JP3551821B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上層、中層及び下層の3層からなり、上層の一部をその直下に位置する中層から隔離して下層に対して変位可能に構成した可動部とする半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の可動部を有する半導体装置の製造方法においては、例えば特開平10−144935号公報に示されているように、上層、中層及び下層の3層からなり、上層の一部をその直下に位置する中層から隔離して下層に対して変位可能に構成した可動部とする半導体装置の製造方法において、前記中層をさらに上下の層に比べてエッチングされ易い中間層を挟んだ3層で構成しておき、可動部の水平方向外側に位置する上層の一部を除去した後、前記上層の一部を除去した可動部の水平方向外側位置から前記3層からなる中層のウェットエッチングを実施することにより、前記中層の中間層を完全に除去するとともに同中間層を挟んだ上下の層の各一部を残して、上層の下面上及び下層の上面上に突起をそれぞれ形成するようにしている。これによれば、半導体の製造中における乾燥工程時、また可動部の上下方向の振動時などに可動部が下層に接着されてしまうことを回避できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の製造方法においては、中層をさらに細分化した3層で構成する必要があり、半導体装置の製造効率が悪くなり、製造コストも高くなるという問題がある。したがって、本発明者らは前記中層を3層に細分化することなく、可動部の下方に突起を形成して前記可動部の下層への接着を回避する方法を考えていた。
【0004】
しかし、中層を3層にすることなく単一材料で構成して、前記従来例のように可動部の水平方向外側の上層を除去した部分から中層のウェットエッチングをすることにより、可動部の直下にて下層の上面上に突起を残そうとすると、次のような課題に直面する。エッチング液の濃度のばらつき、中層の材質のばらつき、環境のばらつきにより、ウェットエッチングが進み過ぎると、可動部の直下の中層が全て除去されてしまい、前記突起が形成されないという事態が生じる。また、これを避けるために、ウェットエッチングが進み過ぎないように、ウェットエッチング時間を短くしたり、エッチング液の濃度を低くすると、前記上層を除去した可動部の水平方向外側の直下に位置する中層が残る。
【0005】
このように下層上に水平方向に中層が連続して形成されていると、中層に生じる熱応力を開放させることができないので、中層の熱膨張により半導体装置に反りが発生し、半導体装置の所期の動作が得られないことがあるという問題がある。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、これらの問題に対処するためになされたもので、その目的は、上層、中層及び下層の3層からなり、上層の一部をその直下に位置する中層から隔離して下層に対して変位可能に構成した可動部とする半導体装置の製造方法において、中層を単一材料で構成した上で、可動部の直下に突起を確実に形成できるようにするとともに、同突起を形成しても半導体装置に反りが発生しないようにした半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、前記可動部の水平方向外側に位置する上層の一部を除去する上層除去工程と、前記上層の一部を除去した可動部の水平方向外側位置から中層のウェットエッチングを行って、同可動部をその直下にて中層から隔離するとともに同可動部の直下に位置する中層に突起を形成する突起形成工程と、前記突起形成工程後に前記上層の一部を除去した可動部の水平方向外側直下に残った中層をドライエッチングにより除去する中層除去工程とを含むことにある。
【0008】
これによれば、中層を単一材料で構成するようにしても、突起形成工程において、ウェットエッチング時間を短めに設定したり、エッチング液の濃度を低めに設定したりすることにより、下層上に断面円弧状の中層を残して可動部の直下に突起を確実に形成することができる。そして、中層除去工程により、前記上層の一部を除去した可動部の水平方向外側直下に残った中層がドライエッチングにより除去されるので、下層上の中層が前記可動部の水平方向外側直下にて切断され、水平方向に中層が連続して形成されることがなくなる。その結果、中層に生じる熱応力を開放させることができるので、中層の熱膨張により半導体装置に反りが発生することもなくなり、半導体装置の所期の動作が確保されるようになる。
【0009】
また、本発明の他の特徴は、前記突起形成工程におけるウェットエッチング終了後に、前記上層の一部を除去した可動部の水平方向外側直下に残った中層の厚さを測定するようにしたことにある。
【0010】
これによれば、可動部の水平方向外側直下におけるウェットエッチングによる中層の除去の度合いを知ることができ、また同ウェットエッチングにより除去される可動部の直下における中層の除去は前記可動部の水平方向外側直下における中層の除去の度合いに比例するので、可動部直下の中層による突起と可動部との隔離を確実に行えるとともに、可動部直下における中層による突起の欠落を確実に回避することができるようになる。
【0011】
また、本発明の他の特徴は、上層、中層及び下層の3層からなり、上層の一部をその直下に位置する中層から隔離して下層に対して変位可能に構成した可動部とする半導体装置において、可動部を、中層の厚み(Y)と可動部の水平方向の幅(X)との間にY>X/2という関係が成立するように形成したことにある。
【0012】
これによれば、可動部直下の中層を可動部から隔離した直後のエッチング量は中層の厚み(Y)より小さいため、可動部の水平方向外側直下の中層が除去されず下層上に残存する。したがって、可動部の水平方向外側直下の中層の厚みが測定できるため、中層を可動部から確実に隔離することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、角速度を検出するための半導体装置を例にして説明する。図1は半導体装置の平面図であり、図2は同装置の各部の端面図である。なお、図1〜図6においては、基板10上面との間に隙間のある部材と隙間のない部材とで模様を異ならせて示している。
【0014】
この半導体装置は、後述する上層c、中層b及び下層a(図3参照)の3層から構成されており、下層aからなり方形状に形成された基板10と、基板10上ほぼ中央にその上面から小さな所定距離Yだけ隔てて平行に配置された振動子20とを備えている。
【0015】
振動子20は、上層cからなり略方形状に形成されるとともに、所定の間隔にて配置された複数の方形状の貫通孔21を有しており、梁11a〜11dを介してアンカ12a〜12dに基板10(下層a)に対して変位可能に支持されている。振動子20(貫通孔21を除く上層a)の下方には、下層a上に形成された中層bからなる突起31が形成されている(図2(A)参照)。梁11a〜11dは、上層cからなり略L字状に形成されるとともに、振動子20と同様に基板10上面から前記所定距離Yだけ隔てて浮いている。これらの梁11a〜11dの下方にも、下層a上に形成された中層bからなる突起(図示しない)が形成されている。アンカ12a〜12dは、上層cからなり方形状に形成されるとともに、基板10の上面に中層bを介して固着されており、アンカ12cの上面には、振動子20の変位にともなう静電容量の変化を表す静電容量信号を取り出すために、導電金属(例えばアルミニウム)で方形状に形成された電極パッド13が設けられている。
【0016】
振動子20のX軸方向(図示左右方向)両外側には、基板10の上面に中層bを介して固着されるとともに上層cからなる櫛歯状電極40a,40bがそれぞれ設けられ、各櫛歯状電極40a,40bは、X軸方向に延設されるとともにY軸方向(図示上下方向)に等間隔に配置された複数の電極指を備えている。また、各櫛歯状電極40a,40bのX軸方向各外側には、基板10の上面に中層bを介して固着され各櫛歯状電極40a,40bに接続されるとともに上層cからなるパッド部41a,41bがそれぞれ設けられ、同パッド部41a,41b上には導電金属(例えばアルミニウム)で方形状に形成された電極パッド42a,42bがそれぞれ設けられている。
【0017】
振動子20のX軸方向両側部には、振動子20と同様に基板10上から所定距離Yだけ隔てて同振動子20と一体的に形成するとともに上層cからなる櫛歯状電極22a,22bがそれぞれ設けられている。櫛歯状電極22a,22bはX軸方向外側に延設されるとともにY軸方向に等間隔に配置された複数の電極指をそれぞれ備えており、これらの各電極指は櫛歯状電極40a,40bの各電極指間の幅方向(Y軸方向)中心位置に侵入している。櫛歯状電極22a,22bの下方には、下層a上に形成された中層bからなる突起32が形成されている(図2(B)参照)。この櫛歯状電極22a,22bは、櫛歯状電極40a,40bと共に振動子20に対する駆動部を構成するもので、振動子20を櫛歯状電極40a,40bへの駆動用信号の印加時に静電引力によりX軸方向に励振させるためのものである。
【0018】
振動子20のY軸方向両外側には、基板10の上面に中層bを介して固着されるとともに上層cからなる櫛歯状電極50a,50bがそれぞれ設けられ、各櫛歯状電極50a,50bは、Y軸方向に延設されるとともにX軸方向に等間隔に配置された複数の電極指を備えている。また、各櫛歯状電極50a,50bのY軸方向各外側には、基板10の上面に中層bを介して固着され各櫛歯状電極50a,50bに接続されるとともに上層cからなるパッド部51a,51bがそれぞれ設けられ、同パッド部51a,51b上には導電金属(例えばアルミニウム)で方形状に形成された電極パッド52a,52bがそれぞれ設けられている。
【0019】
振動子20のY軸方向両側部には、振動子20と同様に基板10上から所定距離Yだけ隔てて同振動子20と一体的に形成するとともに上層cからなる櫛歯状電極23a,23bがそれぞれ設けられている。櫛歯状電極23a,23bはY軸方向外側に延設されるとともにX軸方向に等間隔に配置された複数の電極指をそれぞれ備えており、これらの各電極指は櫛歯状電極50a,50bの各電極指間の幅方向(X軸方向)中心位置に侵入している。櫛歯状電極23a,23bの下方にも、下層a上に形成された中層bからなる突起(図示しない)が形成されている。この櫛歯状電極23a,23bは、櫛歯状電極50a,50bと共に振動子20に対する検出部を構成するもので、振動子20のY軸方向の振動を検出するために用いられる。
【0020】
次に、上記のように構成した半導体装置の使用にあたっては、各電極パッド13,42a,42b,52a,52bを図示しない電気回路装置に接続する。電気回路装置は、振動子20をその固有振動数f0でX軸方向に一定振幅で振動させるために、互いに逆相の駆動用信号を電極パッド42a,42bにそれぞれ供給する。また、振動子20のY軸方向の振動を検出するために、互いに逆相の検出用信号を電極パッド52a,52bに供給する。これによれば、振動子20は、電気回路装置からの駆動用信号によって前記駆動部に発生する静電引力により、一定振幅かつ固有振動数f0でX軸方向に振動する。
【0021】
この状態で、振動子20にX,Y両軸に直交するZ軸回りの角速度が働くと、振動子20はコリオリ力により前記角速度に比例した振幅でY軸方向にも振動する。この振動子20のY軸方向の振動に伴い、振動子20に接続された櫛歯状電極23a,23bもY軸方向に振動する。これにより、櫛歯状電極23a,50aにおける静電容量と、櫛歯状電極23b,50bにおける静電容量は互いに逆方向に変化する。この静電容量の変化を表す信号が、静電容量信号として電極パッド13を介して電気回路装置に入力される。電気回路装置は、この静電容量信号を用いて前記Z軸回りの角速度を導出する。
【0022】
このように動作する半導体装置においては、振動子20(厳密に言うと、振動子20を構成するものであって貫通孔21を除く上層c)、櫛歯状電極22a,22b,23a,23b及び梁11a〜11dが基板10(下層a)に対して変位するものであり、これらが本発明の可動部を構成する。
【0023】
次に、上記のように構成した半導体装置の製造方法について図3及び図4を用いて説明する。この場合、図3は図1の2A−2A線に沿った一部分の製造工程を示しており、図4は図1の2B−2B線に沿った部分の製造工程を示している。
【0024】
(1)第1工程
基板材料として単結晶シリコンからなる下層aの上面上に約1μmの厚さ(=Y)のシリコン酸化膜からなる中層bを介して約10μmの厚さの単結晶シリコンからなる上層cを設けたSOI(Silicon−On−Insulator)基板を用意し(図3(A),図4(A))、上層cにリン、ボロン等の不純物をドーピングして同層cを低抵抗化する。
【0025】
(2)第2工程
上層cの上面であって振動子20(貫通孔21を除く)、櫛歯状電極22a,22b,23a,23b,40a,40b,50a,50b、パッド部41a,41b,51a,51b、梁11a〜11d及びアンカ12a〜12dに相当する部分をレジスト膜にてマスクする。そして、上層cをRIE(反応性イオンエッチング)等でエッチングして、中層b上に櫛歯状電極40a,40b,50a,50b、パッド部41a,41b,51a,51b及びアンカ12a〜12dを形成するとともに、振動子20、櫛歯状電極22a,22b,23a,23b及び梁11a〜11dに相当する部分を残す(図3(B),図4(B))。
【0026】
(3)第3工程
フッ酸水溶液により上層cのうち前記第2工程のエッチングにより除去した部分すなわち上層cの残っていない部分から中層bのウェットエッチングを開始し、所定時間だけウェットエッチングを行うと、フッ酸水溶液は中層bをいずれの方向へも(等方的に)前記所定時間に比例する距離dだけエッチングする。この距離dは可動部の幅Xの半分より大きく、かつ中層bの厚さYより小さい。なお、可動部の幅Xと中層bの厚さYとの関係については後述する。したがって、上層cの残っていない部分の下においては、下層a上面に一様な厚さ(Y−d)の中層bを形成し、可動部の下においては、中層bを可動部から隔離するとともに下層a上面に中層bからなる断面円弧状の曲面を有する突起31,32を形成する。一方、上層cの残っている部分であって可動部以外の部分、例えば櫛歯状電極40aの下においては、その水平方向の幅Xを2Yより大きく設定しているので、中層bの一部はエッチングされずに櫛歯状電極40aの下面に密接している。
【0027】
そして、上記エッチングの後、上層cの残っていない部分から同部分の下の中層bの厚さを測定し、同測定した厚さが可動部の幅Xの半分より小さければ、さらにエッチングし、同測定した厚さが可動部の幅Xの半分より大きければ、エッチングしないので、可動部と突起31,32(中層b)とを確実に隔離することできる。したがって、振動子20、櫛歯状電極22a,22b,23a,23b及び梁11a〜11dを中層bから浮かせて形成する(図3(C),図4(C))。
【0028】
(4)第4工程
中層bをRIE(反応性イオンエッチング)等でドライエッチングする。このとき、上層cの残っている部分がマスクとなるので、上層cの残っていない部分の直下に位置する中層bのみをエッチングする。これにより、下層a上の中層bが可動部41,42の水平方向外側直下にて切断され、水平方向に中層bが連続して形成されることがなくなる。
【0029】
(5)第5工程
電極パッド13,42a,42b,52a,52bに相当する部分に、スパッタリング法等でアルミ膜を形成し、電極パッド13,42a,42b,52a,52bをそれぞれ形成する。
【0030】
次に、上述した中層bの厚みYと可動部の幅Xとの関係を図5を用いて詳しく説明する。可動部の直下においては、中層bを同可動部の水平方向端部から同端部下端を中心とする半径rの断面円弧状分だけエッチングするので、中層bを可動部から隔離するためには、前記半径rをX/2より大きくするようエッチングする必要がある。したがって、図5(A)に示すように、可動部の幅XをY<X/2となるように設定した場合、中層bの厚みYよりエッチング量すなわち前記半径rの方が大きいので、可動部の水平方向外側直下の中層bが除去されてなくなってしまい、可動部の水平方向外側直下の中層bの厚みが測定できないため、中層bを可動部から確実に隔離したことを確認することができなくなってしまう。また、図5(B)に示すように、可動部の幅XをY=X/2となるように設定した場合も、可動部の水平方向外側直下の中層bが除去されてなくなってしまうので、可動部の水平方向外側直下の中層bの厚みが測定できないため、中層bを可動部から確実に隔離したことを確認することができなくなってしまう。
【0031】
したがって、中層bを可動部から確実に隔離したことを確認するため、すなわち、可動部の水平方向外側直下の中層bの厚みが測定できるようにするためには、図5(C)に示すように、可動部の幅XをY>X/2となるように設定する必要がある。この設定によれば、中層bの厚みYよりエッチング量すなわち前記半径rの方が小さいので、可動部の水平方向外側直下の中層bが除去されず下層a上に残存するので、可動部の水平方向外側直下の中層bの厚みが測定できるため、中層bを可動部から確実に隔離することができる。
【0032】
上述した製造方法によれば、中層bを単一材料で構成するようにしても、前記第3工程(突起形成工程)において、ウェットエッチング時間を短めに設定したり、エッチング液の濃度を低くめに設定することにより、下層a上に断面円弧状の中層bを残して可動部の直下に突起31,32を確実に形成することができる。そして、第4工程(中層除去工程)により、前記上層cの一部を除去した可動部の水平方向外側直下に残った中層bがドライエッチングにより除去されるので、下層a上の中層bが前記可動部の水平方向外側直下にて切断され、水平方向に中層bが連続して形成されることがなくなる。その結果、中層bに生じる熱応力を開放させることができるので、中層bの熱膨張により半導体装置に反りが発生することもなくなり、半導体装置の所期の動作が確保されるようになる。
【0033】
また、前記第3工程における測定により、可動部の水平方向外側直下におけるウェットエッチングによる中層bの除去の度合いを知ることができ、また同ウェットエッチングにより除去される可動部の直下における中層bの除去は前記可動部の水平方向外側直下における中層bの除去の度合いに比例するので、可動部直下の中層bによる突起31,32と可動部との隔離を確実に行えるとともに、可動部直下における中層bによる突起31,32の欠落を確実に回避することができるようになる。
【0034】
次に、上記実施形態の可動部の幅Xと中層bの厚さYの設定方法に関する変形例について図6を用いて説明する。一般的に、ウェットエッチングにおいては、エッチング時間、エッチング液の濃度のバラツキにより、目標とするエッチング量である目標エッチング量dに対してエッチング誤差αが生ずる。このエッチング誤差αが生じても、中層bを可動部から確実に隔離し、かつ可動部直下に突起を確実に残存させるために、中層bを可動部から隔離した直後のエッチング量d1(図6(A)参照)と、可動部直下の突起を完全に除去する直前のエッチング量d2(図6(C)参照)との中間値を目標エッチング量d(図6(B)参照)に設定している。エッチング量d1は可動部の幅Xの半分(X/2)と等しく(d1=X/2)、エッチング量d2は下記数1で表される。これは、突起の上端が可動部幅方向の中線上にあるからである。したがって、目標エッチング量dは下記数2で表される。
【0035】
【数1】
【0036】
【数2】
【0037】
また、上述した目標エッチング量dを用いれば、実際のエッチング量の上限値及び下限値は、(1+α)d及び(1−α)dで表される。したがって、可動部直下に突起を確実に残存させるためには、実際のエッチング量の上限値(1+α)dをエッチング量d2より小さくするとともに、中層bを可動部から確実に隔離するためには、実際のエッチング量の下限値(1−α)dをエッチング量d1より大きくする必要がある。したがって、目標エッチングdと各エッチング量d2,d1の関係は下記数3及び数4のように表される。
【0038】
【数3】
(1+α)d<d2
【0039】
【数4】
(1−α)d>d1
上記数3に上記数1及び数2を代入すると、同数3は下記数5のように変形されるとともに、上記数4に上記d1及び数2を代入すると、同数4は下記数6のように変形される。
【0040】
【数5】
【0041】
【数6】
【0042】
上記数5及び数6を解くと、下記数7が求められる。
【0043】
【数7】
【0044】
すなわち、可動部の幅Xを、エッチング誤差αを考慮して上記数7に示す関係を満たすように設定すれば、可動部直下の中層による突起と可動部との隔離を確実に行えるとともに、可動部直下における中層による突起の欠落を確実に回避することができるようになる。
【0045】
上記変形例に係る半導体装置の製造方法においては、上記実施形態と同様に半導体装置をウェットエッチングして、可動部の水平方向外側直下の中層bのエッチング厚さを測定し、この測定の結果、可動部の水平方向外側直下の中層bが残っている場合のみ、上記第4工程と同様にドライエッチングを行い、可動部の水平方向外側直下の中層bが残っていない場合、上記第4工程を実施する必要はない。これによっても、下層a上の中層bが可動部の水平方向外側直下にて切断され、水平方向に中層bが連続して形成されることがなくなる。その結果、中層bに生じる熱応力を開放させることができるので、中層bの熱膨張により半導体装置に反りが発生することもなくなり、半導体装置の所期の動作が確保されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の概略平面図である。
【図2】(A)は図1に示す半導体装置の2A−2A線に沿った部分端面図であり、(B)は同装置の2B−2B線に沿った端面図である。
【図3】図1に示す半導体装置の2A−2A線に沿った部分の製造工程図である。
【図4】図1に示す半導体装置の2B−2B線に沿った部分の製造工程図である。
【図5】可動部の幅と中層の厚さとの関係を説明するための図である。
【図6】エッチング誤差を考慮して可動部の幅と中層の厚さとの関係を説明するための図である。
【符号の説明】
10…基板、11a〜11d…梁、12a〜12d…アンカ、13,42a,42b,52a,52b…電極パッド、20…振動子、21…貫通孔、22a,22b,23a,23b,40a,40b,50a,50b…櫛歯状電極、31,32…突起、41a,41b,51a,51b…パッド部、a…下層、b…中層、c…上層。
Claims (5)
- 上層、中層及び下層の3層からなり、上層の一部をその直下に位置する中層から隔離して下層に対して変位可能な可動部を形成する半導体装置の製造方法において、
前記可動部の水平方向外側に位置する前記上層の一部を除去する上層除去工程と、
前記上層の一部を除去した前記可動部の水平方向外側位置にて前記中層のウェットエッチングを行って、前記可動部をその直下にて前記中層から隔離するとともに同可動部の直下に位置する前記中層に突起を形成する突起形成工程と、
この突起形成工程後に前記上層の一部を除去した前記可動部の水平方向外側直下に残った前記中層をドライエッチングにより除去する中層除去工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記突起形成工程におけるウェットエッチングの終了後に、前記上層の一部を除去した可動部の水平方向外側直下に残った中層の厚さを測定して同中層が前記可動部から離間したことを確認するようにした請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記中層の厚み(Y)と前記可動部の水平方向の幅(X)との間にY>X/2という関係が成立するように前記可動部を形成したことを特徴とする請求項1に記載した半導体装置の製造方法。
- 前記突起形成工程にて、前記上層の一部を除去した前記可動部の水平方向外側に位置する前記中層を同可動部の水平方向端部から同端部下端を中心とする所定半径の断面円弧状分だけウェットエッチングするようにしたことを特徴とする請求項1に記載した半導体装置の製造方法。
- 前記突起形成工程にて、前記中層の厚み(Y)と前記可動部の水平方向の幅(X)の関係がY>X/2となるように前記可動部の幅を定めて前記中層のウェットエッチングを行うようにした請求項4に記載した半導体装置の製造方法。
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JP08646999A Expired - Fee Related JP3551821B2 (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 半導体装置の製造方法 |
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