JP3559222B2 - 包あん機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば饅頭のあんのごとき食品材としての内包材を移送する移送スクリュー装置及び移送スクリュー装置によって移送された内包材を重合ノズルへ送給するためのベーンポンプを備えると共に、例えば饅頭生地のごとき食品材としての外皮材を移送する移送スクリュー装置及びこの移送スクリュー装置によって移送された外皮材を前記重合ノズルへ送給するためのベーンポンプを備えてなる包あん機に係り、さらに詳細には、前記各移送スクリュー装置から各ベーンポンプへ食品材を移送するとき、食品材が練られることを抑制し、かつ上記各ベーンポンプへ食品生地を充分に送給して各ベーンポンプに備えた各ベーン間に食品材を確実に充満することのできる包あん機に関する。
【0002】
【従来の技術】
包あん機は、内包材用ホッパーから供給される食品材としての内包材及び外皮材用ホッパーから供給される食品材としての外皮材を個別に移送する複数の移送スクリュー装置が設けられており、かつ上記各スクリュー装置から移送された食品材を重合ノズルへ連続して供給する計量ポンプとしてのベーンポンプを備えた構成である。
【0003】
上記構成において、移送スクリュー装置におけるスクリューの軸心とベーンポンプの軸心とが平行な構成及び上記各軸心が一致した構成など、種々の形式がある。また、移送スクリュー装置に一対のスクリューを備えた構成もある。
【0004】
移送スクリュー装置におけるスクリューの軸心とベーンポンプの軸心とが平行な構成においては、上記両軸心は上下に高低差をもって配置されるものである。さらに、スクリューの軸心とベーンポンプの軸心とが一致した構成においては、両軸心間に高低差はないものの、スクリューによって送給される食品材は流れ方向を一旦変更してからベーンポンプへ供給されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、従来の構成においては、上下方向の寸法を小さくする上において問題が存在すると共に、食品材の流れ方向を一旦変更するような構成においては食品材に練りを生じ易いという問題がある。さらに、従来の構成においては、ときとしてベーンポンプに備えた複数のベーンの間へ食品材を充満できない場合があるなど、定量の食品材を安定的に重合ノズル側へ送る上において、さらに改善すべき問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、内包材用ホッパーから供給される内包材を移送するための内包材用の移送スクリュー装置と、この移送スクリュー装置によって移送された内包材を重合ノズルへ送給するための内包材用のベーンポンプと、外皮材用ホッパーから供給される外皮材を移送するための外皮材用の移送スクリュー装置と、この移送スクリュー装置によって移送された外皮材を前記重合ノズルへ送給するための外皮材用のベーンポンプと、前記内包材用のベーンポンプから送給された内包材の外側に、前記外皮材用のベーンポンプから送給された外皮材を重合する前記重合ノズルとを備えてなる包あん機において、前記各移送スクリュー装置は水平なスクリューを備え、各ベーンポンプは垂直な回転軸を備えた構成であり、上記各スクリューの移送端は自由端であって前記各ベーンポンプの入口に臨ませてあり、かつ各ベーンポンプの上記入口は、ベーンポンプに備えたベーンの外端部によって描かれる最大径の円弧軌跡に接する方向の食品ガイド面を備えた構成である。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の包あん機において、各移送スクリュー装置はそれぞれ一対のスクリューを備え、この一対のスクリューの中間位置よりも重合ノズル側へ偏倚した位置にベーンポンプの回転軸を配置してなり、かつ前記スクリューとベーンポンプ及び重合ノズルをほぼ同一高さに配置して重合ノズルに至る食品材を水平に移動する構成である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る包あん機1は、図3に概略的に示すように、架台3を備えており、この架台3の上部には、食品材としての内包材5を供給するための内包材用ホッパー7が設けてあると共に、食品材としての外皮材9を供給するための外皮材用ホッパー11が設けてある。上記内包材用ホッパー7の下側には、内包材を重合ノズル13へ送給するための内包材送給装置15が設けてあり、外皮材用ホッパー11の下側には外皮材を上記重合ノズル13へ送給する外皮材送給装置17が設けてある。そして、内包材送給装置15と外皮材供給装置17との間に前記重合ノズル13が設けられている。
【0009】
前記重合ノズル13の下側には、当該重合ノズル13において内包材の外側に外皮材を重合した状態の棒状の食品材19を包被切断する包被切断装置21が設けてあり、この包被切断装置21の下側には、上記包被切断装置21によって包被切断された包被食品23を次工程へ送るためのコンベア装置25が設けられている。
【0010】
なお、上記包被切断装置21及びコンベア装置25は公知の構成で良いものであるから、その構成、作用についての詳細な説明は省略する。
【0011】
図1を参照するに、内包材を送給するための前記内包材送給装置15の構成と外皮材を送給するための前記外皮材送給装置17の構成は、図1より明らかなように対称的な構成であるから、内包材送給装置15の構成について詳細に説明し、外皮材送給装置17においては、同一機能を奏する構成部分には同一符号を付することとして重複した説明は省略する。
【0012】
内包材送給装置15は、前記内包材用ホッパー7から供給される内包材を移送するための内包材用の移送スクリュー装置27と、この移送スクリュー装置27によって移送された内包材の定量を連続的に前記重合ノズル13へ送給するための計量ポンプとしてのベーンポンプ29とを備えた構成である。
【0013】
前記移送スクリュー装置27は、スクリューハウジング31内に一対のスクリュー33A,33Bを水平にかつ回転自在に備えた構成である。より詳細には、前記スクリューハウジング31は底部を円弧状に形成した一対の溝部を内側に並列して備えた構成であって、上記一対の溝部内に前記スクリュー33A,33Bが水平に配置してある。
【0014】
上記一対のスクリュー33A,33Bにおける螺旋羽根35A,35Bの螺旋方向は互に逆方向であるが同ピッチに形成してあって、各スクリュー33A,33Bが同期して互に反対方向に回転すると、上記螺旋羽根35A,35Bの接触位置又は最接近位置Pが各スクリュー33A,33Bの軸心に平行な前後方向へ次第に移行するように構成してある。換言すれば、各スクリュー33A,33Bは同期回転することにより、供給された食品材に練り作用を付与することを抑制してベーンポンプ29側へ移送すべく作用するものである。
【0015】
上記各スクリュー33A,33Bを同期して互に反対方向へ回転するために、前記各スクリュー33A,33Bの基端部側と係合離脱自在の回転軸36A,36Bには互いに噛合した同一径のギア37A,37Bが設けてあり、このギア37A,37Bは例えばサーボモータのごとき適宜の制御モータ(図示省略)に、例えば歯車列、チェン、ベルトなどのごとき適宜の回転伝達機構(図示省略)を介して連動連結してある。
【0016】
なお、内包材用の移送スクリュー装置27と外包材用の移送スクリュー装置27はそれぞれ別個の制御モータによって個別に制御駆動するものである。しかし、場合によっては同一の制御モータに連動する構成とすることも可能である。
【0017】
上記構成により、前記制御用モータを適宜に駆動すると、各スクリュー33A,33Bが同期して互に反対方向に回転されて、食品材はベーンポンプ29方向へ移送されるものである。この際、各スクリュー33A,33Bにおける螺旋羽根35A,35Bの最接近位置Pは次第にベーンポンプ29方向へ移動するものであるから、食品材のスムーズな移送が行われるものであって、螺旋羽根35A,35Bの回転による練り作用はなく、食品材の性状を良好に保持しての移送が行われるものである。
【0018】
前記ベーンポンプ29は、放射方向へ移動自在の複数のベーンを備えた構成であって、前記スクリューハウジング31の端部に接続したポンプケーシング39を備えており、このポンプケーシング39には、前記スクリューハウジング31側が広くなるような末広がり状に形成した入口41が形成してある。そして、この入口41が狭くなった奥の部分に、回転軸43(図2参照)が垂直にかつ回転自在に設けられている。なお、内包材用及び外皮材用のベーンポンプ29は同期回転するように、上記各回転軸43はベルト、歯車列などのごとき適宜の回転伝達機構45を介して連動連結してあると共に、適宜の制御モータ(図示省略)に連動連結してある。なお、内包材用及び外包材用のベーンポンプ29はそれぞれ別個の制御モータによって独立して別個に回転することも可能である。
【0019】
上記回転軸43にはポンプケーシング39内に位置し前記各スクリュー33A,33Bと同一高さに設けた回転筒47が垂直にかつ一体的に設けてあり、この回転筒47に形成した複数のスリット内にはそれぞれ複数のベーン49が水平な放射方向へ移動自在に支承されている。そして、ポンプケーシング39には、回転筒47の回転に従って上記各ベーン49を放射方向へ移動するための適宜形状のカム51が設けられている。なお、上記回転筒47の軸心は、図1より明らかなように、一対のスクリュー33A,33Bの中間位置よりも重合ノズル13側へ偏倚した位置に配置してあり、かつ上記回転筒47は一対のスクリュー33A,33Bと同一高さに設けてある。
【0020】
したがって、ベーンポンプ29から重合ノズル13に至る経路が短くなり、前記回転筒47を矢印A方向へ回転することにより、前記移送スクリュー装置によって移送された食品材は、入口41から各ベーン49の先端側から回転筒47方向へ次第に移動され、各ベーン49間へ充満される。そして、吐出口53へ定量毎吐出され、前記重合ノズル13へ供給されることとなる。なお、上記構成により、ベーンポンプ29の容量は、前記回転筒47を長くしかつ各ベーン49の幅を広くすることにより容易に大きくできるものである。換言すれば、各ベーン49の直径方向の寸法を変えることなく容量を変更することができるものであるから、容量が変化してもベーンポンプ内での移動経路長を一定に保持できるものである。
【0021】
前述のごとくベーンポンプ29の回転軸43を回転して、移送スクリュー装置27によって移送された食品材を各ベーン間へ練り等を生じることなく直接的に充填できるように、前記移送スクリュー装置27における一対のスクリュー33A,33Bの移送端33Eは軸受等によって支承されることなく自由端となっており、かつ各移送端33Eはベーンポンプ29の前記入口41にそれぞれ臨ませてある。また、前記各ベーン49の間へ食品材が円滑にかつ充分に充填されるように、前記入口41は、回転によって上記ベーン49が描く最大径の円弧軌跡に接する方向の食品ガイド面41Gを備えた構成である。そして、最大径の円弧軌跡部分において、各ベーン49とケーシング29の内面と回転筒47の外周面とによって囲繞され区画された1つの計量室(升)が形成されている。
【0022】
したがって、上記各スクリュー33A,33Bによって移送された食品材は、例えば軸受け等の障害を受けることなく、かつ食品ガイド面41Gに案内されてベーンポンプ29におけるベーン49の先端側から回転筒47方向へ送られて、各ベーン49間へ直接移送されることとなり、移送スクリュー装置27からベーンポンプ29へ移送されるときに、食品材に練りを生じるようなことがないものである。
【0023】
この際、食品ガイド面41Gがベーン49の描く最大径の円弧軌跡に接する方向に形成してあるので、前記計量室(升)が閉じられる直前まで食品材の充填が継続して行われており、充分に充填できるものである。そして、前記計量室が閉じられた直後に計量室は吐出口53に開放され、充填した食品材の吐出が行われるものである。したがって、ベーンポンプ29内において食品材が移動される経路は短いものであり、ベーンポンプ29内においての食品材の練りが抑制されるものである。
【0024】
なお、移送スクリュー装置27における前記制御モータ及びベーンポンプ29の制御モータをコンピュータのごとき適宜の制御装置によって個別に制御して回転比を制御することにより、ベーンポンプ29における各ベーン49の間に食品材を充分に充填した状態とすることができ、ベーンポンプ29からは常に定量の食品材が連続的に吐出されることになるものである。すなわち、移送スクリュー装置27の制御モータの回転数とベーンポンプ29の制御モータの回転数との比率を任意に制御できると共に各制御モータの回転を制御でき、ベーンポンプ29の入口41部分において食品材に大きな圧力を付与することなく計量室に食品材を充分に充填できて、生産能率の調整を図ることができるものである。
【0025】
前記重合ノズル13は、内包材を吐出する内包材用ノズル55と、この内包材用ノズル55を囲繞した外皮材用ノズル57とを備えた二重構造に構成してあり、かつ内包材用ノズル55及び外皮材用ノズル57は、それぞれ内包材用及び外皮材用の各ベーンポンプ29と接続管59を介して接続してある。この接続管59は、食品材が通過する際に練り等のダメージを受けないように、従来に比較して太くかつ短く構成してある。
【0026】
以上のごとき構成において、内包材用ホッパー7及び外皮材用ホッパー11にそれぞれ食品材を供給すると共に各移送スクリュー装置27を駆動すると、内包材及び外皮材は各移送スクリュー装置27における各一対のスクリュー33A,33Bによって練りを受けることなく各ベーンポンプ29方向へ水平に移送される。そして、各一対のスクリュー33A,33Bの各移送端33Eから等量の食品材がベーンポンプ29の入口41へ送り出され、この入口41付近において練りを受けることなくベーンポンプ29における各ベーン49間へ直接移送される。
【0027】
この際、入口41は食品ガイド面41Gを備えた末広がり状であることにより、ベーンポンプ29における各ベーン49間へ食品材を送給する間口を広くできると共に食品材の案内を円滑に行うことができ、各ベーン49の回転中に各ベーン49間へ食品材を充分に充填でき、ベーンポンプ29から常に定量の食品材を連続的に吐出することができるものである。前記各ベーンポンプ29から吐出された食品材は重合ノズル13において二重構造に重合され、そして、包被切断装置21によって包被切断され、包被切断された後の包被食品23はコンベア装置25によって次工程へ搬送されるものである。
【0028】
既に理解されるように、移送スクリュー装置27のスクリュー33A,33Bとベーンポンプ29及び重合ノズル13は同一高さに設けてあるので、ベーンポンプ29におけるベーン49の幅を大きくして容量を大きくする場合であっても、各ベーン49の径方向の長さを一定に保持できるものであり、計量室の径方向の深さは大きく変化しないので、計量室への食品材の充填を迅速に行うことができ、充填不足を生じるようなことはないものである。
【0029】
前述のごとく、スクリュー33A,33Bとベーンポンプ29及び重合ノズル13はほぼ同一高さに設けてあるので、重合ノズル13に至る食品材は上下動することなく水平に移動するものであり、かつベーンポンプ29内の移動経路が短く、さらにベーンポンプ29と重合ノズル13との接続部は、ベーンポンプ29の中心を重合ノズル13側へ偏倚して配置することによって短くし、さらに太くしてあるので、全体として経路長が短くなり、重合ノズル13に至る過程においての食品材の練りは抑制されるものである。
【0030】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、本発明によれば、スクリューを備えた移送スクリュー装置からベーンポンプへ食品材を移送するとき、移送スクリュー装置からベーンポンプへ食品材が円滑に移動し練り等を受けることがなく、食品材の性状を良好に維持できると共に、ベーンポンプの計量室へ食品材を充分に充填することができ、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【0031】
また、移送スクリュー装置のスクリューとベーンポンプ及び重合ノズルは同一高さに設けてあるので、全体的構成を低くすることができ、さらにベーンポンプの容量を大きくする場合にはベーンポンプにおけるベーンを長くするのではなくベーンの幅を広く(高く)することにより対応できるものであり、この場合であっても計量室の径方向の深さは一定に保持できるので、計量室への食品材の充填を迅速かつ円滑に行うことができ、充填不足を生じるようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る主要部を示すもので、全体的構成を概略的に示した図3におけるI−I線に沿って断面した断面説明図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿って断面した断面説明図である。
【図3】全体的構成を概略的に示した説明図である。
【符号の説明】
7 内包材用ホッパー
11 外皮材用ホッパー
13 重合ノズル
15 内包材送給装置
17 外皮材送給装置
21 包被切断装置
25 コンベア装置
27 移送スクリュー装置
29 ベーンポンプ
33A,33B スクリュー
33E 移送端
39 ポンプケーシング
41 入口
49 ベーン
Claims (2)
- 内包材用ホッパーから供給される内包材を移送するための内包材用の移送スクリュー装置と、この移送スクリュー装置によって移送された内包材を重合ノズルへ送給するための内包材用のベーンポンプと、外皮材用ホッパーから供給される外皮材を移送するための外皮材用の移送スクリュー装置と、この移送スクリュー装置によって移送された外皮材を前記重合ノズルへ送給するための外皮材用のベーンポンプと、前記内包材用のベーンポンプから送給された内包材の外側に、前記外皮材用のベーンポンプから送給された外皮材を重合する前記重合ノズルとを備えてなる包あん機において、前記各移送スクリュー装置は水平なスクリューを備え、各ベーンポンプは垂直な回転軸を備えた構成であり、上記各スクリューの移送端は自由端であって前記各ベーンポンプの入口に臨ませてあり、かつ各ベーンポンプの上記入口は、ベーンポンプに備えたベーンの外端部によって描かれる最大径の円弧軌跡に接する方向の食品ガイド面を備えた構成であることを特徴とする包あん機。
- 請求項1に記載の包あん機において、各移送スクリュー装置はそれぞれ一対のスクリューを備え、この一対のスクリューの中間位置よりも重合ノズル側へ偏倚した位置にベーンポンプの回転軸を配置してなり、かつ前記スクリューとベーンポンプ及び重合ノズルをほぼ同一高さに配置して重合ノズルに至る食品材を水平に移動する構成であることを特徴とする包あん機。
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