JP2000310408A - ごみ処理方法および処理設備 - Google Patents

ごみ処理方法および処理設備

Info

Publication number
JP2000310408A
JP2000310408A JP11118739A JP11873999A JP2000310408A JP 2000310408 A JP2000310408 A JP 2000310408A JP 11118739 A JP11118739 A JP 11118739A JP 11873999 A JP11873999 A JP 11873999A JP 2000310408 A JP2000310408 A JP 2000310408A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste
refuse
gas
generated
rotary kiln
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11118739A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3980216B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Takai
清 高井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RASA SHOJI KK
Rasa Corp
Original Assignee
RASA SHOJI KK
Rasa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RASA SHOJI KK, Rasa Corp filed Critical RASA SHOJI KK
Priority to JP11873999A priority Critical patent/JP3980216B2/ja
Publication of JP2000310408A publication Critical patent/JP2000310408A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3980216B2 publication Critical patent/JP3980216B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごみの熱分解に必要となる投入エネルギを低
減すると共に発生熱エネルギの消散を可及的に抑え、還
元溶融操作においてはホットチャージを可能にして電力
消費量を少なくできること、分別収集等によってごみの
発熱量が低くても溶融スラグの生成を可能にするごみ処
理設備を提供すること。 【解決手段】 ロータリキルン1と火炉4とを備え、キ
ルンへは適宜のサイズに破砕したごみ6を投入し、ごみ
受入ピット20で発生した臭気を含む空気を予熱した高
温ガスを多段式環状通路8を介して吹きつける。予熱さ
れたごみに粉炭9をスクープフィーダ10から供給して
低酸素状態でごみを熱分解し、発生した熱分解ガスおよ
び可燃性の固形分を高温燃焼させる。固形分中の残留カ
ーボン量を調整した後に、適宜な副原料と共に還元溶融
する。火炉4においてはキルン内で発生した熱分解ガス
を燃焼させ、ダイオキシンや臭気を分解して系外への排
出を回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はごみ処理方法および
処理設備に係り、詳しくは、ごみ等の廃棄物を熱分解
し、熱分解ガスと共に発生した可燃性固形分を高温で還
元溶融することにより重金属を含まないクリーンな溶融
スラグを得て、一般ごみや産業廃棄物等から天然岩石の
組成に近い無害化されたコンクリート用人工骨材等を製
造することができるごみの一貫処理技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】既存のごみ焼却設備から出るごみ焼却灰
は、埋め立て処分するか単に投棄するしか方法がないの
が現状である。しかし、焼却灰には有害物質や重金属類
はもちろんのこと最近特に注目されている猛毒のダイオ
キシンが含まれることもあり、環境破壊や健康被害を招
くことが頻繁に指摘されている。さらには投棄場も手狭
となってきており、そのうえ新たな処分場の確保も困難
となりつつある。
【0003】そこで、この焼却灰の減容化と共にごみの
再資源化の試みが多方面で検討されるようになり、その
打開策の一つとして、焼却灰の溶融化が注目を浴びてい
る。ごみに溶融操作を施して生成されたスラグをガラス
状に固化させれば、有害不純物や重金属類をスラグの結
晶格子間に封じ込めることができ、これを土木資材とし
て再利用することができるという点で大きな期待が寄せ
られている。
【0004】しかしながら、化学的に安定したガラス質
スラグに封じ込められたとはいえども有害不純物元素ま
たは重金属類が残存していることには変わりがなく、高
々路盤材といった程度の人目につきにくい土木資材とし
ての限定的な用途に供し得るにすぎない。ましてや、大
量のごみが今後も発生することを考慮すれば、路盤材の
過剰供給は十分に予測されるところであり、いずれは再
利用の途も狭められることになる。
【0005】それのみならず、最近の研究や実地調査等
によれば、上記したごとくの処理によって有害物質等を
スラグに固定しておけば安全であるという神話は薄れつ
つある。それは、無害化処理されたはずの重金属等とり
わけ鉛が経年変化したスラグから溶出するといった例が
報告されるようになってきているからである。したがっ
て、路盤材として大量に使用されることになれば、身近
な生活環境が著しく損なわれる事態の発生は目に見える
ところにまで来ているといって過言でない。
【0006】一方、上記した焼却灰を後処理する以前の
技術的課題として、焼却時にプラスチック廃材等を混入
させていると、これが不完全燃焼する際にごみ中の金属
化合物を触媒として塩素系物質からダイオキシンが生成
されるという問題がある。それが大量に直接大気中へ放
出されているという事実も判明し、大きな社会問題とな
ってきている。
【0007】これは、焼却炉内での不完全燃焼操業やダ
イオキシンを分解させ得ない800℃以下の低温焼却操
業が放置されていたり、高温焼却に耐える炉構造への改
善や転換が追いついていないことに原因している。とり
わけごみ発生量の少ない地域に立地する焼却炉では不連
続操業が余儀なくされることから、この問題がひときは
大きくとり挙げられていることは周知のとおりである。
【0008】このような問題の解決は急務であり、その
解決策の一つとして注目を浴びてきているのがごみのガ
ス化溶融処理技術である。これは、ごみの焼却と焼却灰
の溶融とを連続的に処理する一貫設備としたものであ
り、低酸素状態でごみを熱分解し、発生した可燃性ガス
および可燃性の固形分を高温燃焼させることにより、無
機物を溶融させるという思想に基づいている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような熱分解式の
ガス化溶融処理炉においては、ごみの焼却処理と1,3
50℃以上の高温燃焼による焼却灰の溶融スラグ化処理
とを密閉された炉内で行うことになるので、ダイオキシ
ンが生成されても焼却排ガスが大気に放出されるまでに
分解しておくことができ、ダイオキシン問題を一気に解
決することができる。
【0010】しかし、その一方で、生成された溶融スラ
グを急冷して水砕スラグを製造しても、元々ごみに含ま
れていた有害不純物元素や重金属類は依然として内在し
ており、前述したごとく無害化された再資源として活用
するにはほど遠く、恒久的には実用に供しがたい。
【0011】これは、溶融操作時に可燃性有害物質を焼
却することができても、不燃性の有害な重金属分を溶融
スラグから分離する操作が施されておらず、もちろん分
別排出する方式も採用されていないからである。それ
は、炉体構造や溶融方式にも基因して、分離するための
処理操作が不可能であるからに外ならない。それゆえに
有価物を回収するということもなく、ごみの減容化と目
先の再利用を促すにとどまる。
【0012】ところで、本発明者は、ごみ焼却炉から発
生した焼却灰に後処理を施し、クリーンなスラグを生成
する方法や装置を、特開平9−156991号公報にお
いて提案し、その実証も既に成功裏に済ませている。こ
れによれば、焼却灰から揮発性物質や有害不純物元素を
除去する一方で、有価物である金属類を無酸化状態で生
成して金属資源の回収を可能にする。同時に溶融スラグ
の無害化を図り、そのスラグを再結晶させることによっ
て天然砂利等と同等の組成や性質を有した緻密なコンク
リート用人工骨材といった極めて有用な建築土木資材を
提供できるようにしている。
【0013】この処理技術を、以下簡単に紹介する。焼
却設備から持ち込まれた焼却灰は溶融のために電気溶融
炉へ投入される。このとき、天然石等と同様の組成を有
した人工砂利等を生成させるに必要な量の副資材例えば
ドロマイトも添加される。リサイクル品としての人工砂
利等には有害な重金属が含まれないようにしておく必要
がありかつ有用な金属資源を回収できるように、コーク
スブリーズも適量が追加される。これらが混合された原
料を1,500℃以上で加熱して残存可燃物を燃焼させ
ると共に溶融してスラグを生成し、同時に還元反応を進
行させると、焼却灰に含まれていた金属元素が可及的に
溶融スラグから分離される。
【0014】ところで、還元反応を伴う溶融操作は、炉
内を静かな状態に保っておかなければならない。電気溶
融炉で原料を加熱するためにアークを飛ばすと、粉粒状
の原料がアークによって攪乱され、均一な溶融は実現さ
れがたい。また還元された金属元素が原料に混入するな
どし、一つの空間をなす炉から金属分と非金属分とを分
離して取り出すことができなくなるからである。
【0015】そこで、電気溶融炉においては還元反応に
より発生するCOガスでフォーミングスラグを形成さ
せ、電極下部周囲を覆うことによってアークの発生を可
及的に抑え、原料を電気抵抗熱により加熱するようにし
ている。このようにしておけば焼却灰等を静かに溶融す
ることができる一方、原料と共に投入されるコークスな
どにより原料中の金属酸化物が還元され、金属を分離す
ることができる。
【0016】還元された金属成分は比重が大きく原料層
内を滴下するが、原料中の金属分の多くは鉄系金属であ
るので、炉底には溶融銑鉄層が形成される。溶融された
原料は副資材によって適度なMgOを含むように成分調
整されており、金属分を可及的に含まずCaO−SiO
2 −Al2 3 の三元系化された原料がCaO−SiO
2 −Al2 3 −MgOの四元系に改質され、再結晶さ
せれば天然石と同等の組成や組織を有した固化スラグと
なる溶融スラグが生成される。これは比重が金属のそれ
より低いために、スラグ層をなして溶融銑鉄上に浮遊す
る。
【0017】生成されたスラグは溶融銑鉄層より上に設
けられた出滓口から取り出されて鋳型で鋳造され、それ
を所望サイズに破砕して熱処理炉に投入される。鋳造時
の一次再結晶操作と熱処理炉における二次再結晶操作に
より、スラグからは緻密な組織を有すると共に重金属分
を可及的に含まない無害化された人工砂利等が得られ
る。一方、溶融銑鉄も炉底に近い出銑口から適宜取り出
され、別途鋳物用原料銑等として使用することができ
る。
【0018】このようにして製造されたスラグは単に路
盤材などとして利用できるにとどまらず、コンクリート
用人工骨材といった高級な建築土木資材への積極的な用
途拡大を可能にする。なぜなら、この固化スラグは前記
した水砕スラグのように急冷によってガラス化した非晶
質なものとは異なり、再結晶物であって組織は緻密で天
然岩石のように恒久的安定性を有する。ましてや重金属
などの有害物質を含まないためコンクリート製建造物に
適用しても生活環境が汚染されることもない。これから
分かるように、天然砂利や河川砂の代替品として有用な
資材を提供することができ、また砂利採取による自然環
境の破壊や天然資源の枯渇を抑制することにもおおいに
寄与する。
【0019】上記の処理に供される原料の大部分は、ご
み焼却炉等から発生する焼却灰であること前述したとお
りである。ごみ焼却灰は概して粉粒化しているが、その
まま電気溶融炉に投入すると還元溶融操作に支障をきた
す。すなわち、装入物に水分が含まれていると加熱開始
時点でガスや水分が大量に放出され、溶融前に装入物が
激しく流動し静かな状態での還元溶融が阻害されるから
である。そのため焼却灰には予め乾燥させたり含有揮発
物質を除去する処理を施しておき、その後に電気溶融炉
において時間をかけて還元溶融するという工程を採用し
ている。
【0020】しかし、あくまでも持ち込まれた焼却灰を
溶融処理の対象としたものであり、生ごみ等からクリー
ンなスラグを一貫的に製造するものとはなっていない。
それゆえに、ごみ焼却中に発生した多大の熱を焼却灰の
溶融に利用するに至っていないというエネルギ多消費の
問題や、ごみ焼却炉で発生するダイオキシンの不完全分
解による問題は解決されないまま残っており、前述した
ガス化溶融処理技術のようなごみの焼却と焼却灰の溶融
とを連続的に処理する一貫設備の新たな技術の出現が待
ち望まれる。
【0021】ちなみに、現在までに提案されているガス
化溶融処理技術においては、製造されたスラグが路盤材
程度の再利用にとどまることのほかに、最近では操業上
に以下のような問題が出てきている。それは各自治体に
おいてごみの分別収集が進んでいることである。分別収
集は可燃ごみ、不燃ごみ、再利用可能ごみに大別される
が、地域によってはさらに細分化した収集形態が採用さ
れている。すなわち、可燃ごみを生ごみとプラスチック
系ごみとに分け、プラスチック系ごみはごみ焼却するこ
となく別途利用するという傾向にある。
【0022】プラスチック廃材をごみ焼却の対象から外
すようになってきているのは、ダイオキシンの発生を低
減させる目的とプラスチックの再資源化技術の発展によ
るものであるが、それがためにガス化溶融処理において
は、次のような予期し得なかった事態に直面している。
一つはごみの自地区内収集・自地区内処理体制を敷いて
いる現在のごみ処理行政を維持すると、ごみ焼却に供さ
れるごみ量がプラスチック系ごみの分だけ少なくなるこ
とである。他には、発熱量の高いプラスチック系廃材が
混在しないことから、生ごみ等が主をなす場合のように
ごみの発熱量低下が進みつつあることである。
【0023】とういうのは、ガス化溶融処理技術の実施
にあたっては、炉内温度を極めて高く保持しておく必要
があること、それがためにできるだけ炉内温度の低下や
立ち上げ運転の機会を減らして連続操業も常態としてお
かなければならない。その意味からすると、収集量の少
ない自治体における処理対象ごみ量の減少は設備稼働上
致命的な影響を与えることになる。
【0024】一方、ごみの低カロリー化が進んでいる
と、ガス化溶融処理技術自体の欠陥が現れる。ガス化溶
融処理技術の原理は、前記したごとく、低酸素状態でご
みを熱分解すなわちごみを蒸し焼きする方式であり、そ
れによって生じた炭化物を同時に発生した可燃性ガスの
高温燃焼により溶融するものであって、ごみ中の可燃性
固形分を無機物化する操作がその主を占める。というこ
とは、ごみ自体に例えば1,700Kcal/Kg以上
の発熱量を保有していることが前提となる。
【0025】いま発熱量が上記以下のごみを対象として
いると、熱分解時にごみの灰化が進み、結局は発生した
可燃性ガスを燃焼させても灰からの発熱が極めて少な
く、灰は溶融されることなくそのまま残る。したがっ
て、溶融させること自体不可能となる。すなわち、低カ
ロリーのごみでは、低酸素状態でごみを熱分解して生じ
た可燃性ガスおよび可燃性固形分を燃焼させても溶融に
必要となる高温雰囲気は得られず、溶融スラグは得られ
ないという結果となる。それゆえに、分別収集の細分化
が進みプラスチック廃材の別途利用を図っている自治体
では、本溶融システムを導入することができないという
事態が起こる。
【0026】ごみの分別収集で成果をあげてきたドイツ
国でさえ、ごみの溶融処理技術を導入するにあたり大き
な社会問題を誘起しつつある。例えばミュンヘン市では
分別収集で極めて大きな成果をあげてきているが、その
結果ごみの発熱量が低下してダイオキシン問題を解消可
能とするガス化溶融設備の導入が不可能となってきてい
る。そのために分別収集推進論と分別収集反対論とが持
ち上がり、市民を巻き起こんでの当市のごみ処理行政に
混乱が生じ始めているという事実からも、この種の難題
の存在が裏づけられる。
【0027】ところで、熱分解ガス化溶融処理において
ごみの焼却にロータリキルンを採用している例がある。
ロータリキルンは一般的にはバーナを焚くなどして、酸
化性雰囲気で投入物を焼成する長い回転炉である。しか
し、バーナは入口側もしくは出口側に設けられるので炉
内温度のコントロールが難しい。すなわち、炉内の温度
分布が不均一となることは避けられず、そのままではご
みをスラグ化することは不可能に近い。ましてや、上記
したような低酸素雰囲気を形成させて熱分解すること
や、その後さらに熱分解可燃性ガスや可燃性固形分を高
温燃焼させるといったことはする術もない。
【0028】そのために、幾つかの実証段階に入ってい
るガス化溶融法において使用されているロータリキルン
は、酸化性雰囲気とならない特殊な構造となっている。
その一つは、図8の(a)に示すように、内部に熱ガス
を流通させる加熱用ガスパイプ55を多数放射状および
周方向に配置したものや、(b)のように内周面に配置
した炉体となっている。いずれにしても酸素を炉内に供
給しないようにする意図から、間接加熱方式が採用され
ている。
【0029】それゆえに熱交換率が低くなることは避け
られず、ごみが加熱用ガスパイプに付着したり絡みつい
たりして局部的な加熱となったり、ごみの流れが悪くな
る。その結果、投入ごみ全体に対して均一なガス化溶融
処理がなされにくいという構造上の問題を抱えている。
ましてや、前述したごとく分別収集を積極的に推進して
いる自治体ではごみの低カロリー化が進行し、そのよう
なごみを上記したキルンに導入すると、発熱不足に基因
してスラグの溶融化が図られず、キルン内に灰が溜まっ
て操業不可能となる事態が生じやすくなる。
【0030】上記の説明から分かるようにキルンを用い
たガス化溶融法においては、ごみの性状、形状、大きさ
を整えておくことが必要となるが、何よりもキルン内温
度を維持しておくことが不可欠であって不連続操業は大
きな熱損失を招く。そのためにも少なくとも100トン
/日といった規模のごみ収集能力のあることが要求さ
れ、そのような地域では連続稼働体制が整うが、それで
も発熱量の高いごみをも焼却処理する施策をとる地域で
の使用に限られることになる。そういう意味からすれ
ば、上記した構造のロータリキルンを用いてガス化溶融
処理の大部分の工程を行わせることには無理のあること
が分かる。
【0031】本発明は上記の問題に鑑みなされたもの
で、ごみの投入から建築土木資材としての天然石に極め
て近い緻密な組織のスラグを得る一貫製造設備を可能に
すること、ごみを処理するうえで発生したダイオキシン
の完全な分解を図り得ること、ごみの熱分解に必要とな
る投入エネルギを低減すると共に発生熱エネルギの消散
を可及的に抑え、還元溶融操作においてはホットチャー
ジを可能にして電力消費量を少なくできること、分別収
集等によってごみの発熱量が低くても溶融スラグの生成
を可能にすること、ごみの収集量が例えば50トン/日
といったように少ない場合でも不連続運転することなく
炉内温度の安定を維持できること、ロータリキルン形式
の回転炉を使用しても、既存のガス化溶融技術で遭遇す
る問題を回避できること、を実現したごみ処理法および
処理装置を提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明は、ごみ等の廃棄
物を熱分解し、熱分解ガスと共に発生した可燃性固形分
を高温溶融することにより溶融スラグを得るようにした
ごみ処理法に適用される。その特徴とするところは、図
1を参照して、まず、一般ごみや産業廃棄物等の処理用
ごみを適宜のサイズに破砕する。破砕されたごみ6にご
み受入ピット20で発生の臭気を含む空気を加熱して生
成された予熱用高温ガスを吹きつけ、その予熱用高温ガ
スを直接的にごみ堆積層に接触させることにより処理用
ごみを乾燥および予熱する。予熱された処理用ごみに粉
炭9と適量空気とを供給し、低酸素状態において処理用
ごみを熱分解して熱分解ガスと可燃性固形分とを生成さ
せる。その熱分解ガスを燃焼させ、発生した燃焼ガスと
ごみ受入ピット20で発生した臭気を含む空気とを熱交
換して、高温ガスを発生させる。そして、可燃性固形分
を高温状態のまま副原料38,39と共に還元溶融し、
金属溶湯47上に金属類を含まない溶融スラグ46を生
成させるようにしたことである。
【0033】予熱用高温ガスを処理用ごみに吹きつける
と共に、予熱中の最下層に着火用高温ガスを供給して処
理用ごみに着火させるようにすることができる。
【0034】可燃性固形分にごみ受入ピット20で発生
した臭気を含む空気を予熱して生成した高温ガスを供給
して含有カーボンを燃焼させ、可燃性固形分中の灰分に
対する熱分解カーボン量を低減させた後に、高温状態の
まま副原料38,39と共に還元溶融するようにしても
よい。
【0035】処理用ごみを乾燥および予熱するための高
温ガスを、堆積する処理用ごみの上中下の各層に供給
し、最下層には着火用高温ガスを導入させるようにする
ことが好ましい。
【0036】ごみ処理設備に係る発明は、一般ごみや産
業廃棄物等の処理用ごみを適宜のサイズに破砕した破砕
物を一端から投入するごみ投入シュート7、その投入シ
ュート下方から高温ガスを破砕物6の堆積層に吹きつけ
る多段式環状通路を形成した空気供給装置8、高温ガス
と接触した破砕物に炉殻を貫通して粉炭を供給するスク
ープフィーダ10、適量空気を導入するエア供給管11
を有したロータリキルン1と、そのロータリキルンの出
口側に連なりロータリキルン内で発生した熱分解ガスを
燃焼させ、ごみ受入ピット20で発生した臭気を含む空
気を加熱するための燃焼ガスを発生させる火炉4とを備
えることである。
【0037】図2に示すように、エア供給管11とスク
ープフィーダ10の粉炭供給管とは二重管を形成し、空
気が粉炭供給管の周囲から吹き込まれるようにしておく
とよい。
【0038】図1のように、火炉4の下部に位置してロ
ータリキルン1から排出された直後の可燃性固形分中の
熱分解カーボン量を低減させるための後燃焼装置2を設
けておくこともできる。
【0039】図5のごとく、多段式環状通路の外周側通
路の開口部例えばcは、それより内周側に位置する通路
の開口部bよりもロータリキルン内の下流側に位置させ
ておくとよい。なお、多段式環状通路は、ごみ受入ピッ
トで発生の臭気を含む空気を加熱して生成された予熱用
高温ガスを破砕物6の堆積層に吹きつける予熱用空気供
給装置8Aとなっている。しかし、多段式環状通路の最
外通路は、破砕物6の堆積最下層に着火用高温ガスを供
給して処理用ごみに着火させる着火用空気供給装置8B
としておくことが好ましい。
【0040】着火用空気供給装置8Bに供給される着火
用高温ガスは、図1に示すごみ受入ピット20で発生の
臭気を含む空気を加熱して生成された予熱用高温ガス
を、熱風炉32において800℃以上に生成した熱ガス
としておくとよい。
【0041】多段式環状通路を形成する各段通路は、図
4のようにロータリキルン1の周方向に並べられた複数
個の金属製円弧状通路ブロック8mからなる。その円弧
状通路ブロックには、図6に示すようにロータリキルン
の長手方向に延びて周方向に複数のセル8cが並ぶよう
に画成する仕切壁8pが設けられる。ちなみに、円弧状
通路ブロック8mは環状通路各段の境界をなす内周壁8
wを有し、仕切壁8pは内周壁からロータリキルン1の
半径方向外方へ延ばされている。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、一般ごみや産業廃棄物
を適宜のサイズに破砕した破砕物に、ごみ受入ピットで
発生した臭気を含む空気を加熱して生成された高温ガス
を吹きつけ、その高温ガスを直接的に接触させることに
より破砕物を乾燥および予熱するようにしているので、
乾燥ならびに予熱に必要となる熱を自設備内で発生した
熱エネルギでもって賄うことができ、省エネルギが図ら
れる。ごみ受入ピットで発生した臭気成分も同時に熱分
解され、臭い公害の発生も回避される。
【0043】予熱された乾燥物に粉炭と適量空気とを供
給し、低酸素状態において熱分解して熱分解ガスと可燃
性固形分とを生成させることができる。ガス化溶融法に
準じた処理が可能となり、発生ダイオキシンの分解も図
られる。分別収集等が浸透しごみの発熱量が低くなって
いても、粉炭の投入により熱分解することができる一
方、不完全溶融によるガス化溶融上の問題も回避され
る。なお、粉炭の供給によってキルン内の余剰酸素をC
Oにすることができ、還元性雰囲気の醸成も達成され
る。
【0044】ごみの収集量が50トン/日というように
少ない場合でも、不連続運転することなく炉内温度の安
定を維持できる。低酸素状態においてごみを熱分解した
とき発生する熱分解ガスは、これを燃焼させることによ
り発電するなどしてエネルギの回収が図られる。
【0045】可燃性固形分を高温状態のまま副原料と共
に還元溶融し、金属溶湯上に金属類を含まない溶融スラ
グを生成させるようにしているので、溶融工程における
投入エネルギの大幅な節減が図られる。生成されたスラ
グは無害化されており、天然岩石の組成に近い緻密なコ
ンクリート用人工骨材が得られる。
【0046】予熱用高温ガスを処理用ごみに吹きつける
と共に、予熱中の最下層に着火用高温ガスを供給して処
理用ごみに着火させるようにすれば、破砕物の乾燥およ
び予熱のみならず、その後ごみに着火させて燃焼雰囲気
の昇温を早めると共に、低酸素状態でのごみの熱分解す
なわちごみの蒸し焼きを促進することができる。
【0047】可燃性固形分に高温ガスを供給して含有カ
ーボンを燃焼させ、可燃性固形分中の灰分に対する熱分
解カーボン量を低減させた後に、高温状態のまま副原料
と共に還元溶融するようにしておけば、溶融スラグの生
成と金属資源の回収が効率よくなされる。
【0048】破砕されている処理用ごみを乾燥および予
熱するための高温ガスを堆積層の上中下の各層部に供給
すると共に、最下層には着火用高温ガスを導入するよう
にしておけば、乾燥および予熱が迅速かつ均一になされ
やすく、また早期にごみに着火させることが可能とな
る。したがって、低酸素状態における熱分解ガスと可燃
性固形分との生成が促される。
【0049】処理設備の発明においては、上記した種々
の効果が発揮されることはもちろんであるが、空気供給
装置とスクープフィーダを備えるロータリキルンを採用
するので、実証段階にある既設のガス化溶融設備で採用
されているようなキルンよりも構造が著しく簡素化され
る。ロータリキルン形式の回転炉を使用した場合の既存
のガス化溶融技術で遭遇する問題、すなわち不完全溶融
を起こすことも目詰まりを発生させることもなく、キル
ンの連続運転が保証される。
【0050】空気供給装置はロータリキルンの円筒形炉
体への装着がふさわしい多段式環状通路を形成している
ので、高温ガスの分散が図られる。投入されたごみの乾
燥や予熱操作も十分になされて熱分解が速やかとなり、
所望する熱分解ガスと可燃性固形分の生成を促すことが
できる。
【0051】ロータリキルンの出口側に連なりロータリ
キルン内で発生した熱分解ガスを燃焼させる火炉が設け
られていることから、ごみ受入ピットで発生した臭気を
含む空気を予熱するための燃焼ガスを発生させることが
できる。この火炉における熱分解ガスの燃焼は発熱反応
であり、残留ダイオキシンや臭気成分の分解は完全にな
され、生活環境を脅かさないごみ処理設備となる。もち
ろん、ごみの処理量に見合った溶融装置の導入が可能と
なり、熱分解工程における処理量の多少は問題となら
ず、ごみ処理規模の大小に応じた処理設備を実現するこ
とができる。
【0052】エア供給管とスクープフィーダの粉炭供給
管とが二重管であり、空気が粉炭供給管の周囲から吹き
込まれるようになっていると、粉炭の燃焼を促進できる
と共に、エア供給管からの空気量をコントロールするこ
とによって、キルン内の還元性雰囲気の生成と可燃性固
形分のカーボン含有量の調整が容易となる。
【0053】火炉の下部に位置してロータリキルンの直
後に後燃焼装置を設けておけば、ロータリキルンから排
出された直後の可燃性固形分中の熱分解カーボン量を調
整でき、還元溶融工程での処理が円滑なものとなる。
【0054】多段式環状通路の外周側通路の開口部を内
周側通路のそれよりもロータリキルン内の下流側に位置
させておけば、投入された直後の処理用ごみと分散され
た高温ガスとの接触が段階的になされると共に、処理用
ごみからの高温ガスの急激な脱気を抑制しておくことが
できる。処理用ごみ層がロータリキルンの回転につれて
下流側で薄くなっても、その部分での乾燥や予熱が維持
されやすくなる。
【0055】多段式環状通路をごみ受入ピットで発生の
臭気が含まれる空気を加熱して生成された予熱用高温ガ
スを砕物堆積層に吹きつける予熱用空気供給装置として
使用すれば、高温ガスの分散と処理用ごみ層における乾
燥や予熱を効率よく行うことができる。
【0056】多段式環状通路の最外通路を、破砕物堆積
最下層に着火用高温ガスを供給して処理用ごみに着火さ
せる着火用空気供給装置として機能させれば、空気供給
装置を予熱用と着火用とに併用することができ、空気供
給装置のコンパクト化が図られる。しかも、着火用高温
ガスを乾燥および予熱された処理用ごみに向けられ、着
火も容易となる。
【0057】着火用空気供給装置に供給される着火用高
温ガスを、ごみ受入ピットで発生した臭気の含まれる空
気を熱風炉において800℃以上に生成した熱ガスとし
ておけば、処理用ごみの着火は確実になされる。しか
も、臭気成分の分解は完全になされると共に、予熱用高
温ガスを加熱して生成するので熱風炉における投入エネ
ルギも可及的に少なくしておくことができる。
【0058】多段式環状通路を形成する各段通路を、ロ
ータリキルンの周方向に並べられた複数個の円弧状通路
ブロックによって形成させておけば、一見複雑な多段式
環状通路もロータリキルン内に容易に装着することがで
きる。また、円弧状通路ブロックを鋳鋼品等として簡単
に製作しておくことができるようになる。このように円
弧状通路ブロックが金属製であれば、各段を通過する高
温ガスの熱エネルギをブロックに蓄えることにもなり、
噴流に接触しないごみも伝熱作用で加熱することができ
る。
【0059】円弧状通路ブロックにロータリキルンの長
手方向に延びて周方向に複数のセルが並ぶように画成す
る仕切壁を設けるようにすれば、多段式環状通路の各段
において高温ガスを所定位置まで拡散を防いで案内する
ことができる。したがって、高温ガスを集中して処理用
ごみに接触させることができるようになる。
【0060】円弧状通路ブロックには環状通路各段の境
界をなす内周壁が形成され、仕切壁がその内周壁からロ
ータリキルンの半径方向外方へ延びるようにしておく
と、鋳造が容易な形状となる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るごみ処理方
法および処理設備を、その実施の形態を表した図面を基
にして詳細に説明する。図1は、ごみ処理設備の還元溶
融工程に至るまでの主要構成装置等を含んだ概略系統図
を示す。これは、ごみ等の廃棄物を熱分解し、熱分解ガ
スと共に発生した可燃性固形分を高温溶融することがで
きるようになっている。そして、天然岩石の組成に近い
コンクリート用人工骨材等を製造するための溶融スラグ
を得ることができる一貫処理設備を構成している。
【0062】ここで処理されるごみには生ごみをはじめ
とした一般ごみのほかに各種産業廃棄物等も含まれる
が、これらが混ざっている場合には、相対的に発熱量が
低いものとなっている。しかも、サイズも整っていない
のが通常であり、そのために先ず例えば20ないし50
mm径程度にまで予め破砕され、以後の処理の容易化が
図られる。
【0063】本発明においては、このように砕かれたご
みを熱分解し、生成された可燃性固形分(チャー)を還
元溶融して所望する組成のスラグに溶融すると共に有価
物を回収することができる。その一方で、熱分解により
発生したCOを主成分とした熱分解ガスの燃焼熱を利用
して、ごみ処理設備におけるエネルギ消費の抑制を図
る。加えて、可燃性固形分の赤熱状態を保持しておくこ
とにより、還元溶融操作時の電気溶融炉での電力消費を
可及的に低減できるようにもしている。
【0064】図1を参照して、ごみ処理設備における主
要な構成としてごみを乾燥しかつ熱分解させるロータリ
キルン1、その出口側に連なって配置されキルンから排
出された可燃性固形分をさらに燃焼させる後燃焼装置
2、可燃性固形分をホットチャージして省エネを図りな
がら溶融スラグを生成する還元溶融装置としてのサイド
チャージ式直流電気溶融炉3といったごみを溶融するた
めの各種装置が設けられる。加えて、ロータリキルン1
の出口側に連なり熱分解ガスを燃焼させる火炉4や、こ
の火炉での燃焼ガスと熱交換させた高温ガスを発生させ
るガス式空気予熱器5も設置される。
【0065】ロータリキルンとしては、公知のEK式キ
ルンを改良した炉が採用される。ここで採用されるキル
ン1は単に処理用ごみである装入物を焼却するという機
能にとどまらず、装入物を予熱する乾燥ゾーンと、引続
いて乾燥物を熱分解し可燃性固形分と熱分解ガスとを生
成する熱分解ゾーンとを有し、それぞれの作用を炉内で
の一連の操作によって達成することができるようになっ
ているものである。その反面、従来技術のところで述べ
たガス化溶融技術で使用されるキルンとは異なり、可燃
性固形分の燃焼操作を行うにしても溶融スラグの生成ま
では行わない機能にとどめられている。
【0066】詳しく述べると、このキルン1は図2に示
すように耐火物1aでライニングされているが、一般的
なキルンやEK式キルンとは異なり、積極的に装入物を
燃焼させるためのバーナは備えられていない。炉体の一
端には破砕されたごみ6を投入するごみ投入シュート7
と、そのシュートの下方から高温ガスを装入物6Aに吹
きつける空気供給装置8とが設けられる。なお、この高
温ガスは後述するごとく、ごみ受入ピットで発生した臭
気を含む空気が前記したガス式空気予熱器5において予
熱されたものなどである。
【0067】炉体の上流側は前述した乾燥ゾーンが形成
されるが、中間部から下流側にかけては熱分解ゾーンを
形成させることができるように、炉殻を貫通して粉炭9
を供給するスクープフィーダ10と、適量の空気をスク
ープフィーダの出口周囲から供給するエア供給管11と
が配置される。
【0068】このスクープフィーダ10は炉体と共に回
転し、スクープフィーダから供給される例えば1ないし
3mm程度の大きさの粉炭の燃焼によって、炉内後半部
の温度分布が二点鎖線12のごとく略一定の高い温度と
なるように機能させるものである。これによって発熱量
の低いごみが混じっていても所望する熱分解を行うこと
ができ、またごみや粉炭に含まれる揮発成分を焼却する
ことができる。
【0069】この粉炭の供給効果として、キルン内の余
剰酸素をCOにすることによる還元性雰囲気の醸成も達
成されることになる。しかも、炉底内は少なくとも80
0℃を越える還元性雰囲気となることによって、ダイオ
キシンも生成されにくい状態となる。
【0070】このスクープフィーダ10やエア供給管1
1は図3の(a)や(b)に示すようにパイプ構造であ
って炉体の半径方向へ延び、周方向および長手方向に適
度な間隔をおいて複数本配置される。炉体の下半部を覆
うようにトラフ13が設置され、その中の粉炭9を炉外
側の開口部10aからすくい取ることができる。その開
口部の近傍に設けたバルブ10vの開閉時期を適宜制御
して、粉炭が短時間に炉内へ装入される。なお、リター
ン時にバルブ10vを閉じておけば、炉内側の開口部1
0bから進入する熱気によりスクープフィーダ内に付着
した粉炭が発火するのを防止しておくことができる。
【0071】エア供給管11は粉炭9が供給される領域
であれば何処に設置しておいてもよいが、本例では、燃
焼を高めるためにスクープフィーダの管体の周囲を取り
巻くような二重管構造で形成されている。図2のよう
に、その外面は耐火材11aで熱保護されており、押込
送風機14によって積極的に外気を供給することができ
る。このようにしておくと、所望空間を粉炭の燃焼とご
みの燃焼とによる発熱によって800ないし1,000
℃の雰囲気に調整しておくことができるようになる。し
たがって、ロータリキルン内でダイオキシンが生成され
ても、分解したり焼却することができる。なお、必要が
あれば、出口側に温度コントロール用の補助バーナ15
を設けておいてもよい。
【0072】このような構成のロータリキルン1の出口
側には、図1に示したように、その出口側に連なり広い
空間をなす火炉4が設置される。ロータリキルンから排
出される熱分解ガスにはCOが多く含まれており、これ
に空気を供給し昇温バーナ16から火炎を発生させれば
COが燃焼し、CO2 が発生する過程で5,430Kc
al/kgの大きな発熱が得られる。この1,300℃
にもなる燃焼ガスが廃熱ボイラ17へ導かれ、スチーム
を発生させればタービン18を介して発電機19を駆動
でき、このごみ発電によって本処理設備で必要となる電
力の一部もしくは全部を賄うことができる。もちろん、
ロータリキルン1内で熱分解しきれなかったダイオキシ
ンが残存していても、この火炉4において完全に分解さ
れる。
【0073】スチームを発生させた後の廃ガスはガス式
空気予熱器5に導入され、ごみ受入ピット20で発生し
た臭気を伴う空気を予熱するために供される。このよう
にして熱交換された500℃前後の高温ガスは前述した
空気供給装置8からキルン1に導入され、その保有する
熱エネルギによってキルンに投入された装入物6Aを予
熱することができる。同時にキルン内を流通する間に臭
気成分が分解され、悪臭が系外に出るのを防止しておく
こともできる。
【0074】この火炉4の下部に位置してロータリキル
ン1から排出された直後の可燃性固形分すなわち赤熱灰
に含まれる熱分解カーボン量を低減させるために、後燃
焼装置2が設けられる。この装置は、溶融スラグを生成
する際の還元溶融工程において、その還元作用に必要と
なる程度のカーボン量を残存させるために使用されるも
のである。
【0075】すなわち、熱分解工程で生じた可燃性固形
分中のカーボン含有量は、ロータリキルンに粉炭を投入
していることもあって20%前後にも及ぶことがある。
そこで、この後燃焼装置2において可燃性固形分を再燃
焼させ、5ないし10%程度となるように調整される。
これは、ロータリキルンに投入されたごみに産業廃棄物
や生ごみが多く含まれ発熱量が低い場合に、投入粉炭量
が多くなることにも基因する。しかし、発熱量の高いご
みである場合には残留カーボン量が少なくなることもあ
るので、本装置の採否はごみの品質等に応じて決定すれ
ばよい。ちなみに、後燃焼装置としては例えば移動式ス
トーカ炉もしくは回転グレート炉といったものが使用さ
れる。
【0076】ところで、前述した空気供給装置8は、以
下に記す独特の構造となっている。これは図4に示すよ
うにロータリキルン1の円筒形炉体への装着にふさわし
い多段式環状通路を形成しているものであり、図5のよ
うに投入シュート7の下方から高温ガスを装入物6Aの
堆積層に吹きつけることができるように配慮されてい
る。これは高温ガスを装入物の表層のみを加熱しがちな
流れとならないようにするための配慮である。
【0077】そして、高温ガスの適度な分散を図ること
ができ、投入されたごみの乾燥や予熱操作も均一になさ
れて熱分解が速やかとなり、所望する熱分解ガスと可燃
性固形分の生成を促進させることができる。すなわち、
多段式環状通路になっていると、処理用ごみを乾燥およ
び予熱するための高温ガスを堆積層の上中下の各層部に
供給することができるからである。
【0078】この多段式環状通路の外周側通路の開口部
cは、内周側通路の開口部bよりもロータリキルン1内
の下流側に位置していることが図5から分かる。このよ
うに開口部a,b,c,dをずらせた配置にしておく
と、投入された直後の装入物6Aと分散された高温ガス
との接触が段階的になされる。このとき、装入物の堆積
層から高温ガスが急激に脱気することも抑制される。す
なわち、高温ガスが堆積層を突き破って直ちに上部空間
に抜けることが少なくなり、ごみ層がロータリキルンの
回転につれて下流側へ移動し、その部分で層が薄くなっ
た状態においても乾燥や予熱作用が維持されやすくな
る。
【0079】この多段式環状通路を形成する空気供給装
置8は、ごみ受入ピットで発生の臭気を含む空気をガス
式空気予熱器5(図1を参照)で加熱して生成された5
00℃前後の予熱用の高温ガスを噴出させるものであ
る。なお、多段式環状通路は予熱用空気供給装置8Aの
みを構成するものであってもよいが、本例においては、
多段式環状通路の最外通路が、破砕物堆積最下層に着火
用の高温ガスを供給して破砕物に着火させる着火用空気
供給装置8Bとして供されている。
【0080】このようにしておけば、破砕物の乾燥およ
び予熱のみならず、その後にごみに着火させて燃焼雰囲
気の昇温を早めると共に、低酸素状態でのごみの熱分解
すなわちごみの蒸し焼きを早めることができる。空気供
給装置を予熱用と着火用とに併用していると、この装置
の小型化が図られるうえに、着火用高温ガスを乾燥およ
び予熱されたごみに集中して向けることができ、着火も
円滑に進む。
【0081】多段式環状通路を形成する各段通路は、図
4のようにロータリキルンの周方向に並べられた複数個
の円弧状通路ブロック8mからなる。これは、一見複雑
な多段式環状通路をロータリキルン内に容易に装着する
ことができるものである。その単体は図6のごとくのも
ので、鋳鋼品等である。
【0082】円弧状通路ブロック8mには仕切壁8pが
設けられ、ロータリキルンの長手方向に延びて周方向に
並ぶ複数のセル8cが多段式環状通路の各段に多数画成
される。図4のような蜂の巣のような各セルに供給され
た高温ガスは、この仕切壁8pによって各段内で所定の
噴出位置まで無用の拡散が防止されつつ案内され、高温
ガスを集中して装入物に接触させることができる。
【0083】円弧状通路ブロックには環状通路各段の境
界をなすために外周壁を形成させてもよいが、図6のご
とく内周壁8wを形成しておき、各仕切壁8pをその内
周壁からロータリキルンの半径方向外方へ延びるような
形状としておく。各セルを形成する左右の仕切壁は外方
に向かって開いた恰好となり、鋳造も容易となる利点が
ある。なお、この円弧状通路ブロックは炉体に対してボ
ルト等によって固定される。
【0084】例えば最外周部のブロック8m1 は図4の
ように耐火物1aと鉄皮1bを貫くボルト8aにより固
定され、内周側のブロック8m2 ,8m3 ,8m4 はそ
れぞれ外周側に位置するブロックにねじ8bで止められ
る。なお、ブロックの隣りあう隙間を小さくしておく場
合には、図6の左部のようにフランジ8f,8fを重ね
るようにしておけばよく、固定用のボルト等の数も少な
くしておくことができる。
【0085】ちなみに、図5に示した着火用空気供給装
置8Bに供給される着火用高温ガスはフレッシュエアで
もよいが、予熱用空気供給装置8Aに導入される高温ガ
スの一部を熱風炉において800℃以上に生成した熱ガ
スとしておけば、図1に示した熱風炉32におけるエネ
ルギ消費が可及的に少なくなることも述べるまでもな
い。この着火用高温ガスによれば酸素を積極的に供給し
なくてもごみの着火は確実になされ、同時に臭気成分も
完全に分解なされる。
【0086】このような各空気供給装置8A,8Bに高
温ガスを送り出すため、ガス導入口が図5に示すキルン
1の上流側端を閉止している蓋板1cに開口される。こ
のガス導入口は予熱用空気供給装置8Aに高温ガスを供
給するための第一導入口1Aと着火用空気供給装置8B
に熱ガスを供給する第二導入口1Bとからなり、いずれ
も図4に示すように横に長い例えば矩形状となってい
る。
【0087】次に、上記した各種装置により、ごみを処
理して天然石の組成に近い緻密で無害なコンクリート用
人工骨材を製造する工程を説明する。図1を参照して、
ごみ受入ピット20に集められた各種廃棄物はクレーン
21によって適宜受入ホッパ22に移される。ごみを乾
燥したり熱分解させるためには、サイズを揃えたり採取
可能な鉄屑等の磁着物を取り除いておく必要がある。先
ず、第一破砕機23において50mm程度に砕かれ、破
砕し得ない粗大物はスクリーン24によって、また磁着
物は図示しない磁石によって取り除かれる。
【0088】さらに、第二破砕機25によって20ない
し30mm程度に砕かれ、これがロータリキルンの上流
側に設けた投入ホッパ26に貯えられる。図2に示す投
入シュート7の下部に設けたプッシャ7Aにより、破砕
物6が炉内に投入される。この破砕物には空気供給装置
8から高温ガスが吹きつけられ、直接接触によってごみ
が乾燥および予熱される。この高温ガスは前述したよう
に、ごみ受入ピットで発生した臭気を含む空気を予熱し
て生成された450ないし500℃程度となっている。
【0089】第一導入口1Aから供給された高温ガスは
図4のように多段式環状通路のうち内側の三段に送り出
され、図5に示したa,b,cの各開口部から噴出され
る。各段の通路はセルを形成するように仕切られている
ので、高温ガスが各段において第一導入口1Aに直面し
たセルのみを通過して装入物6Aに向かう。キルンは例
えば1〜3rpm程度で回転しているので、ごみは投入
直後からに周壁に沿って上昇しては崩れる現象を繰り返
す。したがって、開口部bにおいては開口部aにおいて
高温ガスを浴びることができなかったごみに高温ガスを
接触させることができる。
【0090】このようにして、順次各開口部から噴出さ
れる高温ガスが、下流側へ向かう装入物6Aを可及的均
一に加熱する。図4を参照して、円弧状通路ブロック8
mも高温ガスによって加熱され、各内周壁8w上のごみ
を伝熱加熱する。各段の円弧状通路ブロック8mは装入
物の載る面すなわち内周壁の内側面が滑らかであること
から、ごみが付着したり絡みついたりして局部的な加熱
となったり、ごみの流れが悪くなることはない。一方、
各円弧状通路ブロック8mは常に高温ガスに曝されてい
るわけではなく、炉体の回転に伴って第一導入口1Aか
ら離れた後は放熱するので、熱変形をきたしたりするこ
ともない。
【0091】第二導入口1Bから供給された800℃の
高温ガスも予熱用空気供給装置の場合と同様に挙動す
る。とりわけ、第二導入口1Bの幅は小さく設定されて
いるので、円弧状通路ブロック8m1 の一つのセルが高
熱に曝される時間は短くなる。この熱ガスは乾燥したご
みに火をつけて燃やすことを目的としているが、火炎を
送り出すものではないから、燃焼用の空気を積極的に供
給する必要もない。これによっても低酸素状態における
ごみの熱分解を妨げることもなくなる。
【0092】この着火用空気は熱風炉32で生成される
ことはすでに述べたが、熱風炉においては圧力を掛けた
状態にしておけば、最外周部のブロック8m1 を通過す
る高温ガスはジェット状となる。予熱中にごみの堆積層
内に漂う水蒸気が吹き払われることにもなり、着火がよ
り一層円滑に進む。
【0093】以上のような操作による予熱や乾燥によっ
てごみに含まれた水分が蒸発することは言うまでもない
が、ごみ中の揮発成分もガス化する。このとき高温ガス
によって持ち込まれた臭気成分の大部分も焼却される
が、完全に消失し得なかったとしてもロータリキルン内
に閉じ込められたままとなる。同時に、ごみに含まれる
プラスチック等が燃焼する際にダイオキシンの発生する
ことは避けられないが、これもまたキルン内にあって外
部に放出されることはない。
【0094】図1のごとく下向き勾配に設置されかつ常
時回転する炉体によって、予熱された装入物は下流側に
向かって移動する。炉体の中間部以降には粉炭を供給す
るスクープフィーダ10が幾つもあり、装入物を蒸し焼
きするに適した量の空気が押込送風機14の風量制御に
より、エア供給管11を介してスクープフィーダの開口
部10bの近傍から供給される。このようにして装入物
6Aは低酸素状態において熱分解されると共に粉炭に含
まれる揮発分も燃焼し、熱分解ガスと可燃性固形分とが
生成される。
【0095】熱分解ガスの大部分は水分であるが、CO
2 のほかにかなりの量のCOが含まれる。このような還
元性雰囲気において装入物は加熱されるが、その可燃性
固形分は粉炭から揮発成分の抜けたカーボンの含まれた
ものとなる。カーボン含有量は5ないし20%となる
が、エア供給管11から供給される空気の量に制限を加
えているので装入物に対する攪乱作用が抑えられ、飛灰
の発生は可及的に少なくなる。
【0096】この可燃性固形分はキルン1から出ると直
ちに図1の移動式ストーカ炉2もしくは回転グレート炉
に赤熱状態で移される。赤熱灰には上記したように多量
のカーボンが含まれているので、後の還元溶融工程にお
ける処理にふさわしい量としておくために赤熱灰を火格
子やグレートに載せ、下方から空気を供給してカーボン
分が燃やされる。その空気は外気でもよいが、ロータリ
キルンに供給される予熱用ガスと同じものとしておいて
もよい。
【0097】カーボンが燃えると赤熱灰上に炎が上がる
が、移動端に到達する時点で炎が大きく立たないよう
に、ITV27で観察しながら灰の移動速度が火格子や
グレートの駆動速度の制御によって調整される。すなわ
ち、炎が大きい間は多くのカーボンが燃焼しており、移
動につれて炎が小さくなれば灰に含まれるカーボンが減
少していることになる。これによって移動端においては
所望するカーボン含有量の灰となる。
【0098】この後燃焼操作においてもCOが発生する
が、これが火炉4に向けて上昇すれば、キルン1で発生
したCOと同様に燃焼される。火炉4には新気またはご
み受入ピットで発生した臭気を含む空気もしくはそれを
昇温させた高温ガスが空気供給口から導入されるので、
CO2 の生成の際の発熱で火炉内雰囲気が1,300℃
にもなる。COは無くなり、同時に残留ダイオキシンや
残留臭気成分も完全に熱分解される。
【0099】燃焼ガスは廃熱ボイラ17に供され、ごみ
発電される。その廃ガスは誘引送風機28でバグフィル
タ29へ導かれて煙突30から放出されるが、その過程
において煙道に設けたガス式空気予熱器5を通過する。
このガス式空気予熱器には押込送風機31によってごみ
受入ピット20の臭気を含んだ空気が導入され、450
ないし500℃程度の高温ガスとなるように熱交換され
る。このガスは上記したごとくロータリキルン等に供給
され、熱エネルギの系外への逸散を可及的に少なくして
いる。
【0100】後燃焼装置2を経た可燃性固形分は、火炉
4の下端から赤熱状態のまま排出される。この焼却残渣
は一旦保温サイロ35に貯えられるが、その際に20な
いし30mm径となるように篩分けられる。耐火物で保
温の図られたサイロの上部には回転するホットスクリー
ン36が配置され、還元溶融操作にふさわしくない粗粒
が除去される。粗粒は別途空冷するなどした後に第二破
砕機25等へ戻され、ごみと共に破砕される。
【0101】篩下は保温サイロ35から定量切り出しさ
れて残渣コンテナ37に投入され、副原料であるドロマ
イト38や適宜の量のコークス39も秤量して混ぜられ
る。なお、ドロマイトは溶融される焼却残渣にMgOを
添加し、CaO−SiO2 −Al2 3 −MgOの四元
系相平衡状態における共晶凝固によって再結晶させたと
きに、天然岩石とほぼ同じ組成のスラグが得られるよう
に溶融スラグの成分を調整するためのものである。そし
て、コークスは還元反応に必要なカーボン量を最終調整
するためのものである。いずれの添加量も予め把握され
ているごみの組成を考慮したうえで決定される。
【0102】このようにして調整された原料は、600
ないし700℃といった高温のまま電気溶融炉3の炉頂
サイロ40に投入される。これをホットチャージした後
の処理は、従来技術の項にも記載したとおりである。な
お、電気溶融炉は次に簡単に触れるサイドチャージ式の
サブマージドアーク直流抵抗炉が好適であるが、装入形
態は如何にあれサブマージドアーク直流抵抗炉であれ
ば、原料を円滑に溶融して溶融スラグが生成される。
【0103】同時に、原料中の鉄系酸化物がフォーミン
グスラグ層において還元され、Cが3.0%以上、Si
が4ないし8%の溶融銑鉄も生成される。原料に含まれ
る他の重金属類Cr,Ni,Co,Cu,Mn,Mo等
および還元可能なP2 5 やAs酸化物等を還元して生
じた元素P,As等は溶銑滴に溶け込む。
【0104】図7を参照して、図では詳細に表されてい
ないが炉床に広がる炉底電極43から可動マイナス電極
棒44に電気が流されると、その電気抵抗熱で鉄系金属
が還元され、溶銑滴がフォーミングスラグ層45や溶融
スラグ46の層中を落下し、比重の大きい溶融銑鉄47
が炉底に貯溜される。この溶融銑鉄は例えば鋳物用原料
銑等として利用することができ、ごみからの金属資源の
回収が実現される。
【0105】炉内の高い温度で溶けた比重の小さな溶融
スラグ46は重金属類等を可及的に含まず、1,500
℃前後に維持されて溶融銑鉄47の上方に滞留する。そ
の滞留時間を十分に確保すれば、溶融スラグが脱泡され
る。この溶融スラグはガス含有率が極めて低く重金属等
を含まない純粋なスラグであるので、固化させれば重金
属類や有害物質が溶出することのない人工砂利等を得る
ことができる。
【0106】溶融スラグ46はその層高ヘッドを利用し
て出滓されるが、溶融スラグをスラグ凝固設備に移す際
の降温を防止しておく必要のある場合が多い。そのため
に前炉48が付設されており、還元溶融炉内のスラグレ
ベルを保って効率のよい還元溶融作用を維持させ、また
溶融スラグ層の最下部からスラグを抜き出してより一層
純粋なスラグが出滓される。
【0107】以上のような操業の間に原料が溶融してス
ラグ化すると、フォーミングスラグ層上の粉粒状原料が
減少する。そのために原料がサイドチャージ口49から
補給される。各サイドチャージ口から炉内に装入された
原料は可動マイナス電極棒に向かって略扇状に広がる。
原料はサラサラした粉粒状であるゆえに崩れて末広がり
となった先端部分では層厚が薄くなる。
【0108】原料にはガスが残存するが、混在するカー
ボンやコークスによって原料が還元溶融されると、原料
中の残留ガスや還元反応によりCOが生成される。この
量は一般の電気炉の場合よりも少ないが、サイドチャー
ジによる意図的な厚薄の生じた原料堆積層の薄層部から
円滑に排気され、静かな還元溶融が維持される。
【0109】炉床に溜まった溶融銑鉄47は意図的に少
量を残して、出銑口50から一日または二日ごとに図示
しない取鍋等に出湯される。原料はほとんど揮発分や水
分を含まず、還元溶融時に多量の水蒸気を発生させるこ
とがなく、揮発性物質の燃焼による燃焼ガスが大量に発
生することもない。したがって、静かな還元溶融が実現
されること、原料のホットチャージによって原料の流動
性が極めてよいことから、プッシャによるサイドチャー
ジ方式よる適量の原料供給とあいまって、炉操業の無人
化や自動化運転が実現される。
【0110】出滓口51から直接もしくは前炉48を経
て溶融銑鉄とは独立して出滓された溶融スラグ46は清
澄なものであり、以後の固化操作さらには破砕や熱処理
操作に適したように加工しやすくなり、CaO−SiO
2 −Al2 3 −MgOの四元系相平衡状態における共
晶凝固によって再結晶したリサイクル品は金属類を含ま
ない鉱物質となる。このようにして天然石や砂に極めて
近い無害化の図られた人工岩石等を得ることができる。
その一方で金属資源が回収され、廃棄物の利用度が著し
く高められる。
【0111】このようなごみ処理設備によれば、ロータ
リキルンならびに火炉においてはダイオキシンの発生を
防止し、品質の高い建築土木資材を提供することができ
る。ロータリキルンにおける処理には溶融操作を含まな
いこと、また溶融装置としてキルンとは独立して設けた
電気炉が採用されているので、キルンにおける不完全溶
融といた事態の発生はなく、収集ごみ量に応じた処理能
力をそれぞれの装置に与えておくことができる。したが
って、地区のごみ収集行政やごみ発生量に合わせた設備
規模を自由に選定することが可能となり、50トン/日
といった小規模な処理にも対応させることができるよう
になる。
【0112】ロータリキルンにおいては粉炭が供給され
るので、分別収集によって低発熱量のごみだけであって
も、所望する低酸素状態でのごみの熱分解と、発生した
可燃性ガスおよび可燃性の固形分を高温燃焼させること
ができる。キルンへはごみ受入ピットで発生した臭気を
含む空気を火炉で発生させた燃焼ガスで熱交換した高温
ガスが導入され、排熱の回収とキルンへの投入エネルギ
の節減が図られる。ごみ受入ピットで発生した臭気成分
も焼却によって分解しておくことができ、におい公害も
併せて防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るごみ処理設備における還元溶融
工程までを表したごみ処理系統概略図。
【図2】 本発明で採用されるロータリキルンの縦断面
図。
【図3】 (a)は図2中のII−II線矢視断面図、
(b)は III−III 線矢視断面図。
【図4】 図2中におけるIV−IV線矢視拡大断面図。
【図5】 図2中の多段式環状通路を形成する空気供給
装置の装着部分の拡大断面図。
【図6】 多段式環状通路を形成する円弧状通路ブロッ
ク単体の斜視図。
【図7】 還元溶融工程で採用される電気溶融炉の一例
であって、サイドチャージ式のサブマージドアーク直流
抵抗炉の断面図。
【図8】 間接加熱式ロータリキルンにおける加熱用ガ
スパイプの配置を示した断面図。
【符号の説明】
1…ロータリキルン、2…後燃焼装置、3…電気溶融
炉、4…火炉、5…ガス式空気予熱器、6…ごみ(破砕
物、処理用ごみ)、7…ごみ投入シュート、8…空気供
給装置、8A…予熱用空気供給装置、8B…着火用空気
供給装置、8c…セル、8m…円弧状通路ブロック、8
1 …最外周部のブロック、8m2 ,8m3 ,8m4
内周側のブロック、8p…仕切壁、8w…内周壁、9…
粉炭、10…スクープフィーダ、11…エア供給管、2
0…ごみ受入ピット、23…第一破砕機、25…第二破
砕機、32…熱風炉、38…ドロマイト(副原料)、3
9…コークス(副原料)、46…溶融スラグ、47…溶
融銑鉄(金属溶湯)、a,b,c,d…多段式環状通路
の各出口開口部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K061 GA05 KA02 KA06 KA09 KA15 KA21 KA27 4D004 AA46 AB07 BA02 CA04 CA24 CA29 CA37 CA48 CB09 CB13 CB32 CC02 CC11 DA03 DA06 4G012 JF03 JG01 JG03 4G075 AA41 BB03 CA17 CA45 CA62 EA05 ED09 ED20 FB11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ等の廃棄物を熱分解し、熱分解ガス
    と共に発生した可燃性固形分を高温溶融することにより
    溶融スラグを得るようにしたごみ処理法において、 一般ごみや産業廃棄物等の処理用ごみを適宜のサイズに
    破砕し、 破砕された処理用ごみにごみ受入ピットで発生の臭気を
    含む空気を加熱して生成された予熱用高温ガスを吹きつ
    け、該予熱用高温ガスを直接的にごみ堆積層に接触させ
    ることにより前記処理用ごみを乾燥および予熱し、 予熱された処理用ごみに粉炭と適量空気とを供給し、低
    酸素状態において該処理用ごみを熱分解して熱分解ガス
    と可燃性固形分とを生成させ、 該熱分解ガスを燃焼させ、発生した燃焼ガスとごみ受入
    ピットで発生した臭気を含む空気とを熱交換して前記高
    温ガスを発生させ、 前記可燃性固形分を高温状態のまま副原料と共に還元溶
    融し、金属溶湯上に金属類を含まない溶融スラグを生成
    させるようにしたことを特徴とするごみ処理方法。
  2. 【請求項2】 前記予熱用高温ガスを処理用ごみに吹き
    つけると共に、予熱中の最下層に着火用高温ガスを供給
    して処理用ごみに着火させるようにしたことを特徴とす
    る請求項1に記載されたごみ処理方法。
  3. 【請求項3】 前記高温ガスを可燃性固形分に供給して
    含有カーボンを燃焼させ、該可燃性固形分中の灰分に対
    する熱分解カーボン量を低減させた後に、高温状態のま
    ま副原料と共に還元溶融することを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載されたごみ処理方法。
  4. 【請求項4】 前記処理用ごみを乾燥および予熱するた
    めの高温ガスを、堆積する処理用ごみの上中下の各層に
    供給し、最下層には着火用高温ガスを導入するようにし
    たことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
    一項に記載されたごみ処理方法。
  5. 【請求項5】 ごみ等の廃棄物を熱分解し、熱分解ガス
    と共に発生した可燃性固形分を高温溶融することにより
    溶融スラグを得るようにしたごみ処理設備において、 一般ごみや産業廃棄物等の処理用ごみを適宜のサイズに
    破砕した破砕物を一端から投入するごみ投入シュート、
    該投入シュート下方から高温ガスを破砕物堆積層に吹き
    つける多段式環状通路を形成した空気供給装置、前記高
    温ガスと接触した破砕物に炉殻を貫通して粉炭を供給す
    るスクープフィーダ、適量空気を導入するエア供給管を
    有したロータリキルンと、 該ロータリキルンの出口側に連なり、ロータリキルン内
    で発生した熱分解ガスを燃焼させ、ごみ受入ピットで発
    生した臭気を含む空気を加熱するための燃焼ガスを発生
    させる火炉と、を備えることを特徴とするごみ処理設
    備。
  6. 【請求項6】 前記エア供給管と前記スクープフィーダ
    の粉炭供給管とは二重管を形成し、空気が粉炭供給管の
    周囲から吹き込まれるようになっていることを特徴とす
    る請求項5に記載されたごみ処理設備。
  7. 【請求項7】 前記火炉の下部に位置して前記ロータリ
    キルンから排出された直後の可燃性固形分中の熱分解カ
    ーボン量を低減させるための後燃焼装置が設けられてい
    ることを特徴とする請求項5または請求項6に記載され
    たごみ処理設備。
  8. 【請求項8】 前記多段式環状通路の外周側通路の開口
    部は、内周側通路の開口部よりもロータリキルン内の下
    流側に位置していることを特徴とする請求項5ないし請
    求項7のいずれか一項に記載されたごみ処理装置。
  9. 【請求項9】 前記多段式環状通路は、ごみ受入ピット
    で発生の臭気を含む空気を加熱して生成された予熱用高
    温ガスを砕物堆積層に吹きつける予熱用空気供給装置と
    なっていることを特徴とする請求項5ないし請求項8の
    いずれか一項に記載されたごみ処理装置。
  10. 【請求項10】 前記多段式環状通路の最外通路は、破
    砕物堆積最下層に着火用高温ガスを供給して処理用ごみ
    に着火させる着火用空気供給装置となっていることを特
    徴とする請求項5ないし請求項9のいずれか一項に記載
    されたごみ処理設備。
  11. 【請求項11】 前記着火用空気供給装置に供給される
    着火用高温ガスは、ごみ受入ピットで発生の臭気を含む
    空気を加熱して生成された予熱用高温ガスを熱風炉にお
    いて800℃以上に生成した熱ガスであることを特徴と
    する請求項10に記載されたごみ処理設備。
  12. 【請求項12】 前記多段式環状通路を形成する各段通
    路は、ロータリキルンの周方向に並べられた複数個の金
    属製円弧状通路ブロックからなっていることを特徴とす
    る請求項5ないし請求項11のいずれか一項に記載され
    たごみ処理設備。
  13. 【請求項13】 前記円弧状通路ブロックには、ロータ
    リキルンの長手方向に延びて周方向に複数のセルが並ぶ
    ように画成する仕切壁が設けられていることを特徴とす
    る請求項12に記載されたごみ処理設備。
  14. 【請求項14】 前記円弧状通路ブロックには環状通路
    各段の境界をなす内周壁が形成され、前記仕切壁は該内
    周壁からロータリキルンの半径方向外方へ延びているこ
    とを特徴とする請求項13に記載されたごみ処理設備。
JP11873999A 1999-04-26 1999-04-26 ごみ処理設備 Expired - Fee Related JP3980216B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11873999A JP3980216B2 (ja) 1999-04-26 1999-04-26 ごみ処理設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11873999A JP3980216B2 (ja) 1999-04-26 1999-04-26 ごみ処理設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000310408A true JP2000310408A (ja) 2000-11-07
JP3980216B2 JP3980216B2 (ja) 2007-09-26

Family

ID=14743880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11873999A Expired - Fee Related JP3980216B2 (ja) 1999-04-26 1999-04-26 ごみ処理設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3980216B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007314352A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Chubu Recycle Kk 結晶質溶融スラグの製造方法
JP2015190651A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 Jx日鉱日石金属株式会社 廃棄物の処理方法
CN106001061A (zh) * 2016-06-16 2016-10-12 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106001060A (zh) * 2016-06-16 2016-10-12 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106077023A (zh) * 2016-06-16 2016-11-09 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106077026A (zh) * 2016-06-16 2016-11-09 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106077024A (zh) * 2016-06-16 2016-11-09 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106077027A (zh) * 2016-06-16 2016-11-09 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106077025A (zh) * 2016-06-16 2016-11-09 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106391647A (zh) * 2016-06-16 2017-02-15 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN109701997A (zh) * 2019-02-13 2019-05-03 安徽中泰创展环境科技股份有限公司 一种太阳能协同利用的生活垃圾处理***及方法
CN109708125A (zh) * 2019-02-14 2019-05-03 长沙中硅水泥技术开发有限公司 一种处理砷碱渣及低熔点重金属废渣组合式熔炼炉
CN112304819A (zh) * 2020-05-28 2021-02-02 北京建工资源循环利用投资有限公司 建筑垃圾处理设备健康度监测方法及***
CN113639271A (zh) * 2021-08-11 2021-11-12 上海泰欣环境工程有限公司 一种垃圾焚烧电厂烟气超净排放处理工艺
CN113884166A (zh) * 2021-08-23 2022-01-04 苏州西热节能环保技术有限公司 一种炉排漏渣率监控方法
CN115404337A (zh) * 2022-09-02 2022-11-29 湖南博一环保科技有限公司 回转窑热渣全自动压块***

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106987257B (zh) * 2017-04-13 2019-12-27 北京工商大学 一种村镇生活垃圾热解气化装置

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007314352A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Chubu Recycle Kk 結晶質溶融スラグの製造方法
JP4712611B2 (ja) * 2006-05-23 2011-06-29 中部リサイクル株式会社 結晶質溶融スラグの製造方法
JP2015190651A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 Jx日鉱日石金属株式会社 廃棄物の処理方法
CN106391647A (zh) * 2016-06-16 2017-02-15 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106001060A (zh) * 2016-06-16 2016-10-12 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106077023A (zh) * 2016-06-16 2016-11-09 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106077026A (zh) * 2016-06-16 2016-11-09 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106077024A (zh) * 2016-06-16 2016-11-09 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106077027A (zh) * 2016-06-16 2016-11-09 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106077025A (zh) * 2016-06-16 2016-11-09 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN106001061A (zh) * 2016-06-16 2016-10-12 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 处理生活垃圾的***和方法
CN109701997A (zh) * 2019-02-13 2019-05-03 安徽中泰创展环境科技股份有限公司 一种太阳能协同利用的生活垃圾处理***及方法
CN109708125A (zh) * 2019-02-14 2019-05-03 长沙中硅水泥技术开发有限公司 一种处理砷碱渣及低熔点重金属废渣组合式熔炼炉
CN112304819A (zh) * 2020-05-28 2021-02-02 北京建工资源循环利用投资有限公司 建筑垃圾处理设备健康度监测方法及***
CN112304819B (zh) * 2020-05-28 2024-01-23 北京建工资源循环利用投资有限公司 建筑垃圾处理设备健康度监测方法及***
CN113639271A (zh) * 2021-08-11 2021-11-12 上海泰欣环境工程有限公司 一种垃圾焚烧电厂烟气超净排放处理工艺
CN113884166A (zh) * 2021-08-23 2022-01-04 苏州西热节能环保技术有限公司 一种炉排漏渣率监控方法
CN113884166B (zh) * 2021-08-23 2024-06-11 苏州西热节能环保技术有限公司 一种炉排漏渣率监控方法
CN115404337A (zh) * 2022-09-02 2022-11-29 湖南博一环保科技有限公司 回转窑热渣全自动压块***
CN115404337B (zh) * 2022-09-02 2023-05-30 湖南博一环保科技有限公司 回转窑热渣全自动压块***

Also Published As

Publication number Publication date
JP3980216B2 (ja) 2007-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3980216B2 (ja) ごみ処理設備
WO1997049953A1 (fr) Procedes pour le traitement par fusion de dechets solides en vue de leur gazeification
JP4525009B2 (ja) ロータリーキルンによる廃棄物処理方法
GB2238860A (en) Process and apparatus for incineration
JP3973123B2 (ja) 噴流加熱式ロータリドライヤ
JP2002295817A (ja) 可燃ゴミのガス化溶融炉およびガス化溶融方法
JP4660260B2 (ja) 建設残さの再生処理装置
JPH10167783A (ja) 焼却灰からのコンクリート用人工骨材の製造法および製造装置
JP3838589B2 (ja) 廃棄物の熱分解ガス化及び溶融方法と装置
JP3483054B2 (ja) 還元溶融スラグ生成用の直流電気溶融炉
JP2001021129A (ja) 直結型焼却灰溶融設備及びその運転制御方法
KR200178486Y1 (ko) 폐기물 건조 용융시스템
JPH11241817A (ja) ガス化溶融システム
KR20010082743A (ko) 가연성쓰레기의 가스화용융로 및 가스화 용융방법
JPH0212324B2 (ja)
JP3891754B2 (ja) 廃プラスチック類の微粉細燃焼を利用したごみ焼却灰の熔融システム
JP3725684B2 (ja) 廃棄物溶融処理方法及び廃棄物溶融処理装置
JP3508072B2 (ja) コンクリート用塊状人工骨材の製造法および製造装置
JPH10141620A (ja) 熱分解残留物の排出方法および廃棄物処理装置
JP2001317717A (ja) 含油スラッジ焼却炉および含油スラッジ焼成方法
JPH09236238A (ja) 灰の溶融装置およびその方法
JP3154378B2 (ja) コンクリート用人工骨材の製造法および製造装置
JP2000249316A (ja) ガス化溶融設備
KR100535196B1 (ko) 화격자소각로로부터의플라이더스트를열적처리하기위한방법및장치
JP3278780B2 (ja) 焼却装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110706

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130706

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees