JP3570441B2 - 医療用液体容器用プラスチックフィルム及びその製造方法 - Google Patents

医療用液体容器用プラスチックフィルム及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、輸液、薬液又は血液用バッグ等の医療用液体容器の形成材料として好適に使用される医療用液体容器用プラスチックフィルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、輸液、薬液、血液用バッグ等の医療用液体容器としては、ガラスビン、ポリエチレンやポリプロピレン等のブロー成形ビン又はポリ塩化ビニル製バッグなどが使用されているが、これらの医療用液体容器には、以下のような様々な問題がある。
【0003】
即ち、ガラスビンは、破損し易く、また、使用時に空気流入孔が必要なために異物や雑菌等が混入する可能性があり、更に、硬質であるために廃棄しにくい等の問題がある。また、ブロー成形ビンは、安価で強度は強いが、廃棄しにくいという欠点がある。ポリ塩化ビニル製バッグは、多量の可塑剤や残留塩化ビニルモノマーを含有するために、これらが内容液中に溶出するという、衛生上の問題があり、また、廃棄時に有害ガスを発生する等の環境面での問題も生じている。
【0004】
近年、上記の問題点を解決するために種々の提案がなされており、例えば特開昭62−502112号及び同62−502113号公報には、これらの問題点を解決する無菌可撓性容器のためのフィルムラミネートについて記載されている。このフィルムラミネートにより形成された容器は、透明性に優れ、軟質材料を使用しているため廃棄に場所をとらず、衛生性に優れ、また水蒸気バリア性、酸素バリア性に優れているという等の多くの利点を有するものであるが、医療用液体容器の形成材料として用いる場合、内容液充填後に熱殺菌処理を行うとラミネート処理に際して使用された接着剤が内容液中に多量に溶出してしまうために、無菌充填方式しか採用できないという問題がある。
【0005】
一方、ポリアミドフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムに直接ポリエチレン又はポリプロピレンを押し出しラミネートしたプラスチックフィルムは、層間接着性が十分でなく、熱殺菌処理に耐えることができない。また、ポリアミドフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムにアンカー剤又は接着性樹脂のどちらか一方を使用してポリエチレンやポリプロピレンを押し出しラミネートしたプラスチックフィルムも十分な接着力を得ることはできず、熱殺菌処理を施すことができないという欠点がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱殺菌処理を施しても積層した層間のデラミネーションがなく、且つ内容液中への有機物の溶出も少なく、衛生性にも優れる医療用液体容器用プラスチックフィルム及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、互いにアンカー剤及び接着剤を介在させることなく直接積層された延伸プラスチック表面層と接着性樹脂層と延伸ポリエチレン層とを備え、又は、互いにアンカー剤及び接着剤を介在させることなく直接積層された延伸プラスチック表面層と接着性樹脂層と延伸中間樹脂層と接着性樹脂層と延伸ポリエチレン層とを備え、更に上記延伸ポリエチレン層にポリエチレンが直接溶融接着されたシーラント層を備えることを特徴とする医療用液体容器用プラスチックフィルム、及び、互いにアンカー剤及び接着剤を介在させることなく直接積層された延伸プラスチック表面層と接着性樹脂層と延伸ポリプロピレン層とを備え、又は、互いにアンカー剤及び接着剤を介在させることなく直接積層された延伸プラスチック表面層と接着性樹脂層と延伸中間樹脂層と接着性樹脂層と延伸ポリプロピレン層とを備え、更に上記延伸ポリプロピレン層にポリプロピレンが直接溶融接着されたシーラント層を備えることを特徴とする医療用液体容器用プラスチックフィルムを提供する。なお、上記延伸中間樹脂層は単層に限られる必要はなく、各層間に接着性樹脂層を介在する3層以上の複合層であっても良い。
【0008】
更に、上記医療用液体容器用プラスチックフィルムの製造方法として、プラスチック表面層と該プラスチック表面層に積層された接着性樹脂層と該接着性樹脂層に積層されたポリエチレン層若しくはポリプロピレン層からなる無延伸多層積層体、又はプラスチック表面層と該プラスチック表面層に積層された接着性樹脂層と該接着性樹脂層に積層された延伸中間樹脂層と該延伸中間樹脂層に積層された接着性樹脂層と該接着性樹脂層に積層されたポリエチレン層若しくはポリプロピレン層からなる無延伸多層積層体をインフレーション法又はTダイ法により成膜し、この無延伸多層積層体を延伸した後、延伸された前記ポリエチレン層又はポリプロピレン層上に各々ポリエチレン又はポリプロピレンを直接溶融接着してシーラント層を形成することを特徴とする医療用液体容器用プラスチックフィルムの製造方法を提供する。ここで、特に、無延伸多層積層体フィルムの延伸倍率を1.5〜20倍とすると、より好適である。
【0009】
【作用】
本発明の医療用液体容器用プラスチックフィルムの製造方法は、そのフィルム構成をプラスチック表面層とポリエチレン層又はポリプロピレン層との多層構成体とすることにより、インフレーション法又はTダイ法により成膜された従来の無延伸プラスチック積層体フィルムではコシがなく、強度も弱いという欠点を改良したものである。そして、上記のプラスチック表面層とポリエチレン層又はポリプロピレン層との多層構成体フィルムを得るにあたり、まず、両層の間に接着性樹脂を積層使用すると共に、インフレーション法又はTダイ法によって無延伸の多層構成体フィルムとすることにより、アンカー剤や接着剤を全く使用しないで上記フィルム構成の多層構成体フィルムを得ることを可能とした。
【0010】
このようにして得られた無延伸多層構成体フィルムに延伸処理を施して、無延伸プラスチック表面層を延伸プラスチック表面層に変化させることにより、該フィルムに強度を持たせることができる。そして、延伸処理によりポリエチレン層又はポリプロピレン層が薄層化し、多層構成体フィルムのフィルム強度が低下するのを防止するために、延伸処理後の多層構成体フィルムのポリエチレン層又はポリプロピレン層側の面に更にシーラント用樹脂を押し出し溶融接着、即ち接着剤やアンカー剤を使用しないで直接、押し出しラミネートすることにより、その層厚を補って医療用液体容器用プラスチックフィルムとする。
【0011】
従って、本発明の医療用液体容器用プラスチックフィルムは、接着剤やアンカー剤を全く使用しない多層構成体フィルムであるので加熱による有機物の溶出もほとんどなく、かつ無延伸多層構成体フィルムとして成膜した後に無延伸プラスチックを延伸プラスチックに変化させて使用するのでフィルム強度が非常に強いものとなる。このような優れた特性を有する上記プラスチックフィルムは、フィルム強度に優れると共に、内容液充填後に熱殺菌(100〜140℃)処理をしても内容液中に有機物溶出がほとんどないことが要求される医療用液体容器の形成材料として有用である。
【0012】
ここで、プラスチック表面層を形成する材料は、通常のラミネートフィルムの基材として使用されるものであって、後工程で延伸可能なものであれば、特に限定はされないが、特に無延伸ナイロン又は無延伸ポリプロピレンによりプラスチック表面層を形成し、延伸処理後の延伸ナイロン表面層又は延伸ポリプロピレン表面層を医療用液体容器の表層となるように使用すると、医療用液体容器の強度がより強くなると共に、その液体容器を製造するに当たり、インパルスシールや溶断シールのみならず、熱板シールをすることが可能となり、且つスタンディング形状に製袋することも可能となる。
【0013】
た、延伸処理後の多層構成体のポリエチレン層又はポリプロピレン層側の面に溶融接着される、ポリエチレン又はポリプロピレンによりシーラント層を形成すると、耐熱性が向上するばかりではなく、運搬・保存時等の落下強度が強くなり、破袋による液漏れが生じなくなる。
【0014】
また、上記延伸プラスチック表面層と上記接着性樹脂層と延伸中間樹脂層と接着性樹脂層と上記延伸ポリエチレン層又は延伸ポリプロピレン層とを備え、更に上記シーラント層を備えた医療用液体容器用プラスチックフィルムとすると、更に延伸中間樹脂層を構成する樹脂の特性を兼備させることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を図面に示す実施例と比較例とに基づいて説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0016】
図1は本発明の第1の実施例に係る医療用液体容器用プラスチックフィルムの製造方法を説明するためのフロー説明図である。以下、図1に従って本実施例の製造方法について説明する。
【0017】
まず、第1工程として共押し出しインフレーション法又はTダイ法により無延伸プラスチック表面層1と接着性樹脂層2と無延伸ポリエチレン又は無延伸ポリプロピレン層3とを延伸しないで積層してなる無延伸多層構成体フィルムAを製造する。ここで、プラスチック表面層1の形成材料としては押し出しインフレーション法やTダイ法(溶融製膜法)により、無延伸で製膜加工し得、後工程で延伸可能なものであれば良く、例えばナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等を挙げることができるが、特にナイロン、ポリプロピレンが好適に使用される。この無延伸時のプラスチック表面層1の層厚は、好ましくは20〜300μmであり、特に40〜200μmとするとより好適である。20μm未満であると、医療用液体容器の形成材料として必要な強度等が得られない場合があり、300μmを超えると医療用液体容器用プラスチックフィルムに良好な可撓性が得られない場合がある。
【0018】
接着性樹脂層2の形成材料としては従来の溶融製膜法で使用されている接着性樹脂を使用することができ、このような接着性樹脂として例えば無水酸変性オレフィン、EVA、EAA、EMA、EMAA、IR、E−EA−MAH等を挙げることができ、具体的にはモディック(三菱化学社製:商品名)やアドマー(三井石油化学社製:商品名)等を挙げることができる。この無延伸時の接着性樹脂層2の層厚は、5〜500μmであることが好ましく、特に20〜100μmとするとより好適である。5μm未満であると、プラスチック表面層1とポリエチレン又はポリプロピレン層3との接着性が十分に得られない場合があり、500μmを超えるとアンカー剤及び接着剤を全く使用しないことによる本発明の効果が十分に得られない場合がある。
【0019】
無延伸時のポリエチレン又はポリプロピレン層3の層厚は、好ましくは10〜3500μmであり、特に30〜1000μmとするとより好適である。10μm未満であると、医療用液体容器の形成材料として必要な強度等が得られない場合があり、3500μmを超えると医療用液体容器用プラスチックフィルムに良好な可撓性が得られない場合がある。
【0020】
次いで、第2工程として無延伸多層構成体フィルムAに延伸処理を施して、延伸フィルムBを得る。この延伸処理における延伸倍率としては、1.5〜20倍であることが好ましく、特に2〜10倍とするとより好適である。1.5倍未満であると、延伸処理によるフィルム強度の強化効果が十分に得られない場合があり、20倍を超えると延伸フィルムBの薄層化が著しく、医療用液体容器用プラスチックフィルムとして必要な強度が得られない場合がある。
【0021】
その後、第3工程として延伸フィルムBのポリエチレン層又はポリプロピレン層3側の面にシーラント用樹脂をアンカー剤や接着剤を使用することなく、溶融押し出しラミネート加工して、シーラント層4をラミネートし、医療用液体容器用プラスチックフィルムCを得る。シーラント用樹脂としてはポリエチレン又はポリプロピレンが使用される。そして、この場合、ポリエチレン層3にはポリエチレンを、ポリプロピレン層3にはポリプロピレンを積層する。また、シーラント層4の層厚は、好ましくは10〜3500μmであり、特に30〜1000μmとするとより好適である。10μm未満であると、医療用液体容器の形成材料として必要な強度等が得られない場合があり、3500μmを超えると医療用液体容器用プラスチックフィルムCに良好な可撓性が得られない場合がある。
【0022】
このようにして得られた医療用液体容器用プラスチックフィルムCは、これを形成材料として、例えば輸液用バッグを作製することができる。この場合、例えばプラスチックフィルムCを適宜大きさに裁断し、プラスチック表面層が容器外側となるように重ね合わせた後、内容液(ここでは輸液)用のキャップ付きなどの注入部を設け、その注入部が開口している以外は四周が密閉された偏平の長方形袋状やスタンディング形状となるようにインパルスシール、溶断シール又は熱板シール等の手段によりバッグを作製し、輸液を上記注入部から注入してキャップを締めることなどの手段により輸液をバッグ内に密閉収納し、これを100〜140℃で10分〜2時間加熱する熱殺菌処理を施して、輸液の保存、運搬に使用することができる。
【0023】
なお、本発明の第1工程で製膜される無延伸多層構成体フィルムは、プラスチック表面層と接着性樹脂層とポリエチレン又はポリプロピレン層との3層構成体フィルムに限られることなく、必要に応じてこれらの層からなる5層構成体や、上記方法でアンカー剤や接着剤を使用しないで積層可能なその他の樹脂層を加えて多層構成体フィルムを得ても良い。但し、いずれの場合であっても、多層構成体フィルムの最外層は、本発明の上記プラスチックフィルム表面層とポリエチレン層又はポリプロピレン層とすることを必須とする。
【0024】
図2は、他の樹脂層を積層する第2の実施例に係る医療用液体容器用プラスチックフィルムの製造方法のフロー説明図である。この実施例では、上記の第1の実施例の第1工程により得られる無延伸多層構成体フィルムAに代えて、無延伸プラスチック表面層1及び無延伸ポリエチレン又はポリプロピレン層3に接着性樹脂層2を介して無延伸中間樹脂層5と接着性樹脂層6と無延伸ポリエチレン又はポリプロピレン層3とを順次積層してなる無延伸多層構成体フィルムDを上記第1工程と同様の工程により成膜し、第2、第3工程も第1の実施例と同様に行って、更に延伸フィルムE、医療用液体容器用プラスチックフィルムFを得るものである。
【0025】
ここで、中間樹脂層5を構成する樹脂は、接着性樹脂を介し、アンカー剤や接着剤を使用しないで無延伸ポリエチレン又はポリプロピレン層3に積層可能な樹脂であれば特に限定されず、このような樹脂として、例えばEVOH、PVDC等を挙げることができ、これらの中でも特にEVOHが好適に使用される。
【0026】
[実施例1、2、比較例1、2]
次に、上記医療用液体容器用プラスチックフィルムを表1に示す構成で上述した手順により作製して、実施例1、2、比較例1、2のプラスチックフィルムを得、各プラスチックフィルムについて日本薬局方第12改正に記載された「輸液用プラスチック容器試験法」に準拠した溶出物試験を行った。また、実用強度を評価するために落下衝撃強度試験を行った。結果を表1に併記する。
【0027】
溶出物試験
プラスチックフィルムにより内容面積が約1200cmとなるように袋を作製し、水で洗った後、室温で乾燥した。この袋の中に水200mlを正確に加えて密封した後、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で1時間加熱し、その後、滅菌器から袋を取り出して室温になるまで放置し、この内容液を試験液とした。
【0028】
別に水につき、同様の方法で空試験液を調製した。試験液及び空試験液につき、次の試験を行った。
【0029】
<過マンガン酸カリウム還元性物質>
試験液20mlを共栓三角フラスコに採り、0.01N過マンガン酸カリウム液20.0ml及び希硫酸1mlを加え、3分間煮沸し、冷後、これにヨウ化カリウム0.10gを加えて密栓し、振り混ぜて10分間放置した後、0.01Nチオ硫酸ナトリウム液で滴定した(指示薬:デンプン試液5滴)。別に空試験液20.0mlを用い、同様に操作し、試験液と空試験液との0.01N過マンガン酸カリウム液の消費量の差を求めた。
【0030】
<蒸発残留物>
試験液20mlを水浴上で蒸発乾固し、残留物を105℃で1時間乾燥し、その量を測定した。
【0031】
<紫外吸収スペクトル>
試験液につき、空試験液を対照とし、吸光度測定法により波長220nm以上241nm未満における吸光度及び波長241nm以上350nm以下における吸光度を測定した。
【0032】
落下衝撃強度試験
各フィルムを使用して、150〜160℃、2kg/cm、2秒間のヒートシール条件で200×300(mm)の3方シール袋を作製し、各袋に精製水1000mlを充填した後に115℃、60分間の熱殺菌処理を施し、その後に1.8mの高さより自由落下させた。この場合、各袋は連続して10回自由落下させた。各フィルムについてn=5とし、その結果を平均した。
【0033】
【表1】
Figure 0003570441
【0034】
表1の結果によれば、本発明の製造方法により得られる医療用液体容器用プラスチックフィルムは熱殺菌処理によっても溶出物がほとんどないのみならず、フィルム強度にも優れており、医療用液体容器の形成材料として有用であることが認められる。それに対して、延伸処理後にポリエチレン又はポリプロピレンを積層しないプラスチックフィルム(比較例1)は、熱殺菌処理後のフィルム強度が本発明によるプラスチックフィルムに比べて著しく劣り、一方、通常のドライラミネート加工により得られたプラスチックフィルム(比較例2)は、溶出物試験の結果が日本薬局方の規格値を満足せず、いずれも内容液充填後に熱殺菌処理を施す医療用液体容器の形成材料としては不適格であることが認められる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の医療用液体容器用プラスチックフィルムによれば、各プラスチックフィルム単層では十分に満足することができない多層ラミネートフィルムとしての特性を持ち、上記のように加熱処理によってもフィルム強度の劣化もなく、内容液中への溶出物もほとんどない。従って、本発明の医療用液体容器用プラスチックフィルムは、医療用液体容器としての要求特性、例えば強度に優れ、廃棄に場所をとらず、有毒ガスの発生もなく、衛生性に優れ、また水蒸気バリア性、酸素バリア性に優れている等の要求特性を兼備する医療用液体容器が得られるのみならず、耐熱姓にも優れ、加熱により有機物が内容液中に溶出することもないので、特に内容液充填後に熱殺菌処理が採用されることが多い、輸液、薬液又は血液用バッグ等の液体容器の形成材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の医療用液体容器用プラスチックフィルムの製造方法のフロー説明図である。
【図2】第2の実施例の医療用液体容器用プラスチックフィルムの製造方法のフロー説明図である。
【符号の説明】
A,D 無延伸多層構成体フィルム
B,E 延伸フィルム
C,F 医療用液体容器用プラスチックフィルム
1 プラスチック表面層
2 接着性樹脂層
3 ポリエチレン又はポリプロピレン層
4 シーラント層
5 中間樹脂層

Claims (7)

  1. 互いにアンカー剤及び接着剤を介在させることなく直接積層された延伸プラスチック表面層と接着性樹脂層と延伸ポリエチレン層とを備え、又は、互いにアンカー剤及び接着剤を介在させることなく直接積層された延伸プラスチック表面層と接着性樹脂層と延伸中間樹脂層と接着性樹脂層と延伸ポリエチレン層とを備え、更に上記延伸ポリエチレン層にポリエチレンが直接溶融接着されたシーラント層を備えることを特徴とする医療用液体容器用プラスチックフィルム。
  2. 前記シーラント層のポリエチレンが直鎖状低密度ポリエチレンにて形成される請求項1記載の医療用液体容器用プラスチックフィルム。
  3. 互いにアンカー剤及び接着剤を介在させることなく直接積層された延伸プラスチック表面層と接着性樹脂層と延伸ポリプロピレン層とを備え、又は、互いにアンカー剤及び接着剤を介在させることなく直接積層された延伸プラスチック表面層と接着性樹脂層と延伸中間樹脂層と接着性樹脂層と延伸ポリプロピレン層とを備え、更に上記延伸ポリプロピレン層にポリプロピレンが直接溶融接着されたシーラント層を備えることを特徴とする医療用液体容器用プラスチックフィルム。
  4. 前記延伸プラスチック表面層が、延伸ナイロン又は延伸ポリプロピレンにて形成される請求項1,2又は3記載の医療用液体容器用プラスチックフィルム。
  5. 前記シーラント層の厚さが10〜3500μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の医療用液体容器用プラスチックフィルム。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の医療用液体容器用プラスチックフィルムの製造方法であって、プラスチック表面層と該プラスチック表面層に積層された接着性樹脂層と該接着性樹脂層に積層されたポリエチレン層若しくはポリプロピレン層からなる無延伸多層積層体、又はプラスチック表面層と該プラスチック表面層に積層された接着性樹脂層と該接着性樹脂層に積層された延伸中間樹脂層と該延伸中間樹脂層に積層された接着性樹脂層と該接着性樹脂層に積層されたポリエチレン層若しくはポリプロピレン層からなる無延伸多層積層体を、インフレーション法又はTダイ法により成膜し、この無延伸多層積層体を延伸した後、延伸された前記ポリエチレン層又はポリプロピレン層上に各々ポリエチレン又はポリプロピレンを直接溶融接着してシーラント層を形成することを特徴とする医療用液体容器用プラスチックフィルムの製造方法。
  7. 上記無延伸積層体を延伸倍率が1.5〜20倍となるように延伸することを特徴とする請求項6記載の医療用液体容器用プラスチックフィルムの製造方法。
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