JP3567064B2 - ラビリンスシール装置及びそれを備えた流体機械 - Google Patents

ラビリンスシール装置及びそれを備えた流体機械 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体と静止部材間の間の流体の漏れ流れを阻止するシール装置及びそれを備えた流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
多段形流体機械の一例である多段遠心圧縮機は、図7にその上半部の縦断面図を示すように、吸込管7から吸い込まれた作動ガス10が回転軸1に取り付けられた複数段の羽根車6(6a〜6f)の回転に伴い圧縮され、出口配管8から機外へ吐出される。つまり、作動ガス10は吸込管7から流入した後、各段の羽根車6で昇圧され、次いで各段に設けられたディフューザ13(13a〜13f)およびリターンチャネル14(14a〜14e)を通過する際に圧力回復して出口配管8へ導かれる。回転軸1および羽根車6と静止側ケーシング9との間にはラビリンスシール11、12が設けられている。このラビリンスシールには、羽根車の出口側から入口側へ戻る部分、即ち羽根車の入口付近に設けられるラビリンスシール11(以下、入口ラビリンスと呼ぶ)と、相隣る2つの圧縮機段間に設けられるラビリンスシール12(以下、段間ラビリンスと呼ぶ)と、バランスドラムの部分に使用されるラビリンス(シール)15とがある。
【0003】
この図7に示した多段遠心圧縮機において、従来用いられてきたラビリンスシールの詳細を図8に示す。図8において、各ラビリンスは、回転軸と平行な円筒面でシール面を形成する。そして、回転側部材あるいは静止側部材のいずれかの部材、本図においては静止側部材に複数のフィン2を設け、フィン2の先端と対向する部材との隙間を狭くすることにより、高圧側からの漏れ流れ5a、5bを抑制している。
【0004】
このようなラビリンスシールを設けた例が、特開平7ー217595号公報、特開平4ー203565号公報に記載されている。この中で、特開平7−217595号公報に記載のものは、静止側部材にフィンを設け、その先端に造隙被削コーティングを施し、両者間の隙間を小さくして漏れ流量の低減を図っている。一方、特開平4−203565号公報に記載の例では、回転側部材にフィンを設け、静止側部材に造隙被削コーティングを施し、両者間の隙間を小さくして漏れ流量の低減を図っている。
【0005】
同様に羽根車の入口部の静止側部材に造隙被削コーティングを施し、漏れ流量の低減を図る例は、三菱重工技報Vol23、No.5(1986−9)やエバラ時報No.154(1992−1)にも報告されている。
【0006】
なお、流体機械における他のシールの方法が、特開平5−36640号公報に記載されている。この特開平5ー36640号公報に記載のものは、回転軸に垂直なシール面を持ち、隙間センサで隙間量を検出し、電磁力を利用して隙間を制御している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のラビリンスシールは、静止側部材に設けたフィンと回転側部材が原則接触せず、必ず隙間を有するように設計されているので、両部材間の隙間の低減には限界がある。例えば、図8において、主流10の流量に対して漏れ流れ11a、11bの流量割合が小さい場合には漏れ流れが性能に及ぼす影響は小さい。しかしながら、漏れ流れの割合が大きくなる低比速度段では、漏れ流れにより効率が著しく低下する。そして、この種のラビリンスシールにおいて隙間を小さくしすぎると、例えば圧縮機の場合、旋回失速やサージに起因する不安定振動が発生し、ラビリンスフィンの接触により回転側部材が損傷する恐れがある。
【0008】
一方、シール効果を高めるためにシール面の隙間をできるだけ小さくし、シール面の一方に造隙被削コーティングを施こす特開平7−217595号公報や特開平4−203565号公報に記載のものは、造隙被削コーティングが経時劣化し、所期の性能を長期にわたって発揮できない恐れがある。すなわち、種々のガスを扱うプロセス用圧縮機等に用いると、腐食性ガスに起因してコーティング材が劣化し、その後サージングや旋回失速などの流体的不安定現象が生じたときに軸振動が増加してフィンとコーティング面の接触を生じ、その結果コーティング材が剥離する恐れがある。この場合、流体機械の性能は大幅に低下し、さらに信頼性の低下という不具合も生じる。
【0009】
本発明は上記従来技術の有する不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、長期にわたり安定した性能を保持しうるラビリンスシール装置及びそれを用いた流体機械を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、コーティング材が腐食等により損傷したり剥離しても漏れ損失の少なく信頼性の高いラビリンスシール装置及びそれを用いた流体機械を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、従来のラビリンスフィンの性能を損なうことなく、長寿命なラビリンスシール装置及びそれを用いた流体機械を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、回転軸と、この回転軸に取り付けられた少なくとも1枚の遠心羽根車と、この遠心羽根車を覆うように設けられたケーシングとを備えた流体機械において、回転軸または遠心羽根車の少なくとも1つに複数の第1のフィンとこの第1のフィンと軸方向距離を置いて複数の第2のフィンとを設け、ケーシングの第1のフィンに対向する部分に造隙被削コーティングを施し、ケーシングと第1のフィンとの間に形成される隙間を、ケーシングと第2のフィンとの間に形成される隙間よりも小さくするとともに、造隙被削コーティングを第1のフィンにより必ず被削されるように配置したものである。
【0013】
上記目的を達成するための本発明の第2の態様は、回転軸と、この回転軸に取り付けられた少なくとも1枚の遠心羽根車と、この遠心羽根車を覆うように設けられたケーシングとを備えた流体機械において、回転軸または遠心羽根車の少なくとも1つに複数の第1のフィンを設けるとともに、ケーシングに複数の第2のフィンを設け、ケーシングは第1のフィンに対向する位置に造隙被削コーティングが施され、第1のフィンとケーシングとの間に形成される隙間を、第2のフィンと回転軸または遠心羽根車との間に形成される隙間より小さくするとともに、造隙被削コーティングを前記第1のフィンにより必ず被削されるように配置したものである。
【0014】
そして、上記流体機械において、ラビリンスフィンは、回転軸に垂直で周方向に連続していること、または、ラビリンスフィンはフィン根本幅がフィン先端幅より広いこと、第1のフィンを第2のフィンを挟む軸方向2カ所に設けるとともに、第1のフィンと第2のフィンとの間のケーシングに周方向に連続する溝を形成すること、造隙被削コーティングは、ニッケル・グラファイト系コーティング材の溶射、アルミ・シリコン・ポリエステル系コーティング材の溶射、またはホワイトメタルのコーティングとすることが好ましい。
【0015】
上記目的を達成するための本発明の第3の態様は、回転軸と静止ケーシングとを有し、この回転軸または静止ケーシングのいずれかに複数のラビリンスフィンを設けたラビリンスシール装置において、ラビリンスフィンの中で、少なくとも1個のラビリンスフィンが対向する回転軸または静止ケーシングとの間に形成する隙間を、他のラビリンスフィンが形成する隙間よりも小さく、かつ、隙間の小さいラビリンスフィンに対向する回転軸または静止ケーシングに造隙被削コーティングを施すとともに、造隙被削コーティングを前記隙間の小さいラビリンスフィンにより必ず被削されるように配置したものである。
【0016】
そして、好ましくは、造隙被削コーティングを施した部分に対向するラビリンスフィンを複数設け、このラビリンスフィンの高さを高圧側から低圧側に向けて順次変えたものである。
【0017】
上記目的を達成するための本発明の第4の態様は、羽根車とケーシングとを有し、この羽根車またはケーシングのいずれかに複数のラビリンスフィンを設けたラビリンスシール装置において、ラビリンスフィンの中で、少なくとも1個のラビリンスフィンが対向する羽根車またはケーシングとの間に形成する隙間を、他のラビリンスフィンが形成する隙間よりも小さく、かつ、隙間の小さいラビリンスフィンに対向する羽根車またはケーシングに造隙被削コーティングを施すとともに、造隙被削コーティングを隙間の小さいラビリンスフィンにより必ず被削されるように配置したものである。
【0018】
そして、上記ラビリンスシール装置において、ラビリンスフィンは、回転軸に垂直で周方向に連続していること、または、ラビリンスフィンはフィン根本幅がフィン先端幅より広いこと、造隙被削コーティングは、ニッケル・グラファイト系コーティング材の溶射、アルミ・シリコン・ポリエステル系コーティング材の溶射、ホワイトメタルのコーティングであることが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施例を図面を用いて説明する。図1〜図6は、本発明に係るラビリンスシール装置の一実施例の縦断面図であり、図7に示した多段形遠心圧縮機に用いる場合の詳細を示すものである。回転軸1と静止ケーシング3の間に生じる漏れ流れ5を小さくするために、軸封装置としてラビリンスが設けられている。図1は、遠心圧縮機を回転起動していない状態、すなわち静止時の状態を示しており、図2は同装置の回転軸が回転中の状態を示す図である。これら両図においては、回転軸1にラビリンス装置を形成するフィン2a〜2dを設けている。また、各フィン2a〜2dの先端径dfは同一である。対向する内側ケーシング3には軸方向に段差が設けられており、フィン2a〜2dと内側ケーシング3間の距離である先端隙間は、漏れ流れ5の上流部(高圧側)で大きく、下流部(低圧側)で小さくなるように段差を設定している。つまり、フィン2c,2dの先端隙間δはフィン2a、2bの先端隙間δより小さい。そして、内側ケーシング3のフィン2c,2dの先端に対向する部分には造隙被削コーティング4が施されている。なお、このコーティングは、別部材の表面に予め処理しておき、その部材とフィンとの間の間隔が所定間隔になるように配置してもよいことは言うまでもない。
【0020】
この造隙被削コーティング4とフィン2c,2dの先端間は、静止時、即ち組立時にはわずかに隙間を有するように設計される。そして、回転軸1の回転振動や遠心力により、フィン部が半径方向外方に伸びたとき、フィン2c,2dの先端がコーティング4に接触するように設計されている。フィン2c,2dの先端がコーティング4に接触すると、コーティング面がわずかに被削される。その結果、回転軸1の回転中、フィン2c,2dの先端隙間を可能な限り小さくすることができる。
【0021】
高圧側のフィン2a、2bも、回転軸1の振動や遠心力により半径方向外方に伸びる。したがって、フィン2a、2bの先端と内側ケーシング3間の距離は、静止時に比べて運転時には狭くなる。しかしながら、フィン2a、2bの先端と内側ケーシング3間の隙間を、たとえ回転軸1が回転しても接触しないように設定する。本実施例においては、フィン2a、2bの先端隙間を従来の非接触形のシール手段、例えばラビリンスシールやネジシールを用いる場合より大きくしている。これにより、通常運転においては、フィン2a、2bとフィン2a、2bに対向する内側ケーシング3との間では接触が生ぜず、回転軸とケーシングとの接触を考慮しないで内側ケーシング3の材質を選定することが可能になる。
【0022】
以上述べた本実施例においては、運転中に対向する面との接触により最小隙間を形成するタイプのフィン2c、2dと、基本的には接触せずに所定の隙間を有するタイプのフィン2a、2bによりシールフィンを構成している。漏れ流量はほとんどの場合、最小隙間により決定されるから、フィン2c,2dのように造隙被削コーティングとの間で最小隙間を形成するフィンを多く備える必要はない。このように構成した本実施例に記載のラビリンスシールは、造隙被削コーティングを備えていないラビリンスシールに比べて漏れ流量を充分小さくすることが出来る。
【0023】
また、この造隙被削コーティング部分に万一何らかのトラブルや腐食環境化での長期間使用により劣化したり剥離したりしても、非接触ラビリンス2a、2bにより、ある程度漏れ流れを抑制できる。したがって、圧縮機の性能を著しく低下させることなく圧縮機を運転でき、きわめて信頼性の高いラビリンスシールを提供することが出来る。このラビリンスシールは、図7に示した多段圧縮機のどのラビリンスシール部にも適用できるが、特にバランスピストン部に適している。
【0024】
なお、回転軸の振動振幅が想定を越えて、ケーシング3のフィンに対向する面がフィン2a、2bに接触してもフィンが損傷しないように対向面を構成する場合がある。つまり、対向面がフィンに比べて柔らかい材料の場合には、このフィンと対向する部分の先端隙間δを従来の非接触タイプのフィンと同程度の隙間にしてもよい。
【0025】
図3は遠心形流体機械の羽根車6の入口ラビリンスに本発明に係るラビリンスシールを適用した場合を示した図である。流体機械は、遠心圧縮機や遠心ポンプである。羽根車6で昇圧された流体の主流10は、羽根車6を出た後半径方向外方にあるディフューザ13に流入する。このとき流体の一部は漏れ流れ5となって羽根車5とケーシング9間に形成される隙間を流れ、羽根車入口側へと流入する。
【0026】
ところで、羽根車6の側板の入口(吸込み口)部にはフィン2i、2jが形成されている。一方、ケーシング9の内径側には内側ケーシング3が取り付けられており、内側ケーシング3このフィン2i、2jに対向する面には造隙被削コーティング4が施されている。また、内側ケーシング3の、羽根車6のさらに入口側に対向する内周面には、フィン2f、2g、2hが形成されている。フィン2i、2jと造隙被削コーティング4との間に形成されるフィン先端隙間δは、フィン2f、2g、2hと内側ケーシング3との間に形成される先端隙間δより小さい。したがって、羽根車6が回転すると羽根車の遠心力によりフィン2i、2jは伸びて造隙被削コーティング4に接触し、ここにおいて最小隙間が形成される。
【0027】
また、本実施例ではフィン2f、2g、2hが、フィン2i、2jとは逆向きになっている。これにより、漏れ流れ5は半径方向外向きから半径方向内向きに流れ方向を変えざるを得ず、いわゆる通り抜け流れがなくなり、より高いシール効果が得られる。
【0028】
また羽根車6には、羽根車に作用する遠心力を考慮して高強度材料を使っており、フィン加工のような精密加工は工数を多く必要とする。従って本実施例のように、羽根車には最低限必要な数のフィンを加工し、残りは加工性の良い材料で製作可能な内側ケーシング3に加工すれば、経済的であるとともに、加工精度の維持が容易である。
【0029】
図4及び図5は、本発明の他の実施例に係るラビリンスシール部の詳細縦断面図であり、図4は静止状態の図、図5は運転状態を示す図である。本実施例が図1に示した実施例と異なる点は、内側ケーシング3に設けた造隙被削コーティング4とそれに対向するフィン2k、2l、2mとの間に形成される先端隙間δ1k、δ1l、δ1mが軸方向に変化している点である。このように構成することにより、軸1が回転を始め所定の回転数に達する間に、これらのフィンは同時に造隙被削コーティングに接触することがない。つまり、全てのフィンが接触するような運転においても、フィンは1つづつ時間をおいて接触していく。そのため、接触による衝撃を小さく抑えることができ、軸受等を損傷するおそれがない。この結果、信頼性が高く、漏れ抑制効果の高いラビリンスシールを提供できる。なお、フィン2a、2bはある程度のラビリンス効果を得るため及び衝撃や腐食等によりたとえ造隙被削コーティング4が剥落または欠損してもラビリンス効果を得るために設けている。
【0030】
図6は、本発明のさらに他の実施例に係るラビリンスシール部の詳細縦断面図である。ラビリンスシールの入口出口間の圧力差が大きいときに有効な方法である。この例としては、バランスピストン15部に設けた例が考えられる。本実施例が図1に示した実施例と異なる点は、造隙被削コーティングを軸方向2ヶ所4a、4bに各々離して設け、その間に溝16を形成した点である。さらに本実施例では、フィン2d、2cで示した軸1に形成したフィンの数を他の実施例に比べて多くし、漏れ流れ抑制効果をより高めている。
【0031】
ただしこの種のフィンは、単に数を増しても、以下の理由であまり効果がない。つまり、フィン数に応じて接触による衝撃が大きくなること、および上流側のフィンの接触に伴い生じた被削粉が下流側の接触部に敷き込まれて、下流側のフィン先端隙間が増大するおそれがある。この結果、シール効果はフィン数に見合うほど得られないばかりか、逆に低下するおそれも生じる。
【0032】
本実施例においては、造隙被削コーティング4aの下流に比較的深い溝16を設けている。これにより造隙被削コーティング4aで削られた被削粉の中で大きくて重い被削粉をこの溝16に留め下流へ流出するのを防止している。その結果、下流側の造隙被削コーティング4bへは上流側の造隙被削コーティング4aの塵埃が流入せず、シール性能が同等の造隙被削ラビリンスが2ヶ所形成されており、より高いシール効果が得られる。
【0033】
なお、上記いずれの実施例においても造隙被削コーティングとして、ニッケル・グラファイト系コーティング材、アルミ・シリコン・ポリエステル系コーティング材、ホワイトメタル等のいずれかを用いればよい。また、本発明は多段の遠心圧縮機を例に取り説明したが、単段の遠心圧縮機、多段の遠心ポンプ、単段の遠心ポンプ当本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々適用可能である。さらに、本発明に示したいくつかの実施例は例示的なものであり、限定的なものではない。発明の範囲は特許請求の範囲によって示されており、本発明の真の精神及び範囲内に存在する変形例は、全て特許請求の範囲に含まれる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、造隙被削コーティングに対向するフィンと通常のフィンとを組み合わせて使用しているので、大幅に漏れ流量を低減したラビリンスシール及びそれを用いた流体機械を提供できる。また、造隙被削コーティング部が腐食等により損傷や剥離を起こしても、シール性能の低下の少ないラビリンスシール及びそれを用いた流体機械を提供できる。
【0035】
また、本発明によれば、通常の使用では漏れによる損失が少なく、また万一トラブルが発生してもシール性能の低下が少ない軸封手段及びそれを備えた流体機械を提供できる。
【0036】
さらに、フィン接触時の抵抗を小さくでき、その結果、振動を小さく抑えたきわめて信頼性の高いラビリンスシール及びそれを備えた流体機械を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラビリンスシールの一実施例を示す図であり、静止時の状態を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係るラビリンスシールの一実施例を示す図であり、運転中の状態を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係る多段遠心圧縮機の一実施例の部分詳細縦断面図である。
【図4】本発明に係るラビリンスシールの他の実施例を示す図であり、静止時の状態を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係るラビリンスシールの他の実施例を示す図であり、運転時の状態を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係るラビリンスシールのさらに他の実施例の縦断面図である。
【図7】多段形遠心圧縮機の一実施例の上半部縦断面図である。
【図8】従来の多段形遠心圧縮機に用いられるラビリンスシールを示した図である。
【符号の説明】
1…回転軸、 2…フィン、 3…内側ケーシング、
4…造隙被削コーティング部、 5…漏れ流れの方向、 6…羽根車、
7…吸込ケーシング、 8…吐出ケーシング、 9…ケーシング、
10…主流の方向、 11,11a,11b…入口ラビリンス、 12…段間ラビリンス、
13…ディフューザ、 14…戻り流路、 15…バランスドラム膨張部材、
16…溝。

Claims (12)

  1. 回転軸と、この回転軸に取り付けられた少なくとも1枚の遠心羽根車と、この遠心羽根車を覆うように設けられたケーシングとを備えた流体機械において、
    前記回転軸または前記遠心羽根車の少なくとも1つに複数の第1のフィンとこの第1のフィンと軸方向距離を置いて複数の第2のフィンとを設け、前記第1のフィンに対向する前記ケーシング部に造隙被削コーティングを施し、前記ケーシングと前記第1のフィンとの間に形成される隙間を、前記ケーシングと前記第2のフィンとの間に形成される隙間よりも小さくするとともに、前記造隙被削コーティングは前記第1のフィンにより必ず被削されるように配置されたことを特徴とする流体機械。
  2. 回転軸と、この回転軸に取り付けられた少なくとも1枚の遠心羽根車と、この遠心羽根車を覆うように設けられたケーシングとを備えた流体機械において、
    前記回転軸または前記遠心羽根車の少なくとも1つに複数の第1のフィンを設けるとともに、前記ケーシングに複数の第2のフィンを設け、前記ケーシングは前記第1のフィンに対向する位置に造隙被削コーティングが施され、前記第1のフィンとケーシングとの間に形成される隙間を、前記第2のフィンと回転軸または前記遠心羽根車との間に形成される隙間より小さくするとともに、前記造隙被削コーティングは前記第1のフィンにより必ず被削されるように配置されたことを特徴とする流体機械。
  3. 前記ラビリンスフィンは、回転軸に垂直で周方向に連続していることを特徴とする請求項1または2に記載の流体機械。
  4. 前記ラビリンスフィンはフィン根本幅がフィン先端幅より広いことを特徴とする請求項3に記載の流体機械。
  5. 前記第1のフィンを前記第2のフィンを挟む軸方向2カ所に設け、前記第1のフィンと前記第2のフィンとの間の前記ケーシングに周方向に連続する溝を形成したことを特徴とする請求項2に記載の流体機械。
  6. 前記造隙被削コーティングは、ニッケル・グラファイト系コーティング材の溶射、アルミ・シリコン・ポリエステル系コーティング材の溶射、またはホワイトメタルのコーティングのいずれかであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の流体機械。
  7. 回転軸と静止ケーシングとを有し、この回転軸または静止ケーシングのいずれかに複数のラビリンスフィンを設けたラビリンスシール装置において、
    前記ラビリンスフィンの中で、少なくとも1個のラビリンスフィンが対向する回転軸または静止ケーシングとの間に形成する隙間を、他のラビリンスフィンが形成する隙間よりも小さく、かつ、前記隙間の小さいラビリンスフィンに対向する前記回転軸または前記静止ケーシングに造隙被削コーティングを施すとともに、前記造隙被削コーティングは前記隙間の小さいラビリンスフィンにより必ず被削されるように配置されたことを特徴とするラビリンスシール装置。
  8. 前記造隙被削コーティングを施した部分に対向するラビリンスフィンを複数設け、このラビリンスフィンの高さを高圧側から低圧側に向けて順次変えたことを特徴とする請求項7に記載のラビリンスシール装置。
  9. 羽根車とケーシングとを有し、この羽根車またはケーシングのいずれかに複数のラビリンスフィンを設けたラビリンスシール装置において、
    前記ラビリンスフィンの中で、少なくとも1個のラビリンスフィンが対向する羽根車またはケーシングとの間に形成する隙間を、他のラビリンスフィンが形成する隙間よりも小さく、かつ、前記隙間の小さいラビリンスフィンに対向する前記羽根車または前記ケーシングに造隙被削コーティングを施すとともに、前記造隙被削コーティングは前記隙間の小さいラビリンスフィンにより必ず被削されるように配置されたことを特徴とするラビリンスシール装置。
  10. 前記ラビリンスフィンは、回転軸に垂直で周方向に連続していることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載のラビリンスシール装置。
  11. 前記ラビリンスフィンはフィン根本幅がフィン先端幅より広いことを特徴とする請求項10に記載のラビリンスシール装置。
  12. 前記造隙被削コーティングは、ニッケル・グラファイト系コーティング材の溶射、アルミ・シリコン・ポリエステル系コーティング材の溶射、またはホワイトメタルのコーティングのいずれかであることを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1項に記載のラビリンスシール装置。
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