JP3554445B2 - 異音判定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプ等の機械の完成検査工程などにおいて、運転中の機械が発生する騒音から異音を検出して、製品の良否を判定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧ポンプ等の機械の製造工程においては、組み立て完了後のポンプを運転して完成検査を行っており、油圧ポンプが発生する騒音や振動から組み付け不良などを判定することができ、作業者の聴覚及び主観に基づいてこの判定を行っている。
【0003】
この判定作業は、騒音の中に含まれる異音を、騒音の音色などから作業者の経験に基づいて判定を行うものである。
【0004】
上記判定作業では、作業者の健康状態や熟練度等の要因から、常時安定した判定を行うことが難しく、この異音の判定作業を自動的に行うものも知られている。
【0005】
これは、心理学的手法で調べた人間の騒音に対する感覚量と、検出した騒音信号の特徴との相関関係を統計的手法によって予め求めておき、判定対象となる機械騒音を周波数分析装置などにより、騒音信号の特徴を検出し、この信号的特徴から人間の感覚量への変換を、上記相関関係を利用して行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、分析装置による信号処理では測定結果として騒音の振幅といった物理量を表示あるいは出力し、人間の感覚量への変換は、この物理量と上記予め求めた騒音の物理量と人間の感覚量の相関関係から2次的に求める必要があり、判定作業が煩雑となるだけでなく、完成検査に要する時間が増大するという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、検出した機械騒音から直接的に人間の感覚量に応じた異音判定を安定して行うことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図9に示すように、機械作動中の騒音又は振動をサンプリングする騒音サンプリング手段50と、前記サンプリングされた騒音データから周波数に応じた騒音の振幅を演算する周波数分析手段51とを備えて、周波数と振幅の演算結果に応じて機械騒音に含まれる異音を判定する異音判定装置において、前記サンプリングデータに基づいてオーバーオール値を演算するオーバーオール値演算手段52と、前記機械の周期的な運動をサンプリングする運動周期サンプリング手段53と、この運動周期サンプリング手段53が検出した周期から次数成分周波数を演算する次数成分周波数演算手段54と、前記周波数分析手段51の演算結果から、次数成分周波数演算手段54で求めた次数成分周波数に対応する周波数成分の振幅を検索する次数成分振幅演算手段55と、この次数成分周波数に対応した振幅と、前記オーバーオール値から所定の感覚量を演算する感覚量変換手段56とを備え、前記感覚量変換手段56は、以下の式によって前記感覚量を算出する。
【数2】
ただし、Yは感覚量、B0は定数、Bkは統計的手法によって予め設定された定数、nは測定対象の騒音の種類に応じて予め設定される値、Lkは次数成分周波数の振幅、Laはオーバーオール値計算部で求めたオーバーオール値とする。
【0010】
【作用】
したがって、本発明は、機械作動中の騒音と運動周期がそれぞれサンプリングされ、サンプリングした騒音データから周波数に応じた騒音の振幅と、オーバーオール値が演算される一方、運動周期から次数成分周波数が演算され、この次数成分周波数に応じた騒音の振幅を求め、この振幅とオーバーオール値から直接的に人間の感覚量へ変換することができ、例えば、検出した騒音を「ざらつき」に変換し、この「ざらつき」が所定値を超えると異音と判定することができ、物理量から直接感覚量を求めて、迅速かつ安定して機械騒音中の異音を判定できる。
【0011】
また、本発明は、次数成分周波数に対応する振幅とオーバーオール値の差に基づいて所定の感覚量を統計的に演算するため、サンプリングした騒音データを任意の感覚量として求めることができる。
【0012】
【実施形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は油圧ポンプ等の機械作動音の異音判定装置を示し、油圧ポンプの騒音を含む作動音を検出する手段としてのマイクロホン1の検出信号は、アンプ3で増幅された後、マイクロプロセッサ8を主体とするコントローラ10へ入力され、同時に、運動周期検出手段2は、油圧ポンプの運動周期を検出する回転センサ等で構成されて、検出した周期信号も上記と同様にアンプ4を介してコントローラ10へ入力される。
【0014】
コントローラ10は、上記アンプ3、4からの信号をデジタル信号へ変換するA/D変換器5、6と、演算結果やサンプリングデータ等を記憶するメモリ7及び判定結果を表示する表示装置9が、インターフェースI/Fを介してマイクロプロセッサ8に接続され、図2に示すような騒音信号処理及び人間の感覚量への変換処理が行われる。
【0015】
この図2のブロック図及び上記図1を参照しながら、コントローラ10で行われる処理につて詳述する。
【0016】
まず、マイクロホン1で検出された機械騒音、ここでは油圧ポンプの騒音は、アンプ3で増幅された後、A/D変換器5で騒音データに変換されてから、データサンプリング部によって所定時間測定され、図3(A)のように時間に応じた振幅としてメモリ7へ格納される。
【0017】
メモリ7へ格納された騒音データは、マイクロプロセッサ8の指令に応じて周波数分析処理部でFFT(高速フーリエ変換、以下同様)演算が行われ、図3(A)の騒音データは、図4(A)に示すように、周波数に応じた振幅として表され、さらに、この周波数分析部では、図4(B)のようにFFT演算結果を周波数に応じた振幅として配列化する。
【0018】
上記メモリ7へ格納された騒音データは、FFT演算に加えて、オーバーオール値演算部で、暗騒音を含む測定時の平均値であるオーバーオール値Laが、図5に示すように演算される。
【0019】
一方、運動周期検出手段2からは、図3(B)に示すように、油圧ポンプの回転に応じたパルスが出力され、データサンプリング部はこの周期的なパルスを、上記と同様の所定時間だけサンプリングする。
【0020】
そして、次数成分周波数計算部では、図6に示すように、パルスの周期Δtに応じた1次成分周波数F1より、k次成分周波数Fkを演算する。ただし、k=1〜nで、nは測定対象の騒音の種類に応じて予め設定されるものである。
【0021】
次に、次数成分振幅検出部では、図4(B)のように、周波数分析部で求めた騒音データの周波数に応じた振幅配列と、次数成分周波数計算部で求めた次数成分周波数Fkから、k次成分周波数Fkに対応する周波数成分の振幅Lkを図4(B)の配列より読み込む。
【0022】
こうして、騒音データの周波数分析結果(FFT演算結果)から得た次数成分周波数の振幅Lkと、オーバーオール値計算部で求めたオーバーオール値Laから、感覚量計算部では次のような式に基づいて人間の感覚量Yを演算する。
【0023】
【数3】
【0024】
ただし、Bkは統計的手法によって予め設定された定数であり、B0は定数である。
【0025】
このYは、例えば、「ざらつき」等の人間の感覚量を示し、上記(1)式の演算結果を、図8の(A)又は(B)に示すように、表示装置9へ出力する。
【0026】
そして、作業者はこの「ざらつき」が所定値を超えたときに、製品の不良を識別することができる。
【0027】
こうして、サンプリングした騒音データと、周期信号から、騒音データのオーバーオール値Laと、FFT演算により周波数ごとに対応した振幅を求め、同時に周期信号に基づく次数成分周波数Fkを求め、この次数成分周波数Fkに応じた振幅Lkを調べて、上記(1)式を用いることで、検出した騒音データ及び周期的な周期信号から直接的に人間の感覚量へ変換することが可能となって、前記従来例のように物理量から2次的に感覚量へ変換する必要がなくなって、検出した騒音データから迅速に人間の感覚量を安定して求めることができ、人間による異音判定のような個人差等を排除して常に安定した判定を行うことができ、油圧ポンプなどの機械の完成検査の精度を確保しながら、完成検査工程に要する時間を短縮して生産性を向上させることができるのである。
【0028】
なお、上記実施形態において、人間の感覚量Yを「ざらつき」としたが、「明るさ」や「かたさ」などの感覚量としてもよく、これらの場合では、「明るさ」や「かたさ」といった感覚量に応じたしきい値をそれぞれ設けることで、多種の異音判定を行うことができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、機械作動中の騒音と運動周期がそれぞれサンプリングされ、サンプリングした騒音データから周波数に応じた騒音の振幅と、オーバーオール値が演算される一方、運動周期から次数成分周波数が演算され、この次数成分周波数に応じた周波数成分の振幅を求め、この振幅とオーバーオール値から直接的に人間の感覚量へ変換することができ、例えば、検出した騒音を「ざらつき」に変換し、この「ざらつき」が所定値を超えると異音と判定することができ、検出した騒音データ及び周期的な周期信号から直接的に人間の感覚量へ変換することが可能となって、前記従来例のように物理量から2次的に感覚量へ変換する必要がなくなって、検出した騒音データから迅速に人間の感覚量を安定して求めることができ、人間による異音判定のような個人差等を排除して常に安定した判定を行うことができ、油圧ポンプなどの機械の完成検査の精度を確保しながら、完成検査工程に要する時間を短縮して生産性を向上させることができるのである。
【0030】
また、本発明は、次数成分周波数に対応する周波数成分の振幅とオーバーオール値の差に基づいて所定の感覚量を統計的に演算するため、サンプリングした騒音データを任意の感覚量として求めることができ、例えば、感覚量を「明るさ」や「かたさ」として変換することで多種の検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す異音判定装置の概略構成図。
【図2】コントローラで行われる処理の概念図である。
【図3】入力信号の振幅と時間の関係を示し、(A)はマイクロホンから入力された騒音信号を、(B)は運動周期検出手段から入力された周期信号をそれぞれ示す。
【図4】周波数分析の様子を示し、(A)はFFTによる周波数と振幅の関係を示すグラフで、(B)は周波数ごとに配列化された振幅を示す。
【図5】オーバーオール値の演算の様子を示し、振幅と時間の関係のグラフである。
【図6】周期運動に基づく周期信号と次数成分周波数の関係を示すグラフである。
【図7】各次数成分周波数とFFT演算結果の振幅配列の概略図。
【図8】人間の感覚量に応じた異音表示の様子を示し、(A)はメーター式、(B)は棒グラフ式である。
【図9】第1又は第2の発明に対応するクレーム対応図。
【符号の説明】
1 マイクロホン
2 周期信号検出手段
3、4 アンプ
5、6 A/D変換器
7 メモリ
8 マイクロプロセッサ
9 表示装置
10 コントローラ
50 騒音サンプリング手段
51 周波数分析手段
52オーバーオール値演算手段
53 運動周期サンプリング手段
54 次数成分周波数演算手段
55 次数成分振幅演算手段
56 感覚量変換手段
Claims (1)
- 機械作動中の騒音又は振動をサンプリングする騒音又は振動サンプリング手段と、前記サンプリングされた騒音データから周波数に応じた騒音の振幅を演算する周波数分析手段とを備えて、周波数と振幅の演算結果に応じて機械騒音に含まれる異音を判定する異音判定装置において、前記サンプリングデータに基づいてオーバーオール値を演算するオーバーオール値演算手段と、前記機械の周期的な運動をサンプリングする運動周期サンプリング手段と、この運動周期サンプリング手段が検出した周期から次数成分周波数を演算する次数成分周波数演算手段と、前記周波数分析手段の演算結果から、次数成分周波数演算手段で求めた次数成分周波数に対応する振幅を検索する次数成分振幅演算手段と、この次数成分周波数に対応した振幅と、前記オーバーオール値から所定の感覚量を演算する感覚量変換手段とを備え、前記感覚量変換手段は、以下の式によって前記感覚量Yを算出することを特徴とする異音判定装置。
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JP23532696A JP3554445B2 (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 異音判定装置 |
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---|---|---|---|
JP23532696A JP3554445B2 (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 異音判定装置 |
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JP23532696A Expired - Fee Related JP3554445B2 (ja) | 1996-09-05 | 1996-09-05 | 異音判定装置 |
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-
1996
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