JP3557855B2 - リラクタンスモータのトルク制御装置 - Google Patents

リラクタンスモータのトルク制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所望のトルク値を出力するリラクタンスモータに関し、特に、リラクタンスモータの回転子及び固定子の突極の製造誤差あるいは回転子の位置検出誤差に起因して生じるトルク脈動を低減できる、リラクタンスモータのトルク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リラクタンスモータのトルク制御装置としては、例えば、「メガトルクモータの理論解析とそのトルク制御法」(田中他、電気学会研究会、SPC−87−14)や、特開平2−206389号公報に開示された装置がある。
本トルク制御装置の基本構成図を図1に示す。本装置は、リラクタンスモータ3の回転子位置を検出する回転子位置手段4と、トルク指令値及び回転子位置に応じてリラクタンスモータ3の各励磁相への電流指令値を演算する電流指令値演算手段1と、リラクタンスモータ3の各励磁相の電流を電流指令値に一致させる電流制御手段2とからなる。
【0003】
ここで、電流指令値演算手段1は、以下のような原理で実現されている。尚、以下では、3相4極のリラクタンスモータ(図2)で説明し、3相4極以外のリラクタンスモータについては原理も同様に説明できるため、記述を省略する。
先ず、回転子位置及びトルク指令値の符号に応じて励磁する相をどのように選択するかについて説明する。
【0004】
リラクタンスモータの出力トルクTRQは、式1で記述される。
Figure 0003557855
【0005】
La:a相の自己インダクタンス Lb:b相の自己インダクタンス
Lc:c相の自己インダクタンス Mab:ab相の相互インダクタンス
Mbc:bc相の相互インダクタンス Mca:ca相の相互インダクタンス
ia:a相電流 ib:b相電流 ic:c相電流
θ:モータ回転位置。
【0006】
ここで通常、相互インダクタンスは自己インダクタンスに比べて著しく小さく、相互インダクタンスのモータ回転子位置に対する微分値も自己インダクタンスのそれに比べて著しく小さいため、リラクタンスモータの出力トルクTRQは、式2で近似できる。
Figure 0003557855
【0007】
従って、自己インダクタンスのモータ回転子位置に対する微分値が正である相に電流を流すことで正値のトルクを出力でき、逆に自己インダクタンスのモータ回転子位置に対する微分値が負である相に電流を流すことで負値のトルクを出力することができる。
例えば、モータ回転子位置と各相の自己インダクタンスとの関係が図3であるリラクタンスモータについて言えば、正値のトルクを出力したいときには、区間s1ではb相のみに電流を流し、区間s2ではb及びc相に電流を流し、区間s3ではc相のみに電流を流し、区間s4ではc及びa相に電流を流すといった具合に、図3(b)に示した相を励磁すればよく、逆に負値のトルクを出力したいときには、図3(c)に示した相を励磁すればよい。尚、回転子角度値と回転子位置との関係については図5に示す。
【0008】
さて、次に指令値通りのトルクを出力すべく各相への電流指令値を演算する方法について説明する。
図3(b)(c)に示した通り、電流を流す相は回転子の位置に応じて1相のみである状況と2相の状況とがある。尚、以下では、指令トルクが正の場合について説明し、負の場合は正の向きと同様に実現及び説明できるため、記述を省略する。
【0009】
1相のみの場合、例えば励磁相をa相のみとした場合、式1は式3となるため、a相の電流指令値iaを式4とすることで、指令値通りのトルクTRQを出力できる。
TRQ= (1/2) ia(dLa/dθ) ・・・(式3)
ia=(TRQ1/2 (2/(dLa/dθ))1/2 ・・・(式4)。
【0010】
2相の場合、例えば励磁相をa及びb相とした場合、式1は式5となるため、a相の電流指令値ia及びb相の電流指令値ibを式6とすることで、指令値通りのトルクTRQを出力できる。
TRQ= (1/2) ia(dLa/dθ)+(1/2) ib(dLb/dθ)+iaib(dMab/dθ)・・・(式5)
ia=α(TRQ1/2 ib=β(TRQ1/2 ・・・(式6)
ここで、α,βは式7を満たす正値である。
【0011】
1= (1/2) α(dLa/dθ)+(1/2) β(dLb/dθ)+αβ(dMab/dθ) ・・・(式7)。
式7から明らかなように、2相励磁区間では、αもしくはβを、α,βは式7を満たす正値であるという範囲で、自由に選定できる。
以上、1相励磁区間についてはa相について述べたが、b相あるいはc相についても全く同様であるので説明を省略する。また、同じ理由で2相励磁区間についてもb相及びc相励磁、c相及びa相励磁についての説明を省略する。
【0012】
さて、電流指令値演算手段1の原理を説明したが、「メガトルクモータの理論解析とそのトルク制御法」に示されている方法では、電流指令値が不連続に変化することを避けるべく、つまり、不連続とすることで電流応答性が要求されることを回避すべく、2相励磁区間でのα(もしくはβ)を回転子位置に対する電流指令パターンが連続的にかつ直線的になるように設定し、β(もしくはα)は式7を満たす値に設定するものとしている(図4)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなリラクタンスモータのトルク制御装置にあっても、リラクタンスモータの製造誤差(製造公差)、あるいは、回転子位置の検出誤差(計測あるいは推定誤差)に対する配慮は何らなされていなかった。
例えば、図9(a)に示す回転子突極の製造誤差がある場合、a相の自己インダクタンス特性及び自己インダクタンスの回転角に対する微分値特性は概略図10のように変化する。従って、正のトルクを発生させようとして、図4に示す従来の電流指令値を適用しても、−45<θ<−45+θ1の範囲では、a相は負のトルクを発生し、逆に45−θ1<θ<45の範囲では、a相は過剰なトルクを発生することになり、結局、回転位相に応じたトルク脈動を引き起こしてしまい、トルクの制御性が悪化するという問題点があった。また、−45<θ<−45+θ1の範囲では、a相は負のトルクを発生し、同時にc相では正のトルクを発生するわけであるから、回転子に正負両方向のトルクが加わることになるため、機械的歪みを引き起し、モータが異音を発生してしまう状況も考えられた。
【0014】
あるいは、図9(b)に示す回転子突極の製造誤差がある場合、a相の自己インダクタンス特性及び自己インダクタンスの回転角に対する微分値特性は概略図11のように変化する。従って、正のトルクを発生させようとした場合、図4に示す従来の電流指令値を適用しても、−45<θ<−45+θ2の範囲では、a相の発生トルクは不足し、45−θ2<θ<45の範囲においても、a相の発生トルクは不足することになり、結局、回転位相に応じたトルク脈動を引き起こしてしまい、トルクの制御性が悪化するという問題点があった。
【0015】
回転子位置に検出誤差がある場合についても、図9(a)等と同様の理由によりトルク脈動を引き起こしてしまい、トルクの制御性が悪化するという問題点があった。また、モータが異音を発生してしまう状況も考えられた。
以上のように従来の方法では、リラクタンスモータの製造誤差、あるいは、回転子位置の検出誤差に対する配慮が何らなされていなかったため、トルクの制御性が悪化する、モータが異音を発生するなどといった不都合が起きる場合があるという問題点があった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものである。
請求項1に係る発明では、リラクタンスモータの回転子位置を計測あるいは推定により検出する回転子位置検出手段と、この検出手段によって得られるリラクタンスモータの回転子位置に応じて、指令値通りのトルクを出力するように、リラクタンスモータの各励磁相への電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、各励磁相の電流値が、電流指令値演算手段によって演算された電流指令値に一致するように、各励磁相への電流を制御する電流制御手段と、を備えるリラクタンスモータのトルク制御装置において、前記電流指令値演算手段を、自己インダクタンスの回転角に対する微分値の符号が切り換わる回転角の前後所定角度範囲においては、その励磁相ヘの電流指令値を0もしくはモータの発生トルクへの影響が著しく小さい値とするものとしたことを特徴とする。
【0017】
請求項2に係る発明では、前記電流指令値演算手段は、前記所定角度範囲を、リラクタンスモータの回転子及び固定子の突極部角度の製造誤差に応じて定められる角度範囲とすることを特徴とする。つまり、考えられる製造誤差の範囲では、製造誤差のトルクへの感度が高い励磁相の電流指令値を0もしくは著しく小さい値とした。
【0018】
請求項3に係る発明では、前記電流指令値演算手段は、前記所定角度範囲を、リラクタンスモータの回転子位置の検出誤差に応じて定められる角度範囲とすることを特徴とする。つまり、考えられる検出誤差の範囲では、検出誤差のトルクへの感度が高い励磁相の電流指令値を0もしくは著しく小さい値とした。
請求項4に係る発明では、リラクタンスモータの回転子位置を計測あるいは推定により検出する回転子位置検出手段と、この検出手段によって得られるリラクタンスモータの回転子位置に応じて、指令値通りのトルクを出力するように、リラクタンスモータの各励磁相への電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、各励磁相の電流値が、電流指令値演算手段によって演算された電流指令値に一致するように、各励磁相への電流を制御する電流制御手段と、を備えるリラクタンスモータのトルク制御装置において、前記電流指令値演算手段を、各励磁相への電流指令値を回転子位置に対して連続的に変化させると共に、2相以上を励磁する状況においては、自己インダクタンスの回転角に対する2階微分値の絶対値が大きい相ほど電流配分が小さくなるように重み付けするものとしたことを特徴とする。
【0019】
すなわち、式5から、自己インダクタンスの回転角に対する2階微分値の絶対値が大きい相においては、回転子の位置検出誤差に対してトルク制御精度が悪くなるので、そのような相においては電流を少なく配分し、逆に2階微分値の絶対値が小さい相には電流を多くするようにした。
請求項5に係る発明では、前記電流指令値演算手段は、リラクタンスモータの回転子及び固定子の突極部角度の製造誤差と、リラクタンスモータの回転子位置の検出誤差との少なくとも一方に起因して、自己インダクタンスの回転角に対する微分値の絶対値が所定値より大きく変化する、角度範囲を含めて、重み付けすることを特徴とする。
【0020】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、自己インダクタンスの回転角に対する微分値の符号が切り換わる回転角近傍の所定角度範囲においては、その励磁相ヘの電流指令値を0もしくはモータの発生トルクへの影響が著しく小さい値とすることにより、モータ製造時の製造誤差が存在する場合においても、製造誤差のトルクヘの感度が高い励磁相への電流指令値を0もしくは著しく小さい値とすることになるので、製造誤差に起因するトルク脈動を低減でき、トルクの制御性を向上させることができる。また、2相で正負のトルクを同時に発生する状況をなくせるので、モータの歪みによる異音も低減できる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、前記所定角度範囲を、リラクタンスモータの製造誤差に応じて定められる角度範囲として、考えられる製造誤差の範囲内では、製造誤差のトルクへの感度が高い励磁相の電流指令値を0もしくは著しく小さい値としたので、モータを大量生産する場合であっても、製造誤差に起因するトルク脈動を低減でき、トルクの制御性を向上させることができる。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、前記所定角度範囲を、回転子位置の検出誤差(計測あるいは推定誤差)に応じて定められる角度範囲として、考えられる検出誤差の範囲では、検出誤差のトルクへの感度が高い励磁相の電流指令値を0もしくは著しく小さい値としたので、回転子位置計測用のセンサ出力精度による検出誤差、センサ出力をコントローラへ取込む際のA/D変換の分解能による検出誤差、更には回転子位置を推定する場合の推定精度による検出誤差に起因するトルク脈動を低減でき、トルクの制御性を向上させることができる。また、2相での正負のトルクを同時に発生させる状況をなくせるので、モータの歪みによる異音も低減できる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、各励磁相への電流指令値を回転子位置に対して連続的に変化させると共に、2相以上を励磁する状況においては、自己インダクタンスの回転角に対する2階微分値の絶対値が大きい相ほど電流配分が小さくなるように重み付けするものとしたことにより、すなわち、自己インダクタンスの回転角に対する2階微分値の絶対値が大きい相においては、回転子の位置検出誤差に対してトルク制御精度が悪くなるので、そのような相においては電流を少なく配分し、逆に2階微分値の絶対値が小さい相には電流を多くするようにしたことにより、回転位置検出誤差よって生じる2相励磁区間でのトルク脈動を低減でき、トルクの制御性を向上させることができる。
【0024】
請求項5に係る発明によれば、リラクタンスモータの回転子及び固定子の突極部角度の製造誤差と、リラクタンスモータの回転子位置の検出誤差との少なくとも一方に起因して、自己インダクタンスの回転角に対する微分値の絶対値が所定値より大きく変化する、角度範囲を含めて、重み付けすることにより、モータの製造誤差及び回転子位置の検出誤差によって生じる2相励磁区間でのトルク脈動を低減でき、トルクの制御性を向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係るリラクタンスモータのトルク制御装置の実施の形態を説明する。
本トルク制御装置の基本構成は、図1に示すように、リラクタンスモータ3の回転子位置を計測あるいは推定により検出する回転子位置手段4と、トルク指令値(TRQ)及び回転子位置に応じてリラクタンスモータ3の各励磁相への電流指令値を演算する電流指令値演算手段1と、リラクタンスモータ3の各励磁相の電流を電流指令値に一致させる電流制御手段2とからなる。
【0026】
ここで、電流指令値演算手段1は、自己インダクタンスの回転角に対する微分値の符号が切り換わる回転角近傍の所定角度範囲においては、その励磁相ヘの電流指令値を0もしくはモータの発生トルクへの影響が著しく小さい値とするものとしてあるが、具体的内容については後述する。
リラクタンスモータ3は、例えば図2に示す3相4極構造のものとする。
【0027】
回転子34は回転軸35回りを回転するが、90度毎に4つの突起を備える。これを囲む固定子36は突極を60度毎に備える。向かい合う突極には同じ向きの磁束が発生するように1本の巻線が巻かれている(31,32,33)。
一方、固定子36に対する回転子34の位置を検出するように、回転子位置検出手段としてのエンコーダ式回転角センサ(以下エンコーダという)37が備えられている。
【0028】
図6に示すように、回転子位置検出手段としてのエンコーダ37の出力するパルスは、電流指令値演算手段としての制御回路13に入力されている。
制御回路13は、パルス処理回路、CPU、RAM、ROM、I/O、タイマ、直流電源などを備え、トルク指令値(TRQ)及び回転子位置に応じてリラクタンスモータ3の各相への電流指令値を演算し、D/A出力する。その出力は、電流制御手段としての駆動回路14に入力されている。
【0029】
駆動回路14は、リラクタンスモータ3の各励磁相の電流値が、電流指令値に一致するように、各励磁相への印加電圧を調整して、各励磁相の電流を制御する。この制御のため、駆動回路14にはリラクタンスモータ3の各励磁相の実際の電流を検出する電流センサ12から信号が入力されている。
この駆動回路14の詳細は図7に示される。
【0030】
比較器15により、電流センサ12で検出する3相分の出力imsra,imsrb,imsrcと、制御回路13からD/A出力される3相分の電流指令値ia,ib,icとをそれぞれ比較して、各相31,32,33のスイッチング素子(MOSFET等)42,43,44を駆動することで、各相の電流値を指令値と一致するように調整する。
【0031】
すなわち、a相を例にとって説明すると、imsra≧iaなら、図7のスイッチング素子42をOFF操作し、imsra<iaなら、ON操作することで、a相(31)に加わる電圧をON/OFF的に調整し、a相の電流値が指令値と一致するように調整する。
尚、図7において、41は電源、45〜47はコイル、48〜50は抵抗、51〜53はダイオードである。類似した回路は、リラクタンスモータに限らず直流モータ等でも一般的に用いられるものであるため詳細な記述は省略する。
【0032】
次に作用について説明する。
本発明のポイントである、トルク指令値(TRQ)及びエンコーダ出力(回転子位置θ)から各相への電流指令値を演算する制御回路13について、作用を説明する。
制御回路13は、1相のみを励磁する回転角区間においては、式4を満たすγ=(2/(dLa/dθ))1/2 を、2相を励磁する回転角区間においては、式7を満たすα,βを、励磁しない回転角区間においては、0を値として持つテーブルTABLE−P(負の向きのトルク用としては、TABLE−N)をROMデータとして備える。
【0033】
ここで、リラクタンスモータ3が回転角90度毎の周期的構造であることから、テーブル値は回転角90度分だけを備えておく。本テーブルについては、後で詳細に説明する。
次に、各相への電流指令値の演算方法を図8のフローチャートで説明する。
本演算ルーチン(701)は、100μs毎に実行される。
【0034】
先ず、エンコーダからのパルス信号を処理することで、回転子位置を得て、RAM変数(回転子位置変数)θに代入する(702)。
次にトルク指令値TRQが0であるか否かを判定し(703)、0である場合には、711に進み、3相の電流指令値を全て0とする(ia=ib=ic=0)。
【0035】
トルク指令値TRQが0でない場合は、トルク指令値TRQの絶対値の平方根を求めて、RAM変数kに代入する(704)と共に、回転子位置を90で除算したときの余りをθとおくことにより、回転子位置変数θを0≦θ<90度の範囲に正規化する(706)。
次にトルク指令値TRQの符号を判定し(707)、正の場合には、712に進む。
【0036】
712ではTABLE−Pを参照し、RAM変数kを乗じることにより、a相の電流指令値iaを導出する。
b相の電流指令値ibは、a相の電流指令値iaを30度遅らせたものであるため、713で回転子位置変数θをθ−30と置き換えた後、714でTABLE−Pを参照し、RAM変数kを乗じることにより導出する。
【0037】
同様に、c相の電流指令値icは、b相の電流指令値ibを更に30度遅らせたものであるため、715で回転子位置変数θをθ−30と置き換えた後、716でTABLE−Pを参照し、RAM定数kを乗じることにより導出する。707にてトルク指令値TRQの符号が負であると判定した場合には、722に進む。
【0038】
722〜726については、712〜716の使用テーブルをTABLE−PからTABLE−Nに置き換えたものであるので、作用の説明を省略する。
最後に、708にて、導出された電流指令値ia,ib,icをD/A出力し、本ルーチンを終了する(709)。
ここで、請求項1に係る発明を適用する場合には、モータ回転子・固定子の製造誤差をθ1としたときに、TABLE−Pを図12とすることで実現できる。すなわち、従来2相を励磁していた区間にあって、自己インダクタンスの回転角に対する微分値の符号が切り換わる回転角からθ1の範囲のデータ値を0とすることで、実現できる。この場合、−θ1<θ<0の範囲では、b相のみの1相励磁となり、−45<θ<−45+θ1の範囲では、b相のみの1相励磁となる。言うまでもなく、従来2相の励磁区間にあって、自己インダクタンスの回転角に対する微分値の符号が切り換わる回転角からθ1の範囲のデータ値を著しく小さい値としてもよい。
【0039】
請求項2に係る発明を適用する場合であっても、モータ回転子・固定子の製造誤差をθ1としたとき、TABLE−Pを、請求項1に係る発明を適用する場合と同様に、図12とすることで実現できる。
請求項3に係る発明を適用する場合には、回転子位置の検出誤差をθ1としたときに、TABLE−Pを、請求項1に係る発明を適用する場合と同様に、図12とすることで実現できる。
【0040】
請求項4に係る発明を適用する場合には、自己インダクタンスの回転角に対する2階微分値が大きく変動する角度範囲をθ3としたとき、TABLE−Pを、図13とすることで実現できる。
請求項5に係る発明を適用する場合には、自己インダクタンスの回転角に対する2階微分値が大きく変動する角度範囲をθ3、モータの製造誤差と回転子位置の検出誤差との和をθ4としたとき、TABLE−Pを、図14とすることで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルク制御装置の基本構成図
【図2】リラクタンスモータの構造図
【図3】トルクの向きに対応した励磁相を説明する図
【図4】従来の電流指令値を示す図
【図5】回転子角度とインダクタンスとの関係を示す図
【図6】トルク制御装置の具体的構成図
【図7】駆動回路の詳細図
【図8】電流指令値演算のフローチャート
【図9】製造誤差例を示す図
【図10】製造誤差によるモータ特性変化例1を示す図
【図11】製造誤差によるモータ特性変化例2を示す図
【図12】請求項1〜請求項3に係る発明を説明する図
【図13】請求項4に係る発明を説明する図
【図14】請求項5に係る発明を説明する図
【符号の説明】
1 電流指令値演算手段
2 電流制御手段
3 リラクタンスモータ
4 回転子位置検出手段
12 電流センサ
13 制御回路
14 駆動回路
15 比較回路
37 エンコーダ

Claims (5)

  1. リラクタンスモータの回転子位置を計測あるいは推定により検出する回転子位置検出手段と、
    この検出手段によって得られるリラクタンスモータの回転子位置に応じて、指令値通りのトルクを出力するように、リラクタンスモータの各励磁相への電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、
    各励磁相の電流値が、電流指令値演算手段によって演算された電流指令値に一致するように、各励磁相への電流を制御する電流制御手段と、
    を備えるリラクタンスモータのトルク制御装置において、
    前記電流指令値演算手段を、自己インダクタンスの回転角に対する微分値の符号が切り換わる回転角の前後所定角度範囲においては、その励磁相ヘの電流指令値を0もしくはモータの発生トルクへの影響が著しく小さい値とするものとしたことを特徴とするリラクタンスモータのトルク制御装置。
  2. 前記電流指令値演算手段は、前記所定角度範囲を、リラクタンスモータの回転子及び固定子の突極部角度の製造誤差に応じて定められる角度範囲とすることを特徴とする請求項1記載のリラクタンスモータのトルク制御装置。
  3. 前記電流指令値演算手段は、前記所定角度範囲を、リラクタンスモータの回転子位置の検出誤差に応じて定められる角度範囲とすることを特徴とする請求項1記載のリラクタンスモータのトルク制御装置。
  4. リラクタンスモータの回転子位置を計測あるいは推定により検出する回転子位置検出手段と、
    この検出手段によって得られるリラクタンスモータの回転子位置に応じて、指令値通りのトルクを出力するように、リラクタンスモータの各励磁相への電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、
    各励磁相の電流値が、電流指令値演算手段によって演算された電流指令値に一致するように、各励磁相への電流を制御する電流制御手段と、
    を備えるリラクタンスモータのトルク制御装置において、
    前記電流指令値演算手段を、各励磁相への電流指令値を回転子位置に対して連続的に変化させると共に、2相以上を励磁する状況においては、自己インダクタンスの回転角に対する2階微分値の絶対値が大きい相ほど電流配分が小さくなるように重み付けするものとしたことを特徴とするリラクタンスモータのトルク制御装置。
  5. 前記電流指令値演算手段は、リラクタンスモータの回転子及び固定子の突極部角度の製造誤差と、リラクタンスモータの回転子位置の検出誤差との少なくとも一方に起因して、自己インダクタンスの回転角に対する微分値の絶対値が所定値より大きく変化する、角度範囲を含めて、重み付けすることを特徴とする請求項4記載のリラクタンスモータのトルク制御装置。
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