JP3558412B2 - 片軸受リール - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、片軸受リール、特にスプール軸とスプールとの間に一方向クラッチが設けられた片軸受リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
フライリールとして用いられる片軸受リールは、リール本体と、リール本体に片持ち支持で固定されたスプール軸と、スプール軸に回転自在に支持されたスプールとを有している。また、リール本体とスプールとの間には、スプールの回転に伴って回転音を生じさせるために発音機構が設けられている。発音機構は、歯車とそれに噛み合う爪部材等で構成され、一般に、リール本体の側壁とスプールのフランジ部との間に配置されている。
【0003】
さらに片軸受リールには、釣り糸を引き出す際のバックラッシュを防止するために、一方向クラッチ及びブレーキ機構が設けられる場合がある。この場合は、釣り糸を巻き取る際にはブレーキ力は作用せず、引き出し時にのみ一方向クラッチが作用し、ブレーキ機構によって調整されたブレーキ力がスプールに作用するようになっている。これにより、釣り糸の引き出し量以上にスプールが回転するのを防止できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の片軸受リールにおける発音機構は、リール本体の側壁とスプールのフランジとの間に設けられるため、リールの軸方向の長さが長くなり、小型化を妨げる要因の1つになっている。また、ブレーキ機構においても同様に、特開平2−199325号公報、実開平4−30864号公報、実開平5−95278号公報等に示されるように、リール本体の側壁とスプールのフランジとの間に配置されており、軸方向及び径方向においてリール本体を小型化する際の妨げとなっている。さらにこのような従来の構造では、発音機構やブレーキ機構に砂が入り込みやすい。
【0005】
また、片軸受リールでは、スプールの回転方向(釣り糸の巻取り方向)を切り替える際に、前記の一方向クラッチの組み付け方向を変更するようにしたものが提案されているが、従来の片軸受リールでは、一方向クラッチの取り外し及び組み付けに際して多数の部品を着脱する必要があり、作業が面倒である。
【0006】
さらに従来の片軸受リールでは、発音機構における回転抵抗をブレーキとして機能させているものもあり、この場合は、釣り糸を引き出す際に周期的に抵抗が変化し、スムーズな引き出しができない。
【0007】
本発明の目的は、小型化を可能にすることにある。
【0008】
本発明の別の目的は、発音機構及びブレーキ機構への砂の侵入を少なくすることにある。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、釣り糸の巻取り方向を容易に変更できるようにすることにある。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、釣り糸のスムーズな引き出しを可能にすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る片軸受リールは、リール本体とスプール軸とスプールと発音機構と回転制動機構とを有している。リール本体は一方側に円盤状の側板を有するとともに他方側が開放されている。スプール軸は一端が前記リール本体の側板に固定されている。スプールは、前記スプール軸が挿通する内部空間を中心部に有し、前記スプール軸に相対回転自在に支持された筒状の部材である。発音機構は、前記スプールの回転に伴って回転音を生じさせ、前記回転音を生じさせる部分が前記スプール内周側の前記スプール軸方向内方に設けられた前記スプールの内部空間に配置される機構である。回転制動機構は、前記スプールの内部空間に配置され、前記スプールの釣り糸繰り出し方向の回転を制動する機構である。回転制動機構は、前記スプールに対して相対回転自在な筒状のホルダと、前記スプール軸とホルダとの間に配置された一方向クラッチと、前記ホルダのスプールに対する相対回 転を制動する制動手段とを有している。発音機構は、前記スプールとともに回転する受け部材と、前記ホルダとともに回転するよう設けられ前記受け部材に衝突する発音部材とを有している。
【0012】
発明2に係る片軸受リールは、発明1の片軸受リールにおいて、前記スプールの内部空間に配置され、前記回転制動機構の制動力を調整するための制動力調整機構をさらに備えている。
【0013】
発明3に係る片軸受リールは、発明2の片軸受リールのおいて、前記制動力調整機構は、前記スプールに装着され前記制動手段の前記ホルダへの押圧力を調整する押圧力調整手段を有している。
【0014】
発明に係る片軸受リールは、発明1から3のいずれかの片軸受リールにおいて、前記受け部材は円周方向に連続して形成された複数の凹凸部を内面に有する筒状部材であり、前記発音部材は、前記凹凸部に当接する当接部と、前記当接部を凹凸部に対して付勢する付勢部とを有し、前記筒状の受け部材の内部に配置されている。
【0015】
発明に係る片軸受リールは、発明の片軸受リールにおいて、前記発音部材は、ばね部材である。
【0016】
発明に係る片軸受リールは、発明1から3のいずれかの片軸受リールにおいて、前記受け部材は円周方向に連続して形成された複数の凹凸部を内面に有する筒状部材であり、前記発音部材は、前記ホルダに回動自在に取り付けられ先端部が前記受け部材の凹部に衝突可能な爪部材と、前記爪部材の先端部を前記凹部に付勢するばね部材とを有している。
【0017】
発明に係る片軸受リールは、発明からのいずれかの片軸受リールにおいて、前記ホルダ及び一方向クラッチは前記スプールの内部空間に対して挿入及び取り外し自在であり、かつ前記一方向クラッチは取付方向を逆にした状態で前記スプールの内部空間に挿入可能である。
【0018】
【作用】
発明1に係る片軸受リールでは、スプールの中心部には内部空間が形成されており、この内部空間をスプール軸が挿通している。また、この内部空間を利用して発音機構の回転音を生じさせる部分が収納されている。このため、従来の片軸受リールのようにリール本体の側板とスプールとの間に発音機構の回転音を生じさせる部分を構成するための部品を配置する必要がなく、軸方向の小型化が容易になる。また、スプールをリール本体から取り外した際にリール本体に部品が残らないようにすることができるので、分解、組み立て時の取り扱いが容易になる。また、発音機構に砂が入りにくい。さらに、ここではスプール中心部の内部空間に回転制動機構が配置されており、このためスプールのバックラッシュの抑止を小さいスペースで実現できる。また、発音機構とは別に回転制動機構が設けられているので、釣り糸のスムーズな引き出しが可能になる。また、スプールに対して相対回転自在なホルダが配置されており、このホルダは、一方向クラッチによりスプール軸に対して釣り糸の巻取り方向にのみ回転が許容されている。そして、ホルダとスプールとの相対回転は制動手段によって制動される。したがって、釣り糸繰り出し時のスプールの回転が制動され、スプールのバックラッシュを抑えることができる。さらに、受け部材がスプールとともに回転し、発音部材がホルダとともに回転する。したがって、釣り糸繰り出し時にスプールとホルダとの間に相対回転が生じると、発音部材が受け部材に衝突して発音する。ここでは、回転制動機構を構成するホルダを利用して発音機構を構成しているので、構成が簡単になる。
【0019】
発明2に係る片軸受リールでは、前記同様に、スプール中心部の内部空間に制動力調整機構が配置されている。このため、スプールに対するブレーキ力の調整を小さいスペースで行うことができる。
【0020】
発明3に係る片軸受リールでは、スプールに装着された押圧力調整手段によって制動手段のホルダに対する押圧力が調整される。これにより、使用状況等によって、自在に制動力を調整できる。
【0021】
発明に係る片軸受リールでは、受け部材は円周方向に連続する凹凸部を有している。そして、発音部材の当接部が付勢部に付勢されて凹凸部に衝突し、発音する。ここでは、特に発音部材の構成が簡単になる。また、発音部材は受け部材の内部に配置されているので、より小型化が可能になる。
【0022】
発明に係る片軸受リールでは、発音部材がばねにより構成されているので、安価である。また、組み立ても容易である。
【0023】
発明に係る片軸受リールでは、ホルダに回動自在に取り付けられた爪部材の先端が受け部材に衝突し、発音する。ここでは、爪部材により発音させているので、より確実に音を生じさせることができる。
【0024】
発明に係る片軸受リールでは、ホルダ及び一方向クラッチが容易に着脱自在であり、しかも一方向クラッチをその取付方向を逆にした状態で組み付け可能である。したがって、容易に釣り糸の巻取り方向を変更することが可能になる。
【0025】
【実施例】
〔第1実施例〕
図1に本発明の一実施例による片軸受リールの断面を示す。
【0026】
この片軸受リールは、リール本体1と、リール本体1に片持ち支持されたスプール軸2と、スプール軸2に対して相対回転自在に配置され外周に釣り糸が巻かれるスプール3と、スプール3の回転に伴って回転音を生じさせる発音機構4とを備えている。
【0027】
リール本体1は、一方側(図1左側)に円盤状の側板10を有し、他方側は開放されている。側板10の外周には、軸方向に延びる複数の保護部11が円周方向に所定の間隔で形成されている。保護部11には、この片軸受リールを釣り竿に取り付けるための取付部12が設けられている。スプール軸2は、その一端がリール本体1の側板10の中心部に固定されており、リール本体1に対して回転不能である。スプール3は、内部に空間3aを有する筒状の胴部15と、胴部15の一端部に形成された円盤状の内フランジ16と、胴部15の他端部にリール本体1の開放部を覆うように形成された外フランジ17とを有している。内フランジ16はリール本体1の側板10と対向するように形成されている。
【0028】
次に、スプール3の内部空間3aに配置された機構について説明する。
【0029】
図1及び図2に示すように、スプール3の内部空間3a内には、前述の発音機構4とともに、スプール3をスプール軸2に対して回転自在に支持する1対の転がり軸受21、22と、スプール3の釣り糸繰り出し方向の回転を制動する回転制動機構23と、スプール3のスプール軸2からの抜け出しを防止するための固定機構25とを有している。
【0030】
回転制動機構23は、筒状のホルダ30と、一方向クラッチ31と、ブレーキプレート32と、ブレーキプレート32をホルダ30に押圧するための押圧機構24とを有している。ホルダ30は、スプール3に対して相対回転自在に装着されており、一方向クラッチ31を収納するボディ部30aと、ボディ部30aから軸方向に突出して形成された支持部30bとを有している。支持部30bには、図3(図2のIII−III線断面図)に示すように、発音機構4を構成するばね部材(後述)を支持するための切欠き30c、30dが形成されている。なお、ホルダ30の支持部30bとは逆側の端部には、ボディ部30aよりも径の大きいガイド部30eが形成されている。このガイド部30eとスプール3の内径との隙間は、0.2mm以下に抑えられており、これにより、組み立て時において、スプール軸2と一方向クラッチ31とがスムーズに嵌まり合う。一方向クラッチ31は、ホルダ30とスプール軸2との間に配置されており、ホルダ30がスプール軸2に対して釣り糸繰り出し方向に相対回転するのを禁止している。ブレーキプレート32は、ホルダ30の一方側の端面と押圧機構24との間に配置されている。なお、ホルダ30の他方側には固定部材33が配置されており、ホルダ30端面と固定部材33との間にはスラストワッシャ34が配置されている。固定部材33はスプール3に対して相対回転不能に固定されている。また、固定部材33と転がり軸受22との間には、スプール3の軸方向のガタをなくすために、板ばね29が配置されている。
【0031】
押圧機構24は、スプール3の側面にビス35により固定された受け部材36と、受け部材36の外周に軸方向に移動自在に配置された筒状のブレーキカラー40とを有している。ブレーキカラー40の一端面はブレーキプレート32に当接しており、ブレーキプレート32をホルダ30側面に押圧している。また、受け部材36の側面には雌ねじ36cが形成されており、この雌ねじ36cに調整ネジ41が螺合している。そして、この調整ネジ41の先端がブレーキカラー40の端面に当接している。ここでは、調整ネジ41を調整することによりブレーキカラー40を軸方向で移動させ、ブレーキプレート32のホルダ30への押圧力を調整することが可能である。
【0032】
発音機構4は、前記押圧機構24を構成する受け部材36と、ホルダ30の支持部30aに支持されたばね部材37とを有している。受け部材36は内周部に軸方向に延びる筒状部36aを有している。この筒状部36aの内周部に軸受21が装着されている。また、筒状部36aの先端の内周面には、図3に示すように、凹凸部36bが形成されている。ばね部材37は、同様に図3に示すように、板状の部材をほぼU字状に折り曲げて形成したものであり、前記凹凸部36bの凹部に衝突する当接部37aと、当接部37aを凹凸部36bに押圧するためのばね部37bとを有している。
【0033】
固定機構25は、図2及び図4に示すように、一端が支持ピン45に回動自在に支持された係止部材46と、係止部材46の他端に固定された操作つまみ47とを有している。係止部材46は、スプール軸2の端部に形成された溝2aに係止可能な係止位置と、溝2aから外れた係止解除位置とを取り得る。係止部材46は、その側部に配置されたリターンばね49によって常に係止位置に付勢されている。また、操作つまみ47は、スプール3の外フランジ17に形成された長溝17aを貫通して外部から操作可能となっている。
【0034】
なお、スプール3の外フランジ17には、スプール3を回転させるためのハンドル48が装着されている。
【0035】
次に動作について説明する。
【0036】
図示していないが、スプール3の胴部15の外周には釣り糸が巻かれる。釣り糸を巻き取る際には、ハンドル48を操作してスプール3を回転させる。スプール3はスプール軸2に対して相対回転する。このとき、一方向クラッチ31はホルダ30のスプール軸2に対する巻取り方向の回転は許容するので、回転制動機構23、発音機構4等のスプール3の内部空間に収納された部品はスプール3とともに回転する。したがって、回転が制動されることなく、また発音することなくスプール3はスムーズに回転する。
【0037】
スプール3から釣り糸を繰り出す際には、スプール3は前記とは逆方向に回転する。このとき、スプール3とホルダ30とは、受け部材36、ブレーキカラー40及びブレーキプレート32を介して互いに圧接されているので、ホルダ30はスプール3と同方向に回転しようとする。しかし、一方向クラッチ31によってホルダ30の繰り出し方向の回転は禁止されている。したがって、調整ネジ41等によって設定された制動力がスプール3の回転力に作用し、スプール3は所定のブレーキが作用した状態となる。このため、スプール3が必要以上に回転して釣り糸が過剰に引き出されるのを防止でき、糸からみを避けることができる。
【0038】
また、このような釣り糸の繰り出し時には、受け部材36はスプール3とともに回転し、ホルダ30はその回転が禁止されているので、ホルダ30に支持されたばね部材37に対して受け部材36の凹凸部36bが回転する。これにより、スプール3の回転に伴ってばね部材37の当接部37aが凹凸部36bの凹部に衝突することとなり、発音する。
【0039】
釣り糸繰り出し時のスプール3の制動力を調節する場合は、調整ネジ41を調節することによって行う。
【0040】
すなわち、まず操作つまみ47を操作し、係止部材46をスプール軸2の溝2aから外す。この状態では、スプール3及びその内部空間3aに収納された各部品をすべてスプール軸2から取り外すことができる。この片軸受リールのスプール軸2では、取り出し方向に向けて段階的に径が小さくなっており、フランジ等の径の大きい部分がない。したがって、図1の右方向に向かってスプール3及び各部品を抜き出す際にじゃまになる部品が無く、スムーズに抜き出すことができる。この状態で、調節ネジ41を回転させ、ブレーキカラー40の軸方向の位置を変更すれば、ブレーキプレート32のホルダ30に対する圧接力が変更される。これによりスプール3に対するブレーキ力を変更することができる。
【0041】
また、この片軸受リールでは、釣り糸の巻取り方向を右巻きから左巻きに、あるいはその逆に容易に変更することができる。
【0042】
変更する場合は、前記同様にして、スプール3及びその内部空間3aに収納された各部品をすべてスプール軸2から取り外す。次にビス35を取り外し、受け部材36等とともに一方向クラッチ31をスプール3の内部空間から取り出す。そしてこの一方向クラッチ31の組み付け方向を逆にして装着し、前記と逆の作業によってリールを組み立てる。
【0043】
このような実施例では、発音機構4、回転制動機構23、固定機構25等を構成する各部品がすべてスプール3の内部空間3a内に収納される。したがって、特にリール本体1の側板10とスプール3の内フランジ16との間のスペースを狭くでき、リールの小型化が可能になる。また、各機構内に砂等が侵入するのを抑えることができる。さらに、スプール3をスプール軸2から抜き出した際に、リール本体側に部品が装着されていないので、従来品のように分解した際にリール本体側に装着された部品が意に反して外れたりすることもなく、組み立て、分解作業時の取り扱いが容易になる。さらに、右巻きを左巻きに変更することが容易になる。
【0044】
〔第2実施例〕
図5に第2実施例による片軸受リールの断面の一部を示す。
【0045】
この片軸受リールは、回転制動機構及び発音機構に関連する構成のみが第1実施例と異なり、他の構成は第1実施例と同様である。
【0046】
本実施例における回転制動機構50は、ホルダ51と、一方向クラッチ31と、ブレーキプレート52、53と、スプリング54と、受け部材55と、ブレーキカラー56とを有している。
【0047】
ホルダ51は径方向に突出するフランジ51aを有しており、このフランジ51aの両側にブレーキプレート52、53が配置されている。スプリング54はスラストワッシャ34とブレーキプレート52との間に配置されており、これによりブレーキプレート52は常にリール本体1の側板10側に付勢されている。受け部材55は、スプール3の側壁にビス35により固定されており、スプール3の内部空間3aに延びる筒状部55aを有している。さらに筒状部55aの先端には第1実施例と同様な凹凸部55bが形成されている。ブレーキカラー56は、受け部材55の筒状部55aの外周に配置されており、先端はブレーキプレート53に当接している。そして、このブレーキプレート53を介してホルダ51のフランジ51aを圧接している。
【0048】
受け部材55とブレーキカラー56とによって、回転制動機構の制動力を調節する機構が構成されている。この機構を図5、図6及び図7を用いて説明する。
【0049】
ブレーキカラー56は、ほぼ筒状に形成されているが、外周の一部には軸方向に突出する操作用突起57が形成されている。また、一部には円周方向に沿って切欠き56aが形成されており、これによりブレーキカラー56は軸方向にばね性を有することとなる。さらに、操作用突起57の基端部には、カム面57aが形成されている。一方、受け部材55には円弧状の孔55cが形成されており、ブレーキカラー56の操作用突起57が挿通している。そして、受け部材55において、操作用突起57のカム面57aが当接する部分(図7でハッチングで示す領域)は傾斜面となっている。
【0050】
このような構成では、操作用突起57を円弧状の孔55c内でスライドさせることにより、操作用突起57が軸方向で移動する(図5の一点鎖線と実線で示す位置)。すると、ブレーキカラー56の先端がブレーキプレート53をより強くホルダ51のフランジ51aに押圧することとなり、フランジ51aはブレーキプレート52、53を介してスプール3の内部端面に圧接される。これによりブレーキ力が大きくなる。
【0051】
なお、操作用突起57が外方にでている状態(図5の実線で示す状態)では、スプリング54による付勢力がブレーキ力として作用している。
【0052】
次に、発音機構を図5及び図8に基づいて説明する。図8は図5のVIII−VIII線断面を示している。
【0053】
この実施例における発音機構は、ホルダ51の側面にピン60により回動自在に支持された爪61と、この爪61を円周方向の一方向に付勢する板ばね62とを有している。爪61の先端は受け部材55の凹凸部55bの凹部にはまりこんでいる。板ばね62は、一端がホルダ51に固定され、円弧状に形成されて先端は爪61に当接して付勢している。
【0054】
ここでは、ホルダ51とスプール3との間に相対回転が生じると、爪61が板ばね62の付勢力に抗して回動し、発音する。
【0055】
〔変形例〕
(a) 前記各実施例では、受け部材36、55をスプール3と別部材で構成したが、受け部材をスプールと一体で形成してもよい。
【0056】
(b) ホルダとスプールとの相対回転を制動するための部材としては、ブレーキプレートに限定されるものではなく、たとえばオーリングを用いたり、ブレーキプレートとオーリングとを併用したりすることも考えられる。
【0057】
【発明の効果】
発明1に係る片軸受リールでは、スプールの内部空間に発音機構の回転音を生じさせる部分が収納されているので、リール全体の小型化が容易になる。また、リール本体に取り付けられる部品を少なくすることができるので、分解、組み立て時の取り扱いが容易になる。さらに発音機構に砂等が侵入するのを抑えることができる。さらに、ここではスプールの内部空間に回転制動機構が配置されているので、スプールのバックラッシュの抑止を小さいスペースで実現できる。また、釣り糸をスムーズに引き出すことができる。また、スプールに対して相対回転自在なホルダが、釣り糸巻取り方向にのみ回転し、ホルダとスプールとの相対回転は制動手段によって制動される。したがって、釣り糸繰り出し時のスプールの回転が制動され、スプールのバックラッシュを抑えることができる。さらに、ここでは回転制動機構を構成するホルダを利用して発音機構を構成しているので、構成が簡単になる。
【0058】
発明2に係る片軸受リールでは、スプールの内部空間に制動力調整機構が配置されているので、スプールに対するブレーキ力の調整を小さいスペースで行うことができる。
【0059】
発明3に係る片軸受リールでは、押圧力調整手段によって制動手段のホルダに対する押圧力が調整され、これにより、使用状況等によって自在に制動力を調整できる。
【0060】
発明に係る片軸受リールでは、受け部材は円周方向に連続する凹凸部を有し、発音部材の当接部が付勢部に付勢されて凹凸部に衝突し、発音する。ここでは、特に発音部材の構成が簡単になる。
【0061】
発明に係る片軸受リールでは、発音部材がばねにより構成されているので、安価である。
【0062】
発明に係る片軸受リールでは、ホルダに回動自在に取り付けられた爪部材の先端が受け部材に衝突して発音するので、より確実な発音が可能である。
【0063】
発明に係る片軸受リールでは、ホルダ及び一方向クラッチが容易に着脱でき、しかも一方向クラッチをその取付方向を逆にした状態で組み付け可能であるので、容易に釣り糸の巻取り方向を変更することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による片軸受リールの断面図。
【図2】図1の拡大部分図。
【図3】図2のII−II線断面図。
【図4】スプールの固定機構を示す構成図。
【図5】本発明の第2実施例の図1に相当する図。
【図6】第2実施例のブレーキカラーの正面図。
【図7】第2実施例の受け部材の側面図。
【図8】第2実施例の図3に相当する図。
【符号の説明】
1 リール本体
2 スプール軸
3 スプール
4 発音機構
10 側板
23、50 回転制動機構
24 制動力調整機構
30、51 ホルダ
31 一方向クラッチ
32、52、53 ブレーキプレート
36、55 受け部材
37 ばね部材
40、56 ブレーキカラー
41 調整ネジ

Claims (7)

  1. 一方側に円盤状の側板を有するとともに他方側が開放されたリール本体と、
    一端が前記リール本体の側板に固定されたスプール軸と、
    前記スプール軸が挿通する内部空間を中心部に有し、前記スプール軸に相対回転自在に支持された筒状のスプールと、
    前記スプールの回転に伴って回転音を生じさせ、前記回転音を生じさせる部分が前記スプール内周側の前記スプール軸方向内方に設けられた前記スプールの内部空間に配置される発音機構と、
    前記スプールの内部空間に配置され、前記スプールの釣り糸繰り出し方向の回転を制動する回転制動機構とを備え、
    前記回転制動機構は、前記スプールに対して相対回転自在な筒状のホルダと、前記スプール軸とホルダとの間に配置された一方向クラッチと、前記ホルダのスプールに対する相対回転を制動する制動手段とを有しており、
    前記発音機構は、前記スプールとともに回転する受け部材と、前記ホルダとともに回転するよう設けられ前記受け部材に衝突する発音部材とを有している、片軸受リール。
  2. 前記スプールの内部空間に配置され、前記回転制動機構の制動力を調整するための制動力調整機構をさらに備えている、請求項1に記載の片軸受リール。
  3. 前記制動力調整機構は、前記スプールに装着され前記制動手段の前記ホルダへの押圧力を調整する押圧力調整手段を有している、請求項2に記載の片軸受リール。
  4. 前記受け部材は円周方向に連続して形成された複数の凹凸部を内面に有する筒状部材であり、
    前記発音部材は、前記凹凸部に当接する当接部と、前記当接部を凹凸部に対して付勢する付勢部とを有し、前記筒状の受け部材の内部に配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の片軸受リール。
  5. 前記発音部材は、ばね部材である、請求項に記載の片軸受リール。
  6. 前記受け部材は円周方向に連続して形成された複数の凹凸部を内面に有する筒状部材であり、
    前記発音部材は、前記ホルダに回動自在に取り付けられ先端部が前記受け部材の凹部に衝突可能な爪部材と、前記爪部材の先端部を前記凹部に付勢するばね部材とを有している、請求項1から3のいずれかに記載の片軸受リール。
  7. 前記ホルダ及び一方向クラッチは前記スプールの内部空間に対して挿入及び取り外し自在であり、かつ前記一方向クラッチは取付方向を逆にした状態で前記スプールの内部空間に挿入可能である、請求項からのいずれかに記載の片軸受リール。
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