JP2019039845A - 部分放電診断装置および部分放電診断方法 - Google Patents

部分放電診断装置および部分放電診断方法 Download PDF

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浩輔 藤田
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Abstract

【課題】ノイズセンサを省略した装置構成でも部分放電成分とノイズ成分を識別可能にして、簡素な装置構成で信頼性の高い部分放電診断装置を提供する。
【解決手段】交流電源200の電圧が印加される部分放電の診断対象設備100の接地線に流れる電流を計測する電流センサ310と、電流センサ310により計測された電流を解析して部分放電を検知する解析装置320を備え、解析装置320は、前記計測された電流をデジタルサンプリングして時系列電流波形データを収集し、前記収集された時系列電流波形データを基に、電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさを算出し、前記算出された、電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさが、予め設定した正常時の電流値のバラつきの大きさの範囲を逸脱している場合に、部分放電が発生していると判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、部分放電診断技術に関するものである。
変圧器や回転機などの高電圧の電力機器には、その絶縁性を高めるために様々な絶縁材料が用いられている。これらの絶縁材料は徐々に劣化して絶縁破壊に至るが、その主な原因が部分放電である。
一般に部分放電は絶縁体内の空隙に一定以上の電圧が掛かったタイミングで放電するため、交流電源電圧に同期して所定の位相領域で、1回あたり10〜数百nsの持続時間で1回または複数回のパルス的電流が発生する。部分放電が継続的に繰り返し発生すると、絶縁材料を侵食し、やがては絶縁破壊に至る。そこで、電力機器の突然の故障を防いで安心して使用するためには、部分放電を診断して絶縁劣化の初期的な段階を検知する必要がある。
部分放電時には電磁波、異常電流等が発生するので、電磁波センサ、電流センサ等を利用して計測を行い検知することができる。
しかしながら、電磁波センサ、電流センサ等を使用して計測した波形には、ノイズが混入して部分放電成分の検知を妨げる。ノイズと部分放電を識別して部分放電検知の精度を高める技術として、例えば特許文献1に記載の絶縁診断装置が提案されている。
特許文献1における図6の部分放電検出アルゴリズムには、次のようにして部分放電の有無を判定することが記載されている。すなわち、まず部分放電センサとノイズセンサにより取得したデータについて、少なくとも2サイクル分のデータをとり、1秒ごとにN個のデータを取得することにより、商用周波に同期したデータを取得する。そしてN個のデータを平均化して、又は代表データを取り出して同期ノイズを除去し、部分放電信号とノイズ信号とを差動演算して非同期ノイズを除去する。さらに、差動演算したデータから、周期的ピーク点と1/4サイクル点を算出し、周期的ピーク点と1/4サイクル点のデータを比較することにより、部分放電の有無を判定する。
特開2001−249156号公報
特許文献1に係る部分放電診断装置では、部分放電センサとノイズセンサの2種類のセンサが必要となるため、装置構成のコストがかさんでしまう。
さらに、ノイズ成分を差分演算処理によって除去するためには、部分放電センサとノイズセンサのそれぞれを介して得られる波形データに含まれるノイズ成分が同一のものでなければならない。両センサ間のノイズ成分信号に差異があった場合、差分をとることによって、ノイズ成分の誤差が増幅されて残ってしまう。そのため、部分放電に起因する信号が、この誤差により検出できなくなる可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、ノイズセンサを省略した装置構成でも部分放電成分とノイズ成分を識別可能にして、簡素な装置構成で信頼性の高い部分放電診断装置、方法を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の部分放電診断装置は、
交流電源電圧が印加される部分放電診断対象設備に流れる電流を計測する電流計測部と、
前記電流計測部により計測された電流をデジタルサンプリングして時系列電流波形データを収集する時系列電流波形データ収集部と、
前記時系列電流波形データ収集部により収集された時系列電流波形データを基に、電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさを算出する電流波形バラつき算出部と、
前記電流波形バラつき算出部により算出された、電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさが、予め設定した正常時の電流値のバラつきの大きさの範囲を逸脱している場合に、部分放電が発生していると判定する部分放電発生判定部と、
を備えたことを特徴としている。
また、請求項2に記載の部分放電診断装置は、請求項1において、
前記電流計測部は、前記部分放電診断対象設備の接地線に流れる電流を計測し、
前記電流波形バラつき算出部は、前記部分放電診断対象設備が発生する部分放電成分の、設定したデータ収集期間における前記時系列電流波形データの標準偏差である診断対象の区間標準偏差を算出することで、前記電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさを求め、
前記部分放電発生判定部における正常時の電流値のバラつきの大きさの範囲は、部分放電が発生していない正常時に前記時系列電流波形データ収集部によって、前記データ収集期間と同一期間で収集した時系列電流波形データを基に算出した正常時の区間標準偏差の範囲に設定され、
前記部分放電発生判定部は、前記診断対象の区間標準偏差が前記正常時の区間標準偏差の範囲を逸脱している場合に、部分放電が発生していると判定することを特徴としている。
また、請求項3に記載の部分放電診断装置は、請求項2において、
前記正常時の区間標準偏差の範囲は、部分放電が発生していない正常時に前記区間標準偏差を複数回求め、その平均値と標準偏差から設定することを特徴としている。
また、請求項4に記載の部分放電診断装置は、請求項2又は3において、
前記区間標準偏差を算出する際のデータ収集期間は、前記交流電源電圧の電源周期半周期分に設定されていることを特徴としている。
また、請求項5に記載の部分放電診断方法は、
電流計測部が、交流電源電圧が印加される部分放電診断対象設備に流れる電流を計測する電流計測ステップと、
時系列電流波形データ収集部が、前記電流計測部により計測された電流をデジタルサンプリングして時系列電流波形データを収集する時系列電流波形データ収集ステップと、
電流波形バラつき算出部が、前記時系列電流波形データ収集部により収集された時系列電流波形データを基に、電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさを算出する電流波形バラつき算出ステップと、
部分放電発生判定部が、前記電流波形バラつき算出部により算出された、電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさが、予め設定した正常時の電流値のバラつきの大きさの範囲を逸脱している場合に、部分放電が発生していると判定する部分放電発生判定ステップと、を備えたことを特徴としている。
また、請求項6に記載の部分放電診断方法は、請求項5において、
前記電流計測ステップは、前記部分放電診断対象設備の接地線に流れる電流を計測し、
前記電流波形バラつき算出ステップは、前記部分放電診断対象設備が発生する部分放電成分の、設定したデータ収集期間における前記時系列電流波形データの標準偏差である診断対象の区間標準偏差を算出することで、前記電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさを求め、
前記電流波形バラつき算出部が、部分放電が発生していない正常時に、前記時系列電流波形データ収集部によって前記データ収集期間と同一期間で収集した時系列電流波形データを基に、正常時の区間標準偏差の範囲を算出して設定する正常時区間標準偏差範囲設定ステップ、を備え、
前記部分放電発生判定ステップは、前記診断対象の区間標準偏差が前記設定された正常時の区間標準偏差の範囲を逸脱している場合に、部分放電が発生していると判定することを特徴としている。
また、請求項7に記載の部分放電診断方法は、請求項6において、
前記正常時区間標準偏差範囲設定ステップは、部分放電が発生していない正常時に前記区間標準偏差を複数回求め、その平均値と標準偏差から設定することを特徴としている。
また、請求項8に記載の部分放電診断方法は、請求項6又は7において、
前記区間標準偏差を算出する際のデータ収集期間は、前記交流電源電圧の電源周期半周期分に設定されていることを特徴としている。
(1)請求項1〜8に記載の発明によれば、ノイズセンサを用いることなく部分放電成分とノイズ成分の識別が可能となり、簡素な装置構成で信頼性の高い部分放電診断が行える。
(2)請求項2、6に記載の発明によれば、時系列電流波形データから、設定したデータ収集期間で算出した区間標準偏差を利用しているので、前記データ収集期間の長さ以下の周期の周波数がカットされ、解析対象周波数帯の範囲外に含まれるノイズ成分が排除される。これによって、ノイズ成分による誤判定が防止される。
(3)請求項4、8に記載の発明によれば、短いデータ収集期間で区間標準偏差を算出しているため、演算にかかる負荷が小さい。このため、演算処理性能が高くない装置にも適用可能となる。
本発明の実施形態例による部分放電診断装置の構成図。 図1の部分放電診断装置における解析装置が実行する処理のフローチャート。 本発明の実施形態例による時系列電流波形データ収集の様子を示し、(a)は部分放電診断装置の実際の構成図、(b)は部分放電診断対象設備に印加される交流電源電圧、接地線の電流および収集した時系列電流の各波形図。 本発明の実施形態例において、交流電源電圧に生じるサージ電圧をデータ収集開始タイミングとすることの説明図。 本発明の実施形態例における、電流波形のバラつき算出の様子を示す説明図。 本発明の実施形態例における、正常時のバラつき範囲の設定方法を示す説明図。 本発明の実施形態例における、正常時のバラつき範囲と部分放電発生時のバラつき範囲を示す説明図。 本発明の実施形態例における、診断対象設備の接地線に流れる電流の、正常時と部分放電発生時の各電流波形の特徴を示す説明図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
本実施形態例では、部分放電センサとして電流センサを用い、ノイズセンサは用いない。変圧器や回転機などの部分放電診断対象設備に流れる電流を電流センサで計測し、デジタルサンプリングして得た時系列電流波形データを解析する。
図8は、交流電源電圧が印加される診断対象設備の接地線に流れる電流を計測した例であり、上段は交流電源電圧の波形、中段は正常時に接地線に流れる電流波形、下段は部分放電発生時に接地線に流れる電流波形を示している。
前述のように、部分放電は交流電源電圧に同期して所定の位相領域で発生し、電流波形がバラつく。部分放電が発生していない正常時の電流波形を計測した場合でも、ノイズ成分が含まれるため電流波形がバラつくが、部分放電発生時はバラつきがより大きくなる。
そこで、本実施形態例では、正常時のバラつきと、部分放電発生時のバラつきの大きさを比較して部分放電の発生を検知する。バラつきの大きさを比較することで、ノイズ成分を含んだ電流波形においても部分放電成分を確実に識別して誤検出を防ぎ、信頼性の高い部分放電診断を行う。
図1は、本実施形態例による部分放電診断装置の構成を表している。100は交流電源200の電圧が印加される部分放電の診断対象設備であり、110は部分放電発生源を示している。
診断対象設備100は接地線を介して接地され、この接地線には、部分放電診断装置300の、例えば変流器により構成された電流センサ310(電流計測部)が介挿されている。
320は、後述する時系列電流波形データ収集部、電流波形バラつき算出部および部分放電発生判定部を備え、電流センサ310により計測された電流を解析して部分放電を検知し、診断する解析装置である。
前記電流センサ310は簡単な作業により接続が可能であり、設置に手間がかからない。このため、本部分放電診断装置300は既設の診断対象設備にも容易に適用することができる。
前記解析装置320の部分放電診断処理は、図2のステップS1〜S3のフローチャートに沿って実行される。図2では一回の部分放電診断処理手順を示している。本発明の部分放電診断方法は電力機器の運用中に実施が可能であり、運用中に図2の診断処理手順を定期的に行う方法や、リアルタイムに連続して繰り返し行う方法などが考えられる。
<時系列電流波形データ収集>
まず図2のステップS1では、解析装置320内の時系列電流波形データ収集部(図示省略)が、電流センサ310により計測された電流をデジタルサンプリングして時系列電流波形データを収集する。
部分放電は交流電源200の電圧に同期して所定の位相領域で発生するため、この位相領域を含む期間の時系列電流波形データを収集する必要がある。この期間は診断対象とする電力機器の種類や、解析装置のメモリ容量、演算処理性能などの条件により実施形態ごとに決定する。以降は具体例として説明するために、時系列電流波形データの収集期間を図3(b)に示すように電源周期1周期分の期間とする。
図3は、本発明の実施形態例による時系列電流波形データ収集の様子を示し、(a)は部分放電診断装置の実際の構成図、(b)は診断対象設備100に印加される交流電源電圧、接地線の電流および収集した時系列電流の各波形図である。
図3(a)のように、交流電源200と診断対象設備100を結ぶ電路に介挿された、例えば計器用変圧器などの電圧センサ400によって交流電源電圧変動周期の位相を把握し、その電圧がマイナスからプラスに転じるタイミングを収集開始タイミングとして、そこから電源周期1周期分の期間の時系列電流波形データを収集して解析対象とする。
尚、交流電源200が、インバータにより制御される交流電源である場合は、例えば図4のように、電圧の符号が転じる際に瞬間的に大きなサージ電圧が発生する。したがって、図4のようなサージ電圧をトリガーとしてデータ収集を開始する方法も考えられる。
<電流波形のバラつき算出>
次にステップS2において、解析装置320内の電流波形バラつき算出部(図示省略)が、前記ステップS1で収集された時系列電流波形データを基に、電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさを算出する。
前記電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさは、例えば診断対象設備100が発生する部分放電成分の、設定したデータ収集期間における前記時系列電流波形データの標準偏差である診断対象の区間標準偏差を算出することで求める。
すなわち、時系列電流波形データに対して、所定のサンプル数毎(設定したデータ収集期間であり、区間と呼ぶ)に標準偏差を算出する(区間標準偏差)。ここで、区間標準偏差σは、以下の式(1)で求められる。
Figure 2019039845
尚、nは1区間のサンプル数、xiはi番目のデータの値、μはn個のデータの平均値である。
区間標準偏差σは、電流波形のバラつき算出の様子を示す図5のように、時系列電流波形データに対して、先頭のサンプルから開始位置を時間軸方向に1サンプルずつずらしながら繰り返し求め、これによって区間数N個の区間標準偏差列が求められる。
ここで、区間標準偏差σを求める1区間のサンプル数は、目的とする周波数帯域と、計測時のサンプリング周波数によって決定する。例えば、目的とする周波数帯が1MHz〜100MHzの場合を考える。
はじめに、サンプリング周波数は上限の100MHzを十分にカバーできる500MHzとする。サンプリング周波数を500MHzとすると1サンプルあたりの時間は2×10-9sとなる。
次に、下限の1MHzの1周期の長さは1×10-6sである。サンプリングデータ数を500個にすればその長さは、2×10-9s×500=1×10-6sであるため、下限1MHzの1周期分をカバーできる。このようにして、1MHz〜100MHzをカバーする適切なサンプリングデータ数500が定まる。またこのようにすることで、目的とする周波数帯の範囲外の周波数はカットされ、そこに含まれるノイズ成分も除去される。
ここで、解析装置320内の部分放電発生判定部(図示省略)は、後述するステップS3において、電流波形バラつき算出部で算出された電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさと、予め設定した正常時の電流値のバラつきの大きさの範囲とを比較して部分放電発生を判定している。
この正常時の電流値のバラつきの大きさの範囲は、次のようにして設定する。
<正常時のバラつき範囲の設定方法>
解析装置320内の電流波形バラつき算出部は、部分放電が発生していない正常時に、前記時系列電流波形データ収集部によって前記データ収集期間と同一期間で収集した時系列電流波形データを基に、正常時の区間標準偏差の範囲を算出して設定する。
すなわち、
(1)前記図5と同様の方法で、部分放電が発生していない正常時における区間標準偏差の列を、正常時のバラつき範囲の設定方法を示す図6の(1)のように、複数回(n回)収集する。
(2)複数の区間標準偏差列の同じ位置(同じ位相)の区間において、図6の(2)に示すように平均値μと標準偏差σを算出する。
正常時の標準偏差の範囲は、平均値μと標準偏差σから、例えば図7のようにμ−3σ以上、μ+3σまでの範囲とする。
図7において、μ−3σ未満およびμ+3σ以上の範囲が、部分放電発生時のバラつき範囲となる。
尚、確率論や統計学で用いられる、データの分布が平均値付近に集積するものを、正規分布と呼ぶ。図7はこの正規分布のイメージを表しており、この分布に従うデータは、平均μからのずれが±σ以内の範囲に含まれる確率は68.27%、±2σ以内だと95.45%、±3σ以内だと99.73%となる。そして、異常判定の基準としてよく用いられるのがμ±3σである。
このように、正常時のデータを判定基準とすれば、様々な電力機器に合わせての適用が容易である。
<部分放電発生判定>
次にステップS3では、解析装置320内の部分放電発生判定部が、電流波形バラつき算出部で算出された電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさが、予め設定した正常時の電流値のバラつきの大きさの範囲を逸脱している場合に部分放電が発生していると判定する。
すなわち、前記<電流波形のバラつき算出>で述べた診断対象の区間標準偏差が、前記<正常時のバラつき範囲の設定方法>で述べた正常時の区間標準偏差の範囲(図7)を逸脱している場合に部分放電が発生していると判定する。
具体的には、診断対象の区間数N個の標準偏差列を順に、同じ位置(同じ位相)の正常時の標準偏差の範囲(図7)と比較し、範囲に収まるか否かを調べる。範囲に収まる場合は、部分放電発生なしと判定する。範囲外となった場合は部分放電発生と判定する。
前記正常時の標準偏差の範囲との比較では、診断対象電流波形データと正常時電流波形データのサンプリング周波数、収集開始位相、収集期間、1区間のサンプル数は同じにする。
また、部分放電発生の判定がシビアで誤検出する場合は、下記式(2)、式(3)に示す、範囲からの逸脱量(異常度)が所定の割合(10%など)を超えた場合に部分放電発生と判定する等、不感帯を設けてもよい。
Figure 2019039845
Figure 2019039845
尚、(異常度%)>100%となった場合、(異常度%)=100%とする。
本発明の方法は、1回の部分放電に伴う成分を捉えて発生を検知している。この実施形態例では、図3のように、電源周期1周期分の期間の時系列電流波形データを解析対象とする例を説明したが、部分放電は大きな電圧がかかる際に発生するため、その周辺の位相を解析すれば検知することが可能である。そのため、電源周期半周期以下での短い期間を解析すれば足りる。
この短い期間での標準偏差を算出して検知を行うため、演算にかかる負荷が小さい。そのため演算処理性能が高くない解析装置でも実施可能である。
本実施形態例によれば、従来のように部分放電センサとノイズセンサの2種類のセンサを用意する必要はなく、ノイズセンサを省くことができる。
また、部分放電センサを介して得られる波形データは、サンプリングによってナイキスト周波数以上の周波数がカットされ、区間を分割することによって、1区間の長さ以下の周期の周波数もカットされる。これにより、解析対象周波数帯以外に含まれるノイズ成分は排除される。また、部分放電発生時と正常時とでは、ノイズ成分を含んでいても図8で述べたように電流波形のバラつき方が異なるため、本発明のように標準偏差を比較することにより、確実に識別できる。
以上の方法により、安価で信頼性の高い部分放電診断装置が実現可能となる。
100…診断対象設備
110…部分放電発生源
200…交流電源
300…部分放電診断装置
310…電流センサ
320…解析装置
400…電圧センサ

Claims (8)

  1. 交流電源電圧が印加される部分放電診断対象設備に流れる電流を計測する電流計測部と、
    前記電流計測部により計測された電流をデジタルサンプリングして時系列電流波形データを収集する時系列電流波形データ収集部と、
    前記時系列電流波形データ収集部により収集された時系列電流波形データを基に、電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさを算出する電流波形バラつき算出部と、
    前記電流波形バラつき算出部により算出された、電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさが、予め設定した正常時の電流値のバラつきの大きさの範囲を逸脱している場合に、部分放電が発生していると判定する部分放電発生判定部と、
    を備えたことを特徴とする部分放電診断装置。
  2. 前記電流計測部は、前記部分放電診断対象設備の接地線に流れる電流を計測し、
    前記電流波形バラつき算出部は、前記部分放電診断対象設備が発生する部分放電成分の、設定したデータ収集期間における前記時系列電流波形データの標準偏差である診断対象の区間標準偏差を算出することで、前記電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさを求め、
    前記部分放電発生判定部における正常時の電流値のバラつきの大きさの範囲は、部分放電が発生していない正常時に前記時系列電流波形データ収集部によって、前記データ収集期間と同一期間で収集した時系列電流波形データを基に算出した正常時の区間標準偏差の範囲に設定され、
    前記部分放電発生判定部は、前記診断対象の区間標準偏差が前記正常時の区間標準偏差の範囲を逸脱している場合に、部分放電が発生していると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の部分放電診断装置。
  3. 前記正常時の区間標準偏差の範囲は、部分放電が発生していない正常時に前記区間標準偏差を複数回求め、その平均値と標準偏差から設定することを特徴とする請求項2に記載の部分放電診断装置。
  4. 前記区間標準偏差を算出する際のデータ収集期間は、前記交流電源電圧の電源周期半周期分に設定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の部分放電診断装置。
  5. 電流計測部が、交流電源電圧が印加される部分放電診断対象設備に流れる電流を計測する電流計測ステップと、
    時系列電流波形データ収集部が、前記電流計測部により計測された電流をデジタルサンプリングして時系列電流波形データを収集する時系列電流波形データ収集ステップと、
    電流波形バラつき算出部が、前記時系列電流波形データ収集部により収集された時系列電流波形データを基に、電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさを算出する電流波形バラつき算出ステップと、
    部分放電発生判定部が、前記電流波形バラつき算出部により算出された、電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさが、予め設定した正常時の電流値のバラつきの大きさの範囲を逸脱している場合に、部分放電が発生していると判定する部分放電発生判定ステップと、
    を備えたことを特徴とする部分放電診断方法。
  6. 前記電流計測ステップは、前記部分放電診断対象設備の接地線に流れる電流を計測し、
    前記電流波形バラつき算出ステップは、前記部分放電診断対象設備が発生する部分放電成分の、設定したデータ収集期間における前記時系列電流波形データの標準偏差である診断対象の区間標準偏差を算出することで、前記電流波形の時間軸における電流値のバラつきの大きさを求め、
    前記電流波形バラつき算出部が、部分放電が発生していない正常時に、前記時系列電流波形データ収集部によって前記データ収集期間と同一期間で収集した時系列電流波形データを基に、正常時の区間標準偏差の範囲を算出して設定する正常時区間標準偏差範囲設定ステップ、を備え、
    前記部分放電発生判定ステップは、前記診断対象の区間標準偏差が前記設定された正常時の区間標準偏差の範囲を逸脱している場合に、部分放電が発生していると判定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の部分放電診断方法。
  7. 前記正常時区間標準偏差範囲設定ステップは、部分放電が発生していない正常時に前記区間標準偏差を複数回求め、その平均値と標準偏差から設定することを特徴とする請求項6に記載の部分放電診断方法。
  8. 前記区間標準偏差を算出する際のデータ収集期間は、前記交流電源電圧の電源周期半周期分に設定されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の部分放電診断方法。
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