JP3566432B2 - 中空板体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに対向する表壁と裏壁とを有する熱可塑性樹脂製の中空板体を製造するための中空板体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、互いに対向する表壁と裏壁とを備えた軽量でしかも剛性等の機械的強度に優れた熱可塑性樹脂製の中空板体を製造する方法としては、次に説明する(イ)または(ロ)の方法がある。
【0003】
(イ)図6の(a)に示すように、型開きした金型111,112間にパリスン114を配置したのち型閉じを行ない、ついで、スライド部材113をキャビティ内へ突き出すことにより、パリスン114の裏壁となる部分の一部を突出変形させて表壁となる部分に当接させて溶着部115を形成する。そののち、図6の(b)に示すように、スライド部材113を引き込むとパリスン114の前記突出変形された部分が変形して溶着部115の近傍に空隙104を残した状態でインナーリブ103となる部分の中央部位が接触して溶着される。ついで、パリスン104内に加圧流体を導入してキャビティに沿って膨張させることにより、図6の(c)に示すような互いに対向する表壁101と裏壁102とを有するとともに前記空隙104が内設された外部から見えないインナーリブ103を有する中空板体をブロー成形する(特開平5−254001号公報)。
【0004】
(ロ)図7の(a)に示すように、型開きした金型221,222の一方の金型222に進退自在に配設された保持具223に強化芯材203をセットし、前記金型221,222間にパリスン214を配置したのち型閉じし、ついで、パリスン214内に加圧流体を供給してキャビティおよび強化芯材203の表面に沿ってブロー成形するものであって、このブロー成形の途中において、図7の(b)に示すように前記保持具223の先端が一方の金型222のキャビティ面と同一面となるように後退させ、前記強化芯材203が内設された外部から見えないインナーリブ202を備えた中空板体201を製造する方法(特公昭61−21125号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術はいずれも、湾曲または曲折した面形状の表壁を有し、このため表壁と裏壁との間隔が変化する中空板体を製造する場合、表壁の裏面とインナーリブの一端との間に溶着された部分と間隙のある部分とが発生し、剛性等の機械的強度が不均一なものとなる。これを避けるために、前記表壁の面形状にならう湾曲または曲折した先端形状を有するスライド部材または強化芯材を用いた場合、パリスンの裏壁となる部分の一部を突出変形させた際に、変形量の差が大きくなって極端に肉厚が薄くなる部分が生じて成形不良が発生するおそれがある。特にスライド部材を用いた場合、スライド部材の先端部のキャビティ内への突出長さが異なるため裏壁側にスライド部材の痕跡が残ってしまうという問題点がある。
【0006】
逆に、湾曲または曲折した面形状の裏壁を有し、このため表壁と裏壁との間隔が変化する中空板体を製造する場合、前記裏壁の面形状にならう湾曲または曲折した先端形状を有するスライド部材または強化芯材を用いると、パリスンの裏壁となる部分の一部を突出変形させた際に、変形量の差が大きいために極端に肉厚が薄くなる部分が生じて成形不良が発生するおそれがあるうえ、表壁の裏面とインナーリブの一端との間に溶着された部分と間隙のある部分とが発生し、剛性等の機械的強度が不均一になってしまうという問題点がある。
【0007】
さらに、上記(ロ)においては、強化芯材と基材樹脂との熱膨張率の差に起因する伸縮の差により中空板体にそり等の変形が発生するという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、そり等の変形が発生せず、しかも、剛性等の機械的強度が大きく外観良好なインナーリブを備えた中空板体を簡単に製造することができる中空板体の製造方法を実現することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の中空板体の製造方法は、対向する表壁と裏壁の少なくとも一方が湾曲または曲折した面形状を有し、前記表壁と前記裏壁との対向壁間の距離が変化する中空板体の内部に、一端側が前記表壁の裏面に溶着されているとともに他端側が前記裏壁に一体成形されたインナーリブを備えた中空板体の製造方法であって、前記表壁の外面を規制するキャビティを有する一方の金型および前記裏壁の外面を規制するキャビティを有する他方の金型とを型開きし、前記他方の金型における前記インナーリブを形成すべき部位の両端部位にそれぞれ配設されたスライド部材を、各スライド部材の先端と前記一方の金型のキャビティ間の間隔が略等距離になるようにそれぞれ突き出して前記表壁の面形状にならう形状の棒状体の両端を前記スライド部材の先端面の少なくとも一部が前記棒状体とほぼ同一面になるように宙吊り状態に保持させ、前記一方の金型と前記棒状体間にパリスンを配置したのち型閉じして前記パリスンを挟持するとともに、前記棒状体および前記スライド部材を介して前記パリスンの裏壁となる部分を突出変形させることにより凹部を形成して該凹部の先端を表壁となる部分に溶着し、ついで、前記パリスン内に加圧流体を導入することによって、前記キャビティおよび前記スライド部材の外面に沿って膨張させると同時に前記凹部の前記スライド部材間における空隙部を前記加圧流体の内圧で押圧変形させることにより前記凹部の前記スライド部材間における空隙部の対向する壁面を溶着させて表壁近傍に前記棒状体が埋設された前記インナーリブを形成するとともに、前記スライド部材により前記インナーリブの両端に隣接した空間部を形成することを特徴とするものである。
【0010】
さらに、対向する表壁と裏壁の少なくとも一方が湾曲または曲折した面形状を有し、前記表壁と前記裏壁との対向壁間の距離が変化する中空板体の内部に、一端側が前記表壁の裏面に溶着されているとともに他端側が前記裏壁に一体成形されたインナーリブを備えた中空板体の製造方法であって、前記表壁の外面を規制するキャビティを有する一方の金型と、前記裏壁の外面を規制するキャビティを有する他方の金型とを型開きし、前記他方の金型における前記インナーリブを形成すべき部位の両端部位にそれぞれ配設されたスライド部材を、各スライド部材の先端と前記一方の金型のキャビティ間の間隔が略等距離になるようにそれぞれ突き出して前記表壁の面形状にならう形状であるとともに伸縮用屈曲部を有する棒状体の両端を前記スライド部材の先端面の少なくとも一部が前記棒状体とほぼ同一面になるように宙吊り状態に保持させ、前記一方の金型と前記伸縮用屈曲部を有する棒状体間にパリスンを配置したのち型閉じして前記パリスンを挟持するとともに、前記伸縮用屈曲部を有する棒状体および前記スライド部材を介して前記パリスンの裏壁となる部分を突出変形させることにより凹部を形成して該凹部の先端を前記パリスンの表壁となる部分に溶着し、ついで、前記スライド部材を引き抜くとともに前記パリスン内に加圧流体を導入することによって、前記キャビティに沿って膨張させると同時に前記凹部を前記加圧流体の内圧によって押圧変形させることにより前記凹部の空隙部における対向する壁面を溶着させて表壁近傍には前記伸縮用屈曲部を有する棒状体が埋設された前記インナーリブを形成することを特徴とするものである。
【0011】
【作用】
両スライド部材の先端が一方の金型に対してほぼ等距離になるように突き出してこれらの先端部に表壁の面形状にならう形状の棒状体の両端を前記スライド部材の先端面の少なくとも一部が前記棒状体とほぼ同一面になるように宙吊り状態に保持させ、型閉じ時において、前記棒状体および前記スライド部材を介してパリスンの裏壁となる部分を突出変形させて凹部を形成するため、該凹部におけるパリスンの変形量の変化が少なくなり、肉厚の変動が少ない凹部が形成される。その結果、前記棒状体および各スライド部材により前記凹部の先端がパリスンの表壁となる部分に溶着される。ついで、型閉じ完了後、前記パリスン内に加圧流体を導入すると、パリスンはキャビティおよび前記スライド部材の外面に沿って膨張すると同時に前記加圧流体の内圧によって前記凹部の両スライド部材間における空隙部が変形してその対向する壁面が溶着されて一体化し、表壁の裏面に一端側が溶着されているとともに他端側が裏壁に一体成形され、しかも表壁近傍に棒状体が埋設されたインナーリブが形成されるとともに、各スライド部材により前記インナーリブの両端に隣接した空間部が形成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
(第1実施例)
先ず、第1実施例の中空板体の製造方法によって製造された中空板体の一例について説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施例によって製造された中空板体P1 は、外側へ突き出た湾曲または曲折した面形状を有する表壁1と平坦面を有する裏壁2とが間隔をおいて対向し、両者の周縁部が端壁3によって閉塞されており、表壁1と裏壁2間には一端側が表壁1の裏面に溶着されているとともに他端側が裏壁2に一体成形され、しかも表壁1の近傍に棒状体5が埋設されたインナーリブ4を備え、インナーリブ4の両端に隣接した空間部6が形成されている。
【0015】
次に本実施例の中空板体の製造方法の工程について説明する。
【0016】
▲1▼ 図2の(a),(b)に示すように、表壁1の外面および端壁3の大半部分の外面を規制するキャビティ11aを有する一方の金型11と、裏壁2の外面および端壁3の残りの部分の外面を規制するキャビティ12aを有するとともに、インナーリブを形成すべき部位の両端部位に配設された一方の金型11に対して個別に進退自在な棒状の第1スライド部材13aおよび第2スライド部材13bを備えた他方の金型12とを型開きし、第1スライド部材13aおよび第2スライド部材13bを各スライド部材13a,13bの先端と一方の金型11のキャビティ11a間の間隔が略等距離になるようにそれぞれ突き出してその先端の段差13c,13dに前記表壁の面形状にならう形状の棒状体5の両端部を係合させて、各スライド部材13a,13bの先端面の少なくとも一部が前記棒状体5とほぼ同一面になるように宙吊り状態に保持させる。
【0017】
▲2▼ 上記▲1▼の工程ののち、図示しない押出機の押出ヘッドより溶融した熱可塑性樹脂よりなるパリスン14を押出して型開きされた前記一方の金型11と前記棒状体5間に配置したのち、型閉じを開始する。この型閉じの進行に伴って、第1スライド部材13aおよび第2スライド部材13bによって宙吊り状態に保持された棒状体5および両スライド部材13a,13bによってパリスン14の裏壁となる部分の一部が表壁となる部分に向けて突出変形されて棒状体5および各スライド部材13a,13bにならう溝状の凹部14aが形成されて行き、図2の(c),(d)に示すように、型閉じが完了したときには凹部14aの先端部がパリスン14の表壁となる部分の裏面に溶着されて溶着部14bが形成される。
【0018】
本工程において、型閉じ完了前にパリスン14の先端開口部を閉鎖し、前記押出ヘッドに内設された吹込手段によって加圧空気等の加圧流体を所定量導入する、いわゆるプリブローを行なったのち型閉じを完了させるとよい。
【0019】
また、第1スライド部材13aおよび第2スライド部材13bは、型閉じ開始時には型閉じ完了時の突出長さよりも若干短い長さだけ突出させておき、型閉じの進行とともにその突出長さを増大させ、型閉じ完了に合わせて型閉じ完了時の突出長さまで突出させるようにすることができる。
【0020】
▲3▼ 上記▲2▼の工程ののち、図2の(e),(f)に示すように、図示しない吹込針等の吹込手段をパリスン14へ突き刺してパリスン14内に加圧流体を導入することによって、前記キャビティ11a,12aおよび前記スライド部材13a,13bの外面に沿って膨張させると同時に加圧流体の内圧によって凹部14aの両スライド部材13a,13b間における空隙部を押圧変形させてその対向する壁面を溶着させて一体化させることにより、一端側が表壁1の裏面に溶着されているとともに他端側が裏壁2に一体成形され、しかも表壁の近傍に棒状体5が埋設されたインナーリブ4を形成すると同時に第1および第2スライド部材13a,13bによってインナーリブ4の両端に隣接した空間部6を形成する。
【0021】
▲4▼ 上記▲3▼の工程ののち、金型中で冷却したのち第1および第2スライド部材13a,13bを他方の金型内へ完全に引き込み、ついで型開きを行なって、中空板体P1 を取出し、不要なバリを除去する。
【0022】
本実施例によれば、湾曲または曲折した面形状の表壁1を有し、表壁1と裏壁2との対向壁間の距離が変化する中空板体P1 であっても、表壁1および裏壁2の外面にインナーリブ4による痕跡が発生せず、外観が良好で剛性に優れ、しかも棒状体と樹脂との熱膨張率の差に起因する伸縮の差がインナーリブ4の両端に隣接した空間部で吸収され、そり等の変形が発生しない中空板体P1 を製造することができる。
【0023】
なお、本実施例では裏壁が平坦面である場合について説明したが、少なくとも表壁または裏壁のうちのいずれか一方が湾曲または曲折した面形状を有する中空板体の製造に適用できることはいうまでもない。
【0024】
(第2実施例)
先ず、第2実施例によって製造された中空板体の一例について説明する。
【0025】
図3に示すように、本実施例の中空板体の製造方法によって製造された中空板体P2 は、平坦面を有する表壁21と、段差部22aを有する裏壁22つまり湾曲または曲折した面形状を有する裏壁22とが間隔をおいて対向し、両者の周縁部が端壁23によって閉塞されており、表壁21と裏壁22間には一端側が表壁21の裏面に溶着されているとともに他端側が裏壁22に一体成形され、しかも表壁21の近傍には波形の伸縮用屈曲部25aを有する棒状体25が埋設されたインナーリブ24を備え、インナーリブ24の両端に隣接した空間部26が形成されている。
【0026】
次に、本実施例の中空板体の製造方法の工程について説明する。
【0027】
▲1▼ 図4の(a),(b)に示すように、表壁21の外面および端壁23の大半部分の外面を規制するキャビティ31a有する一方の金型31と、裏壁22の外面および端壁23の残りの部分の外面を規制するキャビティ32aを有するとともに、インナーリブを形成すべき部位の両端部に隣接して配設された一方の金型31に対して個別に進退自在な棒状の第1スライド部材33aおよび第2スライド部材33bを備えた他方の金型32とを型開きし、第1スライド部材33aおよび第2スライド部材33bを各スライド部材33a,33bの先端と一方の金型31のキャビティ31a間の間隔がほぼ等しくなるようにそれぞれ突き出して両者の先端部における対向部位に設けられた嵌合溝33c,33dに前記表壁21の面形状にならう形状を有するとともに波形の伸縮用屈曲部25aを有する棒状体25の両端を各スライド部材33a,33bの先端面の少なくとも一部が前記棒状体とほぼ同一面になるように着脱自在に嵌合することで宙吊り状態に保持させる。
【0028】
▲2▼ 上記▲1▼の工程ののち、図示しない押出機の押出ヘッドより溶融した熱可塑性樹脂よりなるパリスン34を押出して型開きされた一方の金型31と伸縮用屈曲部25aを有する棒状体25間に配置したのち、型閉じを開始する。この型閉じの進行に伴って、第1スライド部材33aおよび第2スライド部材33bによって宙吊り状態に保持された伸縮用屈曲部25aを有する棒状体25、並びに、各スライド部材33a,33bを介してパリスン34の裏壁となる部分の一部が表壁となる部分に向けて突出変形されて伸縮用屈曲部25aを有する棒状体25および各スライド部材33a,33bにならう溝状の凹部34aが形成されて行き、図5の(a)に示すように型閉じが完了したときには凹部34aの先端部がパリスン34の表壁となる部分の裏面に溶着されて溶着部34bが形成される。
【0029】
本工程において、型閉じ完了前にパリスン34の先端開口部を閉鎖し、前記押出ヘッドに内設された吹込手段等によって加圧空気等の加圧流体を所定量導入する、いわゆるプリブローを行なったのち型閉じを完了させるとよい。
【0030】
▲3▼ 上記▲2▼の工程ののち、図5の(b)に示すように、図示しない吹込針等の吹込手段をパリスン34へ突き刺してパリスン34内に加圧流体を導入することによって、キャビティ31a,32aおよび前記スライド部材33a,33bに沿って膨張させると同時に加圧流体の内圧によって凹部34a両スライド部材間における空隙部を押圧変形させてその対向する壁面を溶着させて一体化させることにより、一端側が表壁21の裏面に溶着されているとともに他端側が裏壁22に一体成形され、しかも表壁近傍に伸縮用屈曲部25aを有する棒状体25が埋設されたインナーリブ24を形成すると同時に第1および第2スライド部材33a,33bによってインナーリブ24の両端に隣接した空間部26を形成する。
【0031】
▲4▼ 上記▲3▼の工程ののち、金型中で冷却したのち第1および第2スライド部材33a,33bを他方の金型22内へ完全に引き込み、ついで型開きを行なって中空板体P2 を取出し、不要なバリを除去する。
【0032】
本実施例においては、インナーリブの両端に隣接した空間部および板状体の伸縮用屈曲部により、上記第1実施例よりもそり等の変形防止効果に優れた中空板体を製造することができる。
【0033】
なお、本実施例では表壁が平坦面である場合について説明したが、少なくとも表壁または裏壁のうちのいずれか一方が湾曲または曲折した面形状を有する中空板体の製造に適用できることはいうまでもない。
【0034】
次に第2実施例の変形例について説明する。
【0035】
本変形例は、上記第2実施例の▲1▼ないし▲4▼の工程のうち、▲3▼ないし▲4▼の工程を次のとおり変更したものである。
【0036】
第2実施例の上記▲1▼および▲2▼の工程を実行したのち、第1スライド部材33aおよび第2スライド部材33b(図4参照)を他方の金型32内へ引き込むとともに、図示しない吹込針等の吹込手段をパリスン34へ突き刺してパリスン34内へ加圧流体を導入することによって、キャビティ31a,32aに沿って膨張させると同時に加圧流体の内圧によって凹部34aを押圧変形させて空隙部における対向壁面を溶着させて一体化させることにより一端側が表壁21の裏面に溶着されているとともに他端側が裏壁22に一体成形され、しかも表壁の近傍に伸縮用屈曲部25aを有する棒状体25が埋設された外部から見えないインナーリブ24を形成する。
【0037】
ついで、金型中で冷却したのち型開きを行なって、中空板体を取出し、不要なバリを除去する。
【0038】
本変形例によって製造された中空板体においては、棒状体の伸縮用屈曲部が変形することで、棒状体と中空板体を構成する樹脂との熱膨張率の差に起因する伸縮の差が吸収され、上記第1実施例と同様の効果を奏する。
【0039】
本発明において、熱可塑性樹脂としては、ABS樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン等が用いられる。
【0040】
また、本発明によって製造された中空板体の用途は、軽量かつ機械的強度が大きく、しかも外観良好性が要請される電気装置等のハウジング、自動車用の外板等がある。
【0041】
【発明の効果】
本発明は上述のとおり構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
【0042】
対向する表壁と裏壁の少なくとも一方が湾曲または曲折した面形状を有し、前記表壁と前記裏壁との対向壁間の距離が変化する中空板体の内部に、一端側が表壁の裏面に溶着されているとともに他端側が裏壁に一体成形されたインナーリブを備えた中空板体であっても、インナーリブの表壁近傍に埋設された棒状体と中空板体を構成する樹脂との熱膨張率の差に起因する伸縮の差によるそり等の変形が発生することがなく、しかも表壁および裏壁の外面に、インナーリブによる痕跡が発生せず、外観が良好で剛性に優れた中空板体を簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によって製造された中空板体の一例を示す模式斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例の工程の説明図である。
【図3】本発明の第2実施例によって製造された中空板体の一例を示す模式斜視図である。
【図4】本発明の第2実施例の一工程の説明図である。
【図5】本発明の第2実施例における図4に示す工程後の他の工程の説明図である。
【図6】従来の中空板体の製造方法の一例の工程を示す説明図である。
【図7】従来の中空板体の製造方法の他の例の工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1,21 表壁
2,22 裏壁
2a 段差部
3,23 端壁
4,24 インナーリブ
5 棒状体
11,31 一方の金型
11a,12a,31a,32a キャビティ
12,32 他方の金型
13a,33a 第1スライド部材
13b,33b 第2スライド部材
14,34 パリスン
14a,34a 凹部
14b,34b 溶着部
25 伸縮用屈曲部を有する棒状体
25a 伸縮用屈曲部
Claims (3)
- 対向する表壁と裏壁の少なくとも一方が湾曲または曲折した面形状を有し、前記表壁と前記裏壁との対向壁間の距離が変化する中空板体の内部に、一端側が前記表壁の裏面に溶着されているとともに他端側が前記裏壁に一体成形されたインナーリブを備えた中空板体の製造方法であって、
前記表壁の外面を規制するキャビティを有する一方の金型および前記裏壁の外面を規制するキャビティを有する他方の金型とを型開きし、前記他方の金型における前記インナーリブを形成すべき部位の両端部位にそれぞれ配設されたスライド部材を、各スライド部材の先端と前記一方の金型のキャビティ間の間隔が略等距離になるようにそれぞれ突き出して前記表壁の面形状にならう形状の棒状体の両端を前記スライド部材の先端面の少なくとも一部が前記棒状体とほぼ同一面になるように宙吊り状態に保持させ、前記一方の金型と前記棒状体間にパリスンを配置したのち型閉じして前記パリスンを挟持するとともに、前記棒状体および前記スライド部材を介して前記パリスンの裏壁となる部分を突出変形させることにより凹部を形成して該凹部の先端を表壁となる部分に溶着し、ついで、前記パリスン内に加圧流体を導入することによって、前記キャビティおよび前記スライド部材の外面に沿って膨張させると同時に前記凹部の前記スライド部材間における空隙部を前記加圧流体の内圧で押圧変形させることにより前記凹部の前記スライド部材間における空隙部の対向する壁面を溶着させて表壁近傍に前記棒状体が埋設された前記インナーリブを形成するとともに、前記スライド部材により前記インナーリブの両端に隣接した空間部を形成することを特徴とする中空板体の製造方法。 - 棒状体が伸縮用屈曲部を有することを特徴とする請求項1記載の中空板体の製造方法。
- 対向する表壁と裏壁の少なくとも一方が湾曲または曲折した面形状を有し、前記表壁と前記裏壁との対向壁間の距離が変化する中空板体の内部に、一端側が前記表壁の裏面に溶着されているとともに他端側が前記裏壁に一体成形されたインナーリブを備えた中空板体の製造方法であって、
前記表壁の外面を規制するキャビティを有する一方の金型と、前記裏壁の外面を規制するキャビティを有する他方の金型とを型開きし、前記他方の金型における前記インナーリブを形成すべき部位の両端部位にそれぞれ配設されたスライド部材を、各スライド部材の先端と前記一方の金型のキャビティ間の間隔が略等距離になるようにそれぞれ突き出して前記表壁の面形状にならう形状であるとともに伸縮用屈曲部を有する棒状体の両端を前記スライド部材の先端面の少なくとも一部が前記棒状体とほぼ同一面になるように宙吊り状態に保持させ、前記一方の金型と前記伸縮用屈曲部を有する棒状体間にパリスンを配置したのち型閉じして前記パリスンを挟持するとともに、前記伸縮用屈曲部を有する棒状体および前記スライド部材を介して前記パリスンの裏壁となる部分を突出変形させることにより凹部を形成して該凹部の先端を前記パリスンの表壁となる部分に溶着し、ついで、前記スライド部材を引き抜くとともに前記パリスン内に加圧流体を導入することによって、前記キャビティに沿って膨張させると同時に前記凹部を前記加圧流体の内圧によって押圧変形させることにより前記凹部の空隙部における対向する壁面を溶着させて表壁近傍には前記伸縮用屈曲部を有する棒状体が埋設された前記インナーリブを形成することを特徴とする中空板体の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP33607195A JP3566432B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | 中空板体の製造方法 |
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JP33607195A JP3566432B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | 中空板体の製造方法 |
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