JP3565077B2 - 燃料電池用電極及びその製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質型燃料電池に関し、特にその構成要素である電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子電解質型燃料電池は、近年、電気自動車用の電源や分散型電源として注目されている。現在、高分子電解質型燃料電池に用いられている高分子電解質は、十分に水で湿潤している状態の時に、必要とするイオン伝導度が保たれる。一方、電池としての電極反応は、触媒、高分子電解質、反応ガスの三相界面で生じる水の生成反応であり、供給するガス中の水蒸気や電極反応で生じる生成水が速やかに排出されず、電極や拡散層内に滞留すると、ガス拡散が悪くなり電池特性は逆に低下してしまう。
【0003】
このような観点から、高分子電解質型燃料電池に用いる電極には、高分子電解質の保湿と水の排出を促進するための対策がとれれている。一般的な電極としては、触媒層となる貴金属を担持した炭素粉末を、ガス拡散層となる多孔質導電性電極基材上に形成したものを用いる。多孔質導電性基材は、炭素繊維からなるカーボンペーパーやカーボンクロスなどが用いられる。これらの多孔性導電性基材は、予めポリテトラフルオロエチレン系材料の分散液などを用いて撥水処理を行い、電極反応で生じた生成水の排出が速やかに行われるようにし、また高分子電解質膜や電極中の高分子電解質が適度な湿潤状態になるようにするのが一般的である。また、これ以外の方法として、電極触媒層中に撥水処理を施した炭素粒子を混合して、電極触媒層中の余分な生成水を排出する対策もとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の高分子電解質型燃料電池に用いる電極は、ガス拡散層となる多孔質導電性基材に撥水処理したものが用いられている。このため、ガス拡散層で水の排出性は向上するが、触媒層内での水の排出性や、触媒層へのガス拡散性が悪くなり、特に空気利用率が高い場合や大電流放電時に電池特性が低下するという課題があった。
【0005】
また、電極触媒層中にサブミクロンオーダーのポリテトラフルオロエチレン分散粒子を用いて撥水処理をしたカーボンを導入した場合には、触媒層中の高分子電解質が撥水処理された炭素粒子に多く吸着してしまい、高分子電解質と触媒微粒子との接触度合が不十分で不均一な状態となったり、触媒微粒子がPTFEで覆われたりして、十分な三相界面が確保できないと言う課題があった。さらに、触媒となる触媒微粒子を担持した炭素粒子が撥水性を示すものであれば、高分子電解質膜や電極触媒層中の高分子電解質の湿潤状態がより乾き方向にシフトして電池特性が低下してしまう課題があった。
【0006】
このように電極触媒中に水が滞留することなく、しかも高分子電解質が適度な湿潤状態に保たれるような設計を施した高性能な電極が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため本発明の燃料電池用電極は、水素イオン伝導性固体高分子電解質膜と、前記水素イオン伝導性固体高分子電解質膜を挟んだ一対の電極と、前記電極を挟んだ一対の拡散層とを積層した電極電解質接合体を具備した燃料電池において、前記電極は、親水性炭素材に触媒粒子を担持した触媒体と、水素イオン伝導性高分子電解質と、撥水性炭素材とを少なくとも有し、さらに、前記触媒粒子表面の少なくとも一部に、親水性を有する層を化学的に接合したことを特徴とする。
【0009】
また、親水性炭素材に触媒粒子を担持した触媒体を水素イオン伝導性高分子電解質膜側に選択的に配置し、撥水性炭素材を拡散層側に選択的に配置したことが望ましい。
【0010】
このとき、撥水性炭素材は、炭素材表面の一部もしくは全面と、疎水部位を有するシランカップリング剤とを化学結合した、単分子層を有することが有効である。
【0011】
また、親水性炭素材は、炭素材表面の一部もしくは全面と、親水部位を有するシランカップリング剤とを化学結合した、単分子層を有することが有効である。
【0012】
以上では、フェノール性水酸基、カルボキシル基、ラクトン基、カルボニル基、キノン基または無水カルボン酸より選ばれる少なくとも1つの官能基を介して、炭素材とシランカップリング剤とを化学結合したことが有効である。
【0013】
また、その製造方法は、触媒粒子もしくは炭素材の少なくとも1種を、シランカップリング剤を含有した溶媒に浸漬することで、前記触媒粒子表面もしくは前記炭素材表面の少なくとも一部分にシランカップリング剤を化学吸着させた後、前記触媒粒子表面もしくは前記炭素材表面と、前記シランカップリング剤の分子中のシリコン原子との化学結合を行うことで、親水性もしくは撥水性を有する層を形成することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以上のように、本発明による燃料電池用電極は、触媒層が、高分子電解質と、親水性炭素材と、撥水性炭素材から構成されているため、電極反応が生じる三相界面近傍付近では、親水性炭素材によって水分が適度に保持され、余分に生成した水は隣接する撥水性炭素材によって速やかに排出される。
【0015】
これにより燃料電池を比較的低電流密度で作動させた場合でも、親水性炭素材により電極が一定の保水力を保って高い特性が期待できる。また、比較的高電流密度で作動させた場合では、余分な生成水が親水性炭素材のごく近傍部に配置された撥水性炭素材によって速やかに排出されフラッディング現象が起きにくくなり電池性能が向上する。
【0016】
また、親水性炭素材を高分子電解質膜側に、撥水性炭素材をガス拡散層側に配置した場合には、より高分子電解質膜側が高加湿雰囲気になり、高分子電解質膜のイオン導電性が向上して電池特性が向上する。
【0017】
また、本発明の燃料電池用電極は、炭素粒子の表面において、疎水性部位を有するシランカップリング剤の加水分解性基が、溶液中あるいは空気中の水分、炭素表面の吸着水分により加水分解されて、活性なシラノール基(≡SiOH)に変化し、炭素表面の官能基と反応して強固な結合を形成する。これにより炭素粒子表面に数nm〜数十nmの非常にミクロな単分子撥水層が形成される。この撥水性炭素粒子を用いれば、親水性触媒担持炭素粒子と混合して電極を構成しても、サブミクロンオーダーのPTFEディスパージョン粒子を用いた場合のように、電極中の触媒粒子を被覆して反応ガスの供給を妨げることがない。
【0018】
さらに、本発明の燃料電池は、触媒粒子表面あるいは触媒の担持されている炭素粒子の表面において、シランカップリング剤の加水分解性基が、先と同様に溶液中あるいは空気中の水分、炭素表面の吸着水分により加水分解されて、活性なシラノール基(≡SiOH)に変化し、炭素表面の官能基と反応して強固な結合を形成する。このシランカップリング剤にスルホン基やカルボキシル基などの親水性基を持たせることにより触媒表面が親水性になり、三相界面付近の湿潤状態が保持される。
【0019】
以上のことにより、本発明の電極を用いれば、電極反応が生じる三相界面近傍付近では、親水性触媒担持炭素粒子によって湿潤状態が適度に保持され、余分に生成した水は隣接する撥水カーボンによって速やかに排出されるので、従来よりも高性能な高分子電解質型燃料電池を構成できる。
【0020】
以下、本発明の燃料電池について図面を参照して述べる。
【0021】
【実施例】
参考例1
まず、撥水性炭素材の作成方法について記載する。炭素粉末の表面に、窒素ガス雰囲気中で直接に化学吸着法により全面シランカップリング剤を吸着させて、シランカップリング剤よりなる単分子膜を形成した。シランカップリング剤としては、直鎖状のハイドロカーボン鎖を持つCH3−(CH2)n−SiCl3(nは10以上で25以下の整数)を用い、1重量%の濃度で溶解したヘキサン溶液を調整し、前記炭素粒子を浸漬した。このとき用いた炭素粒子は、表面に、フェノール水酸基とカルボキシル基とを残した易黒鉛性カーボンを用い、この官能基と前述のシランカップリング剤の−SiCl3とを脱塩酸反応し、シランカップリング剤による単分子撥水膜を形成した。この様子を図1に示した。
【0022】
図1において、1は炭素粒子、2は単分子撥水膜である。単分子撥水膜2の厚みは2〜10nm程度とした。ここで、単分子の分子量を変えることで、この膜厚を1〜100nmとすることができた。また、化学吸着の材料としては−OH基に対して結合性を有する基、例えば≡SiCl基等を含んでいれば、この実施例で用いたシラン系界面活性剤に限定されるものではない。
【0023】
次に、電極触媒となる白金を25重量%担持した親水性炭素粉末と、前記撥水性炭素材とを混合し、これに、−SO3H基ペンダントしたポリフルオロカーボン系高分子電解質を分散した溶液(FSS−1、旭硝子製)と、ブターノールとを加えたインク化した。このインクを、ガス拡散層となるカーボンペーパー(東レ製、TGP−H−120、膜厚360μm)上に、スクリーン印刷法により塗工した後、加熱乾燥によりブターノールを除去し、本参考例の電極Aとした。
【0024】
以上の行程において、白金を担持した炭素粉末には、表面の官能基が多く、親水性を有するもの(キャボット社製、VulcanXC72R)を使用した。また、単位面積あたりの白金量は0.5mg/cmとした。さらに、白金担持した親水性炭素粉末と、撥水性炭素材と、ポリフルオロカーボン系高分子電解質との混合重量比は、仕上がり後、100:20:3とした。
【0025】
次に、比較用電極Bを作成した。比較用電極Bは、従来より提案されている構成として、触媒となる貴金属を担持した炭素粉末と撥水剤とを、ガス拡散層となる多孔質導電性電極基材上に形成したものを用いた。多孔質導電性基材は、前述の電極Aで使用したものと同じカーボンペーパー(東レ製、TGP−H−120、膜厚360μm)を用い、これを予め−SOH基ペンダントしたポリフルオロカーボン系高分子電解質を分散した溶液(FSS−1、旭硝子製)を用いて撥水処理を行った。以上の構成において、炭素粉末は、表面官能基が少なく撥水性を示すもの(デンカブラック、電気化学工業製)を用いた。また、撥水剤は、−SOH基ペンダントしたポリフルオロカーボン系高分子電解質を分散した溶液(FSS−1、旭硝子製)を用いた。これ以外の構成は、前述の電極Aと同一とした。
【0026】
このようにして作製した本参考例の電極Aと比較例の電極Bとを、高分子電解質膜(Dupon製、Nafion112)の両側に配してホットプレスを行い電極−電解質接合体を作製した。これを図2に示した単電池測定用の装置にセットして単電池を構成した。図2において、3、4、5が前記の電極−電解質接合体である。
【0027】
これらの単電池は、燃料極に水素ガスを空気極に空気を流し、電池温度を75℃、燃料利用率を80%、空気利用率を30%、ガス加湿は水素ガスを75℃、空気を65℃の露点になるように調整した。この時の電池の電流−電圧特性を図3示した。
【0028】
図3において、本参考例の電極Aを用いたものが、従来より提案されている構成の電極Bに比べて、優れた特性を示すことが確認された。この原因は、シランカップリング剤で処理した撥水性炭素粉末を用いた場合には、サブミクロンオーダーのPTFEディスパージョン粒子を用いたPTFE担持炭素粉末の場合のように、電極中の触媒微粒子を被覆して反応ガスの供給を妨げることがないことによるものと考える。
【0029】
参考例2
本参考例では、電極触媒層を高分子電解質膜側に、撥水性炭粒子を拡散層側に配した電極を作成し、その特性を評価した。まず、参考例1で示した触媒担持炭素粉末と、シランカップリング剤を用いて処理した撥水性炭素粉末とを、別々のインクにして塗工し、電極を構成した。これを図4に示した。まず、撥水性炭素粉末(デンカブラック、電気化学工業製)をブターノールを用いてインク化し、カーボンペーパー(東レ製、TGP−H−120、膜厚360μm)上にスクリーン印刷した。乾燥後、触媒担持炭素粉末6を、高分子電解質溶液の−SO3H基ペンダントしたポリフルオロカーボン系高分子電解質を分散した溶液(FSS−1、旭硝子製)とブターノールを用いてインク化し、先の撥水性炭素粉末7を塗工したカーボンペーパー8上に、スクリーン印刷法により塗工し電極を作製した。
【0030】
このように作製した電極を用いて、電極−電解質接合体を作製し、参考例1と同じく図2に示した単電池を構成した。この単電池に、700mA/cm2の電流を流したときの、電池電圧を表1に示した。表1には、前記参考例1で作成した電極A及び電極Bによる電池の特性も、併せて表記した。表1において、本参考例2で採用した電極触媒層を高分子電解質膜側に、撥水性炭粒子を拡散層側に配した電極を用いることにより、参考例1のシランカップリング剤で処理した炭素粉末を混合して用いたものと同等の性能を示すことが分かった。これより電極触媒層を高分子電解質膜側に、撥水性炭粒子を拡散層側に配した電極を用いると、更に優れた特性の電池を構成できることを見いだした。
【0031】
【表1】
┌─────┬─────────┐
│ │電池電圧(mV) │
├─────┼─────────┤
参考例2 │710 │
├─────┼─────────┤
│電極A │690 │
├─────┼─────────┤
│電極B │620 │
└─────┴─────────┘
【0032】
実施例1
次に、触媒担持炭素粉末に、シランカップリング剤を用いて処理した場合について図5を用いて示す。参考例1で用いた白金担持炭素粉末を用い、参考例1で使用したシランカップリング剤に変えて、ハイドロカーボン鎖とフルオロカーボン鎖とを主鎖に持ち、スルホン基を末端に持つ、ClSO2−(CH2)n−(CF2)m−SiCl3(n、mは、10以上で25以下の整数)を用い、水蒸気との反応により、白金粒子9の表面と、炭素粒子1の表面に、スルホン基を有する単分子膜10を形成した。この単分子膜は末端にスルホン基があるため親水性を示す。また、シランカップリング剤は、親水性を示す部位が含まれるものであれば、実施例で示したシラン系界面活性剤に限定されるものではない。
【0033】
このように親水処理した白金担持炭素粉末と参考例1で用いたシランカップリング剤で処理した撥水性炭素粉末を混合し、参考例1と同様に電極を作製し、これを用いて図2に示した単電池を作成した。
【0034】
この電池の特性を参考例1と同じ条件で評価したところ、電流密度700mA/cm2時の電圧が720mVであった。これは、参考例1で作製した電池よりも高い特性であり、これは、触媒微粒子を担持した炭素粉末をシランカップリング剤を用いて親水処理することにより、より三相界面付近の濡れ性が向上したことによるものと考える。
【0035】
本発明では、シランカップリング剤にスルホン基を有するクロロシラン系界面活性剤を使用したが、親水性部位を有するものであれば、例えばカルボキシル基などのような部位を持つものであれば、どんなものでも構わない。また、今回は触媒微粒子と炭素粒子の両方に処理を行ったが本発明が適応出来れば、一方だけに処理することもできる。さらに、使用した炭素粉末、触媒担持炭素粉末にしても本発明が適用できるものであれば、本実施例に限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】
以上、実施例の説明から明らかなように、本発明による燃料電池は、触媒層が、高分子電解質と、親水性触媒担持炭素粒子と、撥水性炭素粒子から構成されているため、電極反応が生じる三相界面近傍付近では、親水性触媒担持炭素粒子によって湿潤状態が適度に保持され、余分に生成した水は隣接する撥水カーボンによって速やかに排出される。
【0037】
また、親水性触媒担持炭素粒子が高分子電解質膜側に、撥水性炭素粒子がガス拡散層側に配置した場合には、より高分子電解質膜側が高加湿雰囲気になり、高分子電解質膜のイオン導電性が向上して電池特性が向上する。
【0038】
また、本発明の燃料電池は、炭素粒子の表面において、疎水性部位を有するシランカップリング剤の加水分解性基が、溶液中あるいは空気中の水分、炭素表面の吸着水分により加水分解されて、活性なシラノール基(≡SiOH)に変化し、炭素表面の官能基と反応して強固な結合を形成する。これにより炭素粒子表面に数nm〜数十nmの非常にミクロな単分子撥水層が形成される。この撥水性炭素粒子を用いれば、親水性触媒担持炭素粒子と混合して電極を構成しても、サブミクロンオーダーのPTFEディスパージョン粒子を用いた場合のように、電極中の触媒微粒子を被覆して反応ガスの供給を妨げることがない。
【0039】
さらに、本発明の燃料電池は、触媒粒子表面あるいは触媒の担持されている炭素粒子の表面において、シランカップリング剤の加水分解性基が、先と同様に溶液中あるいは空気中の水分、炭素表面の吸着水分により加水分解されて、活性なシラノール基(≡SiOH)に変化し、炭素表面の官能基と反応して強固な結合を形成する。このシランカップリング剤にスルホン基やカルボキシル基などの親水性基を持たせることにより触媒表面が親水性になり、三相界面付近の湿潤状態が保持される。
【0040】
以上のことにより、本発明の電極を用いれば、電極反応が生じる三相界面近傍付近では、親水性触媒担持炭素粒子によって湿潤状態が適度に保持され、余分に生成した水は隣接する撥水カーボンによって速やかに排出されるので、従来よりも高性能な高分子電解質型燃料電池を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の参考例で用いた炭素粒子表面の構成を示した概念図
【図2】本発明の第1の参考例である燃料電池単セルの電流と電圧の関係を示した図
【図3】本発明の第2の参考例である触媒担持炭素粒子の構成を示した概念図
【図4】本発明の第2の参考例である電極の構成を示した概念図
【図5】本発明の第1の実施例である触媒担持炭素粒子の構成を示した概念図
【符号の説明】
1 炭素粒子
2 単分子撥水膜
3 固体高分子電解質膜
4 負極
5 正極
6 触媒担持炭素粉末
7 撥水性炭素粉末
8 カーボンペーパー

Claims (6)

  1. 水素イオン伝導性固体高分子電解質膜と、前記水素イオン伝導性固体高分子電解質膜を挟んだ一対の電極と、前記電極を挟んだ一対の拡散層とを積層した電極電解質接合体を具備した燃料電池において、前記電極は、親水性炭素材に触媒粒子を担持した触媒体と、水素イオン伝導性高分子電解質と、撥水性炭素材とを少なくとも有し、さらに、前記触媒粒子表面の少なくとも一部に、親水性を有する層を化学的に接合したことを特徴とする燃料電池用電極。
  2. 親水性炭素材に触媒粒子を担持した触媒体を、水素イオン伝導性高分子電解質膜側に選択的に配置し、撥水性炭素材を拡散層側に選択的に配置したことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用電極。
  3. 撥水性炭素材は、炭素材表面の一部もしくは全面と、疎水部位を有するシランカップリング剤とを化学結合した、単分子層を有することを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池用電極。
  4. 親水性炭素材は、炭素材表面の一部もしくは全面と、親水部位を有するシランカップリング剤とを化学結合した層を有することを特徴とする請求項1、2または3記載の燃料電池用電極。
  5. フェノール性水酸基、カルボキシル基、ラクトン基、カルボニル基、キノン基または無水カルボン酸より選ばれる少なくとも1つの官能基を介して、炭素材とシランカップリング剤とを化学結合したことを特徴とする請求項3または4記載の燃料電池用電極。
  6. 触媒粒子もしくは炭素材の少なくとも1種を、シランカップリング剤を含有した溶媒に浸漬することで、前記触媒粒子表面もしくは前記炭素材表面の少なくとも一部分にシランカップリング剤を化学吸着させた後、前記触媒粒子表面もしくは前記炭素材表面と、前記シランカップリング剤の分子中のシリコン原子との化学結合を行うことで、親水性もしくは撥水性を有する層を形成することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の燃料電池用電極の製造方法。
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