JP3570126B2 - チップの実装装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルなどの基板にドライバ用のチップを実装するチップの実装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルなどの表示パネル用の基板にはドライバ用のチップが実装される。この基板とチップの接合方法として異方性導電材(以下、「ACF」という)を使用する方法が知られている。この方法によるチップの実装装置は、基板の回路面の電極にこのACFを貼着するステーション、貼着されたACFの上にチップを搭載するステーション、その後搭載されたチップを一定時間加熱圧着するステーションを備えている。
【0003】
表示パネル用の基板の種類の中には、ポケットベルや電卓などキャラクターディスプレイのみを行う単機能のもので、実装されるドライバチップの数が1つのみのものがある。これらは一般に製品価格としては低価格であり、製造コストも低いものでなければならない。したがってこれらの製造に使用される装置は生産性の高いものであることが求められる。このような実装チップ数が少ない基板へ前記チップの接合方法を適用する場合、以下のような装置の効率上の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような基板にチップを実装するチップの実装装置には、単に高い実装精度だけでなく、生産性の向上のために高速性が要求される。したがってこの種チップの実装装置は、上記した各工程を互いに連係させて段取りよく行えることが望ましい。しかしながら従来、このような高い実装精度と高速性を共に満足する技術は未だ確立されていない実情にあった。
【0005】
また前記のような表示パネル用の基板では、搭載点数が少ないことからタクトタイムの中で実装に要する正味時間が占める比率が低く、装置全体の効率を上げるためには実装正味時間以外の時間、すなわち搬送に要する時間や待ち時間の短縮が必要である。この待ち時間短縮のため、実装中にも各工程を行うステーションへ対応したステージに基板の受け渡しを行うことができるようにすることが求められていた。しかしながら従来の装置では、この基板の受け渡しに際して高い位置精度が求められていたため、常に所定位置でしか基板の受け渡しが行えず、実装と基板の受け渡しとを同時に行うことができないという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は前記のような表示パネル等を対象とした生産性の高いチップの実装装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるチップの実装装置は、基板に異方性導電材を貼着する異方性導電材貼着ステーションと、基板上に貼着された異方性導電材の上にチップを搭載するチップ搭載ステーションと、基板に搭載されたチップを基板に圧着する圧着ヘッドを備えた圧着ステーションと、前記各ステーションに基板を位置決めするステージを備えたチップの実装装置であって、前記基板を位置決めする各々のステージが複数の基板支持テーブルを備え、これら基板支持テーブルが駆動手段により前後動する複数のクランパを基板の複数辺に押しつけて基板を位置決めする位置決め手段を備えた。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記構成の本発明によれば、1つのステーションに対し基板の位置決めをするステージに複数の基板支持テーブルを備えるようにしたことにより、実装中であっても基板の搬送が行える。またそれぞれの基板支持テーブルに位置決め機能を備えたことによりラフな搬送精度で基板の受け渡しが行え、ロス時間の少ない効率的な搬送機構を備えたチップの実装装置が実現される。
【0009】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のチップの実装装置の正面図、図2は同チップの実装装置の斜視図、図3は同チップの実装装置のACF貼着ステーションの斜視図、図4は同チップの実装装置のチップ搭載ステーションの斜視図、図5は、同チップの実装装置の圧着ステーションの斜視図、図6、図7、図8、図9、図10、図11は同チップの実装装置の基板の搬送方法を示す平面図である。
【0010】
まず、図1および図2によりチップの実装装置の全体構成を説明する。図1、図2において1は基板であり、矢印の方向に供給される。本チップの実装装置は、基板1の供給方向より順に、ACF貼着ステーション10、チップ搭載ステーション30及び圧着ステーション40の3つのステーションを備えている。これらの各ステーションは、共通架台5上に横一列に配置されている。
【0011】
ACF貼着ステーション10は、後述するACFテープを所定長さに切断し基板1の所定位置に貼付する。このACF貼着ステーション10の前方には第1のステージ50が設けられており、このACF貼着ステーション10に対して基板1を位置決めする。
【0012】
チップ搭載ステーション30では、基板1に貼着されたACF2の上にチップ3を搭載する。また、チップ搭載ステーション30の前方には第2のステージ70が設けられており、このチップ搭載ステーション30に対して基板1を位置決めする。
【0013】
圧着ステーション40では搭載されたチップ3を基板1に所定時間圧着する。このステーション40は第1の圧着ヘッド46及び第2の圧着ヘッド47の2つの圧着ヘッドを備えている。またそれぞれの圧着ヘッド46,47に対して基板1を位置決めする第3のステージ80及び第4のステージ90が設けられている。
【0014】
第1のステージ50の上流側にはプリセンタステージ6が設けられている。プリセンタステージ6は基板1を予め位置決めし、第1のステージに供給する。また第4のステージ90の下流側には搬出ステージ7が設けられている。搬出ステージ7は第3のステージ80または第4のステージ90から搬出される基板1を受け取る。
【0015】
また各ステージ間で基板1を吸着搬送するために、以下に述べる複数の移送ヘッドが設けられている。供給移送ヘッド100は、プリセンターステージ6から第1のステージ50へ、第1の移送ヘッド101は第1のステージ50から第2のステージ70へ、第2の移送ヘッド102は第2のステージ70から第3のステージ80または第4のステージ90へ、搬出移送ヘッド103は第3のステージ80または第4のステージ90から搬出ステージ7へそれぞれ基板1を吸着して搬送する。
【0016】
次に図3(a),(b)を参照してACF貼着ステーション10及びこのACF貼着ステーション10に基板1を位置決めする第1のステージ50の構成について説明する。11は本体フレームであり、以下に説明する各部が配設されている。12はテープ供給部であり、図示しない内部にACFテープ13を供給する機構を内蔵している。ACFテープ13は、図3(b)に示すように、セパレータテープ14にACF2を貼着して構成される。
【0017】
このテープ供給部12にはACFテープ13を引き出すためのテープ取り出し用の開口15が設けられている。16はチャックであり、図示しない開閉機構と水平送り機構とを備え、テープ取り出し用の開口15からテープ13をチャックして引き出す。またテープ取り出し用の開口15に近接して上下2枚の切断刃からなるカッタ17が設けられている。カッタ17は図示しない駆動手段により上下動し、開口15から引き出されACFテープ13を所定の長さに切断する。
【0018】
チャック16によって引き出されたACFテープ13の上方には吸着ヘッド18が設けられている。吸着ヘッド18はシリンダ19のロッド19aに結合されており、ロッド19aが突没することにより上下動する。またこの吸着ヘッド18は図示しない真空源に接続されており、吸着ヘッド18内部を真空吸引することにより吸着ヘッド18の下面で当接物を真空吸着する。したがって吸着ヘッド18が下降し、先端部をチャック16にクランプされた状態のACFテープ13のセパレータ14面に当接するとこのACFテープ13を吸着する。前述のカッタ17はこの状態でACFテープ13を切断する。また吸着ヘッド18はさらに下降しこの吸着し切断された状態のACFテープ13を基板1に押し付けて貼着する。
【0019】
本体フレーム11にはセパレータテープ14の剥離ユニット20が装着されている。剥離ユニット20は基板1に貼着されたACFテープ13からセパレータテープ14のみを剥がすためのもので、以下の要素により構成される。フレーム21の前面には粘着テープ22の供給リール23、巻き取りリール24が設けられている。供給リール23、巻き取りリール24の側方には、シリンダ25が配設されている。シリンダ25のロッドにはローラ26が装着されている。22は粘着テープであり、供給リール23から引き出され、ローラ26を周回して巻き取りリール24によって巻き取られる。
【0020】
したがって剥離ユニット20が基板1の上方に位置決めされた状態でシリンダ25のロッドが突出するとローラ26が下降し、ローラ26を周回する粘着テープ22は基板1に押しつけられる。この状態で基板1とローラ26を相対移動させ、ローラ26を転動させれば基板1に貼着されたACFテープ13のうち、セパレータテープ14のみが粘着テープ22によって剥離される。
【0021】
同じく図3(a)により第1のステージ50の構成について説明する。ACF貼着ステーション10の前方には、以下説明する第1の可動テーブル51が配設されている。52は第1のXテーブルであり、この第1のXテーブル52の上に第1のYテーブル53が載置されている。第1のYテーブル53の上には鍵型の支持台54がACF貼着ステーション10の方向に張り出して装着されている。支持台54の上面には第1のθテーブル55が装着されている。MX1,MY1,Mθ1はそれぞれのテーブルを駆動するモータである。この第1のXテーブル52、第1のYテーブル53、第1のθテーブル55などが第1の可動テーブル51を構成する。
【0022】
第1のθテーブル55は回転軸56を備えており、その上端部にはアーム57が結合されている。アーム57の上面には2つの基板支持テーブル58が装着され、回転軸56の軸線を中心に水平回転自在となっている。それぞれの基板支持テーブル58には、基板受け60及び3つのクランパ61,62,63が装着されている。これらの基板受け60、及びクランパ61,62,63は、同一の駆動手段によって駆動される4つの駆動体(図示せず)に結合され、基板支持テーブル58の中心点対称に前後動をする(それぞれの矢印参照)。
【0023】
また基板受け60の上面には図示しない吸着口が開口されており、真空吸引されることにより基板1を吸着保持する。すなわち、図示しない駆動手段が駆動されると基板受け60に吸着された基板1を3方向からクランパ61,62,63が押しつけられ、基板1は基板支持テーブル58の中心に対して位置合わせされる。このように基板支持テーブル58により位置合わせされた基板1は、第1の可動テーブル51が駆動されることにより、ACF貼着ステーション10に対してX方向、Y方向及びθ方向について位置合わせされる。
【0024】
手前側の基板支持テーブル58の上方には、第1の移送ヘッド101が設けられている。第1の移送ヘッド101は昇降と水平方向の移動が可能な吸着ヘッドで第1ステージ50の手前側の基板支持テーブル58上の基板1を吸着し、第2のステージ70に移送する。
【0025】
次に図4を参照してチップ搭載ステーション30の構成を説明する。図3において31はパレットであって、図示しない駆動手段により矢印方向にピッチ送りされる。パレット31の上にはトレイ32が載置されている。トレイ32はこのチップ搭載ステーション30で基板1上に搭載されるチップ3を収納する。トレイ32の上方にはチップピックアップヘッド33が設けられている。チップピックアップヘッド33は図示しない駆動手段によりX方向の移動と昇降が可能となっている。チップピックアップヘッド33はトレイ32にバンプ面を上向きにして収納されたチップ3を真空吸着してピックアップする。
【0026】
チップピックアップヘッド33の下方には反転ユニット35が設けられている。反転ユニット35は回転可能な直立した円盤の外周に吸着式のチップ保持ヘッド34を装着したものである。チップ保持ヘッド34は直上向きの位置でチップピックアップヘッド33からチップ3を受け取る。反転ユニット35の直下にはチッププリセンタ36が配設されている。チッププリセンタ36は反転ユニット35のチップ保持ヘッド34からチップ3を受け取る。このとき反転ユニット35は上下方向へ180度回転しており、チップ3は反転されてバンプが下向きとなっている。またチッププリセンター36にはセンタリング機構が備えられており、4方向からチップ3を押しつけて位置決めをする。このチッププリセンタ36は支持台37上に前後方向にスライド可能に装着されている。
【0027】
支持台37の前端部の上方にはロータリーヘッド38が水平回転可能に配設されている。ロータリーヘッド38は位置割出しが可能な回転体であり、それぞれの割り出し位置にはチップの搭載ヘッド39が装着されている。搭載ヘッド39は昇降可能な吸着ヘッドである。チッププリセンタ36はチップ3を受け取るとセンタリングをし、図の点線の位置へスライドして搭載ヘッド39へチップ3を受け渡す。チップ搭載ヘッド39は受け取ったチップ3を基板1に貼着されたACF2の上に搭載する。基板1の、チップ3の搭載位置の下方にはCCDカメラ79が設置されており、チップ3のバンプ面及び基板1面の位置認識マークを画像により取り込み、制御部(図外)へ画像データを送る。
【0028】
このチップ搭載ステーション30にはこのチップ搭載ステーション30に対して基板1を位置決めする第2のステージ70が設けられている。この第2のステージ70は第2の可動テーブル71を備えている。可動テーブル71は、第2のXテーブル72、第2のYテーブル73から成っている。Yテーブル73上には支持台74が設けられており、支持台74上には第2のθテーブル75が設けられている。MX2,MY2,Mθ2はそれぞれの駆動用モータである。第2のθテーブル75の回転軸76の上端にはアーム77が結合されている。このアーム77の上面には2つの基板支持テーブル78が装着されている。これら第2の可動テーブル71及び基板支持テーブル78は第1のステージ50の第1の可動テーブル51及び基板支持テーブル58と同様の構成であるので説明は省略する。
【0029】
第2の移送ヘッド102は第1の移送ヘッド101と同様の吸着ヘッドで、第2ステージ70の手前側の基板支持テーブル78上の基板1を吸着し、第3のステージ80または第4のステージ90に選択的に移送する。この移送については後に詳述する。
【0030】
次に図5により圧着ステーション40の構成を説明する。41は門型フレームであって、下板42、天板43及びコラム44からなる。天板43には支持プレート45が取り付けられている。支持プレート45には第1の圧着ヘッド46及び第2の圧着ヘッド47が装着されている。それぞれの圧着ヘッド46,47の下部には圧着ツール48が備えられ、チップ3を加熱するとともにチップ3に対して上からの押圧力を加える。また圧着ツール48の下方の圧着位置には受け台49が設けられており、チップ3が圧着される基板1の下面を受け圧着荷重を支持する。
【0031】
この圧着ステーション40に対応して、それぞれの圧着ヘッド46,47に対して別個に基板1を位置決めする第3のステージ80及び第4のステージ90が設けられている。第3のステージ80には2つの基板支持テーブル88が、また第4のステージ90には同様に2つの基板支持テーブル98が設けられている。図5において82は第3のXテーブルである。この第3のXテーブル82上には図示しない共通のスライドレールを利用して第3のYテーブル83、及び第4のYテーブル93の2つのYテーブルが装着されている。第3のXテーブル82には、これら2つのYテーブルに対応してモータMX3,MX4が設けられ、それぞれ独立して駆動される。MY3は第3のYテーブル83のモータ、MY4は第4のYテーブル93のモータである。第3のYテーブル83と第4のYテーブル93上には支持台84,94がそれぞれ設けられている。支持台84,94上にはそれぞれ第3のθテーブル85と第4のθテーブル95が設けられている。Mθ3,Mθ4はそれぞれの駆動用モータである。各θテーブル85,95の回転軸86,96にはアーム87,97が結合されており、アーム87,97上には基板支持テーブル88,98が2個装着されている。
【0032】
103は搬出移送ヘッドであり、第1の移送ヘッド101と同様の吸着ヘッドである。搬出移送ヘッド103は、第3のステージ80の基板支持テーブル88または第4のステージ90の基板支持テーブル98上の基板1を選択的に真空吸着し、搬出ステージ7(図1)に移送する。
【0033】
次に図6を参照して本チップの実装装置の搬送手段の構成について説明する。104は移動フレームであって、以下に説明する基板の各移送ヘッドがこの共通の移動フレーム104上に配設されている。供給移送ヘッド100は最も上流側に配設され、待機時にはプリセンタステージ6上に位置する。この供給移送ヘッド100はプリセンタステージ6から第1のステージ50へ基板1を移送する。供給移送ヘッド100に続いて、第1の移送ヘッド101が設けられ、待機時には第1のステージ50上に位置する。この第1の移送ヘッド101は第1のステージ50から第2のステージ70へ基板1を移送する。
【0034】
第1の移送ヘッド101に続いて第2の移送ヘッド102が設けられ、待機時には第2のステージ70上に位置する。第2の移送ヘッド102は第2のステージ70から、第3のステージ80または第4のステージ90に選択的に基板1を移送する。搬出移送ヘッド103は最も下流側に位置し、待機時には第3のステージ80または第4のステージ90上に位置する。搬出移送ヘッド103は第3のステージ80または第4のステージ90から搬出ステージ7まで基板1を搬送する。
【0035】
移動フレーム104の側面には水平方向移動手段であるシリンダ105のロッド105aが結合されている。シリンダ105のロッド105aが突没すると、全ての移送ヘッド100,101,102,103が同時に横方向(X方向)へスライドする。
【0036】
隣接する各ステージ間のピッチは、プリセンタステージ6から第3のステージ80に至るまでの各ピッチ及び第3のステージ80と搬出ステージ7間についてはX1、第3のステージ80と第4のステージ90間のみがX2となっている。第2の移送ヘッド101は第1のピッチ変更手段であるシリンダ106のロッド106aと、また搬出移送ヘッド103は第2のピッチ変更手段であるシリンダ107にロッド107aと結合されている。これら2つのシリンダ106,107のストロークはX2である。したがってこれらのシリンダ106,107のロッド106a,107aが突没することにより、第2の移送ヘッド102及び搬出移送ヘッド103の移動フレーム104上での位置をX2だけ移動させることができる。
【0037】
次に図12および図13を参照して各ステージに使用されている基板支持テーブルおよびθテーブルの構成を基板支持テーブル58及び第1のθテーブル55を例にとって説明する。図12は、本発明の一実施の形態のチップの実装装置の基板支持テーブルの平面図、図13は同チップの実装装置の基板支持テーブルの側面図である。第1のθテーブル55のベースとなる支持台110の上面には2条のレール111が配設されている。このレール111にはスライダ112が嵌合しこのスライダ112には支持プレート113が装着されている。したがってこの支持プレート113は支持台110に対しスライド自在となっている。
【0038】
支持プレート113にはナット113aが結合され、このナット113aには送りネジ114が挿入されている。この送りネジ114はパルス制御可能なθモータMθ1によって駆動される。また支持プレート113の端部にはラック115が装着され、このラック115はピニオン116とかみ合っている。したがって、モータ117が正逆回転することにより、ピニオン116を正逆回転駆動する。ピニオン116には回転軸56が嵌通している。
【0039】
回転軸56の下端部は支持台110に突設された軸受120によって軸止されている。回転軸56の上端にはアーム57が装着され、回転軸56回りに旋回可能となっている。アーム57の上面には1対の基板支持テーブル58が装着されている。基板支持テーブル58は基板1を吸着支持するためのもので、以下説明するセンタリング機構を備えている。アーム57の上面にはエアチャック124が装着されている。エアチャック124は同一の駆動手段により駆動される4つの駆動体123を備えている。すなわち、エアチャック124を駆動すると、これらの4つの駆動体123はエアチャック124の中心点に対称に4方向から前後動をする(図12の矢印参照)。
【0040】
このエアチャック124の中心点は基板支持テーブル58の中心点にほぼ一致する。駆動体123の1つには基板受け60が装着されている。基板受け60には吸着口126が設けられ、図示しない真空源に接続されている。真空吸引により基板受け60は基板1を
吸着する。他の3つの駆動体123にはクランパ61,62,63が装着されている。
【0041】
基板受け60に基板1を吸着した状態でエアチャック124が駆動すると、基板1は基板受け60により基板支持テーブル58の中心点に向かって移動する。基板1はその移動の途中でクランパ61,62,63により3方向から中心点に向かって押しつけられる。したがって基板1は基板支持テーブル58に対して位置決めされる。また、図13において右側の基板支持テーブル58上の基板1上のACF2やチップ3が搭載される部分は基板受け60からはみ出した位置にあり、下方からのカメラ79による撮像を可能にしている。
【0042】
このチップの実装装置は上記のような構成より成り、以下、各図を参照して全体の動作を説明する。まず図3を参照してACF貼着ステーション10の動作を説明する。図3において、ACFテープ13はチャック16によってテープ供給部12より所定長さだけ引き出されその先端部をクランプされている。次にシリンダ19が突出すると吸着ヘッド18が下降する。吸着ヘッド18がACFテープ13のセパレータテープ14の上面に当接すると吸着ヘッド18がACFテープ13を吸着する。
【0043】
次にカッタ17が動作しACFテープ13を切断する。次にチャック16が開きACFテープ13先端のクランプが解除されると切断されたACFテープ13は吸着ヘッド18のみによって吸着保持された状態となる。
【0044】
次に吸着ヘッド18は予め位置決めされた基板1の上面に向かって下降し切断されたACFテープ13を基板面の所定位置に押し当てACF2を貼着する。貼着後吸着ヘッド18は上昇し待機位置に戻る。ACFテープ13はカッタ17位置の上流をクランプされており、ACFテープ13の先端部はフリーな状態でカッタ17位置まで突出している。
【0045】
次にチャック16が開状態で後退し、この突出したテープ13先端をクランプしたならば再び前進する。この動作によりACFテープ13は所定長さだけ引き出され、説明開始時の状態に戻る。また貼着されたACFテープ13の表面のセパレータテープ14は剥離ユニット20によって剥離され、粘着テープ22の表面に移し取られる。
【0046】
次に図3を参照して第1のステージ50の動作について説明する。プリセンタステージ6にて位置決めされた基板1は供給移送ヘッド100により吸着され、第1のステージ50の手前側の基板支持テーブル58に移送される。移送時には基板支持テーブル58のクランパ61,62,63は後退位置にある。すなわちクランパ61,62,63の前部端面で囲まれる範囲は基板1よりも大きい。したがって基板1の移送に際してはこれらクランパ61,62,63の前部端面で囲まれる範囲内に基板を置けばよい。この範囲に置かれた基板1は前述のセンタリング機能により基板支持テーブル58に対し正確に位置決めされる。
【0047】
次に基板1がセットされた基板支持テーブル58は第1のθテーブル55により180度旋回し、ACF貼着ステーション10に対し位置決めされる。このようにして位置決めされた基板1にACFテープ13が貼着される。ACFテープ13の貼着が完了した後、この基板1がセットされた基板支持テーブル58は第1のθテーブル55により再び180度旋回し、手前側の位置に戻る。次にクランパ61,62,63が後退するとともに、基板受け60の真空吸着が解除される。この状態で基板1はフリーとなり、第1移送のヘッド101による移送が可能となる。この動作は第2のステージ70以下においても同様である。
【0048】
次にチップ搭載ステーション30の動作を図4を参照して説明する。チップ3はトレイ32内にバンプを上向きに収納されている。チップピックアップヘッド33はX方向にスライドし、トレイ32のチップ3をピックアップする。
【0049】
このようにしてピックアップされたチップ3はバンプを上向きの姿勢で反転ユニット35の保持ヘッド34に渡される。反転ユニット35は180度回転し受け取ったチップ3をバンプ面が下向きの姿勢でチッププリセンタ36に渡す。チッププリセンタ36はロータリヘッド38の搭載ヘッド39との受け渡し位置(点線参照)までスライドする。搭載ヘッド39はチッププリセンタ36上に下降し、チップ3を吸着した後上昇する。
【0050】
次にロータリーヘッド38は旋回しチップ3が搭載位置まできたならば停止し待機する。一方、第1のステージ50にてACF2を貼着された基板1は、第1のステージ50から第1の移送ヘッド101により吸着され第2のステージ70の手前側の基板支持テーブル78に移送される。基板1は第1のステージ50と同様に基板支持テーブル78によってセンタリングされ、その後180度旋回してチップ搭載ステーション30に対して位置決めされる。
【0051】
この状態でチップ搭載位置の下方に位置するCCDカメラ79がチップ3のバンプと基板1の位置認識マークの画像を取り込み、画像によるチップ3と基板1の位置合わせが行われる。この位置合わせは第2のXテーブル72、第2のYテーブル73、第2のθテーブル75を微小駆動することにより行われる。この位置合わせ後、搭載ヘッド39が下降しチップ3を基板1のACF2の上に搭載する。
【0052】
次に、圧着ステーション40の動作を図5を参照して説明する。第2のステージ70からチップ3が搭載された基板1が第2の移送ヘッド102により、第3のステージ80または第4のステージ90の手前側の基板支持テーブル88,98のいずれかに移送される。以下第3のステージ80に移送された場合について説明する。この基板1は前述のセンタリング機能により第3のステージ80の基板位置決めテーブル88の中心に対して位置決めされる。その後この基板支持テーブル88はさらに第3のθテーブル85によって180度旋回し、第3のYテーブル86が前進することにより第1の圧着ヘッド46に対して位置決めされる。
【0053】
この位置決めされた状態では、基板1のチップ搭載部分は圧着ステーション40の受け台49上に載置されている。次に第1の圧着ヘッド46が下降し、先端の圧着ツール48がチップ3の上面に当接しチップ3を加熱するとともに所定時間押圧する。このとき、押圧力は受け台49にて支持され、基板支持テーブル88には押圧荷重は作用しない。
【0054】
所定の押圧時間が経過すると第1の圧着ヘッド46は上昇し、第3のステージ80は第3のYテーブル83により後退する。次いで第3のθテーブル83によって圧着後の基板1を載置した基板支持テーブル88が手前側に戻る。この圧着後の基板1は搬出ヘッド103により搬出ステージ7へと移載される。
【0055】
次に本チップの実装装置の搬送系全体の動作について、図6から図11を参照して説明する。図6において、英字A,B,C・・・Iは基板1を表し、アルファベットの順序は基板1が本装置に供給された順序を表している。すなわち、基板Aが一番最初に装置に供給され、基板Iが一番最後に供給されたものである。図6では、基板Aは圧着中、基板Bは圧着開始、基板C、基板Dは圧着待ちの状態である。同様に基板Eはチップ3の搭載中、基板Fはチップ3の搭載待ち、基板GはACF2の貼着中、基板HはACF2の貼着待ち、基板Iは搬入待ちの状態であることを示している。
【0056】
図7は、各ステーションの工程が進行して第1のステージ50では基板GへのACF2の貼着が、第2のステージ70では基板Eへのチップ3の搭載が、第3のステージ80では基板Aの圧着がそれぞれ完了し、工程を終えたそれぞれのステージで基板支持テーブルが180度旋回した状態を示している。第4のステージ90では基板Bが依然チップ3の圧着中である。
【0057】
図8では、搬入待ちであった基板I及び工程を完了した基板G,E,Aの4つの基板が同時に搬送される途中の状態を示している。この搬送は4つの各移送ヘッド100,101,102,103が基板1を吸着し、移動フレーム104が水平移動手段105によってX1だけ水平移動することにより行われる。
【0058】
図9はその後工程が進行した状態を示す。プリセンタステージ6には新たな基板Jが供給され搬入待ち、第1ステージ50では基板IがACF2の貼着待ち、基板HがACF2の貼着中である。第2ステージ70では基板Gがチップ3の搭載待ち、基板Fがチップ3の搭載中である。第3のステージ80では基板Eが圧着待ち、基板Cが圧着開始した状態である。第4のステージ90では基板Dが圧着待ち、基板Bは依然圧着中である。また基板Aは搬出ステージにおいて搬出待ちである。このとき、搬出ヘッド103は第2のピッチ変更手段であるシリンダ107が突出し、ピッチがX1+X2となり第4ステージ90から基板Dを取り出せるようスタンバイ状態にある。
【0059】
図10は工程が更に進行した状態を示している。すなわち、第1のステージ50では基板HへのACF2の貼着が、第2のステージ70では基板Fへのチップ3の搭載が、また第4のステージ90では基板Bの圧着がそれぞれ完了している。第3のステージ80では基板Cの圧着がタイムアップせず、進行中である。この状態で、各移送ヘッド100,101,102,103が下降して搬入待ちであった基板Jおよびそれぞれの工程を完了した基板H,F,Bの吸着動作に移る。
【0060】
図11は搬送が完了した状態を示す。搬入待ちであった基板Jと、前工程が完了した基板H,F,Bは、それぞれ次のステージへと進んでいる。これら4つの基板は共通の移動フレーム104に装着された4つの移送ヘッド100,101,102,103によって同時に搬送される。この場合、移動フレーム104の水平移動と同時に第1のピッチ変更手段であるシリンダ106が突出し、第1の移送ヘッド101と第2の移送ヘッド102との間隔がX1+X2へと変更され、また同時に第2のピッチ変更手段であるシリンダ107が後退し、第2の移送ヘッド102と搬出ヘッド103との間隔がX1−X2に変更される。
【0061】
この結果第2のステージ70にあった基板Fは第3のステージ80を飛び越えて第4のステージ90に移送される。また第4のステージ90にあった基板Fは共通ピッチX1より近いX1−X2の距離にある搬出ステージ7に移載される。
【0062】
次に図12および図13を参照して各ステージに用いられている基板支持テーブルとθテーブルの動作について説明する。図12において右側の基板支持テーブル58は実装中の基板1を支持するため、また左側の基板支持テーブル58は基板1の受け渡しのためのものである。
【0063】
上流側のステージからの基板1を受け取る前の基板支持テーブル58は、図12のように3つのクランパ61,62,63と基板受け60は基板支持テーブルの中心点から遠ざかった位置に後退している。この状態では3つのクランパ61,62,63の前端面で囲まれる部分は基板寸法より大きく、十分なクリアランスを持って上流側のステージから移送される基板1を受け入れることができる。
【0064】
基板1が基板支持テーブル58上に載置されると基板受けの吸着口126が真空吸引を開始し、基板1は吸着保持される。この状態でエアチャック124が駆動され、4つの駆動体123は中心点対称に前進する。このため基板1は中心側へ寄せられるとともに3方向からクランパ61,62,63により押しつけられる。この結果基板1は基板支持テーブル58の中心点に対し位置決めされる。次にモータ117の回転によりアーム121が180度回転することで位置決めされた基板1と、実装が完了した基板1が入れ替えられる。
【0065】
基板支持テーブル58でセンタリングされた状態の基板1は、実装ステーションに対しては完全に位置決めされておらず、位置補正が行われる。位置補正は各ステージのXテーブル、Yテーブル(図外)およびモータ117を駆動することによるアーム121の角度補正によって行われる。また、チップ搭載ステーション30では、搭載位置の下方のカメラ79によりチップ3のバンプと基板1の位置認識マークの画像が取り込まれこの結果により位置補正が行われる。
【0066】
また各工程が完了した基板1はアーム121の回転により左側の基板受け渡し位置に移動する。その後基板支持テーブル58のクランパ61,62,63が後退しまた基板受け60の真空吸引が解除され基板1はフリーとなる。この状態で各移送ヘッドがこの基板1を吸着し下流側のステージへと移送する。
【0067】
本発明は上記実施の形態に限定されないのであって、例えば基板支持テーブル122の数は2つに限らず3以上でもよく、センタリング機構のクランプ方向も3つには限定されない。またセンタリング機構の駆動源も前後動を行うものであればエアチャックには限定されない。
【0068】
【発明の効果】
上記構成の本発明によれば、1つのステーションに対し基板の位置決めをするステージに複数の基板支持テーブルを備えるようにしたことにより、実装中であっても基板の搬送が行える。またそれぞれの基板支持テーブルに位置決め機能を備えたことによりラフな搬送精度で基板の受け渡しが行え、ロス時間の少ない効率的な搬送機構を備えたチップの実装装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のチップの実装装置の正面図
【図2】本発明の一実施の形態のチップの実装装置の斜視図
【図3】本発明の一実施の形態のチップの実装装置のACF貼着ステーションの斜視図
【図4】本発明の一実施の形態のチップの実装装置のチップ搭載ステーションの斜視図
【図5】本発明の一実施の形態のチップの実装装置の圧着ステーションの斜視図
【図6】本発明の一実施の形態のチップの実装装置の基板の搬送方法を示す平面図
【図7】本発明の一実施の形態のチップの実装装置の基板の搬送方法を示す平面図
【図8】本発明の一実施の形態のチップの実装装置の基板の搬送方法を示す平面図
【図9】本発明の一実施の形態のチップの実装装置の基板の搬送方法を示す平面図
【図10】本発明の一実施の形態のチップの実装装置の基板の搬送方法を示す平面図
【図11】本発明の一実施の形態のチップの実装装置の基板の搬送方法を示す平面図
【図12】本発明の一実施の形態のチップの実装装置の基板支持テーブルの平面図
【図13】本発明の一実施の形態のチップの実装装置の基板支持テーブルの側面図
【符号の説明】
1 基板
2 ACF
3 チップ
6 プリセンタステージ
7 搬出ステージ
10 ACF貼着ステーション
30 チップ搭載ステーション
40 圧着ステーション
50 第1のステージ
70 第2のステージ
80 第3のステージ
90 第4のステージ
Claims (1)
- 基板に異方性導電材を貼着する異方性導電材貼着ステーションと、基板上に貼着された異方性導電材の上にチップを搭載するチップ搭載ステーションと、基板に搭載されたチップを基板に圧着する圧着ヘッドを備えた圧着ステーションと、前記各ステーションに基板を位置決めするステージを備えたチップの実装装置であって、前記基板を位置決めする各々のステージが複数の基板支持テーブルを備え、これら基板支持テーブルが駆動手段により前後動する複数のクランパを基板の複数辺に押しつけて基板を位置決めする位置決め手段を備えたことを特徴とするチップの実装装置。
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