JP2020011881A - 光ファイバ用母材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス微粒子を堆積させてコアとクラッドを有する光ファイバ用母材を形成する際に、脱水焼結後の透明ガラス母材において有効部となる部分を長くすることができる、光ファイバ用母材の製造方法を提供する。【解決手段】種棒10を軸方向に引き上げながら、コア用バーナ1でガラス微粒子を合成して種棒10の軸方向に堆積させてコア層21を形成すると共に、クラッド用バーナ2でガラス微粒子を合成してコア層21の外周に堆積させてクラッド層22を形成する、光ファイバ用母材20の製造方法であって、種棒10の引き上げ長が、所定の長さに到達してから、予め設定された最終の長さL2までの間で、種棒10の単位引き上げ長あたりのクラッド層22となるガラス微粒子の堆積量が増加するように、クラッド層22の堆積条件を変化させる。【選択図】図3

Description

本発明は、光ファイバ用母材の製造方法に関する。
特許文献1は、光ファイバ用母材の製造方法に関する発明であって、複数のガラス合成用バーナを用い、合成するガラス微粒子体を複数のガラス合成用バーナに対して移動させつつ、ガラス微粒子体をVAD法によって成長させる方法が開示されている。
また、特許文献2は、ガラス母材の製造方法に関する発明であって、ガラス微粒子の堆積開始時は出発基材に嵩密度の大きいガラス微粒子を堆積させる必要があるとの記載がある。
特開2001−261360号公報 特開2014−24693号公報
脱水焼結した透明ガラス母材において有効部となる部分は、ガラス微粒子を堆積させて光ファイバ用母材を形成する際に、コアとクラッドの外径の比率が一定になるようにしている(予め有効部にしようとした部分)。ところが、上記予め有効部にしようとした部分のうちの下方部分は、脱水焼結後の透明ガラス母材において、クラッドが先細りのテーパー形状になる場合がある。
上記テーパー形状になった部分は、透明ガラス母材において非有効部となってしまう。このため、透明ガラス母材の有効部が短くなるおそれがある。
そこで、本発明は、ガラス微粒子を堆積させてコアとクラッドを有する光ファイバ用母材を形成する際に、脱水焼結後の透明ガラス母材において有効部となる部分を長くすることができる、光ファイバ用母材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光ファイバ用母材の製造方法は、
種棒を軸方向に引き上げながら、コア用バーナでガラス微粒子を合成して前記種棒の軸方向に堆積させてコアを形成すると共に、クラッド用バーナでガラス微粒子を合成して前記コアの外周に堆積させてクラッドを形成する、光ファイバ用母材の製造方法であって、
前記種棒の引き上げ長が、所定の長さに到達してから、予め設定された最終の長さまでの間で、
前記種棒の単位引き上げ長あたりの前記クラッドとなるガラス微粒子の堆積量が増加するように、前記クラッドの堆積条件を変化させる。
上記発明によれば、ガラス微粒子を堆積させてコアとクラッドを有する光ファイバ用母材を形成する際に、脱水焼結後の透明ガラス母材において有効部となる部分を長くすることができる。
本実施形態に係る光ファイバ用母材の製造方法の一例を概略的に示す側面図であり、成長開始位置からコア層の成長の先端部までの長さが予め設定された目標長に到達するまでの状態を示す図である。 予め設定された目標長に到達した後、コア層の成長を終了させる位置に到達するまでの状態を示す図である。 コア層の成長を終了させる位置に到達した後、クラッド層の長手方向への成長をさらに継続している状態を示す図である。 図3の状態の後、クラッド層の成長を終了させる位置に到達した状態を示す図である。 光ファイバ用母材の脱水焼結を行うための脱水焼結炉の概略構成図である。 本実施形態に係る製造方法によって製造された光ファイバ用母材を脱水焼結して得られた透明ガラス母材のコアとクラッドの外径の比率を説明する図である。 比較例の製造条件を示すグラフである。 第一実施例の製造条件を示すグラフである。 第二実施例の製造条件を示すグラフである。 第三実施例の製造条件を示すグラフである。 第四実施例の製造条件を示すグラフである。 第五実施例の製造条件を示すグラフである。 第六実施例の製造条件を示すグラフである。 第七実施例の製造条件を示すグラフである。
(本発明の実施形態の説明)
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る光ファイバ用母材の製造方法は、
(1)種棒を軸方向に引き上げながら、コア用バーナでガラス微粒子を合成して前記種棒の軸方向に堆積させてコアを形成すると共に、クラッド用バーナでガラス微粒子を合成して前記コアの外周に堆積させてクラッドを形成する、光ファイバ用母材の製造方法であって、
前記種棒の引き上げ長が、所定の長さに到達してから、予め設定された最終の長さまでの間で、
前記種棒の単位引き上げ長あたりの前記クラッドとなるガラス微粒子の堆積量が増加するように、前記クラッドの堆積条件を変化させる。
上記方法によれば、予め有効部にしようとした部分のうちの下方部分において、クラッドとなるガラス微粒子の堆積量が増加するので、脱水焼結後の透明ガラス母材において、上記部分のクラッドが先細りのテーパー形状になることを抑制することができる。これにより、ガラス微粒子を堆積させてコアとクラッドを有する光ファイバ用母材を形成する際に、脱水焼結後の透明ガラス母材において有効部となる部分を長くすることができる。
(2)前記クラッド用バーナに供給するガラス原料の流量を増加させる、あるいは、前記種棒の引き上げ速度を減少させる、またはその両方を実行させる、ことにより前記クラッドの堆積条件を変化させる。
上記方法によれば、クラッド用バーナに供給するガラス原料の流量を増加させることにより、クラッドとなるガラス微粒子の堆積量が増加する。また、種棒の引き上げ速度を減少させることにより、単位時間あたりのガラス微粒子の堆積量が増加する。よって、予め有効部にしようとした部分のうちの下方部分においてクラッドとなるガラス微粒子の堆積量が増加するので、脱水焼結後の透明ガラス母材において、上記部分のクラッドが先細りのテーパー形状になることを抑制することができる。
(3)前記クラッド用バーナに供給する水素ガスの流量を増加させることにより、前記クラッドの堆積条件を変化させる。
上記方法によれば、クラッド用バーナに供給する水素ガスの流量を増加させることにより、クラッドの嵩密度が大きくなり、脱水焼結後の透明ガラス母材において、クラッドが細くなることを抑制することができる。
(4)前記ガラス原料の流量を増加させる場合は、前記ガラス原料の流量を、増加させる前の1.01倍から1.05倍に増加させる。
上記方法によれば、ガラス原料の流量が、1.01〜1.05倍に増加するので、予め有効部にしようとした部分のうちの下方部分においてクラッドとなるガラス微粒子の堆積量が増加する。これにより、脱水焼結後の透明ガラス母材において、上記部分のクラッドが先細りのテーパー形状になることを抑制することができる。
(5)前記種棒の引き上げ速度を減少させる場合は、前記引き上げ速度を、減少させる前の速度の95%から99%に減少させる。
上記方法によれば、種棒の引き上げ速度が、95〜99%に減少するので、予め有効部にしようとした部分の下方部分においてクラッドとなるガラス微粒子の堆積量が増加する。これにより、脱水焼結後の透明ガラス母材において、上記部分のクラッドが先細りのテーパー形状になることを抑制することができる。
(本発明の実施形態の詳細)
本発明の実施形態に係る光ファイバ用母材の製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態に係る光ファイバ用母材の製造方法では、複数のガラス合成用バーナを用いたVAD法によりガラス微粒子を堆積させて、複数の層を有する光ファイバ用母材(ガラス微粒子堆積体)が合成される。図1〜図3は、本実施形態に係る光ファイバ用母材の製造方法によって、光ファイバ用母材が合成され、成長する推移を示している。
図1に示すように、本実施形態では、コア用バーナ1およびクラッド用バーナ2の2本のガラス合成用バーナが設置されている。コア用バーナ1およびクラッド用バーナ2には、それぞれ所定のガラス原料ガス、および火炎を形成するための燃焼性ガスおよび助燃性ガスが供給される。コア用バーナ1およびクラッド用バーナ2は、それぞれ燃焼性ガスと助燃性ガスにより火炎を形成し、火炎中でガラス原料ガスを火炎加水分解反応させてガラス微粒子を生成する。ガラス原料ガスとしては、例えば四塩化珪素(SiCl)を用いる。また、燃焼性ガスとしては、例えば水素ガス(H)を用いる。また、助燃性ガスとしては、例えば酸素ガス(O)を用いる。
コア用バーナ1およびクラッド用バーナ2から供給されたHとOとの火炎中でSiClを反応させてガラス微粒子(SiO)が生成される。生成されたガラス微粒子は、回転されながら所定の引き上げ速度で引き上げられている種棒10の下方に堆積される。種棒10の引き上げに伴って継続的にガラス微粒子が堆積され、コア用バーナ1に対応するコア層21と、クラッド用バーナ2に対応してコア層21の外周に堆積されるクラッド層22とからなる光ファイバ用母材20が成長される。光ファイバ用母材20は、種棒10の回転軸を中心軸として種棒10の長手方向に合成される。
コア層21およびクラッド層22の成長が進み、図2に示すように、成長開始位置(種棒10の下端)からコア層21の成長の先端部までの長さが予め設定された目標長L1に到達したら、コア用バーナ1へのガスの供給を停止させコア層21の成長を終了させる。このとき、図3に示すように、クラッド用バーナ2は停止させず、光ファイバ用母材20を上記と同様に引き上げながら、クラッド層22の長手方向への成長をさらに継続する。そして、図4に示すように、クラッド層22がコア層21の先端部を覆うように堆積され、種棒10の引き上げ長が最終の目標長L2に到達したときに、クラッド用バーナ2へのガスの供給を停止してクラッド層22の成長を終了させる。
本実施形態では、上記の光ファイバ用母材20を製造する工程において、クラッド層22を生成するガラス微粒子の種棒10の単位引き上げ長あたりの堆積量が所定の期間で増加されるように、クラッド層22の堆積条件を変化させている。堆積条件が変化される上記所定の期間とは、例えば種棒10の引き上げ長が所定の長さに到達してから、予め設定された最終の長さまでの間とすることができる。
上記種棒10の引き上げ長における所定の長さ(以下、LXと称する)とは、脱水焼結後の透明ガラス母材において先細りのテーパー形状になる下方部分の長さに基づいて算出される長さを意味する。テーパー形状になる上記透明ガラス母材の下方部分の長さを基にして、光ファイバ用母材20の下方部分におけるテーパー形状となり始める位置が算定される。算定された位置から上記種棒10の引き上げ長における所定の長さLXが算出される。また、上記予め設定された最終の長さとは、種棒10の引き上げ長が最終の目標長L2に到達したときの長さを意味する。
上記種棒10の引き上げ長が所定の長さLXに到達した位置(図1参照)は、例えば種棒10の最終の引き上げ長L2(図4参照)よりも80mmから200mm手前の位置(短い位置)となる。堆積量が増加されたことにより、図3,図4に示されるように、堆積量が増加し始めてから所定期間におけるクラッド部分22aでは、増加される前のクラッド層22の径R1よりも大きな径R2となる。
クラッド層22を生成するガラス微粒子の堆積量は、例えば種棒10の単位引き上げ長あたりのクラッド用バーナ2に供給するガラス原料ガスの流量を増加させるように堆積条件を変化させることによって増加させることが可能である。
また、上記堆積量は、例えば種棒10の引き上げ速度を遅くするように堆積条件を変化させることによって増加させることが可能である。
また、上記堆積量は、例えば上記ガラス原料ガスの流量の増加と上記種棒10の引き上げ速度を遅くすることとを、組み合わせることによって増加させることも可能である。
なお、堆積条件の変化として、クラッド層22の嵩密度を高くすることにより、脱水焼結の際に光ファイバ用母材20が径方向に収縮する割合を抑えて、脱水焼結後の透明ガラス母材が上記のようなテーパー形状になりにくくすることも可能である。
クラッド層22の嵩密度を高くするには、例えば、種棒10の単位引き上げ長あたりのクラッド用バーナ2に供給する水素ガスの流量を増加させるとよい。あるいは、種棒10の単位引き上げ長あたりのクラッド用バーナ2に供給する酸素ガスの流量を減少させるようにしてもよい。
上記クラッド用バーナ2に供給するガラス原料ガスの流量を増加させる場合、その増加量は、1.01倍から1.05倍とすることが好ましい。
また、上記種棒10の引き上げ速度を遅くする場合、95%から99%の速度とすることが好ましい。
上記ガラス原料ガスの流量、水素ガスの流量、および酸素ガスの流量を変化させる際には、種棒10の引き上げ長が所定の長さに到達してから、予め設定された最終の長さまでの間において、流量を階段状に変化させるようにしてもよい。あるいは、上記期間において、流量を一気に変化させるようにしてもよい。また、上記種棒10の引き上げ速度を遅くする際には、上記期間において、階段状に変化させてもよいし、一気に変化させてもよい。
なお、焼結した後のコア層21は、クラッド層22との嵩密度の違い、光ファイバ用母材20の焼結時の自重の影響等により、先端部に向かうに連れて太くなりやすい。このため、予め有効部にしようとした部分のうちの下方部分においてもコア層21が僅かに太くなる可能性がある。例えば、コア層21の変化を考慮に入れて、クラッド層22の堆積条件を変化させてもよい。
以上のようにして、本実施形態に係る光ファイバ用母材の製造方法で製造された光ファイバ用母材20は、脱水焼結工程を実施することにより、透明ガラス母材とすることができる。例えば、図5に示す加熱炉100によって脱水焼結工程が実施される。
図5に示すように、光ファイバ用母材20を加熱炉100内に挿入する。光ファイバ用母材20を挿入した加熱炉100内に、Heなどの不活性ガスに加えて、Clなどの腐食性ガスを含む導入ガスをガス導入路110から導入し、ヒータ120を加熱させて脱水処理を行う。その後、ヒータ120をさらに加熱させて焼結温度に上昇させ、光ファイバ用母材20を焼結処理することにより透明化された透明ガラス母材が得られる。
ところで、従来の光ファイバ用母材の製造方法のようにクラッド層の堆積条件を変化させない場合、光ファイバ用母材を脱水焼結して得られた透明ガラス母材30Aでは、図6の二点鎖線Aで示されるような例えば長さL5に亘る下方部分がテーパー形状となっていた。
これに対して、本実施形態の光ファイバ用母材20の製造方法によれば、クラッド層22を生成するガラス微粒子の堆積量が、種棒10の引き上げ長が所定の長さLXに到達してから、予め設定された最終の長さL2までの間で増加するように、クラッド層22の堆積条件を変化させている。このため、光ファイバ用母材20において、予め有効部にしようとした部分のうちの下方部分でクラッド層22となるガラス微粒子の堆積量を増加させることができる。
これにより、例えば図6の実線Bで示されるように、脱水焼結後の透明ガラス母材30において、下方のテーパー形状となる部分を、上記従来方法の場合の長さL5に対して長さL4に減少させることができる。すなわち、例えば図6に示す脱水焼結後の透明ガラス母材30において、コア層21とクラッド層22との外径の比率が一定となる有効部をL3(L5からL4を引いた長さ)ほど長くすることができる。
また、本実施形態の光ファイバ用母材の製造方法によれば、クラッド層22を形成するガラス微粒子の堆積量は、ガラス原料ガスの流量を増加させることにより、あるいは種棒10の引き上げ速度を遅くすることにより、または両方を実施することにより増加させることが可能である。したがって、適切な堆積条件を適宜設定して光ファイバ用母材20を製造することにより、脱水焼結後の透明ガラス母材30において、下方部分のクラッドが先細りのテーパー形状になることをさらに抑制することができる。
また、堆積条件の変化として、水素ガスの流量を増加させることにより、あるいは酸素ガスの流量を減少させることにより、クラッド層22の嵩密度を大きくすることができる。これにより、脱水焼結の際に光ファイバ用母材20が径方向に収縮する割合を抑えて、脱水焼結後の透明ガラス母材が上記のようなテーパー形状になりにくくすることも可能である。
また、本実施形態の光ファイバ用母材の製造方法において、堆積条件の変化として、例えばガラス原料ガスの流量を増加させる前の1.01倍から1.05倍の流量に増加させることにより、脱水焼結後の透明ガラス母材30において、下方部分のクラッド層22が先細りのテーパー形状になることを確実に抑制することができる。
また、本実施形態の光ファイバ用母材の製造方法において、堆積条件の変化として、例えば種棒10の引き上げ速度を減少させる前の速度の95%から99%の速度に減少させることにより、脱水焼結後の透明ガラス母材30において、下方部分のクラッド層22が先細りのテーパー形状になることを確実に抑制することができる。
(実施例)
以下の表1に示す例1〜例8の条件で、光ファイバ用母材の製造を行い、製造した光ファイバ用母材を脱水焼結させて透明ガラス母材を製造した。製造した透明ガラス母材において、有効部の長さを測定した。
Figure 2020011881
(比較例)
例1は、比較例である。例1では、図7のグラフに示すように、種棒10の引き上げ長が所定の長さLXに到達してから、クラッド層の堆積条件を変化させないこと以外は、本実施形態に係る光ファイバ用母材の製造方法に準じて、光ファイバ用母材を製造した。その光ファイバ用母材を、脱水焼結した後の透明ガラス母材において、有効部の長さを測定した。
(第一実施例)
例2は、第一実施例である。種棒10の引き上げ長が所定の長さLXに到達してから、最終の長さL2までの間、すなわち所定の期間を、第一実施例では、図8のグラフに示すように、ガラス微粒子堆積位置−180mmから0mmまでの期間とした。この期間において、種棒10の引き上げ速度を、遅くする前の速度の95%にして光ファイバ用母材20の製造を行った。引き上げ速度は、階段状に遅くなるように変化させた。
その結果、脱水焼結後の透明ガラス母材30において、比較例に対して、有効部の長さを10mm長くすることができた。
(第二実施例)
例3は、第二実施例である。第二実施例では、図9のグラフに示すように、上記所定の期間を、ガラス微粒子堆積位置−150mmから0mmまでの期間とした。この期間において、種棒10の引き上げ速度を、遅くする前の速度の98%にして光ファイバ用母材20の製造を行った。引き上げ速度は、一気に遅くなるように変化させた。
その結果、脱水焼結後の透明ガラス母材30において、比較例に対して、有効部の長さを8mm長くすることができた。
(第三実施例)
例4は、第三実施例である。第三実施例では、図10のグラフに示すように、上記所定の期間を、ガラス微粒子堆積位置−120mmから0mmまでの期間とした。この期間において、ガラス原料ガスの流量を、変化させる前の流量の1.05倍に増加させるとともに、水素ガスの流量を、変化させる前の流量の1.05倍に増加させて光ファイバ用母材20の製造を行った。流量は、階段状に増加させた。
その結果、脱水焼結後の透明ガラス母材30において、比較例に対して、有効部の長さを24mm長くすることができた。
(第四実施例)
例5は、第四実施例である。第四実施例では、図11のグラフに示すように、上記所定の期間を、ガラス微粒子堆積位置−100mmから0mmまで期間とした。この期間において、ガラス原料ガスの流量および水素ガスの流量を、変化させる前の流量の1.02倍に増加させて光ファイバ用母材20の製造を行った。流量は、一気に増加させた。
その結果、脱水焼結後の透明ガラス母材30において、比較例に対して、有効部の長さを20mm長くすることができた。
(第五実施例)
例6は、第五実施例である。第五実施例では、図12のグラフに示すように、上記所定の期間を、ガラス微粒子堆積位置−100mmから0mmまでの期間とした。この期間において、種棒10の引き上げ速度を、遅くする前の速度の99%にするとともに、ガラス原料ガスの流量を、変化させる前の流量の1.02倍に増加させ、水素ガスの流量を、変化させる前の流量の1.04倍に増加させて光ファイバ用母材20の製造を行った。引き上げ速度および流量は、階段状に変化させた。
その結果、脱水焼結後の透明ガラス母材30において、比較例に対して、有効部の長さを24mm長くすることができた。
(第六実施例)
例7は、第六実施例である。第六実施例では、図13のグラフに示すように、上記所定の期間を、ガラス微粒子堆積位置−80mmから0mmまでの期間とした。この期間において、種棒10の引き上げ速度を、遅くする前の速度の99%にするとともに、ガラス原料ガスの流量を、変化させる前の流量の1.01倍に増加させ、水素ガスの流量を、変化させる前の流量の1.02倍に増加させて光ファイバ用母材20の製造を行った。引き上げ速度および流量は、一気に変化させた。
その結果、脱水焼結後の透明ガラス母材30において、比較例に対して、有効部の長さを16mm長くすることができた。
(第七実施例)
例8は、第七実施例である。第七実施例では、図14のグラフに示すように、上記所定の期間を、ガラス微粒子堆積位置−200mmから0mmまでの期間とした。この期間において、種棒10の引き上げ速度を、遅くする前の速度の98%にするとともに、水素ガスの流量を、変化させる前の流量の1.02倍に増加させて光ファイバ用母材20の製造を行った。引き上げ速度および流量は、階段状に変化させた。
その結果、脱水焼結後の透明ガラス母材30において、比較例に対して、有効部の長さを14mm長くすることができた。
以上の結果より、いずれの実施例においても、脱水焼結後の透明ガラス母材30における有効部の長さを長くすることができることを確認できた。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
1:コア用バーナ
2:クラッド用バーナ
10:種棒
20:光ファイバ用母材
21:コア層
22:クラッド層
30(30A):透明ガラス母材
100:加熱炉
110:ガス導入路
120:ヒータ

Claims (5)

  1. 種棒を軸方向に引き上げながら、コア用バーナでガラス微粒子を合成して前記種棒の軸方向に堆積させてコアを形成すると共に、クラッド用バーナでガラス微粒子を合成して前記コアの外周に堆積させてクラッドを形成する、光ファイバ用母材の製造方法であって、
    前記種棒の引き上げ長が、所定の長さに到達してから、予め設定された最終の長さまでの間で、
    前記種棒の単位引き上げ長あたりの前記クラッドとなるガラス微粒子の堆積量が増加するように、前記クラッドの堆積条件を変化させる、光ファイバ用母材の製造方法。
  2. 前記クラッド用バーナに供給するガラス原料の流量を増加させる、あるいは、前記種棒の引き上げ速度を減少させる、またはその両方を実行させる、ことにより前記クラッドの堆積条件を変化させる、請求項1に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
  3. 前記クラッド用バーナに供給する水素ガスの流量を増加させることにより、前記クラッドの堆積条件を変化させる、請求項2に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
  4. 前記ガラス原料の流量を増加させる場合は、前記ガラス原料の流量を、増加させる前の1.01倍から1.05倍に増加させる、請求項2または請求項3に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
  5. 前記種棒の引き上げ速度を減少させる場合は、前記引き上げ速度を、減少させる前の速度の95%から99%に減少させる、請求項2から請求項4の何れか一項に記載の光ファイバ用母材の製造方法。
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