JP3567045B2 - 原子炉出力監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽水型原子炉の出力監視に係り、特に原子炉圧力容器内または外部に設置して放射線検出器の出力信号により原子炉起動から出力及び停止までの監視を行う原子炉出力監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉における出力監視については沸騰水型原子炉を例にすると、従来より定格出力時を監視する出力領域モニタと、起動及び停止時を監視する起動領域モニタの2種類の原子炉出力監視装置により原子炉の出力を監視している。
【0003】
図6のブロック構成図に示すように、原子炉の出力は原子炉圧力容器1の内部に6〜10本のSRNM検出器2(Start up Ranged Neutron Monitor, SRNM) と、 100〜 200本のLPRM検出器3(Local Power Range Monitor,LPRM) を設置している。
また、その出力はそれぞれ信号ケーブル4とパルスアンプ5を介して起動領域モニタ6に、また信号ケーブル4により出力領域モニタ7において測定することにより原子炉の出力監視をしている。
【0004】
起動領域モニタ6においては、放射線レベルの低い領域では約80nsecのパルス幅である検出器出力パルスの個数を計数すること(以後、パルス計測と呼ぶ)により、また、放射線レベルが高い領域では、この出力パルスの重なりにより生じるゆらぎのパワーを測定して(以後、キャンベル計測と呼ぶ)起動及び停止の原子炉を監視するものである。
【0005】
さらに、放射線レベルの高い定格出力領域では、出力領域モニタ7によって、LPRM検出器3の直流成分を計測することにより(以後、直流計測と呼ぶ)、原子炉出力を監視している。
【0006】
このように原子炉における出力監視には、放射線レベルの違いにより3種類の計測方法、すなわち、パルス計測とキャンベル計測及び直流計測を用いているために、それぞれハードウエアである構成の異なるモニタによって監視が行われている。
たとえば起動領域モニタ6では、パルス計測を行うためにある波高レベル以上のパルスを検出するパルス波高弁別回路8と、その回数を監視するパルス演算器9を備えている。
【0007】
しかし、このパルス波高弁別回路8は、アナログ回路で構成されているために複雑な処理が困難で、最も単純なパルス波高によりパルス数を検出する方法がとられている。
またキャンベル計測を行う部分は、測定周波数の帯域を限定すると共に、その帯域内の2乗平均電圧を演算する回路を有する2乗平均回路10と、その出力からキャンベル出力を演算するキャンベル演算装置11とから構成されている。
【0008】
なお、2乗平均回路10内の測定帯域を制限する回路は、通常アナログ回路で実施されているために、その測定帯域は1〜2個に制限されている。
さらに出力領域モニタ7では、LPRM検出器3に可変高圧電源12より高圧電圧を印加して、その出力は電流アンプ13で増幅された後に、マルチプレクサ14によって複数の検出器信号を順次切り替えると共に、直流成分演算器15によって直流成分の監視を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の原子炉出力監視装置における第1の課題としては、放射線検出器の出力パルスをアナログ回路により処置しているために、検出器出力パルス波形に含まれる情報を十分利用できないことがある。
【0010】
たとえば、パルスの個数を数える場合に、アナログ回路によりあるレベル以上(以後、ディスクリレベルと称す)の波高であるパルス数を計測する従来の原子炉監視装置では、パルスの重なりによってパルスの裾野が重なった場合に、ディスクリレベルでは1個のパルスとなり、パルス個数の数え落とし(以後、パルスパイルアップによる数え落とし)が生じる。
【0011】
従って従来のパルス計測では、約2×10(カウント/秒)以上でパルスの計測ができなくなる。なお、この場合にパルス波形の情報を利用すれば、重なったパルスも認識することが可能ではあるが、これにはアナログ回路として、複雑な回路が必要となることから現実的ではなかった。
【0012】
また、このようなアナログ回路によるパルス数の計測では、SRNM検出器2及びLPRM検出器3である放射線検出器における放電によって発生する放電パルス、または、原子炉監視装置の近傍で発生する電磁誘導によるノイズパルスを計数して、誤った計測を行う可能性がある。
そのために、従来の原子炉出力監視装置では、信号ケーブル4等に十分なるシールド処理を行い、外来ノイズの誘導がないように施工に十分な注意をする必要があった。
【0013】
しかし、これらのノイズによる誤パルスは、その波形が信号パルスと異なる場合がほとんどであるために、パルスの波高のみではなく、その他の波形の情報を利用できれば、この誤計測を防止することができて、施工時の外来ノイズ対策を軽減することが可能である。
【0014】
さらに、放射線検出器の出力パルスは、放射線検出器内に封入されているガス圧のリーク、または電極間隔の異常によって変化するために、この波形を監視することによって、これらの異常を計測中に検出可能であるが、現状のシステムでは計測及び監視からシステムを除外して(通常、バイパスと呼ぶ)、放射線検出器の診断等を行う必要があった。
【0015】
次の課題として現状のシステムでは、直流計測とキャンベル計測、またはキャンベル計測とパルス計測を同時に行うには、それぞれの専用の回路を設ける必要があり、従って回路規模が大きく、また複雑になるという支障があった。
【0016】
従来はSRNM検出器2が6〜10本と比較的少ない数の起動領域モニタ6は、パルス計測とキャンベル計測を切り替えて監視できるようになっているが、それぞれ専用のパルス波高弁別回路8とパルス演算器9と、2乗平均回路10及びキャンベル演算装置11とのアナログ処理回路を設けた構成となっている。
【0017】
一方、 100〜 200本のLPRM検出器3を処理する出力領域モニタ7では、回路が比較的簡単である直流成分のみで監視しており、しかも、前記起動領域モニタ6とは全く異なる信号処理部を用いている。
すなわち、従来の原子炉出力監視装置では、異なるハードウエアで実施していたために、それぞれの保守及び点検作業が異なるという支障があった。従って、これを解決するためにハードウェア部の共通化、特に信号処理部の共通化が望まれていた。
【0018】
しかも、ハードウエアを共通化することにより、同一の放射線検出器に異なる原理の測定方法を簡単に適用できるようになり、通常の一原理で測定していた場合より1つの放射線検出器の監視範囲を広くすることができる。
【0019】
例えば出力領域モニタ7に、従来と比べてハードウエア構成を複雑にすることなく、従来行われている直流計測と共にキャンベル計測を実装できれば、モニタの信頼性及びコストはほとんど変わらないにもかかわらず、原子炉圧力容器1内部のLPRM検出器3の位置での放射線監視範囲が拡大して、放射線レベルの低い段階で発生する局部振動を監視できて原子炉の監視性能が向上する。
【0020】
また、2つ以上の計測を同時に行える構成であれば、各計測の比率を監視することにより放射線検出器の発生電荷量を推定でき、放射線検出器の異常診断が計測中に可能となる。
【0021】
本発明の目的とするところは、放射線検出器の出力パルス波形の情報を用いて、外来ノイズ等に対する誤動作の防止とパイルアップ識別による計測範囲を拡大する。
さらに、放射線検出器の監視中診断による原子炉出力監視の信頼性を向上させると共に、異なる計測方法を同一のハードウェアによって行うことにより保守点検の簡素化と全体のコストダウンを可能とした原子炉出力監視装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため請求項1記載の発明に係る原子炉出力監視装置は、原子炉圧力容器内または外部に設置した放射線検出器と、この放射線検出器の出力信号を5nsec〜40nsecでサンプリングしてディジタル値に変換するA/D変換装置と、前記ディジタル値から放射線検出器の出力パルスを識別するパルス識別回路と、デジタルバンドパスフィルタを有し前記ディジタル値の一部を用いて2つ以上の周波数帯域で信号のパワーを演算するパワー演算回路と、前記パルス識別回路とパワー演算回路の出力よりキャンベル計測によって放射線量を演算して原子炉の出力異常時には原子炉停止信号を発する放射線量演算回路と、前記パワー演算回路とパルス識別回路の出力から前記放射線検出器の異常を診断する検出器診断回路とを備えた演算装置とからなることを特徴とする。
【0023】
放射線検出器の出力をパルス計測する時には、5nsec〜40nsecのサンプリング時間で実施することにより、放射線検出器の出力パルス波形の特徴を利用したパルス計測が可能となり、外来ノイズ等による誤計測が防止できる。
また、放射線検出器の出力をキャンベル計測する場合においても、複数の周波数帯域の信号を比較することにより耐ノイズ性を向上することができる。
【0024】
これらの結果は、それぞれ演算装置の放射線量演算回路において、放射線検出器の設置位置における放射線量に換算されると共に、これらの異常変化時には原子炉停止信号を発生する。
また、検出器診断回路では、パワー演算回路とパルス識別回路のデータより検出器の異常診断が行える。
【0025】
なお、前記サンプリング時間を採用することにより、原子炉出力監視装置に必要なパルス計測とキャンベル計測が数値演算のみによって同時に可能となり、原子炉出力監視装置としてハードウエアの統一により装置が小型化できる。
【0026】
請求項2記載の発明に係る原子炉出力監視装置は、パルス識別回路が、サンプリングされた前後のディジタル値の増減を監視してその増減のパターンより放射線検出器の出力パルスを識別することを特徴とする。
パルス識別回路にて正常な信号パルスの増減の特徴を識別することにより、パイルアップしたパルスの弁別及びノイズの除去ができる。
【0027】
請求項3記載の発明に係る原子炉出力監視装置は、パルス識別回路が、サンプリングされた前後のディジタル値の増減を監視してそのサンプリング値がある設定増加レベル以上に増加し、かつ前記サンプリング後にある設定減少レベルに減少するパターンを検索してパルスのピーク部分を検出するピーク検出手段と、サンプリング値がある設定レベル以上に連続して増加する回数を計数する増加幅検出手段とを設けたことを特徴とする。
【0028】
パルス識別回路におけるピーク検出手段により、入力されたパルスのピーク数を計数して、増加幅検出手段によってパルスの立ち上がり時間を監視する。また、これらの特徴を抽出することにより、ノイズパルスと信号パルスを識別しながら、信号パルスのみの計測ができる。
【0029】
請求項4記載の発明に係る原子炉出力監視装置は、パルス識別回路が、複数のノイズ波形を記憶するノイズ波形記憶手段と、正常な検出器波形を記憶する正常信号記憶手段と、サンプリングしたディジタル値のパターンを前記ノイズ波形記憶手段及び正常信号記憶手段とパターン比較を行うパターン比較手段とを設けたことを特徴とする。
【0030】
パルス識別回路におけるノイズ波形記憶手段に、予め発生が予想されるノイズ波形を記録する。また正常信号記憶手段には、正常な検出器信号の波形を記録しておく。
この記録した各波形と、A/D変換装置の出力とピーク形状、及び立ち上がりスピードと立ち下がりスピードをパターン比較することにより、ノイズ波形と信号波形の弁別ができる。
【0031】
請求項5記載の発明に係る原子炉出力監視装置は、放射線量演算回路が、前記パワー演算回路の出力である複数の周波数帯域の信号のうちで外来ノイズ等の前記放射線検出器信号以外のノイズの影響が大きい帯域を除いて放射線量を演算することを特徴とする。
【0032】
パワー演算回路にて検出器信号を複数の周波数帯域に分割して、その出力を放射線量演算回路に入力する。放射線量演算回路では、各周波数帯域で信号以外のノイズの影響の大きい周波数帯域を選定して、その選定した帯域を除いた周波数帯域の信号から放射線量を演算して、ノイズに影響されない計測を行う。
【0033】
請求項6記載の発明に係る原子炉出力監視装置は、検出器診断回路が、検出パルスと認識されたディジタル値からパルス幅を演算するパルス幅演算手段と、そのパルス幅を正常な検出器出力パルス幅と比較するパルス幅診断手段とを設けたことを特徴とする。
【0034】
パルス識別回路の出力を検出器診断回路に入力して、検出器診断回路のパルス幅演算手段にてパルス波形のパルス幅を演算する。
この演算結果は、パルス幅診断手段にて検出器正常時のパルス幅と比較して、パルス幅の増加等あるレベル以上にパルス幅が増加した場合は、放射線検出器の異常と診断する。これにより、原子炉出力の監視を中断することなく放射線検出器の異常を検出する。
【0035】
請求項7記載の発明に係る原子炉出力監視装置は、検出器診断回路が、複数の周波数帯域の信号の比率を正常時の信号の比率と比較する周波数成分診断手段を設けたことを特徴とする。
【0036】
パワー演算回路にて計算した信号のパワーの周波数分布を検出器診断回路の周波数成分診断手段に入力する。
この周波数成分診断手段では、前記信号を正常時の信号の周波数分布と比較し、各信号成分の比率の変動を監視して、あるレベル以上に比率が変化した場合には、放射線検出器の異常と診断する。これにより、原子炉出力の監視中において放射線検出器の異常を検出する。
【0037】
請求項8記載の発明に係る原子炉出力監視装置は、原子炉圧力容器内または外部に設置した放射線検出器と、この放射線検出器に可変電圧を印加する可変高圧電源と、複数の放射線検出器信号を切り替えて順次出力するマルチプレクサと、前記マルチプレクサの出力を5nsec〜40nsecでサンプリングしてディジタル値に変換するA/D変換装置と、デジタルバンドパスフィルタを有し前記ディジタル値から2つ以上の周波数帯域にて信号のパワーを演算するパワー演算回路と、前記ディジタル値から放射線検出器の直流電流を演算する直流成分演算回路と、前記パワー演算回路と直流成分演算回路の出力よりキャンベル計測によって放射線量を演算して出力異常時には原子炉停止信号を発する放射線量演算回路と、前記パワー演算回路と直流成分演算回路の出力から前記放射線検出器の異常を診断する検出器診断回路とを備えた演算装置とからなることを特徴とする。
【0038】
放射線検出器からの信号のA/D変換にA/D変換装置による5nsec〜40nsecのサンプリング時間を採用することで、放射線検出器として出力領域モニタに用いられるLPRM検出器の直流計測と共に、キャンベル計測を行うことが可能となる。
【0039】
これにより、放射線検出器のLPRM検出器を用いて広い出力領域の監視をすることができる。また、直流計測とキャンベル計測の演算を数値演算のみで行えるので、例えば前記請求項1の原子炉出力監視装置とハードウエアの共通化が可能となる。
さらに、パワー演算回路の出力と直流成分演算回路の出力の比率を検出器診断回路で比較して、あるレベル以上に変化した場合には、放射線検出器の異常として検出する。
【0040】
請求項9記載の発明に係る原子炉出力監視装置は、可変高圧電源がA/D変換のサンプリング周期に同期した可変電圧を放射線検出器に印加すると共に、演算装置にA/D変換装置の出力であるサンプリングデータを前記印加電圧ごとに区別するデータ選別手段を設けたことを特徴とする。
【0041】
放射線検出器に印加する電圧の周期であるタイミングは、データ識別回路に入力されてデータ識別手段では、A/D変換装置からのディジタル値を検出器ごと及び印加電圧の値ごとに区別して、複数の印加電圧に対する各々の検出器信号を測定する。
これにより、それぞれの放射線検出器の複数の印加電圧での信号を同時に得ることで、通常の測定では発見できない放電開始電圧の低下等という異常を早期に検出する。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ構成部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
第1実施の形態は請求項1及び請求項2に係り、図1のブロック構成図に示すように原子炉出力監視装置は、図示しない炉心を形成する燃料棒からの中性子等の放射線を検出するSRNM検出器2を原子炉圧力容器1内または外部に設置している。
【0043】
このSRNM検出器2は信号ケーブル4により、パルス信号を増幅整形するパルスアンプ5に接続されている。また、このパルスアンプ16は、入力したパルス信号を5nsec〜40nsecでサンプリングしてディジタル値に変換するA/D変換装置16と接続している。さらに、前記A/D変換装置16は演算装置17に接続されて構成されている。
【0044】
なお、前記演算装置17は、ディジタル値からSRNM検出器2の出力パルスを識別するパルス識別回路18と、前記ディジタル値の一部を用いて2つ以上の周波数帯域で信号のパワーを演算するパワー演算回路19を備えている。
さらに、前記パルス識別回路18とパワー演算回路19の出力より放射線量を演算して原子炉の出力異常時には原子炉停止信号を発する放射線量演算回路20と、前記パルス識別回路18とパワー演算回路19との出力から前記SRNM検出器2の異常を診断する検出器診断回路21とから構成されている(請求項1)。
【0045】
次に、上記構成による作用について説明する。なお、ここでは演算装置17におて、約80nsecのパルス幅を有する中性子パルスが2個重なり合ったパルス信号の処理を例にして説明する。
SRNM検出器2の出力はパルスアンプ5において増幅整形されると共に、5〜40nsecのサンプリング時間を有するA/D変換装置16によってディジタル値に変換される。
【0046】
この5〜40nsecというサンプリング時間については、SRNM検出器2の約80nsecの出力パルス幅を考慮して評価した結果から、1パルスを認識するのに最低2個のサンプリングが必要であることが分かった。
また、下限は通常のパルスの立ち上がりが5〜10nsec程度であるために、その立ち上がりを検出するために選定しているが、パルスの種類及び演算時間等を考慮して、5〜40nsec内のサンプリング時間に任意に設定する。
【0047】
このA/D変換装置16においてサンプリングされたディジタルデータは、演算装置17に入力されるが、図2の特性曲線図は、曲線22のパルス信号をここで選定した5〜40nsec範囲内の約10nsecのサンプリング時間でサンプリングした状態を示す。
【0048】
従来の波高弁別では、曲線22のパルス信号のディスクリレベル23を越えるパルスは1個であるため、一つのパルスとして計数される。しかしながら、パルス識別回路18では、サンプリングされたデータの差を監視して2個のパルスとして検出する。
【0049】
すなわち、曲線22のパルスは、そのサンプリング点Sの変化率kに対して、(1)S−S<k,(2)S−S>kまたはS−S>kの2条件(ピーク検出条件)を満たしているため、1つのパルスとして計測する。
同様に、S〜S12についても上記判定に当てはまるため、別の1パルスとして検出される。なお、変化率kの値は従来のディスクリレベル電圧に相当し、一定または時間により可変の値である。
【0050】
このような単純な演算のみを用いることでリアルタイムの処理が可能となり、従来1パルスとして認識していたS〜S13のパルスパイルアップを、2パルスと正確に識別してパルスの数え落としを減少させることができる。
これにより、パルスの数え落としにより決まっていたパルス計測の測定範囲を広くすることができる。
【0051】
また、SRNM検出器2が検出する中性子パルスは、図2に示すような約80nsecと短パルス幅であるのに対して、通常の外来ノイズパルスは、図3の特性曲線図の曲線24に示すように正負に振動するサージパルスである。
この外来ノイズが従来の原子炉出力監視装置に誘導された場合には、3つの山を3パルスとして誤計数することになる。従って、従来はこれらの外来ノイズ誘導が起こらないように、信号ケーブル4にシールドを十分に施すことにより対処していた。
【0052】
しかしながら本第1実施の形態では、図3の曲線24のようなパルスの特徴を検出し、誤計数がないようにすることができる。すなわち、曲線24のパルスは立ち上がり1μsec程度であり、サンプリング点S20〜S30の差を監視していると、連続10個サンプリング値の差が増加を示す。
従って、図3の曲線24のパルスのように連続して増加した後に、前記のピーク検出条件を満たしても、パルスとして計数しないようにすることにより、このような誤った計測を行わない(請求項2)。
【0053】
検出器診断回路21においては、パルス識別回路18にて中性子パルスと認識されたデータから、パルス幅を推定して正常時のパルス幅との比較を行う。これによりSRNM検出器2の封入ガスがリークした場合には、パルス幅が変動することから放射線検出器の異常が検出できる。
【0054】
次に、放射線レベルが高くなるとパルスがほとんど重なり、パルスが計測できなくなるため、通常はキャンベル計測を行う。しかし本第1実施の形態において、サンプリング時間で再現できる信号の周波数は12MHz以下となり、SRNM検出器2の信号帯域の10MHzより十分高く、このサンプリングデータのみでキャンベル計測が可能となる。
【0055】
キャンベル計測については、フィルタにより周波数を制限した信号のパワーを測定して、放射線量を演算するものであるが、その帯域にノイズが誘導した場合には除去することができず、そのために十分なノイズ対策が必要であった。
しかしながらこのノイズ対策としては、特開平5−215860号「中性子検出器出力の監視装置」記載の方法が知られており、本第1実施の形態においては容易に実施可能である。
【0056】
すなわち、パワー演算回路19は、複数のディジタルバンドパスフィルタを有しており、それぞれ異なる周波数帯域のパワーを出力することができる。また、放射線量演算回路20では、これらの異なる帯域の信号をそれぞれの検出感度で補正した後に平均処理を行って放射線量を演算する。
【0057】
さらに、このような装置にノイズが誘導した場合は、放射線量演算回路20において、各周波数帯域の信号比率を監視して比率の異常な帯域をノイズの誘導した帯域と判定して、放射線量を演算する平均処理から前記帯域を除去する。これにより、ノイズの影響の少ない計測が可能となる。
【0058】
以上、本第1実施の形態によれば、パルス計測を行う場合にサンプリング時間を5〜40nsecに選定したことによりパルスパイルアップによるパルスの数え落としが減少して、パルス計測の上限を広げることができる。
また、中性子パルスの波形の特徴を用いて、外来ノイズを計数せずに耐ノイズ性の高い計測が可能となる。また、この測定中にパルス幅の検査が可能であることから、使用している放射線検出器の異常を早期に検出できる。
【0059】
さらにキャンベル計測では、検出信号の周波数に対するパワー分布を測定できることから、その分布の変化によりノイズの除去と、放射線検出器の診断が可能となり測定の信頼性が向上する。
なお、それぞれの処理をディジタル演算によって行えるために、専用のアナログ処理回路を必要としないので装置の小型化が可能となる。
【0060】
また、検出信号をディジタル化した以降はディジタル演算のみで行われるので、ハードウェアを一般に市販されている大型高速計算機等を使用しても実現できることから、システムの汎用化が可能で装置全体のコスト低減により、経済性を向上することができる。
【0061】
第2実施の形態は請求項3に係り、原子炉出力監視装置における演算装置17のパルス識別回路18に、図示しないピーク検出手段及び増加幅検出手段を設けて構成する。
この構成により、入力されたパルス信号から、ピーク検出手段によりパルスのピーク数を係数し、増加幅検出手段にてパルスの立上がり時間の監視をする。次にこれらの特徴を抽出することにより、ノイズパルスと信号パルスを識別しながら、信号パルスのみを計測することができる。
【0062】
第3実施の形態は請求項4に係り、原子炉出力監視装置における演算装置17のパルス識別回路18に、複数のノイズ波形を記憶する図示しないノイズ波形記憶手段と、正常な検出器波形を記憶する正常信号記憶手段、さらにサンプリングしたディジタル値のパターンを前記ノイズ波形記憶手段及び正常信号記憶手段とパターン比較を行うパターン比較手段とを設けて構成する。
【0063】
上記構成による作用としては、パルス識別回路18のノイズ波形記憶手段に発生が予想されるノイズ波形を、また正常信号記憶手段には正常な検出器信号の波形を記録しておくことにより、これら予想されるノイズ波形及び正常な検出器信号の波形と、A/D変換装置16からの出力波形とピーク形状や立ち上がりスピード、及び立ち下がりスピード等をパターン比較手段において、パターン比較することによって、ノイズ波形と信号波形の弁別を行うことができる。
【0064】
なお、本第3実施の形態においては、今後演算速度が向上した場合に、中性子パルスの複数のパターンを正常信号記憶手段に記憶しておき、検出信号との特徴比較を行うことによって、中性子パルスとノイズパルスの弁別を行うことも可能である。
【0065】
第4実施の形態は請求項5に係り、原子炉出力監視装置における演算装置17の放射線量演算回路20は、パワー演算回路19の出力である複数の周波数帯域の信号のうちで、外来ノイズ等のSRNM検出器2の信号以外のノイズの影響が大きい帯域を除いて、放射線量を演算する構成としている。
【0066】
上記構成による作用は、パワー演算回路19にてSRNM検出器2からの信号を複数の周波数帯息に分割すると共に、その出力を放射線量演算回路20において、各周波数帯域で信号以外のノイズの影響の大きい周波数帯域を選定する。
さらに、その選定した帯域を除いた周波数帯域の信号から放射線量を演算する。これにより、ノイズに影響されない計測を行うことができる。
【0067】
第5実施の形態は請求項6に係り、原子炉出力監視装置における演算装置17の検出器診断回路21に、検出パルスと認識されたディジタル値からパルス幅を演算する図示しないパルス幅演算手段と、そのパルス幅を正常な検出器出力パルス幅と比較するパルス幅診断手段とを設けた構成としている。
【0068】
上記構成による作用としては、パルス識別回路18の出力信号を検出器診断回路21に入力して、パルス幅演算手段にてパルス波形のパルス幅を演算し、この演算結果をパルス幅診断手段においてSRNM検出器2が正常の時のパルス幅と比較する。
これにより、パルス幅の増加等があるレベル以上に増加した場合には、SRNM検出器2の異常と診断することにより、原子炉出力の監視を中断することなく放射線検出器の異常検出をすることができる。
【0069】
第6実施の形態は請求項7に係り、原子炉出力監視装置における演算装置17の検出器診断回路21に、複数の周波数帯域の信号の比率を正常時の信号の比率と比較する図示しない周波数成分診断手段を設けた構成としている。
【0070】
上記構成による作用は、パワー演算回路19にて計算した検出信号のパワーの周波数分布を、検出器診断回路21の周波数成分診断手段に入力して前記検出信号を正常時の検出信号の周波数分布と比較する。
さらに、この各信号成分の比率の変動を監視して、あるレベル以上に比率が変化した場合にはSRNM検出器2の異常と診断する。これにより、放射線検出器の異常を原子炉出力の監視中に検出することができる。
【0071】
第7実施の形態は請求項8に係り、図4のブロック構成図に示すように原子炉出力監視装置は、図示しない炉心を形成する燃料棒からの中性子等の放射線を検出するLPRM検出器3を原子炉圧力容器1内または外部に設置している。
このLPRM検出器3は信号ケーブル4により、可変の高圧を供給する可変高圧電源12及び、検出信号を増幅する電流アンプ13に接続されており、この電流アンプ13は、複数の検出器出力を順次切り換えて出力するマルチプレクサ14と接続されている。
【0072】
またマルチプレクサ14は、入力したアナログ信号を5nsec〜40nsecでA/D変換するA/D変換装置25と接続していて、A/D変換装置25には、その出力するディジタル値を入力する演算装置26が接続されて構成している。
なお、前記演算装置26は、2つ以上の周波数帯域にて信号のパワーを演算するパワー演算回路27と、前記ディジタル値からLPRM検出器3の直流電流を演算する直流成分演算回路29が備えられている。
【0073】
また、前記パワー演算回路27と直流成分演算回路29の出力より放射線量を演算して、出力異常時には原子炉停止信号を発する放射線量演算回路28と、前記パワー演算回路27と直流成分演算回路29の出力からLPRM検出器3の異常を診断する検出器診断回路30とから構成されている。
【0074】
次に、上記構成による作用について説明する。LPRM検出器3は通常原子炉の中に 100〜 200本設置されているが、これらは監視の冗長性を考慮して複数に分割され、それぞれ異なる出力領域モニタによって監視されている。
すなわち、最低の4分割の場合でも、一つのモニタで最高約50本程度の処理が必要であり、通常は、さらに冗長化を行うために、約10〜30本のLPRM検出器3を同一のモニタで処理することが一般である。
【0075】
このように約10〜30本を一組とした複数のLPRM検出器3には、それぞれの可変高圧電源12から可変の高圧が印加されると共に、各LPRM検出器3の出力信号は電流アンプ13により増幅されてマルチプレクサ14に入力される。
【0076】
このマルチプレクサ14は、前記複数の検出器出力を順次切り換えてA/D変化装置25に出力し、A/D変化装置25では5〜40nsecでアナログデータをディジタル値に変換して演算装置26に出力する。なお、この時に可変高圧電源12の電圧は、マルチプレクサ14の切り替え周期およびA/D変化装置25におけるサンプリング周期に同期して変化させる。
【0077】
前記A/D変換装置25におけるサンプリング時間が5nsec〜40nsecであるために、各LPRM検出器3の信号は50nsec〜 1.2μsecとなる。また、LPRM検出器3の出力信号において、イオンと電子両方による信号は約 300kHz以下であり、この信号成分を再現するのに必要なサンプリング周波数は1/(2× 300kHz)= 1.6μsecとなる。
【0078】
これにより、上記サンプリングにより個々センサーの 300kHz以下のパワーが測定可能であることからキャンベル計測が可能となる。このサンプリングしたデータは、演算装置26で演算処理されて原子炉内の放射線量に変換される。
すなわち、パワー演算回路27により、複数の周波数帯域におけるパワーが演算されてキャンベル出力が計算される。また、直流成分演算回路29においては、ローパスフィルタにより高周波成分およびノイズ成分が除かれて、従来と同じ直流電流値の計測が行われる。
【0079】
また、パワー演算装置27及び放射線量演算装置28の機能は、上記の第1実施の形態で述べた内容とほぼ同じ機能である。従って、このような構成においては、LPRM検出器3のキャンベル計測が容易に可能となり、LPRM検出器3の監視範囲を広くすることができる。
【0080】
図5の監視範囲特性図に示すように、監視範囲の点線31はLPRM検出器3によるキャンベル計測をしたもので、実線32はLPRM検出器3による直流計測、また実線33はSRNM検出器2によるパルス計測、さらに実線34はSRNM検出器2によるキャンベル計測の場合を示す。
【0081】
これにより、前記点線31で示すようにLPRM検出器3の出力をキャンベル計測することで、従来6〜10本のSRNM検出器2で監視していた起動領域のうちで、高中性子束レベルの範囲は、炉心の約 100〜 200箇所に挿入されている多数のLPRM検出器3の位置で監視できるようになり、原子炉における監視性能が向上する。
【0082】
なお、この起動領域の出力測定は、上記第1実施の形態の原子炉出力監視装置とほぼ同じ構成で実現できるために保守の簡素化が可能となる。また、検出器診断回路30では、第1実施の形態における周波数スペクトルによる診断と共に、直流電流とキャンベル出力の比を簡単に比較することができて、LPRM検出器3の診断が可能となる。
【0083】
なお、この診断方法の一例は特公平3−48471 号公報「中性子検出器出力の監視法と装置」においても開示されている。
また、LPRM検出器3に印加する可変高圧電源12は可変電圧発生器であるために、LPRM検出器3からさまざまな電圧に対する検出器信号を得ることが可能である。
【0084】
このことから、検出器診断回路30において放電、抵抗低下等の診断が可能となる。この診断方法の一例は、特開平5−27040 号公報「放射線計測装置」に開示されている。
【0085】
また、LPRM検出器3による測定上限は、放射線検出器内で発生する電荷量が多く、印加電圧に集め切れないことによって決定しているが、その対策としてパルス電圧で電荷を収集した後に測定を行うという方法が、文献「GAMMA COMPENSATED PULSE IONIZATION CHAMBER WIDE RANGE NEUTRON/REACTOR POWER MEASUREMENT SYSTEM」、「IEEE Trans.Nucl.Sci.NS20,1,639−648(1973)」に記載されており、本第7実施の形態による構成により測定も可能である。
【0086】
従って、本実施の形態によれば、直流計測およびキャンベル計測を数値演算のみで実施できるために、従来の出力領域モニタの直流計測(実線32)に、キャンベル計測(点線31)を簡単に追加することができる。
これにより、原子炉起動時の中性子束をLPRM検出器3の設置されている原子炉の 100〜 200箇所で測定できて、原子炉出力の監視性能が向上する。また、キャンベル計測と直流計測の比率を用いた検出器診断が可能であり、原子炉監視装置の信頼性を向上できる。
【0087】
第8実施の形態は請求項9に係り、上記第7実施の形態の原子炉出力監視装置における放射線検出器であるLPRM検出器3に対して、可変高圧電源12からA/D変換装置25のサンプリング周期に同期した可変電圧を出力させると共に、演算装置26に前記A/D変換装置25の出力であるサンプリングデータを、印加電圧ごとに区別するデータ選別手段を設けて構成している。
【0088】
上記構成による作用としては、可変高圧電源12よりA/D変換装置25のサンプリング周期に同期した可変電圧をLPRM検出器3に印加すると共に、この印加電圧の周期であるタイミングを演算装置26内のデータ識別回路に入力する。
データ識別手段では、A/D変換装置からのディジタル値をLPRM検出器3ごと、及び印加電圧の値ごとに区別して、複数の印加電圧に対する各々の検出器信号を測定する。
【0089】
これにより、それぞれLPRM検出器3の複数の印加電圧での信号を同時に得ることが可能となり、通常の測定では発見できなかった放電開始電圧の低下等という異常も早期に検出することができる。
【0090】
【発明の効果】
以上本発明によれば、放射線検出器の出力パルス形状を用いたパルス計測が行えると共に、放射線検出器の性能診断を原子炉出力監視中に実施可能なので、耐ノイズ性が良好で計測範囲が広く得られる。
また、放射線検出器の異常を早期に検出できることから、原子炉出力監視装置における監視機能と信頼性が向上する。
【0091】
さらに、原子炉出力監視に用いられるパルス計測やキャンベル計測、及び直流計測を数値演算のみで実施できるので、共通のハードウエアによる原子炉出力監視装置が構成できるので保守性と共に経済性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施の形態の原子炉出力監視装置のシステム構成図。
【図2】本発明に係る第1実施の形態でパイルアップした検出器出力の特性曲線図。
【図3】外来ノイズの波形特性図。
【図4】本発明に係る第7実施の形態の原子炉出力監視装置のシステム構成図。
【図5】原子炉出力監視装置の監視範囲の特性曲線図。
【図6】従来の原子炉出力監視装置のシステム構成図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…SRNM検出器、3…LPRM検出器、4…信号ケーブル、5…パルスアンプ、6…起動領域モニタ、7…出力領域モニタ、8…パルス波高弁別回路、9…パルス演算器、10…2乗平均回路、11…キャンベル演算回路、12…可変高圧電源、13…電流アンプ、14…マルチプレクサ、15,29…直流成分演算器、16,25…A/D変換装置、17,26…演算装置、18…パルス識別回路、19,27…パワー演算回路、20,28…放射線量演算回路、21,30…検出器診断回路、22…パルス信号の曲線、23…ディスクリレベル、24…サージパルスの曲線、31…LPRM検出器によるキャンベル計測、32…LPRM検出器による直流計測、33…SRNM検出器によるパルス計測、34…SRNM検出器によるキャンベル計測。

Claims (9)

  1. 原子炉圧力容器内または外部に設置した放射線検出器と
    この放射線検出器の出力信号を5nsec〜40nsecでサンプリングしてディジタル値に変換するA/D変換装置と
    前記ディジタル値から放射線検出器の出力パルスを識別するパルス識別回路と、
    デジタルバンドパスフィルタを有し前記ディジタル値の一部を用いて2つ以上の周波数帯域で信号のパワーを演算するパワー演算回路と
    前記パルス識別回路とパワー演算回路の出力よりキャンベル計測によって放射線量を演算して原子炉の出力異常時には原子炉停止信号を発する放射線量演算回路と、
    記パワー演算回路とパルス識別回路の出力から前記放射線検出器の異常を診断する検出器診断回路と、
    を備えた演算装置とからなることを特徴とする原子炉出力監視装置。
  2. 前記パルス識別回路が、サンプリングされた前後のディジタル値の増減を監視してその増減のパターンより放射線検出器の出力パルスを識別することを特徴とする請求項1記載の原子炉出力監視装置。
  3. 前記パルス識別回路が、サンプリングされた前後のディジタル値の増減を監視してそのサンプリング値がある設定増加レベル以上に増加し、かつ前記サンプリング後にある設定減少レベルに減少するパターンを検索してパルスのピーク部分を検出するピーク検出手段と、サンプリング値がある設定レベル以上に連続して増加する回数を計数する増加幅検出手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載の原子炉出力監視装置。
  4. 前記パルス識別回路が、複数のノイズ波形を記憶するノイズ波形記憶手段と、正常な検出器波形を記憶する正常信号記憶手段と、サンプリングしたディジタル値のパターンを前記ノイズ波形記憶手段及び正常信号記憶手段とパターン比較を行うパターン比較手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載の原子炉出力監視装置。
  5. 前記放射線量演算回路が、前記パワー演算回路の出力である複数の周波数帯域の信号のうちで外来ノイズ等の前記放射線検出器信号以外のノイズの影響が大きい帯域を除いて放射線量を演算することを特徴とする請求項1記載の原子炉出力監視装置。
  6. 前記検出器診断回路が、検出パルスと認識されたディジタル値からパルス幅を演算するパルス幅演算手段と、そのパルス幅を正常な検出器出力パルス幅と比較するパルス幅診断手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載の原子炉出力監視装置。
  7. 前記検出器診断回路が、複数の周波数帯域の信号の比率を正常時の信号の比率と比較する周波数成分診断手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の原子炉出力監視装置。
  8. 原子炉圧力容器内または外部に設置した放射線検出器と
    この放射線検出器に可変電圧を印加する可変高圧電源と、複数の放射線検出器信号を切り替えて順次出力するマルチプレクサと
    前記マルチプレクサの出力を5nsec〜40nsecでサンプリングしてディジタル値に変換するA/D変換装置と
    デジタルバンドパスフィルタを有し前記ディジタル値から2つ以上の周波数帯域にて信号のパワーを演算するパワー演算回路と、
    記ディジタル値から放射線検出器の直流電流を演算する直流成分演算回路と、
    前記パワー演算回路と直流成分演算回路の出力よりキャンベル計測によって放射線量を演算して出力異常時には原子炉停止信号を発する放射線量演算回路と、
    記パワー演算回路と直流成分演算回路の出力から前記放射線検出器の異常を診断する検出器診断回路と、
    を備えた演算装置とからなることを特徴とする原子炉出力監視装置。
  9. 前記原子炉出力監視装置において、可変高圧電源はA/D変換のサンプリング周期に同期した可変電圧を放射線検出器に印加すると共に、演算装置にA/D変換装置の出力であるサンプリングデータを前記印加電圧ごとに区別するデータ選別手段を設けたことを特徴とする請求項8記載の原子炉出力監視装置。
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