JP3567485B2 - 燃料噴射ポンプ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関用の燃料噴射ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、溢流弁として電磁制御弁を用い、この溢流弁の開閉により燃料加圧室の高圧燃料を溢流させ燃料噴射タイミングを制御する燃料噴射ポンプにおいて、燃料噴射終了時に溢流燃料を吸入ギャラリに還流することにより、次の燃料吸入工程におけるプランジャ室への燃料充填量を確保しプランジャ室への燃料供給不良を防止するものが知られている。しかしながら、このような吸入ギャラリに溢流燃料を還流するものでは、図13のグラフ301に示すように、高圧の溢流燃料により発生する脈動のため吸入ギャラリ内の燃料圧力に高低差が生じてしまう。▲1▼吸入ギャラリ圧が高いと吸入ギャラリを形成する内壁に損傷が生じる場合があり、▲2▼吸入ギャラリ圧が低いとプランジャ室に十分量の燃料を送出できない場合があるので、プランジャ室に安定して燃料を供給できないという問題がある。また図14のグラフ302に示すように、ポンプ回転数が上昇、つまりエンジン回転数が上昇しても、吸入ギャラリ圧の高低差は許容範囲内に収まることが望ましいが、脈動による吸入ギャラリ圧の高低差は、グラフ303に示すように、エンジンが高回転域で運転するほど大きくなるので、特にエンジン高回転域での燃料噴射特性が低下するという問題がある。
【0003】
このような問題を解決するため、溢流弁から燃料ギャラリに燃料を還流する還流通路に逆止弁を設け、吸入ギャラリから溢流弁方向にだけ燃料を流通可能にすることが考えられる。吸入ギャラリ内燃料に脈動が伝搬しても高圧時は逆止弁が開いて燃料が溢流弁方向に逃げ、低圧時は逆止弁が閉じて溢流弁からの燃料の還流を防止するので吸入ギャラリ内の燃料圧力は平滑化される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の逆止弁を設ける燃料噴射ポンプでは、逆止弁により溢流燃料を十分に吸入ギャラリに還流することができないため、プランジャ室への燃料吸入時、吸入ギャラリ室内の圧力が瞬時に低下するのでプランジャ室へ安定して燃料を供給できないという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、燃料吸入工程時、燃料加圧室に燃料を十分にしかも安定して供給する燃料噴射ポンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の請求項1記載の燃料噴射ポンプは、
燃料圧送行程時、溢流弁を開弁することにより燃料加圧室の加圧された燃料を環流通路に溢流させ、前記燃料加圧室への燃料吸入行程時に前記溢流燃料の一部を吸入ギャラリを介して前記燃料加圧室に還流可能な燃料噴射ポンプにおいて、
前記還流通路と連通通路を介して連通する脈動低減室を形成する第1の通路部材を有し、前記燃料加圧室に環流される燃料の脈動を低減可能な脈動低減手段を備え、
前記吸入ギャラリは、前記脈動低減手段で脈動を低減された燃料を前記環流通路から供給されるとともに、燃料タンクから燃料供給通路を介して燃料を供給されて前記燃料加圧室に吸入される燃料を蓄え、
前記燃料供給通路および前記環流通路はそれぞれ異なる位置で前記吸入ギャラリに接続していることを特徴とする。
【0007】
また本発明の請求項2記載の燃料噴射ポンプによると、前記脈動低減手段は、還流通路の一部であるとともに、脈動低減通路を形成する第2の通路部材をさらに有し、前記脈動低減通路の流路断面積は前記脈動低減通路の上流側または下流側の流路断面積よりも大きい前記還流通路の一部であるとともに、脈動低減通路を形成する第2の通路部材をさらに有し、前記脈動低減通路の流路断面積は前記脈動低減通路の上流側または下流側の流路断面積よりも大きいことを特徴とする。
さらに本発明の請求項3記載の燃料噴射ポンプによると、前記脈動低減通路の流路長と、前記脈動低減通路の上流側通路長と、前記脈動低減通路の下流側通路長とは所定の比率に形成されることを特徴とする。
【0008】
さらにまた本発明の請求項4記載の燃料噴射ポンプによると、前記脈動低減手段は、前記燃料加圧室から前記溢流弁への燃料逆流方向に閉じ、前記脈動低減室の上流側または下流側の前記環流通路に設けられる逆止弁をさらに有することを特徴とする。
【0009】
さらにまた本発明の請求項5記載の燃料噴射ポンプによると、前記脈動低減手段は、前記脈動低減室の上流側または下流側の前記環流通路に設けられるオリフィスをさらに有することを特徴とする。
さらにまた本発明の請求項6記載の燃料噴射ポンプによると、前記脈動低減手段は、前記燃料加圧室から前記溢流弁への燃料逆流方向に閉じる逆止弁と、前記逆止弁が閉じた場合でも前記燃料加圧室から前記溢流弁へ燃料を流通可能なオリフィスとからなる脈動低減弁をさらに有し、前記脈動低減弁は前記脈動低減室の上流側または下流側の前記環流通路に設けられることを特徴とする。
【0011】
【作用および発明の効果】
本発明の請求項1記載の燃料噴射ポンプによると、還流通路に脈動低減手段を設けたことにより燃料加圧室に供給される燃料の脈動を低減できるので、燃料吸入工程時、十分な燃料量を燃料加圧室に安定して供給することができる。
さらに、脈動低減手段が還流通路と連通通路を介して連通する脈動低減室を形成することにより燃料加圧室に供給される燃料の脈動を低減できるので、燃料吸入工程時、十分な燃料量を燃料加圧室に安定して供給することができる。
【0012】
また本発明の請求項2記載の燃料噴射ポンプによると、還流通路の一部である脈動低減通路を第2の通路部材が形成し、脈動低減通路の流路断面積は前記脈動低減通路の上流側または下流側の流路断面積よりも大きいので、燃料吸入工程時、十分な燃料量を燃料加圧室に安定して供給することができる。
また本発明の請求項3記載の燃料噴射ポンプによると、脈動低減手段は、脈動低減通路の流路長と、脈動低減通路の上流側通路長と、脈動低減通路の下流側通路長とを所定の比率に形成することにより、さらに脈動低減効果を向上することができる。
さらにまた本発明の請求項4記載の燃料噴射ポンプによると、脈動低減手段は、燃料加圧室から溢流弁への燃料逆流方向に閉じ、脈動低減室の上流側または下流側の環流通路に設けられる逆止弁をさらに有するので、燃料加圧室に供給される溢流燃料の脈動を低減できる。
【0013】
さらにまた本発明の請求項5記載の燃料噴射ポンプによると、脈動低減手段が、脈動低減室の上流側または下流側の環流通路に設けられるオリフィスをさらに有するので、燃料加圧室に供給される燃料の脈動を低減できる。
さらにまた本発明の請求項6記載の燃料噴射ポンプによると、脈動低減手段は逆止弁とオリフィスとからなる脈動低減弁をさらに有し、脈動低減弁は脈動低減室の上流側または下流側の環流通路に設けられることにより、燃料加圧室に供給される燃料の脈動をさらに良好に低減できる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による燃料噴射ポンプを図1に示す。
図1に示すように、噴射ポンプ10のベーン式フィードポンプ11は図示しないエンジンにより駆動される駆動軸12と同期して回転し、燃料タンク61から吸入した燃料を加圧する。加圧された燃料は、フィードギャラリ13に蓄圧され、燃料配管14を通って吸入ギャラリ15に供給される。レギュレーティングバルブ16は、ベーン式フィードポンプ11の燃料送油圧がベーン式フィードポンプ11の回転速度に比例して上昇するように燃料送油圧を調整する。
【0016】
吸入ギャラリ15は、分配ロータ21の周囲に環状に形成されている。分配ロータ21は駆動軸12と軸方向に連結され、この駆動軸12と一体に回転する。分配ロータ21には互いに直交する一対の摺動孔21aが形成され、各摺動孔21aを形成する分配ロータ21の内壁にそれぞれ一対のプランジャ22が油密状態で摺動可能に支持されており、各プランジャ22の内端面と各摺動孔21aを形成する分配ロータ21の内壁により燃料加圧室としてのプランジャ室23が画成されている。
【0017】
各プランジャ22の外側端部にはシュー24が配設され、各シュー24にローラ25が回転自在に保持されている。ローラ25の外側には内周面に複数のカム山を有するカム面の形成された図示しないインナーカムリングが配置されており、分配ロータ21の回転に基づいてローラ25がインナーカムリング内周面のカム面に摺動することにより、ローラ25はカム面に沿ってインナーカムリングの半径方向に往復動し、この往復動がシュー24を介して前記プランジャ22に伝達される。そしてプランジャ22が分配ロータ21の半径方向外側に移動する行程が燃料の吸入行程であり、半径方向内側に移動する行程が燃料の圧送行程となる。カムオーバフローバルブ26は、プランジャ22の往復動による燃料圧送時、過剰となった燃料を燃料戻し管62を介して燃料タンク61に戻している。
【0018】
また、分配ロータ21にはプランジャ室23に連通する吸入ポート27、分配ポート28および溢流ポート29が形成されており、分配ロータ21の回転に基づきそれぞれ各吸入通路31、各分配通路32および各溢流通路33に連通可能になっている。例えば6気筒エンジンの場合、吸入ポート27と吸入通路31とが連通するのは60°毎の所定の期間である。
【0019】
溢流弁40は溢流通路33の先端に配設されている。溢流弁40は、燃料の圧送工程時において溢流通路33と還流通路34との連通または遮断を行ない、加圧された燃料の吐出タイミングおよび溢流タイミングを制御することにより噴射量を制御するようになっている。励磁コイル41への通電がONされ励磁コイル41に励磁電流が供給されると弁体42が圧縮コイルスプリング43の付勢力に抗して図1の下方に下がり溢流弁40を閉じる。励磁コイル41への通電がOFFされると弁体42がリフトし、溢流通路33と還流通路34とが連通するので、プランジャ室23の燃料が吸入ギャラリ15に還流するようになる。溢流燃料の脈動低減手段としてのダンパチャンバ35は連通通路35aを介して還流通路34と連通している。還流通路34は一部オーバフローバルブ45に接続している。
【0020】
デリバリバルブ50は、分配通路32と接続しており、プランジャ室23で加圧される燃料が一定圧以上になると開弁し、噴射管51を介して噴射ノズル52に高圧燃料を送出する。
次に、噴射ポンプ10の作動について図1および図3に基づいて説明する。
(1) 燃料吸入工程
吸入ポート27と吸入通路31とが連通するのは、プランジャ22が上死点から下死点に移行する期間に設定してあるので、この期間に吸入ギャラリ15からプランジャ室23に燃料が吸入される。
【0021】
(2) 燃料圧送工程
プランジャ22が下死点に到達し、上死点に移行するタイミングで励磁コイル41に励磁電流が供給されると、弁体42が圧縮コイルスピリング43の付勢力に抗して図1の下方に下がり溢流弁40は閉弁する。このとき、分配ポート28と分配通路32とが連通する。プランジャ室23内の燃料圧力が一定圧以上になると、デリバリバルブ50が開弁し、噴射管51から噴射ノズル52に燃料が圧送され、図示しない各気筒の燃焼室に燃料が噴射される。燃料噴射量が所定量になると溢流弁40への通電がOFFされ溢流弁40は開弁する。すると、溢流通路33と還流通路34とが連通し、高圧燃料が還流通路34から吸入ギャラリ15に流れ込む。
【0022】
次に、燃料溢流時のダンパチャンバ35の作動について説明する。
図2に示すように、還流通路34に溢流した溢流燃料により、ダンパチャンバ35の手前で脈動圧力が発生しており、この脈動圧力が吸入ギャラリ15に伝搬しようとする。この脈動圧力の内、高圧波がダンパチャンバ35に到達すると、高圧波のエネルギーはダンパチャンバ35内に吸収されるのでダンパチャンバ35内の圧力が上昇する一方、還流通路34内の溢流燃料の圧力は低下する。次に、低圧波がダンパチャンバ35に到達すると、ダンパチャンバ35内に吸収された高圧波のエネルギーが低圧波に与えられるので還流通路34内の溢流燃料の圧力は上昇する。このため、還流通路34から吸入ギャラリ15に還流する溢流燃料の脈動圧力は平滑化され、吸入ギャラリ15の耐圧上限値を下回るとともに、プランジャ室23への燃料供給に必要な最低圧力を上回ることができるので、十分量の燃料を安定してプランジャ室23に供給することができる。
【0023】
ここで、第1実施例、従来例1、従来例2による時間経過tと吸入ギャラリ圧PG の関係を図4に示す。従来例1は、直接吸入ギャラリに溢流燃料を還流するもの、従来例2は、吸入ギャラリに直接溢流燃料を還流しないものである。
▲1▼第1実施例は、グラフ101に示すように、燃料溢流後に多少脈動し、その後、プランジャ室に吸入ギャラリから燃料吸入期間中燃料が充填されるため吸入ギャラリ圧PG は徐々に減少するが、要求最小値と要求最大値と間の適正範囲a内に吸入ギャラリ室圧PG が収まっているので、十分な燃料量を安定してプランジャ室に供給することができる。▲2▼従来例1は、溢流燃料の脈動が直接吸入ギャラリ圧の脈動を誘発するため、グラフ102に示すように、燃料溢流後の脈動により吸入ギャラリの最大圧力および最小圧力がともに適正範囲aから外れている。このため、十分な燃料量を吸入ギャラリに充填できないので、燃料吸入期間中の吸入ギャラリ圧PG が要求最小値を下回ることがある。このため、プランジャ室への燃料供給量が不足し安定した燃料噴射を保持できない。▲3▼従来例2は、吸入ギャラリに直接溢流燃料を還流しないので、燃料溢流後も吸入ギャラリ内の圧力は上昇せず、燃料吸入期間中は要求最小値を大きく下回っている。このため、プランジャ室への燃料供給量が大幅に不足し安定した燃料噴射を保持できない。
【0024】
次に、ダンパチャンバ35の透過損失TLにより本実施例の効果を検証する。ダンパチャンバ35の透過損失TLは、次の数1により求めることができる。
【0025】
【数1】
【0026】
ただし、C:音速、f0 :共振周波数、f:脈動周波数、S:還流通路の流路断面積、S0 :連通通路の流路断面積、d:連通通路長、V:ダンパチャンバの容積である。脈動周波数fと共振周波数f0 との差を小さくすれば透過損失TLが大きくなるため脈動圧力の高低差を低減することができる。
第1実施例による、ダンパチャンバ35の脈動圧力の高低差低減効果は、騒音対策として音のエネルギーが低減できるという実績からも裏付けることができる。音の透過損失TLは、次の数2により求められる。
【0027】
【数2】
【0028】
ただし、I(watt/m2) :透過音のエネルギー、I0(watt/m2) :入射音のエネルギーであり、透過損失TLは、透過音のエネルギーIと入射音のエネルギーI0 とをdb単位で表したときの差を示している。また、透過音のエネルギーIと音圧Pとの間には次の数3の関係があるので、数2は数4に置き換えることができる。
【0029】
【数3】
【0030】
【数4】
【0031】
ただし、ρ:媒体密度、C:音速、P( μbar):透過音圧、P0(μbar):入射音圧である。ここで、透過音圧Pは吸入ギャラリ15の脈動圧△PG に相当し、入射音圧P0 は溢流燃料による溢流脈動圧△PSPV に相当するので、数4は次の数5となる。ここで脈動圧△PG は吸入ギャラリ15内の脈動圧力の高低差を表し、溢流脈動圧△PSPV は溢流弁における溢流脈動圧力の高低差を表している。
【0032】
【数5】
【0033】
ここで、第1実施例のポンプ回転数NP と吸入ギャラリ脈動圧△PG とは、図5に示す特性を示す。図5の測定結果は、ポンプ最高回転数2500rpm のときの圧力脈動周波数とダンパチャンバ35の共振周波数とを同じにし、溢流脈動圧△PSPV を固定にして測定したものである。ポンプ低回転域において吸入ギャラリ脈動圧△PG は低下していないが、溢流脈動圧△PSPV の絶対値はポンプ低回転域において測定条件よりも実際には低い値になり、吸入ギャラリ脈動圧△PG も下がるので問題はない。この測定結果から、ダンパチャンバ35に入力した溢流脈動波は、ダンパチャンバ35の脈動低減効果により脈動圧力の高低差が低減されるので、吸入ギャラリ15に還流される溢流燃料圧力は平滑化されプランジャ室23に安定して燃料を供給できることが判る。
【0034】
(第2実施例)
本発明の第2実施例による脈動低減手段を図6に示す。
第2実施例では、ダンパチャンバ35と溢流弁との間の溢流燃料上流側に、脈動低減弁としてダンピングバルブ70が設けられている。ダンピングバルブ70は、図6の矢印A方向へ燃料を支障なく流し、矢印B方向への燃料流れは弁体が閉じ、オリフィスだけを通じて流通可能である。
【0035】
このため、ダンピングバルブ70を通過した燃料が吸入ギャラリに反射して矢印B方向に反射波を送り溢流燃料の脈動圧力の高低をさらに助長することを防止できる。還流通路34の還流位置34aで図5のグラフ104に示す脈動圧力を有する溢流燃料は、ダンピングバルブ70を通過すると図7のグラフ105に示すように、脈動の減衰特性がよくなる。このように減衰特性のよい脈動圧力波がダンパチャンバ35を通過した地点34cにおいて、図7のグラフ106に示すように、第1実施例と同様に脈動圧力が平滑化され、第1実施例よりもさらに安定した圧力の燃料が吸入ギャラリに還流および充填される。
【0036】
第2実施例では、逆止弁およびオリフィスの機能を備えた脈動低減弁としてダンピングバルブ70をダンパチャンバ35の上流側に設けたが、本発明では、逆止弁またはオリフィスだけをダンパチャンバ35の上流側に設けることは可能である。また本発明では、脈動低減室としてのダンパチャンバを設置せず、脈動低減弁としてのダンピングバルブだけを還流通路に設置してもある程度の脈動低減効果を得ることができる。さらにダンピングバルブの逆止弁またはオリフィス部分だけを還流通路に設置してもある程度の脈動低減効果を得ることができる。
【0037】
(第3実施例)
本発明の第3実施例による脈動低減手段を図8に示す。
第3実施例では、ダンピングバルブ70をダンパチャンバ35の溢流燃料下流側に設けている。第3実施例では、ダンパチャンバ35で脈動圧力を平滑化してからダンピングバルブ70で脈動の減衰特性を向上させているが、第2実施例と同様に安定した圧力の燃料が吸入ギャラリに還流される。
【0038】
第3実施例では、逆止弁およびオリフィスの機能を備えた脈動低減弁としてダンピングバルブ70をダンパチャンバ35の下流側に設けたが、本発明では、逆止弁またはオリフィスだけをダンパチャンバ35の下流側に設けることは可能である。
(第4実施例)
本発明の第4実施例による脈動低減手段を図9に示す。
【0039】
第4実施例では、連通通路を介して還流通路34と連通するダンパチャンバに代えて、還流通路34の一部としてアキュムレートチャンバ36が設けられている。
アキュムレートチャンバ36の透過損失TLは、次の数6により求めることができる。
【0040】
【数6】
【0041】
ただし、C:音速、f:脈動周波数、S1 :還流通路の流路断面積、S2 :アキュムレートチャンバの流路断面積、L:アキュムレートチャンバの流路長である。sin2kL=1のとき、TLは最大になる。つまり、L=C/4fのときTLが最大となり、脈動圧力の高低差が低減する。
(第5実施例)
本発明の第5実施例による脈動低減手段を図10に示す。
【0042】
脈動圧力の発生には、溢流燃料による脈動の他に、燃料溢流後、プランジャ室からの残圧吐出圧による吐出脈動も一因となることがある。このような場合、それぞれの要因による脈動圧力の平滑化のためには、それぞれの脈動周波数に応じたアキュムレートチャンバの設置が必要となる。そのため、第5実施例では、2個のアキュムレートチャンバ36および37を還流通路34途中に設けている。
【0043】
第5実施例では、2個のアキュムレートチャンバ36および37を還流通路34の一部として設置したが、本発明では、脈動の要因に応じて3個以上の複数のアキュムレートチャンバを設置することも可能である。
(第6実施例)
本発明の第6実施例による脈動低減手段を図11に示す。
【0044】
第1実施例〜第5実施例では、ダンパチャンバかアキュムレートチャンバのいずれか一方のみの設置であったが、第6実施例では、還流通路34の一部としてアキュムレートチャンバ81を設置し、アキュムレートチャンバ81に連通通路82aを介して連通するダンパチャンバ82を設けている。さらに、アキュムレートチャンバ81の溢流燃料上流側および下流側に、それぞれ連通通路通路83aおよび84aと連通するダンパチャンバ83および84が設置されている。アキュムレートチャンバ81、ダンパチャンバ82、83および84を併用するのは、第5実施例と同様に複数要因のある脈動を平滑化するためである。
【0045】
本発明では、アキュムレートチャンバおよびダンパチャンバの特性を最適に組み合わせることにより安定した圧力の燃料が吸入ギャラリに還流される。
(第7実施例)
本発明の第7実施例による脈動低減手段を図12に示す。図12において、S1 :吸入通路の流路断面積、S2 :吸入ギャラリの流路断面積、S3 :還流通路の流路断面積、L1 :吸入通路の流路長、L2 :吸入ギャラリの流路長、L3 :還流通路の流路長である。
【0046】
ダンパチャンバやアキュムレートチャンバを設置するスペースが確保できない場合、第7実施例のように吸入ギャラリをアキュムレートチャンバとして用いることも可能である。しかしながら、脈動圧力を平滑化するのに十分な吸入ギャラリの断面積S2 が確保できない場合、脈動圧力波の一部が吸入ギャラリ15を通過して吸入通路に伝搬するが、L1 :L2 :L3 =1:1:1とすれば脈動圧力を平滑化できる。この作動を次に説明する。
【0047】
溢流弁の開弁により発生した脈動圧力波である溢流燃料は圧力波201を有し、この圧力波201が還流通路34に還流し圧力波201とほぼ同じエネルギーを有する入力波202となる。入力波202が吸入ギャラリ15に到達すると、一部は吸入ギャラリ15内に進入する透過波203となり、その他は還流通路34の断面積S3 と吸入ギャラリ15の断面積S2 との比により、負のエネルギーを有する反射波204となる。反射波204は溢流弁に衝突して負のエネルギーのまま反射波205となり吸入ギャラリ15に向かう。透過波203は、吸入ギャラリ15から吸入通路31に流入するとき、吸入ギャラリ15の断面積S2 と吸入通路31の断面積S1 との比により、透過波206および反射波207となる。反射波207は反射波205と衝突し、C地点で正負の脈動エネルギーが緩衝しあい脈動圧力の高低差が低減される。透過波206は、吸入通路31と分配ロータに形成された吸入ポートとが連通するまでは、分配ロータの外壁に衝突して反射波208となる。反射波208は、吸入通路31から吸入ギャラリ15に到達すると、透過波209と反射波210となる。透過波209は、吸入ギャラリ15から還流通路34に到達すると、図示しない透過波と反射波211となる。反射波210は、分配ロータの外壁に衝突して反射波212となり、地点Dで反射波211と衝突し、正負の脈動エネルギーが緩衝しあい脈動圧力の高低差が低減される。このため、吸入ギャラリ15の断面積を十分に大きく確保できなくても、吸入通路31と吸入ポートとが連通するまでの期間内に脈動圧力の高低差を低減して平滑化できる。
【0048】
第7実施例では、L1 :L2 :L3 =1:1:1として脈動圧力を平滑化したが、本発明では、吸入通路の流路断面積S1 、吸入ギャラリの流路断面積S2 、還流通路の流路断面積S3 も含めて脈動圧力を最適に平滑化する値を設定することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による燃料噴射ポンプを示す構成図である。
【図2】本発明の第1実施例による脈動低減手段を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施例による燃料吸入および燃料圧送工程における特性を示す特性図である。
【図4】第1実施例、従来例1、従来例2の燃料噴射ポンプによる時間経過と吸入ギャラリ圧との関係を示す特性図である。
【図5】本発明の第1実施例によるポンプ回転数と吸入ギャラリ脈動圧との関係を示す特性図である。
【図6】本発明の第2実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図7】本発明の第2実施例による脈動低減手段の脈動低減過程を示す説明図である。
【図8】本発明の第3実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図9】本発明の第4実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図10】本発明の第5実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図11】本発明の第6実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図12】本発明の第7実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図13】従来の燃料噴射ポンプによる時間経過と吸入ギャラリ圧との関係を示す特性図である。
【図14】従来の燃料噴射ポンプによるポンプ回転数と吸入ギャラリ圧との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10 噴射ポンプ(燃料噴射ポンプ)
11 ベーン式フィードポンプ
15 吸入ギャラリ
21 分配ロータ
21a 摺動孔
22 プランジャ
23 プランジャ室(燃料加圧室)
27 吸入ポート
28 分配ポート
29 溢流ポート
31 吸入通路
32 分配通路
33 溢流通路
34 還流通路
35 ダンパチャンバ(脈動低減室)
35a 連通通路
36 アキュムレートチャンバ(脈動低減通路)
40 溢流弁
70 ダンピングバルブ(脈動低減弁)
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関用の燃料噴射ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、溢流弁として電磁制御弁を用い、この溢流弁の開閉により燃料加圧室の高圧燃料を溢流させ燃料噴射タイミングを制御する燃料噴射ポンプにおいて、燃料噴射終了時に溢流燃料を吸入ギャラリに還流することにより、次の燃料吸入工程におけるプランジャ室への燃料充填量を確保しプランジャ室への燃料供給不良を防止するものが知られている。しかしながら、このような吸入ギャラリに溢流燃料を還流するものでは、図13のグラフ301に示すように、高圧の溢流燃料により発生する脈動のため吸入ギャラリ内の燃料圧力に高低差が生じてしまう。▲1▼吸入ギャラリ圧が高いと吸入ギャラリを形成する内壁に損傷が生じる場合があり、▲2▼吸入ギャラリ圧が低いとプランジャ室に十分量の燃料を送出できない場合があるので、プランジャ室に安定して燃料を供給できないという問題がある。また図14のグラフ302に示すように、ポンプ回転数が上昇、つまりエンジン回転数が上昇しても、吸入ギャラリ圧の高低差は許容範囲内に収まることが望ましいが、脈動による吸入ギャラリ圧の高低差は、グラフ303に示すように、エンジンが高回転域で運転するほど大きくなるので、特にエンジン高回転域での燃料噴射特性が低下するという問題がある。
【0003】
このような問題を解決するため、溢流弁から燃料ギャラリに燃料を還流する還流通路に逆止弁を設け、吸入ギャラリから溢流弁方向にだけ燃料を流通可能にすることが考えられる。吸入ギャラリ内燃料に脈動が伝搬しても高圧時は逆止弁が開いて燃料が溢流弁方向に逃げ、低圧時は逆止弁が閉じて溢流弁からの燃料の還流を防止するので吸入ギャラリ内の燃料圧力は平滑化される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の逆止弁を設ける燃料噴射ポンプでは、逆止弁により溢流燃料を十分に吸入ギャラリに還流することができないため、プランジャ室への燃料吸入時、吸入ギャラリ室内の圧力が瞬時に低下するのでプランジャ室へ安定して燃料を供給できないという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、燃料吸入工程時、燃料加圧室に燃料を十分にしかも安定して供給する燃料噴射ポンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の請求項1記載の燃料噴射ポンプは、
燃料圧送行程時、溢流弁を開弁することにより燃料加圧室の加圧された燃料を環流通路に溢流させ、前記燃料加圧室への燃料吸入行程時に前記溢流燃料の一部を吸入ギャラリを介して前記燃料加圧室に還流可能な燃料噴射ポンプにおいて、
前記還流通路と連通通路を介して連通する脈動低減室を形成する第1の通路部材を有し、前記燃料加圧室に環流される燃料の脈動を低減可能な脈動低減手段を備え、
前記吸入ギャラリは、前記脈動低減手段で脈動を低減された燃料を前記環流通路から供給されるとともに、燃料タンクから燃料供給通路を介して燃料を供給されて前記燃料加圧室に吸入される燃料を蓄え、
前記燃料供給通路および前記環流通路はそれぞれ異なる位置で前記吸入ギャラリに接続していることを特徴とする。
【0007】
また本発明の請求項2記載の燃料噴射ポンプによると、前記脈動低減手段は、還流通路の一部であるとともに、脈動低減通路を形成する第2の通路部材をさらに有し、前記脈動低減通路の流路断面積は前記脈動低減通路の上流側または下流側の流路断面積よりも大きい前記還流通路の一部であるとともに、脈動低減通路を形成する第2の通路部材をさらに有し、前記脈動低減通路の流路断面積は前記脈動低減通路の上流側または下流側の流路断面積よりも大きいことを特徴とする。
さらに本発明の請求項3記載の燃料噴射ポンプによると、前記脈動低減通路の流路長と、前記脈動低減通路の上流側通路長と、前記脈動低減通路の下流側通路長とは所定の比率に形成されることを特徴とする。
【0008】
さらにまた本発明の請求項4記載の燃料噴射ポンプによると、前記脈動低減手段は、前記燃料加圧室から前記溢流弁への燃料逆流方向に閉じ、前記脈動低減室の上流側または下流側の前記環流通路に設けられる逆止弁をさらに有することを特徴とする。
【0009】
さらにまた本発明の請求項5記載の燃料噴射ポンプによると、前記脈動低減手段は、前記脈動低減室の上流側または下流側の前記環流通路に設けられるオリフィスをさらに有することを特徴とする。
さらにまた本発明の請求項6記載の燃料噴射ポンプによると、前記脈動低減手段は、前記燃料加圧室から前記溢流弁への燃料逆流方向に閉じる逆止弁と、前記逆止弁が閉じた場合でも前記燃料加圧室から前記溢流弁へ燃料を流通可能なオリフィスとからなる脈動低減弁をさらに有し、前記脈動低減弁は前記脈動低減室の上流側または下流側の前記環流通路に設けられることを特徴とする。
【0011】
【作用および発明の効果】
本発明の請求項1記載の燃料噴射ポンプによると、還流通路に脈動低減手段を設けたことにより燃料加圧室に供給される燃料の脈動を低減できるので、燃料吸入工程時、十分な燃料量を燃料加圧室に安定して供給することができる。
さらに、脈動低減手段が還流通路と連通通路を介して連通する脈動低減室を形成することにより燃料加圧室に供給される燃料の脈動を低減できるので、燃料吸入工程時、十分な燃料量を燃料加圧室に安定して供給することができる。
【0012】
また本発明の請求項2記載の燃料噴射ポンプによると、還流通路の一部である脈動低減通路を第2の通路部材が形成し、脈動低減通路の流路断面積は前記脈動低減通路の上流側または下流側の流路断面積よりも大きいので、燃料吸入工程時、十分な燃料量を燃料加圧室に安定して供給することができる。
また本発明の請求項3記載の燃料噴射ポンプによると、脈動低減手段は、脈動低減通路の流路長と、脈動低減通路の上流側通路長と、脈動低減通路の下流側通路長とを所定の比率に形成することにより、さらに脈動低減効果を向上することができる。
さらにまた本発明の請求項4記載の燃料噴射ポンプによると、脈動低減手段は、燃料加圧室から溢流弁への燃料逆流方向に閉じ、脈動低減室の上流側または下流側の環流通路に設けられる逆止弁をさらに有するので、燃料加圧室に供給される溢流燃料の脈動を低減できる。
【0013】
さらにまた本発明の請求項5記載の燃料噴射ポンプによると、脈動低減手段が、脈動低減室の上流側または下流側の環流通路に設けられるオリフィスをさらに有するので、燃料加圧室に供給される燃料の脈動を低減できる。
さらにまた本発明の請求項6記載の燃料噴射ポンプによると、脈動低減手段は逆止弁とオリフィスとからなる脈動低減弁をさらに有し、脈動低減弁は脈動低減室の上流側または下流側の環流通路に設けられることにより、燃料加圧室に供給される燃料の脈動をさらに良好に低減できる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による燃料噴射ポンプを図1に示す。
図1に示すように、噴射ポンプ10のベーン式フィードポンプ11は図示しないエンジンにより駆動される駆動軸12と同期して回転し、燃料タンク61から吸入した燃料を加圧する。加圧された燃料は、フィードギャラリ13に蓄圧され、燃料配管14を通って吸入ギャラリ15に供給される。レギュレーティングバルブ16は、ベーン式フィードポンプ11の燃料送油圧がベーン式フィードポンプ11の回転速度に比例して上昇するように燃料送油圧を調整する。
【0016】
吸入ギャラリ15は、分配ロータ21の周囲に環状に形成されている。分配ロータ21は駆動軸12と軸方向に連結され、この駆動軸12と一体に回転する。分配ロータ21には互いに直交する一対の摺動孔21aが形成され、各摺動孔21aを形成する分配ロータ21の内壁にそれぞれ一対のプランジャ22が油密状態で摺動可能に支持されており、各プランジャ22の内端面と各摺動孔21aを形成する分配ロータ21の内壁により燃料加圧室としてのプランジャ室23が画成されている。
【0017】
各プランジャ22の外側端部にはシュー24が配設され、各シュー24にローラ25が回転自在に保持されている。ローラ25の外側には内周面に複数のカム山を有するカム面の形成された図示しないインナーカムリングが配置されており、分配ロータ21の回転に基づいてローラ25がインナーカムリング内周面のカム面に摺動することにより、ローラ25はカム面に沿ってインナーカムリングの半径方向に往復動し、この往復動がシュー24を介して前記プランジャ22に伝達される。そしてプランジャ22が分配ロータ21の半径方向外側に移動する行程が燃料の吸入行程であり、半径方向内側に移動する行程が燃料の圧送行程となる。カムオーバフローバルブ26は、プランジャ22の往復動による燃料圧送時、過剰となった燃料を燃料戻し管62を介して燃料タンク61に戻している。
【0018】
また、分配ロータ21にはプランジャ室23に連通する吸入ポート27、分配ポート28および溢流ポート29が形成されており、分配ロータ21の回転に基づきそれぞれ各吸入通路31、各分配通路32および各溢流通路33に連通可能になっている。例えば6気筒エンジンの場合、吸入ポート27と吸入通路31とが連通するのは60°毎の所定の期間である。
【0019】
溢流弁40は溢流通路33の先端に配設されている。溢流弁40は、燃料の圧送工程時において溢流通路33と還流通路34との連通または遮断を行ない、加圧された燃料の吐出タイミングおよび溢流タイミングを制御することにより噴射量を制御するようになっている。励磁コイル41への通電がONされ励磁コイル41に励磁電流が供給されると弁体42が圧縮コイルスプリング43の付勢力に抗して図1の下方に下がり溢流弁40を閉じる。励磁コイル41への通電がOFFされると弁体42がリフトし、溢流通路33と還流通路34とが連通するので、プランジャ室23の燃料が吸入ギャラリ15に還流するようになる。溢流燃料の脈動低減手段としてのダンパチャンバ35は連通通路35aを介して還流通路34と連通している。還流通路34は一部オーバフローバルブ45に接続している。
【0020】
デリバリバルブ50は、分配通路32と接続しており、プランジャ室23で加圧される燃料が一定圧以上になると開弁し、噴射管51を介して噴射ノズル52に高圧燃料を送出する。
次に、噴射ポンプ10の作動について図1および図3に基づいて説明する。
(1) 燃料吸入工程
吸入ポート27と吸入通路31とが連通するのは、プランジャ22が上死点から下死点に移行する期間に設定してあるので、この期間に吸入ギャラリ15からプランジャ室23に燃料が吸入される。
【0021】
(2) 燃料圧送工程
プランジャ22が下死点に到達し、上死点に移行するタイミングで励磁コイル41に励磁電流が供給されると、弁体42が圧縮コイルスピリング43の付勢力に抗して図1の下方に下がり溢流弁40は閉弁する。このとき、分配ポート28と分配通路32とが連通する。プランジャ室23内の燃料圧力が一定圧以上になると、デリバリバルブ50が開弁し、噴射管51から噴射ノズル52に燃料が圧送され、図示しない各気筒の燃焼室に燃料が噴射される。燃料噴射量が所定量になると溢流弁40への通電がOFFされ溢流弁40は開弁する。すると、溢流通路33と還流通路34とが連通し、高圧燃料が還流通路34から吸入ギャラリ15に流れ込む。
【0022】
次に、燃料溢流時のダンパチャンバ35の作動について説明する。
図2に示すように、還流通路34に溢流した溢流燃料により、ダンパチャンバ35の手前で脈動圧力が発生しており、この脈動圧力が吸入ギャラリ15に伝搬しようとする。この脈動圧力の内、高圧波がダンパチャンバ35に到達すると、高圧波のエネルギーはダンパチャンバ35内に吸収されるのでダンパチャンバ35内の圧力が上昇する一方、還流通路34内の溢流燃料の圧力は低下する。次に、低圧波がダンパチャンバ35に到達すると、ダンパチャンバ35内に吸収された高圧波のエネルギーが低圧波に与えられるので還流通路34内の溢流燃料の圧力は上昇する。このため、還流通路34から吸入ギャラリ15に還流する溢流燃料の脈動圧力は平滑化され、吸入ギャラリ15の耐圧上限値を下回るとともに、プランジャ室23への燃料供給に必要な最低圧力を上回ることができるので、十分量の燃料を安定してプランジャ室23に供給することができる。
【0023】
ここで、第1実施例、従来例1、従来例2による時間経過tと吸入ギャラリ圧PG の関係を図4に示す。従来例1は、直接吸入ギャラリに溢流燃料を還流するもの、従来例2は、吸入ギャラリに直接溢流燃料を還流しないものである。
▲1▼第1実施例は、グラフ101に示すように、燃料溢流後に多少脈動し、その後、プランジャ室に吸入ギャラリから燃料吸入期間中燃料が充填されるため吸入ギャラリ圧PG は徐々に減少するが、要求最小値と要求最大値と間の適正範囲a内に吸入ギャラリ室圧PG が収まっているので、十分な燃料量を安定してプランジャ室に供給することができる。▲2▼従来例1は、溢流燃料の脈動が直接吸入ギャラリ圧の脈動を誘発するため、グラフ102に示すように、燃料溢流後の脈動により吸入ギャラリの最大圧力および最小圧力がともに適正範囲aから外れている。このため、十分な燃料量を吸入ギャラリに充填できないので、燃料吸入期間中の吸入ギャラリ圧PG が要求最小値を下回ることがある。このため、プランジャ室への燃料供給量が不足し安定した燃料噴射を保持できない。▲3▼従来例2は、吸入ギャラリに直接溢流燃料を還流しないので、燃料溢流後も吸入ギャラリ内の圧力は上昇せず、燃料吸入期間中は要求最小値を大きく下回っている。このため、プランジャ室への燃料供給量が大幅に不足し安定した燃料噴射を保持できない。
【0024】
次に、ダンパチャンバ35の透過損失TLにより本実施例の効果を検証する。ダンパチャンバ35の透過損失TLは、次の数1により求めることができる。
【0025】
【数1】
【0026】
ただし、C:音速、f0 :共振周波数、f:脈動周波数、S:還流通路の流路断面積、S0 :連通通路の流路断面積、d:連通通路長、V:ダンパチャンバの容積である。脈動周波数fと共振周波数f0 との差を小さくすれば透過損失TLが大きくなるため脈動圧力の高低差を低減することができる。
第1実施例による、ダンパチャンバ35の脈動圧力の高低差低減効果は、騒音対策として音のエネルギーが低減できるという実績からも裏付けることができる。音の透過損失TLは、次の数2により求められる。
【0027】
【数2】
【0028】
ただし、I(watt/m2) :透過音のエネルギー、I0(watt/m2) :入射音のエネルギーであり、透過損失TLは、透過音のエネルギーIと入射音のエネルギーI0 とをdb単位で表したときの差を示している。また、透過音のエネルギーIと音圧Pとの間には次の数3の関係があるので、数2は数4に置き換えることができる。
【0029】
【数3】
【0030】
【数4】
【0031】
ただし、ρ:媒体密度、C:音速、P( μbar):透過音圧、P0(μbar):入射音圧である。ここで、透過音圧Pは吸入ギャラリ15の脈動圧△PG に相当し、入射音圧P0 は溢流燃料による溢流脈動圧△PSPV に相当するので、数4は次の数5となる。ここで脈動圧△PG は吸入ギャラリ15内の脈動圧力の高低差を表し、溢流脈動圧△PSPV は溢流弁における溢流脈動圧力の高低差を表している。
【0032】
【数5】
【0033】
ここで、第1実施例のポンプ回転数NP と吸入ギャラリ脈動圧△PG とは、図5に示す特性を示す。図5の測定結果は、ポンプ最高回転数2500rpm のときの圧力脈動周波数とダンパチャンバ35の共振周波数とを同じにし、溢流脈動圧△PSPV を固定にして測定したものである。ポンプ低回転域において吸入ギャラリ脈動圧△PG は低下していないが、溢流脈動圧△PSPV の絶対値はポンプ低回転域において測定条件よりも実際には低い値になり、吸入ギャラリ脈動圧△PG も下がるので問題はない。この測定結果から、ダンパチャンバ35に入力した溢流脈動波は、ダンパチャンバ35の脈動低減効果により脈動圧力の高低差が低減されるので、吸入ギャラリ15に還流される溢流燃料圧力は平滑化されプランジャ室23に安定して燃料を供給できることが判る。
【0034】
(第2実施例)
本発明の第2実施例による脈動低減手段を図6に示す。
第2実施例では、ダンパチャンバ35と溢流弁との間の溢流燃料上流側に、脈動低減弁としてダンピングバルブ70が設けられている。ダンピングバルブ70は、図6の矢印A方向へ燃料を支障なく流し、矢印B方向への燃料流れは弁体が閉じ、オリフィスだけを通じて流通可能である。
【0035】
このため、ダンピングバルブ70を通過した燃料が吸入ギャラリに反射して矢印B方向に反射波を送り溢流燃料の脈動圧力の高低をさらに助長することを防止できる。還流通路34の還流位置34aで図5のグラフ104に示す脈動圧力を有する溢流燃料は、ダンピングバルブ70を通過すると図7のグラフ105に示すように、脈動の減衰特性がよくなる。このように減衰特性のよい脈動圧力波がダンパチャンバ35を通過した地点34cにおいて、図7のグラフ106に示すように、第1実施例と同様に脈動圧力が平滑化され、第1実施例よりもさらに安定した圧力の燃料が吸入ギャラリに還流および充填される。
【0036】
第2実施例では、逆止弁およびオリフィスの機能を備えた脈動低減弁としてダンピングバルブ70をダンパチャンバ35の上流側に設けたが、本発明では、逆止弁またはオリフィスだけをダンパチャンバ35の上流側に設けることは可能である。また本発明では、脈動低減室としてのダンパチャンバを設置せず、脈動低減弁としてのダンピングバルブだけを還流通路に設置してもある程度の脈動低減効果を得ることができる。さらにダンピングバルブの逆止弁またはオリフィス部分だけを還流通路に設置してもある程度の脈動低減効果を得ることができる。
【0037】
(第3実施例)
本発明の第3実施例による脈動低減手段を図8に示す。
第3実施例では、ダンピングバルブ70をダンパチャンバ35の溢流燃料下流側に設けている。第3実施例では、ダンパチャンバ35で脈動圧力を平滑化してからダンピングバルブ70で脈動の減衰特性を向上させているが、第2実施例と同様に安定した圧力の燃料が吸入ギャラリに還流される。
【0038】
第3実施例では、逆止弁およびオリフィスの機能を備えた脈動低減弁としてダンピングバルブ70をダンパチャンバ35の下流側に設けたが、本発明では、逆止弁またはオリフィスだけをダンパチャンバ35の下流側に設けることは可能である。
(第4実施例)
本発明の第4実施例による脈動低減手段を図9に示す。
【0039】
第4実施例では、連通通路を介して還流通路34と連通するダンパチャンバに代えて、還流通路34の一部としてアキュムレートチャンバ36が設けられている。
アキュムレートチャンバ36の透過損失TLは、次の数6により求めることができる。
【0040】
【数6】
【0041】
ただし、C:音速、f:脈動周波数、S1 :還流通路の流路断面積、S2 :アキュムレートチャンバの流路断面積、L:アキュムレートチャンバの流路長である。sin2kL=1のとき、TLは最大になる。つまり、L=C/4fのときTLが最大となり、脈動圧力の高低差が低減する。
(第5実施例)
本発明の第5実施例による脈動低減手段を図10に示す。
【0042】
脈動圧力の発生には、溢流燃料による脈動の他に、燃料溢流後、プランジャ室からの残圧吐出圧による吐出脈動も一因となることがある。このような場合、それぞれの要因による脈動圧力の平滑化のためには、それぞれの脈動周波数に応じたアキュムレートチャンバの設置が必要となる。そのため、第5実施例では、2個のアキュムレートチャンバ36および37を還流通路34途中に設けている。
【0043】
第5実施例では、2個のアキュムレートチャンバ36および37を還流通路34の一部として設置したが、本発明では、脈動の要因に応じて3個以上の複数のアキュムレートチャンバを設置することも可能である。
(第6実施例)
本発明の第6実施例による脈動低減手段を図11に示す。
【0044】
第1実施例〜第5実施例では、ダンパチャンバかアキュムレートチャンバのいずれか一方のみの設置であったが、第6実施例では、還流通路34の一部としてアキュムレートチャンバ81を設置し、アキュムレートチャンバ81に連通通路82aを介して連通するダンパチャンバ82を設けている。さらに、アキュムレートチャンバ81の溢流燃料上流側および下流側に、それぞれ連通通路通路83aおよび84aと連通するダンパチャンバ83および84が設置されている。アキュムレートチャンバ81、ダンパチャンバ82、83および84を併用するのは、第5実施例と同様に複数要因のある脈動を平滑化するためである。
【0045】
本発明では、アキュムレートチャンバおよびダンパチャンバの特性を最適に組み合わせることにより安定した圧力の燃料が吸入ギャラリに還流される。
(第7実施例)
本発明の第7実施例による脈動低減手段を図12に示す。図12において、S1 :吸入通路の流路断面積、S2 :吸入ギャラリの流路断面積、S3 :還流通路の流路断面積、L1 :吸入通路の流路長、L2 :吸入ギャラリの流路長、L3 :還流通路の流路長である。
【0046】
ダンパチャンバやアキュムレートチャンバを設置するスペースが確保できない場合、第7実施例のように吸入ギャラリをアキュムレートチャンバとして用いることも可能である。しかしながら、脈動圧力を平滑化するのに十分な吸入ギャラリの断面積S2 が確保できない場合、脈動圧力波の一部が吸入ギャラリ15を通過して吸入通路に伝搬するが、L1 :L2 :L3 =1:1:1とすれば脈動圧力を平滑化できる。この作動を次に説明する。
【0047】
溢流弁の開弁により発生した脈動圧力波である溢流燃料は圧力波201を有し、この圧力波201が還流通路34に還流し圧力波201とほぼ同じエネルギーを有する入力波202となる。入力波202が吸入ギャラリ15に到達すると、一部は吸入ギャラリ15内に進入する透過波203となり、その他は還流通路34の断面積S3 と吸入ギャラリ15の断面積S2 との比により、負のエネルギーを有する反射波204となる。反射波204は溢流弁に衝突して負のエネルギーのまま反射波205となり吸入ギャラリ15に向かう。透過波203は、吸入ギャラリ15から吸入通路31に流入するとき、吸入ギャラリ15の断面積S2 と吸入通路31の断面積S1 との比により、透過波206および反射波207となる。反射波207は反射波205と衝突し、C地点で正負の脈動エネルギーが緩衝しあい脈動圧力の高低差が低減される。透過波206は、吸入通路31と分配ロータに形成された吸入ポートとが連通するまでは、分配ロータの外壁に衝突して反射波208となる。反射波208は、吸入通路31から吸入ギャラリ15に到達すると、透過波209と反射波210となる。透過波209は、吸入ギャラリ15から還流通路34に到達すると、図示しない透過波と反射波211となる。反射波210は、分配ロータの外壁に衝突して反射波212となり、地点Dで反射波211と衝突し、正負の脈動エネルギーが緩衝しあい脈動圧力の高低差が低減される。このため、吸入ギャラリ15の断面積を十分に大きく確保できなくても、吸入通路31と吸入ポートとが連通するまでの期間内に脈動圧力の高低差を低減して平滑化できる。
【0048】
第7実施例では、L1 :L2 :L3 =1:1:1として脈動圧力を平滑化したが、本発明では、吸入通路の流路断面積S1 、吸入ギャラリの流路断面積S2 、還流通路の流路断面積S3 も含めて脈動圧力を最適に平滑化する値を設定することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による燃料噴射ポンプを示す構成図である。
【図2】本発明の第1実施例による脈動低減手段を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施例による燃料吸入および燃料圧送工程における特性を示す特性図である。
【図4】第1実施例、従来例1、従来例2の燃料噴射ポンプによる時間経過と吸入ギャラリ圧との関係を示す特性図である。
【図5】本発明の第1実施例によるポンプ回転数と吸入ギャラリ脈動圧との関係を示す特性図である。
【図6】本発明の第2実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図7】本発明の第2実施例による脈動低減手段の脈動低減過程を示す説明図である。
【図8】本発明の第3実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図9】本発明の第4実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図10】本発明の第5実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図11】本発明の第6実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図12】本発明の第7実施例による燃料噴射ポンプの脈動低減手段を示す模式図である。
【図13】従来の燃料噴射ポンプによる時間経過と吸入ギャラリ圧との関係を示す特性図である。
【図14】従来の燃料噴射ポンプによるポンプ回転数と吸入ギャラリ圧との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10 噴射ポンプ(燃料噴射ポンプ)
11 ベーン式フィードポンプ
15 吸入ギャラリ
21 分配ロータ
21a 摺動孔
22 プランジャ
23 プランジャ室(燃料加圧室)
27 吸入ポート
28 分配ポート
29 溢流ポート
31 吸入通路
32 分配通路
33 溢流通路
34 還流通路
35 ダンパチャンバ(脈動低減室)
35a 連通通路
36 アキュムレートチャンバ(脈動低減通路)
40 溢流弁
70 ダンピングバルブ(脈動低減弁)
Claims (6)
- 燃料圧送行程時、溢流弁を開弁することにより燃料加圧室の加圧された燃料を環流通路に溢流させ、前記燃料加圧室への燃料吸入行程時に前記溢流燃料の一部を吸入ギャラリから前記燃料加圧室に還流可能な燃料噴射ポンプにおいて、
前記還流通路と連通通路を介して連通する脈動低減室を形成する第1の通路部材を有し、前記燃料加圧室に環流される燃料の脈動を低減可能な脈動低減手段を備え、
前記吸入ギャラリは、前記脈動低減手段で脈動を低減された燃料を前記環流通路から供給されるとともに、燃料タンクから燃料供給通路を介して燃料を供給されて前記燃料加圧室に吸入される燃料を蓄え、
前記燃料供給通路および前記環流通路はそれぞれ異なる位置で前記吸入ギャラリに接続していることを特徴とする燃料噴射ポンプ。 - 前記脈動低減手段は、前記還流通路の一部であるとともに、脈動低減通路を形成する第2の通路部材をさらに有し、前記脈動低減通路の流路断面積は前記脈動低減通路の上流側または下流側の流路断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ポンプ。
- 前記脈動低減通路の流路長と、前記脈動低減通路の上流側通路長と、前記脈動低減通路の下流側通路長とは所定の比率に形成されることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射ポンプ。
- 前記脈動低減手段は、前記燃料加圧室から前記溢流弁への燃料逆流方向に閉じ、前記脈動低減室の上流側または下流側の前記環流通路に設けられる逆止弁をさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の燃料噴射ポンプ。
- 前記脈動低減手段は、前記脈動低減室の上流側または下流側の前記環流通路に設けられるオリフィスをさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の燃料噴射ポンプ。
- 前記脈動低減手段は、前記燃料加圧室から前記溢流弁への燃料逆流方向に閉じる逆止弁と、前記逆止弁が閉じた場合でも前記燃料加圧室から前記溢流弁へ燃料を流通可能なオリフィスとからなる脈動低減弁をさらに有し、前記脈動低減弁は前記脈動低減室の上流側または下流側の前記環流通路に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の燃料噴射ポンプ。
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