JP3567523B2 - コンデンサ用ポリスチレン系フィルム - Google Patents

コンデンサ用ポリスチレン系フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP3567523B2
JP3567523B2 JP8525195A JP8525195A JP3567523B2 JP 3567523 B2 JP3567523 B2 JP 3567523B2 JP 8525195 A JP8525195 A JP 8525195A JP 8525195 A JP8525195 A JP 8525195A JP 3567523 B2 JP3567523 B2 JP 3567523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thickness
stretching
polystyrene
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8525195A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08283496A (ja
Inventor
尚伸 小田
知則 吉永
正 奥平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP8525195A priority Critical patent/JP3567523B2/ja
Publication of JPH08283496A publication Critical patent/JPH08283496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3567523B2 publication Critical patent/JP3567523B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、コンデンサ用シンジオタクチックポリスチレン系フィルムに関する。より詳細には、電気特性及び耐熱性が良好で、且つ絶縁破壊電圧に優れ、更に厚み均一性に優れたコンデンサ用ポリスチレン系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
シンジオタクチックスチレン系重合体を主成分とする樹脂組成物を、二軸延伸、熱固定した二軸延伸フィルムは、電気特性、耐熱性等に優れ、フィルムコンデンサの誘電体に展開されている(特開平2−143851号公報、特開平3−124750号公報、特開平5−200858号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら従来のシンジオタクチックポリスチレン系フィルムにおいては、絶縁破壊電圧が不良であったり、フィルムの厚みむら増大に基づく絶縁破壊電圧のばらつきやコンデンサに用いたときの容量(静電容量)のばらつきが発生することが分かった。
また、絶縁破壊電圧が不良となった場合、フィルムを厚くする必要が生じ、その結果コンデンサの体積が大きくなるという問題があった。更に、絶縁破壊電圧や容量のばらつきが大きい場合、コンデンサの信頼性が得られないという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、電気特性及び耐熱性が良好で、且つ絶縁破壊電圧に優れ、更に厚み均一性に優れたコンデンサ用ポリスチレン系フィルムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが鋭意検討した結果、本発明により上記目的が達成されることを見出した。
即ち、本発明は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなり、複屈折の最大値と最小値の差{Δ(Δn)}が0.01以下、平均屈折率が1.582〜1.590、且つ150℃における熱収縮率が3%以下であることを特徴とするコンデンサ用ポリスチレン系フィルムに関する。
また、本発明は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなり、複屈折の最大値と最小値の差{Δ(Δn)}が0.008以下、平均屈折率が1.584〜1.589、且つ150℃における熱収縮率が2.5%以下であることを特徴とする上記コンデンサ用ポリスチレン系フィルムに関する。
【0006】
本発明で用いる立体規則性としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体は、側鎖であるフェニル基又は置換フェニル基によるタクティシティが、ダイアッド(構成単位が2個)で85%以上、ペンタッド(構成単位が5個)で50%以上のシンジオタクチック構造を有することが望ましい。なお、タクティシティは核磁気共鳴法等により定量される。
【0007】
本発明で用いるスチレン系重合体としては、シンジオタクチック構造を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリスチレン;ポリ(p−、m−又はo−メチルスチレン)、ポリ(2,4−、2,5−、3,4−又は3,5−ジメチルスチレン)、ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン)等のポリ(アルキルスチレン);ポリ(p−、m−又はo−クロロスチレン)、ポリ(p−、m−又はo−ブロモスチレン)、ポリ(p−、m−又はo−フルオロスチレン)、ポリ(o−メチル−p−フルオロスチレン)等のポリ(ハロゲン化スチレン);ポリ(p−、m−又はo−クロロメチルスチレン)等のポリ(ハロゲン置換アルキルスチレン);ポリ(p−、m−又はo−メトキシスチレン)、ポリ(p−、m−又はo−エトキシスチレン)等のポリ(アルコキシスチレン);ポリ(p−、m−又はo−カルボキシメチルスチレン)等のポリ(カルボキシアルキルスチレン);ポリ(p−ビニルベンジルプロピルエーテル)等のポリ(アルキルエーテルスチレン);ポリ(p−トリメチルシリルスチレン)等のポリ(アルキルシリルスチレン);ポリ(ビニルベンジルジメトキシホスファイド)等が挙げられ、好ましくはポリスチレンである。
【0008】
これらは、1種でも2種以上でも用いることができ、シンジオタクティシティが前記範囲内であれば、アタクチック構造やアイソタクチック構造のスチレン系重合体との混合物や共重合体、及びそれらの混合物等でもよい。
【0009】
当該スチレン系重合体は、重量平均分子量が好ましくは10,000以上、より好ましくは50,000以上である。重量平均分子量が10,000未満のものでは、強伸度特性や耐熱性に優れたフィルムが得にくくなる傾向がある。重量平均分子量の上限については特に限定されるものではないが、1,500,000 を越えると、フィルムにしたとき、延伸張力の増加に伴う破断等が発生し易くなる傾向がある。
【0010】
当該シンジオタクチックスチレン系重合体には、必要に応じて、公知の酸化防止剤、帯電防止剤、滑り性を付与するための微粒子等の添加剤を適量配合することができる。また、これらは1種でも2種以上でも用いることができる。
【0011】
酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
【0012】
滑り性を付与するための微粒子としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、タルク、カオリナイト、ゼオライト等の金属酸化物;炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム等の金属塩;シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン等の有機重合体等からなる微粒子が例示される。また、当該微粒子は、上記のいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0013】
当該微粒子の平均粒子径は、好ましくは0.01μm〜2.0μm、より好ましくは0.05μm〜1.5μmである。粒子径のばらつき度(標準偏差と平均粒子径との比率)は、好ましくは25%以下、より好ましくは23%以下である。
【0014】
当該各添加剤の配合量(合計)は、シンジオタクチックスチレン系重合体100重量部に対して、好ましくは10重量部以下である。10重量部を越えると、フィルムにしたとき、延伸時に破断を起こし易くなり、生産安定性不良となり易い傾向がある。
なかでも、微粒子の配合量は、シンジオタクチックスチレン系重合体100重量部に対して、好ましくは0.005〜2.0重量部、より好ましくは0.01〜1.0重量部である。
【0015】
本発明のポリスチレン系フィルムの製造方法は、得られたフィルムの複屈折の最大値と最小値の差{Δ(Δn)}、平均屈折率、熱収縮率が上記所定範囲内となる方法であれば、特に限定されない。
例えば、公知の方法により製造された上記スチレン系重合体を用い、必要に応じて添加剤を混合し、公知の方法によりフィルムとし、さらに延伸等を行うことにより、当該ポリスチレン系フィルムを製造できる。
【0016】
フィルムの延伸方法としては、公知の延伸方法(例えば縦延伸及び横延伸を順に行う逐次二軸延伸法、横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法等)等が挙げられる。なお、上記延伸方法は、要求される強度や寸法安定性等の諸特性に応じて選択される。
延伸は、例えば、速度差を持ったロール間で行ったり、クリップに把持して拡げて行うことができる。延伸温度は、好ましくは90〜150℃、より好ましくは100〜145℃であり、延伸倍率は、好ましくは1.2〜6.0倍、より好ましくは2.0〜5.0倍である。
【0017】
更に、熱固定処理、弛緩処理等を施すこともできる。
熱固定処理は、延伸終了後に行うことができる。熱固定処理温度は、好ましくは170〜270℃、より好ましくは200〜270℃、さらに好ましくは220〜270℃である。
弛緩処理は、縦及び/又は横方向に加熱することにより行うことができる。弛緩処理温度は、好ましくは100〜270℃、より好ましくは120〜270℃である。当該弛緩処理により、弛緩処理前のフィルムの長さに対して、好ましくは0.5〜10.0%、より好ましくは0.5〜8.0%程度収縮させることができる。
【0018】
本発明のポリスチレン系フィルムの複屈折の最大値と最小値の差{Δ(Δn)}は0.01以下であることが必要であり、好ましくは0.008以下、より好ましくは0.007以下である。Δ(Δn)が0.01より大きいと、フィルムの厚みむらが大きくなるため、フィルムの絶縁破壊電圧の絶対値の変動が大きくなり、且つコンデンサに用いたとき、その容量変化が増大するため、コンデンサとしての信頼性が低くなる。
当該複屈折の最大値と最小値の差{Δ(Δn)}は、延伸方法、延伸条件(温度、延伸倍率等)等により調整できる。
【0019】
本発明のポリスチレン系フィルムの平均屈折率は1.582〜1.590であることが必要であり、好ましくは1.584〜1.589、より好ましくは1.584〜1.588である。平均屈折率が1.582未満ではフィルムの絶縁破壊電圧が不良となる。平均屈折率が1.590より大きいとフィルムの厚みむらが大きくなるため、フィルムの絶縁破壊電圧の絶対値の変動が大きくなり、且つコンデンサに用いたとき、その容量変化が増大するため、コンデンサとしての信頼性が低くなる。
当該平均屈折率は、フィルムの製膜条件(延伸温度、延伸倍率、熱固定温度)等により調整できる。
【0020】
本発明のポリスチレン系フィルムの150℃における熱収縮率は3%以下であることが必要であり、好ましくは2.5%以下、より好ましくは2%以下である。熱収縮率が3%より大きいと、コンデンサの製造工程でフィルムの収縮や平面性の乱れが生じ、製品(コンデンサ)の不良につながる。
【0021】
当該熱収縮率を下げる方法としては、例えば、延伸処理後に弛緩処理を行うことや、熱固定処理において熱固定処理温度及び時間を一定範囲に保つこと、更に必要に応じて熱固定処理後に弛緩処理すること等が好ましい。
ここで、延伸後の弛緩処理は、延伸温度以上スチレン系重合体の冷結晶化温度以下(100〜270℃)で行うことが好ましい。また、熱固定処理は、220℃以上スチレン系重合体の融点未満の温度で、30秒間以内、好ましくは20秒間以内で行うことが好ましい。更に、弛緩処理は、熱固定処理の最高温度以下で、平面性が乱れない程度に行うことが好ましい。
【0022】
なお、本明細書において、平均屈折率は、アッベ屈折計4T(アタゴ光学社製)を用い、フィルムの長手方向に10cm間隔にある10箇所において、長手方向、幅方向及び厚み方向の屈折率を測定し、それら3方向の屈折率を平均して求めたものである。
また、複屈折の最大値と最小値の差{Δ(Δn)}は、上記10箇所で測定した、幅方向の屈折率と長手方向の屈折率の差の絶対値を算出し、それらの最大のものと最小のものの差により求めたものである。
更に、150℃における熱収縮率は、150℃の雰囲気下、無張力の状態で30分間放置した後のフィルムの長さを測定し、当該処理前のフィルムの長さを100%としたときの、当該処理後のフィルムの長さの減少割合(%)として求めたものである。
【0023】
また、当該ポリスチレン系フィルムの厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.5〜25μm、より好ましくは1〜15μmである。
【0024】
当該ポリスチレン系フィルムは、コンデンサ用フィルムとして、特にコンデンサの誘導体として有用である。
【0025】
なお、当該フィルムを用いてコンデンサとするとき、フィルム表面に蒸着層等を設ける。この場合、フィルムと蒸着層との接着特性等を向上させるために、フィルム表面に、インラインコートやオフラインコート等により接着層を設けたり、コロナ処理や火炎プラズマ処理等を行うことができる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
実施例1
滑剤としての平均粒子径0.5μm、ばらつき度20%、面積形状係数80%のシリカを、シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量 300,000、タクティシティ≒100%)100重量部に対して0.5重量部添加したポリマーチップと、滑剤の添加されていないポリマーチップを、重量比で1対9の割合で混合した後、乾燥した。次いで、これを290℃で溶融し、800μmのリップギャップのTダイから押し出し、50℃の冷却ロールに静電印荷法により密着・冷却固化させ、厚み60μmの無定形シートを得た。
当該無定形シートを、まず金属ロールにより95℃に予熱し、表面温度142℃のセラミックロールを用いて縦方向に3倍延伸した後、冷却し、更に115℃の金属ロールを用いて縦方向に1.2倍延伸した。次いで、テンターでフィルムを115℃に予熱し、横方向に延伸温度120℃で2倍延伸し、更に横方向に150℃で1.6倍延伸した。更に、255℃で12秒間、熱固定処理した後、220℃で3%横弛緩処理し、ポリスチレン系フィルム(厚み5.3μm)を得た。得られたフィルムは、走行性、ハンドリング性が良好であった。
【0028】
実施例2
縦延伸を、141℃のセラミックロールを用いて縦方向に2.4倍延伸した後、一度冷却し、更に115℃の金属ロールで縦方向に1.5倍延伸した以外は、実施例1と同様にしてフィルム(厚み5.3μm)を得た。
【0029】
実施例3
横延伸を、テンターでフィルムを125℃に予熱し、横方向に延伸温度125℃で2倍延伸し、更に横方向に150℃で1.6倍延伸した以外は、実施例1と同様にしてフィルム(厚み5.3μm)を得た。
【0030】
比較例1
縦延伸を、141℃のセラミックロールを用いて縦方向に2.4倍延伸した後、冷却せずに、更に120℃の金属ロールで縦方向に1.5倍延伸した以外は、実施例1と同様にしてフィルム(厚み5.3μm)を得た。
【0031】
比較例2
滑剤としての平均粒子径0.5μm、ばらつき度20%、面積形状係数80%のシリカを、シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量 300,000、タクティシティ≒100%)100重量部に対して0.5重量部添加したポリマーチップと、滑剤の添加されていないポリマーチップを、重量比で1対9の割合で混合した後、乾燥した。次いで、これを290℃で溶融し、800μmのリップギャップのTダイから押し出し、50℃の冷却ロールに静電印荷法により密着・冷却固化させ、厚み48μmの無定形シートを得た。
当該無定形シートを、まず金属ロールにより95℃に予熱し、表面温度141℃のセラミックロールを用いて縦方向に3倍延伸した。次いで、テンターでフィルムを120℃に予熱し、横方向に延伸温度120℃で2倍延伸し、更に横方向に150℃で1.5倍延伸した。更に、255℃で12秒間、熱固定処理した後、225℃で3%横弛緩処理し、ポリスチレン系フィルム(厚み5.3μm)を得た。
【0032】
比較例3
熱固定処理を215℃で20秒間実施した以外は、実施例1と同様にしてフィルム(厚み5.3μm)を得た。
【0033】
比較例4
横延伸を、テンターでフィルムを130℃に予熱し、横方向に延伸温度125℃で2倍延伸し、更に横方向に150℃で1.6倍延伸した以外は、実施例1と同様にしてフィルム(厚み5.3μm)を得た。
【0034】
上記実施例及び比較例における各物性は、以下のようにして測定した。
▲1▼平均粒子径、粒子径のばらつき度
微粒子をS−510型走査型電子顕微鏡(日立製作所社製)で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、微粒子の外形をトレースし、任意に200個の粒子を黒く塗りつぶした。この像をルーゼックス500型画像解析装置(ニコレ社製)を用いて、それぞれの粒子の水平方向のフェレ径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
また、粒子径のばらつき度を下式により算出した。
ばらつき度=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100(%)
▲2▼面積形状係数
平均粒子径の測定に用いたトレース像から任意に20個の粒子を選び、▲1▼で用いた画像解析装置を用いて、それぞれの投影断面積を求めた。また、それらの粒子に外接する円の面積を算出し、下式により算出した。
面積形状係数=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円の面積)×100 (%)
【0035】
▲3▼重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(1,2,4−トリクロロベンゼン中、130℃)により測定した。
▲4▼タクティシティ
13C−NMRによる芳香環のC炭素シグナルにより測定した。
【0036】
また、上記実施例及び比較例で得られたポリスチレン系フィルムについて、各物性を以下のようにして測定した。その結果を表1に示す。
(1)平均屈折率、Δ(Δn)
アッベ屈折計4T(アタゴ光学社製)を用い、フィルムの長手方向に10cm間隔にある10箇所において、長手方向、幅方向及び厚み方向の屈折率を測定し、それら3方向の屈折率を平均し、平均屈折率を求めた。
また、上記10箇所で測定した、幅方向の屈折率と長手方向の屈折率の差の絶対値を算出し、それらの最大のものと最小のものの差を、複屈折の最大値と最小値の差{Δ(Δn)}とした。
【0037】
(2)150℃における熱収縮率
150℃の雰囲気下、無張力の状態で30分間放置した後のフィルムの長さを測定し、当該処理前のフィルムの長さを100%としたときの、当該処理後のフィルムの長さの減少割合を求め、これを熱収縮率(%)とした。
【0038】
(3)絶縁破壊電圧
JIS C−2318に準じて行った。10kV直流耐電圧試験機を用い、23℃、50%RHの雰囲気下において、100V/sec の昇圧速度で、フィルムが破壊し短絡したときの電圧を読み取った。
【0039】
(4)厚みむら
連続厚さ測定器(ミクロン計測器社製)により、フィルムの幅方向の中央部の厚みを長手方向に沿って測定し、次式により厚みむらを算出した。
厚みむら=〔(最大厚さ−最小厚さ)/平均厚さ〕×100(%)
1級:厚みむら10%以上
2級:厚みむら8〜10%未満
3級:厚みむら6〜8%未満
4級:厚みむら4〜6%未満
5級:厚みむら4%未満
【0040】
更に、上記実施例及び比較例で得られたポリスチレン系フィルムの両面に、アルミニウム薄膜を蒸着により積層させ(アルミニウム薄膜の厚み600Å)、これの平面性を目視で観察した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003567523
【0042】
上記結果より、実施例1〜3で得られたフィルムは、電気特性、耐熱性に優れ、絶縁破壊電圧に優れており、またフィルム厚みの変動が小さいためコンデンサ用フィルムとして優れたものであることが分かる。
【0043】
【発明の効果】
本発明のコンデンサ用ポリスチレン系フィルムは、電気特性及び耐熱性が良好で、且つ絶縁破壊電圧に優れ、更に厚み均一性に優れている。

Claims (2)

  1. シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなり、複屈折の最大値と最小値の差{Δ(Δn)}が0.01以下、平均屈折率が1.582〜1.590、且つ150℃における熱収縮率が3%以下であることを特徴とするコンデンサ用ポリスチレン系フィルム。
  2. シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなり、複屈折の最大値と最小値の差{Δ(Δn)}が0.008以下、平均屈折率が1.584〜1.589、且つ150℃における熱収縮率が2.5%以下であることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ用ポリスチレン系フィルム。
JP8525195A 1995-04-11 1995-04-11 コンデンサ用ポリスチレン系フィルム Expired - Lifetime JP3567523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8525195A JP3567523B2 (ja) 1995-04-11 1995-04-11 コンデンサ用ポリスチレン系フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8525195A JP3567523B2 (ja) 1995-04-11 1995-04-11 コンデンサ用ポリスチレン系フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08283496A JPH08283496A (ja) 1996-10-29
JP3567523B2 true JP3567523B2 (ja) 2004-09-22

Family

ID=13853360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8525195A Expired - Lifetime JP3567523B2 (ja) 1995-04-11 1995-04-11 コンデンサ用ポリスチレン系フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3567523B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003326599A (ja) * 2002-05-15 2003-11-19 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリスチレン系樹脂フィルム、これを用いたラベル、及び容器
JP2006083253A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Mitsui Chemicals Inc ポリプロピレン延伸フィルム
KR101484797B1 (ko) 2007-06-21 2015-01-20 데이진 가부시키가이샤 절연성 필름
JP5587534B2 (ja) * 2007-10-18 2014-09-10 帝人株式会社 高絶縁性フィルム
JP5801532B2 (ja) 2009-11-30 2015-10-28 帝人株式会社 高絶縁性フィルム
EP2712883B1 (en) 2011-04-26 2016-02-24 Teijin Limited High-insulating film
JP5629235B2 (ja) * 2011-04-26 2014-11-19 帝人株式会社 高絶縁性フィルム
JP6430328B2 (ja) * 2015-04-22 2018-11-28 ニチコン株式会社 コンデンサ素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08283496A (ja) 1996-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3567523B2 (ja) コンデンサ用ポリスチレン系フィルム
JP2007169595A (ja) コンデンサ用ポリプロピレンフイルム
JP5771068B2 (ja) 高絶縁性フィルム
JP3309933B2 (ja) ポリスチレン系フィルム
JP3270135B2 (ja) コンデンサー用シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルム
JP3491697B2 (ja) コンデンサ用ポリスチレン系フィルム
JP3567516B2 (ja) ポリスチレン系フィルム
JPH0657013A (ja) シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルム
JP5629235B2 (ja) 高絶縁性フィルム
JPH0665400A (ja) シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルム
JPH11129414A (ja) マット調帯電防止性フィルム
JPH07117187A (ja) ポリスチレン系積層フィルム
JP3271374B2 (ja) ポリスチレン系フィルム
JP3622863B2 (ja) ポリスチレン系2軸延伸フィルム
JP2001328159A (ja) 二軸延伸フィルムの製造方法
JP3317411B2 (ja) ポリスチレン系フィルム
JPH0691748A (ja) オーバーヘッドプロジェクター用シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルム
JP3539574B2 (ja) ポリスチレン系フィルム
JPH11129327A (ja) 二軸延伸フィルム
JPH0691749A (ja) 写真・製版用シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルム
JPH0848791A (ja) ポリスチレン系フィルムとそれを用いたコンデンサ
JPH09131844A (ja) コンデンサ用二軸配向ポリエステルフイルム
JPH0839741A (ja) 積層フィルムおよびそれを用いたコンデンサ
JPH0848008A (ja) 積層フィルムおよびそれを用いたコンデンサ
JPH09239828A (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040525

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040607

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080625

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080625

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090625

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100625

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110625

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120625

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term