JP3566788B2 - 交差偏波間補償装置 - Google Patents

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  • Radio Transmission System (AREA)

Description

【0001】
(目次)
発明の属する技術分野
従来の技術(図23〜図26)
発明が解決しようとする課題(図26,図27)
課題を解決するための手段(図1〜図3)
発明の実施の形態
(a)第1実施形態の説明(図4〜図8)
(b)第2実施形態の説明(図9〜図17)
(c)第3実施形態の説明(図18〜図22)
発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交差偏波間補償装置に関し、特に、ディジタル多重無線などのディジタル無線伝送方式に用いて好適な、交差偏波間補償装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来より、マイクロ波や準ミリ波などを用いた無線伝送方式では、単一偏波で伝送する場合に比べ周波数の利用効率が高いことに着目して、同一周波数帯で互いに直交する偏波面〔垂直(V)偏波と水平(H)偏波〕を用いて信号を伝送する交差偏波共用技術が実用化されている。
【0004】
図23は従来の一般的な交差偏波を用いた無線伝送方式における送信側,受信側の構成の一例を示すブロック図で、この図23において、100は送信側、200は受信側で、送信側100は、それぞれV偏波,H偏波用の変調部(MOD)101A,101B,送信部(TX)102A,102Bと、これらのV偏波,H偏波を合波するハイブリッド(H)103と、送信アンテナ104とを有する一方、受信側200は、受信アンテナ201と、この受信アンテナ201で受信した受信偏波信号をV偏波信号,H偏波信号に2分波するハイブリッド(H)202と、V偏波,H偏波用の受信部(RX)203A,203B,復調部(DEM)204A,204Bとを有して構成されている。
【0005】
これにより、送信側100では、変調部(MOD)101A,送信部(TX)102AでQAM(Quadrature Amplitude Modulation) などの所要の変調処理が施されたデータ(DATA)をV偏波、変調部(MOD)101B,送信部(TX)102Bで同一周波数でV偏波と互いに交差するよう所要の変調処理が施されたデータをH偏波とし、これらのV偏波,H偏波をハイブリッド(H)103で合波して送信アンテナ104を通じて送信する一方、受信側200では、送信この側100から送信されてきた送信変調信号を受信アンテナ201で受信し、これをハイブリッド202でV偏波,H偏波に分波し、それぞれを復調部204A,204Bを通じて復調することにより元のデータを再生することができるようになっている。
【0006】
さて、ここで受信側200の復調部204A(204B)による復調方式には、一般に、アナログの送信変調信号を検波することによりこの信号の復調を行なうアナログ復調方式と、送信変調信号をA/D(アナログ/ディジタル)変換器などでディジタル化されたディジタル信号を検波することによりこの信号の復調を行なうディジタル復調方式とがある。
【0007】
図24はこれらの復調方式のうちアナログ復調方式の復調部204A(204B)の構成の一例を示すブロック図であるが、この図24に示す復調部204A(204B)は、ミキサ(MIX)205、ロールオフフィルタ206A,206B,トランスバーサル(TRV)イコライザ208,制御部(CONT)209,ローパスフィルタ210,212,各A/D変換器207A,207B用のクロック(CLK)を供給する電圧制御発振器(CLK VCO) 211,ミキサ205用の局部発振器(LO VCO)213を有して構成されている。
【0008】
ここで、ミキサ205は、受信アンテナ201で受信されたRF(高周波)帯の送信変調信号を受信部203A(203B)でIF(中間周波)信号に周波数変換した受信IF信号を、局部発振器213からの搬送波再生信号を用いて直交検波することにより、周波数変換(ダウンコンバート)して互いに90°位相の異なる2系列のベースバンド信号I,Qを得るもので、実際には、受信IF信号をハイブリッド214により2分波し、それぞれをハイブリッド217で2分波した局部発振器213からの信号と各乗算器215,216で乗算(ミキシング)することにより、各ベースバンド信号I,Qが得られるようになっている。
【0009】
また、各ロールオフフィルタ206A,206Bは、このように得られた各ベースバンド信号I,Qに含まれる雑音成分などをそれぞれ除去するものであり、各A/D変換器207A,207Bは、電圧制御発振器210から供給されるA/D変換用クロックのタイミングに従って、各ベースバンド信号(アナログ信号)I,Qをそれぞれディジタル信号I,Qに変換するものである。なお、各ロールオフフィルタ206A,206Bは、この復調部204A(204B)の出力側、もしくは各A/D変換器207A,207Bの後段に設けられる場合もある。
【0010】
さらに、トランスバーサルイコライザ208は、周知のように、各ディジタル信号I,Qを時間的に遅延させて、過去のデータから現在のデータに含まれる歪み成分(伝送路から受けた歪み)を適応的に推定し、これに基づいて内部のタップ係数を制御することにより、この歪み成分を除去して信号の等化を行なうものである。
【0011】
また、制御部209は、このトランスバーサルイコライザ208の出力からクロック位相のずれ,周波数誤差などの情報を検出し、これに基づいて、電圧制御発振器211,局部発振器213をフィードバック制御するもので、これにより、最適なクロック位相,周波数で周波数変換,A/D変換が行なえるようになっている。つまり、この図24に示す復調部204A(204B)は、いわゆる同期検波方式が採用されている。
【0012】
なお、各ローパスフィルタ210,212は、制御部209で得られた位相ずれ,周波数誤差などの情報(ディジタル値)を積分することにより電圧値に変換して、それぞれを電圧制御発振器211,局部発振器213用の制御電圧として供給するものである。
このような構成により、上述の復調部204A(204B)では、受信IF信号が、局部発振器213からの搬送波再生信号に応じてミキサ205で直交検波(同期検波)を施されることによりダウンコンバートされて各ベースバンドI,Qが得られ、それぞれが、各ロールオフフィルタ206A,206Bで雑音成分などを除去される。
【0013】
そして、各ベースバンド信号I,Qは、各A/D変換器207A,207Bで、制御部209によってフィードバック制御されている電圧制御発振器211からのA/D変換クロックに従って、最適な位相でディジタル信号I,QにA/D変換され、トランスバーサルイコライザ208によって、等化処理が施されてそれぞれがV偏波(H偏波)の受信データとして出力される。
【0014】
次に、図25はディジタル復調方式を用いた場合の復調部204A(204B)の構成の一例を示すブロック図であるが、この場合は、ダウン(DOWN)コンバータ221,A/D変換器222,ディジタル式直交検波部223,ロールオフフィルタ224A,224B,トランスバーサル(TRV)イコライザ225,制御部(CONT)226,ローパスフィルタ227,228,A/D変換器222用のクロック(CLK)を供給する電圧制御発振器(CLK VCO) 229,ダウンコンバータ221用の局部発振器(LO VCO)230を有して構成されている。
【0015】
ここで、ダウンコンバータ221は、受信アンテナ201で受信されたRF信号を、局部発振器230からの搬送波再生信号を用いてIF(中間周波)信号に周波数変換(ダウンコンバート)するもので、通常、1つのミキサ(乗算器)で構成される。また、A/D変換器222は、この受信IF信号を電圧制御発振器210から供給されるA/D変換用のタイミングクロックに従ってディジタル信号に変換するものである。
【0016】
さらに、ディジタル式直交検波部223は、サイン(sin)波,コサイン(cos)波の3角関数信号を用いてA/D変換器222で得られたディジタル信号に対して直交検波を施すことにより、周波数変換を施すとともに互いに90°位相の異なる2系列のベースバンド帯のディジタル信号I,Qを得るものであり、各ロールオフフィルタ224A,224Bは、このように得られた各ディジタル信号I,Qに含まれる雑音成分などをそれぞれ除去するものである。
【0017】
なお、トランスバーサルイコライザ225,制御部226,各ローパスフィルタ227,228,電圧制御発振器227,局部発振器230は、それぞれ図24により前述したトランスバーサルイコライザ208,制御部209,各ローパスフィルタ210,212,電圧制御発振器211,局部発振器213と同様のものであり、この場合も、同期検波方式が採用されている。
【0018】
このような構成により、このディジタル復調方式の復調部204A(204B)では、送信側100の変調部101A(101B)で、例えば、中心周波数fLOをもった搬送波信号を用いて変調を施された変調波(受信IF信号)が、ダウンコンバータ221によって、A/D変換器222によるA/D変換が可能なクロック周波数(中心周波数fCLK )にまでダウンコンバートされる。
【0019】
そして、この受信IF信号は、A/D変換器222で、制御部226によってフィードバック制御されている電圧制御発振器229からのA/D変換用のタイミングクロックに従って、最適な位相でディジタル信号にA/D変換され、ディジタル式直交検波部223で直交検波を施されることによって、互いに位相の90°異なるベースバンド帯のディジタル信号I,Qが得られる。
【0020】
具体的に、このディジタル式直交検波部223では、A/D変換器222からのディジタル信号をIFIN,クロック位相をθとして、このθを電圧制御発振器229のクロック速度で1周期変化させることにより、
I=IFIN×cosθ
Q=IFIN×sinθ
の各演算によって、ディジタル信号I,Qが得られるようになっている。
【0021】
例えば、A/D変換器222の変換レートをクロック速度の4倍とすると、θは、0°→90°→180°→270°→0°→90°→・・・・・というように繰り返されることになる。従って、各ディジタル復調信号I,Qは、θ=0°のときにI=IFIN,Q=0となり、θ=90°のときにI=0,Q=IFINとなり、θ=180°のときにI=−IFIN,Q=0となり、θ=270°のときにI=0,Q=−IFINとなる。
【0022】
その後、これらの各ディジタル信号I,Qは、各ロールオフフィルタ206A,206Bで雑音成分などを除去されたのち、トランスバーサルイコライザ208によって、等化処理が施されてV偏波(H偏波)の受信データとして出力される。
つまり、このディジタル復調方式を用いた復調部204A(204B)は、A/D変換器222以降の処理を全てディジタルで行なうことにより、その大部分をディジタル化できるようになっているのである。
【0023】
ところで、図23により前述したような交差偏波共用技術を用いた無線伝送方式では、V偏波,H偏波の両偏波間の分離度(XPD:Cross Polarization Discrimination)の良いことが要求される。
しかし、空間などの伝搬路において、例えば、マイクロ波帯ではマルチパスフェージング、準ミリ波以上では降雨滴の傾きなどが原因で、本来、V偏波(H偏波)のみである信号にH偏波(V偏波)が干渉して、このXPDが劣化してしまうので、一般的に、図23に示すように、各復調部204A,204B間で互いにV偏波,H偏波の遣り取りを行なうことによって、XPDの劣化を補償する交差偏波間干渉補償が行なわれている。
【0024】
図26はこの交差偏波間干渉補償を行なう場合に用いられるアナログ復調方式の復調部の構成の一例を示すブロック図で、この図26において、図24中に示す符号と同一符号を付したものはそれぞれ図24により前述したものと同様のものであるが、この図26に示す復調部204A(204B)は、A/D変換器207A,207BでA/D変換する前のアナログのV偏波(H偏波)信号(ベースバンド信号I,Q)を異偏波であるH偏波(V偏波)用の復調部204B(204A)へ交差偏波間干渉補償用の信号として出力するとともに、H偏波(V偏波)用の復調部204BからのH偏波(V偏波)信号を自己での交差偏波間干渉補償用の信号として受けるようになっている。
【0025】
これにより、この復調部204A(204B)では、各H偏波(V偏波)信号をそれぞれA/D変換器231A,231BによってA/D変換し、これにより得られたディジタルのH偏波(V偏波)信号を、交差偏波間干渉補償部(XPIC)232へ供給することにより、V偏波(H偏波)信号に干渉成分として混入しているH偏波(V偏波)信号(交差偏波間干渉)が交差偏波間干渉補償部232で検出される。
【0026】
そして、交差偏波間干渉補償部232は、検出した交差偏波間干渉に基づいて、この交差偏波間干渉を補償するための補償信号をそれぞれ加算部233の各加算器234,235へ出力することにより、各補償信号とトランスバーサルイコライザ208の出力とが加算部233で加算され、この交差偏波間干渉が補償される。
【0027】
なお、交差偏波間干渉補償部232は、一般的に、トランスバーサルイコライザ208の一種であるFIRフィルタなどで構成され、交差偏波間干渉の量に応じて内部のタップ係数を変化させることにより、各補償信号を生成するようになっている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図26により上述したような交差偏波間干渉を補償するアナログ復調方式の復調部204A(204B)では、ディジタル化できる部分がトランスバーサルイコライザ208,交差偏波間補償部232など非常に限られた部分のみであるので、回路の小型化や低コスト化などには非常に不利であるという課題がある。
【0029】
また、上述のような交差偏波間干渉補償を行なうためには、各復調部204A,204Bの間で遣り取りされる異偏波側からの補償用の偏波信号が空間での干渉時と同期している必要がある。
図27は図23に示す構成において、いわゆるコチャンネル伝送(V偏波,H偏波の両偏波使用の伝送)を行なう場合の周波数関係の一例を示す図で、この図27において、図23中に示す符号と同一符号が示す部分はそれぞれ図23により前述したものと同様のものであり、105A,105B,106A,106B,241A,241B,242A,242Bはいずれも電圧制御型の局部発振器である。
【0030】
ここで、送信側100において、各局部発振器105A,105Bは、それぞれベースバンド帯の送信データ(V偏波,H偏波)をIF信号に周波数変換(アップコンバート)する〔図27中の関数(21),関数(26)参照〕際に用いられる搬送波信号(中心周波数fV1,fH1)を各変調部(MOD)101A,101Bに供給するものであり、各局部発振器106A,106Bは、それぞれ各変調部101A,101BからのIF信号をさらにRF信号にアップコンバートする〔関数(22),関数(27)参照〕際に用いられる搬送波信号を各送信部(RX)102A,102Bへ供給するものである。
【0031】
一方、受信側200において、各局部発振器241A,241Bは、受信アンテナ201で受信されたRF信号〔V偏波,H偏波:関数(23),関数(28)参照〕をIF信号にダウンコンバートする〔関数(24),関数(29)参照〕際に用いられる搬送波再生信号(中心周波数fV3,fH3)をそれぞれ受信部(RX)203A,203Bに供給するものであり、各局部発振器242A,242Bは、それぞれ受信部203A,203BからのIF信号をさらにベースバンド信号にダウンコンバートする〔関数(25),関数(30)参照〕際に用いられる搬送波再生信号(中心周波数fV4,fH4)を各復調部204A,204Bに供給するものである。
【0032】
つまり、各局部発振器242A,242Bは、図24又は図25に示す復調部204A(204B)の局部発振器(LO VCO)213又は230に相当する。
なお、この場合は、説明の便宜上、H偏波→V偏波の片側のみに干渉が生じていることを想定しており、干渉の度合いを示す係数をα,変調波を表す関数をV(),H()として表している。
【0033】
さて、ここで、交差偏波間干渉補償を行なうためには、図27中の関数(25),関数(30)より、
H(fH1+fH2−fV3−fV4)=H(fH1+fH2−fH3−fH4
すなわち、
V3+fV4=fH3+fH4 ・・・(1)
が条件となる。ここで、送信側100と受信側200とで搬送波が同期するということは、
V1+fV2−fV3−fV4=0 ・・・(2)
H1+fH2−fH3−fH4=0 ・・・(3)
であるから、式(2)より
V1+fV2=fV3+fV4 ・・・(4)
式(3)より
H1+fH2=fH3+fH4 ・・・(5)
が得られる。 式(1)に式(4),式(5)を代入すると、
V1+fV2=fH1+fH2 ・・・(6)
と表せる。従って、送信側100で、各局部発振器105A,105B,106A,106Bを調整することにより、上述のような搬送波の同期を取ることができるようになる。
【0034】
ところが、このように、搬送波の同期を各局部発振器105A,105B,106A,106Bによって取ることは、非常にコストがかかってしまうだけでなく、この同期が外れてしまった場合にその微調整を行なうといったメンテナンス上でも非常に不利になってしまうという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、交差偏波間干渉補償を行なう復調部にディジタル復調方式を適用することにより、この復調部のLSI化を可能にし、小型化,経済化を図ることができるようにした、交差偏波間補償装置を提供することを第1の目的とする。
【0035】
また、本発明は、送信変調時に送信側で同期を取らなくとも、容易に交差偏波間干渉補償を行なえるようにした、交差偏波間補償装置を提供することを第2の目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
図1は第1の発明の原理ブロック図で、この図1において、1Aは周波数変換部、2Aはアナログ/ディジタル変換器、3Aはディジタル式直交検波部、4Aはディジタル式等化部、5Aはディジタル式交差偏波間補償部、6Aは加算部である。
【0037】
ここで、周波数変換部1Aは、受信された互いに交差する2つの偏波のうちの一方の偏波信号について周波数変換を施すものであり、アナログ/ディジタル変換器2Aは、周波数変換部1Aで周波数変換された上記一方の偏波信号をディジタル信号に変換するものであり、ディジタル式直交検波部3Aは、アナログ/ディジタル変換器2Aでディジタル信号に変換された上記一方の偏波信号を検波して2系列からなる直交検波信号I,Qを得るものである。
【0038】
また、ディジタル式等化部4Aは、直交検波部3Aの出力について等化処理を施すものであり、ディジタル式交差偏波間補償部5Aは、上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の偏波信号を周波数変換したあとで且つディジタル式直交検波部3Aにて検波される前の状態の信号をディジタル信号として受けてディジタル式等化部4Aの出力を補償するための信号を出力するものであり、加算部6Aは、ディジタル式等化部4Aの出力とディジタル式交差偏波間補償部5Aの出力とを加算するものである。
【0039】
これにより、本発明では、受信された互いに交差する2つの偏波のうちの一方の偏波信号について周波数変換してから、これをアナログ/ディジタル変換器2Aでディジタル信号に変換したのち、ディジタル復調部(ディジタル式直交検波部3A)にて検波するとともに、上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の偏波信号を周波数変換したあとで且つディジタル式復調部にて検波される前の状態の信号をディジタル式交差偏波間補償部5Aへ供給し、更に、この交差偏波間補償部5Aの出力で一方の偏波信号用の上記ディジタル式復調部の出力を補償することができる。
【0040】
また、このとき、交差偏波間補償部5Aへ入力される信号としては、上記の他方の偏波信号を周波数変換したあとのアナログ信号を使用してもよく、上記の他方の偏波信号を周波数変換し更にこれをアナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換したあとのディジタル信号を使用してもよい。
【0041】
そして、交差偏波間補償部5Aへ入力される信号として、上記の他方の偏波信号を周波数変換したあとのアナログ信号が使用される場合においては、ディジタル式交差偏波間補償部5Aの前段に、周波数変換部1Aで周波数変換された上記一方の偏波信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器2Aと作動クロックが同期するアナログ/ディジタル変換器が設けられる。
【0042】
一方、交差偏波間補償部5Aへ入力される信号として、上記の他方の偏波信号を周波数変換し更にこれをアナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換したあとのディジタル信号が使用される場合においては、ディジタル式交差偏波間補償部5Aの前段に、アナログ/ディジタル変換器2Aの作動クロックと同じクロックを受けて動作し、上記ディジタル信号を受けて両偏波間のクロック位相の不確定性を除去するためのメモリが設けられる。
【0043】
なお、上記のディジタル式直交検波部3A,ディジタル式等化部3B,ディジタル式交差偏波間補償部6B及び加算部7Bは、いずれもディジタル信号を入力としているので、LSI化することができる。
次に、図2は第2の発明の原理ブロック図で、この図2において、1Bはアナログ式直交検波部、2Bは第1アナログ/ディジタル変換器、3Bはディジタル式等化部、4Bは第2アナログ/ディジタル変換器、5Bは位相回転部、6Bはディジタル式交差偏波間補償部、7Bは加算部、8Bは制御部である。
【0044】
ここで、アナログ式直交検波部1Bは、送信変調時に同期をとらないで送信されてきた互いに交差する2つの偏波のうちの一方の受信偏波信号について周波数変換を施すとともに上記一方の受信偏波信号を検波して2系列からなる直交検波信号I,Qを得るものであり、第1アナログ/ディジタル変換器2Bは、この直交検波部1Bで得られた2系列からなる直交検波信号I,Qをそれぞれディジタル信号に変換するものでり、ディジタル式等化部3Bは、第1アナログ/ディジタル変換器2Bでディジタル信号に変換された上記2系列からなる直交検波信号I,Qについて等化処理を施すものである。
【0045】
また、第2アナログ/ディジタル変換器4Bは、上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の受信偏波信号をアナログ式直交検波部1Bにて2系列からなる直交検波信号I,Qとして検波したあとで且つ第1アナログ/ディジタル変換器2Bでディジタル信号に変換する前の状態の信号をそれぞれディジタル信号に変換するとともに、第1アナログ/ディジタル変換器2Bと作動クロックが同期するものである。
【0046】
さらに、位相回転部5Bは、この第2アナログ/ディジタル変換器4Bからの出力について、位相回転を施すことにより、周波数補正を施すものであり、ディジタル式交差偏波間補償部6Bは、位相回転部5Bの出力を受けてディジタル式等化部3Bの出力を補償するための信号を出力するものであり、加算部7Bは、ディジタル式等化部3Bの出力とディジタル式交差偏波間補償部6Bの出力とを加算するものである。
【0047】
また、制御部8Bは、ディジタル式交差偏波間補償部6Bの入力情報と加算部7Bの出力情報とに基づいて、位相回転部5Bを制御するものである。
これにより、本発明では、送信変調時に同期をとらないで送信されてきた互いに交差する2つの偏波のうちの一方の受信偏波信号について、直交検波部1Bで周波数変換及び検波を施すとともに、上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の受信偏波信号を周波数変換したあとの信号について、位相回転部5Bで位相回転を施すことにより、周波数補正を施してから、この補正後の信号を交差偏波間補償部6Bへ供給し、更に交差偏波間補償部6Bの出力で一方の偏波信号用のディジタル式復調部(直交検波部1B,第1アナログ/ディジタル変換器2B,ディジタル式等化部3B)の出力を補償することができる。
【0048】
なお、このとき、直交検波部1Bは、同期検波部として構成してもよく、第1アナログ/ディジタル変換器2Bからの出力について、位相回転を施すことにより、周波数補正を施す位相回転部をさらにそなえることにより、この位相回転部と直交検波部1Bとで準同期検波部を構成するようにしてもよい。
【0049】
また、具体的に、上述の制御部8Bは、ディジタル式交差偏波間補償部6Bの入力ついての極性情報と加算部7Bの出力についての誤差情報とから、位相回転部5Bを制御するための位相ずれ情報を求めて、これを位相回転部制御信号として出力するように構成してもよく、ディジタル式交差偏波間補償部6Bの入力についての極性情報と加算部7Bの出力についての誤差の極性情報との排他的論理和情報から、位相回転部5Bを制御するための位相ずれ情報を求めて、これを位相回転部制御信号として出力するように構成してもよい。
【0050】
次に、図3は第3の発明の原理ブロック図で、この図3において、1Cは周波数変換部、2Cはアナログ/ディジタル変換器、3Cはディジタル式直交検波部、4Cはディジタル式等化部4C、5Cは位相回転部、6Cはディジタル式交差偏波間補償部、7Cは加算部、8Cは制御部である。
ここで、周波数変換部1Cは、送信変調時に同期をとらないで送信されてきた互いに交差する2つの偏波のうちの一方の受信偏波信号について周波数変換を施すものであり、アナログ/ディジタル変換器2Cは、周波数変換部1Cで周波数変換された上記一方の受信偏波信号をディジタル信号に変換するものであり、ディジタル式直交検波部3Cは、アナログ/ディジタル変換器2Cでディジタル信号に変換された上記一方の受信偏波信号を検波して2系列からなる直交検波信号I,Qを得るものである。
【0051】
また、ディジタル式等化部4Cは、直交検波部3Cの出力について等化処理を施すものであり、位相回転部5Cは、上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の受信偏波信号を周波数変換したあとで且つディジタル式直交検波部3Cにて検波される前の状態の信号をディジタル信号として受けて、これに位相回転を施すことにより、周波数補正を施すものであり、ディジタル式交差偏波間補償部6Cは、位相回転部5Cの出力を受けて、ディジタル式等化部4Cの出力を補償するものである。
さらに、加算部7Cは、ディジタル式等化部4Cの出力とディジタル式交差偏波間補償部6Cの出力とを加算するものであり、制御部8Cは、ディジタル式交差偏波間補償部6Cの入力情報と加算部7Cの出力情報とに基づいて、位相回転部5Cを制御するものである。
【0052】
また、この場合も、位相回転部5Cへ入力される信号として、上記の他方の偏波信号を周波数変換したあとのアナログ信号が使用される場合においては、位相回転部5Cの前段に、周波数変換部1Cで周波数変換された上記一方の受信偏波信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器2Cと作動クロックが同期するアナログ/ディジタル変換器が設けられる。
【0053】
一方、位相回転部5Cへ入力される信号として、上記の他方の受信偏波信号を周波数変換し更にこれをアナログ/ディジタル変換器2Cでディジタル信号に変換したあとのディジタル信号が使用される場合においては、位相回転部5Cの前段に、アナログ/ディジタル変換器2Cの作動クロックと同じクロックを受けて動作し、上記ディジタル信号を受けて両偏波間のクロック位相の不確定性を除去するためのメモリが設けられる。
【0054】
なお、この場合も、上記のディジタル式直交検波部3C,ディジタル式等化部4C,位相回転部5C,ディジタル式交差偏波間補償部6C及び加算部7Cは、いずれもディジタル信号を入力とするので、LSI化することができる。
また、上述の第3の発明では、周波数変換部1Cによる周波数変換が検波後の出力をフィードバックすることにより行なわれる同期検波方式を採用してもよく、周波数変換部1Cによる周波数変換が検波後の出力をフィードバックしない準同期検波方式を採用してもよい。
【0055】
さらに、この場合も、上述の制御部8Cは、ディジタル式交差偏波間補償部6Cの入力ついての極性情報と加算部7Cの出力についての誤差情報とから、位相回転部5Cを制御するための位相ずれ情報を求めて、これを位相回転部制御信号として出力するように構成してもよく、ディジタル式交差偏波間補償部6Cの入力についての極性情報と加算部7Cの出力についての誤差の極性情報との排他的論理和情報から、位相回転部5Cを制御するための位相ずれ情報を求めて、これを位相回転部制御信号として出力するように構成してもよい。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(a)第1実施形態の説明
図4は本発明の第1実施形態としての交差偏波間補償装置が適用される無線装置の受信部の構成を示すブロック図で、この図4において、11は送信側(図示略)でV偏波,H偏波独立に所要の変調を施された送信変調信号(RF信号)を受信する受信アンテナ、12は受信アンテナで受信された送信変調信号をV偏波,H偏波に2分波するハイブリッド(H)、13A,13Bはそれぞれ受信RF信号をIF信号(中心周波数fVM,fHM)にダウンコンバートするなどの所要の処理を行なう受信部(RX)である。
【0057】
また、14A,14Bはそれぞれ復調部(交差偏波間補償装置)であり、本実施形態では、復調部14AがV偏波用、復調部14BがH偏波用として用いられるが、いずれも、ダウンコンバータ(DOWN CON)141,電圧制御型の局部発振器(LO VCO)142,A/D(アナログ/ディジタル)変換器143,144,各A/D変換器143,144へのクロック再生用の電圧制御発振器(CLK VCO) 145,検波周波数fVCLK,又はfVCLKで検波を施すディジタル式復調部(DEM)146,同じく検波周波数fVCLK,又はfVCLKで検波を施すディジタル式の交差偏波補償用復調部(XPIC)147,加算部148を有して構成されている。
【0058】
ここで、以下、この場合の局部発振器142,電圧制御発振器145の各周波数の同期関係について詳述する。
まず、この図4中に▲1▼〜▲6▼で示す時点での変調波の中心周波数はそれぞれ次のように表される。
▲1▼・・・fVM−fVLO
▲2▼・・・fVM−fVLO −fVCLK
▲3▼・・・fHM−fHLO
▲4▼・・・fHM−fHLO −fHCLK
▲5▼・・・fHM−fHLO −fVCLK
▲6▼・・・fVM−fVLO −fHCLK・・・・・・(7)
一方、空間で干渉した干渉波の周波数▲1▼′〜▲4▼′はそれぞれ次のように表される。
【0059】
▲1▼′・・・fHM−fVLO
▲2▼′・・・fHM−fVLO −fVCLK
▲3▼′・・・fVM−fHLO
▲4▼′・・・fVM−fHLO −fHCLK・・・・・・(8)
ここで、交差偏波補償用検波部147で、交差偏波干渉補償を行なうためには、
▲5▼=▲2▼′・・・(9)
▲6▼=▲4▼′・・・(10)
が必要になる。
【0060】
ところで、復調部14A,14Bの搬送波が同期するということは、▲2▼=0,▲4▼=0なので、
VLO =fVM−fVCLK ・・・(11)
HLO =fHM−fHCLK ・・・(12)
となる。また、本実施形態では、送信側でV偏波信号とH偏波信号との同期を取るため、
VM=fHM・・・(13)
となる。従って、式(9),式(11)〜式(13)より、
HCLK=fVCLK ・・・(14)
が得られる。すなわち、各復調部14A,14Bでの交差干渉補償の条件として、V偏波,H偏波のクロックの同期が必要となることがわかる。なお、式(10)〜式(13)からも、同様の結果が得られる。
【0061】
図5はこのような理論に基づいて構成されたV偏波用の復調部14Aの詳細構成を示すブロック図で、この図5に示すように、上述のディジタル式復調部146は、ディジタル式直交検波部152A,ロールオフフィルタ153A,154A,トランスバーサル(TRV)イコライザ155を有して構成され、ディジタル式の交差偏波補償用復調部147は、ディジタル式復調部146が有するものと同様のディジタル式直交検波部152B,ロールオフフィルタ153B,154Bを有するほか、FIRフィルタなどを用いたディジタル式交差偏波間補償部(XPIC)156を有して構成されている。
【0062】
また、加算部148は、後述するごとくディジタル式直交検波部152により得られるディジタル復調信号I,Qに対応して2つの加算器157,158を用いて構成されている。なお、149は制御部(CONT)、150,151はローパスフィルタであるが、それぞれ図4では図示を省略している。また、H偏波用の復調部14Bはこの復調部14Aと同様の構成である。
【0063】
さてここで、この図5において、ダウンコンバータ(周波数変換部)141は、電圧制御発振器145から供給される搬送波再生信号(中心周波数fvlo )に応じて、受信アンテナ11で受信された互いに交差する2つの偏波(V偏波,H偏波)のうちの一方の偏波信号(V偏波信号)について周波数変換(ダウンコンバート)を施すものであり、A/D(アナログ/ディジタル)変換器143は、電圧制御発振器145から供給されるタイミングクロック(中心周波数fVCLK)に従って、ダウンコンバータ141でダウンコンバートされたV偏波信号をディジタル信号に変換するものである。
【0064】
また、ディジタル式直交検波部152Aは、3角関数信号(sinθ,cosθ)を用いて、A/D変換器143でディジタル信号に変換されたV偏波信号を検波して2系列からなるディジタル復調信号(直交検波信号)I,Qを得るものであり、各ロールオフフィルタ153,154は、それぞれ得られたディジタル復調信号I,Qに含まれる雑音成分などを除去するものである。
【0065】
さらに、トランスバーサルイコライザ(ディジタル式等化部)155は、各ディジタル復調信号I,Qを時間的に遅延させて、過去のデータから現在のデータに含まれる歪み成分(伝送路から受けた歪み)を適応的に推定し、これに基づいて内部のタップ係数を制御してこの歪み成分を除去することにより、ディジタル式直交検波部152Aの出力について等化処理を施すものである。
【0066】
なお、この場合は、V偏波信号をダウンコンバータ141でダウンコンバートしたあとで且つディジタル式直交検波部152Aにて検波される前の状態の信号、具体的には、V偏波信号をダウンコンバートしたあとのアナログ信号(IF信号)が、H偏波信号に干渉しているV偏波信号を補償する干渉補償用の信号(X
IF)としてH偏波用の復調部14Bへ出力されるようになっている。
【0067】
一方、交差偏波補償用復調部147において、ディジタル式交差偏波間補償部(XPIC)156は、受信アンテナ11で受信されたV偏波,H偏波のうちのH偏波信号(他方の偏波信号)をH偏波(異偏波)用の復調部14Bでダウンコンバートしたあとで且つH偏波用の復調部14Bのディジタル式直交検波部152Aにて検波される前の状態のH偏波信号をディジタル信号として受けて、トランスバーサルイコライザ155の出力を補償するための補償信号IXPIC,QXPICを出力するものである。
【0068】
ところが、この場合は、H偏波用の復調部14BでH偏波信号をダウンコンバートしたあとのアナログ信号が、この復調部14Aのディジタル式交差偏波間補償部156へ入力されるようになっているため、ディジタル式交差偏波間補償部156の前段には、このH偏波信号をディジタル信号に変換するA/D変換器144が設けられる。
【0069】
なお、このA/D変換器144は、A/D変換器143に供給されるA/D変換用のタイミングクロックと同じ電圧制御発振器145からのタイミングクロックを用いて、このH偏波信号をディジタル信号に変換するようになっている。
つまり、この図5に示す復調部14Aは、ディジタル式交差偏波間補償部156へ入力される信号として、H偏波信号をダウンコンバートしたあとのアナログ信号を使用する場合に、V偏波信号をディジタル信号に変換するA/D変換器143と作動クロックが同期するA/D変換器144を設けることにより、容易に、図4により前述したような搬送波同期を取ることができるようにしているのである。
【0070】
また、加算部148は、トランスバーサルイコライザ155の出力とディジタル式交差偏波間補償部156の出力とを加算するもので、実際には、各加算器157,158でトランスバーサルイコライザ155により等化処理を施された各ディジタル復調信号I,Qと、ディジタル式交差偏波間補償部156からの各補償信号IXPIC,QXPICとがそれぞれ加算されるようになっている。
【0071】
なお、制御部149は、加算部148で交差偏波間補償が施されたあとのディジタル復調信号I(Qでもよい)から、周波数誤差,クロック位相のずれなどを検出し、ダウンコンバータ141でのV偏波のダウンコンバート,各A/D変換器143,144でのA/D変換タイミングを、それぞれ最適な周波数,クロック位相で行なえるよう局部発振器142,電圧制御発振器145をフィードバック制御するものである。
【0072】
このような構成により、上述のV偏波用の復調部14Aでは、受信アンテナ11で受信されハイブリッド12で2分波されたV偏波信号,H偏波信号のうちのV偏波信号(中心周波数fVM)が、ダウンコンバータ141で局部発振器142からの搬送波再生信号(中心周波数fVLO )に応じてダウンコンバートされ、このダウンコンバートされたあとのV偏波信号が、H偏波用の復調部14Bのディジタル式交差偏波間補償部(XPIC)156による交差偏波間補償の際に使用される信号として出力される一方、A/D変換器143でディジタル信号に変換されて検波部146へ出力される。
【0073】
そして、ディジタル式復調部146では、このディジタル信号に変換されたV偏波信号が、ディジタル式直交検波部152Aで3角関数信号(sinθ,cosθ)を用いて検波されることによって、2系列のディジタル復調信号I,Qが得られ、それぞれに含まれる雑音成分などが各ロールオフフィルタ153A,154Aで除去されたのち、トランスバーサルイコライザ155で歪みの等化処理を施される。
【0074】
一方、H偏波用の復調部14Bから干渉補償用の信号として送られてくるH偏波用の復調部14Bでダウンコンバートされたあとのアナログ信号(H偏波信号)は、A/D変換器144によって、A/D変換器143と同期した作動クロックでディジタル信号に変換されて交差偏波間補償用復調部147へ出力される。交差偏波間補償用復調部147では、ディジタル式直交検波部152Bによって、A/D変換器144からのディジタル信号に対して直交検波が施されて2系列のディジタル信号が得られ、それぞれの雑音成分などが各ロールオフフィルタ153B,154Bで除去されたのちディジタル式交差偏波間補償部156へ出力される。
【0075】
そして、ディジタル式交差偏波間補償部156では、これらのディジタルH偏波信号からトランスバーサルイコライザ155の出力を補償する、つまり、V偏波信号の干渉成分(H偏波信号)を補償するための補償信号IXPIC,QXPICが生成されて加算部148へ出力される。
この結果、加算部148では、各加算器157,158によって、トランスバーサルイコライザ155からのディジタル復調信号I,Qとディジタル式交差偏波間補償部156からの補償信号IXPIC,QXPICとが加算され、V偏波信号の干渉成分(H偏波信号)が補償される。
【0076】
つまり、本実施形態における復調部(交差偏波間補償装置)14Aでは、受信された互いに交差する2つの偏波(V偏波,H偏波)のうちの一方の偏波信号(V偏波信号)についてダウンコンバートしてから、これをA/D変換器143でディジタル信号に変換したのち、ディジタル式直交検波部152A(ディジタル式復調部)にて検波するとともに、他方の偏波信号(H偏波信号)をダウンコンバートしたあとで且つディジタル式直交検波部152Aにて検波される前の状態の信号をディジタル式交差偏波間補償部156へ供給し、更に、この交差偏波間補償部156の出力(補償信号IXPIC,QXPIC)でV偏波用のディジタル式直交検波部152Aの出力(ディジタル復調信号I,Q)を補償することができるのである。
【0077】
従って、ディジタル式交差偏波間補償部156による交差偏波間補償を含め、A/D変換143,144以降の処理を全てディジタル信号で行なうことができ、これにより、極めて精度高く、交差間偏波干渉の補償を行なうことができるようになる。
また、これにより、ディジタル式直交検波部152,トランスバーサルイコライザ155,ディジタル式交差偏波間補償部156及び加算部148をLSI化することができるようになるので、復調部(交差偏波間補償装置)14A(14B)の小型化、低コスト化にも大いに寄与する。
【0078】
なお、H偏波用の復調部14Bは、このV偏波用の復調部14Aと同様の構成を有しており、H偏波用の復調部14BによるH偏波信号の干渉成分(V偏波信号)の補償も、このV偏波用の復調部14Aと同様にして行なわれる。
(a−1)第1実施形態の変形例の説明
図6は上述の復調部14Aの変形例を示すブロック図であるが、この図6に示すV偏波用の復調部14Aは、V偏波信号をダウンコンバータ141でダウンコンバートし更にこれをA/D変換器143でディジタル信号に変換したあとのディジタル信号を、H偏波信号に干渉しているV偏波信号を補償するための信号としてH偏波用のディジタル式交差偏波間補償部156へ出力する一方、H偏波用の復調部14BでH偏波信号をダウンコンバータ141でダウンコンバートし更にこれをA/D変換器143でディジタル信号に変換したあとのディジタル信号が、V偏波用のディジタル式交差偏波間補償部156へ入力されるようになっている。
【0079】
従って、この図6に示すV偏波用の復調部14Aは、図5に示すA/D変換器144を省略することができ、これにより、さらに復調部14Aの回路規模を削減することができる。なお、この復調部14Aでの詳細な動作は、図5にて前述したのと同様であり、また、H偏波用の復調部14Bの構成,動作もV偏波用の復調部14Aと同様である。
【0080】
さて、ここで、上述のように、V偏波用のディジタル式交差偏波間補償部156へ入力される信号として、H偏波用の復調部14BでH偏波信号をダウンコンバータ141でダウンコンバートし更にこれをA/D変換器143でディジタル信号に変換したあとのディジタル信号を使用することにより、図5に示すA/D変換器144を省略した場合、V偏波信号と異偏波(H偏波)側から送られてくる干渉補償用のH偏波信号との間のクロック位相が不確定であると、各復調部14A,14Bとの間で遣り取りする干渉補償用の偏波信号(ディジタル信号)を送受できなくなる場合がある。
【0081】
そこで、本変形例では、図7に示すように、図5に示すA/D変換器144に代えて、ディジタル式交差偏波間補償部156の前段に、I/Oメモリ(書き込み/読み出しメモリ)161を用いることが考えられる。
ここで、このI/Oメモリ161には、例えば、図8に示すように、4つの入出力ポート162〜165があり、ポート163に入力されるH偏波用の復調部14Bでのクロック(CLK)タイミングに従って、H偏波用の復調部14BからのH偏波信号のデータ(DATA)がポート162を通じてこのメモリ161に書き込まれる(DATA IN)一方、ポート165に入力される電圧制御発振器145からのクロックタイミングに従って、ポート161を通じて書き込まれたH偏波信号のデータがポート164を介して読み出されるようになっている。
【0082】
つまり、このV偏波用の復調部14Aでは、H偏波用の復調部14Bで電圧制御発振器145のタイミングクロックに従ってA/D変換されて送られてきたH偏波信号のデータを、自己(V偏波用の復調部14A)の電圧制御発振器145のタイミングクロックに従って、このI/Oメモリ161から読み出すことにより、V偏波信号と干渉補償用のH偏波信号との間のクロック位相の不確定性を除去することができるようになっている。
【0083】
従って、このように交差偏波間補償部156へ入力される信号として、H偏波用の復調部14BでH偏波信号をダウンコンバートし更にこれをH偏波用のA/D変換器143でディジタル信号に変換したあとのディジタル信号が使用される場合でも、V偏波,H偏波の両偏波間のクロック位相の不確定性を除去することができ、各偏波信号にジッタなどがあっても、安定して確実に、V偏波用,H偏波用の各復調部14A,14B間でのV偏波信号,H偏信号の遣り取りをディジタル信号で行なうことができるようになる。
【0084】
なお、この場合も、H偏波用の復調部14Bは、図7に示す復調部14Aと同様の構成を有しており、このH偏波用の復調部14BによるH偏波信号の干渉成分(V偏波信号)の補償も、V偏波用の復調部14Aと同様にして行なわれる。
(b)第2実施形態の説明
図9は本発明の第2実施形態を示すブロック図であるが、この図9は図27により前述したのと同様に、いわゆるコチャンネル伝送(V偏波,H偏波の両偏波使用の伝送)を行なう場合の周波数関係の一例を示している。この図9において、図26中に示す符号と同一符号が示す部分はそれぞれ図27により前述したものと同様のものであるが、本実施形態では、受信側200に、交差偏波間補償を行なう際にV偏波用,H偏波用の各復調部204A,204B間で遣り取りされる交差偏波補償用の信号について周波数fVX,fHXを用いて周波数補償(補正)を施すローカル補償部166A,166Bが設けられる。
【0085】
つまり、本実施形態では、各復調部204A,204Bでの搬送波同期を、第1実施形態にて前述したように送信側100で取るのではなく、ローカル補償部166A,166Bの各周波数fVX,fHXを用いることにより受信側200で取るようになっている。
なお、便宜上、以下、本実施形態では、ローカル補償部166A,復調部204A,電圧制御発振器242Aからなる部分をV偏波用の復調部16A、ローカル補償部166B,復調部204B,電圧制御発振器242Bからなる部分をH偏波用の復調部16Bとする。
【0086】
図10は上述の復調部16Aの構成を示すブロック図で、この図10において、166はミキサ(MIX)、167A,167Bはそれぞれロールオフフィルタ、168A,168B,170A,170BはそれぞれA/D変換器、169はトランスバーサル(TRV)イコライザ、171は位相回転部、172はディジタル式交差偏波間補償部(XPIC)、173は加算部、176は制御部(CONT)、177〜179はそれぞれローパスフィルタ、180は位相回転部171用の電圧制御発振器(X VCO) 、181は各A/D変換器168A,168B,170A,170Bのためのクロック再生用の電圧制御発振器(CLK VCO) 、182はミキサ166用の電圧制御型の局部発振器(LO VCO)である。なお、局部発振器182は、図9に示す電圧制御発振器242Bに相当する。
【0087】
ここで、ミキサ(アナログ式直交検波部)166は、後述する局部発振器182から供給される搬送波再生信号に応じて、送信側100(図9参照)から送信変調時に同期をとらないで送信されてきた互いに交差する2つの偏波(V偏波,H偏波)のうちの一方の受信偏波信号(例えば、V偏波信号)について周波数変換(ダウンコンバート)を施すとともに、このV偏波信号を検波して2系列からなる直交検波信号(ベースバンド信号)I,Qを得るものである。つまり、このミキサ166は、本実施形態では、同期検波部として構成されていることになる。
【0088】
なお、この場合は、V偏波信号をミキサ166で検波したあとで且つ各A/D変換器168A,168Bでディジタル信号に変換する前の状態の各ベースバンド信号(アナログ信号)I,Qが、H偏波信号に干渉しているV偏波信号を補償するための干渉補償用の信号としてH偏波用の復調部16Bへ出力されるようになっている。
【0089】
また、各ロールオフフィルタ167A,167Bは、これらの各直交検波信号I,Qの雑音成分などを除去するものであり、各A/D変換器168A,168B(第1アナログ/ディジタル変換器)は、後述するクロック再生用の電圧制御発振器181から供給されるA/D変換用のタイミングクロックに従って、ミキサ166で得られた2系列からなる直交検波信号I,Qをそれぞれディジタル信号に変換してディジタル復調信号I,Qを得るものである。
【0090】
さらに、トランスバーサルイコライザ169は、第1実施形態にて前述したものと同様のもので、ディジタル復調信号I,Qを時間的に遅延させて、過去のデータから現在のデータに含まれる歪み成分(伝送路から受けた歪み)を適応的に推定し、これに基づいて内部のタップ係数を制御してこの歪み成分を除去することにより、各A/D変換器168A,168Bで得られたディジタル復調信号I,Qについて等化処理を施すものである。
【0091】
また、各A/D変換器170A,170B(第2アナログ/ディジタル変換器)は、各A/D変換器168A,168Bと同様に、電圧制御発振器181から供給されるA/D変換用のタイミングクロックに従って、つまり、各A/D変換器168A,168Bと作動クロックが同期して、H偏波用の復調部16Bから送られてくるアナログのH偏波信号(他方の受信偏波信号)をディジタル信号に変換するものである。
【0092】
なお、この場合、H偏波用の復調部16BからのH偏波信号としては、H偏波用のミキサ166にて2系列からなる直交検波信号I,Qとして検波したあとで且つH偏波用の各A/D変換器168A,168Bでディジタル信号に変換する前の状態のベースバンド信号(アナログ信号)I,Qが送られてくるようになっている。
【0093】
さらに、位相回転部171は、電圧制御発振器180から供給される3角関数(cosθ,sinθ)に応じて、各A/D変換器170A,170Bの出力について、位相回転を施すことにより、周波数補正を施すもので、本実施形態では、例えば、図11に示すように、乗算器183〜188と入力される信号値に「−1」を乗算することによりその信号値を反転する反転器189とを有して構成され、各A/D変換器170A,170Bから入力されるディジタル信号をそれぞれIIN,QINと表し、出力をIOUT ,QOUT と表した場合に、
OUT =IIN・cosθ−QIN・sinθ・・・(15)
OUT =IIN・sinθ−QIN・cosθ・・・(16)
という演算が施されるようになっており、これにより、入力されたディジタル信号IIN,QINに対する周波数補正が施されるようになっている。
【0094】
また、ディジタル式交差偏波間補償部172は、この位相回転部172の出力(IOUT ,QOUT )を受けてトランスバーサルイコライザ169の出力を補償するための補償信号IXPIC,QXPICを出力するものであり、加算部173は、トランスバーサルイコライザ169の出力とディジタル式交差偏波間補償部172の出力とを加算するものであり、この場合も、トランスバーサルイコライザ169により等化処理を施された各ディジタル復調信号I,Qと、ディジタル式交差偏波間補償部172からの各補償信号IXPIC,QXPICとが、それぞれ加算器174,175で加算されるようになっている。
【0095】
さらに、制御部176は、ディジタル式交差偏波間補償部172の入力情報と加算部173から出力されるディジタル復調信号I,Qについての誤差信号(出力情報)とに基づいて、V偏波信号とH偏波信号との同期が外れていることにより生じている周波数誤差を検出し、これに応じて電圧制御発振器180の発振周波数(cosθ,sinθ)を制御することにより、位相回転部171での周波数補正を制御するものである。
【0096】
ここで、上述の誤差信号とは、ディジタル復調信号Iの信号ビットより下位のビットをいう。例えば、送信信号の変調方式が64QAMで8ビット精度であった場合、図12に示すように、3ビットの信号ビット(D1〜D3)よりも下位の5ビット(E1〜E5)が誤差を表す量(誤差信号)となる。従って、誤差eは、
e=2・E1+2・E2+2・E3+2・E2+E1・・・(17)
と表すことができる。
【0097】
今、ディジタル復調信号I,Qの誤差をそれぞれe,eと表し、H偏波信号の同期外れ分(位相ずれ分)をΔθとすると、誤差e(e)は、
(e)=αH(f)−α′H(f−Δθ)・・・(18)
と表される。なお、α,α′は交差偏波間補償部172によりほとんど等しくなる。
【0098】
例えば、図13に示すように、送信信号が4相PSK(Phase Shift Keying)により変調されていた場合、交差偏波間補償部172により補償すべき信号点AがΔθだけずれた点A′にあったとすると、本来、交差偏波間補償部172により、XI−XQ座標の原点である点Sへ補償されるべき信号点Aが点S′へ補償されてしまうことになる。
【0099】
このときのΔθは、S点を始点とするベクトルSS′に比例するので、疑似的に、このベクトルSS′に等しいと考えることができる。また、ベクトルの演算では、SS′≒e+eであるので、ディジタル式交差偏波間補償部172の入力信号(H偏波信号)の大きさをd,dと表し、d,dの極性ビット(1ビットからなる極性情報:図12中のD1に相当する)をdI(D1) ,dQ(D1) と表せば、位相誤差Δθは、
Δθ≒e×dQ(D1) −e×dI(D1) ・・・(19)
となる。
【0100】
従って、上述の制御部176は、この式(19)から位相誤差Δθを算出し、これを電圧制御発振器180へ出力すれば、電圧制御発振器180によって、この位相誤差Δθが“0”となるように発振周波数(sinθ,cosθ)を制御することができることになる。
このため、制御部176は、例えば、図14に示すように、ディジタル復調信号I,Qの誤差情報e(A),e(B),ディジタル式交差偏波間補償部172の入力信号の極性情報dI(D1) (C),dQ(D1) (D)を入力として、「A×D−B×C」なる演算を行なうようなメモリ191を用いて構成される。
【0101】
つまり、この制御部176は、ディジタル式交差偏波間補償部172の入力についての極性情報dI(D1) ,dQ(D1) と加算部173の出力についての誤差情報e,eとから、位相回転部171を制御するための位相誤差(位相ずれ情報)Δθを求めて、これを位相回転部171用の制御信号として出力するように構成される。なお、この制御部176は、上記の4入力(A〜D)に対応した位相誤差Δθを出力するような対応テーブルとして構成してもよい。
【0102】
次に、電圧制御発振器180は、上述のごとく制御部176からの位相誤差Δθをローパスフィルタ177で積分することにより得られる発振周波数の誤差Δfを入力として、この周波数誤差Δfが“0”となるような発振周波数(sinθ,cosθ)を生成して位相回転部171へ出力するものである。
このため、この電圧制御発振器180は、例えば、図15に示すように、加算器192及びフリップフロップ(FF)回路194からなるアキュムレータ192とメモリ(ROM)195で構成され、周波数誤差Δfをアキュムレータ192で積分することにより得られる位相θに応じた値(cosθ,sinθ)がメモリ195で生成され位相回転部171へ供給されるようになっている。
【0103】
このような構成により、上述のV偏波用の復調部16Aでは、受信されたV偏波信号,H偏波信号のうちのV偏波信号が、ミキサ166で局部発振器182からの搬送波再生信号に応じてダウンコンバートされるとともに、直交検波が施されることにより2系列からなる直交検波信号I,Qが得られ、それぞれの雑音成分などが各ロールオフフィルタ167A,167Bで除去される。
【0104】
そして、各直交検波信号I,Qは、H偏波用のディジタル式交差偏波間補償部(XPIC)172による交差偏波間補償の際に使用される信号としてH偏波用の復調部16Bへ出力される一方、各A/D変換器168A,168Bでディジタル信号I,Qに変換され、トランスバーサルイコライザ169で歪みの等化処理が施される。
【0105】
一方、H偏波用の復調部204Bから送られてきたH偏波信号(H偏波信号をH偏波用のミキサ166にて検波したあとで且つH偏波用の各A/D変換器168A,168Bでディジタル信号に変換する前の状態の各ベースバンド信号I,Q)は、各A/D変換器170A,170Bによって、各A/D変換器168A,168Bと同期した作動クロックに従って、ディジタル信号I,Qに変換され位相回転部171へ出力される。
【0106】
また、このとき、制御部176では、図14により前述したごとく、ディジタル式交差偏波間補償部172の入力についての極性ビットdI(D1) (C),dQ(D1) (D)と加算部173から出力されるディジタル復調信号I,Qについての誤差信号e(A),e(B)について、メモリ191で「A×D−B×C」なる演算を施すことにより、V偏波信号とH偏波信号との同期外れ分を示す位相誤差Δθを検出しており、この位相誤差Δθがローパスフィルタ177で積分されたのち電圧制御発振器180へ出力されることにより、電圧制御発振器180からこの位相誤差Δθ(周波数誤差Δf)を“0”にするような3角関数信号(cosθ,sinθ)が位相回転部171へ供給されている。
【0107】
これにより、位相回転部171では、この電圧制御発振器180からの3角波信号を受けて、各A/D変換器170A,170Bから入力されたディジタル信号IIN,QINに対して、乗算器183〜188,反転器189(図11参照)で、式(15),式(16)で表される演算を施すことにより、ディジタル信号IIN,QINの周波数補正が施され、V偏波信号とH偏波信号との同期外れが補正されてディジタル式交差偏波間補償部172へ出力される。
【0108】
この結果、加算部174では、トランスバーサルイコライザ169により等化処理を施された各ディジタル復調信号I,Qと、ディジタル式交差偏波間補償部172で生成される各補償信号IXPIC,QXPICとが、同期してそれぞれ加算器174,175で加算され、これにより、H偏波信号が干渉しているトランスバーサルイコライザ169の出力が補償される。
【0109】
なお、H偏波用の復調部16BによるH偏波信号の干渉成分(V偏波信号)の補償も、このV偏波用の復調部16Aと同様にして行なわれる。
つまり、本実施形態における復調部(交差偏波間補償装置)16Aでは、送信変調時に同期をとらないで送信されてきたV偏波,H偏波のうちのV偏波信号(一方の受信偏波信号)について、ミキサ166でダウンコンバート及び検波を施すとともに、H偏波用の復調部16Bから送られてくる干渉補償用のH偏波信号(他方の受信偏波信号をダウンコンバートしたあとの信号)について、位相回転部171で位相回転を施すことにより、V偏波信号と干渉補償用のH偏波信号との同期外れ(周波数誤差)の補正を施してから、この補正後の信号を交差偏波間補償部(XPIC)172へ供給し、更に交差偏波間補償部172の出力でV偏波用の復調部204Aの出力を補償するのである。
【0110】
従って、本実施形態における復調部(交差偏波間補償装置)16A(16B)によれば、V偏波信号と干渉補償用のH偏波信号との同期を送信側の送信変調時に取らなくとも、極めて容易に、交差偏波間干渉補償を行なうことができ、これにより、交差偏波間干渉補償の低コスト化に大いに寄与する。
また、V偏波信号とH偏波信号との同期を送信側で取らないので、V偏波信号と干渉補償用のH偏波信号(H偏波信号と干渉補償用のV偏波信号)との同期を取る際の周波数の微調整も、極めて容易に行なえるようになる。
【0111】
なお、上述の制御部176で検出される位相回転部171を制御するための位相誤差Δθは、ディジタル式交差偏波間補償部172の入力についての極性ビットdI(D1) ,dQ(D1) と、加算部173の出力についての誤差情報e,eとから算出することにより求めていたが、ディジタル式交差偏波間補償部172の入力についての極性ビットdI(D1) ,dQ(D1) と、加算部173の出力についての誤差e,eの極性ビットeI(D1) ,eQ(D1) との排他的論理和情報から求めることもできる。
【0112】
従って、この場合、制御部176は、例えば、図16(a)に示すように、極性ビットeI(D1) ,dQ(D1) を入力とするEX−ORゲート(排他的論理和演算素子)196Aのみを、もしくは、図16(b)に示すように、極性ビットeQ(D1) ,dI(D1) を入力とするEX−ORゲート196Bと反転ゲート197のみを用いて構成することができ、より簡素な構成で、制御部176を実現できることになる。
【0113】
また、この制御部176は、図17に示すように、図16(a),(b)にそれぞれ示す回路の出力の和を加算器198で取るように構成すれば、より精度高く位相誤差Δθを得ることができるようになる。
(b−1)第2実施形態の変形例の説明
図18は第2実施形態の変形例を示すブロック図であるが、この図18に示す復調部(交差偏波間補償装置)16は、図10により前述したものに比して、位相回転部171′と、この位相回転部171′用の電圧制御発振器(VCO)180′と、電圧制御型の局部発振器(LO OSC)182′とをそなえて構成されている点が異なる。
【0114】
ここで、位相回転部171′は、図11により前述した位相回転部171と同様の構成を有するもので、電圧制御発振器180′から供給される3角波信号(sinθ,cosθ)を受けて、各A/D変換器168A,168B(第1アナログ/ディジタル変換器)からの出力について、式(15),式(16)で示される演算を施すことにより、位相回転部171と同様に、周波数補正を行なうものである。
【0115】
また、電圧制御発振器180′は、図15にて前述した電圧制御発振器180と同様の構成を有するもので、制御部(CONT)176で得られる位相回転部171′での周波数補正を制御するための位相誤差(位相ずれ情報)Δθに応じて、3角波信号を発生して位相回転部171′へ供給するものである。
さらに、局部発振器182′は、ミキサ(直交検波部)166でのダウンコンバート,直交検波の際に用いられる搬送波再生信号を発生してミキサ166へ供給するものであるが、本変形例では、制御部176からの情報をフィードバックせず、独立してミキサ166用の搬送波再生信号を発生してミキサ166へ供給するようになっている。
【0116】
つまり、本変形例における復調部16Aは、各A/D変換器168A,168Bからの出力について、位相回転を施すことにより、周波数補正を施す位相回転部171′をそなえることにより、この位相回転部171とミキサ161とで準同期検波部が構成されているのである。
従って、本変形例でも、各位相回転部171,171′によってV偏波信号,干渉補償用のH偏波信号のそれぞれについて位相回転を施すことにより周波数補正を施して、V偏波信号と干渉補償用のH偏波信号との同期を取ることができるので、送信側の送信変調時に同期を取らずに送信されてきたV偏波信号,H偏波信号に対しても、極めて容易に、交差偏波間干渉補償を行なうことができ、これにより、交差偏波間干渉補償の低コスト化に大いに寄与する。
【0117】
また、この場合も、V偏波信号とH偏波信号との同期を送信側で取らないので、V偏波信号と干渉補償用のH偏波信号との同期を取る際の周波数の微調整も、極めて容易に行なえるようになる。
なお、H偏波用の復調部16Bは、このV偏波用の復調部16Aと同様の構成を有しており、このH偏波用の復調部16BによるH偏波信号の干渉成分(V偏波信号)の補償も、このV偏波用の復調部16Aと同様にして行なわれる。
【0118】
(c)第3実施形態の説明
図19は本発明の第3実施形態を示すブロック図であるが、この図19に示す復調部(交差偏波間補償装置)16Aは、第2実施形態において、図10に示したアナログ復調方式を用いた復調部16Aを、ディジタル復調方式を用いた構成としたものである。
【0119】
すなわち、この図19に示す復調部16Aは、ダウンコンバータ166′,A/D変換器168,170,ディジタル式直交検波部171A,ロールオフフィルタ167A〜167D,トランスバーサルイコライザ169,ディジタル式の位相回転部171B,ディジタル式交差偏波間補償部(XPIC)172,加算部173,制御部(CONT),ローパスフィルタ177〜179,位相回転部171B用の電圧制御発振器(XVCO)180,各A/D変換器168,170へのクロック再生用の電圧制御発振器(CLK VCO) 181及びダウンコンバータ166′用の搬送波再生信号を発生する局部発振器(LO VCO)182をそなえて構成されている。
【0120】
なお、各ロールオフフィルタ167A〜167D,トランスバーサルイコライザ169,ディジタル式交差偏波間補償部172,加算部173,制御部(CONT),ローパスフィルタ177〜179,電圧制御発振器180,181及び局部発振器182は、いずれも第2実施形態にて前述したものと同様のものである。
【0121】
ここで、ダウンコンバータ(周波数変換部)166′は、制御部176からの情報を受けて局部発振器182から供給される搬送波再生信号に応じて、送信変調時に同期をとらないで送信されてきた互いに交差する2つの偏波(V偏波,H偏波)のうちのV偏波信号(一方の受信偏波信号)についてダウンコンバートを施すことにより、V偏波信号の周波数をA/D変換器168でA/D変換が可能な周波数(IF帯)にまで落とすものである。
【0122】
つまり、本実施形態では、ダウンコンバータ166′によるダウンコンバートが、ディジタル式直交検波部171Aによる検波後の出力をフィードバックすることにより行なわれる同期検波方式が採用されている。
なお、この場合は、V偏波信号をダウンコンバータ166′でダウンコンバートしたあとのアナログ信号が、H偏波信号に干渉しているV偏波信号を補償するための交差偏波間補償用の信号としてH偏波用の復調部204Bへ出力されるようになっている。
【0123】
また、A/D変換器168は、電圧制御発振器181から供給されるA/D変換用のタイミングクロックに従って、ダウンコンバータ166′でダウンコンバートされたV偏波信号をディジタル信号に変換するものであり、ディジタル式直交検波部171Aは、A/D変換器168でディジタル信号に変換されたV偏波信号を検波して2系列からなるディジタル直交検波信号(ディジタル復調信号)I,Qを得るものである。
【0124】
さらに、A/D変換器170は、H偏波用の復調部204Bから送られてくる、H偏波信号(他方の受信偏波信号)をダウンコンバートしたあとの交差偏波間補償用のアナログ信号を、電圧制御発振器181から供給されるタイミングクロックに従って、つまり、A/D変換器168と作動クロックが同期して、ディジタル信号に変換するものである。
【0125】
つまり、本実施形態でも、後述するディジタル式の位相回転部171Bへ入力される信号として、H偏波信号をダウンコンバートしたあとのアナログ信号が使用されるため、位相回転部171Bの前段に、ダウンコンバータ166′でダウンコンバートされたV偏波信号をディジタル信号に変換するA/D変換器168と作動クロックが同期するA/D変換器170が設けられているのである。
【0126】
また、位相回転部171Bは、A/D変換器170の出力を受けて、つまり、受信されたV偏波,H偏波のうちのH偏波信号をH偏波用の復調部204Bでダウンコンバートしたあとで且つH偏波用のディジタル式直交検波部171Aにて検波される前の状態の信号をディジタル信号として受けて、これに位相回転を施すことにより、周波数補正を施すものである。
【0127】
なお、この位相回転部171Bは、ディジタル式直交検波部171Aと同様の構成を有するものであるが、第2実施形態にて前述したごとく、制御部176で得られるV偏波信号とH偏波信号との同期外れ分(位相誤差)Δθに応じて電圧制御発振器180から供給される3角関数信号(sinθ,cosθ)に従って、この位相誤差Δθを“0”にするような位相回転を施すようになっている。
【0128】
このような構成により、この図19に示す復調部(交差偏波間補償装置)16Aでは、送信変調時に同期を取らないで送られてきたV偏波,H偏波のうちの一方のV偏波信号が、ダウンコンバータ166′でIF信号にダウンコンバートされ、このダウンコンバートされたあとのアナログ信号が、H偏波用の復調部204BへH偏波信号に干渉しているV偏波信号を補償するための補償用信号として出力されるとともに、A/D変換器168で、制御部176からクロック位相ずれ情報を受けて制御される電圧制御発振器181からのタイミングクロックに従って、最適なクロック位相でディジタル信号に変換される。
【0129】
そして、これ以降の処理は全てディジタル信号で行なわれ、このディジタル信号に対してディジタル式直交検波部171Aで直交検波が施されることにより、2系列からなるディジタル復調信号I,Qが得られ、それぞれ各ロールオフフィルタ167A,167Bで雑音成分が除去されたのち、トランスバーサルイコライザで歪み成分の等化処理が施される。
【0130】
一方、H偏波用の復調部204Bから送られてくるアナログ信号(H偏波用の復調部204BでダウンコンバートされたあとのアナログのH偏波信号)は、A/D変換器170によって、A/D変換器168と同期した作動クロックでディジタル信号に変換され、位相回転部171Bへ出力されて、以降の処理が全てディジタル信号を用いて行なわれる。
【0131】
そして、このとき、制御部176では、第2実施形態にて前述したごとく、ディジタル式交差偏波間補償部172への入力情報と加算部173の出力情報とに基づいて、位相回転部171Bを制御するための位相誤差Δθを求めており、これを電圧制御発振器180へ供給することにより、位相回転部171Bへ供給される3角関数信号が制御される。
【0132】
これにより、位相回転部171Bでは、電圧制御発振器180からの3角関数信号に応じて、A/D変換器170からのディジタル信号(干渉補償用のH偏波信号)に対して直交検波と位相回転とが施されて周波数補正がなされた2系列のディジタル信号が得られ、ディジタル式交差偏波間補償部172へ出力される。そして、ディジタル式交差偏波間補償部172では、周波数補正がなされることによりV偏波信号と同期が取られた各ディジタル信号(H偏波信号)を基に、トランスバーサルイコライザ169の出力に干渉成分として含まれているH偏波信号を補償するための補償信号IXPIC,QXPICが生成されて加算部173へ出力され、各加算器174,175でそれぞれトランスバーサルイコライザ169で等化処理を施されたディジタル復調信号I,Qと加算されることにより、V偏波信号の干渉成分(H偏波信号)が補償される。
【0133】
従って、本実施形態における復調部(交差偏波間補償装置)16Aでも、ディジタル式交差偏波間補償部156による交差偏波間補償を含め、A/D変換168,170以降の処理を全てディジタル信号で行なうことができ、これにより、極めて精度高く、交差間偏波干渉の補償を行なうことができるようになる。
また、これにより、ディジタル式直交検波部171A,トランスバーサルイコライザ169,ディジタル式交差偏波間補償部172,位相回転部171B及び加算部173をLSI化することができるようになるので、復調部(交差偏波間補償装置)16Aの小型化、低コスト化にも大いに寄与する。
【0134】
さらに、本実施形態では、位相回転部171Bによって干渉補償用のH偏波信号について位相回転を施すことにより周波数補正を施して、これらの信号の同期を取ることができるので、送信側の送信変調時に同期を取らずに送信されてきたV偏波信号,H偏波信号に対しても、極めて容易に、交差偏波間干渉補償を行なうことができ、これにより、交差偏波間干渉補償の低コスト化に大いに寄与する。
【0135】
また、この場合も、V偏波信号とH偏波信号との同期を送信側で取らないので、V偏波信号と干渉補償用のH偏波信号との同期を受信側で取る際の周波数の微調整も、極めて容易に行なえるようになる。
なお、この場合も、H偏波用の復調部16Bは、この図19に示すV偏波用の復調部16Aと同様の構成を有しており、H偏波用の復調部14BによるH偏波信号の干渉成分(V偏波信号)の補償も、このV偏波用の復調部14Aと同様にして行なわれる。
【0136】
(c−1)第3実施形態の第1変形例の説明
図20は本発明の第3実施形態の第1変形例を示すブロック図であるが、この図20に示す復調部16Aは、第1実施形態において図7により前述したものと同様に、位相回転部171Bへ入力される信号として、H偏波信号をIF信号にダウンコンバートし更にこれをA/D変換器168でディジタル信号に変換したあとのディジタル信号(X IF)が使用されるようになっており、このため、位相回転部171Bの前段に、V偏波,H偏波の両偏波間のクロック位相の不確定性を除去するためのI/Oメモリ161が設けられている。なお、他の構成要素はいずれも図19により前述したものと同様のものであり、I/Oメモリ161は、図8に示すものと同様のものである。
【0137】
このような構成により、このV偏波用の復調部16Aでも、H偏波用の復調部14Bで電圧制御発振器181のタイミングクロックに従ってA/D変換されて送られてきたH偏波信号のデータを、自己(V偏波用の復調部204A)の電圧制御発振器181のタイミングクロックに従って、このI/Oメモリ161から読み出すことにより、V偏波信号とH偏波信号との間のクロック位相の不確定性を除去することができる。
【0138】
従って、この場合も、各偏波信号にジッタなどがあっても、安定して確実に、V偏波用,H偏波用の各復調部14A,14B間でのV偏波信号,H偏信号の遣り取りをディジタル信号で行なうことができるようになる。
(c−2)第3実施形態の第2変形例の説明
図21は本発明の第3実施形態の第2変形例を示すブロック図であるが、この図21に示す復調部16Aは、図19に示す構成において、ダウンコンバータ166′によるダウンコンバートが、ディジタル式直交検波部171Aによる検波後の出力をフィードバックしない準同期検波方式が採用された構成となっている。
【0139】
このため、本変形例では、図18により前述したものと同様に、ダウンコンバータ166′用の電圧制御型の局部発振器182′が独立に設けられ、ディジタル式直交検波部171A用の電圧制御発振器180′が設けられている。
これにより、本変形例でも、ディジタル式直交検波部171A,位相回転部171BによってV偏波信号,干渉補償用のH偏波信号のそれぞれについて位相回転を施すことにより周波数補正を施して、V偏波信号と干渉補償用のH偏波信号との同期を取ることができるので、送信変調時に同期を取らずに送信されてきたV偏波信号,H偏波信号に対しても、極めて容易に、交差偏波間干渉補償を行なうことができ、これにより、交差偏波間干渉補償の低コスト化に大いに寄与する。
【0140】
また、この場合も、V偏波信号とH偏波信号との同期を送信側で取らないので、V偏波信号と干渉補償用のH偏波信号との同期を取る際の周波数の微調整も、極めて容易に行なえるようになる。
なお、H偏波用の復調部14Bは、この図21に示すV偏波用の復調部14Aと同様の構成を有しており、このH偏波用の復調部14BによるH偏波信号の干渉成分(V偏波信号)の補償も、上述のV偏波用の復調部14Aと同様にして行なわれる。
【0141】
(c−3)第3実施形態の第2変形例の説明
図22は本発明の第3実施形態の第2変形例を示すブロック図であるが、この図22に示す復調部16Aは、図21に示す準同期検波方式が採用されたものについて、図20により前述したのと同様に、I/Oメモリ161を設けた構成となっている。
【0142】
つまり、本変形例では、位相回転部171Bへ入力される信号として、H偏波信号(V偏波信号)をダウンコンバートし更にこれをA/D変換器168でディジタル信号に変換したあとのディジタル信号を使用するため、位相回転部171Bの前段にI/Oメモリ161を設けることにより、V偏波,H偏波の両偏波間のクロック位相の不確定性を除去するようになっているのである。
【0143】
これにより、このV偏波用の復調部16Aでも、H偏波用の復調部16Bで電圧制御発振器181のタイミングクロックに従ってA/D変換されて送られてきたH偏波信号のデータを、自己(V偏波用の復調部16A)の電圧制御発振器181のタイミングクロックに従って、このI/Oメモリ161から読み出すことにより、V偏波信号とH偏波信号との間のクロック位相の不確定性を除去することができる。
【0144】
従って、第1変形例にて前述したものと同様の利点ないし効果が得られるほか、この場合も、各偏波信号にジッタなどがあっても、安定して確実に、V偏波用,H偏波用の各復調部14A,14B間でのV偏波信号,H偏信号の遣り取りをディジタル信号で行なうことができるようになる。
【0145】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の交差偏波間補償装置によれば、受信された互いに交差する2つの偏波のうちの一方の偏波信号について周波数変換してから、これをアナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換したのち、ディジタル復調部にて検波するとともに、上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の偏波信号を周波数変換したあとで且つディジタル式復調部にて検波される前の状態の信号をディジタル式交差偏波間補償部へ供給し、更に、この交差偏波間補償部の出力で一方の偏波信号用の上記ディジタル式復調部の出力を補償するので、アナログ/ディジタル変換器以降の処理をディジタル信号で行なうことができ、これにより、極めて精度高く、交差偏波間の補償を行なうことができる利点がある。
【0146】
また、このとき、交差偏波間補償部へ入力される信号として、上記の他方の偏波信号を周波数変換したあとのアナログ信号を使用すれば、容易に、交差偏波間補償を実現できる。
さらに、交差偏波間補償部へ入力される信号として、上記の他方の偏波信号を周波数変換し更にこれをアナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換したあとのディジタル信号を使用すれば、このディジタル信号をそのまま交差偏波間補償部で使用できるので、より簡素な構成で、交差偏波間補償を実現できる。
【0147】
具体的に、交差偏波間補償部へ入力される信号として、上記の他方の偏波信号を周波数変換したあとのアナログ信号が使用される場合においては、ディジタル式交差偏波間補償部の前段に、周波数変換部で周波数変換された上記一方の偏波信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器と作動クロックが同期するアナログ/ディジタル変換器を設ければ、交差偏波間補償部へ入力される信号をディジタル信号に変換できるので、極めて容易に、装置を実現できる。また、異偏波側からの補償用の偏波信号が空間での干渉時と同期している必要があるという条件を容易に満たすことができる。
【0148】
一方、交差偏波間補償部へ入力される信号として、上記の他方の偏波信号を周波数変換し更にこれをアナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換したあとのディジタル信号が使用される場合においては、ディジタル式交差偏波間補償部の前段に、上記アナログ/ディジタル変換器の作動クロックと同じクロックを受けて動作し、上記ディジタル信号を受けて両偏波間のクロック位相の不確定性を除去するためのメモリを設ければ、より精度の高い信号を交差偏波間補償部へ入力することができるので、さらに、高精度に、交差偏波間の補償を行なうことができるようになる。
【0149】
なお、上記のディジタル式直交検波部,ディジタル式等化部,ディジタル式交差偏波間補償部及び加算部は、いずれもディジタル信号を入力としているので、これら全てをLSI化することができ、交差偏波間補償装置の小型化,低コスト化に大いに寄与する。
また、本発明の交差偏波間補償装置によれば、送信変調時に同期をとらないで送信されてきた互いに交差する2つの偏波のうちの一方の受信偏波信号について、アナログ式直交検波部(同期検波部もしくは準同期検波部)で周波数変換及び検波を施すとともに、上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の受信偏波信号を周波数変換したあとの信号について、位相回転部で制御部からの制御信号に応じて位相回転を施すことにより、周波数補正を施してから、この補正後の信号を交差偏波間補償部へ供給し、更に交差偏波間補償部の出力で一方の偏波信号用の復調部の出力を補償するので、送信側の送信変調時に同期を取らずに送信されてきた各偏波信号に対しても、極めて容易に、交差偏波間補償を施すことができ、これにより、交差偏波間干渉補償装置の低コスト化にも大いに寄与する。また、両偏波信号の同期を送信側で取らないので、両偏波信号の同期を取る際の周波数の微調整も、極めて容易に行なえるようになる。
【0150】
さらに、本発明の交差偏波間補償方法及び交差偏波間補償装置によれば、上述のアナログ式直交検波部に代えてディジタル式直交検波部を用いることにより、送信側の送信変調時に同期を取らずに送信されてきた各偏波信号に対しても、より高精度に、交差偏波間補償を施すことができる。
また、このとき、位相回転部へ入力される信号として、上記の他方の偏波信号を周波数変換したあとのアナログ信号が使用される場合においては、位相回転部の前段に、周波数変換部で周波数変換された一方の受信偏波信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器と作動クロックが同期するアナログ/ディジタル変換器が設けられるので、交差偏波間補償部へ入力される信号をディジタル信号に変換でき、極めて容易に、本交差偏波間補償装置を実現できる。また、異偏波側からの補償用の偏波信号が空間での干渉時と同期している必要があるという条件を容易に満たすことができる。
【0151】
一方、位相回転部へ入力される信号として、上記の他方の受信偏波信号を周波数変換し更にこれをアナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換したあとのディジタル信号が使用される場合においては、位相回転部の前段に、上記アナログ/ディジタル変換器の作動クロックと同じクロックを受けて動作し、上記ディジタル信号を受けて両偏波間のクロック位相の不確定性を除去するためのメモリが設けられるので、より精度の高い信号を交差偏波間補償部へ入力することができ、これにより、さらに、高精度に、交差偏波間の補償を行なうことができるようになる。
【0152】
また、この場合も、ディジタル式直交検波部,ディジタル式等化部,ディジタル式交差偏波間補償部及び加算部は、いずれもディジタル信号を入力としているので、これら全てをLSI化することができ、交差偏波間補償装置の小型化,低コスト化に大いに寄与する。
さらに、この場合、周波数変換部による周波数変換に、検波後の出力をフィードバックすることにより行なわれる同期検波方式を採用してもよく、検波後の出力をフィードバックしない準同期検波方式を採用してもよいので、回路設計上の柔軟性などに大いに寄与する。
【0153】
また、上述の制御部は、ディジタル式交差偏波間補償部の入力ついての極性情報と加算部の出力についての誤差情報とから、位相回転部を制御するための位相ずれ情報を求めて、これを位相回転部制御信号として出力するように構成されるので、簡素な構成で、且つ、確実に、位相回転部での位相回転による周波数補正を制御することができる。
【0154】
さらに、この制御部は、ディジタル式交差偏波間補償部の入力についての極性情報と加算部の出力についての誤差の極性情報との排他的論理和情報から、位相回転部を制御するための位相ずれ情報を求めて、これを位相回転部制御信号として出力するように構成してもよいので、より簡素な構成で、位相回転部での位相回転による周波数補正を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の原理ブロック図である。
【図2】第2の発明の原理ブロック図である。
【図3】第3の発明の原理ブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態としての交差偏波間補償装置が適用される無線装置の受信部の構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態における復調部の詳細構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態における復調部の変形例を示すブロック図である。
【図7】第1実施形態における復調部の他の変形例を示すブロック図である。
【図8】第1実施形態におけるI/Oメモリの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示すブロック図である。
【図10】第2実施形態における復調部の構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態における位相回転部の構成を示すブロック図である。
【図12】第2実施形態における復調部で用いられる誤差信号を説明するための図である。
【図13】第2実施形態における復調部での位相誤差を得る動作を説明するための図である。
【図14】第2実施形態における制御部の構成を示すブロック図である。
【図15】第2実施形態における電圧制御発振器の構成を示すブロック図である。
【図16】(a),(b)はそれぞれ第2実施形態における制御部の他の構成を示すブロック図である。
【図17】第2実施形態における制御部の他の構成を示すブロック図である。
【図18】第2実施形態の変形例を示すブロック図である。
【図19】本発明の第3実施形態を示すブロック図である。
【図20】第3実施形態の第1変形例を示すブロック図である。
【図21】第3実施形態の第2変形例を示すブロック図である。
【図22】第3実施形態の第3変形例を示すブロック図である。
【図23】従来の一般的な交差偏波を用いた無線伝送方式における送信側,受信側の構成の一例を示すブロック図である。
【図24】従来のアナログ復調方式を用いた復調部の構成の一例を示すブロック図である。
【図25】従来のディジタル復調方式を用いた復調部の構成の一例を示すブロック図である。
【図26】従来の交差偏波間干渉補償を行なう場合に用いられるアナログ復調方式の復調部の構成の一例を示すブロック図である。
【図27】従来の交差偏波間干渉補償での周波数関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
1A,1C 周波数変換部
1B アナログ式直交検波部
2A,2C アナログ/ディジタル変換器
2B 第1アナログ/ディジタル変換器
3A,3C,152A,152B,171A,223 ディジタル式直交検波部
3B,4A,4C ディジタル式等化部
4B 第2アナログ/ディジタル変換器
5A,6B,6C,156,172,232 ディジタル式交差偏波間補償部(XPIC)
5B,5C,171,171′,171B 位相回転部
6A,7B,7C,148,173,233 加算部
8B,8C 制御部
11,201 受信アンテナ
12,103,202 ハイブリッド(H)
13A,13B 受信部
14A,14B,16A,16B 復調部(交差偏波間補償装置)
100 送信側
101A,101B 変調部(MOD)
102A,102B 送信部(TX)
104 送信アンテナ
105A,105B,106A,106B,142,182,182′,213,230,241A,241B,242A,242B 局部発振器
141,166′,221 ダウンコンバータ
143,144,168,168A,168B,170,170A,170B,207A,207B,222,231A,231B A/D(アナログ/ディジタル)変換器
145,180,180′,181,211,229 電圧制御発振器
146 ディジタル式復調部
147 交差偏波補償用復調部
149,176,209,226 制御部(CONT)
150,151,177〜179,210〜212,227,228 ローパスフィルタ
153A,153B,154A,154B,167A〜167D,206A,206B,224A,224B ロールオフフィルタ
155,169,208,225 トランスバーサル(TRV)イコライザ(ディジタル式等化部)
157,158,183〜188,193,198,234,235 加算器
161 I/Oメモリ(書き込み/読み出しメモリ)
162〜165 入出力ポート
166,205 ミキサ(MIX)
166A,166B ローカル補償部(位相回転部)
189 反転器
191 メモリ
192 アキュムレータ
194 フリップフロップ(FF)回路
195 メモリ(ROM)
196A,196B EX−ORゲート(排他的論理和演算素子)
197 反転ゲート
200 受信側
203A,203B 受信部(RX)
204A,204B 復調部(DEM)

Claims (13)

  1. 受信された互いに交差する2つの偏波のうちの一方の偏波信号について周波数変換を施す周波数変換部と、
    該周波数変換部で周波数変換された上記一方の偏波信号をディジタル信号に変換する第1のアナログ/ディジタル変換器と、
    第1のアナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換された上記一方の偏波信号を検波して2系列からなる直交検波信号を得るディジタル式直交検波部と、
    該直交検波部の出力について等化処理を施すディジタル式等化部とをそなえるとともに、
    上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の偏波信号を周波数変換したあとで且つディジタル式直交検波される前の状態のアナログ信号を受けてディジタル信号に変換する、該第1のアナログ/ディジタル変換器と作動クロックが同期する第2のアナログ/ディジタル変換器と、
    該第2のアナログ/ディジタル変換器からの該他方の偏波信号のディジタル信号を受けて該ディジタル式等化部の出力を補償するための信号を出力するディジタル式交差偏波間補償部と、
    該ディジタル式等化部の出力と該ディジタル式交差偏波間補償部の出力とを加算する加算部とをそなえて構成されたことを特徴とする、交差偏波間補償装置
  2. 受信された互いに交差する2つの偏波のうちの一方の偏波信号について周波数変換を施す周波数変換部と、
    該周波数変換部で周波数変換された上記一方の偏波信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器と、
    該アナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換された上記一方の偏波信号を検波して2系列からなる直交検波信号を得るディジタル式直交検波部と、
    該直交検波部の出力について等化処理を施すディジタル式等化部とをそなえるとともに、
    該アナログ/ディジタル変換器の作動クロックと同じクロックを受けて動作し、上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の偏波信号を周波数変換し更にこれをディジタル信号に変換したあとのディジタル信号を受けて両偏波間のクロック位相の不確定性を除去するためのメモリと
    該メモリからの該他方の偏波信号のディジタル信号を受けて該ディジタル式等化部の出力を補償するための信号を出力するディジタル式交差偏波間補償部と、
    該ディジタル式等化部の出力と該ディジタル式交差偏波間補償部の出力とを加算する加算部とをそなえて構成されたことを特徴とする、交差偏波間補償装置。
  3. 上記のディジタル式直交検波部,ディジタル式等化部,ディジタル式交差偏波間補償部及び加算部が、LSI化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の交差偏波間補償装置
  4. 送信変調時に同期をとらないで送信されてきた互いに交差する2つの偏波のうちの一方の受信偏波信号について周波数変換を施すとともに上記一方の受信偏波信号を検波して2系列からなる直交検波信号を得るアナログ式直交検波部と、
    該直交検波部で得られた2系列からなる直交検波信号をそれぞれディジタル信号に変換する第1アナログ/ディジタル変換器と、
    該第1アナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換された上記2系列からなる直交検波信号について等化処理を施すディジタル式等化部とをそなえるとともに、
    上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の受信偏波信号を該アナログ式直交検波部にて2系列からなる直交検波信号として検波したあとで且つ該第1アナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換する前の状態の信号をそれぞれディジタル信号に変換するとともに、該第1アナログ/ディジタル変換器と作動クロックが同期する第2アナログ/ディジタル変換器と、
    該第2アナログ/ディジタル変換器からの出力について、位相回転を施すことにより、周波数補正を施す位相回転部と、
    該位相回転部の出力を受けて該ディジタル式等化部の出力を補償するための信号を出力するディジタル式交差偏波間補償部と、
    該ディジタル式等化部の出力と該ディジタル式交差偏波間補償部の出力とを加算する加算部とをそなえ、
    且つ、該ディジタル式交差偏波間補償部の入力情報と該加算部の出力情報とに基づいて、該位相回転部を制御する制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、交差偏波間補償装置。
  5. 該直交検波部が同期検波部として構成されていることを特徴とする請求項記載の交差偏波間補償装置。
  6. 該第1アナログ/ディジタル変換器からの出力について、位相回転を施すことにより、周波数補正を施す位相回転部をそなえることにより、該位相回転部と該直交検波部とで準同期検波部を構成していることを特徴とする請求項記載の交差偏波間補償装置。
  7. 送信変調時に同期をとらないで送信されてきた互いに交差する2つの偏波のうちの一方の受信偏波信号について周波数変換を施す周波数変換部と、
    該周波数変換部で周波数変換された上記一方の受信偏波信号をディジタル信号に変換する第1のアナログ/ディジタル変換器と、
    第1のアナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換された上記一方の受信偏波信号を検波して2系列からなる直交検波信号を得るディジタル式直交検波部と、
    該直交検波部の出力について等化処理を施すディジタル式等化部とをそなえるとともに、
    上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の受信偏波信号を周波数変換したあとで且つディジタル式直交検波される前の状態のアナログ信号をディジタル信号に変換する、該第1のアナログ/ディジタル変換器と作動クロックが同期する第2のアナログ/ディジタル変換器と、
    該第2のアナログ/ディジタル変換器からの該他方の受信偏波信号のディジタル信号を受けて、これに位相回転を施すことにより、周波数補正を施す位相回転部と、
    該位相回転部の出力を受けて、該ディジタル式等化部の出力を補償するための信号を出力するディジタル式交差偏波間補償部と、
    該ディジタル式等化部の出力と該ディジタル式交差偏波間補償部の出力とを加算する加算部とをそなえ、
    且つ、該ディジタル式交差偏波間補償部の入力情報と該加算部の出力情報とに基づいて、該位相回転部を制御する制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、交差偏波間補償装置
  8. 送信変調時に同期をとらないで送信されてきた互いに交差する2つの偏波のうちの一方の受信偏波信号について周波数変換を施す周波数変換部と、
    該周波数変換部で周波数変換された上記一方の受信偏波信号をディジタル信号に変換する第1のアナログ/ディジタル変換器と、
    該第1のアナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換された上記一方の受信偏波信号を検波して2系列からなる直交検波信号を得るディジタル式直交検波部と、
    該直交検波部の出力について等化処理を施すディジタル式等化部とをそなえるとともに、
    該アナログ/ディジタル変換器の作動クロックと同じクロックを受けて動作し、上記の受信された互いに交差する2つの偏波のうちの他方の受信偏波信号を周波数変換し更にこれをディジタル信号に変換したあとのディジタル信号を受けて両偏波間のクロック位相の不確定性を除去するためのメモリと、
    該メモリからの該他方の受信偏波信号のディジタル信号を受けて、これに位相回転を施すことにより、周波数補正を施す位相回転部と、
    該位相回転部の出力を受けて、該ディジタル式等化部の出力を補償するための信号を出 力するディジタル式交差偏波間補償部と、
    該ディジタル式等化部の出力と該ディジタル式交差偏波間補償部の出力とを加算する加算部とをそなえ、
    且つ、該ディジタル式交差偏波間補償部の入力情報と該加算部の出力情報とに基づいて、該位相回転部を制御する制御部をそなえて構成されたことを特徴とする交差偏波間補償装置。
  9. 上記のディジタル式直交検波部,ディジタル式等化部,位相回転部,ディジタル式交差偏波間補償部及び加算部が、LSI化されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の交差偏波間補償装置。
  10. 該周波数変換部による周波数変換が検波後の出力をフィードバックすることにより行なわれる同期検波方式が採用されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の交差偏波間補償装置。
  11. 該周波数変換部による周波数変換が検波後の出力をフィードバックしない準同期検波方式が採用されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の交差偏波間補償装置。
  12. 該制御部が、該ディジタル式交差偏波間補償部の入力ついての極性情報と該加算部の出力についての誤差情報とから、該位相回転部を制御するための位相ずれ情報を求めて、これを位相回転部制御信号として出力するように構成されていることを特徴とする請求項4,7又は8に記載の交差偏波間補償装置。
  13. 該制御部が、該ディジタル式交差偏波間補償部の入力についての極性情報と該加算部の出力についての誤差の極性情報との排他的論理和情報から、該位相回転部を制御するための位相ずれ情報を求めて、これを位相回転部制御信号として出力するように構成されていることを特徴とする請求項4,7又は8に記載の交差偏波間補償装置。
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