JP3571736B2 - ホログラム走査光学系 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、レーザプリンタ等に用いられるホログラム走査光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタの光走査光学系においては、回転多面鏡でレーザ光を光偏向し、走査レンズで被走査面である感光ドラム上を微小な光スポットで光走査させるように構成する。回転多面鏡は一定角速度で回転するので、回転多面鏡を反射する光線も一定角速度で偏向されることになる。この光学系において、通常、走査レンズとしてFθレンズが用いられる。Fθレンズは一定角速度で偏向されたレーザ光を、被走査面状に微小スポットで等速走査するように構成されるものである。Fθレンズの設計については1981年発行の「光学」誌第10巻第348〜355頁掲載の論文「レーザ走査用レンズの設計」がある。Fθレンズは通常、2枚以上のガラス材料からなるレンズの組合せで構成されている。更に、近年、高精度で印刷する必要からレンズの曲面を非球面化することも広く行われてきている。しかし、このようなレンズは、価格が高くなる欠点がある。
【0003】
一方、最近ホログラム素子を用いたレンズが提案されている。例えば、1990年発行の「第37回応用物理学関係連合講演会講演予稿集」第3分冊第782頁掲載の論文「計算機ホログラムによるFθレンズ」がある。しかし、ホログラム素子は、光源として用いる半導体レーザの波長変動により、ホログラム素子から出射する回折光の回折角が変化する問題が生じる。上述した論文のFθレンズでは、副走査方向の光束の絞り込みに関しては、ホログラム素子と組み合わせて用いられている円筒レンズが主として寄与している。従って、副走査方向ではホログラム素子の空間周波数が全面で小さく、光源の波長変動による被走査面での走査位置ずれは小さく抑えられる。一方、上述した円筒レンズは主走査方向に絞り機能を持たないため、ホログラム素子の空間周波数は大きくなり、半導体レーザの波長変動による走査位置ずれが大きく生じてしまう。この大きさは波長変化1nm当り50〜80μm程度と大きい。半導体レーザの発振波長はモードホッピングにより数nm変化することがあるので、走査線に印字抜けが生じることになる。
【0004】
また、特開平4−172314号公報に示すFθレンズでは、この印字抜けを防ぐために、上述の円筒レンズの代わりに、平凸レンズを軸はずしホログラム素子と組み合わせて用いている。この方法では、光の被走査面への絞り込みが主に平凸レンズで行われることになるので、主走査方向及び副走査方向ともホログラムの空間周波数を低減させることができ、半導体レーザの波長変動に影響されにくいものとなっている。図3でこの従来例を説明する。この図は回転多面鏡より後の光学系部を横から見た図を示している。回転多面鏡2から反射した光3はホログラム素子4と一体化された平凸レンズ5からなるFθレンズに入射する。ホログラム素子4は軸はずしで形成されているために、ホログラムによる非回折光10はストップ11で遮られるが、一方、回折光6はストップ11で遮られることなく被走査面7に結像させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した平凸レンズと軸はずしホログラム素子とを組み合わせたFθレンズにおいては、回転多面鏡2を構成する複数の反射面の回転軸8からの平行度誤差、あるいは回転軸8の回転中における歳差運動等が生じると回転多面鏡2で反射された偏向光3が3’に示すように副走査方向に変動し、被走査面7に走査面ピッチむらのある印刷となる欠点がある。ホログラム素子4でこの誤差補正機能を持たせることは困難である。即ち、図3に示したA部では誤差のない偏向光3と偏向誤差が生じた偏向光3’の両方を被走査面7の同一位置に結像させることが必要となり、これは理論上困難であるからである。
【0006】
本発明の目的は、上記問題を解消して、半導体レーザの波長変動があっても走査位置ずれが実用上小さく、かつ回転多面鏡反射面の面倒れと称される傾き変動があっても影響されないホログラム走査光学系を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、レーザ光を発する光源として半導体レーザを用い、球面凸レンズ及びホログラム素子を有するFθレンズ系に副走査方向に発散したレーザ光を入射させ、且つ前記ホログラム素子から出射する非回折光と回折光との光軸が、副走査方向において軸はずしせずに出力されるホログラム走査光学系であって、被走査面の直前に光走査領域前面に主走査方向に長いスリットを配置することで達成される。
【0008】
【作用】
上記の構成によれば、ホログラム素子から出射された非回折光と回折光のうち、非回折光は副走査方向に発散し、回折光はスリットを通過して被走査面に結像される。この際、非回折光の一部もスリットを通過するが、被走査面での単位面積当りの光強度は小さいため無視できる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は(a)、(b)及び(c)に本発明のFθレンズを用いた実施例の斜視図、側面図、平面図を示す。半導体レーザ15から出射したレーザ光は、第1レンズ系を構成するカップリングレンズ16及び円筒レンズ17に入射する。レーザ光は、カップリングレンズ16で平行光に変換され、円筒レンズ17に入射する。円筒レンズ17を出射したレーザ光1は、偏向手段である回転多面鏡2の反射面付近で副走査方向に一度、絞り込まれる。主走査方向には平行光となっている。回転多面鏡2によって偏向されたレーザ光3はホログラム素子12及び第2レンズ系を構成する凸レンズ13を通過する。この光学系ではホログラム素子12の非回折光18は副走査方向に広がった光18となる。というのは凸レンズ13は概略平行光が入射したとき、被走査面7に絞り込む機能を持っているためである。非回折光18がこのように広がった光であるため、図3に示した従来のホログラム素子4のように少しの軸はずしで非回折光18と回折光19を被走査面7近傍で分離することは難しくなる。
【0010】
従って、本発明では広がった非回折光18は被走査面7上での単位面積当りの光強度は小さく被走査面7、即ち感光ドラムの感度から見て無視できることに着目し、被走査面7近傍に、主走査方向に長いスリット14を配置し回折光19を通過させるようにする。非回折光18の一部もスリット14を通過するが、上述したように単位面積当りの光強度は小さいため無視できる。この光学系では、基本的にはホログラム素子12を軸はずしする必要がなく、軸はずしをすることによる被走査面7上での走査線の曲がり等の悪影響を除くことができる。更に、図1(b)のB部で示す20は反射面の方向を示しており、20’のように面倒れが生じても、回転多面鏡2上において副走査方向に光が絞られているため、物点は像点として結像する光学系の原理で、回転多面鏡2に面倒れが生じても被走査面7上で光走査線位置がずれることはない。
【0011】
図1(b)、(c)から明らかなようにホログラム素子12は、主走査方向及び副走査方向に対しては異なる曲率を持った位相分布を付与されている。本発明の図1においてホログラム素子12と凸レンズ13は離れて配置されていたが、凸レンズ13を平凸形状とし、平面部にホログラムを形成させても良い。また、本発明の図1においてホログラム素子12は軸はずしの行っていない例を示したが、副走査方向に広がっている非回折光18の光強度は一般に中央部で大きいので、光学特性に影響しない範囲で軸はずしを行い、回折光19が非回折光18の中央部にくるのを避け、スリット14を通過する非回折光18の光強度を更に小さくすることも可能である。
【0012】
図2は感光ドラム7上で非回折光18が回折光19と重ならないようにするために、ホログラム素子22に軸はずし機能を持たせた場合を示している。この場合にはホログラム素子22のy方向の空間周波数は図1に比べ、高い成分を含むようになり、レーザ光の波長変動に敏感になる。しかし、影響のない程度に軸はずし量を制限すれば、スリットを用いる必要はなく遮蔽板21で非回折光18のみを遮断できる。この光学系が回転多面鏡の面倒れに影響されない機能を持っていることは図1で説明した通りである。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体レーザの波長変動があっても、走査位置ずれが小さく、かつ回転多面鏡の反射面傾き変動が生じても影響の小さいホログラム走査光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す模式図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す模式図である。
【図3】従来例を示す模式図である。
【符号の説明】
2 回転多面鏡
7 被走査面
12 , 22 ホログラム素子
13 球面凸レンズ
14 スリット
15 半導体レーザ
16 カップリングレンズ
17 円筒レンズ
18 非回折光
19 回折光
21 遮蔽板
Claims (2)
- レーザ光を発する光源として半導体レーザを用い、球面凸レンズ及びホログラム素子を有するFθレンズ系に副走査方向に発散したレーザ光を入射させ、且つ前記ホログラム素子から出射する非回折光と回折光との光軸が、副走査方向において軸はずしせずに出力されるホログラム走査光学系であって、被走査面の直前に光走査領域前面に主走査方向に長いスリットを配置したことを特徴とするホログラム走査光学系。
- レーザ光を発する光源として半導体レーザを用い、
前記半導体レーザから発せられたレーザ光を副走査方向に絞り込んで偏向手段の反射面に入射させる第1レンズ系と、
前記偏向手段によって偏向されたレーザ光から非回折光と回折光とを得るとともに、前記非回折光の光軸と前記回折光の光軸とを軸はずしせずに出射させるホログラム素子と、
前記ホログラム素子から出射した前記非回折光および前記回折光を通過させるとともに、前記回折光を絞り込んで被走査面に照射させる第2レンズ系と、
前記第2レンズ系から出射した前記回折光を前記被走査面側へ通過させ、前記非回折光を前記被走査面へ一部通過させるスリットと
を備えたことを特徴とするホログラム走査光学系。
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