JP3571441B2 - 廃棄物処理装置 - Google Patents

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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業廃棄物を加熱して熱分解ガスと熱分解残渣とを生成するとともに、熱分解残渣から分離された燃焼性成分と前記熱分解ガスを燃焼溶融炉で燃焼するようにした廃棄物処理装置に係り、特に燃焼溶融炉で発生する飛灰をスラグ化する際の効率向上を図った廃棄物処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみなどの一般廃棄物や廃プラスチックなど可燃物を含む産業廃棄物の処理装置に関する従来例としては、例えば旧西ドイツ特許公開 No.375704.8、旧西ドイツ特許公開 No.3811820.3および特開昭64−49816号公報を挙げることができる。これらの従来例では、廃棄物を熱分解反応器に入れて低酸素状態において加熱して熱分解し、熱分解ガスと主として不揮発性成分からなる熱分解残渣とを生成し、さらに熱分解残渣を分離装置に導き、この分離装置において、燃焼性成分と不燃焼性成分(例えば、金属・陶器など)とに分離している。そして、燃焼性成分と熱分解ガスを燃焼溶融炉に導入して当該燃焼溶融炉内で燃焼処理するようにしている。
【0003】
このような廃棄物処理装置においては、燃焼溶融炉内での燃焼に伴って飛灰が発生する。そこで、例えば特開昭64−49816号公報に記載されているように、飛灰を燃焼溶融炉後流側にある集塵機などで捕らえ、その捕らえた飛灰を燃焼溶融炉内に再投入してスラグ化することが知られている。そして一般に、飛灰は重金属(Pb,Cd,Zn,Sn,As,Hg等)を含んでいるので、スラグ化する際には、飛灰を800℃程度で予熱し前記重金属を取り除く手法も知られている。
【0004】
また、上記廃棄物処理装置においては、分離装置で分離された不燃焼性成分のうち、陶器や石などの瓦礫類は溶融温度が高いために燃焼溶融炉に投入してもスラグ化されにくく、通常は、埋立て地などにそのまま捨てられ処分されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開昭64−49816号公報に記載の従来の廃棄物処理装置では、集塵機などで捕らえた飛灰の燃焼溶融炉への搬送手段については明確な記載はない。一般によく用いられる方法として、そうした飛灰は空気の流れを利用して燃焼溶融炉まで搬送し、その空気の流れに乗った飛灰をそのまま燃焼溶融炉内に投入している。しかしながら、飛灰は粒径が非常に細かいために、投入された飛灰は燃焼溶融炉内を浮遊するだけで容易には炉内壁に捕集されず、再度、排ガスと共に燃焼溶融炉外へ排出されてしまい、なかなかスラグ化されないという問題がある。
【0006】
また、上記重金属を取り除くために飛灰を加熱する場合、従来は、燃焼溶融炉に投入する以前に、すなわち、燃焼溶融炉の外部で飛灰を加熱している。このために、外部加熱装置を別個設けなければならず、システム全体が大型化かつ複雑化するとともに、コストも余計にかかるという問題もある。
【0007】
さらに、従来の廃棄物処理装置では、陶器や石などの瓦礫類をそのまま埋立て地まで運ばなければならず、瓦礫が大量にある場合は、その搬送のためのトラックも多数準備する必要があって非常に煩わしい。また、現在、最終埋立て処分場の立地余裕が年々厳しくなっていることを考えると、瓦礫さえもできる限り再製品化し再利用する方策を考える必要があろう。
【0008】
本発明の目的は、飛灰や瓦礫を効率良く且つ低コストで再製品化再利用が可能なスラグにすることができる廃棄物処理装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、廃棄物を加熱して熱分解し、熱分解ガスと主として不揮発性成分から成る熱分解残渣とを生成する熱分解反応器と、熱分解ガスと熱分解残渣とを分離して排出する排出装置と、排出装置から排出される熱分解残渣を燃焼性成分と不燃焼性成分とに分離する分離装置と、排出装置からの熱分解ガスと分離装置からの燃焼性成分を取り込んで、熱分解ガスと燃焼性成分を燃焼させスラグ化する燃焼溶融炉とを備えた廃棄物処理装置において、前記燃焼溶融炉内に設けられ、前記燃焼溶融炉からの排ガス中に含まれる飛灰を取り込んで一時貯留するとともに、その貯留した飛灰を燃焼溶融炉内の燃焼熱を利用して加熱し溶融させる貯留室と、前記飛灰を燃焼溶融炉後流側で捕らえて前記貯留室に搬送する搬送手段と、前記溶融した飛灰を前記貯留室から押し出して燃焼溶融炉内壁面を流下させる押し出し手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、燃焼溶融炉後流側の例えば集塵機で捕らえられた飛灰は、搬送手段によって燃焼溶融炉まで搬送されてくる。搬送手段としては空気を用いることが多い。すなわち、集塵機と燃焼溶融炉とを結ぶ飛灰搬送路内に空気を流し、その空気の流れに飛灰を乗せて搬送する。また、バケットコンベア、ベルトコンベア、振動コンベア等の各種コンベアや、コンテナ輸送等の手段で飛灰を送る場合もある。これらの搬送手段の別は本発明を限定するものではない。以下、コンベア輸送の場合について説明する。
【0011】
燃焼溶融炉まで搬送されてきた飛灰は貯留室に流入し、ここに一時貯留される。貯留室は燃焼溶融炉内の上部に設けられており、燃焼溶融炉内での燃焼による輻射熱が直接作用しており、低融点の塩化物等を多く含むために、貯留室に貯留された飛灰は容易に溶融する。そして溶融した飛灰は、押し出し手段によって貯留室から押し出され、燃焼溶融炉の内壁面を流下する。
【0012】
また、上記のように溶融した飛灰の滞留時間を長くすることによって、溶融した飛灰は炉内温度約1200℃の高温雰囲気に長時間(好ましくは30分以上)晒されることになり、「濡れ壁塔」的に薄膜状で流下する。そのために、溶融した飛灰中に含まれていた重金属化合物(Pb,Cd,Zn,Sn,As,Hg等)が揮散されやすくなって、溶融した飛灰が燃焼溶融炉下部のスラグ排出口から水槽内に滴下するときの溶融スラグは、上記の重金属をあまり含まないものとなる。
【0013】
溶融した飛灰が燃焼溶融炉内壁面を流下する際の時間、すなわち燃焼溶融炉内壁面上での溶融した飛灰の滞留時間は長い方が重金属化合物の揮発をより進める上では好ましい。そのために、本発明では、貯留室の位置を燃焼溶融炉下部のスラグ排出口より5m以上上方に配置して、燃焼溶融炉内壁面での飛灰の滞留時間が長くなるようにしている。また、燃焼溶融炉内壁面に突条または溝を螺旋状に形成すると、溶融した飛灰が螺旋状の突条または溝に沿って流れるようになるため、溶融した飛灰の流下速度も遅くなって、滞留時間を更に長くすることができる。
【0014】
また、搬送手段と貯留室との間には1つないし2つの開閉扉が設けられ、搬送手段で搬送されてきた飛灰は、貯留室に面した開閉扉が開けられたときのみ貯留室に搬入されるようになっている。特に、開閉扉が2つ設けられている場合は、次にようにして飛灰を貯留室へ導入する。まず貯留室に面した内側の扉を閉め、外側の扉を開けて飛灰を両方の扉の間に一時貯める。次に外側の扉を閉め、内側の扉を開けて、一時貯めておいた飛灰を貯留室の中へ入れるのである。こうした開閉扉としては、ゲート(引き戸様)、ダンパ(開き戸様)、ロータリーバルブ等のいずれかの形態を用いてもよい。
【0015】
このように構成すれば、集塵機と燃焼溶融炉とを結ぶ飛灰搬送路内と、燃焼溶融炉の内部との圧力差による、飛灰の燃焼溶融炉への急激な流れ込みを防止でき、飛灰を貯留室に確実に貯留させることができる。すなわち、燃焼溶融炉内は燃焼溶融炉後段の煙道下流に通常設けられる誘因送風機によって負圧状態となっているので、飛灰搬送路を搬送されてきた飛灰は燃焼溶融炉へ急激に流れ込み再飛灰化しやすいが、開閉扉を設けておけば、既に貯留室に貯留されている飛灰との相互作用により、搬送手段と貯留室とが完全に連通してしまうことが回避され、その結果、飛灰の燃焼溶融炉への急激な流れ込みを防止でき、飛灰を貯留室に確実に貯留させることが可能となる。特に、開閉扉を2つ設けた場合は、より確実に外界からの流れ込みを防止できる。
【0016】
さらに、貯留室は、燃焼溶融炉の内壁面より外側に張出して設けられている。このように構成すると、燃焼溶融炉内の燃焼により生じる気流が貯留室内には流れ込まなくなるので、貯留室に貯留された飛灰が気流によって吹き飛ばされることがなく、この点においても、飛灰を貯留室に確実に貯留させることを可能としている。
【0017】
なお、押し出し手段としては、スクリュフィーダまたはプッシャ等がある。前者はスクリュを外筒中で回転させることにより、スクリュで対象を搬送する手段であり、後者は外筒内を前後移動するピストンによって対象を搬送する手段である。これらを本発明の貯留室に設けた場合、前記開閉扉から導入された飛灰がこれら押し出し手段によって貯留室内に押し込まれ、それ以前にすでに貯留室にあり燃焼溶融炉からの輻射熱で溶融されている飛灰を、新たに押し込まれた飛灰が押し出すことによって、貯留室への搬入と貯留室から燃焼溶融炉への導入が継続される。
【0018】
なお、これら押し出し手段を用いる場合は、前記開閉扉は省略できるか、または1つだけ設けることで十分な気流の流れ込み防止ができる。すなわち、スクリュフィーダの場合は、スクリュの回転による飛灰の搬入に伴い、その先端部(貯留室側)に飛灰の圧密部が生じ、これが外界からの気流の流れ込みを防止する扉の役割を果たす。またプッシャの場合は、やはりプッシャにて押し込まれた飛灰が圧密部を形成すると同時に、プッシャ自体も開閉扉の役割を持つ構造とすることが可能である。これらの作用については、後に実施の形態によって改めて説明する。
【0019】
また、もう一つの本発明は、上記構成の廃棄物処理装置において、瓦礫類を粉砕する粉砕手段と、燃焼溶融炉内に設けられ、燃焼溶融炉からの排ガス中に含まれる飛灰および前記粉砕手段で粉砕された瓦礫をそれぞれ取り込んで一時貯留するとともに、その貯留した飛灰および粉砕された瓦礫を燃焼溶融炉内の燃焼熱を利用して加熱し溶融する貯留室と、前記飛灰を燃焼溶融炉後流側で捕らえて前記貯留室に搬送する搬送手段と、前記粉砕された瓦礫類を前記貯留室に搬送する搬送手段と、前記溶融した飛灰および前記溶融した瓦礫を前記貯留室から押し出して燃焼溶融炉内壁面を流下させる押し出し手段と、を備えたことを特徴としている。
【0020】
ここで「瓦礫類」とは、本発明の廃棄物処理装置における被処理廃棄物の熱分解残渣が分離装置にて分別された後に得られる不燃焼性成分中の瓦礫類と、これとは別に系外から本発明の廃棄物処理装置に搬入される瓦礫類のいずれか、または両方のことである。
【0021】
上記構成のように、瓦礫類を粉砕する粉砕手段を設け、その粉砕手段で粉砕した瓦礫を飛灰と共に貯留室に取り込むことにより、瓦礫も溶融させてスラグ化することが可能となる。これは、通常高融点を有し、溶融されにくい瓦礫類が、低融点の飛灰と混合されて、より低い温度で共融されるという効果を利用している。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の廃棄物処理装置の概略構成を示している。図において、1は、都市ごみ等の可燃物を含有する廃棄物aを、熱分解反応器2内に供給するための廃棄物供給装置である。通常、熱分解反応器2としては横型回転式ドラムが用いられ、図示しないシール機構によりその内部は低酸素雰囲気に保持されている。また熱分解反応器2には、燃焼溶融炉3の後流側に配置される熱交換器(図示せず)により加熱された加熱空気が空気ラインL1から供給され、この加熱空気により、熱分解反応器2の内部は300℃〜600℃に、通常は450℃程度に加熱されている。そして、廃棄物供給装置1から供給された廃棄物aは熱分解反応器2内で熱分解され、熱分解ガスG1と主として不揮発性の熱分解残渣bとを生成する。熱分解反応器2内で生成された熱分解ガスG1と熱分解残渣bは排出装置4により分離され、熱分解ガスG1は熱分解ガスラインL2を経て燃焼溶融炉3のバーナ5に供給される。
【0023】
一方、熱分解残渣bは冷却装置6に導入され、ここで冷却された後、分離装置7に供給される。熱分解残渣bは金属や陶器等の不燃焼性成分と燃焼性成分とよりなるが、冷却装置6に導入される熱分解残渣bは約450℃と比較的高温状態であるため、大気と接すると発火する恐れがある。それを防ぐために、熱分解残渣bは冷却装置6において発火点以下、例えば80℃以下に冷却される。なお、冷却装置6内は低酸素雰囲気に保持されている。
【0024】
冷却装置6において冷却された熱分解残留物bは分離装置7に供給され、ここで大気中において、粗粒の金属・陶器等の不燃焼性成分cと灰分を含む細粒の燃焼性成分dとに分離される。さらに、燃焼性成分dは粉砕装置8に供給され、ここで粉砕された後に、ラインL3を経て燃焼溶融炉3に送られる。
【0025】
熱分解ガスラインL2を経て燃焼溶融炉3のバーナ5に供給された熱分解ガスG1は、送風機10により送られる燃焼用空気eによって燃焼溶融炉3内で燃焼する。同時に、ラインL3を経て送られてきた燃焼性成分dも燃焼溶融炉3内で燃焼する。燃焼溶融炉3は一般に燃焼溶解炉と言われるものであって、前記燃焼性成分dを1300℃程度の高温で燃焼させ、燃焼性成分dに含めれていた灰分由来の燃焼灰は溶融スラグfとなって水槽11内に落下し固化する。一方、燃焼溶融炉3内で発生した排ガスG2は排ガスラインL4を流れ、燃焼溶融炉3の後流側に配置される熱交換器(図示せず)及び廃熱ボイラ12で熱回収され、さらに集塵器13で除塵を、煙道ガス浄化装置14で浄化をされた後に、送風機15により煙突16から大気中へ排出される。なお、図中17は、蒸気タービンにより作動される発電機である。
【0026】
集塵器13での除塵において、排ガスG2中に含まれる飛灰gを捕らえることができる。捕らえられた飛灰gは飛灰搬送ラインL5を介して燃焼溶融炉3内に搬送される。また煙道14及びその範囲に設けられた各装置、例えばボイラ12にて捕集された飛灰も、必要に応じて飛灰gに合流させ搬送する場合がある(この搬送ラインは図示されていない)。本発明は、飛灰搬送ラインL5から燃焼溶融炉3内に飛灰gを搬入するための構造に特徴がある。以下のその特徴部分について詳細に説明する。
【0027】
図2は燃焼溶融炉3と水槽11の縦断面の概略構成を示している。図に示すように、燃焼溶融炉3内の上部には、飛灰を一時貯留するための貯留室20が設けられており、この貯留室20は燃焼溶融炉3の内壁面より外側に張出した位置に配置されている。また、貯留室20の底面と燃焼溶融炉3底部に設けられたスラグ排出口21との距離Hは5m以上に設定されている。
【0028】
また、貯留室20には、モータ22によって回転駆動されるスクリュフィーダ23が取り付けられている。このスクリュフィーダ23は上部に搬入口24を備え、この搬入口24は開閉扉25を介して前記飛灰搬送ラインL5に接続されている。開閉扉25は、図示してない駆動装置により矢印A方向に往復移動して、スクリュフィーダ23の搬入口24と飛灰搬送ラインL5とを連通させたり、その連通を遮断したりする。なお、スクリュフィーダ23は冷却水によって常に冷却されている。
【0029】
次に、図2に示した構成の燃焼溶融炉での作用について説明する。
飛灰搬送ラインL5からは、コンベアによって飛灰が搬送されてくる。開閉扉25は飛灰gの搬入に際し開閉動作を繰返しており、開閉扉25が開いたときのみ飛灰はスクリュフィーダ23の搬入口24に流入する。搬入口24に流入した飛灰は、モータ22によって回転駆動されるスクリュフィーダ23により、ゆっくりと貯留室20側に運ばれ、貯留室20に押し出される。このとき、貯留室20内には既に飛灰が存在し、しかもバーナ5に近い側では後述するように飛灰が溶融しているので、貯留室20に押し出された飛灰は容易には移動できず、スクリュフィーダ23の先端部では圧縮され、飛灰圧密部が形成される。そして、その飛灰圧密部はスクリュフィーダ23の回転につれて図の左方に移動し、図に示した飛灰溶融部において、燃焼溶融炉2内の燃焼による輻射熱によって加熱されて溶融する。
【0030】
スクリュフィーダ23は所定の回転数で回転しており、溶融した飛灰は、バーナ5の方に向かって新たに搬入される飛灰によって順次押し出され、遂には燃焼溶融炉3の内壁面を矢印Bのように流下する。内壁面を流下して燃焼溶融炉3の底部に達した溶融した飛灰は、スラグ排出口21から水槽11内の冷却水26中に落下して水砕された溶融スラグとなる。
【0031】
本実施の形態によれば、貯留室20が燃焼溶融炉3の内壁面より外側に張出した位置に配置されているので、燃焼溶融炉3内での燃焼による気流が貯留室20内に流れ込むことがなく、貯留室20内に貯留された飛灰が前記気流により吹き飛ばされるのを防ぐことができる。
【0032】
また、貯留室20の底面とスラグ排出口21との距離Hを5m以上としたので、溶融した飛灰が燃焼溶融炉3内面を流下するときの滞留時間を大きく取ることができ、溶融した飛灰を高温状態に長時間晒すことが可能となり、溶融した飛灰中に含まれている有害な重金属化合物(Pb,Cd,Zn,Sn,As,Hg等)を燃焼排ガス中に揮発させ、生成するスラグから容易に取り除くことができる。このことは、排出されるスラグを埋立てたり道路の路盤材や建材に利用するにあたり、好ましい効果である。
【0033】
また、飛灰に対する加熱を燃焼溶融炉3内の燃焼熱を利用して行っているので、飛灰を加熱するための装置を別個設ける必要がなく、システム全体が大型化・複雑化するのを回避できる。
【0034】
さらに、本実施の形態では、スクリュフィーダ23の先端部には常に飛灰圧密部が形成されているので、飛灰gを搬入口24に搬入させるために開閉扉25を開けても、燃焼溶融炉3の内部が飛灰搬送路L5に直接連通することはなく、燃焼溶融炉3内の負圧を所定値に維持することができる。したがって、この圧密部は開閉扉25の外からの空気の漏れ込みを更に防止し、2重に開閉扉を設けた場合と同等の効果をもたらしている。
【0035】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、図2のスクリュフィーダ23の代わりにプッシャを設けたことである。図2に示すように、貯留室20にはプッシャのピストン30が取り付けられている。このピストン30は図示してない駆動装置により矢印C方向に摺動する。そして、ピストン30は、図の実線で示した位置に一旦退避し、続いて図の一点鎖線で示した位置に移動することにより、搬入口24内の飛灰gを貯留室20に所定量圧送する。この圧送時の場合にも、ピストン30の先端部には飛灰圧密部が形成される。飛灰圧密部が燃焼溶融炉3内の燃焼熱で溶融し、燃焼溶融炉3内壁面を流下して最後にスラグとして排出される点は、前述の第1の実施の形態の場合と同じである。ピストン30と開閉扉25の連動は次の手順にて行う。すなわち、ピストン30が一点鎖線の一にある時に開閉扉25が開けられて飛灰gが搬入口24内に入る。その後、開閉扉25を閉めてからピストン30を実線の位置に移動させる。続いてピストン30を一点鎖線位置まで押し出し、飛灰gを貯留室20内に押し込む。以上によって、ピストン39自体が2つ目の開閉扉の役割を果たし、飛灰圧密部と共に、十分な外界からの空気の漏れ込み防止効果をもたらす。
【0036】
(第3の実施の形態)
図4は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、燃焼溶融炉3の内壁面に突条35を螺旋状に設けたことである。このような突条35を設けると、溶融した飛灰は突条35に沿って矢印Dのように流れるために、溶融した飛灰が燃焼溶融炉3内壁面を流下するときの滞留時間を長くすることができ、溶融した飛灰中の重金属化合物類を十分に燃焼排ガス中に揮発させ、排出されるスラグ中から除くことができる。
【0037】
また、突条の代わりに燃焼溶融炉3の内壁面に溝を螺旋状に形成しても、作用効果は同じである。また突条や溝は、螺旋状に連続した形状ではなく、所々が切れた不連続状のものであっても良い。
【0038】
(第4の実施の形態)
図5は本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態では、不燃焼性成分cのうち陶器や石等の瓦礫類を粉砕装置40で粉砕し(好ましくは1mm以下に粉砕する)、その粉砕した瓦礫類を飛灰搬送ラインL5に供給し、粉砕した瓦礫類も飛灰gと共に燃焼溶融炉3内に投入するようしている。
【0039】
この構成によれば、燃焼溶融炉3内で瓦礫は飛灰と共に溶融してスラグ化し、その体積が極めて小さくなるので、瓦礫を搬送するための諸経費も少なくて済む。また、一般に瓦礫類は溶融温度が約1400℃と高く、飛灰は約800℃と低いので、燃焼溶融炉3内では飛灰が先に溶融し、その溶融した飛灰中で瓦礫類が共融効果により溶融する。このために、高い融点を有する瓦礫を単独で溶融させるより低い溶融温度において未溶解物が残らず均一なスラグを得ることができ、そのスラグを埋立て用として使用した場合に埋立て性が極めて安定する。なお本実施の形態では、本発明の廃棄物処理装置で処理される廃棄物が熱分解及び分離されて生じた不燃焼性成分cのうちの瓦礫類を溶融処理する装置及び方法を示した。しかし、この他にも、本発明の廃棄物処理装置外から搬入される不燃焼性物質(例えば、いわゆる瓦礫類や焼却灰等)を本実施の形態と同様にして溶融スラグ化処理することもできる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、飛灰を貯留室に一旦貯留し、その貯留室内で溶融させてから燃焼溶融炉内壁面を流下させるようにしているので、溶融した飛灰の再飛灰化が回避されて、飛灰を効率良くスラグ化することができる。
【0041】
また貯留室において、燃焼溶融炉内の燃焼熱を利用して飛灰を溶融させ、さらに長い滞留時間をかけて燃焼溶融炉内壁を流下させているので、外部加熱装置を別個設けなくても、飛灰中に含まれているPb,Cd,Zn,Sn,As,Hg等の重金属を、排出されるスラグから十分に取り除くことが可能となる。そのために、上記重金属を含まないスラグを容易に得ることができるとともに、そのスラグを埋立てたりする他、路盤材や建材等に使用した場合でも有害物の溶出がなく、資源の有効利用としてプラスの面は極めて大きい。
【0042】
さらに、瓦礫(もしくは他のシステムで生じた灰も)を飛灰と共に溶融してスラグ化できるために、瓦礫類の搬送のための諸経費も少なくて済み、廃棄物処理装置を効果的に運用する上で大変に好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物処理装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による燃焼溶融炉と水槽の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による燃焼溶融炉の要部断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態による燃焼溶融炉の要部断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態による廃棄物処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 廃棄物供給装置
2 熱分解反応器
3 燃焼溶融炉
4 排出装置
5 バーナ
6 冷却装置
7 分離装置
8 粉砕装置
10,15 送風機
11 水槽
12 廃熱ボイラ
13 集塵機
14 煙道ガス浄化装置
16 煙突
17 発電機
20 貯留室
21 スラグ排出口
22 モータ
23 スクリュフィーダ
24 搬入口
25 開閉扉
26 冷却水
30 ピストン
35 突条
40 粉砕装置
L1 空気ライン
L2 熱分解ガスライン
L3 燃焼性成分のライン
L4 排ガスライン
L5 飛灰搬送ライン
a 廃棄物
b 熱分解残渣
c 不燃焼性成分
d 燃焼性成分
e 燃焼用空気
f 溶融スラグ
g 飛灰
G1 熱分解ガス
G2 排ガス

Claims (7)

  1. 廃棄物を加熱して熱分解し、熱分解ガスと主として不揮発性成分から成る熱分解残渣とを生成する熱分解反応器と、前記熱分解ガスと熱分解残渣とを分離して排出する排出装置と、前記排出装置から排出される熱分解残渣を燃焼性成分と不燃焼性成分とに分離する分離装置と、前記排出装置からの熱分解ガスと前記分離装置からの燃焼性成分を取り込んで、熱分解ガスと燃焼性成分を燃焼させスラグ化する燃焼溶融炉と、を備えた廃棄物処理装置において、
    前記燃焼溶融炉内に設けられ、前記燃焼溶融炉からの排ガス中に含まれる飛灰を取り込んで一時貯留するとともに、その貯留した飛灰を燃焼溶融炉内の燃焼熱を利用して加熱し溶融させる貯留室と、前記飛灰を燃焼溶融炉後流側で捕らえて前記貯留室に搬送する搬送手段と、前記溶融した飛灰を前記貯留室から押し出して燃焼溶融炉内壁面を流下させる押し出し手段と、を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  2. 廃棄物を加熱して熱分解し、熱分解ガスと主として不揮発性成分から成る熱分解残渣とを生成する熱分解反応器と、前記熱分解ガスと熱分解残渣とを分離して排出する排出装置と、前記排出装置から排出される熱分解残渣を燃焼性成分と不燃焼性成分とに分離する分離装置と、前記排出装置からの熱分解ガスと前記分離装置からの燃焼性成分を取り込んで、熱分解ガスと燃焼性成分を燃焼させスラグ化する燃焼溶融炉と、を備えた廃棄物処理装置において、
    瓦礫類を粉砕する粉砕手段と、前記燃焼溶融炉内に設けられ、前記燃焼溶融炉からの排ガス中に含まれる飛灰および前記粉砕手段で粉砕された瓦礫をそれぞれ取り込んで一時貯留するとともに、その貯留した飛灰および粉砕された瓦礫を燃焼溶融炉内の燃焼熱を利用して加熱し溶融する貯留室と、前記飛灰を燃焼溶融炉後流側で捕らえて前記貯留室に搬送する搬送手段と、前記粉砕された瓦礫類を前記貯留室に搬送する搬送手段と、前記溶融した飛灰および前記溶融した瓦礫を前記貯留室から押し出して燃焼溶融炉内壁面を流下させる押し出し手段と、を備えたことを特徴とする廃棄物処理装置。
  3. 前記搬送手段と前記貯留室との間には1つないし2つの開閉扉が設けられ、前記搬送手段で搬送されてきた飛灰は前記貯留室に面した開閉扉が開けられたときのみ前記貯留室に搬入されることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物処理装置。
  4. 前記貯留室は、前記燃焼溶融炉の内壁面より外側に張出して設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
  5. 前記貯留室は、前記燃焼溶融炉下部に設けられたスラグ排出口より5m以上上方の位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
  6. 前記押し出し手段は、スクリュフィーダまたはプッシャであることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物処理装置。
  7. 前記燃焼溶融炉の内壁面には、突条または溝が螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに3記載の廃棄物処理装置。
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