JP3553242B2 - 血液透析装置殺菌消毒用弱酸性電解酸性水生成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用機器、特に血液透析装置に用いられて透析液の配管内を殺菌、消毒するための弱酸性電解酸性水の生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
漂白、殺菌作用を有する物質として、次亜塩素酸がよく知られている。そのため従来、血液透析装置の透析液配管内の殺菌や消毒においては、次亜塩素酸の塩である次亜塩素酸ソーダ(NaOCl)が用いられている。しかし、この次亜塩素酸ソーダは反応し易く危険なため、次亜塩素酸ソーダを扱う病院スタッフは十分な注意が必要であり、又、上記装置における金属腐食性が高いことが知られている。又、殺菌後の廃液中の塩素濃度が高いため、汚水浄化槽等へ悪影響を及ぼすといった問題があった。
【0003】
一方、近年水の中で、ある種の活性を持つものを活性水と表現し、更に特定の機能を備える水を特に機能水として区別している。水を活性化する方法には電磁気エネルギーを用いる方法が一般的であり、その活性化処理には電気分解法や高電圧処理等様々な方法がある。又、通常の水道水をより機能化しようとする傾向が高まってきており、特に電気分解の促進のために0.05%の食塩を添加して隔膜を介して電気分解し、その陽極側から得られる酸性の水が、殺菌水として機能するといった理論的な解説がなされるようになってきた。
【0004】
上述のように隔膜を介して電気分解した陽極側に塩素や酸素を含み、水素イオン濃度(pH)2.7以下の溶液として得られる水は、酸化還元電位(ORP:oxidation reduction potential)1,100mV以上で、微生物の生活圏の限界であるとされる900mVをはるかに越える高ポテンシャルとなり、酸化反応がおこりやすい状況をつくると共に、含有塩素系化合物の作用により速効性の強い殺菌力を示す。この機能水は、正確には「強酸性電解生成水溶液」と呼ばれているが、一般的には「電解酸性水」、「電解酸化水」等の呼び名で扱われているため、本明細書中では「電解酸性水」と称する。そして、上述のように血液透析装置等の医療用機器の殺菌用に、上記次亜塩素酸ソーダの代替として、最近この強酸性電解酸性水が用いられるようになってきた。
【0005】
ここで、上記強酸性電解酸性水の生成方法及びその原理を図を用いて説明する。図13は強酸性電解酸性水を生成するための装置の概略構成を示しており、混合槽20及び電解槽10から構成されている。そして、電解槽10では、陽極2及び陰極3の電極材として白金(Pt)が用いられ、陽極2で生成される酸性成分と陰極3で生成されるアルカリ成分とが混ざらないように物理的に排除するため、上記電解槽10の中心部に隔膜1が設けられている。このような構成において、まず上記混合槽20に水と、電解添加液として食塩(NaCl)とを導入して混合し、混合された食塩水は上記電解槽10に送られ、陽極2及び陰極3の間に電圧が印加されて電気分解される。
【0006】
このときに、陽極2及び陰極3で起こっている反応を図8、図9及び図10を用いて説明する。図8は陽極2で起こっている反応を段階的に示す図であり、最初に塩素イオン(Cl−)及び水酸化物イオン(OH−)が陽極にそれぞれ電子(e−)を放出し、それぞれ塩素ラジカル(・Cl)及びヒドロキシルラジカル(・OH)になる。それぞれの反応は、下記の化1及び化2で表される。
【化1】
【化2】
【0007】
上記塩素ラジカル(・Cl)と、ヒドロキシルラジカル(・OH)とが結合して次亜塩素酸(HOCl)が生成される。このときの反応は、化3で表される。
【化3】
よって、上記化1〜化3をまとめると、下記の化4のように表せることができる。
【化4】
【0008】
次に、図9は上記同様、陽極2での二次的な反応を段階的に示す図であり、陽極2に吸着した塩素イオン(Cl−)が、陽極に電子を放出し塩素ガス(Cl2)になり、化5のように表せる。
【化5】
そして、塩素ガス(Cl2)は速やかに水分子(H2O)と反応し、次の化6に表されるように、次亜塩素酸(HOCl)及び塩酸(HCl)を生成する。
【化6】
上記化5及び化6をまとめると、次の化7のようになる。
【化7】
【0009】
つまり、上記化4及び化7から、塩素イオン(Cl−)が電子(e−)を放出し、次亜塩素(HOCl)及び塩酸(HCl)になる酸化反応を起こしていることがわかる。又、塩素ガス(Cl2)が生成するため、装置にはこのガスを排出するためのガス抜きが必要である。
【0010】
逆に陰極3では、図10に示すように、まずナトリウムイオン(Na+)が陰極3に吸着して電子(e−)を受けとり、ナトリウム金属(Na)になる。この反応は化8で表される。
【化8】
こうして生成されたナトリウム金属(Na)は、化9に表されるように速やかに水分子(H2O)と激しく反応して水素ガス(H2)及び水酸化ナトリウム(NaOH)になる
【化9】
【0011】
又、このとき水酸化ナトリウム(NaOH)は、水溶液中で電離しているため化9は、化10のように表される。
【化10】
上記化8及び化10をまとめると、次の化11のように表される。
【化11】
この結果より、あたかも水分子(H2O)が直接電子(e−)を受けとり、水素ガス(H2)及び水酸化物イオン(OH−)となって還元反応が起こっているように見えのがわかる。尚、この陰極3で得られたアルカリ水は、石鹸水と同じような働きをする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記図13で示した装置の陽極2側で生成された強酸性電解酸性水の殺菌効果は、一般細菌では15〜30秒以内の短時間で殺滅可能であることが明らかとなっている。しかし、この強酸性電解酸性水を日常の臨床に用いる場合に最も注意しなければならないことは、血液などの有機物の存在により急激にその殺菌効果がなくなってしまうことである。ここで、一つの例を示す。例えば、温度24℃で、pH 2.4、ORP 1125mV、残留塩素25ppmの強酸性電解酸性水200mlにヒト血清(総蛋白 5.48g/dl、アルブミン 57.2%)を50μl加えた場合と、上記同様の条件下で、ヒト血清のみを200μlにした場合の上記pH、ORP、生菌数及び残留塩素が、経時的にどの様に変化するかを、図11及び図12を用いて説明する。
【0013】
尚、上記各条件下では、最初に、MRSA(Methicillin Resistant Staphylococcus Aureus)菌液が5×105CFU/ml添加されており、又、上記残留塩素は、次亜塩素酸イオン(OCl−)、次亜塩素酸(HOCl)、塩素ガス(Cl2)等の塩素化合物のすべてを包括している。そして図11及び図12は、上記条件下で、ヒト血清を200μl加えた時の経時変化を表すグラフを示している。
【0014】
まず、上記ヒト血清を50μl加えた場合、pHは15秒後には、pH 2.4、ORP 1113mVとほとんど変化しなかったが、残留塩素は、10ppmと急激な減少を認め、その後、経時的に観察した結果、pHは2分後でも2.4と全く変化しなかった。そして、ORPは1104mVにやや低下しており、残留塩素は10ppmの低値が持続しており、又、最初に添加されたMRSAは15秒以内に完全に死滅していた。
【0015】
しかし、上記同様の条件下、ヒト血清のみを200μlに増量されると、図11及び図12に示されるように、グラフaで示されているpHは時間経過中全く変化を示さなかったが、グラフbで示されているORPは経時的にゆっくりと減少して15秒後では1083mVとなる。又、グラフcで示されている残留塩素も15秒後には2ppmとなり、グラフdで示されている生菌数は5×103CFU/mlとなった。その後の菌数の減少は緩除であり、2分後でも4×102CFU/mlの生菌数を認めた。
【0016】
これらの実験結果からpHは殺菌効果の指標とはならず、酸化還元電位はほぼ残留塩素と相関を示しているため、ある程度の指標となり得るものの、その殺菌効果の本質は次亜塩素酸の量に強く影響を受けていることがわかる。そして、強酸性電解酸性水200mlにごく微量の血清を添加しても殺菌効果は急激に低下してしまい、その限界は強酸性電解酸性水に対して、0.1%の濃度の有機物であることが確認されている。
【0017】
上記強酸性電解酸性水の中に含まれる塩素イオンは活性を持たないため失活するものではなく、又、空気中の酸素に暴露して失活することはない。即ち電解酸性水中には豊富な酸素があり、液中から空気中に酸素が放出してしまう可能性が高い。そして、殺菌効果の主成分である次亜塩素酸は紫外線により容易に還元され、分解して酸化還元電位も低下してしまう。このように不安定な化学物質であるために、強酸性電解酸性水を室温保存する場合には遮光密栓保存が原則であり、その限度も60日間とされ、密栓容器のみでは15日以内とし開放容器の場合には32時間を目安とすることが望ましいと考えられており、可能な限り生成直後の新鮮なものを使用する必要がある。
【0018】
そして、強酸性電解酸性水は上述のように塩素ガスを発生するため、その生成現場や貯蔵タンクにおいてはガスを安全に放散できるような対策も必要である。特に上記貯蔵タンクの上部空間空気中には、約100ppmに近い塩素ガスが存在し、散布方式で使用する手洗いシンクの底付近でも約10ppmの塩素ガス濃度が検出されることを念頭において使用する必要がある。更に、金属に対する腐食作用も強く、建造物設備を破壊することもあり、廃棄処理についても注意深い配慮が必要となる。大量に廃棄する場合においては、生成過程で同時にできるアルカリ水を混合して廃棄するか、アスコルビン酸を加えて塩素ガスの発生を抑制してから廃棄する等の対応をしなければならない。
【0019】
本発明は上述した事情よりなされたものであり、本発明の目的は、医療用機器、特に血液透析用装置を短時間で殺菌、消毒でき、患者やスタッフに対し安全であり、機器への損傷も少なく、更には汚水処理環境への影響も少ない電解酸性水及びその供給装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、食塩及び塩酸を含有した電解添加液を貯留する電解添加液タンクと、前記電解添加液タンクから送られた前記電解添加液を電気分解する電解槽と、前記電解槽で得られた次亜塩素酸及び塩酸を水で希釈し、pH5.0〜5.5、残留塩素濃度20ppm以上、酸化還元電位800〜1050mVを示す弱酸性にコントロールした弱酸性電解酸性水を生成させるための混合槽とを具備した電解ユニットと、前記弱酸性電解酸性水を貯留するタンクと、モータバルブを介して接続された単身用及び多人数用血液透析装置に前記タンクに貯留された前記弱酸性電解酸性水を供給するためのマグネットタイプのポンプとを備えたことよって効果的に達成される。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明においての医療用機器、特に血液透析用装置を殺菌消毒するための水は、上記強酸性を示す電解酸性水に対して、pH 5.0〜5.5、残留塩素濃度20ppm以上、ORP 800〜1,050mVを示す弱酸性電解酸性水である。これは、図7で示される各pHに対する遊離有効塩素の存在比のグラフからも明らかなように、次亜塩素酸の存在比率が最も高いpH 5付近を電気分解により生成し、次亜塩素酸ナトリウムを200ppmに希釈した場合と同等以上の殺菌効果が得られ、残留塩素を有効に利用できるように工夫されたものである。
【0022】
本発明の弱酸性電解酸性水の生成方法を図1を用いて説明する。図1は弱酸性電解酸性水を生成するための装置の概略図であり、電解槽30及び混合槽40から構成されている。又、電解槽30では、上記従来の強酸性電解酸性水を生成する装置と同様に、電極は陽極31、陰極32ともに白金(Pt)で構成されている。そして、従来の強酸性水生成装置では、陽極で生成される酸性成分と陰極で生成されるアルカリ成分とが混合しないように電解槽の中心部に隔膜が設けられていたが、本発明の弱酸性電解酸性水生成電解槽では、陽極31及び陰極32で発生する成分を反応させるために、隔膜は備えられていない。つまり、弱酸性電解酸性水では、アルカリ成分(NaOH)を塩酸(HCl)で中和して化学的に排除させようとするものである。
【0023】
ここで、上記弱酸性電解酸性水を生成する原理は、図8、図9及び図10に示されるように上記強酸性電解酸性水の電気分解と同様の反応を示す。つまり、電解添加液として食塩(NaCl)及び塩酸(HCl)を少量含む水(H2O)を電気分解すると、電解槽30の陽極31側では、まず上記化1で表されるように塩素イオン(Cl−)は、電極で電子を奪われて反応性の高い塩素ラジカル(・Cl)になる。そして、この塩素ラジカル(・Cl)は上記化5で表されるように互いに反応して塩素ガス(Cl2)になる。更に、この塩素ガス(Cl2)は、上記化6に表されるように水(H2O)と反応して次亜塩素酸(HOCl)及び塩酸(HCl)が生成される。
【0024】
一方、上記電解槽30の陰極32側では、上記化8で表されるようにナトリウムイオン(Na+)は電極で電子を貰い、反応性の高い金属ナトリウム(Na)になる。そして、この金属ナトリウムは上記化9に表されるように、水(H2O)と反応して水素ガス(H2)及び水酸化ナトリウム(NaOH)になる。しかし、この弱酸性電解酸性水を生成する装置では、上述のように強酸性電解酸性水を生成する装置に設けられた隔膜がないため、上記陽極31側で発生された塩酸(HCl)と上記陰極32側で発生された水酸化ナトリウム(NaOH)とが中和反応し、水(H2O)及び食塩(NaCl)になる。そして、上記電解槽30で生成された次亜塩素酸(HOCl)及び塩酸(HCl)は、上記混合槽40に送られ、ここで水により希釈され、弱酸性電解酸性水として取り出される。
【0025】
【実施例】
次に、本発明による弱酸性電解酸性水を生成供給装置を、具体例を用いて詳細に説明する。図2(A)は、弱酸性電解酸性水を生成供給装置の正面図、同図(B)及び(C)は側面図であり、同図(D)は平面図である。この生成供給装置は、ポンプモータ/バルブコントロールユニット4、電気ユニット5、電解ユニット6、貯留タンク7及び弱酸性水供給ポンプ8で構成されており、電解用添加液タンク9は別置きされている。図3は上記装置における水及び生成水の一連の流れを、図2に対応させて示す図であり、まずポンプモータ/バルブコントロールユニット4及び電気ユニット5を介して電解用添加液タンク9から送られた食塩及び塩酸は、RO水と共に電解ユニット6で電気分解され、生成された次亜塩素酸及び塩酸は貯留タンク7に送られる。貯留タンク7に蓄えられた生成水は、生成装置にモータバルブ11Aを介して接続された多人数用血液透析システム12に供給ポンプ8を介して送られる。多人数用血液透析システムに送られた生成水は、そのシステムと、更にその先に位置する配管及びベッドサイドモニターの殺菌消毒を行う。尚、上記電気ユニット5は上述した一連の流れを制御するためのものである。
【0026】
そして、装置全体の寸法は、900(W)×450(D)×1,165(H)であり、運転重量は160kg、電源はAC100V×800W、50/60Hzを使用する。又、製造能力は1000リットル/Hrであり、供給ポンプ8はマグネットタイプを使用し、各タンクの容量は生成水タンクが100リットル、電解添加液タンクが20リットルとなっている。尚、原水はRO水(1.5〜2.5kgf/cm2)が用いられている。この生成装置を用いることにより、pH 5.0〜5.5、残留塩素濃度50〜80ppm及びORP 800〜1000mVの生成水が得られた。
【0027】
ここで、上述のようにして得られた弱酸性電解酸性水と、強酸性電解酸性水とを比較する。はじめに、図4及び図5に強酸性電解酸性水と弱酸性電解酸性水の殺菌力に対する有機物の影響を示した図で比較する。図4では強酸性電解酸性水200mlを温度24.6℃、pH 2.39、ORP 1122mV及び残留塩素濃度を25ppmとした条件下で、血清を100μl、200μl、500μl及び1000μlを加え、一定時間経過後の各菌の生菌数(単位 CFU/ml)を示している。一方、図5は弱酸性電解酸性水200mlを温度24.6℃、pH 5.55、ORP 890mV及び残留塩素濃度を80ppmとした条件下で、血清を1000μl、2000μl及び5000μlを加え、一定時間経過後の各菌の生菌数(単位 CFU/ml)を示している。
【0028】
有機物による失活試験においても上記強酸性電解酸性水では上述したように、0.1%以上の濃度で殺菌効果が消失していたものが、図4及び図5からも明らかなように、弱酸性電解酸性水では約10倍の1%の有機物でも失活していない。即ち有機物の不活化を受けにくいことが明らかである。又、室温保存による失活試験においても残留塩素量が多く、効果が長期間持続して安定性がある。特に保存容器の上部に貯留する気体中に発生する塩素ガス濃度は強酸性電解酸性水の場合には、約100ppmであるのに対し、弱酸性電解酸性水では1ppm程度である事実からもその残留塩素が揮発しにくいことがわかる。
【0029】
そして、金属腐食作用についても強酸性電解酸性水に比較して腐食性は低い。即ち弱酸性の場合には、腐食電位は約470mV〜600mVで、上記次亜塩素酸ナトリウム(濃度 200ppm)では約800mVとなり、前者のほうが腐食電位は低い。したがって、例えば耐腐食性ステンレス(SUS−316)では通常の使用温度において腐食は生じないことになる。これらの金属腐食性の実験では次亜塩素酸ナトリウム、強酸性電解酸性水、弱酸性電解酸性水の順で腐食作用は弱くなっていることが判明した。上記強酸性電解酸性水と弱酸性電解酸性水の比較結果を図6に示しておく。
【0030】
【発明の効果】
上記弱酸性電解酸性水を単身用及び多人数用の血液透析装置の殺菌消毒に用いた場合、5分以内には生菌の消滅をもたらし、従来の次亜塩素酸ソーダでは60分要したものが、20分の消毒で十分に目的を達成することができる。又、残留塩素濃度が0になるまでに要した水洗時間においては、従来の次亜塩素酸ソーダを用いると、後水洗に50分かかっていたものが、弱酸性電解酸性水を用いると後水洗の大巾な短縮を可能とする。そして、滅菌能も従来の500〜600ppm次亜塩素酸ソーダ(pH 8.5〜9.0)とほぼ同等なものであった。更に、汚水浄化槽への影響に対しても、上記弱酸性電解酸性水を用いると消毒行程における廃液の塩素濃度は低く、電解添加液及び生成水の成分、又その残留性から安全性もより高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弱酸性電解酸性水を生成供給するための装置の概略構成図である。
【図2】弱酸性電解酸性水生成装置の一例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は平面図である。
【図3】弱酸性電解酸性水を生成するための装置における水及び生成水の一連の流れを示す図である。
【図4】強酸性電解酸性水の殺菌力に対する有機物の影響を示す図である。
【図5】弱酸性電解酸性水の殺菌力に対する有機物の影響を示す図である。
【図6】強酸性電解酸性水と弱酸性電解酸性水の比較結果を示す図である。
【図7】pHに対する遊離有効塩素の存在比のグラフを示す図である。
【図8】陽極で起こっている反応を段階的に示す模式図である。
【図9】陽極での二次的な反応を段階的に示す模式図である。
【図10】陰極で起こっている反応を段階的に示す模式図である。
【図11】血清に対する強酸性電解酸性水殺菌効果を示す図である。
【図12】血清に対する強酸性電解酸性水殺菌効果を示す図である。
【図13】強酸性電解酸性水を生成するための従来装置の概略図である。
【符号の説明】
1 隔膜
2、31 陽極
3、32 陰極
4 ポンプモータ/バルブコントロールユニット
5 電気ユニット
6 電解ユニット
7 貯留タンク
8 弱酸性水供給ポンプ
9 電解用添加液タンク
10、30 電解槽
11 モータバルブ
12 単身用又は多人数用血液透析システム
20、40 混合槽
Claims (1)
- 食塩及び塩酸を含有した電解添加液を貯留する電解添加液タンクと、前記電解添加液タンクから送られた前記電解添加液を電気分解する電解槽と、前記電解槽で得られた次亜塩素酸及び塩酸を水で希釈し、pH5.0〜5.5、残留塩素濃度20ppm以上、酸化還元電位800〜1050mVを示す弱酸性にコントロールした弱酸性電解酸性水を生成させるための混合槽とを具備した電解ユニットと、前記弱酸性電解酸性水を貯留するタンクと、モータバルブを介して接続された単身用及び多人数用血液透析装置に前記タンクに貯留された前記弱酸性電解酸性水を供給するためのマグネットタイプのポンプとを備えたことを特徴とする弱酸性電解酸性水の生成装置。
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