JP3574157B2 - 自動焦点調節カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、移動する被写体に対しても遅れなく追従する自動焦点調節カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来焦点検出光学系によって形成された被写体像を電荷蓄積型センサーを用いて受光し、センサー出力を演算処理して撮影光学系の予定焦点面に対する被写体像面のデフォーカス量を検出し、該デフォーカス量に応じてフォーカシングレンズを駆動することにより撮影光学系の合焦を達成する自動焦点調節カメラが知られている。
さらに、時系列的に発生する複数のデフォーカス量から被写体が移動しているか否かを判定し、被写体が移動していると判定した場合は通常のレンズ駆動量を補正して駆動することにより、移動する被写体にも追随してピントが合い続ける駆動方式(以下、予測駆動と言う。)が知られている。
【0003】
図12を用いて上述の予測駆動方式における被写体移動判別の基本的な原理を説明する。
図12において縦軸は像面の位置を表し、横軸は時間を表している。また実線は撮影光学系が理想的に移動被写体に追随して駆動された場合の被写体像面の軌跡を表し、破線は実際のレンズ位置に対応する像面の位置を表す。従って実線と破線との差が像面位置の差=デフォーカス量を表すことになる。ここで時刻t1におけるデフォーカス量をd1、時刻t2におけるデフォーカス量をd2、時刻t1とt2の間のレンズ駆動に伴う像面移動量をL12とすると、被写体移動に伴う像面の移動速度v12は式(1)のようになる。
【数1】
Figure 0003574157
像面移動速度v12の絶対値が所定値以上であれば被写体が移動していると判別することができる。
【0004】
被写体が移動していると判定された場合には、被写体移動に伴う像面の移動を考慮し、時刻t3に実線と破線が一致してデフォーカス量が0となるようにレンズ駆動を行うことができる。
この時のレンズ駆動量は、デフォーカス量d2を式(2)により補正した補正デフォーカス量d2’に対応して定めればよい。
【数2】
Figure 0003574157
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の方式では2つの時刻間のデフォーカス量から被写体像面の移動速度を算出するので、像面の移動速度の変化に対する応答性はデフォーカス量を求める時刻のインターバルに依存する。したがって、正確な予測駆動を行なうには上記のインターバルを十分短く設定しておくことが望ましい。
しかしながら、被写体輝度が低くなった場合には、電荷蓄積型センサーの受光量が減少して電荷の蓄積時間が長くなるため、デフォーカス量の検出間隔が伸びてしまい、被写体速度が急変する場合には正しい像面移動速度を測定することができず、結果的に予測駆動によりオーバーランを生じたりしてしまった。
【0006】
また上記焦点検出光学系とセンサーを複数備え、撮影画面に設定された複数の焦点検出領域において、焦点検出を行って複数のデフォーカス量を求め、該複数のデフォーカス量に基づき1つの最終デフォーカス量を決定し、該最終デフォーカス量に応じてフォーカシングレンズを駆動することにより撮影光学系の合焦を達成するいわゆるマルチAFエリア方式の自動焦点調節カメラも知られている。しかしながらマルチAFエリア方式の自動焦点調節カメラは、シングルAFエリア方式、すなわち単一の焦点検出領域でのデフォーカス量に基づいてフォーカシング動作を行なうカメラと比較して焦点検出領域が増大した分、センサーの電荷蓄積時間、電荷転送時間、焦点検出演算時間等を含めた焦点調節にかかる時間(以後AF時間という。)が増大し、デフォーカス量の検出間隔が伸びてしまい、低輝度時と同様な理由で、被写体速度が急変する場合には正しい像面移動速度を測定することができず、結果的に予測駆動によりオーバーランを生じたりしてしまった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決し、低輝度時にも正確な予測駆動が可能な自動焦点調節カメラを提供することを目的とする。
また、複数の焦点検出領域を有する自動焦点調節カメラにおいて、予測駆動時の精度を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による自動焦点調節カメラは、予定焦点面上に被写体像を形成するための撮影光学系と、撮影光学系による撮影画面内の中央および周辺に設定された複数の焦点検出領域での焦点状態を検出するための焦点検出光学系と、焦点検出光学系により形成された複数の被写体像を焦点検出領域毎に分けて受光する複数の電荷蓄積型センサーを備えた受光手段と、複数の電荷蓄積時間を各焦点検出領域における被写体像の輝度に応じて制御する電荷蓄積時間制御手段と、受光手段の出力に基づいて複数の焦点検出領域における撮影光学系の像面の予定焦点面に対するデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段と、焦点検出演算手段が複数の焦点検出領域ごとに時系列的に算出した複数のデフォーカス量に基づいて複数の焦点検出領域ごとの像面移動速度を演算する像面移動速度演算手段と、像面移動速度演算手段が焦点検出領域ごとに算出した複数の像面移動速度の中から1つの像面移動速度を選択する選択手段と、選択手段により選択された像面移動速度に基づいて被写体が移動しているか否かを判別する被写体移動判別手段と、被写体移動判別手段により被写体が移動していないと判別した場合は、デフォーカス量に基づいて撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、被写体が移動していると判別した場合は、選択された像面移動速度に基づき被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する焦点制御手段と、被写体像の輝度が所定値以下でかつ被写体移動判別手段により被写体が移動していると判別した場合は、受光手段が備える複数の電荷蓄積型センサーのうち撮影画面内の中央に設定された焦点検出領域に対応する電荷蓄積型センサーの出力のみを当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1の焦点制御手段は、被写体移動判別手段により被写体が移動していないと判別した場合は、デフォーカス量に基づいて撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、被写体が移動していると判別した場合は、選択された像面移動速度に基づき被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する。
【0010】
そして、請求項1の自動焦点調節カメラでは、被写体像の輝度が所定値以下でかつ被写体移動判別手段により被写体が移動していると判別した場合は、複数の電荷蓄積型センサーのうち撮影画面内の中央に設定された焦点検出領域に対応する電荷蓄積型センサーの出力のみを用いて焦点調節を行う。
【0011】
請求項2の発明による自動焦点調節カメラは、予定焦点面上に被写体像を形成するための撮影光学系と、撮影光学系による撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域での焦点状態を検出するための焦点検出光学系と、焦点検出光学系により形成された複数の被写体像を焦点検出領域毎に分けて受光する複数の電荷蓄積型センサーを備えた受光手段と、複数の電荷蓄積時間を各焦点検出領域における被写体像の輝度に応じて制御する電荷蓄積時間制御手段と、受光手段の出力に基づいて複数の焦点検出領域における撮影光学系の像面の予定焦点面に対するデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段と、焦点検出演算手段が複数の焦点検出領域ごとに時系列的に算出した複数のデフォーカス量に基づいて複数の焦点検出領域ごとの像面移動速度を演算する像面移動速度演算手段と、像面移動速度演算手段が焦点検出領域ごとに算出した複数の像面移動速度の中から1つの像面移動速度を選択する選択手段と、選択手段により選択された像面移動速度に基づいて被写体が移動しているか否かを判別する被写体移動判別手段と、被写体移動判別手段により被写体が移動していないと判別した場合は、デフォーカス量に基づいて撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、被写体が移動していると判別した場合は、像面移動速度に基づき被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する焦点制御手段と、被写体移動判別手段により被写体が移動していると判別した場合は、受光手段が備える複数の電荷蓄積型センサーのうち、電荷蓄積時間制御手段により制御された電荷蓄積時間が相対的に短い電荷蓄積型センサーの出力のみを当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2の焦点制御手段は、被写体移動判別手段により被写体が移動していないと判別した場合は、デフォーカス量に基づいて撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、被写体が移動していると判別した場合は、選択された像面移動速度に基づき被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する
【0013】
被写体移動判別手段により被写体が移動していると判別した場合は、複数の電荷蓄積型センサーのうち、電荷蓄積時間制御手段により制御された電荷蓄積時間が相対的に短い電荷蓄積型センサーの出力のみを用いて焦点調節を行う。
【0014】
請求項3の発明による自動焦点調節カメラは、予定焦点面上に被写体像を形成するための撮影光学系と、撮影光学系による撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域での焦点状態を検出するための焦点検出光学系と、焦点検出光学系により形成された複数の被写体像を焦点検出領域毎に分けて受光する複数の電荷蓄積型センサーを備えた受光手段と、受光手段の出力に基づいて複数の焦点検出領域における撮影光学系の像面の予定焦点面に対するデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段と、焦点検出演算手段が複数の焦点検出領域ごとに時系列的に算出した複数のデフォーカス量に基づいて複数の焦点検出領域ごとの像面移動速度を演算する像面移動速度演算手段と、像面移動速度演算手段が焦点検出領域ごとに算出した複数の像面移動速度の中から1つの像面移動速度を選択する選択手段と、選択手段により選択された像面移動速度に基づいて被写体が移動しているか否かを判別する被写体移動判別手段と、被写体移動判別手段により被写体が移動していないと判別した場合は、デフォーカス量に基づいて撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、被写体が移動していると判別した場合は、像面移動速度に基づき被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する焦点制御手段と、被写体移動判別手段により被写体が移動していると判別した場合は、受光手段が備える複数の電荷蓄積型センサーのうち、選択手段により選択された像面移動速度を算出した焦点検出領域に対応する電荷蓄積型センサーの出力のみを当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段とを備え、被写体移動判別手段は、被写体が移動していると判別した場合、そのとき焦点検出領域選択手段により選択されている焦点検出領域をその後の被写体移動の判別に継続して使用し、その焦点検出領域において算出された像面移動速度に基づいて被写体が移動しているか否かを判別することを特徴とする。
【0015】
請求項3の焦点制御手段は、被写体移動判別手段により被写体が移動していないと判別した場合は、デフォーカス量に基づいて撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、被写体が移動していると判別した場合は、選択された像面移動速度に基づき被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する。被写体移動判別手段により被写体が移動していると判別した場合は、複数の電荷蓄積型センサーのうち、選択手段により選択された像面移動速度を算出した焦点検出領域に対応する電荷蓄積型センサーの出力のみを継続して用いて焦点調節を行う。
【0016】
請求項4および5の発明による自動焦点調節カメラは、それぞれ、予定焦点面上に被写体像を形成するための撮影光学系と、撮影光学系による撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域にそれぞれ結像する被写体像に応じた電気信号を出力する電荷蓄積型センサーを備えた受光手段と、各焦点検出領域における被写体像の輝度に応じて各焦点検出領域ごとに電荷蓄積時間を制御する電荷蓄積時間制御手段と、受光手段の出力に基づいて複数の焦点検出領域に結像する被写体像の焦点調節状態を演算する焦点検出演算手段と、焦点検出演算手段が複数の焦点検出領域ごとに時系列的に算出した複数の焦点調節状態それぞれの変化速度を演算する変化速度演算手段と、変化速度演算手段が焦点検出領域ごとに算出した複数の焦点調節状態の変化速度の中から1つの変化速度を選択する選択手段と、選択手段により選択された変化速度に基づいて被写体が移動しているか否かを判別する被写体移動判別手段と、被写体移動判別手段により被写体が移動していないと判別した場合は、焦点調節状態に基づいて撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、被写体が移動していると判別した場合は、変化速度に基づき被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する焦点制御手段とを備える。
そして請求項4の自動焦点調節カメラは、被写体像の輝度が所定値以下でかつ被写体移動判別手段により被写体が移動していると判別した場合は、撮影画面内の中央に設定された焦点検出領域に対応する蓄積電荷を当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段を備えることを特徴とする。
また請求項5の自動焦点調節カメラは、被写体移動判別手段により被写体が移動していると判別した場合は、電荷蓄積時間制御手段により制御された電荷蓄積時間が相対的に短い焦点検出領域の蓄積電荷を当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段を備えることを特徴とする。
さらに請求項6の発明による自動焦点調節カメラは、予定焦点面上に被写体像を形成するための撮影光学系と、撮影光学系による撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域にそれぞれ結像する被写体像に応じた電気信号を出力する電荷蓄積型センサーを備えた受光手段と、受光手段の出力に基づいて複数の焦点検出領域に結像する被写体像の焦点調節状態を演算する焦点検出演算手段と、焦点検出演算手段が複数の焦点検出領域ごとに時系列的に算出した複数の焦点調節状態それぞれの変化速度を演算する変化速度演算手段と、変化速度演算手段が焦点検出領域ごとに算出した複数の焦点調節状態の変化速度の中から1つの変化速度を選択する選択手段と、選択手段により選択された変化速度に基づいて被写体が移動しているか否かを判別する被写体移動判別手段と、被写体移動判別手段により被写体が移動していないと判別した場合は、焦点調節状態に基づいて撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、被写体が移動していると判別した場合は、変化速度に基づき被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する焦点制御手段と、被写体移動判別手段により被写体が移動していると判別した場合は、複数の焦点検出領域のうち、選択手段により選択された変化速度を算出した焦点検出領域の蓄積電荷のみを当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段とを備え、被写体移動判別手段は、被写体が移動していると判別した場合、そのとき焦点検出領域選択手段により選択されている焦点検出領域をその後の被写体移動の判別に継続して使用し、その焦点検出領域において算出された焦点調節状態の変化速度に基づいて被写体が移動しているか否かを判別することを特徴とする。
【0017】
【実施例】
−第1実施例−
本発明の第1実施例を図1〜図4を参照して説明する。
図1は本実施例のブロック図である。ボディ1に対しレンズ2は交換可能に構成され、図ではレンズ2がボディ1に装着されている。レンズ2は撮影光学系3を備え、撮影光学系3を通過した被写体からの光束はハーフミラーを用いたメインミラー4によりサブミラー5とファインダー6の方向に分割される。サブミラー5によりボディ1の底方向(図の下側)に偏向された光束は、撮影光学系3の予定焦点面の近傍に配置された焦点検出光学系7に導かれる。
【0018】
図2に焦点検出光学系7と焦点検出用の受光素子8の概略構成を示す。
焦点検出光学系7は、開口部70を有する視野マスク71と、コンデンサーレンズ72と、一対の絞り開口部73,74を有する絞りマスク75と、一対の再結像レンズ76,77とを備えている。受光素子8は、受光素子8の下部に並ぶ一対の受光部80,81と、受光素子8の上部に並ぶ一対の受光部82,83とを備え、受光部80,81が第1のセンサー9を、受光部82,83が第2のセンサー10を構成する。撮影光学系3(図1)により光軸上の開口部70の近傍に形成された1次像は受光部80〜83上に左右を一対とする2次像として再結像する。
【0019】
図3に示すように受光部80,81および受光部82,83はそれぞれの並び方向に連設された複数の矩形状の画素PS1,PS2を有し、これら画素PS1,PS2の受光量に応じた電荷を蓄積して後述するマイコン14へ出力する。受光部80,81の画素PS1のピッチP1および高さW1は、受光部82,83の画素PS2のピッチP2および高さW2よりも小さく定められている。したがって、受光部82,83の画素面積P2×W2は、受光部80,81の画素面積P1×W1より大きく、同一の出力レベルを得るための電荷蓄積時間は第2の受光部82,83のほうが短い。すなわち、第2の受光部82,83の方が被写体像の検出感度が高い。
【0020】
図2に示すように、一対の絞り開口部73,74はコンデンサーレンズ72により撮影光学系3の射出瞳近傍の面30の光軸に対して対称な一対の領域31,32に投影される。これらの領域31,32を通る光束は、視野マスク71付近でまず一次像を形成する。視野マスク71の開口部70に形成された一次像は更にコンデンサーレンズ72および一対の絞り開口部73,74を通り、一対の再結像レンズ76,77により受光素子8上の受光部80,82上と受光部81,83上とに一対の二次像として形成される。二次像の強度分布は受光部80〜83で光電変換されて電気的な被写体像信号となる。この際、受光部80,81と受光部82,83とは画素面積が異なっているので焦点検出演算処理を行うのに適正な出力レベルとなるようにそれぞれ独立に電荷蓄積時間が設定される。
【0021】
図1に示すように、第1のセンサー9の一対の電気的な被写体像信号および第2のセンサー10の一対の電気的な被写体像信号は制御手段11の制御動作にしたがってマイコン14の焦点検出演算手段12へ取り込まれる。焦点検出演算手段12は取り込まれた被写体像信号の相対的位置関係を演算して撮影光学系3の像面と予定焦点面とのデフォーカス量dを検出する。
マイコン14の被写体移動判別手段13は、焦点検出演算手段12により算出されたデフォーカス量とその算出時刻とをペアで記憶する。また、後述するモーター15の回転量をモニターして前回のデフォーカス量の算出時刻から今回のデフォーカス量の算出時刻までのレンズ駆動量を測定し、該レンズ駆動量を像面移動量に変換する。次に前回のデフォーカス量をd1、算出時刻をt1、今回のデフォーカス量をd2、算出時刻をt2、時刻t1から時刻t2までのレンズ駆動によって生ずる像面移動量をL12として、式(1)により時刻t1とt2間の像面移動速度v12を求める。
【0022】
像面移動速度v12の絶対値が所定値Vより小さい場合は被写体が静止していると判別し、マイコン14に含まれる駆動制御手段16に今回のデフォーカス量d2に応じてモーター15の回転方向と回転量を制御させる。制御されたモーター15の回転により撮影光学系3が光軸方向へデフォーカス量dが0となるように駆動されて撮影光学系3が合焦状態となる。
像面移動速度v12の絶対値が所定値Vより小さい場合は被写体が移動していると判別し、時刻t3において合焦するように式(2)により補正デフォーカスd2’を算出し、該補正デフォーカス量d2’に応じて駆動制御手段16にモーター15の回転方向と回転量を制御させる。
【0023】
被写体移動判別手段13の判別結果は制御手段11に送られる。制御手段11は、被写体が移動している場合は蓄積時間を短縮するために第2のセンサー10を駆動させ、被写体が静止している場合は第1のセンサー9を駆動させる。
【0024】
図4は制御手段11、焦点検出演算手段12、被写体移動判別手段13、駆動制御手段16を備えたマイコン14の動作フローチャートである。
ステップS100では、電源ONによりステップS101に進む。
ステップS101では、前回の被写体移動判別結果に応じて被写体が移動しているか否かを判別する。移動していない場合には比較的低感度の第1のセンサー9を駆動対象に選択してステップS102に進み、移動している場合には受光素子8からの被写体像信号の出力間隔を短縮するために高感度の第2のセンサー10を駆動対象に選択してステップS103に進む。なお、電源ON直後およびデフォーカス量が1回しか検出されていない時点では、前回の被写体移動判別結果がないのでステップS101から無条件にステップS102またはステップS103に進むようにしておく。
【0025】
被写体が移動していると判別した場合に高感度の第2のセンサー10を選択する理由は、電荷の蓄積時間を短縮してデフォーカス量の算出時刻の間隔を短縮し、算出した像面移動速度が正しく像面の時間変化を反映するようにするためである。被写体が移動していないと判別した場合に比較的低感度の第1のセンサー9を選択する理由は、第2のセンサー10と比較して画素ピッチが細かく画素の高さも小さい第1のセンサー9により、微細な被写体に対する検出能力を高めるためである。すなわち、像面移動速度の検出に高い応答性が要求される場合には応答性を重視して第2のセンサー10を選択し、応答性が要求されない場合には微細検出能力を重視して第1のセンサー9を選択する。
【0026】
ステップS102では第1のセンサー9を選択して電荷蓄積動作を行わせ、ステップS104に進む。ステップS103では第2のセンサー10を選択して電荷蓄積動作を行わせ、ステップS104に進む。
電荷蓄積時間の制御は、第1のセンサー9および第2のセンサー10の受光部の近傍に光量モニター素子を配置して、これらセンサー9,10の電荷蓄積開始に同期して該光量モニター素子の出力をモニターし、モニター出力が所定レベルに達した時点でセンサー9,10の電荷蓄積を終了させる方式でもよい。その場合、第1のセンサー9と第2のセンサー10の感度が異なっているので、第1のセンサー9を駆動させる場合と第2のセンサー10を駆動させる場合とで前記所定レベルを異なるようにしておく。
あるいは、前回の第1のセンサー9または第2のセンサー10の出力レベルと蓄積時間から今回の第1のセンサー9または第2のセンサー10の出力レベルが所定値になるように今回の蓄積時間を電荷蓄積前に予め計算して、該蓄積時間となるように第1のセンサー9または第2のセンサー10の電荷蓄積制御を行うようにしてもよい。
【0027】
ステップS104では、第1のセンサー9または第2のセンサー10より被写体像データを読み込む。ステップS105では、被写体像データを処理してデフォーカス量を演算する。ステップS106では前回のデフォーカス量と算出時刻、今回のデフォーカス量と算出時刻、前回のデフォーカス量の算出時刻から今回のデフォーカス量の算出時刻までのレンズ駆動によって生ずる像面移動量とから、式(1)により像面移動速度を算出する。
【0028】
ステップS107では算出された像面移動速度の絶対値を所定値と比較する。所定値以上の場合は被写体が移動していると判別し、所定値以下の場合は被写体が移動していないと判別する。ステップS108では被写体が移動している場合にはステップS109に進み、移動していない場合にはステップS110に進む。ステップS109では式(2)に基づき所定時間後に移動被写体に合焦するように今回のデフォーカス量を補正する。ステップS110では今回のデフォーカス量または補正デフォーカス量に応じて撮影光学系3を合焦させるためのレンズ駆動量を演算する。なお、電源ON直後は、前回のデフォーカス量がないのでステップS105からステップS106、ステップS107、ステップS108、ステップS109をスキップしてステップS110に無条件に進むようにしておく。ステップS111ではモーター15を駆動して、算出されたレンズ駆動量だけ撮影光学系3を移動させる。この後はステップS101に戻り、上述の動作を繰り返す。
【0029】
以上の処理によれば、被写体が移動していると判断されると被写体像の検出感度が高い第2のセンサー10が優先的に駆動され、その出力に基づいてデフォーカス量や補正量の演算が行なわれるので、焦点調節量の演算周期を短縮して特に低輝度時における予測駆動の応答性を大きく改善できる。被写体が移動していないときは第1のセンサー9により微細な被写体が検出され、高い焦点検出精度が得られる。
【0030】
上記の実施例では被写体が移動していると判別された場合に第2のセンサー10を選択したが、さらに被写体輝度の条件を加えて、被写体が移動していると判別され、かつ電荷蓄積時間が不所望に長くなるほど被写体輝度が低下した場合に第2のセンサー10を選択してもよい。
また、実施例では被写体が移動しているとき第2のセンサー10のみを駆動したが、2つのセンサー9,10を常時駆動させ、被写体移動の判別結果に応じていずれか一方の出力をマイコン14へ取り込むようにしてもよい。センサー9,10の出力を常時マイコン14に取り込み、被写体移動の判別結果に応じていずれか一方からの出力信号をデフォーカス量の演算情報に選択してもよい。要は、デフォーカス量やその補正量を演算するための受光素子8の出力として被写体移動時に第2のセンサー10の出力が選択されるようにすればよい。
【0031】
上記実施例ではセンサー9,10の画素面積に応じて被写体像の検出感度を変化させたが、焦点検出光学系をセンサー毎に設けて被写体像の再結像倍率を変化させても感度を変更できる。その一例を図5に示す。
図5(a)の例では、第1の焦点検出光学系7Aにより第1のセンサー9A上に被写体像が形成され、第2の焦点検出光学系7Bにより第2のセンサー10A上に被写体像が形成される。焦点検出光学系7A,7Bによる被写体像の再結像倍率は異なる値に設定され、図5(b)に示すように焦点検出光学系7A,7Bの物体空間側の1次像面X(視野マスク71の位置にほぼ等しい)上でのセンサー9A,10Aの投影像H1,H2の画素面積は、第1のセンサー9Aより第2のセンサー10Aの方が大きくなっている。これにより被写体像の検出感度は第2のセンサー10Aの方が高くなる。なお、この例ではセンサー9A,10A自身の画素面積の大小は問題でなく、あくまで1次像面X上への投影像H1,H2での画素面積の大小がセンサー9A,10Aの選択指標となる。
【0032】
−第2実施例−
図6および図7により本発明の第2実施例を説明する。なお、図1〜図4と共通する部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図6は本実施例のブロック図である。本実施例が第1実施例と異なる点は、受光素子8Aが単一の電荷蓄積型のセンサー9によって構成され、センサー9の一対の被写体像信号出力を増幅するための増幅手段17が新たにセンサー9と焦点検出演算手段12の間に加わった点である。焦点検出光学系7の構成は図2と同様であり、センサー9は一対の受光部80,81を備えている。
【0033】
増幅手段17は、第1のゲインと第1のゲインよりも高い第2のゲインを有し、制御手段11Aからの制御信号に基づき、第1のゲインと第2のゲインのいずれかを選択する。被写体移動判別手段13の判別結果は制御手段11Aに送られる。制御手段11Aは、被写体が移動している場合にはセンサー9の蓄積時間を短縮するために増幅手段17を第2のゲイン(高ゲイン)で動作させ、被写体が静止している場合には増幅手段17を第1のゲイン(低ゲイン)で動作させる。
【0034】
図6は制御手段11A、焦点検出演算手段12、被写体移動判別手段13、駆動制御手段16を備えたマイコン14Aの動作フローチャートである。
ステップS200では、電源ONによりステップS201に進む。
ステップS201では、前回の被写体移動判別結果に応じて被写体が移動しているか否かを判別する。移動していない場合にはステップS202で増幅手段17のゲインを第1のゲインに設定し、移動している場合にはステップS204でセンサーの蓄積時間を短縮するために増幅手段17のゲインを第2のゲインに設定する。なお、電源ON直後およびデフォーカス量が1回しか検出されていない時点では、前回の被写体移動判別結果がないのでステップS201では無条件にステップS202またはステップS204に進むようにしておく。
【0035】
被写体が移動していると判別した場合に高ゲインを選択する理由は、電荷の蓄積時間を短縮してデフォーカス量の算出時刻の間隔を短縮し、算出した像面移動速度が正しく像面の時間変化を反映するようにするためである。被写体が移動していないと判別した場合に低ゲインを選択する理由は、センサー9からの被写体像信号の生出力レベルをできるだけ高くし、S/N比を向上させるためである。すなわち、像面移動速度の検出に高い応答性が要求される場合には応答性を重視して第2のゲインを選択し、応答性が要求されない場合には被写体像信号のS/Nを重視して第1のゲインを選択することになる。
【0036】
ステップS203では第1のゲインで被写体像信号を増幅した場合に被写体像信号が焦点検出演算に適したレベルとなるように電荷蓄積時間を定め、センサー9に電荷蓄積動作を行わせ、ステップS206に進む。ステップS205では第2のゲインで被写体像信号を増幅した場合に被写体像信号が焦点検出演算に適したレベルとなるように電荷蓄積時間(この時間はステップS203で定めた電荷蓄積時間より短くなる)を定め、センサー9に電荷蓄積動作を行わせ、ステップS206に進む。
【0037】
電荷蓄積時間の制御は、センサ9ーの受光部の近傍に光量モニター素子を配置して、センサー9の電荷蓄積開始に同期して該光量モニター素子の出力をモニターし、モニター出力が所定レベルに達した時点でセンサー9の電荷蓄積を終了させる方式でもよい。その場合第1ゲインと第2ゲインで増幅する場合とで前記所定レベルを異なるようにしておく。
あるいは、前回のセンサー9の出力レベルQ1と蓄積時間A1とゲインG1と今回選択されたゲインG0から今回のセンサー9の出力レベルが所定値Q0になるように今回の蓄積時間A0を式(3)の如く電荷蓄積前に予め計算して、該蓄積時間となるようにセンサー9の電荷蓄積制御を行うようにしてもよい。
【数3】
Figure 0003574157
【0038】
ステップS206では増幅手段17からの被写体像データを読み込む。ステップS207では被写体像データを処理してデフォーカス量を演算する。ステップS208では前回のデフォーカス量と算出時刻、今回のデフォーカス量と算出時刻、前回のデフォーカス量算出時刻から今回のデフォーカス量算出時刻までのレンズ駆動によって生ずる像面移動量とから、式(1)により像面移動速度を算出する。
【0039】
ステップS209では、算出された像面移動速度の絶対値を所定値と比較し所定値以上の場合は被写体が移動していると判別し、所定値以下の場合は被写体が移動していないと判別する。ステップS210では被写体が移動している場合にはステップS211に進み、移動していない場合にはステップS212に進む。ステップS211では式(2)に基づき所定時間後に移動被写体に合焦するように、今回のデフォーカス量を補正する。ステップS212では今回のデフォーカス量または補正デフォーカス量に応じて撮影光学系3を合焦させるために駆動すべきレンズ駆動量を演算する。なお、電源ON直後は、前回のデフォーカス量がないのでステップS207からステップS208、ステップS209、ステップS210、ステップS211をスキップしてステップS212に無条件に進むようにしておく。ステップS213ではモーター15を駆動して、算出されたレンズ駆動量だけ撮影光学系3を移動させる。この後はステップS201に戻り、上述の動作を繰り返す。
【0040】
以上の処理によれば、被写体が移動していると判断されると増幅手段17のゲインが高い側の第2のゲインに設定されるので、焦点調節量の演算周期を短縮して特に低輝度における予測駆動の応答性を大きく改善できる。被写体が移動していないときは増幅手段17のゲインが低く設定され、被写体像信号のS/N比が向上して高い焦点検出精度が得られる。
【0041】
上記の実施例では被写体が移動していると判別された場合に第2のゲインを選択したが、さらに被写体輝度の条件を加えて、被写体が移動していると判別され、かつ電荷蓄積時間が不所望に長くなるほど被写体輝度が低下した場合に第2のゲインを選択してもよい。
【0042】
−第3実施例−
図8〜図10により本発明の第3実施例を説明する。上述した第1、第2実施例との共通部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図8は本実施例のブロック図である。本実施例では、焦点検出光学系20からの光束が、第1センサー21、第2センサー22、第3センサー23の3つの電荷蓄積型センサーを備えた受光素子24に導かれる。
【0043】
図9に焦点検出光学系20と受光素子24の構成を示す。
焦点検出光学系20は、撮影光学系3による撮影画面の中央位置と、その左右の3つの焦点検出領域に対応する3つの再結像光学系を有している。すなわち、焦点検出光学系20は、開口部200a〜200cを有する視野マスク200と、開口部200a〜200cに対応した3つのコンデンサーレンズ201a〜201cと、上下を一対とする合計三対の絞り開口部202a1,202a2、202b1,202b2、202c1,202c2を有する絞りマスク202と、絞り開口部に対応して配置された三対の再結像レンズ203a1,203a2、203b1,203b2、203c1,203c2とを備えている。
【0044】
受光素子24は、上下を一対とする合計三対の受光部210,211、220,221、230,231を備え、図の左側の受光部210,211が第1センサー21を、中央の受光部220,221が第2センサー22を、右側の受光部230,231が第3センサー23を構成する。これら受光部は上述した図2に示すものと同様、受光量に応じた電荷を蓄積する画素を、対となる受光部の並び方向(図の上下方向)へ一直線に配列したものである。
撮影光学系3により光軸上の開口200bの近傍に形成された1次像は一対の2次像として受光部220,221上に、開口200aの近傍に形成された1次像は一対の2次像として受光部210,211上に、開口200cの近傍に形成された1次像は一対の2次像として受光部230,231上に再結像する。
【0045】
三対の絞り開口部202a1,202a2、202b1,202b2、202c1,202c2は、コンデンサーレンズ201a〜201cにより撮影光学系3の射出瞳近傍の面30の光軸に対して対称な一対の領域34,35に投影される。これらの領域34,35を通る光束は、視野マスク200付近でまず一次像を形成する。
視野マスク200の開口部200bに形成された一次像は更に、コンデンサーレンズ201b、一対の絞り開口部202b1,202b2を通り、一対の再結像レンズ203b1,203b2により受光素子24の受光部220、221上に一対の二次像として形成される。
視野マスク200の開口部200aに形成された一次像は更に、コンデンサーレンズ201a、一対の絞り開口部202a1,202a2を通り、一対の再結像レンズ203a1,203a2により受光素子24の受光部220、221上に一対の二次像として形成される。
視野マスク200の開口部200cに形成された一次像は更に、コンデンサーレンズ201c、一対の絞り開口部202c1,202c2を通り、一対の再結像レンズ203c1,203c2により受光素子24の受光部220、221上に一対の二次像として形成される。
三対の二次像の強度分布は受光部220,221、210,211、230,231で光電変換され、電気的な被写体像信号となる。
【0046】
図8に示すように、被写体移動判別手段13Aの判別結果は制御手段11Bに送られ、制御手段11Bは判別結果に応じて第1、第2、第3センサー21〜23の出力動作を制御する。すなわち、被写体が移動している場合は被写体像信号の転送時間、焦点検出演算時間を短縮するために移動中の被写体を捕捉しているセンサーのみを動作させ、被写体が静止している場合は全センサー21〜23を動作させる。
【0047】
焦点検出演算手段12Aは、受光素子24の全センサー21〜23から被写体信号が出力されたときには各センサ21〜23の出力に対応するデフォーカス量を個別に演算して被写体移動判別手段13Aへ出力し、いずれか一のセンサーから被写体信号が出力されたときはこれに対応するデフォーカス量のみを演算して出力する。
被写体移動判別手段13Aは第1実施例と同様に式(1)により被写体像面の移動速度v12を求めて被写体移動の有無を判別する。ただし、焦点検出演算手段12Aから3つの焦点検出領域のデフォーカス量が入力されたときは、各焦点検出領域での像面移動速度v12を演算し、最も移動速度が大きい焦点検出領域を主要被写体の検出位置と認定して当該領域の移動速度から被写体移動の有無を判別する。そして、被写体移動と判別したときは主要被写体の位置と認定した焦点検出領域のデフォーカス量および像面移動速度v12を式(2)に代入して補正デフォーカス量d2’を算出する。主要被写体の位置と認定した焦点検出領域に関する情報は制御手段11Bに出力されて既述のセンサー21〜23の選択に用いられる。
【0048】
図10は制御手段11A、焦点検出演算手段12A、被写体移動判別手段13A、駆動制御手段16を備えたマイコン14Bの動作フローチャートである。
ステップS300では、電源ONによりステップS301に進む。
ステップS301では、前回の被写体移動判別結果に応じて被写体が移動しているか否かを判別し、移動していない場合にはステップS302で全センサー21〜23を駆動対象に選択して電荷蓄積を行わせる。移動している場合には焦点検出演算時間を短縮するためにステップS303で移動被写体を捕捉しているセンサーのみを駆動対象に選択して電荷蓄積を行わせる。なお、電源ON直後およびデフォーカス量が1回しか検出されていない時点では、前回の被写体移動判別結果がないのでステップS301では無条件にステップS302に進むようにしておく。
【0049】
上述のように被写体が移動していると判別した場合に移動被写体を捕捉しているセンサーを選択して電荷蓄積を行わせる理由は、その後の焦点検出演算に使用するデータを少なくし、被写体像信号の転送時間、焦点検出演算時間を短縮し、最終的にはデフォーカス量算出時間間隔を短縮することにより、算出した像面移動速度が正しく像面の時間変化を反映するようにするためである。
一方、被写体が移動していないと判別した場合に全センサー21〜23の電荷蓄積を行わせる理由は、応答性の要求が低い場合には画面内の複数の位置で焦点検出を行い、その結果に基づいて最終結果を出すことにより、主要被写体を確実に捕捉するためである。すなわち、像面移動速度検出に高い応答性が要求される場合には応答性を重視して移動被写体を捕捉しているセンサーのみを動作させ、応答性が要求されない場合には主要被写体を確実に捕捉するために全センサーを動作させることになる。
【0050】
ステップS304では、全センサー21〜23または移動被写体を捕捉しているセンサーより被写体像データを読み込む。ステップS305では、被写体像データを処理してデフォーカス量を演算する。ステップS306では前回のデフォーカス量と算出時刻、今回のデフォーカス量と算出時刻、前回のデフォーカス量算出時刻から今回のデフォーカス量算出時刻までのレンズ駆動によって生ずる像面移動量とから、式(1)により像面移動速度を算出する。
ここで、既述のように全センサー21〜23で電荷蓄積が行われたときは、第1、第2、第3センサーのデータに対応する3つの像面移動速度が算出され、この中で一番大きな像面移動速度が後述する被写体移動の有無の判定情報に用いられる。また、像面移動速度が最大となったセンサーが移動被写体を捕捉しているセンサーであると認定する。
【0051】
ステップS307では、算出された像面移動速度の絶対値を所定値と比較し所定値以上の場合は被写体が移動していると判別し、所定値以下の場合は被写体が移動していないと判別する。ステップS308では被写体が移動している場合にはステップS309に進み、移動していない場合にはステップS310に進む。
ステップS309では式(2)に基づき所定時間後に移動被写体に合焦するように、今回のデフォーカス量を補正する。ステップS310では今回のデフォーカス量または補正デフォーカス量に応じて撮影光学系3を合焦させるために駆動すべきレンズ駆動量を演算する。なお電源ON直後は、前回のデフォーカス量がないのでステップS305からステップS306、ステップS307、ステップS308、ステップS309をスキップしてステップS310に無条件に進むようにしておく。ステップS311ではモーター15を駆動して、算出されたレンズ駆動量だけ撮影光学系3を移動させる。この後はステップS301に戻り、上述の動作を繰り返す。
【0052】
以上の処理によれば、被写体が移動していると判断されると移動被写体を捕捉するセンサーのみが駆動され、その出力に基づいてデフォーカス量や補正量の演算が行なわれるので、予測駆動中の演算処理に要する時間を短くして焦点調節量の演算周期を短縮し、予測駆動の応答性を大きく改善できる。被写体が移動していないときは全センサー21〜23の出力に基づいて主要被写体が特定されて焦点調節がなされるので、高い焦点検出精度が得られる。
【0053】
上記実施例では被写体が移動している場合に3つのセンサー21〜23から移動被写体を捕捉しているセンサーのみを選択したが、画面中央の焦点検出に使用される第2センサー22のみで被写体移動を判別し、被写体が移動している場合には第2センサー22のみを作動させ、被写体が静止したときに全センサー21〜23を動作させてもよい。
【0054】
上記実施例では被写体が移動している場合に3つのセンサー21〜23から移動被写体を捕捉しているセンサーを選択するようにしたが、十字型の焦点検出領域に対応した2つのセンサーで焦点検出を行う場合には、被写体が移動している場合にどちらか一方のセンサーのみを動作させるようにしてもよい。
【0055】
図11は、十字型の焦点検出領域で焦点検出を行う場合の焦点検出光学系40と受光素子41の構成を示す。
焦点検出光学系40は十字型の開口部400aを有する視野マスク400と、コンデンサーレンズ401と、上下左右をそれぞれ対とする絞り開口部402h1,402h2、402v1,402v2を有する絞りマスク402と、これらの絞り開口部に対応する再結像レンズ403h1,403h2、403v1,403v2とを備えている。受光素子41は左右方向に並ぶ一対の受光部420,421と、上下方向に並ぶ一対の受光部430,431を備え、受光部420,421が第1センサー42を、受光部430,431が第2センサー43を構成する。撮影光学系3により光軸上の開口部の近傍に形成された1次像は受光部上にそれぞれ二対の2次像として再結像する。
【0056】
左右方向へ並ぶ一対の絞り開口部402h1,402h2はコンデンサーレンズ401により図11のごとく撮影光学系3の射出瞳近傍の面30の光軸に対して対称な一対の領域31,32に投影され、残る一対の絞り開口部402v1,402v2はコンデンサーレンズ401により撮影光学系3の射出瞳近傍の面30の光軸に対して対称な一対の領域34,35に投影される。
これら領域を通る光束は、視野マスク400の付近でまず一次像を形成する。視野マスク400の開口部400aに形成された一次像は更に、コンデンサーレンズ401、絞り開口部402h1,402h2、402v1,402v2を通り、再結像レンズ403h1,403h2、403v1,403v2により受光素子41の受光部420,421、430,431上に上下および左右をそれぞれ一対とする合計二対の二次像として形成される。二次像の強度分布は受光部420,421、430,431で光電変換され、電気的な被写体像信号となる。
【0057】
図11の例でも、被写体が移動するときには、移動被写体を捕捉する第1センサー42または第2センサー43を駆動させ、被写体が移動していないときには第1センサー42および第2センサー43の双方を駆動させて図8〜図10の第3実施例と同様の効果を得ることができる。
【0058】
上記実施例では被写体が移動している場合に複数のセンサーから移動被写体を捕捉しているセンサーを選択したが、被写体が移動している場合に予め定められた特定のセンサー(例えば画面中央の焦点検出を行うセンサー)のみを動作させてもよい。複数のセンサーの中で蓄積時間が相対的に短いセンサー即ち高輝度な被写体を検出しているセンサーを選択的に動作させてもよい。この場合、被写体までの距離が小さくて複数の検出領域のすべてに移動被写体が捕えられていれば、電荷蓄積時間が短縮されて予測駆動の応答性が向上する。
実施例では被写体輝度に関係なくセンサーの選択を行なったが、高輝度側での予測駆動の応答性が問題とならず、低輝度側での電荷蓄積時間の増加による予測駆動の応答性の低下が問題となるときは、低輝度時のみセンサーの選択を行なって、電荷蓄積時間の増加を演算処理時間の短縮で相殺してもよい。
単一のセンサーで焦点検出を行う場合でも、焦点検出演算時間を短縮するために、被写体が移動している場合には焦点検出領域を縮小して応答性を向上させてもよい。
【0059】
上述した図4,7,10の処理では、被写体移動と判別した場合にデフォーカス量を式(2)で補正してからレンズ駆動量を演算したが、今回のデフォーカス量に基づいて先にレンズ駆動量を演算した後、その演算値を被写体像の移動速度に応じて補正してもよく、要は被写体が移動しているときに撮影光学系の焦点位置の調節量が補正されるものであれば演算の手順を問わない。
【0060】
以上の実施例と請求項との対応において、撮影光学系3が撮影光学系を、焦点検出光学系20が請求項1〜6の焦点検出光学系を、受光素子24が請求項1〜3の受光手段を、焦点検出演算手段12Aが請求項1〜4の焦点検出演算手段を、被写体移動判別手段13Aが請求項1〜4の被写体移動判別手段を、第1センサー21,第2センサー22,第3センサー23が請求項1〜3の複数のセンサーを、被写体移動判別手段13Aおよび制御手段11Bが焦点検出領域選択手段を構成する。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は次のような効果を奏する。
(1)請求項1や4に係る発明によれば、低輝度移動被写体撮影時には、一般に暗い背景光を捕捉しやすい軸外(撮影画面周辺)の焦点検出領域での蓄積電荷を用いずに、撮影画面中央の焦点検出領域での蓄積電荷による焦点検出結果を用いるので、無駄な電荷蓄積時間を避けることができる。その結果、レスポンスの高い追尾駆動を行うことができる。
(2)請求項2や5に係る発明によれば、低輝度移動被写体撮影時には、電荷蓄積時間がもっとも短い焦点検出領域で電荷蓄積を行うようにしたので、無駄な電荷蓄積時間を避けることができる。その結果、レスポンスの高い追尾駆動を行うことができる。
(3)請求項3や6に係る発明によれば、像面移動速度や焦点調節状態変化速度を算出した焦点検出領域での蓄積電荷のみで焦点調節を行うようにしたので、レスポンスの高い焦点検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のブロック図である。
【図2】第1実施例の焦点検出光学系の構成を示す斜視図である。
【図3】第1実施例の受光素子の平面図である。
【図4】第1実施例の動作フローチャートである。
【図5】第1実施例の変形例を示す図で、(a)は変形部分のブロック図、(b)は焦点検出光学系の物体空間側への受光素子の投影像を示す図。
【図6】本発明の第2実施例のブロック図である。
【図7】第2実施例の動作フローチャートである。
【図8】本発明の第3実施例のブロック図である。
【図9】第3実施例の焦点検出光学系の構成を示す斜視図である。
【図10】第3実施例の動作フローチャートである。
【図11】第3実施例の焦点検出光学系の変形例を示す斜視図である。
【図12】予測駆動の基本原理の説明図である。
【符号の説明】
1 ボディ
2 レンズ
3 撮影光学系
4 メインミラー
5 サブミラー
6 ファインダー
7,20 焦点検出光学系
7A 第1の焦点検出光学系
7B 第2の焦点検出光学系
8,8A,24 受光素子
9 第1のセンサー
10 第2のセンサー
11,11A,11B 制御手段
12,12A 焦点検出演算手段
13,13A 被写体移動判別手段
14,14A,14B マイコン
15 モーター
16 駆動制御手段
17 増幅手段
21 第1センサー
22 第2センサー
23 第3センサー

Claims (6)

  1. 予定焦点面上に被写体像を形成するための撮影光学系と、
    前記撮影光学系による撮影画面内の中央および周辺に設定された複数の焦点検出領域での焦点状態を検出するための焦点検出光学系と、
    前記焦点検出光学系により形成された複数の被写体像を前記焦点検出領域毎に分けて受光する複数の電荷蓄積型センサーを備えた受光手段と、
    前記複数の電荷蓄積時間を各焦点検出領域における被写体像の輝度に応じて制御する電荷蓄積時間制御手段と、
    前記受光手段の出力に基づいて前記複数の焦点検出領域における前記撮影光学系による像面の予定焦点面に対するデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段と、
    前記焦点検出演算手段が前記複数の焦点検出領域ごとに時系列的に算出した複数のデフォーカス量に基づいて前記複数の焦点検出領域ごとの像面移動速度を演算する像面移動速度演算手段と、
    前記像面移動速度演算手段が前記焦点検出領域ごとに算出した複数の像面移動速度の中から1つの像面移動速度を選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された像面移動速度に基づいて前記被写体が移動しているか否かを判別する被写体移動判別手段と、
    前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していないと判別した場合は、前記デフォーカス量に基づいて前記撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、前記被写体が移動していると判別した場合は、前記選択された像面移動速度に基づき前記被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように前記撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する焦点制御手段と、
    前記被写体像の輝度が所定値以下でかつ前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していると判別した場合は、前記受光手段が備える前記複数の電荷蓄積型センサーのうち前記撮影画面内の中央に設定された焦点検出領域に対応する電荷蓄積型センサーの出力のみを当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段とを備えることを特徴とする自動焦点調節カメラ。
  2. 予定焦点面上に被写体像を形成するための撮影光学系と、
    前記撮影光学系による撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域での焦点状態を検出するための焦点検出光学系と、
    前記焦点検出光学系により形成された複数の被写体像を前記焦点検出領域毎に分けて受光する複数の電荷蓄積型センサーを備えた受光手段と、
    前記複数の電荷蓄積時間を各焦点検出領域における被写体像の輝度に応じて制御する電荷蓄積時間制御手段と、
    前記受光手段の出力に基づいて前記複数の焦点検出領域における前記撮影光学系の像面の前記予定焦点面に対するデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段と、
    前記焦点検出演算手段が前記複数の焦点検出領域ごとに時系列的に算出した複数のデフォーカス量に基づいて前記複数の焦点検出領域ごとの像面移動速度を演算する像面移動速度演算手段と、
    前記像面移動速度演算手段が前記焦点検出領域ごとに算出した複数の像面移動速度の中から1つの像面移動速度を選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された像面移動速度に基づいて前記被写体が移動しているか否かを判別する被写体移動判別手段と、
    前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していないと判別した場合は、前記デフォーカス量に基づいて前記撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、前記被写体が移動していると判別した場合は、前記像面移動速度に基づき前記被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように前記撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する焦点制御手段と、
    前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していると判別した場合は、前記受光手段が備える前記複数の電荷蓄積型センサーのうち、前記電荷蓄積時間制御手段により制御された電荷蓄積時間が相対的に短い電荷蓄積型センサーの出力のみを当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段とを備えることを特徴とする自動焦点調節カメラ。
  3. 予定焦点面上に被写体像を形成するための撮影光学系と、
    前記撮影光学系による撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域での焦点状態を検出するための焦点検出光学系と、
    前記焦点検出光学系により形成された複数の被写体像を前記焦点検出領域毎に分けて受光する複数の電荷蓄積型センサーを備えた受光手段と、
    前記受光手段の出力に基づいて前記複数の焦点検出領域における前記撮影光学系の像面の前記予定焦点面に対するデフォーカス量を演算する焦点検出演算手段と、
    前記焦点検出演算手段が前記複数の焦点検出領域ごとに時系列的に算出した複数のデフォーカス量に基づいて前記複数の焦点検出領域ごとの像面移動速度を演算する像面移動速度演算手段と、
    前記像面移動速度演算手段が前記焦点検出領域ごとに算出した複数の像面移動速度の中から1つの像面移動速度を選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された像面移動速度に基づいて前記被写体が移動しているか否かを判別する被写体移動判別手段と、
    前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していないと判別した場合は、前記デフォーカス量に基づいて前記撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、前記被写体が移動していると判別した場合は、前記像面移動速度に基づき前記被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように前記撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する焦点制御手段と、
    前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していると判別した場合は、前記受光手段が備える前記複数の電荷蓄積型センサーのうち、前記選択手段により選択された像面移動速度を算出した焦点検出領域に対応する電荷蓄積型センサーの出力のみを当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段とを備え、
    前記被写体移動判別手段は、前記被写体が移動していると判別した場合、そのとき前記焦点検出領域選択手段により選択されている焦点検出領域をその後の被写体移動の判別に継続して使用し、その焦点検出領域において算出された像面移動速度に基づいて前記被写体が移動しているか否かを判別することを特徴とする自動焦点調節カメラ。
  4. 予定焦点面上に被写体像を形成するための撮影光学系と、
    前記撮影光学系による撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域にそれぞれ結像する被写体像に応じた電気信号を出力する電荷蓄積型センサーを備えた受光手段と、
    前記各焦点検出領域における被写体像の輝度に応じて各焦点検出領域ごとに電荷蓄積時間を制御する電荷蓄積時間制御手段と、
    前記受光手段の出力に基づいて前記複数の焦点検出領域に結像する被写体像の焦点調節状態を演算する焦点検出演算手段と、
    前記焦点検出演算手段が前記複数の焦点検出領域ごとに時系列的に算出した複数の焦点調節状態それぞれの変化速度を演算する変化速度演算手段と、
    前記変化速度演算手段が前記焦点検出領域ごとに算出した複数の焦点調節状態の変化速度の中から1つの変化速度を選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された変化速度に基づいて前記被写体が移動しているか否かを判別する被写体移動判別手段と、
    前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していないと判別した場合は、前記焦点調節状態に基づいて前記撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、前記被写体が移動していると判別した場合は、前記変化速度に基づき前記被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように前記撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する焦点制御手段と、
    前記被写体像の輝度が所定値以下でかつ前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していると判別した場合は、前記撮影画面内の中央に設定された焦点検出領域に対応する蓄積電荷を当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段とを備えることを特徴とする自動焦点調節カメラ。
  5. 予定焦点面上に被写体像を形成するための撮影光学系と、
    前記撮影光学系による撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域にそれぞれ結像する被写体像に応じた電気信号を出力する電荷蓄積型センサーを備えた受光手段と、
    前記各焦点検出領域における被写体像の輝度に応じて電荷蓄積時間を制御する電荷蓄積時間制御手段と、
    前記受光手段の出力に基づいて前記複数の焦点検出領域に結像する被写体像の焦点調節状態を演算する焦点検出演算手段と、
    前記焦点検出演算手段が前記複数の焦点検出領域ごとに時系列的に算出した複数の焦点調節状態それぞれの変化速度を演算する変化速度演算手段と、
    前記変化速度演算手段が前記焦点検出領域ごとに算出した複数の焦点調節状態の変化速度の中から1つの変化速度を選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された変化速度に基づいて前記被写体が移動しているか否かを判別する被写体移動判別手段と、
    前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していないと判別した場合は、前記焦点調節状態に基づいて前記撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、前記被写体が移動していると判別した場合は、前記変化速度に基づき前記被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように前記撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する焦点制御手段と、
    前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していると判別した場合は、前記電荷蓄積時間制御手段により制御された電荷蓄積時間が相対的に短い焦点検出領域の蓄積電荷を当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段とを備えることを特徴とする自動焦点調節カメラ。
  6. 予定焦点面上に被写体像を形成するための撮影光学系と、
    前記撮影光学系による撮影画面内に設定された複数の焦点検出領域にそれぞれ結像する被写体像に応じた電気信号を出力する電荷蓄積型センサーを備えた受光手段と、
    前記受光手段の出力に基づいて前記複数の焦点検出領域に結像する被写体像の焦点調節状態を演算する焦点検出演算手段と、
    前記焦点検出演算手段が前記複数の焦点検出領域ごとに時系列的に算出した複数の焦点調節状態それぞれの変化速度を演算する変化速度演算手段と、
    前記変化速度演算手段が前記焦点検出領域ごとに算出した複数の焦点調節状態の変化速度の中から1つの変化速度を選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された変化速度に基づいて前記被写体が移動しているか否かを判別する被写体移動判別手段と、
    前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していないと判別した場合は、前記焦点調節状態に基づいて前記撮影光学系の焦点位置を調節するとともに、前記被写体が移動していると判別した場合は、前記変化速度に基づき前記被写体移動に伴うピント誤差を減少させるように前記撮影光学系の焦点位置の調節量を補正する焦点制御手段と、
    前記被写体移動判別手段により前記被写体が移動していると判別した場合は、前記複数の焦点検出領域のうち、前記選択手段により選択された変化速度を算出した焦点検出領域に対応する蓄積電荷のみを当該受光手段の出力として選択する焦点検出領域選択手段とを備え、
    前記被写体移動判別手段は、前記被写体が移動していると判別した場合、そのとき前記焦点検出領域選択手段により選択されている焦点検出領域をその後の被写体移動の判別に継続して使用し、その焦点検出領域において算出された焦点調節状態の変化速度に基づいて前記被写体が移動しているか否かを判別することを特徴とする自動焦点調節カメラ。
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