JP3553423B2 - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッド用ガラスパイプ内に、コア用ガラスロッド、若しくはコア及びクラッド用ガラスロッドを挿入し、両者を加熱しながら上記ガラスパイプ内を減圧して、上記ガラスパイプとガラスロッドとの一体化及び延伸を同時に行う光ファイバ母材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ母材の製造方法の主なものとしては、OVD(Outside Vapor Deposition)法、VAD(Vapor−phase Axial Deposition)法、MCVD(ModifiedChemical Vapor Deposition)法の3つが挙げられる。ここで、VAD法やMCVD法においては、その生産性の観点から、コア若しくはコア及びクラッド用ガラスロッドを製造した後に、光ファイバ母材の大部分を占めることとなるクラッドを上記ガラスロッドの外周に、別工程によって形成する手法が採用されている。
【0003】
具体的に上記クラッドの形成方法としては、例えば上記ガラスロッドに対してスートと呼ばれるガラス微粒子を堆積させ、これを加熱して透明ガラス化する、いわゆる外付け法が知られている。
【0004】
これに対し、別工程において予め製造されたクラッド用ガラスパイプ内に、上記コア若しくはコア及びクラッド用ガラスロッドを挿入し、このガラスパイプとガラスロッドとを一体化させる、いわゆるロッドインチューブ法も知られている(例えば、特公昭56−45867号公報参照)。このロッドインチューブ法としては、例えばバーナ火炎によって上記ガラスパイプ及びガラスロッドを加熱し、このバーナ火炎のガスによって上記ガラスパイプをコアロッドに押し付けるようにして両者を一体化させる方法が知られている。また、これとは異なり、上記ガラスパイプ及びガラスロッドを電気炉(ヒータ)などによって加熱しつつ、上記ガラスパイプ内の圧力を減圧するようにして、このガラスパイプ内外の圧力差によって、両者を一体化させる方法も知られている。
【0005】
そして、上記のような製法によって製造された光ファイバ母材は線引き工程によって光ファイバとなるわけであるが、この線引き工程を上記ロッドインチューブ法による光ファイバ母材の製造と同時に行う方法も知られている(例えば、特開昭50−85345号公報参照)。
【0006】
ところで、近年、生産コストの低減化等の観点から、光ファイバ母材を大型化することが求められており、このため、上記光ファイバ母材を太径とすることが行われている。
【0007】
ところが、このような太径の光ファイバ母材をそのまま線引きすると、目標径の光ファイバに安定させるまでに長時間を要することとなってしまい、大量の母材を初期安定化に消費してしまうようになってしまう。その結果、上記光ファイバ母材から光ファイバへの歩留まりが悪化してしまい、本来低コスト化の目的で行った光ファイバ母材の大型化が、逆にその目的を達成できないものとなってしまうという不都合がある。
【0008】
そこで、このような不都合を解消するために、通常は製造された太径の光ファイバ母材を、線引き工程の前に歩留まりが最大となる最適の径まで縮径させるようにしている。そして、このような光ファイバ母材の縮径工程として、上記ガラスパイプ及びガラスロッドの一体化による光ファイバ母材の製造と同時に行うようにして、その生産性を向上させようとする方法が知られている(例えば、特開平7−10580号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のガラスパイプとガラスロッドとを一体化させて光ファイバ母材を製造する場合には、その一体化の際にガラスパイプとガラスロッドとの間にパイプ内面の傷、またパイプ内面に付着した水分やガスに起因する気泡等の発生を防止する必要がある。すなわち、上記気泡が発生してしまうと損失不良や接続不良を引き起こしてしまうため、光ファイバ母材の内部に気泡の発生した部分は廃棄せざるを得ない。
【0010】
そこで、このような気泡の発生を防止するために、上記ガラスパイプの内周面を十分に洗浄し、かつ水分等を完全に除去した上で、上記ガラスパイプとガラスロッドとが互いに擦らないように上記ガラスロッドをガラスパイプ内に挿入するといったことが行われている。また、その一体化の際には、上記ガラスパイプの内周面に吸着したガスの残留を防止する観点からパイプ内の圧力を極めて低圧にして(減圧度を高くして)、両者の一体化を行うようにしている。
【0011】
ところが、気泡の防止を目的として、ガラスパイプ内の減圧度を高くすれば、このガラスパイプが急激に縮径しようとすることから、その縮径部分の曲率が大となり、偏肉量の増加を招いてしまう。その結果、両者を一体化したときに、コアに偏心が生じてしまうという不都合がある。このようなコアの偏心は、大型の光ファイバ母材を製造する目的で、大型のガラスパイプ、例えばその内外径比が小である厚肉のガラスパイプや太径のガラスパイプを用いる場合には、特に大となりやすい。
【0012】
そして、このようなコア偏心を防止するには、ガラスパイプ内の減圧度を低くした状態でガラスパイプとガラスロッドとの一体化を行うことが有効となるが、上述したように、減圧度を低くすれば内部の気泡が発生するおそれがある。
【0013】
このように、上記気泡の防止とコア偏心の防止は相反する要求となってしまい、特に大型の光ファイバ母材の製造においては、上記気泡の防止とコア偏心の防止との双方を両立させることは極めて困難なものとなってしまう。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ガラスパイプとガラスロッドとの一体化及び延伸を同時に行う光ファイバ母材の製造において、気泡の発生とコア偏心との双方を確実に防止することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は、ガラスパイプ内の減圧度、加熱温度、ガラスパイプ及びガラスロッドの送り速度等の点に着目して実験を繰り返した結果、気泡の発生とコア偏心との双方を確実に防止し得る光ファイバ母材の製造条件を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0016】
すなわち、ガラスパイプとガラスロッドとの一体化及び延伸を同時に行う際に気泡の発生とコア偏心との双方を防止するには、特にガラスパイプ内の減圧度を最適にすることが重要であることが判明した。そこで、この減圧度に着目して実験を繰り返した結果、コアの偏心が生じない程度であって、かつ、気泡の発生が確実に防止できるガラスパイプ内の減圧度、すなわち最適な減圧度を見出すに至った。そして、このような最適な減圧度でもってガラスパイプとガラスロッドとを一体化及び延伸を行ったときには、上記ガラスパイプとガラスロッドとが一体化する前に、このガラスパイプとガラスロッドとの内のいずれか一方または双方が延伸し、その後両者が一体化するようになっていることを見出した。
【0017】
すなわち、減圧度が高すぎる場合には、上記ガラスパイプとガラスロッドとが一体化した後に双方が延伸するようになってしまい、この場合は、上述したように、コアの偏心が生じ易くなってしまう。一方、減圧度が低すぎる場合には、上記ガラスパイプとガラスロッドとが一体化することなくそれぞれ十分に延伸した後にこの両者が一体化しようとするが、この場合は、完全には一体化しない。逆に、最適な減圧度の場合には、ガラスパイプとガラスロッドとの内のいずれか一方または双方が延伸された後に、上記ガラスパイプ及びガラスロッドが一体化するようになる。
【0018】
そして、ガラスパイプとガラスロッドとの内のいずれか一方または双方が延伸された後に、上記ガラスパイプ及びガラスロッドが一体化するときには、気泡の発生とコア偏心との双方が確実に防止されることが確認され、加えて、太径のガラスパイプ、または厚肉のガラスパイプを用いる場合であっても、気泡の発生とコア偏心との双方が確実に防止されることが確認され、本発明を完成するに至ったものである。
【0019】
具体的に、本発明は、クラッド用ガラスパイプ内に、コア用ガラスロッド、若しくはコア及びクラッド用ガラスロッドを挿入し、両者を加熱しながら上記ガラスパイプ内を減圧して、上記ガラスパイプ及びガラスロッドの一体化と延伸とを同時に行う光ファイバ母材の製造方法を前提とし、この方法において、上記ガラスパイプとガラスロッドとの内のいずれか一方または双方を延伸した後に、上記ガラスパイプ及びガラスロッドを一体化させ、その後上記ガラスパイプの外径が所定径となるまで上記一体化したガラスパイプ及びガラスロッドを延伸することを特定事項とする方法である。
【0020】
ここで、最適な減圧度の値は、加熱炉の温度条件やガラスパイプとガラスロッドとの間の隙間の大きさ等、ガラスパイプとガラスロッドとの条件に依存してしまうものである。このため、減圧度によって最適な条件を全て規定することは困難である。そこで、上記の最適な減圧度を規定する値として、本発明者は以下の値を用いて製造条件を設定することが可能であることを見出した。
【0021】
すなわち、ガラスパイプとガラスロッドとの軸方向の長さに着目し、請求項2記載の如く、ガラスパイプとガラスロッドとの内のいずれか一方または双方が延伸する位置から、このガラスパイプ及びガラスロッドが一体化する位置までの長さをL1とし、上記ガラスパイプ及びガラスロッドが一体化する位置から、両者が延伸してその外径が所定径となる位置までの長さをL2としたときに、
0.1≦L1/(L1+L2)≦0.8
となるようにガラスパイプとガラスロッドとの一体化及び延伸を行うようにしてもよい。この場合、気泡の発生とコア偏心とが共に、確実に防止される。
【0022】
さらに、本発明者は、上記の製造条件に加え、上記コア偏心は、ガラスパイプとガラスロッドとの間の隙間(クリアランス)の大きさにも依存することを見出した。すなわち、上記クリアランスが大きい場合には、上記ガラスパイプが縮径する際に、その曲率が大きくなるため、コア偏心が生じやすくなってしまう。そこで、請求項3記載の如く、ガラスパイプの外径をD0,内径をd0とし、上記ガラスパイプとガラスロッドとが一体化する位置における上記ガラスパイプの外径をD1,内径をd1としたときに、
(d0/D0)/(d1/D1)≦2
となるようにガラスパイプとガラスロッドとの一体化及び延伸を行うようにしてもよい。この場合、上記(d0/D0)/(d1/D1)の値が大きい、すなわちクリアランスが大きいときは、ガラスパイプの縮径の曲率が大きくなってしまい、コア偏心を発生させるおそれがあるが、上記(d0/D0)/(d1/D1)の値を2以下とすることによって、コア偏心が確実に防止される。
【0023】
そして、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、特に大型の光ファイバ母材の製造に適したものであり、例えば、その内径外径比が0.5以下の厚肉のガラスパイプを用いる場合や、その外径が48mm以上の太径のガラスパイプを用いる場合においても、気泡の発生及びコア偏心を防止して、光ファイバ母材の製造が可能となる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明における光ファイバ母材の製造方法によれば、内部の気泡の発生とコアの偏心との双方を確実に防止して光ファイバ母材の製造ができる。特に、ガラスパイプとして太径あるいは厚肉のものを用いる場合においても、上記内部の気泡の発生とコアの偏心との双方を確実に防止することができる。
【0025】
【実施例】
図1は、光ファイバ母材の製造中の状態を示し、1はクラッド用ガラスパイプ、2はコア若しくはコア及びクラッド用ガラスロッド、3は上記ガラスパイプ及びガラスロッドの双方を加熱するヒータである。上記ガラスパイプ1としては、例えば、OVD法などにて製造されたものを用いるようにすればよい。また、上記ガラスロッド2は、VAD法によってガラス微粒子を堆積させたガラス微粒子堆積体を焼結して製造したものや、MCVD法でクラッドパイプ内面にコアガラスを形成し中実化したものとすればよい。さらに、上記ヒータ3を備える加熱炉としては、具体的には、カーボン抵抗加熱炉や高周波誘導加熱炉を用いるようにすればよい。
【0026】
そして、上記光ファイバ母材の製造は以下のようにして行われる。
【0027】
まず、上記ガラスパイプ1内にガラスロッド2を挿入した状態で、両者の上端を図示省略の把持装置によって把持する。そして、上記ガラスパイプ1とガラスロッド2とを共に下方に移動させる(図1の矢印参照)。ここで、上記ガラスパイプ1内は、図示省略の減圧装置によって減圧されている。
【0028】
そして、上記ガラスパイプ1及びガラスロッド2が、ヒータ3内に挿入された状態となり、このヒータ3によって上記ガラスパイプ1及びガラスロッド2が加熱されるようになる。そして、上記ガラスパイプ1が溶融され、かつその内外の圧力差によって上記ガラスロッド2と一体化するようになる。この一体化した光ファイバ母材4は、その下方に備えられた図示省略の引取り装置によって引取られて延伸されるようになっている(同図の矢印参照)。すなわち、ガラスパイプ1とガラスロッド2との一体化と、両者の延伸とが同時に行われるようになっている。
【0029】
そして、本実施例においては、図2に示すように、上記ガラスパイプ1とガラスロッド2とが一体化する前に、上記ガラスロッド2が延伸するようになっている。すなわち、ガラスロッド2が延伸し始める位置が、ガラスパイプ1とガラスロッド2とが一体化する位置よりも上方に存在している(同図のL1参照)。なお、L2は、上記ガラスパイプ1とガラスロッド2とが一体化する位置から、この一体化したガラスパイプ1及びガラスロッド2が延伸されることにより上記ガラスパイプ1の外径が所定径D2となる位置までの長さである。さらに、この技術は延伸の上下方向にとらわれるものでなく、実施例とは逆に下から上方に延伸を行った場合にも有効である。
【0030】
一方、図3は、従来の光ファイバ製造方法における上記ガラスパイプ1とガラスロッド2との一体化の様子を示しており、この場合、上記ガラスパイプ1とガラスロッド2とが延伸することなく一体化し、その後延伸するようになっているため、L1が存在していない。
【0031】
次に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法について行った実験について説明する。
【0032】
表1は、各種のガラスパイプ1及びガラスロッド2を用いて、上記ガラスパイプ1内の減圧度を変更することによって、パラメータとしてのL1/(L1+L2)の値を変化させて光ファイバ母材を製造した場合の、光ファイバ母材内部の気泡と光ファイバに線引きして測定したコア偏心量について評価した実験結果、表2は、各種のガラスパイプ1及びガラスロッド2を用いて、ガラスパイプ1とガラスロッド2との間の隙間(クリアランス;(d0/D0)/(d1/D1))が小さいとき(図4参照)と、クリアランスが大きいとき(図5参照)とで光ファイバ母材を製造した場合の光ファイバ母材内部の気泡と光ファイバに線引きして測定したコア偏心量について評価した実験結果を示している。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
ここで、D0,d0は延伸前のガラスパイプ1の外径及び内径、D1,d1は一体化した位置におけるガラスパイプ1の外径及び内径、D2,d2は延伸作業が終了したときのガラスパイプ1の外径、すなわち母材径、及び内径である(図2または図3参照)。また、dは延伸前のガラスロッド2の径である。
【0036】
そして、表1における実施例1〜実施例8は、上記ガラスパイプ1とガラスロッド2とが一体化する前にガラスロッド2が延伸するように減圧度を調整して、光ファイバ母材を製造したものであり(図2参照)、上記実施例1〜実施例8の内、実施例1〜実施例5は、ガラスパイプ1の外径D0が比較的小さいものであり、実施例6〜実施例8は、上記ガラスパイプ1の外径D0が比較的大きいものである。
【0037】
また、表2における実施例9〜実施例14は、上記ガラスパイプ1とガラスロッド2とが一体化する前に延伸するように減圧度を調整して、光ファイバ母材を製造したものであり、上記実施例9〜実施例14の内、実施例9〜実施例12は、ガラスパイプ1の外径D0が比較的小さいものであり、実施例13〜実施例14は、上記ガラスパイプ1の外径D0が比較的大きいものである。
【0038】
一方、従来例1または従来例2は、上記ガラスパイプ1とガラスロッド2とが延伸することなく一体化し、その後延伸するようにして光ファイバ母材を製造したものであり(図3参照)、上記従来例1は、ガラスパイプ1の外径D0が比較的小さいもの、従来例2は、ガラスパイプ1の外径D0が比較的大きいものとなっている。
【0039】
さらに、表1における比較例1は、ガラスパイプ1内の減圧度を小さくしたものであって、ガラスパイプ1とガラスロッド2とが完全には一体化しなかったものである(L2=0参照)。
【0040】
そして、この表1及び表2に基づき、L1/(L1+L2)の値を横軸に、光ファイバ母材内に発生した気泡の数(黒四角)、及びそのコア偏心量(白抜き三角)を縦軸にしてプロットした図を図6に示す。同図から、上記L1/(L1+L2)の値が0.1以上0.8以下であれば、その気泡の発生、及びコア偏心が共に防止されていることがわかる。この傾向は、例えば実施例6,7のように上記ガラスパイプ1の外径が大きくなっても同様であり、上記ガラスパイプ1が太径(D0が大)あるいは厚肉(d0/D0が小)であっても、気泡の発生及びコア偏心が確実に防止されることがわかる。
【0041】
以上の結果から、0.1≦L1/(L1+L2)≦0.8となるように、ガラスパイプ及びガラスロッドの一体化及び延伸を行うようにすることで、気泡の発生及び偏心を防止して、光ファイバ母材を製造することができることが確認できる。
【0042】
また、上記表1及び表2に基づき、(d0/D0)/(d1/D1)の値を横軸に、コア偏心量を縦軸にしてプロットした図を図7に示す。同図から、上記(d0/D0)/(d1/D1)の値が2以下であれば、すなわち、クリアランスが比較的小さい場合には、コア偏心が防止されていることがわかる。
【0043】
以上の結果から、(d0/D0)/(d1/D1)≦2となるように、ガラスパイプ1及びガラスロッド2の一体化及び延伸を行うようにすることで、コア偏心を防止して、光ファイバ母材を製造することができることが確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ母材の製造中の状態を示す斜視説明図である。
【図2】本発明に係る光ファイバ母材の製造方法によってガラスパイプとガラスロッドとを一体化させたときの様子を示す斜視説明図である。
【図3】従来の光ファイバ母材の製造方法によってガラスパイプとガラスロッドとを一体化させたときの様子を示す図2対応図である。
【図4】クリアランスが小さい場合にガラスパイプとガラスロッドとを一体化させる様子を示す図2対応図である。
【図5】クリアランスが大きい場合にガラスパイプとガラスロッドとを一体化させる様子を示す図2対応図である。
【図6】L1/(L1+L2)と、コア偏心量及び発生した気泡の数との関係を示す図である。
【図7】(d0/D0)/(d1/D1)と、コア偏心量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ガラスパイプ
2 ガラスロッド
4 光ファイバ母材
Claims (3)
- クラッド用ガラスパイプ内に、コア用ガラスロッド、若しくはコア及びクラッド用ガラスロッドを挿入し、この両者を加熱しながら上記ガラスパイプ内を減圧して、上記ガラスパイプ及びガラスロッドの一体化と延伸とを同時に行う光ファイバ母材の製造方法において、
上記ガラスパイプとガラスロッドとの内のいずれか一方または双方を延伸した後に、上記ガラスパイプ及びガラスロッドを一体化させ、その後上記ガラスパイプの外径が所定径となるまで上記一体化したガラスパイプ及びガラスロッドを延伸する
ことを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。 - 請求項1において、
ガラスパイプとガラスロッドとの内のいずれか一方または双方が延伸する位置から、このガラスパイプ及びガラスロッドが一体化する位置までの長さをL1とし、
上記ガラスパイプ及びガラスロッドが一体化する位置から、両者が延伸してその外径が所定径となる位置までの長さをL2としたときに、
0.1≦L1/(L1+L2)≦0.8
となるように上記ガラスパイプとガラスロッドとの一体化及び延伸を行う
ことを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。 - 請求項1または請求項2において、
ガラスパイプの外径をD0,内径をd0とし、
上記ガラスパイプとガラスロッドとが一体化する位置における上記ガラスパイプの外径をD1,内径をd1としたときに、
(d0/D0)/(d1/D1)≦2
となるように上記ガラスパイプとガラスロッドとの一体化及び延伸を行う
ことを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
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