JP2005102351A - 絶縁劣化診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地絡事故に発展する可能性がある絶縁劣化および正常負荷を高速に区別する絶縁劣化診断装置を提供する。
【解決手段】ゼロ相電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段により検出された電流信号を所定時間ごとにサンプリングし、複数個の時系列データを出力するサンプリング手段と、前記サンプリング手段から出力された電流信号の短時間フーリエ変換を演算する第1演算手段と、前記第1演算手段により演算された1からMまでの各周波数ごとの平均値を演算する第2演算手段と、前記第2演算手段により演算された1からMまでの各周波数ごとの平均値と前記電流検出手段により検出された電流信号が正常であるときの1からMまでの各周波数ごとの平均値,分散値,歪度,尖度のいずれかを比較する第1比較手段と、前記第1比較手段の比較結果に基づいて電流の状態を出力する第2比較手段と、前記第2比較手段の比較結果に基づいて警報を出力する警報出力手段とを備えているので、絶縁劣化発生を自動判別可能となると共に、高速に遮断することも可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、機器に接続されたゼロ相電流検出器の変動成分から、将来、地絡事故に発展する可能性がある絶縁劣化および正常負荷を高速に区別する絶縁劣化診断装置に関する。
従来の絶縁診断装置による絶縁診断手法について説明する。
図6は例えば、非特許文献1に示されており、放電発生を検出する従来手法の構成図である。図において、1は診断対象機器に接続されている三相電源の遮断器、2は診断対象機器に接続された三相母線U相電線、3は診断対象機器に接続された三相母線V相電線、4は診断対象機器に接続された三相母線W相電線、5は診断対象機器に接続された三相母線U相電線2から放電発生事象を抽出するためのカップリングコンデンサ、6は診断対象機器に接続された三相母線V相電線3から放電発生事象を抽出するためのカップリングコンデンサ、7は診断対象機器に接続された三相母線W相電線4から放電発生事象を抽出するためのカップリングコンデンサ、8は三相母線電線2,3,4が接続されている診断対象機器(図では発電機が例示している)、9は診断対象機器に接続されている三相電源の三相母線電線2,3,4に重畳している放電事象をカップリングコンデンサ5,6,7を通じて検出する検出器、10は検出器9内部の検出回路であり、図では1回路だけ明示されているが、U,V,W各相の3回路がある。11は検出器9から出力されるU,V,W各相の信号を伝送する3本のケーブル、12はU,V,W、各相3本の同軸ケーブル11を切り替えるスイッチ、13はバイパスフィルタ、14は部分放電測定器、15は波高弁別器計数率計、16はレコーダ、17はスペクトルアナライザ、18はオシロスコープ、19はX−Yプロッタである。
従来の絶縁劣化診断装置は、図6に示したように、診断対象に接続されている三相電源に観測される絶縁劣化に伴う放電現象を検出している。放電現象が伴わない絶縁劣化には反応しない。
電気学会技術報告(II部)第402号「電力設備の運転中絶縁診断技術」1992年1月電気学会発行、第58頁
従来の絶縁劣化診断装置は以上のように構成されているので、絶縁劣化に伴う放電現象が必要であった。このため、放電現象の伴わない絶縁劣化には反応しないという問題があった。また、三相電源のU相,V相,W相の各相を調べる必要があり、一括して検査できないという問題もあった。
本発明は上記の問題を解消するためになされたもので、その課題は、検出された監視対象機器のゼロ相電流波形変化をパターン化して、絶縁劣化発生の自動判別をする絶縁劣化診断装置を提供することである。また、ゼロ相1点の検出器を用いるだけで検査でき、従来の場合と比較して3分の1に作業量が減少している。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の絶縁劣化診断装置の発明は、ゼロ相電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段により検出された電流信号を所定時間ごとにサンプリングし、複数個の時系列データを出力するサンプリング手段と、前記サンプリング手段から出力された電流信号の短時間フーリエ変換を演算する第1演算手段と、前記第1演算手段により演算された1からMまでの各周波数ごとの平均値を演算する第2演算手段と、前記第2演算手段により演算された1からMまでの各周波数ごとの平均値と前記電流検出手段により検出された電流信号が正常であるときの1からMまでの各周波数ごとの平均値,分散値,歪度,尖度のいずれかを比較する第1比較手段と、前記第1比較手段の比較結果に基づいて電流の状態を出力する第2比較手段と、前記第2比較手段の比較結果に基づいて警報を出力する警報出力手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によると、サンプリング手段から出力された時系列データに基づいて、電流検出器で観測されるゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換を演算し、その短時間フーリエ変換の各周波数ごとの平均値,分散値,歪度,尖度のいずれかと電流検出器で観測される正常ゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換を演算し、その対応する平均値,分散値,歪度,尖度と比較する比較手段を設けたことにより、電流検出器で観測されるゼロ相電流波形が正常か区別できるようになる。すなわち、平均値,分散値,歪度,尖度は確率密度分布関数の平均値,分散値,歪度,尖度を示す指標であり、確率密度分布関数はゼロ相電流波形の正常時には定型の分布をするが、正常でない場合には定型の分布とは異なるため、平均値,分散値,歪度,尖度のいずれかを比較することによって上記区別が行えるようになる。
本発明によれば、サンプリング手段から出力された時系列データに基づくゼロ相の電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの平均値,分散値,歪度,尖度のいずれかをを演算し、ゼロ相電流の正常時の対応する平均値,分散値,歪度,尖度と比較するよう構成したので、絶縁劣化発生を自動判別可能となり、しかも高速にゼロ相の状況を判断できるようになり、高速に遮断することが可能となった。また、平均値を採用すると、計算時間を短縮することができ、また、分散値を採用すると、ばらつきに異常が現われる現象の感度向上もでき、また、歪度を採用することで、偏りに異常が現われる現象の感度向上もでき、また、尖度を採用すると、ひろがりに異常が現われる現象の感度向上もできる。
本発明の絶縁劣化診断装置は、ゼロ相電流を検出する電流検出器により検出された電流信号を所定時間ごとにサンプリングし、複数個の時系列データを出力するサンプリング手段を設け、このサンプリング手段から出力された電流信号の短時間フーリエ変換を演算器で演算し、さらにこの演算された1からMまでの各周波数ごとの平均値と電流検出器により検出された電流信号が正常であるときの1からMまでの各周波数ごとの平均値,分散値,歪度,尖度のいずれかを比較し、この比較に基づいて電流の状態をさらに比較し、この比較結果に基づいて警報を出力するように構成したものである。
図1は本発明の一実施例による絶縁劣化診断器を示す構成図であり、従来のものと同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図1において、22はゼロ相電流波形20を適当な周波数帯域成分を通過させるフィルタ、23は適当な周波数帯域を通過したゼロ相電流波形を適当な増幅率で増幅する増幅器、24は適当な増幅率で増幅されたゼロ相電流波形を所定時間ごとにサンプリングしてアナログ・ディジタル変換し、複数個の時系列データY(i=1,2,…,N)を出力するA/D変換器(サンプリング手段A)、25は時系列データYに基づいて遮断指令を出す絶縁劣化診断器である。
なお、図ではゼロ相電流波形という具合に1個で代表して表記しているが、実際には、三相のゼロ相電流波形を対象としていることは言うまでもない。
また、図では三相ゼロ相電流波形としているが、単相のゼロ相電流波形でも同様の効果があることも言うまでもない。
図2は図1の絶縁劣化診断器25の詳細な構成を示す構成図である。
図2において、26はA/D変換器24から出力された時系列データYに基づいてゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換を演算する短時間フーリエ変換演算器(演算手段)、27,28,29はそれぞれ短時間フーリエ変換演算器26から出力された結果で1,2,…,j個の周波数と1,2,…,Mの時間で表現される。それぞれ周波数1(27),周波数2(28),周波数j(29)と呼ぶ。
30は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数1(27)の平均を演算する平均演算器1(演算手段)、31は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数2(28)の平均を演算する平均演算器2(演算手段)、32は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数j(29)の平均を演算する平均演算器j(演算手段)である。なお、この平均演算器はj個設定しておく。
33は正常に電流が投入された場合の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の平均を記憶する設定器1、34は平均演算器1(30)により演算されたゼロ相電流範囲の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の平均と設定器1(33)に記憶された、正常時の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の平均を比較する比較器1(比較手段)である。
35は正常に電流が投入された場合の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の平均を記憶する設定器2、36は平均演算器2(31)により演算されたゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の平均と設定器2(35)に記憶された、正常時の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の平均を比較する比較器2(比較手段)である。
37は正常に電流が投入された場合の周波数j(29)の平均を記憶する設定器j、38は平均演算器j(32)により演算されたゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数j(29)の平均と設定器j(37)に記憶された、正常時の短時間フーリエ変換の周波数j(29)の平均を比較する比較器j(比較手段)である。
なお、図では周波数1(27)、周波数2(28)、周波数j(29)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の周波数が得られる。同様に、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の比較器が必要である。また、設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の設定器が必要である。
39は比較器1(34),比較器2(36),…,比較器j(38)において、正常に電流が投入された場合の許容パターンを記憶する設定器Mである。40は比較器1(34),比較器2(36),…,比較器j(38)の比較結果と設定器Mに記憶された正常時の許容パターンを比較する比較器(比較手段)、41は比較器40の比較結果に基づいて遮断指令を出力する遮断指令発生器(遮断指令出力手段)である。
次に、本実施例の動作について説明する。
まず、電流変換器で測定されたゼロ相電流波形をA/D変換器24が所定時間ごとにサンプリングしてアナログ・ディジタル変換し、複数個の時系列データYi(i=1,2,…,N)を出力する。
そして、複数個の時系列データYiが絶縁劣化診断器25に入力されると、絶縁劣化診断器25における短時間フーリエ変換演算器26が以下に示すように、Yiから短時間区間に分割する。
次に観測信号Yi(x)を適当な個数に分割する。この分割した観測信号を短時間区間yi n(x)と呼ぶ。
短時間区間の長さをウインド幅と呼びR(個)とする。分割する際に時間軸に沿ってずらす幅を時間シフトと呼びL(個)とする。分割された短時間区間の数MはM=N/L+1とする。
i n(x)…Yy(x),x
=(n−1)R/2〜(n+1)(R/2)…1,n=0,1,…,M−1 …(1)
例えば、N=4096,R=1024,L=512とすると、M=9となる。従って、短時間区間は9個できて、下記のようにyi 0(x),yi 1(x),yi 2(x),…yi 8(x)が得られる。
Figure 2005102351
i 0(x),yi 8(x)の場合、Yi (-512)〜Yi (-1),〜Yi (4096)〜Yi (4607)の数値は存在しない。従って、どのような値を定義してもかまわない。適当な数値定義をしておく。
そこで、Yi (-512)〜Yi (-1),〜Yi (4096)〜Yi (4607)は、例えば次のように定義する。
i (-512)〜Yi (-1)=0,Yi (4096)〜Yi (4607)=0
それぞれの短時間区間yi n(x)におけるフーリエ変換φi n(f)を計算する。短時間区間yi n(x)についてのフーリエ変換を短時間フーリエ変換と呼ぶ。短時間フーリエ変換は次式を計算することになる。
φi n(f),f=k/(2ST)[Hz],k=0〜S−1,n=0〜M …(2)
ここで、フーリエ変換はナイキスト周波数1/(2T)[Hz]をS個に離散的サンプルした分解能を持つフーリエ変換である。
次に、短時間フーリエ変換演算器は分割された短時間区間のデータに対して、短時間フーリエ変換を演算する。短時間フーリエ演算結果は周波数1,2,…,jで示される。
Figure 2005102351
短時間フーリエ変換結果は周波数1,2,…,jで求められると、絶縁劣化診断器25における平均演算器1(30),平均演算器2(31),平均演算器j(32)が、以下に示すように、周波数1,2,…,jの各平均μ1 1,μ1 2,…,μ1 jを演算する。
Figure 2005102351
そして、平均演算器1(30),平均演算器2(31),平均演算器j(32)により平均μ1 1,μ1 2,…,μ1 jが演算されると、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)が、ゼロ相電流波形が正常であるときの短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの平均を設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)から入力し、その演算されたμ1 1,μ1 2,…,μ1 jと正常時の各周波数1,2,…,jの平均と比較する。
ここで、設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)には、ゼロ相電流波形が正常であるときの短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの平均が記憶されているが、外部の装置(図示せず)が演算した正常時の平均を記憶するようにしてもよいことは言うまでもない。
そして、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)は演算されたμ1 1,μ1 2,…,μ1 jと正常時の平均を比較した結果、例えば、演算されたμ1 1,μ1 2,…,μ1 jが正常時の平均の3倍を超えた時、異常と判定し、比較器M(40)に出力する。
ここで、ゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの平均が、電流投入状態の正常・異常が区別できる理由を簡単に説明すると、ゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jは相当周波数ごとのフィルタになっており、フィルタをかけた時系列データの平均は、正常の場合、ある値のまわりに分布する。異常になると、特定の周波数、あるいは全部の周波数の平均が正常の場合の平均からずれる。このずれ方は、異常な電流投入のされ方に依存するので、平均を比較することで正常・異常を判別することができる。
そして、比較器M(40)は、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)の判定結果と正常時にあらかじめ定められた各周波数ごとの正常・異常パターンと比較して最終的な判定を決定する。この判定は、対象に応じて、設定器M(39)に格納しておく。例えば、一番単純な設定基準は、各周波数が1つでも異常なら、最終判断は異常であるという設定である。
最後に、比較器M(40)が異常と判断すると、遮断指令発生器(遮断指令発生手段)41が、遮断器の起動および異常電流が投入されたことを明らかにすべく、表示装置(図示せず)に異常が発生した旨を表示し、あるいはプラントを監視する監視装置(図示せず)等に異常が発生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了する。
以上より、この実施例1によれば、正常・異常を判断する指標となり得るゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの平均に基づいて電流投入の正常・異常を判断するように構成したので、短時間に判定できる。
図1は本発明の他の実施例による絶縁結果診断器を示す構成図であり、従来のものと同一符号は同一または相当部分を示すので、その説明を省略する。
図1において、22はゼロ相電流波形20を適当な周波数帯域成分を通過させるフィルタ、23は適当な周波数帯域を通過したゼロ相電流波形を適当な増幅率で増幅する増幅器、24は適当な増幅率で増幅されたゼロ相電流波形を所定時間ごとにサンプリングしてアナログ・ディジタル変換し、複数個の時系列データY(i=1,2,…,N)を出力するA/D変換器(サンプリング手段A)、25は時系列データYに基づいて遮断指令を出す絶縁劣化診断器である。
なお、図ではゼロ相電流波形という具合に1個で代表して表記しているが、実際には、三相のゼロ相電流波形を対象としていることは言うまでもない。
また、図では三相ゼロ相電流波形としているが、単相のゼロ相電流波形でも同様の効果があることも言うまでもない。
図3は絶縁劣化診断器25の詳細な構成を示す構成図である。図において、26はA/D変換器24から出力された時系列データYに基づいてゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換を演算する短時間フーリエ変換演算器(演算手段)、27,28,29はそれぞれ短時間フーリエ変換演算器26から出力された結果で、1,2,…,j個の周波数と1,2,…,Mの時間で表現される。それぞれ周波数1(27),周波数2(28),周波数j(29)と呼ぶ。
42は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数1(27)の分散を演算する分散演算器1(演算手段)、43は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数2(28)の分散を演算する分散演算器2(演算手段)、44は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数j(29)の分散を演算する分散演算器j(演算手段)である。なお、この分散演算器はj個設定しておく。
33は正常に電流が投入された場合の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の分散を記憶する設定器1、34は分散演算器1(42)により演算されたゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の分散と、設定器1(33)に記憶された正常時の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の分散を比較する比較器1(比較手段)である。
35は正常に電流が投入された場合の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の分散を記憶する設定器2、36は分散演算器2(43)により演算されたゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の分散と、設定器2(35)に記憶された正常時の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の分散を比較する比較器2(比較手段)である。
37は正常に電流が投入された場合の周波数j(29)の分散を記憶する設定器j、38は分散演算器j(44)により演算されたゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数j(29)の分散と、設定器j(37)に記憶された正常時の短時間フーリエ変換の周波数j(29)の分散を比較する比較器j(比較手段)である。
なお、図では周波数1(27),周波数2(28),周波数j(29)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の周波数が得られる。同様に、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の比較器が必要である。また、設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の設定器が必要である。
39は比較器1(34),比較器2(36),…,比較器j(38)において正常に電流が投入された場合の許容パターンを記憶する設定器Mである。40は比較器1(34),比較器2(36),…,比較器j(38)の比較結果と設定器Mに記憶された正常時の許容パターンを比較する比較器(比較手段)、41は比較器40の比較結果に基づいて遮断指令を出力する遮断指令発生器(遮断指令出力手段)である。
次に、本実施例の動作について説明する。
まず、電流変換器で測定されたゼロ相電流波形をA/D変換器24が所定時間ごとにサンプリングしてアナログ・ディジタル変換し、複数個の時系列データY(i=1,2,…,N)を出力する。
そして、複数個の時系列データYが絶縁劣化診断器25に入力されると、絶縁劣化診断器25における短時間フーリエ変換演算器26が以下に示すように、時系列データYが短時間区間に分割する。
次に観測信号Yi(x)を適当な個数に分割する。この分割した観測信号を短時間区間yi n(x)と呼ぶ。
短時間区間の長さをウインド幅と呼びR(個)とする。分割する際に時間軸に沿ってずらす幅を時間シフトと呼びL(個)とする。分割された短時間区間の数MはM=N/L+1とする。
i n(x)…Yy(x),x
=(n−1)R/2〜(n+1)(R/2)…1,n=0,1,…,M−1 …(1)
例えば、N=4096,R=1024,L=512とすると、M=9となる。従って、短時間区間は9個できて、下記のようにyi 0(x),yi 1(x),yi 2(x),…yi 8(x)が得られる。
Figure 2005102351
i 0(x),yi 8(x)の場合、Yi (-512)〜Yi (-1),〜Yi (4096)〜Yi (4607)の数値は存在しない。従って、どのような値を定義してもかまわない。適当な数値定義をしておく。
そこで、Yi (-512)〜Yi (-1),〜Yi (4096)〜Yi (4607)は、例えば次のように定義する。
i (-512)〜Yi (-1)=0,Yi (4096)〜Yi (4607)=0
それぞれの短時間区間yi n(x)におけるフーリエ変換φi n(f)を計算する。短時間区間yi n(x)についてのフーリエ変換を短時間フーリエ変換と呼ぶ。短時間フーリエ変換は次式を計算することになる。
φi n(f),f=k/(2ST)[Hz],k=0〜S−1,n=0〜M …(2)
ここで、フーリエ変換はナイキスト周波数1/(2T)[Hz]をS個に離散的サンプルした分解能を持つフーリエ変換である。
次に、短時間フーリエ変換演算器は分割された短時間区間のデータに対して、短時間フーリエ変換を演算する。短時間フーリエ演算結果は周波数1,2,…,jで示される。
Figure 2005102351
短時間フーリエ変換結果は周波数1,2,…,jで求められると、絶縁劣化診断器25における分散演算器1(42),分散演算器2(43),分散演算器j(44)が、以下に示すように、周波数1,2,…,jの各分散μ2 1,μ2 2,…,μ2 jを演算する。
Figure 2005102351
そして、分散演算器1(42),分散演算器2(43),分散演算器j(44)により分散μ2 1,μ2 2,…,μ2 jが演算されると、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)が、ゼロ相電流波形が正常であるときの短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの分散を設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)から入力し、その演算されたμ2 1,μ2 2,…,μ2 jと正常時の各周波数の分散1,2,…,jを比較する。
ここで、設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)には、ゼロ相電流波形が正常であるときの、短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの分散が記憶されているが、外部の装置(図示せず)が演算した正常時の分散を記憶するようにしてもよいことは言うまでもない。
そして、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)は演算されたμ2 1,μ2 2,…,μ2 jと正常時の分散を比較した結果、例えば、演算されたμ2 1,μ2 2,…,μ2 jが正常時の分散の3倍を超えた時、異常と判定し、比較器M(40)に出力する。
ここで、ゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの分散が、電流投入状態の正常・異常が区別できる理由を簡単に説明すると、ゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jは相当周波数ごとのフィルタになっており、フィルタをかけた時系列データの分散は、正常の場合、ある値のまわりに分布する。異常になると、特定の周波数、あるいは全部の周波数の分散が正常の場合の分散からずれる。このずれ方は、異常な電流投入のされ方に依存するので、分散を比較することで正常・異常を判別することができる。
そして、比較器M(40)は、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)の判定結果と正常時にあらかじめ定められた各周波数ごとの正常・異常パターンを比較して最終的な判定を決定する。この判定は、対象に応じて、設定器M(39)に格納しておく。例えば、一番単純な設定基準は、各周波数が1つでも異常なら、最終判断は異常であるという設定である。
最後に、比較器M(40)が異常と判断すると、遮断指令発生器(遮断指令発生手段)41が、遮断器の起動および異常電流が投入されたことを明らかにすべく、表示装置(図示せず)に異常が発生した旨を表示し、あるいはプラントを監視する監視装置(図示せず)等に異常が発生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了する。
図1は本発明のさらに他の実施例による絶縁劣化診断器を示す構成図であり、従来のものと同一符号は同一または相当部分を示すので、その説明を省略する。
図1において、22はゼロ相電流波形20を適当な周波数帯域成分を通過させるフィルタ、23は適当な周波数帯域を通過したゼロ相電流波形を適当な増幅率で増幅する増幅器、24は適当な増幅率で増幅されたゼロ相電流波形を所定時間ごとにサンプリングしてアナログ・ディジタル変換し、複数個の時系列データY(i=1,2,…,N)を出力するA/D変換器(サンプリング手段A)、25は時系列データYに基づいて遮断指令を出す絶縁劣化診断器である。
なお、図ではゼロ相電流波形という具合に1個で代表して表記しているが、実際には、三相のゼロ相電流波形を対象としていることは言うまでもない。
また、図では三相ゼロ相電流波形としているが、単相のゼロ相電流波形でも同様の効果があることも言うまでもない。
図4は絶縁劣化診断器25の詳細な構成を示す構成図である。図において、26はA/D変換器24から出力された時系列データYに基づいてゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換を演算する短時間フーリエ変換演算器(演算手段)、27,28,29はそれぞれ短時間フーリエ変換演算器26から出力された結果で、1,2,…,j個の周波数と1,2,…,Mの時間で表現される。それぞれ周波数1(27),周波数2(28),周波数j(29)と呼ぶ。
45は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数1(27)の歪度を演算する歪度演算器1(演算手段)、46は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数2(28)の歪度を演算する歪度演算器2(演算手段)、47は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数j(29)の歪度を演算する歪度演算器j(演算手段)である。なお、この歪度演算器はj個設定しておく。
33は正常に電流が投入された場合の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の分散を記憶する設定器1、34は歪度演算器1(45)により演算されたゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の歪度と設定器1(33)に記憶された、正常時の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の歪度を比較する比較器1(比較手段)である。
35は正常に電流が投入された場合の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の歪度を記憶する設定器2、36は歪度演算器2(46)により演算されたゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の歪度と、設定器2(35)に記憶された正常時の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の歪度を比較する比較器2(比較手段)である。
37は正常に電流が投入された場合の周波数j(29)の分散を記憶する設定器j、38は歪度演算器j(47)により演算されたゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数j(29)の歪度と、設定器j(37)に記憶された正常時の短時間フーリエ変換の周波数j(29)の歪度を比較する比較器j(比較手段)である。
なお、図では周波数1(27),周波数2(28),周波数j(29)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の周波数が得られる。同様に、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の比較器が必要である。また、設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の設定器が必要である。
39は比較器1(34),比較器2(36),…,比較器j(38)において正常に電流が投入された場合の許容パターンを記憶する設定器Mである。40は比較器1(34),比較器2(36),…,比較器j(38)の比較結果と設定器Mに記憶された正常時の許容パターンを比較する比較器(比較手段)、41は比較器40の比較結果に基づいて遮断指令を出力する遮断指令発生器(遮断指令出力手段)である。
次に、本実施例の動作について説明する。
まず、電流変換器で測定されたゼロ相電流波形をA/D変換器24が所定時間ごとにサンプリングしてアナログ・ディジタル変換し、複数個の時系列データY(i=1,2,…,N)を出力する。
そして、複数個の時系列データYが絶縁劣化診断器25に入力されると、絶縁劣化診断器25における短時間フーリエ変換演算器26が以下に示すように、時系列データYが短時間区間に分割する。
次に観測信号Yi(x)を適当な個数に分割する。この分割した観測信号を短時間区間yi n(x)と呼ぶ。
短時間区間の長さをウインド幅と呼びR(個)とする。分割する際に時間軸に沿ってずらす幅を時間シフトと呼びL(個)とする。分割された短時間区間の数MはM=N/L+1とする。
i n(x)…Yy(x),x
=(n−1)R/2〜(n+1)(R/2)…1,n=0,1,…,M−1 …(1)
例えば、N=4096,R=1024,L=512とすると、M=9となる。従って、短時間区間は9個できて、下記のようにyi 0(x),yi 1(x),yi 2(x),…yi 8(x)が得られる。
Figure 2005102351
i 0(x),yi 8(x)の場合、Yi (-512)〜Yi (-1),〜Yi (4096)〜Yi (4607)の数値は存在しない。従って、どのような値を定義してもかまわない。適当な数値定義をしておく。
そこで、Yi (-512)〜Yi (-1),〜Yi (4096)〜Yi (4607)は、例えば次のように定義する。
i (-512)〜Yi (-1)=0,Yi (4096)〜Yi (4607)=0
それぞれの短時間区間yi n(x)におけるフーリエ変換φi n(f)を計算する。短時間区間yi n(x)についてのフーリエ変換を短時間フーリエ変換と呼ぶ。短時間フーリエ変換は次式を計算することになる。
φi n(f),f=k/(2ST)[Hz],k=0〜S−1,n=0〜M …(2)
ここで、フーリエ変換はナイキスト周波数1/(2T)[Hz]をS個に離散的サンプルした分解能を持つフーリエ変換である。
次に、短時間フーリエ変換演算器は分割された短時間区間のデータに対して、短時間フーリエ変換を演算する。短時間フーリエ演算結果は周波数1,2,…,jで示される。
Figure 2005102351
短時間フーリエ変換結果は周波数1,2,…,j出も止められると、絶縁劣化診断器25における歪度演算器1(45),歪度演算器2(46),歪度演算器j(47)が、以下に示すように、周波数1,2,…,jの各歪度μ3 1,μ3 2,…,μ3 jを演算する。
Figure 2005102351
そして、歪度演算器1(45),歪度演算器2(46),歪度演算器j(47)により歪度μ3 1,μ3 2,…,μ3 jが演算されると、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)が、ゼロ相電流波形が正常であるときの、短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの歪度を設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)から入力し、その演算されたμ3 1,μ3 2,…,μ3 jと正常時の各周波数1,2,…,jの歪度を比較する。
ここで、設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)には、ゼロ相電流波形が正常であるときの、短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの歪度が記憶されているが、外部の装置(図示せず)が演算した正常時の歪度を記憶するようにしてもよいことは言うまでもない。
そして、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)は演算されたμ3 1,μ3 2,…,μ3 jと正常時の歪度を比較した結果、例えば、演算されたμ3 1,μ3 2,…,μ3 jが正常時の歪度の3倍を超えた時、異常と判定し、比較器M(40)に出力する。
ここで、ゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの歪度が、電流投入状態の正常・異常が区別できる理由を簡単に説明すると、ゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jは相当周波数ごとのフィルタになっており、フィルタをかけた時系列データの歪度は、正常の場合、ある値のまわりに分布する。異常になると、特定の周波数、あるいは全部の周波数の歪度が正常の場合の歪度からずれる。このずれ方は、異常な電流投入のされ方に依存するので、歪度を比較することで正常・異常を判別することができる。
そして、比較器M(40)は、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)の判定結果と正常時にあらかじめ定められた各周波数ごとの正常・異常パターンと比較して最終的な判定を決定する。この判定は、対象に応じて、設定器M(39)に格納しておく。例えば、一番単純な設定基準は、各周波数が1つでも異常なら、最終判断は異常であるという設定である。
最後に、比較器M(40)が異常と判断すると、遮断指令発生器(遮断指令発生手段)41が、遮断器の起動および異常電流が投入されたことを明らかにすべく、表示装置(図示せず)に異常が発生した旨を表示し、あるいはプラントを監視する監視装置(図示せず)等に異常が発生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了する。
以上より、実施例3によれば、正常・異常を判断する指標となり得るゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの歪度に基づいて電流投入の正常・異常を判断するように構成したので、短時間に判定できる。
図1は本発明の別の実施例による絶縁劣化診断器を示す構成図であり、従来のものと同一符号は同一または相当部分を示すので、その説明を省略する。
図において、22はゼロ相電流波形20を適当な周波数帯域成分を通過させるフィルタ、23は適当な周波数帯域を通過したゼロ相電流波形を適当な増幅率で増幅する増幅器、24は適当な増幅率で増幅されたゼロ相電流波形を所定時間ごとにサンプリングしてアナログ・ディジタル変換し、複数個の時系列データY(i=1,2,…,N)を出力するA/D変換器(サンプリング手段A)、25は時系列データYに基づいて遮断指令を出す絶縁劣化診断器である。
なお、図ではゼロ相電流波形という具合に1個で代表して表記しているが、実際には、三相のゼロ相電流波形を対象としていることは言うまでもない。
また、図では三相ゼロ相電流波形としているが、単相のゼロ相電流波形でも同様の効果があることも言うまでもない。
図5は絶縁劣化診断器25の詳細な構成を示す構成図である。図において、26はA/D変換器24から出力された時系列データYに基づいてゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換を演算する短時間フーリエ変換演算器(演算手段)、27,28,29はそれぞれ短時間フーリエ変換演算器26から出力された結果で、1,2,…,j個の周波数と1,2,…,Mの時間で表現される。それぞれ周波数1(27),周波数2(28),周波数j(29)と呼ぶ。
48は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数1(27)の尖度を演算する尖度演算器1(演算手段)、49は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数2(28)の尖度を演算する尖度演算器2(演算手段)、50は短時間フーリエ変換演算器26から出力された周波数j(29)の尖度を演算する尖度演算器j(演算手段)である。なお、この尖度演算器はj個設定しておく。
33は正常に電流が投入された場合の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の分散を記憶する設定器1、34は尖度演算器1(48)により演算されたゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の尖度と設定器1(33)に記憶された、正常時の短時間フーリエ変換の周波数1(27)の尖度を比較する比較器1(比較手段)である。
35は正常に電流が投入された場合の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の尖度を記憶する設定器2、36は尖度演算器2(49)により演算されたゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の尖度と、設定器2(35)に記憶された正常時の短時間フーリエ変換の周波数2(28)の尖度を比較する比較器2(比較手段)である。
37は正常に電流が投入された場合の周波数j(29)の分散を記憶する設定器j、38は尖度演算器j(50)により演算されたゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数j(29)の尖度と、設定器j(37)に記憶された正常時の短時間フーリエ変換の周波数j(29)の尖度を比較する比較器j(比較手段)である。
なお、図では周波数1(27),周波数2(28),周波数j(29)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の周波数が得られる。同様に、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の比較器が必要である。また、設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)という具合に3個で代表して表記しているが、実際にはj個の設定器が必要である。
39は比較器1(34),比較器2(36),…,比較器j(38)において正常に電流が投入された場合の許容パターンを記憶する設定器Mである。40は比較器1(34),比較器2(36),…,比較器j(38)の比較結果と設定器Mに記憶された正常時の許容パターンを比較する比較器(比較手段)、41は比較器40の比較結果に基づいて遮断指令を出力する遮断指令発生器(遮断指令出力手段)である。
次に、本実施例の動作について説明する。
まず、電流変換器で測定されたゼロ相電流波形をA/D変換器24が所定時間ごとにサンプリングしてアナログ・ディジタル変換し、複数個の時系列データY(i=1,2,…,N)を出力する。
そして、複数個の時系列データYが絶縁劣化診断器25に入力されると、絶縁劣化診断器25における短時間フーリエ変換演算器26が以下に示すように、時系列データYが短時間区間に分割する。
次に観測信号Yi(x)を適当な個数に分割する。この分割した観測信号を短時間区間yi n(x)と呼ぶ。
短時間区間の長さをウインド幅と呼びR(個)とする。分割する際に時間軸に沿ってずらす幅を時間シフトと呼びL(個)とする。分割された短時間区間の数MはM=N/L+1とする。
i n(x)…Yy(x),x
=(n−1)R/2〜(n+1)(R/2)…1,n=0,1,…,M−1 …(1)
例えば、N=4096,R=1024,L=512とすると、M=9となる。従って、短時間区間は9個できて、下記のようにyi 0(x),yi 1(x),yi 2(x),…yi 8(x)が得られる。
Figure 2005102351
i 0(x),yi 8(x)の場合、Yi (-512)〜Yi (-1),〜Yi (4096)〜Yi (4607)の数値は存在しない。従って、どのような値を定義してもかまわない。適当な数値定義をしておく。
そこで、Yi (-512)〜Yi (-1),〜Yi (4096)〜Yi (4607)は、例えば次のように定義する。
i (-512)〜Yi (-1)=0,Yi (4096)〜Yi (4607)=0
それぞれの短時間区間yi n(x)におけるフーリエ変換φi n(f)を計算する。短時間区間yi n(x)についてのフーリエ変換を短時間フーリエ変換と呼ぶ。短時間フーリエ変換は次式を計算することになる。
φi n(f),f=k/(2ST)[Hz],k=0〜S−1,n=0〜M …(2)
ここで、フーリエ変換はナイキスト周波数1/(2T)[Hz]をS個に離散的サンプルした分解能を持つフーリエ変換である。
次に、短時間フーリエ変換演算器は分割された短時間区間のデータに対して、短時間フーリエ変換を演算する。短時間フーリエ演算結果は周波数1,2,…,jで示される。
Figure 2005102351
短時間フーリエ変換結果は周波数1,2,…,j出も止められると、絶縁劣化診断器25における尖度演算器1(48),尖度演算器2(49),尖度演算器j(50)が、以下に示すように、周波数1,2,…,jの各尖度μ4 1,μ4 2,…,μ4 jを演算する。
Figure 2005102351
そして、尖度演算器1(48),尖度演算器2(49),尖度演算器j(50)により尖度μ4 1,μ4 2,…,μ4 jが演算されると、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)が、ゼロ相電流波形が正常であるときの、短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの尖度を設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)から入力し、その演算されたμ4 1,μ4 2,…,μ4 jと正常時の各周波数1,2,…,jの尖度を比較する。
ここで、設定器1(33),設定器2(35),設定器j(37)には、ゼロ相電流波形が正常であるときの、短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの尖度が記憶されているが、外部の装置(図示せず)が演算した正常時の尖度を記憶するようにしてもよいことは言うまでもない。
そして、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)は演算されたμ4 1,μ4 2,…,μ4 jと正常時の尖度を比較した結果、例えば、演算されたμ4 1,μ4 2,…,μ4 jが正常時の尖度の3倍を超えた時、異常と判定し、比較器M(40)に出力する。
ここで、ゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの尖度が、電流投入状態の正常・異常が区別できる理由を簡単に説明すると、ゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jは相当周波数ごとのフィルタになっており、フィルタをかけた時系列データの尖度は、正常の場合、ある値のまわりに分布する。異常になると、特定の周波数、あるいは全部の周波数の尖度が正常の場合の尖度からずれる。このずれ方は、異常な電流投入のされ方に依存するので、尖度を比較することで正常・異常を判別することができる。
そして、比較器M(40)は、比較器1(34),比較器2(36),比較器j(38)の判定結果と正常時にあらかじめ定められた各周波数ごとの正常・異常パターンを比較して最終的な判定を決定する。この判定は、対象に応じて、設定器M(39)に格納しておく。例えば、一番単純な設定基準は、各周波数が1つでも異常なら、最終判断は異常であるという設定である。
そして、最後に、比較器M(40)が異常と判断すると、遮断指令発生器(遮断指令発生手段)41が、遮断器の起動および異常電流が投入されたことを明らかにすべく、表示装置(図示せず)に異常が発生した旨を表示し、あるいはプラントを監視する監視装置(図示せず)等に異常が発生した旨を示す信号等を出力し、一連の処理を終了する。
以上より、実施例4によれば、正常・異常を判断する指標となり得るゼロ相電流波形の短時間フーリエ変換の周波数1,2,…,jの尖度に基づいて電流投入の正常・異常を判断するように構成したので、短時間に判定できる。
本発明の一実施例の絶縁劣化診断装置の構成図。 図1の絶縁劣化診断器の構成図。 図1の絶縁劣化診断器の他の構成図。 図1の絶縁劣化診断器のさらに他の構成図。 図1の絶縁劣化診断器の別の構成図。 従来の絶縁診断装置の構成図。
符号の説明
1…遮断器、2…三相母線U相電線、3…三相母線V相電線、4…三相母線W相電線、5…三相母線U相のカップリングコンデンサ、6…三相母線V相のカップリングコンデンサ、7…三相母線W相のカップリングコンデンサ、8…診断対象、9…検出器、10…エミッタフォロワ、11…同軸ケーブル、12…切り替えスイッチ、13…バイパスフィルタ、14…部分放電測定器、15…波高弁別計数率計、16…レコーダ、17…スペクトルアナライザ、18…オシロスコープ、19…X−Yプロッタ、20…ゼロ相電流波形、21…警報発生器、22…フィルタ、23…増幅器、24…A/D変換器、25…絶縁劣化診断器、26…担持環スペクトル、27…周波数1、28…周波数2、29…周波数j、30…平均演算器1、31…平均演算器2、32…平均演算器j、33…設定器1、34…比較器1、35…設定器2、36…比較器2、37…設定器j、38…比較器j、39…設定器M、40…比較器M、41…遮断指令発生器、42…分散演算器1、43…分散演算器2、44…分散演算器j、45…歪度演算器1、46…歪度演算器2、47…歪度演算器j、48…尖度演算器1、49…尖度演算器2、50…尖度演算器j。

Claims (1)

  1. ゼロ相電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段により検出された電流信号を所定時間ごとにサンプリングし、複数個の時系列データを出力するサンプリング手段と、前記サンプリング手段から出力された電流信号の短時間フーリエ変換を演算する第1演算手段と、前記第1演算手段により演算された1からMまでの各周波数ごとの平均値を演算する第2演算手段と、前記第2演算手段により演算された1からMまでの各周波数ごとの平均値と前記電流検出手段により検出された電流信号が正常であるときの1からMまでの各周波数ごとの平均値,分散値,歪度,尖度のいずれかを比較する第1比較手段と、前記第1比較手段の比較結果に基づいて電流の状態を出力する第2比較手段と、前記第2比較手段の比較結果に基づいて警報を出力する警報出力手段とを備えたことを特徴とする絶縁劣化診断装置。

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