JP3554373B2 - 測距光学系 - Google Patents
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Description
本発明は、測距光学系に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
測距光学系は、例えば、光波測距装置に用いられている。図3はその従来例の構成を示す図で、同図において、1はLEDなどの光源、2は受光素子、3はハーフミラー、4は対物レンズ系、5は光分岐のためのプリズムからなる光分割素子、6は像反転のためのプリズム、7は接眼レンズを示す。対物レンズ系4は前群4aと後群4bとからなり、両者の間に、光分割素子5が位置している。
【0003】
対物レンズ系4、光分割素子5、像反転プリズム6、および接眼レンズ7から構成される光学系は、測距対象物(一般的にコーナーキューブ)CCを目で、すなわち可視光で、確認するための望遠鏡を構成している。
【0004】
光源1は第1の光束として、赤外光を射出する。この赤外光は波長が850nm程度であり、第2の光束としての可視光とは異なる波長である。光源1から射出された赤外光は、ハーフミラー3を透過し、光分岐のための光分割素子5に達する。光分割素子5の分割面5aには、赤外光を反射し、可視光を透過するための誘電体多層膜からなるダイクロイックコートが形成されている。従って、光源1からの赤外光はこのダイクロイックコートで反射され、対物レンズ系4の前群4aを通過した後、コーナーキューブCCへ向かう。
【0005】
測距対象物で反射された赤外光は、対物レンズ系4の前群4aに戻り、ふたたび光分割素子5のダイクロイックコートで反射され、さらにハーフミラー3で反射されて受光素子2に入射する。
【0006】
光波測距装置は、原理的には周知のように、光源1からの赤外光を、所定の周波数でパルス的に射出させ、この赤外光(測距光)が光源を出てからコーナーキューブCCに反射され受光素子2に入射するまでの時間を、測距光と参照光のパルスの位相のずれにより検知して測定対象物までの距離を算出する。
【0007】
ところで、上記の構成に使用されるダイクロイックコートは、その分光特性がこのコートに入射する光の入射角に依存して変化するという性質がある。図4はこの分光特性を描いた線図で、縦軸は透過率(%)、横軸は光の波長である。実線は入射角が45°、破線は30°一点鎖線は15°の場合の波長と透過率の関係をそれぞれ示している。入射角は、垂直入射の場合が0゜である。この図から、入射角が15°の場合は、波長が可視光の限度である750nmあたりまではほぼ100%透過し、それ以上の長い波長はほぼ100%反射することが分かる。次に、入射角が30°の場合は、可視光の上限近くの700nm近辺から透過率が低下し始めるが、750nm程度までは50%近く透過でき、ほぼ目標どうりの特性を有すると言える。
【0008】
しかし、入射角が45°になると、可視光領域にある600nmあたりからの透過率が50%以下に落ち込んでおり、700nmから750nmの間では、透過率がほぼ0%になって、目で見る像の赤色成分が相当に減殺されてしまうことになる。また、観察者の眼が接眼レンズ7の光軸と直交する方向に少しずれただけで、観察している対象物の色調が変わってしまう。
【0009】
一方、ダイクロイックコートに入射する光は、光源1からの発散光、又は測定対象物から戻ってきた光である収束光なので、ダイクロイックコートに入射する角度に幅がある。例えば、この反射膜5aと対物レンズ4の光軸Oとのなす角αを60°とすると、主光線(光軸と重なる入射光線)の入射角βは30°である。しかし、上光線、下光線の入射角は、対物レンズのFナンバーにもよるが、±15°程度の幅があり、15°から45°の範囲に広がる。上述のように、入射角が30°程度までは分光特性が許容限度内にあるが、45°になると分光特性が悪化し、光の利用効率が大きく低下してしまうという問題がある。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記の問題の解決を図ったもので、ダイクロイックコート面に対する入射光線の角度が変化せず、よって光の利用効率が高く、接眼レンズと目の位置関係がずれても対象物の色調が変わらない測距光学系を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】本発明は、測距用の光束を発する光源と;この光源からの光束を反射し、可視光を透過するダイクロイックコート面を有する光分割素子と;コリメータレンズ群、発散レンズ、及び、対物レンズ系を備え、ダイクロイック面で反射した光束を測距対象物に投光するとともに、該測距対象物で反射し再び該ダイクロイックコート面で反射した光束を集光する投受光光学系と;対物レンズ系、発散レンズ、集光光学系、及び、接眼レンズを備え、測距対象物で反射した光束のうち可視光束が光分割素子のダイクロイックコート面を透過する視準光学系と;を備えた測距光学系において、投受光光学系及び視準光学系中に、両光学系に共通する、光束が平行をなす平行光束系を設け、この平行光束系内に、光分割素子のダイクロイックコート面を位置させたことを特徴としている。
【0012】
このように、平行光束中に、光分割素子のダイクロイックコート面を配置すれば、該コート面には常に平行光束が入射するので、分光特性に悪影響が生じることがない。平行光束系は、例えば、対物レンズ系と発散レンズからなるアフォーカルな光学系、あるいは、対物レンズと集光レンズからなるアフォーカルな光学系によって構成することができる。前者の場合、光学系の全長が短くなって小型化できるという利点があり、後者の場合、平行光束系内で一度結像が行われれるので像反転の為のプリズムが不要となりコストダウンとなる。
【0013】
【発明の実施例】
以下に本発明の実施例を図面によって説明する。図1は本発明の第1実施例を示す構成図である。同図において、11は光源1から発散された第1の光束を平行光にするコリメータレンズ群である。コリメータレンズ群11、発散レンズ12、及び対物レンズ系4は、投受光光学系を構成する。対物レンズ系4と発散レンズ12はアフォーカル光学系20を構成している。
【0014】
一方、対物レンズ4、発散レンズ12、集光光学系13、及び接眼レンズ7は、視準光学系(望遠鏡)を構成する。発散レンズ12と集光光学系13との間は、この投受光光学系と視準光学系に共通する、光束が平行な平行光束系であり、この平行光束系内に、ダイクロイックコート面5aを有する光分割素子5が配置されている。視準光学系は、可視光により、コーナーキューブCCなどの測距対象物を探し出すのに使用される。
【0015】
すなわち、光源1から射出された測距光束としての赤外光は、波長が850nmのLED光で、ハーフミラー3を透過し、さらにコリメータレンズ群11を通過して平行な光束にされ光分割素子5に入射し、ダイクロイックコートされた分割面5aに達する。ダイクロイックコートは赤外光を反射するので、光源1からの光束はここで反射され、アフォーカルな光学系20を通ってコーナーキューブCCに照射される。
【0016】
コーナキューブCCから反射された測距光束である赤外光は、可視光と重畳してアフォーカルな光学系20を通過して平行光の状態で光分割素子5へと進む。そして分割面5aに達すると、赤外光は反射され、コリメータレンズ群11を逆行し、ハーフミラー3で反射されて受光素子2に達する。コーナキューブCC迄の距離は、前述のように、光源1を出てからコーナーキューブCCに反射され受光素子2に入射するまでの時間を、測距光と参照光のパルスの位相のずれにより検知することにより演算される。
【0017】
一方、可視光は分割面5aを透過し、集光光学系13を通過して像反転のためのプリズム6を経て接眼レンズ7に達する。集光光学系13の全部または一部を光軸方向に移動させることによって、視準光学系のピントを合わせることができる。
【0018】
以上の構成において、光分割素子5の分割面5aに入射する測距光束及び視準光束は、どちらも平行な光束にされているので、上光線と下光線は主光線と平行であり、主光線と同じ入射角となる。したがって、コリメータレンズ群11の光軸とアフォーカルな光学系20の光軸とのなす角γを適当に設定すれば、入射角を、分光特性に影響を与えない角度に設定できる。また、望遠鏡を使用する際に、目と接眼レンズ7の相対位置が変化しても色調が変化することはない。
【0019】
図2は、本発明の第2実施例である。この実施例では、視準光学系のアフォーカルな光学系20を、対物レンズ系4と正のパワーの集光レンズ15とで構成し、この対物レンズ系4と集光レンズ15との間で一度結像させている。また、集光光学系16と接眼レンズ7との間でもさらに一度結像させている。このように対物レンズ系4から接眼レンズ7の間で2回結像させるので、視準光学系における像は正立像となり、実施例1で使用していた像反転プリスム6が不要になった。したがって、構成が簡易化され、望遠鏡の製造コストを低下させることができる。この他の構成は、第1の実施例と共通であり、共通要素には共通の符号を付した。
【0020】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、測距光束を反射して可視光を透過するダイクロイックコート面を有する光分割素子が、投受光光学系と視準光学系に共通に設けた平行光束系内に位置しているので、該ダイクロイックコート面に入射する測距光束及び可視光束の入射角度は常に一定であり、上光線や下光線の入射角が主光線の入射角と一致するので、分光特性に影響を受けることがなくなった。また、本発明の測距光学系を測距光学系の望遠鏡に適用すると、接眼レンズと目の位置関係がずれても、対象物の色調が変わることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測距光学系の第1実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例の構成を示す図である。
【図3】従来の測距光学系の構成を示す図である。
【図4】ダイクロイックコートの分光特性を示す線図である。
【符号の説明】
1 光源
4 対物レンズ系
5 光分割素子
5a 分割面
7 接眼レンズ
11 コリメータ
20 アフォーカルな光学系
Claims (3)
- 測距用の光束を発する光源と、
この光源からの測距光束を反射し、可視光を透過するダイクロイックコート面を有する光分割素子と、
コリメータレンズ群、発散レンズ、及び、対物レンズ系を備え、前記ダイクロイック面で反射した光束を測距対象物に投光するとともに、該測距対象物で反射し再び該ダイクロイックコート面で反射した光束を集光する投受光光学系と、
前記対物レンズ系、前記発散レンズ、集光光学系、及び、接眼レンズを備え、前記測距対象物で反射した光束のうち可視光束が前記光分割素子のダイクロイックコート面を透過する視準光学系と、
を備えた測距光学系において、
前記投受光光学系及び視準光学系中に、両光学系に共通する、光束が平行をなす平行光束系を設け、この平行光束系内に、前記光分割素子のダイクロイックコート面を位置させたことを特徴とする測距光学系。 - 請求項1において、前記平行光束系は、前記対物レンズ系と前記発散レンズからなるアフォーカルな光学系によって構成されている測距光学系。
- 測距用の光束を発する光源と、
この光源からの測距光束を反射し、可視光を透過するダイクロイックコート面を有する光分割素子と、
コリメータレンズ群、集光レンズ、及び、対物レンズ系を備え、前記ダイクロイック面で反射した光束を測距対象物に投光するとともに、該測距対象物で反射し再び該ダイクロイックコート面で反射した光束を集光する投受光光学系と、
前記対物レンズ系、前記集光レンズ、集光光学系、及び、接眼レンズを備え、前記測距対象物で反射した光束のうち可視光束が前記光分割素子のダイクロイックコート面を透過する視準光学系と、
を備えた測距光学系において、
前記投受光光学系及び視準光学系中に、両光学系に共通する、光束が平行をなす平行光束系を設け、
この平行光束系内に、前記光分割素子のダイクロイックコート面を位置させ、
前記平行光束系は、前記対物レンズ系と前記集光レンズからなるアフォーカルな光学系によって構成され、この対物レンズと集光レンズの間で一回結像する測距光学系。
Priority Applications (1)
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JP23367294A JP3554373B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 測距光学系 |
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JPH0894354A JPH0894354A (ja) | 1996-04-12 |
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JPWO2008099939A1 (ja) * | 2007-02-13 | 2010-05-27 | 株式会社ニコン・トリンブル | 光分割素子、距離測定装置 |
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1994
- 1994-09-28 JP JP23367294A patent/JP3554373B2/ja not_active Expired - Fee Related
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