JP3565535B2 - 光電陰極及び電子管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外領域から赤外領域までの光に感度を有する光電陰極及びそれを用いた電子管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紫外光に感度を有する光電陰極として、米国特許4,616,248号公報に開示されたものが知られている。図7及び図8は、この公報に開示された反射型及び透過型の光電陰極60,70の断面図であって、サファイア基板61上には紫外光の吸収により光電子を発生させるための活性層62がAlGaNによって形成されている。
【0003】
より詳細に述べると、図7の反射型の光電陰極60では、AlGaNの活性層62がサファイヤ基板61上にGaNからなるバッファ層63を介して、エピタキシャル成長して形成されている。一方、図8の透過型の光電陰極60では図7の透過型の光電陰極70とは異なり、サファイヤ基板61上に活性層62が直接エピタキシャル成長して形成されている。なお、図7及び図8に示される光電陰極60,70では、活性層62表面上にCsからなる表面層63が形成されて、活性層62表面が活性化されている。表面層63により活性化された活性層62では仕事関数が低下している。また、光電陰極60,70の周縁部には、金属の電極64が形成されて、光電陰極60,70が外部との電気的な接続できるようにしている。このため、被検出光(hν)が図7及び図8に矢印で示されるように入射したとき、活性層62の電子が励起されて光電陰極60,70外部へ光電子(e)として容易に放出可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、米国特許5,557,167号公報には、上記に開示された光電陰極が紫外領域における感度を有するものの、以下に示す五つの条件を満たしておらず、その感度は高くないことが開示されている。その五つの条件とは、1)光電陰極の活性層における光電子の拡散長が長いこと、2)活性層が所望の波長の被検出光を吸収するよう、活性層の厚さが電子拡散長程度になっていること、3)光電陰極の活性層の導電型がp型又はi型となって、活性層表面が光電子が容易に放出されるよう実効的に負の電子親和力を有していること、4)活性層を物理的に支持する基板が入射窓としても機能するよう、所望の波長に対して透過性が高いこと、5)活性層と基板との界面において活性層の結晶欠陥の形成が抑制され、被検出光によって励起された電子がその結晶欠陥に由来する再結合準位に捕捉されないようにすること、である。
【0005】
また、米国特許5,557,167号公報には、これらの条件を満たすことは可能であり、高感度の光電陰極が得られることが開示されている。図9の断面図は、この公報に開示された透過型の光電陰極80である。この光電陰極80では、単結晶サファイヤ(Al)からなる基板81上に、活性層81がAlGaNの三元混晶によって形成されている。また、基板81と活性層82との界面に形成された結晶欠陥の発生が抑制されるよう、基板81と活性層82との間に、AlGaNからなる界面層(interface layer)82が形成されている。なお、光電陰極80が外部との電気的に接続できるようにするため、光電陰極80の外周面上に金属電極84が形成されている。
【0006】
しかしながら、上述した2つの公報に開示された光電陰極の活性層はいずれもAlGaNの3元混晶により形成されている。このため、これら光電陰極では、活性層が最もエネルギギャップの大きいGaNによって形成されたとしても、波長が200〜360nmの紫外光にしか本質的に感度がないこととなる。したがって、これら光電陰極を備える電子管もまた、波長が200〜360nmの紫外光にしか感度を有することができず、検出対象となる被検出光の波長範囲が限定されてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、広い波長範囲にわたって高い分光感度を有する光電陰極及びそれを用いる電子管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の光電陰極は上記目的を達成するためになされたもので、検出対象である被検出光の入射により光電子が放出される光電陰極であって、サファイヤからなる基板と、基板上にInx1(Aly1Ga1−y11−x1Nによって形成され、検出対象である被検出光の入射により光電子を発生させるための活性層と、基板と活性層との間にInx2(Aly2Ga1−y21−x2Nによって形成され、基板と活性層との格子不整を緩和するためのバッファ層とを備え、活性層を形成するInx1(Aly1Ga1−y11−x1Nの組成がx1>0且つ0≦y1≦1の範囲にあり、バッファ層を形成するInx2(Aly2Ga1−y21−x2Nの組成がx2>0且つ0≦y2≦1の範囲にあることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、活性層は少なくともInを含んでいる。このため、活性層を構成する各元素の組成の調整により波長が200nm〜600nmの被検出光が活性層に吸収されて、光電子が発生するようになる。したがって、波長が200nm〜600nmの被検出光に対して光電陰極は感度を有するようになる。また、活性層を構成している元素はバッファ層を構成している元素と同じである。このため、活性層及びバッファ層を構成する各元素の組成の調整により、活性層と基板との格子不整が緩和しながら、上記波長範囲の被検出光のほとんどが活性層に吸収されて光電子が発生するようになる。したがって、200nm〜600nmの範囲にある被検出光に対して高い感度を有する光電陰極が実現される。
【0010】
また、バッファ層の格子定数が活性層の格子定数とほぼ等しいのが好適である。これにより、活性層がバッファ層と格子整合するようになって、活性層と基板との格子不整はほとんど解消され、活性層には格子不整による結晶欠陥はほとんど発生しない。したがって、被検出光の吸収により励起される活性層の電子は、この結晶欠陥に由来する再結合準位により捕捉されないので、さらに感度の高い光電陰極が得られようになる。
【0011】
また、本発明の光電陰極が透過型となるために、バッファ層のエネルギギャップが活性層のエネルギギャップ以上であるのがよい。
【0012】
また、バッファ層と活性層との格子不整を緩和させるために、バッファ層と活性層との間にはInAlGaNからなるサブ層が形成されていることを特徴としてもよい。
【0013】
また、サブ層を含む光電陰極が透過型となるために、サブ層のエネルギギャップが、活性層のエネルギギャップ以上であることが好適である。
【0014】
また、サブ層の格子定数が活性層の格子定数とほぼ等しいのが好適である。これにより、活性層がバッファ層と格子整合するようになって、活性層とバッファ層との格子不整はほとんど解消され、活性層には格子不整による結晶欠陥はほとんど発生しない。したがって、光の吸収により励起される活性層の電子は、この結晶欠陥に由来する再結合準位により捕捉される確率は著しく低下し、さらに感度の高い光電陰極が得られようになる。
【0015】
また、活性層表面を負の電子親和力とするために、活性層の表面には、活性層の仕事関数を低下させるための表面層が、アルカリ金属又はその酸化物、そのフッ化物若しくはそのヨウ化物によって形成されていてもよい。
【0016】
本発明の電子管では、サファイヤからなる基板と、基板上にInx1(Aly1Ga1−y11−x1Nによって形成され、検出対象である被検出光の吸収により光電子を発生させるための活性層と、基板と活性層との間にInx2(Aly2Ga1−y21−x2Nによって形成され、基板と活性層との格子不整を緩和するためのバッファ層とを備え、活性層を形成するInx1(Aly1Ga1−y11−x1Nの組成がx1>0且つ0≦y1≦1の範囲にあり、バッファ層を形成するInx2(Aly2Ga1−y21−x2Nの組成がx2>0且つ0≦y2≦1の範囲にある光電陰極と、光電陰極の活性層及びバッファ層を内部に収容するよう、基板を側壁端部に支持して真空容器を構成する筐体と、真空容器内部に設置され、光電陰極に対して正の電圧が保持された陽極とが備えられている。
【0017】
かかる構成では、光電陰極によって波長が200nm〜600nmの被検出光が光電子に効率よく変換され、その光電子は陽極に集められる。したがって、この電子管はかかる波長範囲の光信号を電気信号に効率よく変換することができる。
【0018】
また、光電陰極から放出される光電子信号を増倍させるため、光電陰極と陽極との間に、光電陰極から放出される光電子を2次電子増倍するための増倍手段を備えてもよい。
【0019】
また、陽極は、光電陰極に入射した被検出光の2次元光学像に対応して放出される2次元電子像が入射することにより発光する蛍光膜であってもよい。これによって、被検出光の2次元光学像を直接観察することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0021】
図1の側断面図には、本発明が適用される透過型の光電陰極10がメサ状の断面を有して概略的に示されており、波長が200nm〜600nmの範囲にある被検出光に対して高い感度が得られるようになっている。
【0022】
この光電陰極10では、単結晶のサファイヤ(Al)からなる基板11が、図1の矢印で示される被検出光(hν)の窓材としても用いられている。基板11としてサファイアを用いたのは、サファイアが波長が約150nmの紫外光から約600nmの可視光まで透光性を、換言すれば、被検出光の波長範囲よりも広い波長範囲で透光性を有しているためである。また、多結晶でなく単結晶としたのは、多結晶ではこの上に良質な活性層をエピタキシャル成長させることが困難であるためである。
【0023】
基板11上には、被検出光の吸収により光電子を発生させるための活性層12が、単結晶によって形成されている。本実施形態では、この活性層12はInx1(Aly1Ga1−y11−x1Nの混晶によって形成されており、その組成がx1>0且つ0≦y1≦1の範囲にある。この活性層12を形成するInx1(Aly1Ga1−y11−x1Nの組成が上記範囲で変化するとき、エネルギギャップ及び基礎吸収端波長は、そして、それらが変化する範囲は図2を考察することにより明らかとなる。
【0024】
図2は、InAl1−xN,InGa1−xN,AlGa1−xNの各元素の組成に対するエネルギギャップEg及び基礎吸収端波長λeを示したものである。この図によると、In,Al及びGaの組成により、図2(a)〜図2(c)に実線で示されるように、エネルギギャップEgが2〜6eVまで変化するようになることが分かる。また、基礎吸収端波長λeは、図2(a)〜図2(c)に太実線で示されるように、紫外領域の200nmから可視領域の600nmまで変化するようになる。したがって、これらの3元混晶が任意に組み合わされて形成される本実施形態の活性層12は波長が200nm〜600nmの被検出光を吸収して、光電子を発生させることができる。
【0025】
これに対して、上述した米国特許5,557,167号公報の活性層及び界面層呼ばれるバッファ層は、Inを含まないAlGaN三元混晶によって形成されている。このため、AlGaNの組成に応じて変化する基礎吸収端波長λeの範囲は、図2(c)に太実線で示されるように、200nmから360nmの紫外領域に限定されるので、そのような活性層では波長が200nm〜360nmの被検出光しか吸収されない。
【0026】
また、基板11と活性層12との間には、バッファ層13が活性層12と格子整合して形成されて、基板12と活性層12との格子不整を緩和して活性層12の結晶性を高めている。本実施形態では、活性層12を形成する各元素の組成が変化してもこの格子整合が維持され易い点に特徴がある。これは、バッファ層13が活性層12と同じ元素からなるInx2(Aly2Ga1−y21−x2Nによって形成されて、その組成がx2>0且つ0≦y2≦1の範囲にあるためである。このとき、両者を形成する元素の組成を適当に変化させることにより、活性層12及びバッファ層13の格子定数とエネルギギャップをそれぞれ独立に変化させることが可能である。したがって、活性層12及びバッファ層13の格子定数の調整は容易になされ、両者が格子整合しやすくなるのである。格子整合をしている活性層12とバッファ層13との界面においては、転位等の結晶欠陥の生成が抑制されている。このため、この結晶欠陥に由来する再結合準位もほとんど形成されることはない。したがって、被検出光によって励起された活性層12の電子が放出表面まで移動する途中で、再結合準位に捕捉される確率が著しく低下する。
【0027】
ところで、本実施形態の光電陰極10は透過型であるため、バッファ層13は活性層12の結晶性を向上させるだけではなく、活性層12が基板に入射する被検出光のほとんどを吸収できるよう、被検出光に対して透光性を有している必要がある。すなわち、バッファ層13は活性層12と格子整合しながら、活性層12よりも大きいエネルギギャップを有している必要がある。しかし、活性層12とバッファ層13とが同じ元素の四元混晶から形成されているため、両者を形成する元素の組成を適当に変化させることにより、活性層12及びバッファ層13の格子定数とエネルギギャップをそれぞれ変化させることが可能である。したがって、活性層12及びバッファ層13のエネルギギャップの調整は容易になされ、バッファ層13は活性層12と格子整合しながら、活性層12よりも大きいエネルギギャップを容易に有するようになる。
【0028】
なお、以上のように構成された図1の光電陰極10の断面図は概略図であって、実際の光電陰極の断面とは異なる。例えば、活性層及びバッファ層の厚さはサファイヤ基板の厚さに比べて非常に薄い。しかし、活性層及びバッファ層を図面上に示すことは実際に不可能である。したがって、活性層12及びバッファ層13は厚さに関して、図1だけでなくそれ以外の図面も拡大されて示されている。また、光電陰極10の外周面には金属の電極14が形成されて、光電陰極14が外部との電気的な接続を可能にしている。
【0029】
このような透過型の光電陰極10の基板11側から、被検出光(hν)が図1の矢印で示されるように入射すると、基板11は被検出光に対して透光性を有しているため、被検出光は基板11によって吸収されることなく透過する。また、基板11は単結晶からなるため、被検出光は結晶粒界によって散乱されず、その光路は変化しない。基板11を透過した被検出光はバッファ層13に到達する。上述したように、バッファ層13もまた単結晶からなり、また、被検出光に対して透光性を有しているので、被検出光はバッファ層13によって吸収・散乱を受けることなくバッファ層13を透過する。バッファ層13を透過した被検出光は活性層によって吸収される。このとき、活性層12には格子不整に基づく結晶欠陥の発生が抑制されているので、結晶欠陥に由来する再結合準位は活性層12の禁止帯にほとんど形成されない。このため、被検出光が活性層12によって吸収されて活性層12の電子が励起されるとき、その電子が再結合準位に捕捉される確率は著しく低下する。したがって、被検出光のほとんどは活性層12に吸収されて電子が励起され、光電子(e)として外部に放出されるようになる。
【0030】
図3には、本実施形態の光電陰極の分光感度特性を測定した結果が示されている。図3によれば、エネルギギャップが活性層のものよりも大きいバッファ層によって、短波長側閾値波長が非常に急峻に現れて、バッファ層は優れた短波長カットフィルタの役割を果たしていることが分かる。これは、バッファ層が活性層12と格子整合しているためである。また、バッファ層13は活性層12と格子整合している限り、バッファ層13を形成する各元素の組成に応じて、上述したように、バッファ層13の基礎吸収端波長が200nmから600nmまで変化可能となる。したがって、短波長側閾値波長が、図3の点線で示されるように200nm〜600nmの範囲で任意に調整可能となる。
【0031】
バッファ層13によって短波長側閾値波長が調整可能となると同様に、活性層12によっても、急峻な長波長例閾値波長が、図3に示されるように調整可能となる。活性層12はバッファ層13と同じ元素からなり、バッファ層13と格子整合している限り、その組成の変化に応じて活性層13の基礎吸収端波長が200nmから600nmまで変化可能となるからである。したがって、活性層は優れた長波長カットのフィルタの役割を果たすようになる。さらに、以上から、光電陰極10が200nm〜600nmの範囲で優れた帯域フィルタとしての機能をも有するようになる。
【0032】
このように、短波長側及び長波長側閾値波長がこのように広い範囲にわたっているのは、上述したように、光電陰極10を構成する活性層12及びバッファ層13にInが含まれているためである。これに対して、上述した米国特許5,557,167号公報の活性層及バッファ層は、AlGaN三元混晶によって形成されてInを含んでいない。このため、AlGaNの組成に応じて調整できる短波長側及び長波長側閾値波長波長の範囲は、200nm〜360nmの紫外領域に限定されてしまうのである。
【0033】
なお、本実施形態では、バッファ層が一定の組成を有したInx2(Aly2Ga1−y21−x2Nによって形成されている場合について例に説明した。しかし、バッファ層はこれに限定されるものではない。例えば、サファイヤ基板から活性層にかけて組成がなだらかに変化するような傾斜組成層、或いは組成の異なる複数のバッファ層、或いはこれらを組み合わせたものなどであっても構わないことはもちろんである。また、活性層表面上にはCs及びOからなる表面層が形成されて、活性層の表面の仕事関数が低下して、活性層表面が負の電子親和力(Negative Electron Affinity:NEA)を有してもよい。このとき、表面層のCsがそれ以外の他のアルカリ金属、例えばRb,K等でも同様の効果は得られることはもちろんである。さらに、O以外には例えばF,I等が用いられてもよい。
【0034】
本発明の光電陰極は上記のものに限定されない。図4の断面図には、本発明の光電陰極10の第2実施形態が概略的に示されている。本実施形態では、単結晶のバッファ層が形成されている上記第1実施形態と異なり、低温で形成された非晶質のバッファ層13上に単結晶のサブ層15がInAlGaNによって形成されている。活性層12とバッファ層13との間にサブ層15を設けたのは、非晶質のバッファ層13は多くの欠陥を含んでいるため上に直接活性層12が形成された場合の界面においては、活性層12に結晶欠陥が生成される可能性があるからである。この結晶欠陥は活性層12の禁制帯に再結合準位を形成し、被検出光が活性層に吸収されることにより励起された電子は、この再結合準位に捕捉されてしまう。したがって、光電陰極10の感度は著しく低下するおそれがある。そこで、活性層12とバッファ層13との間にサブ層15が形成されることにより、活性層12とバッファ層13との格子不整を緩和するようにしている。このとき、活性層12とサブ層15との界面の結晶欠陥の発生が極力抑制されるよう、活性層15とサブ層15との格子定数はほぼ一致して、両者が格子整合しているのが望ましい。
【0035】
また、このサブ層15は、上記第1実施形態と同様に第2実施形態の光電陰極10が透過型であるために、被検出光の波長に対して透光性を有している必要がある。このため、サブ層15についてもまたエネルギギャップが被検出光の波長に対応したエネルギギャップよりも大きくなるように、サブ層15を形成するInAlGaNが所定の組成を有している必要がある。
【0036】
以上のように構成された第2実施形態の光電陰極10の作製は、いわゆる有機金属気相成長法により、反応性に富む有機金属化合物とアンモニア(NH)とを熱分解して行われる。なお、第1実施形態の光電陰極10の作製も第2実施形態とほぼ同様に行われる。
【0037】
まず、所定の大きさの単結晶のサファイヤ基板を脱脂洗浄後、図示されない有機金属気相成長装置の反応室に配置する。その後、反応室に窒素原料となるアンモニアガス(NH)とキャリヤガスである水素ガス(H)とを導入する。この状態で、サファイア基板11を加熱して約1000℃に所定時間維持してその表面の清浄化を行って、表面の水分や揮発成分の除去等が行われる。
【0038】
つぎに、サファイア基板11を約450℃に維持し、Inの原料となるトリメチルインジウム(TMI)、Alの原料ガスとなるトリメチルアルミニウム(TMA)及びGaの原料となるトリメチルガリウム(TMG)を反応室に導入する。このとき、InAlGaNからなる厚さが約20nmのバッファ層13が非晶質となって形成される。その後、サファイア基板11を加熱して約900℃に維持し、単結晶のInAlGaNからなる厚さが約200nmのサブ層15が形成される。このとき、サブ層15の導電型をMgが所定量だけドーピングされたp型にするために、Mgの原料となるシクロペンタジエニルマグネシウムを所定量だけ導入する。
【0039】
引き続いて、このサブ層15上に、Inx1(Aly1Ga1−y11−x1Nからなる厚さが約300nmの活性層12をエピタキシャル成長させる。このとき、サファイヤ基板11から入射する被検出光のほとんどが活性層12に到達するために、バッファ層13、サブ層15のエネルギギャップが活性層12のエネルギギャップよりも大きくなるように、これらを形成するInAlGaN四元混晶がそれぞれ所定の組成を有していることが重要である。また、活性層13とサブ層15との界面において、結晶欠陥の発生が抑制されるように、活性層12とサブ層15を構成する各元素の組成を調整して、両者の格子定数がほぼ一致させることが重要である。
【0040】
なお、米国特許5,557,167号公報では、活性層上にZnからなるプロテクション層を形成する方法が開示されているが、活性層のAl組成が著しく高い場合以外は、このようなプロテクション層を形成する必要はない。このプロテクション層は活性層表面の酸化を抑制するためのものであり、真空中で昇温により脱離するものであれば上記に限定されないことは言うまでもない。
【0041】
以上のように、光電陰極が有機金属気相成長法により作製されるが、この成長方法が本質的なものではない。したがって、高品質な光電陰極を作製できる成長方法であれば、有機金属気相成長法に限定されるものではない。また、各層の厚さについても代表的な値を示したものであり、本発明が必ずしも上記厚さに限定されないことはもちろんである。
【0042】
つぎに、有機金属気相成長装置の反応室内で作製された光電陰極を、一度大気中に取り出した後、活性層12表面を一部マスクして真空チャンバ内に配置し、超高真空にまで真空排気する。この状態で、電極材料を蒸着して光電陰極10外周面に電極を形成する。
【0043】
その後、真空チャンバ内を大気圧にして真空チャンバから光電陰極10を取り出し、活性層12表面のマスクを取り除く。つぎに、光電陰極を10を再び真空チャンバ内に配置して、超高真空にまで真空排気する。この状態で、光電陰極10を約800℃まで加熱し、光電陰極10の表面を清浄化する。なお、CsとOをからなる図示されない表面層を単原子層だけ形成させ、光電陰極の活性層表面の仕事関数を低下させてもよい。これにより、活性層はいわゆる負の電子親和力を有するようになり、感度が非常に高い光電陰極が作製される。ただし、表面層はCs及びOからなるものに限られない。Cs以外の他のアルカリ金属、例えばRb,K等でも同様の効果は得られることはもちろんである。また、O以外に例えばF,I等を用いることも可能である。また、このような光電陰極10を真空容器内に収容されれば、非常に高い光電変換効率を有する電子管が作製される。
【0044】
以上のように構成された光電陰極10は、実際には光電子増倍管等の電子管の陰極として用いられて、波長が200nm〜600nmにある微弱な被検出光の検出に供することができる。
【0045】
図1の側断面図には、上記第2実施形態の光電陰極10を備える電子管20が概略的に示されており、上述の波長範囲にある微弱な被検出光を光電変換により検出できる光電子増倍管である。
【0046】
この光電子増倍管では筐体の上端部において、光電陰極10を構成する基板11が活性層12等を筐体21内に収容するように気密に支持され、また、筐体の下端部には陽極30が気密に支持されて、真空容器22が形成される。なお、図示されないが、この光電子増倍管20では、光電陰極10の電極に電気リードの一端が接続されその他端は外部に延びており、また、陽極にも電気リードの一端が接続されその他端は外部に延びている。これら電気リードの他端には直流電源が接続されて、陽極が光電陰極に対して正の電圧となるようにしている。
【0047】
真空容器22内には、直径10μm程度のガラス孔を多数束ねて構成されるマイクロチャンネルプレート(以下[MCP]という。)40が電子増倍手段として設けられている。MCP40には、図示されない電気リードを介して、光電陰極10に対して正の電圧が印加され且つ陽極30に対して負の電圧が印加されるようになっている。さらに、MCP40の上面側(以下「入力側」という)及び下面側(以下「出力側」という)にはそれぞれ電気リード41a,41bの一端が接続され、その他端は筐体の側壁を貫通して延びている。そして、電気リードの他端に図示されない直流電源が接続されて、MCP40の入力側とMCP40の出力側との間には増倍用の電圧が印加されるようになっている。なお、本実施形態における増倍手段は上記MCP40に限定されず、例えばSbCs等からなる2次電子面、あるいは電子打ち込み型のダイオード等でも構わないことはもちろんである。
【0048】
このように構成された光電子増倍管20のサファイア基板11に、検出対象である被検出光(hν)が入射すると、光電陰極10の実施形態の説明で述べたように、そのほとんどが活性層12に到達する。また、活性層12に到達した被検出光のほとんどが活性層12に吸収されて光電変換に寄与し、光電子(e)が負の電子親和力を有する光電陰極10外部に放出される。光電陰極10外部に放出された光電子は加速しながらMCP40の入力側に入射する。光電子はMCP40を通過中に約1×10倍に2次電子増倍されて、出力側から2次電子群(e)が図5に示されるように放出される。この2次電子群は、MCP40に対して正の電圧に印加された陽極30に加速して入射し、出力信号電流として外部に取り出される。したがって、被検出光が光子からなるものと考えた場合、この光電子増倍管20では光電陰極において光子の数え落としが低減される。このため、光電陰極によって決まる所定の波長領域において、すなわち波長が200nm〜600nmの波長領域において、微弱な被検出光の検出が、換言すれば光子計数計測が非常に効率よくなされるようになる。
【0049】
本発明の電子管は微弱な被検出光を、上述したように単に検出するものに限定されない。図6の側断面図に示される電子管20は、図5の光電子増倍管とは異なり、被検出光としての微弱な2次元光学像を検出できるようにしたいわゆる画像増強管である。この画像増強管では図5の光電子増倍管と異なり、陽極30が透明電極からなり、また、その内面には蛍光体(蛍光膜)31が形成されている。さらに、真空容器の下部にはファイバプレート50が支持されている。
【0050】
このような画像増強管の基板11に、被検出光としての微弱な2次元光学像(hν)が図6の矢印のようにように入射した場合、2次元光学像に対応する2次元光電子像(e)が光電陰極から真空容器20の内部空間へ効率よく放出される。その後、2次元光電子像はMCP40入力側に加速して入射すると、MCP40によって2次元光電子像は約1×10倍に2次電子増倍される。このとき、2次元光電子像が2次電子増倍して得られた2次元電子像(e)は、入力側の入射位置に対応した出力側の位置から放出される。この2次元電子像は陽極30内面に形成された蛍光体31に加速して入射し、蛍光体31上で2次元電子像に対応した2次元画像が増強して発光表示される。2次元画像は蛍光体31下部に設けられたファイバプレート50を通して外部に取り出され、観測される。したがって、本実施形態の画像増強管では、上述の光電陰極10がMCP40、蛍光体31及びファイバプレート50と結合することにより、光電陰極10によって決まる波長範囲において、微弱な2次元光学像の検出も可能となる。
【0051】
なお、電子管は光電子増倍管又は画像増強管に限定されず、撮像管やストリーク管等のその他の光検出装置でもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明の光電陰極では、サファイア基板上に形成され、被検出光の吸収により光電子を発生する活性層がInx1(Aly1Ga1−y11−x1Nによって形成され、その組成はx1>0且つ0≦y1≦1の範囲にある。このように、活性層にはInが含まれていることにより、波長が200nm〜600nmの被検出光が活性層に吸収され光電子が発生可能となる。また、サファイヤ基板と活性層との間には、バッファ層が活性層と同じ元素によって形成されているので、サファイア基板と活性層との格子不整が容易に緩和される。したがって、バッファ層と活性層との界面において発生し、光電陰極の感度に悪影響を及ぼす活性層の結晶欠陥は低減され、かかる波長範囲で高い感度を有する光電陰極が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電陰極の第1実施形態を概略的に示した断面図である。
【図2】InAl1−xN,In1−xGaN及びAlGa1−xNの各組成に対するエネルギギャップ及び基礎吸収端波長をそれぞれ示した図である。
【図3】第1実施形態の光電陰極の分光感度特性を示した図である。
【図4】本発明の光電陰極の第2実施形態を概略的に示した断面図である。
【図5】本発明の電子管の第1実施形態、すなわち光電子増倍管を概略的に示した断面図である。
【図6】本発明の電子管の第2実施形態、すなわち画像増強管を概略的に示した断面図である。
【図7】従来の反射型の光電陰極を概略的に示した断面図である。
【図8】従来の透過型の光電陰極を概略的に示した断面図である。
【図9】図8の光電陰極の課題を解決した従来の光電陰極を概略的に示した断面図である。
【符号の説明】
10…光電陰極、11…基板、12…活性層、13…バッファ層、14…電極、20…電子管、21…筐体、22…真空容器、30…陽極、31…蛍光体、40…MCP、50…ファイバプレート。

Claims (10)

  1. 検出対象である被検出光の入射により光電子が放出される光電陰極であって、
    サファイヤからなる基板と、
    前記基板上にInx1(Aly1Ga1−y11−x1Nによって形成され、被検出光の吸収により光電子を発生させるための活性層と、
    前記基板と前記活性層との間にInx2(Aly2Ga1−y21−x2Nによって形成され、前記基板と前記活性層との格子不整を緩和するためのバッファ層と、
    を備え、
    前記活性層を形成するInx1(Aly1Ga1−y11−x1Nの組成がx1>0且つ0≦y1≦1の範囲にあり、
    前記バッファ層を形成するInx2(Aly2Ga1−y21−x2Nの組成がx2>0且つ0≦y2≦1の範囲にあることを特徴とする光電陰極。
  2. 前記バッファ層の格子定数が前記活性層の格子定数とほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の光電陰極。
  3. 前記バッファ層のエネルギギャップが、前記活性層のエネルギギャップ以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電陰極。
  4. 前記バッファ層と前記活性層との間には、InAlGaNからなるサブ層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電陰極。
  5. 前記サブ層の格子定数が前記活性層の格子定数とほぼ等しいことを特徴とする請求項4に記載の光電陰極。
  6. 、前記サブ層のエネルギギャップが、前記活性層のエネルギギャップ以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載の光電陰極。
  7. 前記活性層の表面には、前記活性層の表面の仕事関数を低下させるための表面層が、アルカリ金属又はその酸化物、そのフッ化物若しくはそのヨウ化物によって形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電陰極。
  8. サファイヤからなる基板と、
    前記基板上にInx1(Aly1Ga1−y11−x1Nによって形成され、検出対象である被検出光の吸収により光電子を発生させるための活性層と、
    前記基板と前記活性層との間にInx2(Aly2Ga1−y21−x2Nによって形成され、前記基板と前記活性層との格子不整を緩和するためのバッファ層と、
    を備え、
    前記活性層を形成するInx1(Aly1Ga1−y11−x1Nの組成がx1>0且つ0≦y1≦1の範囲にあり、
    前記バッファ層を形成するInx2(Aly2Ga1−y21−x2Nの組成がx2>0且つ0≦y2≦1の範囲にある光電陰極と、
    前記光電陰極の活性層及びバッファ層を内部に収容するよう、前記基板を側壁端部に支持して真空容器を構成する筐体と、
    前記真空容器内部に設置され、前記光電陰極に対して正の電圧が保持された陽極と、
    を備える電子管。
  9. 前記光電陰極と前記陽極との間に、前記光電陰極から放出される光電子を2次電子増倍するための増倍手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の電子管。
  10. 前記陽極には、前記光電陰極に入射する被検出光の2次元光学像に対応して放出される2次元電子像が入射することにより発光する蛍光膜が含まれていることを特徴とする請求項8又は9に記載の電子管。
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