JP3570653B2 - 気相薄膜成長装置及び気相薄膜成長方法 - Google Patents

気相薄膜成長装置及び気相薄膜成長方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は気相薄膜成長装置及び気相薄膜成長方法に関し、特に、高品質が要求される半導体ウエハ基板の製造工程に適用される汚染物の発生の少ない気相薄膜成長装置及び結晶欠陥が少なく均一な膜厚の薄膜を形成する気相薄膜成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来の気相成長装置の一例を示す概略説明図である。図8において、一般に円筒状の反応炉80内の下部には、例えばシリコンウエハ等のウエハ基板81を載置する回転基板ホルダー82、回転基板ホルダー82を回転させるための回転軸83及び加熱用のヒータ84が配設され、回転軸83には回転駆動するモータ(図示せず)が接続されている。また、反応炉80底部には未反応ガス等を排気する複数の排気口85、85が配設されて排気制御装置(図示せず)に接続されている。一方、反応炉80の頂部には炉内に原料ガスやキャリアガスを供給する複数のガス供給管86、86と円盤状の整流板87とが配設され、整流板87には、ガスの流れを整える多数の孔87aが穿設されている。従来の気相成長装置は上記のように構成され、モータの回転駆動によって所定の回転数で回転する回転基板ホルダー82上に載置された基板81は、回転しながらヒータ84により所定温度に加熱される。同時に、反応炉80内には原料ガスやキャリアガス等の反応ガスを複数のガス供給管86、86を介して導入しガス運動量や圧力分布を均一化し、次いで反応炉内のガス流速分布が均一なるように整流板87の多数の孔87aを通過させ、回転基板ホルダー82上のウエハ基板81に反応ガスを均一に供給して薄膜を気相成長させている。
【0003】
上記したような半導体ウエハ上へ薄膜を形成する気相成長装置においては、薄膜形成ガスによるパーティクルの発生や反応炉内壁への析出物の付着を防止するため、また、薄膜形成時の不都合により結晶欠陥が生じないようにして薄膜が均質で且つ膜厚が均一な薄膜形成ウエハが得られるように各種の提案がなされている。例えば、特開平5−74719号公報では原料ガスの供給流量を所定に制御して反応炉内の温度変化を防止することにより結晶欠陥の防止を図っている。特開平5−90167号公報では薄膜形成時のウエハ基板の面内温度分布を均一にするように原料ガス量、炉内圧力、回転基板ホルダの回転数等を所定に制御してスリップの防止を図っている。特開平6−216045号公報では析出物が生じ易い反応炉内壁の一部に内周面を平滑に維持して遮蔽管を配設し、薄膜形成操作を行った後の反応炉洗浄を容易にすると共に、ガス流を層流状態に維持して均質な薄膜の形成を図るものである。また、特開平7−50260号公報では、原料ガスやキャリアガスの反応炉への導入方法を所定にすることにより、ガス運動量やガス圧を均一にして均一な流速で原料ガス等を基板上に供給して薄膜厚の均一化を図るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の各種提案の従来の気相成長装置においても、薄膜成長させたウエハ基板で、結晶欠陥が生じたり、パーティクル付着等の不都合が十分に防止できるとはいえず、また、特に近年の半導体における超高集積化に伴い、ウエハ基板は、ますます高品質化が要求されるようになったことから、薄膜形成ウエハ基板の僅かな欠陥の品質低下も問題になることが多くなっている。本発明は、このような従来の気相成長装置による気相成長薄膜形成でのウエハ基板の品質低下に鑑み、それらを解決する目的でなされたものである。発明者らは、先ず、従来の気相成長装置で生じている現象について詳細に検討した。その結果、反応炉壁にパーティクルが多く付着する現象が観察され、そのため、メンテナンスサイクルを短縮させたり、この反応炉壁に付着したパーティクルが、ウエハ基板に付着し結晶欠陥の原因となったり、付着パーティクルとして直接にウエハ品質の低下をもたらす原因となっていることを知見した。
【0005】
発明者らは、上記知見から、更に、反応炉壁でのパーティクル多量付着現象の原因を見出すべく、反応炉内での原料ガス流れ等を検討した。その結果、下記する現象が反応炉内で生じることが更に明らかになった。即ち、▲1▼上記のように反応炉頂部より導入され均一な流速でウエハ基板81上に供給されるシリコン原料ガス等の反応ガスは、ヒータ84により加熱され上部より高温となっている反応炉80の下部のウエハ基板81近傍に到達し加熱される。その結果、図8に矢印で示したように、上昇ガス流が生じ、反応炉壁に沿って反応ガスの舞上り現象が生じ、ガス渦流の発生が起こる。▲2▼また、加温された反応ガスが上昇することから、反応炉80内全域の温度も上昇し気相中での薄膜形成原料ガスの均一核生成が増大し、気相中でのパーティクル発生が増大する。▲3▼更に、上記ガス渦流が発生すると、回転基板ホルダー82上のウエハ基板81の外周部で反応ガス中のドーパントの再取込が起こるおそれがあり、得られるウエハ基板の面内抵抗値分布の不均一化の原因ともなる。▲4▼更にまた、ウエハ基板近傍に流下した反応ガスの反応炉上方への舞上り現象は、ガス渦流の発生とは別に、回転基板ホルダー82外周側に、いわゆる“ガス流の荒れ”といわれるガス流が複雑な流れとなる乱れが生じることになる。このガス流の荒れが生じると、排気口85から排出されるべき未反応ガスが反応して回転基板ホルダー82外周面に薄膜成分が析出したり、その回転基板ホルダー82外周面に対向する反応炉壁にパーティクルが付着したりすることになる。
【0006】
上記した各種の不都合を引き起こすガス渦流やガス流の荒れの発生は、従来法において回転基板保持体軸方向へのガス流速を約1m/s以上の極めて早い速度とすることによりある程度抑制可能である。しかし、そのためには大量のキャリアガスを流す必要がある。また、上記ガス渦流の発生を抑制するために反応炉上部の直径を下部に比べ細く絞り込みむことにより、高温の反応ガスが上昇する空間を閉塞することによりガス渦流の発生を防止することを試みた。しかし、この場合は反応炉上部等でのパーティクル付着等は防止できるが、下記する比較例に用いた反応炉上部径を細くした気相薄膜成長装置の概略説明図を示した図7で、例えば、矢印で図示したように、回転基板ホルダー外側に位置する反応炉径の拡大部分でガス渦流やガス流の荒れが発生することが知見された。径が拡大する部分でこのガス渦流やガス流の荒れが生じると、同様に反応炉下部周壁でパーティクルが付着したり、未反応ガスの反応により薄膜成分の析出が生じる等で問題発生の反応炉部域が変化するだけでメンテナンスサイクルが短縮する等の不都合が同様に生じることも明らかになった。
【0007】
発明者らは上記知見に基づき、前記した薄層形成ウエハ基板の品質低下や反応炉のメンテナンスサイクルの短縮等の不都合の原因が、反応炉内でのガスの上昇流のガス流の乱れにあることを見出すと共に、そのガス流の不都合が生じる上部空間部分を欠除させたり閉塞するのみでなく、径の異なる反応炉の上部と下部の連結部に整流ガス流出孔を設け径拡大部分にガス流を整流するため整流用ガスを積極的に導入させること、また、反応炉の上部径、下部径及び回転基板ホルダー径の比率を所定にすることにより、上記した従来の気相成長装置における反応炉壁や回転基板ホルダ反応炉下部で外周面へのパーティクルの多量の付着や薄膜成分の析出、ドーパントのウエハ外周部での取り込みを防止でき、そのためウエハ基板の品質低下を防止できることを見出し本発明を完成した。即ち、本発明は、シリコン原料ガスの均一核生成で発生したパーティクルが反応炉周壁で付着したり、薄膜成分の回転基板ホルダー外周部や炉内周壁への析出を防止する気相薄膜成長装置を提供し、同時に欠陥が少なく高品質で均一な薄膜をウエハ基板上に気相成長させる方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、中空の反応炉の頂部に複数の反応ガス供給口、底部に排気口、内部にウエハ基板を載置する回転基板保持体、及び、内部上部に複数の孔が穿設された整流板を有し、内部に反応ガスを供給して回転基板保持体上のウエハ基板表面に薄膜を気相成長させる気相成長装置において、前記反応炉の中空内部が、相当内径が異なる上下部に区分され、上部の相当内径が下部の相当内径より小さく、且つ、上部下端と下部上端とが連結部により接続され中空内部が連続すると共に、該連結部に整流ガス流出孔を有し、前記整流板が反応炉上部内の上方に内周面に密接して配備され、前記回転基板保持体が反応炉下部内の該上部下端より所定の高低差を有して下方に位置して配設されることを特徴とする気相薄膜成長装置が提供される。
【0009】
上記本発明の気相薄膜成長装置において、更に、前記連結部上に、前記整流ガス流出孔を気密に包囲してなる空間部が配設され、該空間部に整流ガス供給口を有することが好ましい。また、前記上部の側面が前記回転基板保持体上面に対し垂直であることが好ましく、前記空間部と上部とが二重環状に形成されており、前記空間部の外側面が連結部を介して前記下部上端に連続することが好ましい。更に、前記反応炉中空内部の水平断面が円形であって、前記上部直径(D1)が、前記ウエハ基板の直径より大であり、且つ、前記回転基板保持体が円形でその直径(DS)との比(D1/DS)が0.7〜1.2であることが好ましく、上部直径(D1)と下部直径(D2)との比(D2/D1)が1.2以上であることが好ましく、下部直径(D2)と回転基板保持体直径(DS)との比(D2/DS)が1.2以上であることが好ましい。更にまた、前記上部下端と回転基板保持体との高低差(H)が、該回転基板保持体上面上のガス流の遷移層厚(T)=3.22(ν/ω) 1/2 (但し、νは反応炉内雰囲気ガスの動粘性係数(mm 2 /s)を、ωは回転の角速度(rad/s)をそれぞれ表示する)より大であることが好ましい。
【0010】
また、本発明によれば、上記の気相成長装置において、回転基板保持体上部のガス流の遷移層厚(T)=3.22(ν/ω) 1/2 (但し、νは反応ガスの動粘性係数(mm 2 /s)を、ωは回転の角速度(rad/s)をそれぞれ表示する)が、前記上部の下端と前記回転基板保持体上面との高低差(H)より小さくなるように、前記複数の反応ガス供給口から薄膜形成原料ガス及びキャリアガスからなる反応ガスを供給して整流板の孔を通過させて前記ウエハ基板上に流通させると同時に、前記連結部の整流ガス流出孔を通過させて整流用ガスを導入することを特徴とする気相薄膜形成方法が提供される。また、本発明の気相薄膜成長方法において前記キャリアガス流速(GC)と前記連結部の整流ガス流出孔から導入される整流用ガス流速(GI)の比(GI/GC)が0.05〜2であることが好ましい。
【0011】
本発明の気相薄膜成長装置は上記のように構成されて、従来の気相薄膜成長装置における反応炉壁に沿って生じる反応ガスの舞上り現象によるガス渦流発生を、上部径を下部径より小さくするという炉形状を変更して発生空間を欠除させることで抑制できると同時に、反応炉上部での気相温度の上昇を防止できることから、シリコン等薄膜形成の原料ガスの均一核生成が抑制され気相中で発生するパーティクルが減少する。そのため、パーティクルが反応炉壁に付着しメンテナンスサイクルを短縮させたり、ウエハに付着し結晶欠陥の原因となったり、直接付着パーティクルとなりウエハの品質を低下すること等が防止される。また、ガス渦流の発生抑制は、回転基板ホルダー上に載置されたウエハ直上のガス流が、ウエハ中心から外周部へウエハ面に平行に流れることを妨害されることなく均等となる。そのため基板外周部での気相中のドーパントの再取込が生じることもなく、面内抵抗値分布が均一な高品質な薄層形成ウエハ基板を得ることができる。更に、反応炉上部を細くしたことから、比較的少ないキャリアガス量で回転基板保持体軸方向のガス流速を高くすることができ、従来の装置に比しキャリアガス量が低減される。
【0012】
また、反応炉の小径の上部の下端と大径の下部の上端とを連結する連結部に整流ガス流出孔を配備して、水素等の整流用ガスを所定流速で流出することができることから、回転基板ホルダー上に発生する中心から外周へのガス流れが整流されて、前記した反応炉上部径を下部より細くすることにより生じる回転基板ホルダー外周側の径の拡大する下部でのいわゆるガス流の荒れを抑制することができる。それにより、拡大径の連結部内壁や反応炉下部へのパーティクル付着や薄膜形成成分の析出を防止することができる。更に、反応炉上部径、反応炉下部径及び回転基板保持体直径の比率を所定とすることから、反応炉内のガスの上昇流を防止してパーティクル発生を減少させると共に、ガス渦流やガス流の荒れの発生を防止することができ、更に、炉壁に付着したパーティクルが回転基板保持体上のウエハ基板上に落下することを回避することができる。
【0013】
更にまた、回転基板保持体を、反応炉下部で連結部の上端である反応炉の上部下端より下方に高低差を有して配設し、特に、回転基板保持体上面に形成されるガス流の遷移層厚より大きい高低差とすることから、上部下端が円滑なガス流れを妨害することがなく、また、ガスの上昇流を防止して、ガス渦流やガス流の荒れが発生することがなく、結晶欠陥がなく高品質の薄膜形成ウエハ基板を得ることができる。また、本発明の気相薄膜成長方法は、上記の装置を用いると共に、反応ガスの導入流速、連結部からの整流用ガスの流出流速及ぶ回転基板保持体の回転速度等を制御して、回転基板保持体上に形成されるガス流の遷移層厚より、回転基板保持体上面と反応炉上部下部との高低差を大きいすることから、同様に結晶欠陥がなく高品質の薄膜をウエハ基板上に気相成長させることができる。
なお、本発明において、遷移層とは、整流板を経て供給された原料ガス流が、回転基板保持体上において中心から外周辺部方向へのベクトルを有して流れるガス層をいい、遷移層厚は回転基板保持体上における上記ベクトルを有するガス流の厚さをいう。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づきに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
図1は本発明の気相薄膜成長装置の一実施例の概略断面説明図である。図1において、反応炉10は上部1と下部2とに区分され上部1が下部2より細く形成される。即ち、上部内径D が下部内径D より小さくD <D である。反応炉10を区分する上下部の各高さH 及びH の比、即ち、区分比率は特に制限されるものでなく、下部2内に回転基板保持体等が所定に配設されればよい。通常、H /H =0.5〜2.0である。反応炉10は、大径の下部2の上端部Uと小径の上部1の下端部Bとが連結部18により接続され、上下部の径は異なるが反応炉の内部中空間が連続される。また、反応炉上部1の側壁面は、通常、下部2の側壁面と平行に垂直に形成され、回転基板保持体上面に対し垂直に形成される。上記の上部下端Bと下部上端Uとの連結部18は、通常、水平に形成するが、特に制限されるものでなく傾斜状や曲面状に形成してもよい。本発明の気相薄膜成長装置の反応炉には、上記連結部18には整流用ガスを流出するための整流ガス流出孔18aが複数穿設される。
【0015】
図1において、更に、大径の反応炉下部2には、ウエハ基板11を載置する回転基板保持体12が回転軸13により回転自在に支持され配設され、その下方には回転基板保持体12及びその上に載置されるウエハ基板11とを加熱するヒータ14が配設される。回転基板保持体12は、上面が反応炉上部下端Bより所定の高低差(H)を有して下方に位置して配設される。回転軸13には回転駆動するモータ(図示せず)が接続される。また、反応炉10底部には未反応ガス等を排気する複数の排気口15、15が配設される。一方、反応炉上部1には、頂部に複数の反応ガス供給口16、16が配設され、例えばシラン(SiH )、ジクロロシラン(SiH Cl )等の原料ガス及び水素(H )、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等のキャリアガスの反応ガスが供給される。反応炉上部1内の上方は頂部と所定の空間域Sを保持して複数の孔17aが穿設された円盤状の整流板17が、供給ガスが偏流路を形成することがないように反応炉上部の内周面に密接して配備される。
【0016】
上記連結部18に穿設された整流ガス流出孔18aからは、未反応ガスの排気口15、15への流れを円滑に行うために整流用ガスが流出される。整流用ガスとしては、一般に上記キャリアガスが用いられ、通常、反応炉頂部のガス供給口16、16から供給されるキャリアガスと同一のガスが流出される。これにより反応ガスがウエハ基板11に達し薄膜成長に供された後、未反応ガスがガス渦流やガス流の荒れを生じることなく回転基板保持体12外周側から円滑に流通して排気口15、15から排出することができる。整流ガス流出孔18aへの整流用ガスの導入は、各整流ガス流出孔18aから均等に整流用ガスが流出されればよく特に制限されない。例えば、整流ガス流出孔18a毎に導入管を配備してそれぞれ各別に整流用ガスを導入することもできる。また、図1に示したように、連結部18上に整流ガス流出孔18aを気密に包囲して、整流ガス供給口Iを有する整流ガス導入空間部19を配設し、整流ガス導入空間部19に整流用ガスを供給してもよい。この場合、整流ガス供給口I’を有する整流ガス導入空間部19’のように、反応炉上部1の外周面全域を包囲して反応炉10の上部を二重環形状に形成し、中空内部を反応炉上部1とし、中空環状部を整流ガス導入空間部とすることもできる。この二重環形状は、反応炉の製造上簡便であり好ましい。
【0017】
本発明の気相薄膜成長装置は、上記のように回転基板保持体12は、その上面が反応炉上部1の下端Bより下方で所定の高低差Hを有する。この高低差Hは、通常、回転基板保持体12上部に供給されるガス流の遷移層、即ち、図1に矢印にて示したように整流板17を経て供給された原料ガス等のガス流が回転基板保持体12上で中心から外周辺部方向へのベクトルを有するガス層の厚さ(T)より大きくなるようにする。この高低差Hが遷移層厚Tより小さいと、回転基板保持体12上のウエハ基板11の中心から外周部へのガス流れが、反応炉上部1の下端Bにより阻害され、反応炉内壁に沿って上方への舞上り現象が生じガス渦流の発生を助長するため、連結部18や反応炉下部2の内壁への析出物が多量となるためである。また、回転基板保持体12上面は、反応炉上部1と下部2の連結部18と同一水平面内にあることが好ましい。
【0018】
上記の回転基板保持体12上でのガス流の遷移層厚さTは、従来から用いられる一般的な反応炉において、主に反応炉内の雰囲気ガスの種類、反応炉内圧力、回転基板保持体の回転数により変化するが、下記式(1)で算出することができる。下記式(1)は、流体力学において一般的に示されるものである。
T=3.22(ν/ω)1/2 (1)
(但し、νは反応炉内反応ガスの動粘性係数(mm /s)を、ωは回転の角速度(rad/s)をそれぞれ表示する。)この場合、ωは気相薄膜成長装置での薄膜形成稼働中の最小値を採るものとする。例えば、原料ガスがシランガス、キャリアガスが水素ガスであり、回転基板保持体の回転数が500〜2000rpm(52〜209rad/s)である場合は、遷移層厚Tは約5〜50mmとなる。従って、小径の反応炉上部1の下端Bから上記のT値より大きな高低差Hで回転基板保持体上面が位置するように配設することが好ましい。これにより、ウエハ基板上の中心から外周へのガス流れが円滑となり炉内壁に薄膜形成原料のパーティクルの付着がなく、また得られる薄膜形成ウエハは結晶相に欠陥が無く、均一な薄膜が形成される。
【0019】
また、本発明の気相薄膜成長装置の異なる径を有する上下部からなる反応炉において、反応炉上部1の小径D 、下部2の大径D 、回転基板保持体12の直径D とが、それぞれ下記のような比率関係にあることが好ましい。例えば、D がウエハ直径より大きく、(1)D /D 比が1.2以上(D /D ≧1.2)である。D がウエハ直径より小さいと、炉上部1内壁面から脱落したパーティクルが、回転基板保持体12上に載置したウエハ基板に付着し易く、結果的にLPD(ウエハ表面レーザー散乱体(パーティクルを含む))として計測される結晶欠陥が増加するためである。また、通常気相薄膜成長工程で行われるウエハ基板外周部の赤外線による非接触温度測定が困難となるためである。一方、D /D 比が1.2より小さいと、反応炉壁に沿ってガス流の上方への舞上り現象が生じガス渦流が発生し、反応炉上部径を細くしてガス舞上り現象を防止しガス渦流の発生の抑制効果が低下するためである。
【0020】
(2)D /D 比が0.7〜1.2(0.7≦D /D ≦1.2)にある。D /D 比が0.7より小さいと、上部1の壁面が回転基板保持体12上に載置されたウエハ基板に近接し過ぎて炉内壁面から脱落したパーティクルがウエハ基板に付着し易くなる。そのため、上記D がウエハ基板直径より小さい場合と同様に、LPDとして測定される結晶欠陥が増加し薄膜形成ウエハ基板の品質が低下するためである。一方、D /D 比が1.2より大きいと、D /D 比が1.2より小さい場合と同様に、反応炉内壁に沿ってガス流が上方への舞上り現象が生じガス渦流の発生が起こる等の不都合があるためである。(3)D /D 比が1.2以上(D /D ≧1.2)である。D /D 比が1.2より小さいと、回転基板保持体12外側のガス流の荒れが抑制できないため、回転基板保持体12外側に対向する反応炉内壁にパーティクルが付着したり、未反応ガスが回転基板保持体12の下方で反応して反応炉下部2の内壁に薄膜形成成分が析出するためである。
【0021】
上記したように本発明の気相薄膜成長装置は、反応炉が上下部で区分されて異なる径を有して連続する中空筒体で、異なる径の上下部の連結部に整流ガス流出孔を有し、且つ、各部材を上記した所定に配設する以外は、前記の従来の気相薄膜成長装置の同一径の中空筒体からなる反応炉とほぼ様にして設計、製造することができる。また、本発明の気相薄膜成長装置を用いて行う気相成長方法も同様に行うことができる。上記のように構成された本発明の気相薄膜成長装置において、排気口15、15に接続されている排気制御装置により反応炉10内を排気し、炉内圧力、例えば原料ガスやキャリアガスの反応ガスで20〜50torrに調整する。一方、回転基板保持体12はモータを稼働し回転軸13の回転駆動により回転し、その上のウエハ基板11が同時に回転させられると同時に、ヒータ14により回転基板保持体12上のウエハ基板11は、例えば約900〜1200℃に加熱される。また同時に、複数の反応ガス供給口16、16からは流量を所定に制御しながら原料ガス及びキャリアガスからなる反応ガスを反応炉10内に供給する。複数の反応ガス供給口16、16から空間域Sに供給されるガス流は、運動量や圧力分布が均一化され、更に、整流板17の孔17aを通過することにより反応炉内のガス流速分布を均一にして基板上に供給され、基板上に薄膜を均一に気相成長させることができる。本発明の気相薄膜成長装置においては、上記反応ガスの供給と同時に、連結部18の整流ガス流出口18aから整流用ガスとして通常キャリアガスと同一ガスを流出する。
【0022】
この場合、反応ガス供給口16からの反応ガス流速(G )と連結部18の整流ガス流出孔から導入される整流用ガス流速(G )の比(G /G )が0.05〜2(0.05≦G /G ≦2)となるように流出することが好ましい。G /G が0.05未満であると、回転基板保持体12外側に位置する反応炉下部の径の拡大部分でガス流の荒れが生じるため好ましくない。また、G /G が2を超えると、同様に回転基板保持体12外側の径拡大部分でのガス流速が早くなりすぎ、回転基板保持体12上での回転基板保持体12中心から外周への円滑なガス流れを阻害するため、均一厚で均質な薄膜成長ができず好ましくない。反応ガス供給口からの反応ガスとの比率G /G が上記範囲内で整流用ガスを連結部18の整流ガス流出孔18aより流出することにより、回転基板保持体上の反応ガスの流れ及び回転基板保持体外周側から反応炉下部中空間への未反応ガスの流れが、ガス渦流やガス流れ荒れを生じることなく円滑に行われる。これにより、結晶欠陥が少なく均質な高品質の薄膜形成ウエハ基板を得ることができる。
【0023】
上記連結部に設けられる整流ガス流出孔の配置は、上方へのガスの舞上りによるガス渦流の発生と反応炉の径拡大部でのガス流の荒れの発生を防止できればよく、反応炉の容量、反応ガスの種類、反応ガス流速、回転基板保持体の回転速度等反応条件に応じて適宜選択することができ、特に制限されるものでない。通常、図1の矢印で示した整流ガス流れのように、ガス流出速度が均等に分布するように連結部18全域に同一径の流出孔を均等に配置する。また、整流用ガスの流出速度分布に勾配をもたせるために、整流ガス流出孔の孔径が所定の分布で孔径を変化させて配置してもよい。例えば、図2に示す気相薄膜成長装置の他の実施例の模式図において、連結部28の整流ガス流出孔28aからの整流ガスの流れを矢印で示したように、連結部からの整流ガス流速が反応炉下部2の内周壁側で速く中心側で遅くなるように流速分布に勾配を有するように流出させることができる。なお、図2において、図1に示した装置と同様の部材は、一の位の数値を同一にして付すか、又は同一の符号で示した(以下、同様とする)。上記のような内周壁側から中心方向へ流速が遅くなる整流用ガス流に勾配を持たせるためには、例えば、図3の連結部28部分の平面模式図に示したように整流ガス流出孔28aを配置することができる。即ち、流出孔を内周壁側に多く中心側に少なく配置して穿設する方式である。このように整流用ガスを所定の流速勾配を有するように流出することにより、ガス渦流やガス流の荒れの発生を防止し反応ガスの流れを整流して、未反応ガスを反応炉下部から円滑に排気するために効果的である。
【0024】
本発明において、整流用ガスの流出方向は特に制限されない。通常、上記の図1及び図2に示したように回転基板保持体面に垂直に流出させる。しかし、必要に応じて垂直方向以外の方向に流出することもできる。即ち、連結部に整流ガス流出孔を回転基板保持体の回転軸に平行な垂直方向でなく角度を有するように穿設させることにより、その整流ガス流出孔から整流用ガスを回転基板保持体の回転軸に対して所定角度で流出させることができる。例えば、図4は連結部領域の一例の拡大部分断面説明図である。図4において、連結部48の整流ガス流出孔48aは、反応炉の内周壁方向へ所定角度で傾斜して穿設されている。整流ガス流出孔48aからの整流ガスは、内周壁方向へ回転軸から遠ざかるように流出する。このような整流ガス流出孔構造は、回転体近傍のガス流れを荒ささないため好ましい。この場合の傾斜角度は、通常、回転基板保持体の回転軸に対し約10〜80度で反応炉の内周壁方向へ傾斜させる。回転軸方向へ傾斜させた場合は回転体近傍から掃き出されたガス流れを荒すため好ましくない。
【0025】
また、整流用ガスを回転基板保持体の回転方向と一致して流出させてもよい。例えば、図5は、円環状連結部58の整流ガス流出孔58aを周方向に所定角度で傾斜させ穿設した連結部部分の一例を一部切欠いて示した斜視模式図である。図5において、ガス流入面の整流ガス流出孔58aの孔口58Xから周方向に傾斜して裏面のガス流出面の孔口58Yに連通するように穿設されている。整流ガス流出孔58aからの整流用ガスは、回転基板保持体の回転と同一の周方向に流出する。この整流ガス流出孔構造は、回転体近傍のガス流れを荒さないため好ましい。この場合の傾斜角度も、通常、連結部のガス流入面に対し約10〜80度で周方向に傾斜させる。更に、整流ガス流出孔を周方向に傾斜すると同時に径の中心方向にも傾斜させて、回転基板保持体の回転方向に整流用ガスを流出することもできる。図6は円環状連結部68の整流ガス流出孔68aを周方向及び円環中心方向に所定角度で傾斜させ穿設した連結部部分の一例を示した平面模式図である。図6において、ガス流入面6Fの整流ガス流出孔68aの孔口68Xから周方向及び円環中心方向に傾斜して裏面のガス流出面の孔口68Yに連通するように穿設されている。整流ガス流出孔68aから整流用ガスは、回転基板保持体の回転方向と同一方向に回転するように流出する。この整流ガス流出孔構造は、回転体近傍のガス流れを荒さないため好ましい。この場合の傾斜角度は、通常、連結部のガス流入面に対し約10〜80度で、且つ、周方向に対し約10〜80度に傾斜させる。
【0026】
【実施例】
実施例1〜3
前記図1に示した反応炉と同様に中空円筒に構成され、反応炉上部内径D 、下部内径D 及び回転基板保持体直径D がそれぞれ表1に示した径を有し、また、上部下端Bと回転基板保持体上面とが表1に示した高低差Hを有するように配設した気相成長装置を用いた。原料ガスとしてSiH ガスを、キャリアガスとしてH ガスを、また、ドーパントとしてジボラン(B )をH ガス中0.1ppm含有させたガスを、それぞれ表1に示した流量で供給すると共に、連結部からキャリアガスと同じH ガスを整流用ガスとして表1に示した流量で垂直方向に均一に流出した。反応ガス流速(m/s)と整流用ガス流速(m/s)との比(G /G )、反応温度、反応圧力及び回転基板保持体の回転数を表1に併せて示した。
【0027】
表1に示した気相成長条件下でシリコンウエハ上にB ドーパントシリコン薄膜の気相成長を行った。気相成長薄膜を形成した後、使用した気相薄膜成長装置の連結部及び反応炉下部内周壁のパーティクル付着を目視観察し、その多少を表1に示した。また、得られた薄膜形成ウエハ基板面の結晶相の性状についてテンコール社製サーフスキャン6200を用い0.135μm以上のLPD(ウエハ表面レーザー散乱体)の個数を計測し、その結果をウエハ当たりの個数として表1に示した。また、形成薄膜の膜厚を赤外干渉膜厚計により測定し、その最大厚さ(Fmax )及び最低厚さ(Fmin )を求め、薄膜厚さの均一性を(Fmax −Fmin )/(Fmax +Fmin )×100として算出して表1に示した。また、得られた薄膜形成ウエハ基板の抵抗値をC−V法を用いて測定し、その最大値(Rmax )及び最低値(Rmin )を求め、ドーパント取込みによる抵抗値の均一性を(Rmax −Rmin )/(Rmax +Rmin )×100として算出して表1に示した。
【0028】
【表1】
Figure 0003570653
【0029】
比較例1〜2
整流用ガスを表1に示したように極少量(比較例1)または大量(比較例2)に連結部から流出した以外は、実施例1の反応炉と同様に構成された気相薄膜成長装置を用い、実施例1と同様にしてシリコンウエハ上にB ドーパントシリコン薄膜の気相成長を行った。その後、装置内の観察及び得られた薄膜形成ウエハ基板について同様に測定した結果を表1に示した。
【0030】
比較例3〜13
図7に概略断面説明図を示した気相薄膜成長装置の反応炉70を用いて実施例1と同様にウエハ基板上にシリコン薄膜を気相成長させた。図7において、反応炉70は、小径の上部1’と大径の下部2’の上下部の内径が異なり、上下部を接続する連結部78に整流ガス流出孔が設けられていない以外は実施例1の気相薄膜成長装置の反応炉と全く同様に構成されている。図1に示した装置と同様の部材は、一の位の数値を同一番号として示すか、または同一の符号で示した。反応炉70において、反応炉上部内径D 、下部内径D 及び回転基板保持体直径D の比率を表2及び表3に示したように変化させ、実施例1と同様にしてシリコンウエハ上にB ドーパントシリコン薄膜の気相成長を行った。その後、装置内の観察及び得られた薄膜形成ウエハ基板について同様に測定した結果を表2、表3及び表4に示した。
【0031】
【表2】
Figure 0003570653
【0032】
【表3】
Figure 0003570653
【0033】
比較例14〜15
前記図8に示した従来の気相薄膜成長装置の反応炉と同様に、即ち、上下部に区分がなく上下同径で連結部の無い反応炉80と同様に構成された反応炉を用い、表4に示した実施例1と同様の気相成長反応条件下でシリコンウエハ表面上にB ドーパントシリコン薄膜を形成した。その後、装置内の観察及び得られた薄膜形成ウエハ基板について同様に測定した結果を表4に示した。
【0034】
【表4】
Figure 0003570653
【0035】
上記実施例及び比較例より明らかなように、反応炉を径の異なる上下部に区分し上下部の径が拡大する連結部から整流用ガスを所定に流出させることにより、得られる薄膜形成ウエハ基板表面の結晶相のLPD個数も、100以下で同一条件で従来の気相成長装置を用いた比較例14に比し、約1/300以下に低減されることが分かる。更に、形成される薄膜厚の均一性が1以下で極めて均一な薄膜が形成されることが明らかである。また、抵抗値の均一性も4.4以下と結晶相の欠陥のなさと共にドーパントの再取込みも防止され均質な薄膜が形成されることも分かる。また、比較例15のように従来の装置でキャリアガス流量を大量に流通させた場合は、膜厚は比較的均一でLPDも少なく結晶相も比較的良好であるが、抵抗値の均一性が劣り、回転基板保持体の外周側でガス流の荒れが生じたことが推定できる。また、反応炉下部で析出物が多く炉のメンテナンスサイクルが短縮されることが予測できる。
【0036】
一方、比較例3〜13のように、上下部の径が異なり区分された反応炉を用いた場合でも、連結部からの整流用ガスの流出を行わない場合は、実施例と同様の径比率の比較例3においては、従来の通常のキャリアガス流量の場合(比較例14)より、膜均一性、抵抗値均一性、LPD個数、反応炉下部の析出物量の多少のいずれも優れるものであるが、整流用ガスを流出した実施例に比して低下していることが明らかである。また、炉上下部の径と回転基板保持体の直径との比率を各種変化させた場合でも、実施例に比して良好な結果を得ることができないことが分かる。なお、下部径を上部径に比し3〜4倍に大きくした比較例8及び9においては比較的良好な薄膜が形成されるが、装置寸法が大きくなりすぎる等の不都合があり、また、連結部での析出物があり結晶相の欠陥が多少増加し、反応炉のメンテナンスサイクルも短縮されることから好ましくない。また、反応炉の上部下端Bと回転基板保持体上面との高低差を5mmと近接させた比較例12においては、LPD個数が著しく増加し、結晶相の欠陥、薄膜厚の均一性、抵抗値の均一性が著しく損なわれることが分かる。
【0037】
更に、比較例1〜2によれば、本発明の気相薄膜成長装置の反応炉を用いて、連結部からの整流用ガスの流速が反応ガスの流速に比して少ない場合は、得られる薄膜は比較的良好であるのに対し、反応ガスの3倍の流出量ではLPD個数が著しく増加し、連結部の析出物はないが反応炉下部での析出量が増大し、得られる薄膜性状も低下することが分かる。
なお、上記実施例及び比較例における遷移層厚Tは、上記式(1)によりω=209rad/s、ν=6608〜8811mm /sを導入した算出値が18〜21mmであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の気相薄膜成長装置は、反応炉を小径の上部と大径の下部とで上下部を区分し上部下端と下部上端を接合して中空内部空間を連続させて構成し、反応ガスの上昇空間が欠除することから、反応ガスの上方への舞上り現象を防止できる。また、そのため反応ガスの温度上昇も抑止でき、原料ガスの均一核生成が抑制され、気相中で発生するパーティクルが減少する。従って、反応炉壁に付着しメンテナンスサイクルを短縮させたり、ウエハに付着し結晶欠陥の原因となるパーティクルが減少することから、高品質の薄膜形成ウエハ基板を製造することができる。
また、上下部接合の連結部にガス流出孔を設け、反応ガスと同時に整流用ガスを流出させ、反応炉下部の排気口へのガス流れを整流に安定化することから、ウエハ基板を載置する回転基板保持体上のガス渦流の発生を防止すると共に、その外周側で反応ガス流が乱流となりガス流の荒れを防止でき、連結部は反応炉下部での析出物を防止することでき、反応炉のメンテナンスサイクルを長期に維持できる。
結局、本発明の気相薄膜成長装置による気相薄膜成長は、反応炉内のガス流れをパーティクルの発生もなく、乱流や偏流を生じることなく安定に維持して、炉内壁へのパーティクルの付着もなく、ウエハへの付着パーティクルの増加を防止して結晶欠陥がなく高品質で膜厚が均一な薄膜形成ウエハ基板を得ることができ、高集積化用として好適なウエハを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気相薄膜成長装置の一実施例の概略断面説明図
【図2】本発明の気相薄膜成長装置の他の実施例のガス流れを示す断面模式図
【図3】図2の気相薄膜成長装置における連結部の平面模式図
【図4】本発明の気相薄膜成長装置の他の実施例における連結部領域の断面模式図
【図5】本発明の気相薄膜成長装置の他の実施例における連結部の一部切欠き斜視模式図
【図6】本発明の気相薄膜成長装置の他の実施例における連結部の平面模式図
【図7】本発明の比較例に用いた気相薄膜成長装置の概略断面説明図
【図8】従来の気相薄膜成長装置の一例の概略断面説明図
【符号の説明】
10、20、70、80 反応炉
11、21、41、51、71、81 ウエハ基板
12、22、42 52、72、82 回転基板保持体
13、23、43、73、83 回転軸
14、24、44 74、84 ヒータ
15、25、75、85 排気口
16、26、76、86 ガス供給口
17、27、77、87 整流板
17a、27a、77a、87a 整流孔
18、28、78 連結部
18a、28a、78a 整流ガス流出孔
19、19’、29 整流ガス導入空間
1、1’ 反応炉上部
2、2’ 反応炉下部
S 空間部
B 上部下端
U 下部上端
I、I’ 整流ガス導入口
反応炉上部内径
反応炉下部内径
回転基板保持体直径

Claims (10)

  1. 中空の反応炉の頂部に複数の反応ガス供給口、底部に排気口、内部にウエハ基板を載置する回転基板保持体、及び、内部上部に複数の孔が穿設された整流板を有し、内部に反応ガスを供給して回転基板保持体上のウエハ基板表面に薄膜を気相成長させる気相成長装置において、
    前記反応炉の中空内部が、相当内径が異なる上下部に区分され、上部の相当内径が下部の相当内径より小さく、且つ、上部下端と下部上端とが連結部により接続され中空内部が連続すると共に、該連結部に整流ガス流出孔を有し、
    前記整流板が反応炉上部内の上方に内周面に密接して配備され、
    前記回転基板保持体が反応炉下部内の該上部下端より所定の高低差を有して下方に位置して配設されることを特徴とする気相薄膜成長装置。
  2. 更に、前記連結部上に、前記整流ガス流出孔を気密に包囲してなる空間部が配設され、該空間部に整流ガス供給口を有する請求項1記載の気相薄膜成長装置。
  3. 前記上部の側面が前記回転保持体上面に対して垂直である請求項1または2記載の気相薄膜成長装置。
  4. 前記空間部と上部とが二重環状に形成されており、前記空間部の外側面が連結部を介して前記下部上端に連続する請求項3記載の気相薄膜成長装置。
  5. 前記反応炉中空内部の水平断面が円形であって、前記上部直径(D1)が、前記ウエハ基板の直径より大であり、且つ、前記回転基板保持体が円形でその直径(DS)との比(D1/DS)が0.7〜1.2である請求項1〜4のいずれか記載の気相薄膜成長装置。
  6. 前記上部直径(D1)と前記下部直径(D2)との比(D2/D1)が1.2以上である請求項1〜5のいずれか記載の気相薄膜成長装置。
  7. 前記下部直径(D2)と前記回転基板保持体直径(DS)との比(D2/DS)が1.2以上である請求項1〜6のいずれか記載の気相薄膜成長装置。
  8. 前記上部下端と回転基板保持体との高低差(H)が、該回転基板保持体上面上のガス流の遷移層厚(T)=3.22(ν/ω) 1/2 (但し、νは反応炉内雰囲気ガスの動粘性係数(mm 2 /s)を、ωは回転の角速度(rad/s)をそれぞれ表示する)より大である請求項1〜7のいずれか記載の気相薄膜成長装置。
  9. 前記1〜7のいずれか記載の気相成長装置において、前記回転基板保持体上部のガス流の遷移層厚(T)=3.22(ν/ω) 1/2 (但し、νは反応ガスの動粘性係数(mm 2 /s)を、ωは回転の角速度(rad/s)をそれぞれ表示する)が、前記上部下端と前記回転基板保持体上面との高低差(H)より小さくなるように、前記複数の反応ガス供給口から薄膜形成原料ガス及びキャリアガスからなる反応ガスを供給して整流板の孔を通過させて前記ウエハ基板上に流通させると同時に、前記連結部の整流ガス流出孔を通過させて整流用ガスを導入することを特徴とする気相薄膜形成方法。
  10. 前記キャリアガス流速(GC)と前記連結部の整流ガス流出孔から導入される整流用ガス流速(GI)の比(GI/GC)が0.05〜2である請求項記載の気相薄膜成長方法。
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