JP3568859B2 - 冷陰極及びその冷陰極の製造方法 - Google Patents

冷陰極及びその冷陰極の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3568859B2
JP3568859B2 JP2000018242A JP2000018242A JP3568859B2 JP 3568859 B2 JP3568859 B2 JP 3568859B2 JP 2000018242 A JP2000018242 A JP 2000018242A JP 2000018242 A JP2000018242 A JP 2000018242A JP 3568859 B2 JP3568859 B2 JP 3568859B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating layer
gate insulating
electron source
cold cathode
pores
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000018242A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001210221A (ja
Inventor
博 大木
紀基 常定
雅夫 浦山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2000018242A priority Critical patent/JP3568859B2/ja
Publication of JP2001210221A publication Critical patent/JP2001210221A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3568859B2 publication Critical patent/JP3568859B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端径、密度、長さを制御した電子源を有する冷陰極にかかる発明であり、特に、信頼性を向上させ、製造コストを低減させる冷陰極に係り、冷陰極ランプ、蛍光表示管、薄型画像形成装置に好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
陰極線管のように大きな熱エネルギーを与えて熱電子放出を起こすのではなく、強電界を印加することで冷電子を放出する冷陰極に関する研究が、そのデバイス構造、材料などの分野において、盛んに研究、開発されている。
【0003】
近年、円筒状に巻いたグラファイト層が入れ子状になった形状を有するカーボンナノチューブ(CNT)が飯島ら(S.Iijima、Nature、354、56、1991)によって発見され、ダイアモンド、ダイアモンドライクカーボン等と同様に、炭素材料の電子デバイスへの応用が期待されている。
【0004】
例えば、炭素材料の一つであるCNTを用いた電子デバイスとしては、特開平10−12124号公報に開示されるように、アルミニウム基板を陽極酸化して形成した酸化皮膜の細孔中に、CVD法でCNTを選択成長した3極管構成の電界放出電子源(図6)がある。
【0005】
ここで、図6の電子放出素子を以下の説明する。電子源はカーボンナノチューブ2で構成され、カーボンナノチューブ2は規則正しく配列した陽極酸化膜の細孔中に設けられた触媒5を利用して形成される。電子源は、間隙6で素子分離され、カソード電極(アルミニウム)3と電気的に接続される。電子放出素子は、カーボンナノチューブ2から電子を引き出すための引き出し電極1が陽極酸化膜表面に設けられ、カーボンナノチューブ2と対向するようにアノード電極4が設けられて構成される。このような電子放出素子は、エミッション電流の電流強度の時間的安定性を改良可能にするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−12124号公報に開示される3極管構成の電子源は、カソード電極(アルミニウム)と引き出し電極とが平行に構成されるため、XYマトリクスで電子源をアドレスすることができないという問題があった。また、製造方法においては、製造過程の熱工程(CVD工程)によって、アルミニウムがダメージを受けやすいため、デバイスの信頼性を大きく劣化させるという課題があった。更に、前記電子源は、アルミニウムの堆積、パターニング等で形成されるため、高コストであるという課題も有していた。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、信頼性の高い、XYマトリクス可能な電子源を提供すると共に、このような電子源を低コストで製造することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明による冷陰極は、電子源と、前記電子源と電気的に接続されたカソード電極と、ゲート電極と、前記電子源と前記ゲート電極とを電気的に絶縁するためのゲート絶縁層とから構成される冷陰極において、前記ゲート絶縁層が第1のゲート絶縁層と第2のゲート絶縁層とで構成され、前記第2のゲート絶縁層は、前記カソード電極とゲート電極との絶縁層を形成するとともに、開口部を有しており、前記第1のゲート絶縁層は、前記開口部に形成され、前記電子源が形成される鋳型構造を有することを特徴とする。このように、前記第1のゲート絶縁層を開口部、前記第2のゲート絶縁層を開口部の間隙に設けることにより、開口部(電子放出領域)を任意の大きさ、形状に分割可能にする。
【0009】
また、好ましくは、前記カソード電極と前記ゲート電極とが互いに直交し、該直交する 領域に、前記開口部が配設されていることを特徴とする
また、好ましくは、前記第1のゲート絶縁層は細孔を有し、前記ゲート絶縁層の細孔が前記電子源の形状を制御するための鋳型であることを特徴とする。このような鋳型構造とすることにより、電子放出領域の電子源密度、直径を精密制御可能にする。さらに好ましくは、前記鋳型構造の中に形成する電子源をカーボンナノチューブで構成することにより、低電圧駆動可能な、イオン衝撃耐性に優れる電子源を有する冷陰極を提供することが可能となる。
【0010】
さらに、前記第1のゲート絶縁層がアルミニウムの陽極酸化法による細孔とアルミナ薄膜により構成されていることを特徴とする。このように構成することにより、高精度に配列制御された細孔を有する鋳型構造を形成可能にする。
【0011】
また、本願発明による冷陰極は、電子源とカソード電極の層間に高抵抗層が配設され、前記電子源が(等価回路的に)並列に、前記高抵抗層と接続されると共に、前記電子源が互いに電気的に絶縁されることを特徴とする。このように構成することにより、個々の電子源が前記高抵抗層に対して並列に接続可能となり、信頼性の高い電流制限機構を配設可能にする。
【0012】
本願発明による冷陰極の製造方法では、支持基板上にカソード電極を形成する第1の工程と、前記カソード電極上に高抵抗層を形成する第2の工程と、前記高抵抗層上に第1のゲート絶縁層を形成し、第1のゲート絶縁層に細孔を設ける第3の工程と、前記細孔中に、電子源を前記カソード電極と電気的に接続するように形成する第4の工程と、前記第1のゲート絶縁層を形成した領域以外の前記高抵抗層上に第2のゲート絶縁層を形成する第5の工程と、第2のゲート絶縁層上にゲート電極を形成する第6の工程とを含むことを特徴とする。このような製造方法とすることにより、真空装置、フォトリソグラフィーを不要にでき、冷陰極製造の低コスト化を可能にする。
【0013】
さらに、好ましくは、前記第3の工程がアルミニウム薄膜を前記高抵抗層に貼り合わせる工程と、該アルミニウム薄膜を陽極酸化する工程とを含むことを特徴とする。このような製造方法とすることにより、精密制御された細孔を有する鋳型構造で、冷陰極製造を更に低コスト化可能にする。
【0014】
また、好ましくは、前記第3の工程がアルミ板、または、アルミ薄膜を陽極酸化する工程と、前記陽極酸化したアルミ板またはアルミ薄膜から陽極酸化皮膜を剥離する工程と、前記陽極酸化皮膜を前記高抵抗層に貼り合わせる工程とを含むことを特徴とする。このような製造方法とすることにより、冷陰極製造を更に低コスト化可能にする。
【0015】
また、上記電子源は、金属触媒を用いた気相炭素化法、または、プラズマを用いた気相炭素化法で形成することにより、冷陰極製造プロセスを低温化し、第1のゲート絶縁層の熱歪みを低減可能にする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて、本願の好適な実施形態を説明する。図1は、本実施形態の冷陰極を用いたデバイスの斜視図を示すものであり、ここでは、代表例として、フィールドエミッションディスプレイ(FED)を説明する。
【0017】
絶縁性の支持基板1上にカソード電極配線2が形成されている。支持基板1としては、セラミック基板、ガラス基板等を用いることができ、カソード電極配線2としては、従来よりFEDで用いられている金属材料を用いることができる。カソード電極配線2を被覆するように高抵抗層3が配設され、電子源7に対して電流制限を駆けている。このような電流制限機構は、電子源7の信頼性を向上するものであり、本実施形態の冷陰極の場合、電子源7に対して並列に、それぞれ独立に抵抗成分を付加する構造を有し、冷陰極の信頼性を大きく向上させている。
【0018】
電子源7は、第1のゲート絶縁層5により、その密度、直径を精密に制御されている。このような第1のゲート絶縁層5に形成される細孔は、直径が10〜30nm程度、密度が1010/cm2程度であり、これらを精密制御可能であることから、電子源7の鋳型(モールド)として最適な構造を有している。すなわち、本発明では、第1のゲート絶縁層5に電子源7に最適な形状の細孔を設け、この細孔を電子源7の鋳型として用い、電子源7形状の制御を行うものである。
【0019】
本発明では、前記電子放出領域となる第1のゲート絶縁層5と、電子放出領域以外に配設される第2のゲート絶縁層8を設け、従来単一のゲート絶縁層として存在していたゲート絶縁層を分割して構成する。このように構成することにより、電子放出領域に限定した鋳型構造の形成を可能にすると共に、電子放出領域以外の領域での電子源形成を防止する。即ち、電子放出領域のパターニングを可能にする。そして、前記鋳型構造を用いて電子源7を形成することにより、電子源密度、直径を精密に制御可能にする。
【0020】
電子源7としては、前記鋳型構造に充填可能な電子放出材料であれば、如何なる材料でも構わないが、低電圧駆動、イオン衝撃耐性の点で、カーボンナノチューブ等の炭素材料が好ましく、カーボンナノチューブ以外で鋳型中に形成可能な炭素材料としては、ダイアモンド、グラファイト、ダイアモンドライクカーボン等を用いることが可能である。
【0021】
また、鋳型構造として用いる第1のゲート絶縁層5としては、アルミニウムを陽極酸化して形成されるアルミナが好ましい。このようなアルミニウムの純度は、99%以上であれば、容易に陽極酸化可能であり、陽極酸化膜中に形成される細孔の直径を10nm以下に制御することも可能である。
【0022】
そして、ゲート電極配線9はカソード電極配線2と第2のゲート絶縁層8で電気的に絶縁されると共に、ゲート電極配線9とカソード電極配線2とは互いに直交させる。
【0023】
電子放出領域となる画素10は、カソード電極配線2とゲート電極配線9とが直交する領域に配設され、ドライバーICでXYアドレスされる。冷陰極を配設したカソード電極側支持基板に対向するように配設されたアノード電極側支持基板上には、アノード(透明)電極11、蛍光体12が設けられる。カソード電極配線2とゲート電極配線9とでアドレスされた画素内の電子源7は、真空中に電界放出し、対向するアノード電極11上の蛍光体12に衝突し、発光する。
【0024】
例えば、電子源7をカーボンナノチューブで形成した場合、電界強度:10V/μmで、電流密度:10mA/cm2のエミッションが得られた。また、発光輝度は500cd/m2程度であり、画像形成装置に用いるための発光輝度としては十分であった。
【0025】
次に、本実施形態で用いた冷陰極の製造方法について、図2及び図3を用いて説明する。まず、図2(a)のように、支持基板1上にカソード電極配線2を形成し、更にカソード電極配線2上に高抵抗層3を形成する。
【0026】
その後、高抵抗層3上の電子放出領域、画像形成装置であれば画素10領域に第1のゲート絶縁層5を形成し、該層上に多数の細孔6を設けるのであるが、その製造方法を詳しく説明した断面図が、図4(a)及び(b)である。ここで、多数の細孔6について説明する。細孔を有する絶縁層としては、微細加工不要である点を考慮すれば、アルミニウム薄膜を陽極酸化して得られるアルミナ陽極酸化皮膜が好ましく、その細孔6の直径を10nm以下に制御することが可能である。
【0027】
そこで、アルミナ陽極酸化皮膜の作製方法として、図4(a)は、アルミニウムの陽極酸化皮膜5を静電接着法等で高抵抗層3上に直接貼り合わせる製造方法を示す。この陽極酸化皮膜5は、冷陰極を構成する材料そのものとは、別に設けられたアルミニウム基板を、陽極酸化することにより陽極酸化皮膜5を形成し、この陽極酸化皮膜5をアルミニウム基板から剥離することで得られる。
【0028】
一方、図4(b)は、アルミニウム薄膜4を高抵抗層3上に直接形成(図2(b)参照)し、このアルミニウム薄膜4を陽極酸化することにより、高抵抗層3上に陽極酸化皮膜5を形成(図2(c)参照)する作製方法を示している。この時、アルミニウム薄膜の形成は、蒸着法等を用いたアルミニウム薄膜の堆積するか、フォトリソグラフィーとエッチングを用いたパターニングを組み合わせて行うか、または、アルミ箔を静電接着法で高抵抗層3上に直接貼り合わせる等の方法が好ましい。
【0029】
ただ、図4(b)によるような、アルミニウムの陽極酸化による陽極酸化皮膜5には、細孔6が形成されると共に、この細孔6の底部の高抵抗層3との界面に、通常、無水アルミナからなるバリア層が形成される。本実施形態においては、このバリア層をリン酸系の混酸でウエットエッチングすることにより、細孔6の底部のバリア層を除去する。これは、カソード電極と電気的に接続するためであり、バリア層を除去しないと、電子源に電圧印加できず、フローティングしてしまうなどの問題が起こりやすいからである。
【0030】
但し、目的により、バリア層を積極的に残す構造を選択することも可能である。すなわち、バリア層を残すことにより、抵抗成分を持たせ、抵抗層としての役割を持たせることにより、抵抗層の形成が不要な構造を提供することが可能となるからである。この場合、抵抗層の抵抗値の設計と、この設計にフィットしたバリア層の膜厚制御等が必要となる。
【0031】
上記バリア層を除去する構造において、バリア層除去を行うためのウエットエッチング時、細孔7の直径が拡大することが問題となる場合がある。これは、バリア層と細孔を構成する陽極酸化膜との材料が、基本的にアルミナで同一のものであることによる。従って、バリア層と陽極酸化膜とのエッチング選択比がなく(ほとんど1)、バリア層の膜厚分だけ、細孔をエッチングしてしまい、細孔径が拡大し、電界集中が弱くなり、エミッション特性が劣化という問題が生じる可能性が高い。
【0032】
よって、高抵抗層3とアルミニウム薄膜4の間にチタン(Ti)を挿入することで、細孔6底部のバリア層を導電性にできる。このバリア層へのチタンの拡散と考えらている該導電性パスは、アルミニウムの陽極酸化終了後も、引き続き陽極酸化を続行する事により形成することが可能となる。図5(b)は、チタンを挿入した冷陰極の構造図である。また、参照図として、チタンを挿入していない冷陰極の構造図を図5(a)に示す。
【0033】
図4(a)または(b)の何れの製造方法でも、画素10領域のアルミニウム4、または、陽極酸化皮膜5は、矢印13のように、高抵抗層3上に貼り合わされ、冷陰極製造コストの大幅削減を可能にする。すなわち、アルミ箔、陽極酸化膜を貼り合わせる製造方法を採用することにより、従来用いていた、蒸着、スパッタ等の真空装置を用いた薄膜形成プロセスが不要になり、パターニングのためのフォトリソプロセス及びエッチングプロセスも不要になり(即ち、マスク枚数が1枚削減される)、製造プロセスが簡略化され、高価な製造装置が不要になる点で、コストメリットが生じる事となる。
【0034】
次に、陽極酸化皮膜5の細孔6に電子源7を形成する。電子源7としては、低電圧駆動、イオン衝撃耐性の点で、カーボンナノチューブが好ましい。このカーボンナノチューブ電子源7は、CVD法で形成する。このような陽極酸化皮膜の細孔中にカーボンナノチューブを形成する技術は、特開平10−12124号公報で開示しているように、電気化学的に触媒を陽極酸化膜の細孔に析出し、析出した触媒に依存してカーボンナノチューブを成長させることにより可能となる。
【0035】
本実施形態においては、金属触媒を用いず、細孔7内壁の特異な反応場を用いたCVD法でカーボンナノチューブを形成する。即ち、細孔の内壁に依存したカーボンナノチューブの形成は、CVD法で用いられる反応ガスが細孔に侵入し、細孔内壁に堆積し、チューブを形成する。このように形成したチューブは、触媒を用いて形成したチューブよりも結晶性が悪いものの、チューブ先端が開放されており、電子源としては好ましい形状を有している。このようなCVD法のプロセス温度は800℃程度で可能となり、プラズマでアシストしたCVD法を用いるならば、600℃程度で可能となる。
【0036】
何れのCVD法の場合でも、冷陰極を構成する支持基板1、カソード電極配線2、高抵抗層3、及び第1のゲート絶縁層(陽極酸化皮膜)5の各々の融点温度は、CVD法のプロセス温度以上の材料を適宜選択すべきである。
【0037】
また、電子源7は、図3(a)のように、第1のゲート絶縁層5から突出している構造が好ましい。理論計算によれば、電子源7のピッチと同等か、または、それ以上の長さを第1のゲート絶縁層5から突出することにより、電子源7の電界集中を高め、エミッション特性の向上を可能とする。
【0038】
最後に、第2のゲート絶縁層8を少なくともゲート電極配線9が配設される領域に形成する。この第2のゲート絶縁層8は、カソード電極配線2上の高抵抗層3とゲート電極配線9とを電気的に絶縁するものである。ゲート絶縁層はカソード電極に対してライン状に形成する方法若しくは、デバイス全面に形成した後、開口部を形成する方法で形成することが可能である。
【0039】
前者のライン状のゲート絶縁層は、プラズマディスプレイパネル(PDP)で用いられるリブ形成プロセスを用いることにより形成可能である。従来から良く知られているPDPのリブ形成では、スクリーン印刷法を用い、フリットガラス系のペースト材料を4〜6回印刷し、乾燥する。このようなペーストの積層印刷により、100μm以上の高さを有するライン状の壁を形成することができる。本実施形態に於いては、このようなライン状の壁をゲート絶縁層として用いる。そして、ゲート電極は、ライン状の壁のトップに更にゲート電極材料を積層印刷して形成する。
【0040】
一方、後者の開口部を有するゲート絶縁層は、デバイス全面にゲート絶縁層を一旦形成した後、開口部(電子放出領域)のパターニングを行うことにより形成することができる。但し、ゲート電極を形成する場合、ゲート絶縁層、ゲート電極をそれぞれ堆積した後、開口部形成のためのパターニングを行うことが望ましい。このようなパターニングは、例えば、開口部を窓開けしたレジストマスクを形成した後、ゲート電極を除去し、更にゲート絶縁層を除去する。
【0041】
ここで、上記製造方法によれば、上記冷陰極構造では、第1のゲート絶縁膜は800℃程度の熱処理を受け、γ−アルミナ(相転移温度は500〜600℃程度)に相転移し、フッ酸等にエッチングされにくくなっている。従って、例えば、第2のゲート絶縁層にガラス系の絶縁材料を用いれば、ゲート開口部を窓開けしたフォトレジストを用い、ゲート電極材料をエッチングし、第2のゲート絶縁層をフッ酸でエッチングする時、下地の第1のゲート絶縁層に対するエッチング選択比を大きくとることが可能となる。
【0042】
前者は大面積デバイスに有利な製造方法であり、一方、後者は高精細デバイスに有利な製造方法である。これらの製造方法の選択は、当業者が適宜選択すべきものであり、どちらの製造方法でも、図2(b)に示すようなゲート電極配線と、ゲート絶縁層とを形成した3極管構造の冷陰極が製造可能となる。
【0043】
以上説明したように、図2及び図3に示される冷陰極の製造方法に従えば、電界強度:10V/μmで、電流密度:10mA/cm2のエミッション電流が得られる。また、発光輝度:500cd/m2程度の発光輝度を有する画像形成装置を得ることができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の冷陰極は、XYアドレス可能であり、画素分割の自由度を向上できると共に、エミッション電流を向上可能にする。また、高抵抗層に対して電子源を並列に接続することにより、冷陰極の信頼性を向上させることができる。
【0045】
また、ゲート絶縁層に細孔を設けた鋳型構造の中に形成する電子源をカーボンナノチューブで構成することにより、低電圧駆動可能な、イオン衝撃耐性に優れる電子源を提供にすると共に、ゲート絶縁層をアルミナで構成することにより、高精度に配列制御された細孔を有する鋳型構造を提供可能にする。
【0046】
一方、本発明の冷陰極の製造方法は、低コスト化を可能にし、簡便な製造方法で制御性に優れる鋳型構造を提供可能にする。また、金属触媒を用いた気相炭素化法、または、プラズマを用いた気相炭素化法で電子源を形成することにより、プロセスダメージを低減した冷陰極の製造方法を提供可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷陰極を用いた薄型画像形成装置の斜視図である。
【図2】本発明の冷陰極の製造方法を示す工程断面図である。
【図3】本発明の冷陰極の製造方法を示す工程断面図である。
【図4】本発明の貼り合わせ技術を用いた冷陰極の斜視図である。
【図5】本発明の冷陰極の構造断面図である。
【図6】従来の冷陰極の構造断面図である。
【符号の説明】
1 カソード側支持基板
2 カソード電極配線
3 高抵抗層
4 電子放出領域を形成する金属薄膜
5 電子放出領域を形成する金属陽極酸化皮膜(第1のゲート絶縁層)
6 金属陽極酸化皮膜の細孔
7 電子源
8 第2のゲート絶縁層
9 ゲート電極配線
10 電子放出領域(画素)
11 アノード電極
12 蛍光体
13 貼り合わせ方向

Claims (8)

  1. 電子源と、前記電子源と電気的に接続されたカソード電極と、ゲート電極と、前記電子源と前記ゲート電極とを電気的に絶縁するためのゲート絶縁層とから構成される冷陰極において、
    前記ゲート絶縁層が第1のゲート絶縁層と第2のゲート絶縁層とで構成され、
    前記第2のゲート絶縁層は、前記カソード電極とゲート電極との絶縁層を形成するとともに、開口部を有しており、
    前記第1のゲート絶縁層は、前記開口部に形成され、前記電子源が形成される鋳型構造を有することを特徴とする冷陰極。
  2. 前記カソード電極と前記ゲート電極とが互いに直交し、該直交する領域に、前記開口部が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極。
  3. 前記第1のゲート絶縁層が細孔を有し、前記ゲート絶縁層の細孔が前記電子源の形状を制御するための鋳型であることを特徴とする請求項1記載の冷陰極。
  4. 前記第1のゲート絶縁層がアルミニウムの陽極酸化法による細孔とアルミナ薄膜により構成されていることを特徴とする請求項1記載の冷陰極。
  5. 前記電子源と前記カソード電極の層間に高抵抗層が配設され、前記電子源が並列に前記高抵抗層と接続されると共に、前記電子源が互いに電気的に絶縁されることを特徴とする請求項1乃至記載の冷陰極。
  6. 支持基板上にカソード電極を形成する第1の工程と、
    前記カソード電極上に高抵抗層を形成する第2の工程と、
    前記高抵抗層上に第1のゲート絶縁層を形成し、第1のゲート絶縁層に細孔を設ける第3の工程と、
    前記細孔中に、電子源を前記カソード電極と電気的に接続するように形成する第4の工程と、
    前記第1のゲート絶縁層を形成した領域以外の前記高抵抗層上に第2のゲート絶縁層を形成する第5の工程と、
    第2のゲート絶縁層上にゲート電極を形成する第6の工程とを含むことを特徴とする冷陰極の製造方法。
  7. 前記第3の工程が、アルミニウム薄膜を前記高抵抗層に貼り合わせる工程と、該アルミニウム薄膜を陽極酸化する工程とを含むことを特徴とする請求項記載の冷陰極の製造方法。
  8. 前記第3の工程がアルミ板、または、アルミ薄膜を陽極酸化する工程と、前記陽極酸化したアルミ板またはアルミ薄膜から陽極酸化皮膜を剥離する工程と、前記陽極酸化皮膜を前記高抵抗層に貼り合わせる工程とを含むことを特徴とする請求項記載の冷陰極の製造方法。
JP2000018242A 2000-01-27 2000-01-27 冷陰極及びその冷陰極の製造方法 Expired - Fee Related JP3568859B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000018242A JP3568859B2 (ja) 2000-01-27 2000-01-27 冷陰極及びその冷陰極の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000018242A JP3568859B2 (ja) 2000-01-27 2000-01-27 冷陰極及びその冷陰極の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001210221A JP2001210221A (ja) 2001-08-03
JP3568859B2 true JP3568859B2 (ja) 2004-09-22

Family

ID=18545114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000018242A Expired - Fee Related JP3568859B2 (ja) 2000-01-27 2000-01-27 冷陰極及びその冷陰極の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3568859B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100839181B1 (ko) 2006-07-13 2008-06-17 충남대학교산학협력단 삼극관 구조의 탄소나노튜브 전계방출소자의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001210221A (ja) 2001-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7591701B2 (en) Electron-emitting device, electron source and image-forming apparatus, and method for manufacturing electron emitting device
JP3639808B2 (ja) 電子放出素子及び電子源及び画像形成装置及び電子放出素子の製造方法
JP4865434B2 (ja) 熱電子放出用の電子放出体、それを備えた電子放出素子、及びそれを備えた平板ディスプレイ装置
JP2003100199A (ja) 電子放出素子、電子源及び画像形成装置
JP3581298B2 (ja) 電界放出型電子源アレイ及びその製造方法
JP3581296B2 (ja) 冷陰極及びその製造方法
US7601043B2 (en) Method of manufacturing microholes in a cathode substrate of a field emission display using anodic oxidation
JP2002093307A (ja) 電子放出素子及び電子放出素子の製造方法及び電子源及び画像形成装置
JP3585396B2 (ja) 冷陰極の製造方法
JP3568859B2 (ja) 冷陰極及びその冷陰極の製造方法
JP2000100317A (ja) 電界電子放出装置
JP3597740B2 (ja) 冷陰極及びその製造方法
JP2001250468A (ja) 電界電子放出装置およびその製造方法
JP3693935B2 (ja) 電子源の製造方法
JP3581289B2 (ja) 電界放出電子源アレイ及びその製造方法
JP2000243247A (ja) 電子放出素子の製造方法
JP2001035351A (ja) 円筒型電子源を用いた冷陰極及びその製造方法
JP3558948B2 (ja) 電子源アレイ及びその製造方法
JP2002124180A (ja) 電子放出素子の製造方法、電子放出素子、電子源及び画像形成装置
JP3594850B2 (ja) 冷陰極の製造方法
Nakamoto Current trends in field emission displays
JP3854174B2 (ja) 表示装置およびその製造方法
KR100303546B1 (ko) 전계 방출 표시소자 및 그의 제조 방법
KR20040083911A (ko) 전계방출 디스플레이장치 및 이의 제조방법
JP2005079071A (ja) 電子放出素子及び画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040616

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120625

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120625

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees