化学蒸着装置において、 前記カソード電極から励起される高周波電界の周波数が
    20MHz以上かつ200MHz以下の範囲の値であ
    り、 太陽電池を構成する半導体薄膜の成長に使用されるプラ
    ズマ励起化学蒸着装置。
  4. 【請求項4】 被処理部材に対してプラズマエッチング
    処理を行うための反応容器と、 該反応容器内に配置され、接地されたアノード電極と、 該反応容器内に該アノード電極と対向するよう配置さ
    れ、プラズマを励起するための高周波電圧が印加される
    カソード電極とを備え、 前記アノード電極は、前記カソード電極と対向する、板
    状の被処理部材を装着するための面が平面状となってお
    り、該カソード電極におけるアノード電極と対向する面の外
    縁部に、内側から外側にかけて複数の壁状部材が所定の
    間隔を隔てて配置されており、各壁状部材の高さが外側
    になるにつれて順次高くなっている ことを特徴とするプ
    ラズマエッチング装置。
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