JP3561205B2 - 回転駆動力の伝達構造及びモータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のパワーウィンドウ装置に使用されるモータ装置における回転駆動力の伝達構造と、同回転駆動力の伝達構造を備えたモータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば車両用のサイドガラスを開閉するパワーウィンドウ装置のモータ装置は、図8に示すように、モータ50の図示しない出力軸に固定したウォームがウォームホイール51を回転駆動し、ウォームホイール51がゴムダンパ52を介して出力板53及び出力軸54を回転駆動する構成となっている。ゴムダンパ52を介して回転が伝達されるウォームホイール51と出力板53とは同一の回転軸線上に配置されている。又、ゴムダンパ52は、ウォームホイール51の内側に形成された円環状のダンパ収容部55に収容され、図9に示すように、ウォームホイール51の底板部上面51aと出力板下面53aとによって回転軸線方向に保持されている。ゴムダンパ52は、ウォームホイール51に設けられた係合部56と出力板53に設けられた係合凸部57との間に配置された略扇状の各ダンパ部58からなっている。
【0003】
そして、モータ50が回転動作してサイドガラスが上昇しているとき、サイドガラスが窓枠に当たって上昇が規制されると、出力板53の回転が規制され各ダンパ部58を介してウォームホイール51の回転が規制される。このとき、各ダンパ部58は、回転軸線の周方向に加わる大きな回転駆動力によって同周方向に圧縮され回転軸線方向に膨張するように弾性変形する。このため、モータ50を止めようとする力が各ダンパ部58によって吸収され、モータ50に発生する衝撃が緩衝される。このとき、回転軸線方向に膨張するように弾性変形した各ダンパ部58は、底板部上面51aと出力板下面53aとによって回転軸線方向に支持される。
【0004】
ここで、各ダンパ部58と底板部上面51a及び出力板下面53aとの間の隙間が小さすぎると、各ダンパ部58は回転軸線方向に十分膨張することによって弾性変形できない。このため、各ダンパ部58は、モータ50を止めようとする力を十分に吸収できず、衝撃を十分に緩衝することができなくなる。
【0005】
又、各ダンパ部58が弾性変形すると、その両側面58aが底板部上面51a及び出力板下面53aに圧接する。このため、各ダンパ部58の両側面58aが各面51a,53aに貼り付いた状態となって摩耗が促進される。
【0006】
そこで、上記のモータ装置では、図8,9に示すように、各ダンパ部58の両側面58aに、回転駆動力が加わっていない状態で底板部上面51a及び出力板下面53aに接触しないように各ダンパ部58を支持する突起部58bを一体に設けていた。
【0007】
この場合には、大きな回転駆動力が加わったとき、ダンパ部58は、図10に示すように、突起部58bを除く部分が回転軸線方向に膨張するように弾性変形して底板部上面51a及び出力板下面53aに圧接する。このため、各ダンパ部58が回転軸線方向に十分に膨張するように弾性変形して、モータ50に発生する衝撃を十分緩衝する。同時に、突起部58bを設けていない場合のように両側面58a全体が圧接しないので、両側面58aが各面51a,53aに張り付き難く摩耗が抑制される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記モータ装置では、突起部58bをダンパ部58に一体に形成しているので、使用しているうちに突起部58bが早期に摩耗して高さが低くなる。このため、ダンパ部58の両側面58aのほぼ全体が底板部上面51a及び出力板下面53aに圧接するようになって貼り付き易くなり摩耗が促進される。従って、ゴムダンパ52の寿命を十分に長くすることができなかった。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、伝達する回転駆動力を緩衝するゴム体の寿命をより長くすることができる回転駆動力の伝達構造、及び、同回転駆動力の伝達構造を備えたモータ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、回転駆動される入力側回転体に対して出力側回転体を同一回転軸線上に配置し、該入力側回転体及び出力側回転体の各支持面によって前記回転軸線方向に支持されたゴム体を介して該入力側回転体から該出力側回転体に回転駆動力を伝達する回転駆動力の伝達構造において、前記入力側回転体及び出力側回転体の各支持面には、前記ゴム体を支持する凸状部が設けられ、前記入力側回転体の支持面に形成された前記凸状部に対し、前記出力側回転体の支持面に形成された前記凸状部は、より径の大きな円の円周に沿って前記ゴム体を支持するように形成されていることを特徴とする回転駆動力の伝達構造である。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、入力側回転体が回転駆動されているときに出力側回転体の回転動作が規制されると、ゴム体に対し周方向に大きな力が加わる。すると、ゴム体は周方向に圧縮され回転軸線方向に膨張するように弾性変形する。このとき、ゴム体は、凸状部で支持されている部分以外の部分が膨張するように弾性変形して各支持面に圧接する。このため、ゴム体の回転軸線方向の弾性変形が凸状部によって支持されている部分以外では規制されないので、ゴム体が回転軸線方向に十分に膨張するように弾性変形する。従って、入力側回転体から出力側回転体に伝達される回転駆動力がゴム体によって十分に吸収され、入力側回転体に発生する衝撃が十分に緩衝される。又、ゴム体が凸状部で支持される部分では支持面に圧接されないので、その側面が支持面に張り付き難い。従って、ゴム体の側面の摩耗が促進されない。さらに、凸状部は、ゴム体でなく回転体に形成されているので、長期間に渡って使用されても摩耗しない。従って、ゴム体の両側面の摩耗が長期間に渡って促進されない。また、ゴム体の両側面がそれぞれ凸状部によって支持されるので、ゴム体が両支持面に貼り付き難く両側面の摩耗が促進されない。また、ゴム体の外周部が入力側回転体の支持面側に弾性変形して圧接する。このため、ゴム体の弾性変形に基づく回転軸線方向の付勢力が主に入力側回転体に加わり、出力側回転体には加わり難い。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記凸状部は、前記回転軸線を中心とする円の円周に沿って前記ゴム体を支持するように形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、ゴム体の側面が回転軸線に対する周方向の全体に渡って支持面に張り付き難いので、側面の摩耗がさらに確実に促進されない。
【0012】
請求項3に記載の発明は、モータと、前記モータによって回転駆動される入力側回転体と、前記入力側回転体と同一回転軸線上に配置された出力側回転体と、前記入力側回転体及び出力側回転体の各支持面によって前記回転軸線方向に支持され、該入力側回転体から出力側回転体に回転駆動力を伝達するゴム体とを備えたモータ装置において、前記入力側回転体及び出力側回転体の各支持面には、前記ゴム体を支持する凸状部が設けられ、前記入力側回転体の支持面に形成された前記凸状部に対し、前記出力側回転体の支持面に形成された前記凸状部は、より径の大きな円の円周に沿って前記ゴム体を支持するように形成されていることを特徴とするモータ装置である。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、モータの回転駆動力をゴム体を介して出力側回転体に出力するモータ装置において、ゴム体の両側面の摩耗が長期間に渡って促進されない。また、ゴム体の両側面がそれぞれ凸状部によって支持されるので、ゴム体が両支持面に貼り付き難く両側面の摩耗が促進されない。また、ゴム体の外周部が入力側回転体の支持面側に弾性変形して圧接する。このため、ゴム体の弾性変形に基づく回転軸線方向の付勢力が主に入力側回転体に加わり、出力側回転体には加わり難い。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記凸状部は、前記回転軸線を中心とする円の円周に沿って前記ゴム体を支持するように形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用に加えて、ゴム体の側面が回転軸線に対する周方向の全体に渡って支持面に張り付き難いので、側面の摩耗がさらに確実に促進されない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両用パワーウィンドウ装置のモータ装置に具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0021】
図1に示すように、モータ装置1は、モータ本体10及び減速部11から構成されている。モータ本体10の図示しない出力軸は、減速部11側に延出されている。減速部11は、ハウジング12、ウォームホイール13、ゴムダンパ14、出力板15、出力軸16及び蓋17等から構成されている。
【0022】
ハウジング12は合成樹脂で一体成形され、モータ固定部12a、ウォーム収容部12b及びホイール収容部12cを備えている。
モータ固定部12aには前記モータ本体10が固定され、その出力軸がウォーム収容部12bの内部に延出されている。この出力軸には図示しないウォームギヤが固定され、ウォームギヤはその一部がホイール収容部12c内に配置されている。
【0023】
ホイール収容部12cは略有底筒状に形成され、その底板部上面における中央に円筒状の軸支持部18が形成されている。軸支持部18には、その軸線方向に貫通する軸孔18aが形成されている。又、ホイール収容部12cの底板部上面には、回転軸線を中心とする円の円周に沿って複数の凸状支持部19が等角度間隔に形成されている。凸状支持部19は、前記ウォームホイール13を支持するために形成されている。ホイール収容部12cには、ウォームホイール13が収容されている。
【0024】
ウォームホイール13は合成樹脂で略有底筒状に一体成形され、その外周面には前記ウォームギヤが歯合するギヤ部20が形成されている。ウォームホイール13の中央には、前記軸支持部18が挿通可能な軸孔21が形成されている。ギヤ部20と軸孔21との間には、前記ゴムダンパ14を収容する円環状のダンパ収容部22が設けられている。ダンパ収容部22の底板部上面13aには、3つの係合部23が形成されている。各係合部23は、ダンパ収容部22の外周側の周面から回転軸線の径方向に内周側に延びるように等角度間隔に形成されている。各係合部23は等角度間隔に形成され、ダンパ収容部22をそれぞれ略扇状の3つの部分に区画している。又、ダンパ収容部22の底板部上面には、図2に示すように、回転軸線を中心とする円の円周に沿って延びる凸状部としての突条部24が形成されている。そして、ウォームホイール13は、その軸孔21に軸支持部18が挿通し、その底板部下面に各凸状支持部19が当接するとともにギヤ部20がウォームギヤに歯合した状態で回転可能にホイール収容部12cに収容されている。ダンパ収容部22には、ゴムダンパ14が収容されている。
【0025】
図1に示すように、ゴムダンパ14は一体成形され、略扇状に形成された6つのダンパ部25が、その内周側で連結部25aによって環状に連結されている。各ダンパ部25は同一厚さに形成されている。そして、ゴムダンパ14は、隣り合う2つのダンパ部25同士が、各係合部23で区画された各部分にそれぞれ収容された状態でダンパ収容部22に収容されている。
【0026】
このとき、ゴムダンパ14は、図4に示すように、各ダンパ部25が、その径方向におけるほぼ中央に当接する前記突条部24によって、底板部上面13aに接触しないように支持される。即ち、各ダンパ部25は、突条部24により、回転軸線を中心とする円の円周に沿って連続して支持される。ゴムダンパ14の上には前記出力板15が配置されている。
【0027】
図1に示すように、出力板15は金属板で略円板状に形成され、その中央には前記出力軸16が固定される軸嵌合部26が形成されている。出力板15の下面15aには、ダンパ収容部22において隣り合う両係合部23で区画された両ダンパ部25の間の隙間に係合するそれぞれ3つの係合凸部27が等角度間隔に形成されている。又、出力板下面15aには、図3に示すように、回転軸線を中心とする円に沿って延びる凸状部としての突条部28が形成されている。この各突条部28は、図4に示すように、ウォームホイール13の底板部上面13aに形成された前記各突条部24よりも径の大きな円の円周に沿って延びるように形成されている。そして、出力板15は、その突条部28を各ダンパ部25の上面に当接させるとともに、各係合凸部27を対応する両ダンパ部25間の隙間に係合させた状態でウォームホイール13に収容されている。
【0028】
このとき、ゴムダンパ14の各ダンパ部25は、突条部28によって出力板下面15aに接触しないように支持される。即ち、各ダンパ部25は、突条部28により、回転軸線を中心とする円の円周に沿ってそれぞれ連続して支持される。従って、ゴムダンパ14の各ダンパ部25は、ウォームホイール13の底板部上面13aに設けられた突条部24と、出力板15の下面15aに設けられた突条部28とよって、回転駆動力が加わっていない自然状態で上面13a及び下面15aに対し共に接触しないように回転軸線方向に支持されている。出力板15の軸嵌合部26には、前記出力軸16が軸支持部18の軸孔18aを貫通して嵌合されている。
【0029】
出力軸16は、その軸部29の上端に軸嵌合部26に嵌合する嵌合部30を備え、軸部29の下部にギヤ部31を備えている。ギヤ部31は、図示しないウィンドウレギュレータの駆動側ギヤ部に歯合される。そして、出力軸16は、軸支持部18の軸孔18aに軸部29を回転可能に貫通させ、嵌合部30を出力板15の軸嵌合部26に一体回転可能に嵌合させた状態でホイール収容部12cに支持されている。出力軸16は、軸嵌合部26から上に突出する嵌合部30の上端に設けられた係合溝30aに係合されるEリング32によって、軸嵌合部26及び軸孔18aから抜けないように固定されている。尚、出力軸16には、軸部29とギヤ部31との間に、軸部29と軸孔18aとの間を密封するOリング33が装着されている。
【0030】
前記蓋17は、ホイール収容部12cの上側開口部を覆った状態で前記ハウジング12に固定されている。
次に、以上のように構成されたモータ装置の作用について説明する。
【0031】
サイドガラスを上昇させているときにサイドガラスが窓枠に当たって移動が規制されるとウィンドウレギュレータを介して出力軸16及び出力板15の動作が規制される。このとき、ウォームホイール13の各係合部23によって出力板15の各係合凸部27に押し当てられていた各ダンパ部25に加わる周方向の力が急激に大きくなる。すると、各ダンパ部25は周方向に圧縮され回転軸線方向に膨張するように弾性変形する。
【0032】
このとき、各ダンパ部25は、各突条部24,28で支持されている部分以外の部分で膨張するように回転軸線方向に弾性変形する。このため、各ダンパ部58の回転軸線方向の弾性変形が各突条部24,28で支持されている部分以外では規制されないので、各ダンパ部25が回転軸線方向に十分膨張するように弾性変形する。従って、ウォームホイール13から出力板15に伝達される回転駆動力が各ダンパ部58によって十分に吸収され、モータ本体10側に発生する衝撃が十分に緩衝される。
【0033】
又、各ダンパ部25は各突条部24,28で支持されている部分ではその両側面25bがそれぞれ底板部上面13a及び出力板下面15aに圧接しないので、両側面25bが各面13a,15aに張り付き難い。従って、各ダンパ部25の両側面25bの摩耗が促進されない。
【0034】
さらに、突条部24は合成樹脂からなるウォームホイール13に一体に形成され、突条部28は金属板から形成された出力板15に一体に形成されているので、長期間に渡って使用されて摩耗しない。従って、各ダンパ部25の両側面25bの摩耗が長期間に渡って促進されない。
【0035】
加えて、各ダンパ部25の側面25bが回転軸線に対する周方向の全体に渡って各面13a,15aに張り付き難いので、側面25bの摩耗がより確実に促進されない。
【0036】
さらに、各ダンパ部25の外周部がウォームホイール13の底板部上面13aに圧接するので、各ダンパ部25の弾性変形に基づく回転軸線方向の付勢力が主にウォームホイール13に加わり、出力板15には加わり難い。
【0037】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に記載する各効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、ゴムダンパ14を、底板部上面13aに形成した突条部24と出力板下面15aに形成した突条部28とで回転軸線方向に支持した。従って、各ダンパ部25の両側面25bが底板部上面13a及び出力板下面15aに張り付き難く、その摩耗が促進されない。又、各突条部24,28が摩耗しないので、各ダンパ部25の摩耗が長期間に渡って促進されない。その結果、ゴムダンパ14の寿命を従来より長くすることができる。
【0038】
(2) 加えて本実施形態では、底板部上面13aに突条部24を設けるとともに出力板下面15aに突条部を設けた。従って、各ダンパ部25の両側面25bが共に底板部上面13a及び出力板下面15aに張り付き難く、その摩耗が促進されない。
【0039】
(3) 加えて本実施形態では、各突条部24,28が、回転軸線を中心とする円の円周に沿って連続して各ダンパ部25を支持するようにした。従って、各ダンパ部25の側面25bが回転軸線に対し周方向の全体に渡って各面13a,15aに張り付き難く、その摩耗がより確実に促進されない。
【0040】
(4) 加えて本実施形態では、回転軸線を中心とする円の円周に沿って延びるように底板部上面13aに形成した突条部24に対し、径のより大きな円の円周に沿って延びるように出力板下面15aに突条部28を形成した。従って、各ダンパ部25の外周部が底板部上面13aに圧接するので、各ダンパ部25の弾性変形に基づく回転軸線方向の付勢力が主にウォームホイール13に加わり、出力板15には加わり難い。その結果、Eリング32が外れる可能性が非常に小さくなり、出力軸16及び出力板15が脱落する可能性を非常に小さくすることができる。
【0041】
(5) 加えて本実施形態では、突条部24をウォームホイール13に一体に形成し、突条部28を出力板15に一体に形成したので、部品点数及び組立工数が増えない。
【0042】
以下、上記実施形態以外の発明の実施形態を別例として列挙する。
・ 上記実施形態では、回転軸線を中心とする円の円周に沿って延びる突条部24,28によって各ダンパ部25を回転軸線に対し円周に沿ってそれぞれ支持するようにした。これを、円周に沿って配列するように複数形成され、それぞれが1点でダンパ部25を支持する凸状部によって各ダンパ部25をそれぞれ円周に沿って支持するようにしてもよい。又は、円周に沿って延び、各ダンパ部25を周方向に連続しない状態で支持する1つ以上の突条部によって各ダンパ部25をそれぞれ円周に沿って支持するようにしてもよい。この各場合においても、各ダンパ部25が周方向に全体に渡って各面13a,15aに張り付き難く、その摩耗が促進されない。
【0043】
・ 上記実施形態では、底板部上面13a及び出力板下面15aに、それぞれ1つの円周に沿って突条部24,28を形成したが、図6に示すように、例えば径が異なる2つの円の円周に沿って突条部24a,24b、28a,28bをそれぞれ形成してもよい。この場合には、各ダンパ部25の両側面25bが周方向の全体に渡ってより確実に各面13a,15aに張り付き難いので、その摩耗がより確実に促進されないようにすることができる。
【0044】
・ 上記実施形態では、各突条部24,28を回転軸線を中心軸線とする円の円周に沿って周方向に延びるように形成したが、図7(a),(b)に示すように、複数の渦巻き状に形成され、周方向及び径方向に共に延びる突条部24c,28cとしてもよい。この場合にも、各ダンパ部25の両側面25bが各面13a,15aに張り付き難いようにし、その摩耗が促進されないようにすることができる。
【0045】
・ 上記実施形態では、回転軸線を中心とする円の円周に沿って延びる突条部24,28によって各ダンパ部25をそれぞれ円周に沿って支持するようにした。これを、同一の円周上に配列されず、各ダンパ部25を点で支持する複数の凸状部によって各ダンパ部25を支持するようにしてもよい。この場合にも、各ダンパ部25が各面13a,15aに張り付き難いようにし、その摩耗が促進されないようにすることができる。
【0046】
・ 上記実施形態では、底板部上面13a及び出力板下面15aにそれぞれ突条部24,28を設けたが、両面13a,15aのいずれか一方にのみ設けるとともに、突条部を設けていない側の各ダンパ部25の側面25bには従来技術に記載した突起部58bを設けてもよい。この場合にも、ゴムダンパ14の寿命を従来より長くすることができる。
【0047】
・ 上記実施形態では、各突条部24,28をそれぞれウォームホイール13及び出力板15に一体に設けたが、各突条部24,28を別体で形成し、ウォームホイール13及び出力板15に接着等の手段で組み付けてもよい。
【0048】
・ 上記実施形態では、車両用パワーウィンドウ装置のモータ装置1における回転駆動力の伝達構造に実施したが、その他車両用パワードア開閉装置、パワールーフ開閉装置等のモータ装置に実施してもよい。
【0049】
以下、前述した各実施形態から把握される技術的思想をその効果とともに記載する。
・ 前記凸状部は、前記支持面に一体に形成されているモータ装置。このような構成によれば、部品点数及び組立工数が増えない。
【0050】
・ 前記凸状部は、前記入力側回転体及び出力側回転体の前記各支持面にそれぞれ設けられている回転駆動力の伝達構造。このような構成によれば、ゴム体の両側面からの摩耗が促進されない。
【0051】
・ 前記凸状部は、前記回転軸線を中心とする円の円周に沿って前記ゴム体を支持するように形成されている回転駆動力の伝達構造。このような構成によれば、ゴム体の摩耗がより確実に促進されない。
【0052】
・ 前記入力側回転体の支持面に形成された前記凸状部に対し、前記出力側回転体の支持面に形成された前記凸状部は、より径の大きな円の円周に沿って前記ゴム体を支持するように形成されている回転駆動力の伝達構造。このような構成によれば、出力回転体に対し回転軸方向の力が加わり難い。
【0053】
・ 前記凸状部は、前記支持面に一体に形成されている回転駆動力の伝達構造。このような構成によれば、部品点数及び組立工数が増えない。
【0054】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、伝達する回転駆動力を緩衝するゴム体の摩耗が長期間に渡って促進されないので、ゴム体の寿命をより長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のモータ装置を示す分解斜視図。
【図2】ウォームホイールの平面図。
【図3】出力板の平面図。
【図4】ウォームホイール、ゴムダンパ及び出力板の縦断面図。
【図5】作動状態のダンパ部を示す要部縦断面図。
【図6】他の実施形態での作動状態のダンパ部を示す要部縦断面図。
【図7】(a)他の実施形態の凸状部を備えたウォームホイールの平面図、(b)同じく出力板の平面図。
【図8】従来のモータ装置を示す分解斜視図。
【図9】ウォームホイール、ゴムダンパ及び出力板の縦模式断面図。
【図10】作動状態のダンパ部を示す縦断面図。
【符号の説明】
10…モータ装置、12…モータ、13…入力側回転体としてのウォームホイール、13a…支持面としての底板部上面、14…ゴム体としてのゴムダンパ、15…出力側回転体としての出力板、15a…支持面としての出力板下面、24…凸状部としての突条部、28…凸状部としての突条部。
Claims (4)
- 回転駆動される入力側回転体(13)に対して出力側回転体(15)を同一回転軸線上に配置し、該入力側回転体(13)及び出力側回転体(15)の各支持面(13a,15a)によって前記回転軸線方向に支持されたゴム体(14)を介して該入力側回転体(13)から該出力側回転体(15)に回転駆動力を伝達する回転駆動力の伝達構造において、
前記入力側回転体(13)及び出力側回転体(15)の各支持面(13a,15a)には、前記ゴム体(14)を支持する凸状部(24,28)が設けられ、
前記入力側回転体(13)の支持面(13a)に形成された前記凸状部(24)に対し、前記出力側回転体(15)の支持面(15a)に形成された前記凸状部(28)は、より径の大きな円の円周に沿って前記ゴム体(14)を支持するように形成されている回転駆動力の伝達構造。 - 前記凸状部(24,28)は、前記回転軸線を中心とする円の円周に沿って前記ゴム体(14)を支持するように形成されている請求項1に記載の回転駆動力の伝達構造。
- モータ(10)と、
前記モータ(10)によって回転駆動される入力側回転体(13)と、
前記入力側回転体(13)と同一回転軸線上に配置された出力側回転体(15と、
前記入力側回転体(13)及び出力側回転体(15)の各支持面(13a,15a)によって前記回転軸線方向に支持され、該入力側回転体(13)から出力側回転体(15)に回転駆動力を伝達するゴム体(14)と
を備えたモータ装置において、
前記入力側回転体(13)及び出力側回転体(15)の各支持面(13a,15a)には、前記ゴム体(14)を支持する凸状部(24,28)が設けられ、
前記入力側回転体(13)の支持面(13a)に形成された前記凸状部(24)に対し、前記出力側回転体(15)の支持面(15a)に形成された前記凸状部(28)は、より径の大きな円の円周に沿って前記ゴム体(14)を支持するように形成されているモータ装置。 - 前記凸状部(24,28)は、前記回転軸線を中心とする円の円周に沿って前記ゴム体(14)を支持するように形成されている請求項3に記載のモータ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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