JP3549981B2 - 蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブの炉内支持構造 - Google Patents

蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブの炉内支持構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続焼鈍炉、連続亜鉛メッキなどの加熱炉に用いられるW型の蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブの炉内支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、バーナーが上下位置になるように炉壁に取り付けられたW型の蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブを、従来の典型的なW型のラジアントチューブの支持構造により支持した状態を示す。上バーナー43、下バーナー44には、それぞれ燃焼空気を予熱するための上バーナー蓄熱帯45、下バーナー蓄熱帯46が設置され、2つのバーナーが交互に燃焼、蓄熱を繰り返す。従って、従来のラジアントチューブではバーナー側とレキュペレータ側の温度差が大きく開くのに対して、この場合、燃焼条件がチューブ上下方向に対して対称となり、チューブの温度分布も上下対称となると同時に温度偏差も極めて小さくなるなど、W型の蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブは極めて高い加熱及び燃焼効率を実現する。
【0003】
ラジアントチューブ1は、炉内に酸素が侵入するのを防止するため、上バーナー43、下バーナー44側のバーナー側端部(上部)2、バーナー側端部(下部)10はともにバーナーバンク11に溶接され、さらに、バーナーバンク11は炉壁に溶接されそれぞれ固定されている。また、炉内においては、第3ベンド8の先端の第3ベンド先端支持受け部41は、バーナーとは反対側の炉壁13からの炉壁支持治具42によって支えられている。さらに、第1ベンド4あるいは第2直管5の下部と、第3ベンド8あるいは第3直管7の上部との間にラジアントチューブ間サドル39が、また、第2ベンド6あるいは第3直管7と第4直管9の間にラジアントチューブ間サドル40が設けられている。
【0004】
ところで、ラジアントチューブは高温加熱により、熱膨張に対して上述した支持及び取付構造による拘束を受け、熱応力と変形が発生し、長期間の使用によるチューブ材質の強度劣化に伴い、亀裂や板に接触するような変形が発生して使用不能となるので、その都度取り替える必要がある。この熱応力と変形について図7〜図9により詳しく説明する。なお、ラジアントチューブへの熱負荷状態として、通常操業時と炉昇温時の2つの状態を考える。
【0005】
図7は、通常操業時の状態を示す。炉内の温度は900℃付近に達し、また、ラジアントチューブ1の温度は、それより数十℃以上高くなる。この時、バーナーバンク11の温度は通常200℃から300℃であるのに対し、炉内のラジアントチューブ1は950℃を越える高温であるため、第3ベンド8の先端の炉壁支持治具42を起点とし、第3ベンド8、サドル39、第1ベンド4に到る高さ方向(垂直方向)47の熱膨張により、第1直管3の先端部はかなり上向きの変形を余儀無くされる。例えば、第1直管3と第4直管9の軸芯間距離が900mmのラジアントチューブの場合、バーナーバンクの温度を250℃、炉内のラジアントチューブの温度を950℃、ラジアントチューブの熱膨張率を17×10−6と仮定すると、バーナーバンク部分の垂直方向伸びは約3.8mm、先端部分の垂直方向伸びは約14.5mmであり、10mm以上の差を生じる。
【0006】
このように、熱膨張による第1直管3の先端部の上向きの変形により、第1直管3にきわめて大きな第1直管曲げモーメント(通常操業時)48が発生する。また、サドル39による拘束のため、第1ベンド4にも大きな第1ベンド曲げモーメント(通常操業時)49が発生するとともに、サドル近傍の直管部は大きな上下方向の力であるサドル近傍上下荷重50を受ける。さらに、全体の約1/3の自重を支える第3ベンド8の先端の支持受け部41には、大きな第3ベンド先端支持受け部曲げモーメント51がかかる。また、高温下においては、サドル39、40はチューブの自重の一部を受持つため、第3直管7及び第4直管9のサドル近傍は、上下方向の力である上下荷重50、52を恒常的に受ける。
【0007】
ラジアントチューブ1は高温にさらされている時間が長く、前述の応力、さらには自重の影響によりクリープ変形し、また、材質の経年劣化や酸化減肉、さらにはスケールの発生等による温度偏差が加わり、図8に示すように、サドル39近傍の第2直管5及び第3直管7にサドル上部直管座屈53、サドル下部直管座屈54が、また、サドル40近傍の第3直管7及び第4直管9にサドル上部直管座屈55、サドル下部直管座屈56が発生する。また、第2直管5の座屈53に伴う断面剛性の低下のため、第2直管垂れ57を引き起こす。また、第3ベンド8先端の支持受け部41は、曲げモーメント51に伴い、上向きの変形である第3ベンド先端支持受け部回転変形58を発生させる。この回転変形58と第4直管9の座屈56に伴い、第4直管垂れ59も引き起こされ、ラジアントチューブの使用寿命に到る。
【0008】
図9は、常温から通常操業状態までの炉昇温時の状態を示す。ただし、ラジアントチューブが経年的変形を受け、第3ベンド8先端の支持受け部41が上向きに変形している。この状態で昇温した場合、第3ベンド8先端の熱膨張が阻害されることにより、第1直管3には大きな圧縮力である第1直管軸力(昇温時)60が発生し、ベンド部によって第1直管曲げモーメント(昇温時)61が発生する。この結果、第1直管3に大きな応力が発生する。また、サドル39による変形拘束により、第1ベンド4には大きな第1ベンド曲げモーメント(昇温時)62が発生する。これによって、ベンド部側面に応力集中が発生し、また、サドルの上部は大きな力を受ける。さらに、材質の経年劣化や酸化減肉、熱疲労の蓄積、スケールの発生等による温度偏差が加わり、前述の大きな応力発生時に、第1直管バーナー側に第1直管バーナー側亀裂63が、あるいは第1ベンド側面に第1ベンド側面亀裂64が発生する。
【0009】
以上のように、蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブを従来の支持構造により支持した場合、温度分布が上下対称であるにもかかわらず、支持構造が上下非対称であるため様々な問題を生じ、亀裂や変形、座屈を起こし寿命に到る。従って、熱膨張に伴う曲げモーメントを低減し、サドルによる拘束力を緩和して座屈の発生を阻止することがラジアントチューブの寿命を大きく延ばすことになる。
【0010】
このような蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブの問題点に対して、変形や亀裂の発生を防止する手段はこれまで例がない。応力緩和の方法としては、特開平5−272708号公報では、バーナー側端部にバーナー側直管の軸方向伸びを吸収するベローズを取り付けた構造を、また実開平1−38415号公報では、バーナー側端部にチューブの軸方向にベローズを、さらに、高さ方向にはバーナー及びチューブ自重の一部を支持するバネを併設したベローズを有し、熱膨張を自由にする構造を提示している。また、第1直管あるいは第1及び第2直管の直径を他の部分より大きくし、第1ベンド先端を炉壁から支持する方法が特開平3−226519号公報で報告されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブでは燃焼条件や温度分布が上下対称となるのに、従来の支持構造は上下対称ではなく、変形や拘束に伴う熱応力を低減する効果はない。また、特開平5−272708号公報及び実開平1−38415号公報の構造では、ベローズが応力緩和に効果があるものの、蓄熱帯を含むバーナーのかなりの重量を同時に支える必要があるばかりでなく、ベローズの設置はコストを上げ、また、ベローズの耐久性にも問題がある。また、特開平3−226519号公報の第1ベンド先端を炉壁から支持する方法は、支持部の変形が生じた時点で、炉修等により降温・昇温を繰り返した場合に熱膨張を阻害して座屈を引き起こす恐れがある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブにおいて、低コストで通常操業時や炉昇温時における熱応力と変形を大幅に緩和し、支持部近傍の直管の座屈や支持部変形に伴うチューブの熱膨張阻害による全体の座屈を防止して、従来のラジアントチューブよりも長寿命化を図れる蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブの炉内支持構造を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、バーナーバンクへの取付位置が上下になるように配置されたW型の蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブの炉内支持構造において、水平方向のスリットを有する固定治具を、該スリットがラジアントチューブの上下中心軸上に位置するようにバ−ナ−バンクとは反対側の炉壁に突設し、前記スリット上を移動可能なピンと、第1ベンド先端に突設した受け治具に設けたピンとの間を、ロッドで連結して両端が回転ジョイントとなるようにしつつ第1ベンドを支持するとともに、前記スリット上を移動可能な前記ピンと、第3ベンド先端に突設した受け治具に設けたピンとの間を、ロッドで連結して両端が回転ジョイントとなるようにしつつ第3ベンドを吊る構造とし、さらに、水平方向のスリットを有する固定治具を、該スリットがラジアントチューブの上下中心軸上に位置するようにバ−ナ−バンクに突設し、前記スリットと第2ベンド先端に突設した受け治具とを前記スリット上を移動可能なピンを介して連結し、回転ジョイントとなるようにしつつ第2ベンドを支持する構造として、支持構造を上下対称としたことを特徴とする蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブの炉内支持構造である。
【0014】
本発明においては、炉壁ならびバーナーバンクからの支持位置をラジアントチューブの上下中心軸とすることにより、上下対称な炉内支持構造を実現するとともに、第1、第2、第3各ベンド部先端を回転ジョイントとして支持することにより、支持部の変形によるチューブの熱膨張を阻害することがない。また、直管部に支持部がないので座屈も生じない。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について実施例に基づいて説明する。
【0016】
図1は実施例の全体を示す図、図2及び図3はその詳細図である。
【0017】
まず、バーナーバンク11とは反対側の炉壁13に水平方向の炉壁側固定治具上スリット15を有する炉壁側固定治具14を突設する。スリット15の高さ中心位置は、ラジアントアントチューブの上下中心軸16上とする。次に、ピン穴18を有する第1ベンド先端受け治具17を第1ベンド4の先端に、ピン穴23を有する第3ベンド先端受け治具22を第3ベンド8の先端にそれぞれ突設する。ピン穴18とピン穴23の中心は、上下中心軸16に対し上下対称に位置する。
【0018】
第1ベンド支持ロッド19は両端に第1ベンド側ピン穴20、炉壁側固定治具側ピン穴21を有する。ロッド19のピン穴20と受け治具17に設けられたピン穴18は、第1ベンド先端ピン27を介して連結され、ピン穴21は、炉壁側固定治具ピン29を介して、スリット15上を移動できる。さらに、第3ベンド吊りロッド24は両端に第3ベンド側ピン穴25、炉壁側固定治具側ピン穴26を有する。ロッド24のピン穴25と受け治具22に設けられたピン穴23は、第3ベンド先端ピン28を介して連結され、ピン穴26はピン29に連結し、スリット15上を移動できる。ピン29は、ピン27、ピン28よりも炉壁13側に位置させる。ラジアントチューブ加熱前のピン29の位置からのスリット15の奥行L1は、チューブの軸方向の熱膨張の最大値にほぼ等しくとる。
【0019】
バーナーバンク11には、水平方向のバーナーバンク側固定治具上スリット31を有するバーナーバンク側固定治具30を突設する。スリット31の高さ中心位置は、上下中心軸16上とする。次に、第2ベンド6の先端にピン穴33を有する第2ベンド先端受け治具32を突設する。ピン穴33は、第2ベンド先端ピン34を介してスリット31の上を移動可能とする。ラジアントチューブ加熱前のピン34の位置からのスリット31の奥行L2はチューブの軸方向の熱膨張の最大値に等しくとる。
【0020】
ピン27の直径は、第1ベンド4が変形を拘束されてもピンが曲げ変形しないように決定する。ピン28の直径はピン27と同じとする。炉壁13に突設した炉壁側固定治具14上のピン29の直径は、第1ベンド4と第3ベンド8にかかる荷重すべてを考慮して決定する。ピン34の直径は第2ベンド6が変形を拘束されてもピンが曲げ変形しないように決定する。また、それぞれのピンの入るピン穴のサイズはピン直径の熱膨張を考えて決定する。
【0021】
さらに、ピン27、28、29、34は抜け落ちたり、横に大きくずれたりすることのないようにしなければならない。特に、ピン29は、ラジアントチューブ据え付け時に、炉壁13からの炉壁側固定治具14上のスリット15に確実に挿入される必要があり、ピン29に大きな横ずれがおきないようにする。例えば、図2(c)に第1ベンド先端部のピン溶接固定部35、炉壁からの固定支持部のピン溶接固定部36、第3ベンド尖端部のピン溶接固定部37を示すように、ピン穴20とピン27、ピン穴21とピン29、ピン穴25とピン28の間を、また、図3(c)に第2ベンド尖端部のピン溶接固定部38を示すように、ピン穴33とピン34の間を溶接により固定する。
【0022】
第1ベンド4と炉壁13に突設した炉壁側固定治具14を連結するロッド19の断面積は、ピン29がスリット15の最奥に達し、変形がロックされた時に発生する圧縮力、ならびに第1直管3から第2直管5の自重に対してクリープ座屈に耐えるサイズとする。第3ベンド8と炉壁13に突設した炉壁側固定治具14を連結するロッド24の断面積は、第3直管7から第4直管9以降のチューブの重量を勘案してクリープ変形しないように決定する。
【0023】
本発明の炉内支持構造により、炉昇温前の冷間では、第1ベンド4と第3ベンド8が、ロッド19とロッド24、及びピン29を介して連結され、かつピン29がスリット15にあるため、第1ベンド4を下から支え、第3ベンド8を上から吊る構造となる。昇温時には第1直管3と第4直管9の温度が急激に上がるため、全体的に軸方向の熱膨張が起きる。この時、ロッド19、ロッド24を介してピン29がスリット15上を移動することにより、第1ベンド4と第3ベンド8の移動を拘束することはない。また、通常操業時においては、ピン29がスリット15の最奥まで移動し、ロッド19が突っ張った状態となり、第1ベンド4を支えるので、自重によるクリープによる垂れを防ぐことができる。また、第3ベンド8はロッド24を介して常に吊り上げる状態となり、クリープによる垂れを防ぐことができる。
【0024】
さらに第2ベンド6はピン34を介してスリット31上を移動可能であり、軸方向には自由だが、上下方向は拘束しているため、第2ベンド6の上下に伴うチューブ全体の剛性低下を防ぐことができ、自重による垂れを低く押さえることが可能である。
【0025】
【実施例】
図1に本発明の一実施例を示す。ラジアントチューブ1は連続焼鈍炉に用いるもので、第1直管3と第4直管9の長さは2500mm、第2直管5及び第3直管7はそれぞれ1450mm、1650mmである。各直管の軸芯間距離はそれぞれ300mmである。外径、内径はそれぞれ194mmと177mm、材質はJIS G 5122記載のSCH22である。
【0026】
ピン27、及びピン28の直径は30mm、ピン29の直径は45mm、ピン34の直径は30mmとした。また、ピン穴20とピン27、ピン穴21とピン29、ピン穴25とピン28、ピン穴33とピン34の間は溶接により固定した。回転する受け治具17上のピン穴18、及び受け治具22上のピン穴23の直径はそれぞれピン27、ピン28の熱膨張を考えて31mm、ロッド24のピン29側のピン穴26の直径は同じくピン29の熱膨張を考えて46mmとした。
【0027】
スリット15の幅は、ピン29の熱膨張を考えて46mmとした。また、バ−ナ−バンク11から突設した固定治具30上のスリット31の幅は、ピン34の熱膨張を考えて31mmとした。また、スリット15の奥行L1は第1ベンド4あるいは第3ベンド8の軸方向の最大熱変形量を考えて42mm、スリット31の奥行L2は第2ベンド6の最大熱変形量を考えて23mmとした。
【0028】
第1ベンド4と炉壁13に突設した炉壁側固定治具14を連結するロッド19の断面積は、ピン29がスリット15の最奥に達し、変形がロックされた時に発生する圧縮力ならびに第1直管3から第2直管5の自重に対するクリープ座屈を勘案して60cm、第3ベンド8と炉壁13に突設した炉壁側固定治具14を連結するロッド24の断面積は、第3直管7から第4直管9以降のチューブの重量によるクリープ変形を勘案して30cmとした。
【0029】
本発明により炉内支持したラジアントチューブを、図6に示す従来支持構造のラジアントチューブとともに製作し、燃焼テストを行った。そして、両者の温度分布に差がないことを確認した上でチューブの変形(第1直管の上下変形のみ)を実測した。
【0030】
図4は、変形の実測結果と、燃焼試験時の温度分布を用いた有限要素法シミュレーションにより検証したものである。図4に示すように、本発明により炉内支持したチューブの変形は、従来支持構造の場合の1/3以下であり、曲げ変形が小さいことがわかる。
【0031】
また、図5は、前記有限要素法シミュレーションにより応力分布を試算したものである。これより、本発明により炉内支持したラジアントチューブでは、最も熱的に厳しい第1直管及び第4直管の応力が従来支持構造の場合の約1/2に、またベンド部の応力も従来支持構造の場合の約1/2になっており、大幅低減していることがわかる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、支持構造が上下対称、即ち熱変形が上下対称になり、第2ベンドの上下方向拘束によりチューブ全体の剛性が上がるとともに、チューブ間にサポートがないこと、ベンド先端が回転ジョイントで接続されていることから、チューブの高さ方向及び軸方向の熱変形を拘束することがないので、熱応力を緩和してクリープ変形を低く抑えることが可能になるとともに、チューブの座屈を引き起こすことがなく、蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブの長寿命化を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図である。
【図2】本発明の実施例の部分詳細説明図である。
【図3】本発明の実施例の別の部分の詳細説明図である。
【図4】燃焼テストにおける第1直管の変位測定結果ならびに計算結果を示す図である。
【図5】ラジアントチューブの応力分布の試算結果を示す図である。
【図6】従来の支持構造によるW型ラジアントチューブの説明図である。
【図7】従来の支持構造によるW型ラジアントチューブの通常操業初期における変形及び損傷形態の説明図である。
【図8】従来の支持構造によるW型ラジアントチューブの通常操業末期における変形及び損傷形態の説明図である。
【図9】従来の支持構造によるW型ラジアントチューブの昇温時における変形及び損傷形態の説明図である。
【符号の説明】
1 ラジアントチューブ
2 バーナー側端部(上部)
3 第1直管
4 第1ベンド
5 第2直管
6 第2ベンド
7 第3直管
8 第3ベンド
9 第4直管
10 バーナー側端部(下部)
11 バーナーバンク
12 耐火物
13 炉壁
14 炉壁側固定治具
15 炉壁側固定治具上スリット
16 ラジアントチューブの上下中心軸
17 第1ベンド先端受け治具
18 ピン穴
19 第1ベンド支持ロッド
20 第1ベンド側ピン穴
21 炉壁側固定治具側ピン穴
22 第3ベンド先端受け治具
23 ピン穴
24 第3ベンド吊りロッド
25 第3ベンド側ピン穴
26 炉壁側固定治具側ピン穴
27 第1ベンド先端ピン
28 第3ベンド先端ピン
29 炉壁側固定治具ピン
30 バーナーバンク側固定治具
31 バーナーバンク側固定治具上スリット
32 第2ベンド先端受け治具
33 ピン穴
34 第2ベンド先端ピン
35 第1ベンド先端部のピン溶接固定部
36 炉壁からの固定支持部のピン溶接固定部
37 第3ベンド尖端部のピン溶接固定部
38 第2ベンド尖端部のピン溶接固定部
39 ラジアントチューブ間サドル
40 ラジアントチューブ間サドル
41 第3ベンド先端支持受け部
42 炉壁支持治具
43 上バーナー
44 下バーナー
45 上バーナー蓄熱帯
46 下バーナー蓄熱帯
47 高さ方向(垂直方向)
48 第1直管曲げモーメント(通常操業時)
49 第1ベンド曲げモーメント(通常操業時)
50 サドル近傍上下荷重
51 第3ベンド先端支持受け部曲げモーメント
52 サドル近傍上下荷重
53 サドル上部直管座屈
54 サドル下部直管座屈
55 サドル上部直管座屈
56 サドル下部直管座屈
57 第2直管垂れ
58 第3ベンド先端支持受け部回転変形
59 第4直管垂れ
60 第1直管軸力(昇温時)
61 第1直管曲げモーメント(昇温時)
62 第1ベンド曲げモーメント(昇温時)
63 第1直管バーナー側亀裂
64 第1ベンド側面亀裂

Claims (1)

  1. バーナーバンクへの取付位置が上下になるように配置されたW型の蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブの炉内支持構造において、水平方向のスリットを有する固定治具を、該スリットがラジアントチューブの上下中心軸上に位置するようにバ−ナ−バンクとは反対側の炉壁に突設し、前記スリット上を移動可能なピンと、第1ベンド先端に突設した受け治具に設けたピンとの間を、ロッドで連結して両端が回転ジョイントとなるようにしつつ第1ベンドを支持するとともに、前記スリット上を移動可能な前記ピンと、第3ベンド先端に突設した受け治具に設けたピンとの間を、ロッドで連結して両端が回転ジョイントとなるようにしつつ第3ベンドを吊る構造とし、さらに、水平方向のスリットを有する固定治具を、該スリットがラジアントチューブの上下中心軸上に位置するようにバ−ナ−バンクに突設し、前記スリットと第2ベンド先端に突設した受け治具とを前記スリット上を移動可能なピンを介して連結し、回転ジョイントとなるようにしつつ第2ベンドを支持する構造として、支持構造を上下対称としたことを特徴とする蓄熱交互燃焼式ラジアントチューブの炉内支持構造。
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