JP3548146B2 - 光硬化性組成物及びそれを用いて黒色パターンを形成したプラズマディスプレイパネル - Google Patents

光硬化性組成物及びそれを用いて黒色パターンを形成したプラズマディスプレイパネル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略称する)の前面基板に精細な電極回路、ブラックパターンを形成するのに有用なアルカリ現像型でかつ光硬化型の組成物、及びそれを用いて白黒二層構造を有するバス電極の下層(黒層)、ブラックマトリックスを形成した前面基板を備えるPDPに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PDPはプラズマ放電による発光を利用して映像や情報の表示を行なう平面ディスプレイであり、パネル構造、駆動方法によってDC型とAC型に分類される。PDPによるカラー表示の原理は、リブ(隔壁)によって離間された前面ガラス基板と背面ガラス基板に形成された対向する両電極間のセル空間(放電空間)内でプラズマ放電を生じさせ、各セル空間内に封入されているHe、Xe等のガスの放電により発生する紫外線で背面ガラス基板内面に形成された蛍光体を励起し、3原色の可視光を発生させるものである。各セル空間は、DC型PDPにおいては格子状のリブにより区画され、一方、AC型PDPにおいては基板面に平行に列設されたリブにより区画されるが、いずれにおいてもセル空間の区画は、リブによりなされている。以下、添付図面を参照しながら簡単に説明する。
【0003】
図1は、フルカラー表示の3電極構造の面放電方式PDPの構造例を部分的に示している。前面ガラス基板1の下面には、放電のための透明電極3a又は3bと該透明電極のライン抵抗を下げるためのバス電極4a又は4bとから成る一対の表示電極2a、2bが所定のピッチで多数列設されている。これらの表示電極2a、2bの上には、電荷を蓄積するための透明誘電体層5(低融点ガラス)が印刷、焼成によって形成され、その上に保護層(MgO)6が蒸着されている。保護層6は、表示電極の保護、放電状態の維持等の役割を有している。一方、背面ガラス基板11の上には、放電空間を区画するストライプ状のリブ(隔壁)12と各放電空間内に配されたアドレス電極(データ電極)13が所定のピッチで多数列設されている。また、各放電空間の内面には、赤(14a)、青(14b)、緑(14c)の3色の蛍光体膜が規則的に配され、フルカラー表示においては、前記のように赤、青、緑の3原色の蛍光体膜14a、14b、14cで1つの画素が構成される。
さらに、放電空間を形成する一対の表示電極2a、2bの両側部には、画像のコントラストをさらに高めるために、同様にストライプ状のブラックマトリックス10,10が形成されている。
なお、上記構造のPDPでは、一対の表示電極2aと2bの間に交流のパルス電圧を印加し、同一基板上の電極間で放電させるので、「面放電方式」と呼ばれている。
また、上記構造のPDPでは、放電により発生した紫外線が背面基板11の蛍光体膜14a、14b、14cを励起し、発生した可視光を前面基板1の透明電極3a、3bを透して見る構造となっている。
【0004】
このような構造のPDPにおいて、前記バス電極4a、4bの形成は、従来、Cr−Cu−Crの3層を蒸着やスパッタリングにより成膜した後、フォトリソグラフィー法でパターニングが行なわれてきた。
しかし、工程数が多く高コストとなるため、最近では、銀ペースト等の導電性ペーストをスクリーン印刷した後、焼成する方法、あるいは150μm以下の線幅とするためには、感光性導電性ペーストを塗布し、パターンマスクを通して露光した後、現像し、次いで焼成する方法が行なわれている。
【0005】
このようにしてバス電極4a、4bが形成されるPDPの前面基板においては、近年、画面のコントラストを向上させるために、バス電極を形成する際に、表示側となる下層(透明電極3a、3bと接触する層)に黒色ペーストを印刷し、その上に導電性の銀ペーストの白層を印刷して、白黒二層構造の電極を形成することが行なわれている。この場合、黒色ペーストとしては、銅―鉄系、銅―クロム系等の黒色複合酸化物を配合した樹脂組成物が用いられている。
【0006】
また前記ブラックマトリックスの形成は、従来、CRTディスプレイや液晶ディスプレイパネル等のブラックマトリックスの形成に使用されている遮光膜形成用感光性樹脂組成物を転用することが試みられてきた。
しかし、PDPの製造においては高温焼成工程があり、この工程で遮光膜形成用感光性樹脂組成物中に含有されるカーボンブラックが分解し、満足できるブラックマトリックスの形成は困難であった。
そこで、光重合性化合物、光重合開始剤及び遮光性材料を含有する遮光膜形成用感光性樹脂組成物においても、上記遮光性材料として、銅―鉄系、銅―クロム系等の黒色複合酸化物を配合した樹脂組成物が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、銅―鉄系、銅―クロム系等の黒色複合酸化物を配合した樹脂組成物を用いてバス電極における黒層(下層)、ブラックマトリックスを形成すると、焼成の際に赤っぽく変色し、画面のコントラスト向上のための充分な黒さを得ることができない。
また、銅―鉄系、銅―クロム系等の黒色複合酸化物を配合した樹脂組成物は、ペーストとしての保存安定性が悪く、また、光重合性モノマー及び光重合開始剤と共に配合して光硬化性組成物に構成した場合、光重合性モノマーの重合が開始してゲル化してしまう。そのため、低温で保管する必要があり、量産性に対応できないという問題があった。
さらに、黒色度を上げるために黒色複合酸化物微粒子の配合量を増大すれば、光の透過を妨げ、充分な光硬化性が得られないという問題が発生する。
【0008】
そこで本発明は、このような従来技術が抱える課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、保存安定性に優れると共に、乾燥、露光、現像、焼成の各工程において基板に対する優れた密着性、解像性、焼成性を損なうことなく、焼成後において充分な黒さを有する焼成皮膜を形成できる光硬化性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、このような光硬化性組成物から高精細の電極回路、特に前面基板に形成される、白黒2層構造のバス電極において充分な層間導電性(透明電極とバス電極白層との層間導通)と黒さを同時に満足し得る下層(黒層)電極回路、ならびにブラックマトリックスを形成したPDPを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のプラズマディスプレイパネルの前面基板の黒色パターンを形成するための光硬化性組成物の基本的な第一の態様は、(A)ランタン複合酸化物微粒子、(B)有機バインダー、(C)光重合性モノマー、及び(D)光重合開始剤を含有する光硬化性組成物であって、この光硬化性組成物が、導電性粒子として上記(A)ランタン複合酸化物微粒子のみを含有し、かつ、(A)ランタン複合酸化物微粒子は粒径5μ m 以下であることを特徴としており、また第二の態様は、上記各成分に加えて、(E)無機微粒子を含有することを特徴としている。このような本発明の光硬化性組成物は、ペースト状形態であってもよく、また予めフィルム状に製膜したドライフィルムの形態であってもよい。さらに本発明によれば、このような光硬化性組成物の焼成物から前面基板の電極回路、ブラックマトリックスが形成されてなるPDPが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前記目的の実現に向け鋭意研究した結果、光硬化性樹脂組成物に、黒色化成分としてランタン複合酸化物微粒子を添加すると、形成される黒色皮膜が緻密なものとなり、薄膜でも充分な黒さを呈することができ、その結果、乾燥、露光、現像、焼成の各工程において基板に対する優れた密着性、解像性、焼成性を損なうことなく、焼成後において充分な黒さを有する焼成皮膜(バス電極の黒層、ブラックマトリックス)を形成し得ることを見出した。
【0011】
さらに本発明者らの研究によれば、ランタン複合酸化物微粒子を光重合性モノマー及び光重合開始剤と共に配合した光硬化性組成物の場合、理由は必ずしも明確ではないが極めて保存安定性に優れ、量産性に充分対応可能であること、さらにまた、上記のように少量でも充分な黒色度の緻密な焼成皮膜が得られることから、薄い膜厚で充分なコントラストを達成できできることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
しかも、本発明の光硬化性組成物は、前記したように保存安定性に優れ、かつ、薄い膜厚で充分なコントラストが得られることから、PDPの量産性、低コスト化にとって極めて有用なものである。
【0012】
このような本発明の光硬化性樹脂組成物において、ランタン複合酸化物微粒子は、粒径が5μm以下、好ましくは0.01μm以上5μm以下の微粒子を用いることが望ましい。この理由は、粒径が5μmより小さいと、少量の添加でも、密着性等を損なうことなく緻密な黒色焼成皮膜を形成できる樹脂組成物を提供することができるからである。一方、ランタン複合酸化物微粒子の粒径が5μmよりも大きくなると、焼成皮膜の緻密性が悪くなり、形成される焼成皮膜の黒色度が低下し易い。
【0013】
このランタン複合酸化物微粒子(A)の配合量は、有機バインダー(B)100質量部当り0.1〜100質量部、好ましくは5〜50質量部の範囲が適当である。この理由は、黒色微粒子の配合量が上記範囲よりも少ないと、焼成後に充分な黒さが得られず、一方、上記範囲を超える配合量では、光の透過性が劣化する他に、コスト高となり好ましくないからである。
【0014】
前記、有機バインダー(B)としては、カルボキシル基を有する樹脂、具体的にはそれ自体がエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂及びエチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。好適に使用できる樹脂(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)としては、以下のようなものが挙げられる。
(1)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合を有する化合物を共重合させることによって得られるカルボキシル基含有樹脂
(2)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体にエチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(3)(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(a)不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(4)(e)不飽和二重結合を有する酸無水物と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(f)水酸基を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(5)(e)不飽和二重結合を有する酸無水物と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(f)水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(6)(g)エポキシ化合物と(h)不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(7)(b)不飽和二重結合を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体のエポキシ基に、(i)1分子中に1つのカルボキシル基を有し、エチレン性不飽和結合を持たない有機酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂
(8)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂
(9)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物をさらに反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
【0015】
前記したようなカルボキシル基含有感光性樹脂及びカルボキシル基含有樹脂は、単独で又は混合して用いてもよいが、いずれの場合でもこれらは合計で組成物全量の10〜80質量%の割合で配合することが好ましい。これらのポリマーの配合量が上記範囲よりも少な過ぎる場合、形成する皮膜中の上記樹脂の分布が不均一になり易く、充分な光硬化性及び光硬化深度が得られ難く、選択的露光、現像によるパターニングが困難となる。一方、上記範囲よりも多過ぎると、焼成時のパターンのよれや線幅収縮を生じ易くなるので好ましくない。
【0016】
また、上記カルボキシル基含有感光性樹脂及びカルボキシル基含有樹脂としては、それぞれ重量平均分子量1,000〜100,000、好ましくは5,000〜70,000、及び酸価50〜250mgKOH/g、かつ、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、その二重結合当量が350〜2,000、好ましくは400〜1,500のものを好適に用いることができる。上記樹脂の分子量が1,000より低い場合、現像時の皮膜の密着性に悪影響を与え、一方、100,000よりも高い場合、現像不良を生じ易いので好ましくない。また、酸価が50mgKOH/gより低い場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が不充分で現像不良を生じ易く、一方、250mgKOH/gより高い場合、現像時に皮膜の密着性の劣化や光硬化部(露光部)の溶解が生じるので好ましくない。さらに、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、感光性樹脂の二重結合当量が350よりも小さいと、焼成時に残渣が残り易くなり、一方、2,000よりも大きいと、現像時の作業余裕度が狭く、また光硬化時に高露光量を必要とするので好ましくない。
【0017】
本発明において光重合性モノマー(C)は、組成物の光硬化性の促進及び現像性を向上させるために用いる。光重合性モノマー(C)としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類;フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、こはく酸、トリメリット酸、テレフタル酸等の多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−又はそれ以上のポリエステルなどが挙げられるが、特定のものに限定されるものではなく、またこれらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの光重合性モノマーの中でも、1分子中に2個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。
このような光重合性モノマー(C)の配合量は、前記有機バインダー(カルボキシル基含有感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹脂)(B)100質量部当り20〜100質量部が適当である。光重合性モノマー(C)の配合量が上記範囲よりも少ない場合、組成物の充分な光硬化性が得られ難くなり、一方、上記範囲を超えて多量になると、皮膜の深部に比べて表面部の光硬化が早くなるため硬化むらを生じ易くなる。
【0018】
前記光重合開始剤(D)の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシー2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;又はキサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィネイト等のフォスフィンオキサイド類;各種パーオキサイド類などが挙げられ、これら公知慣用の光重合開始剤を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの光重合開始剤(D)の配合割合は、前記有機バインダー(カルボキシル基含有感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹脂)(B)100質量部当り1〜30質量部が適当であり、好ましくは、5〜20質量部である。
【0019】
また、上記のような光重合開始剤(D)は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。
さらに、より深い光硬化深度を要求される場合、必要に応じて、可視領域でラジカル重合を開始するチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュアー784等のチタノセン系光重合開始剤、ロイコ染料等を硬化助剤として組み合わせて用いることができる。
【0020】
さらに、より深い光硬化深度を要求される場合、必要に応じて、熱重合触媒を前記光重合開始剤(D)と併用して用いることができる。この熱重合触媒は、数分から1時間程度にわたって高温におけるエージングにより未硬化の光重合性モノマーを反応させうるものであり、具体的には、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物等があり、好ましくは、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2,4−ジバレロニトリル、1´−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2´−アゾビスイソブチレイト、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド、2−メチル−2,2´−アゾビスプロパンニトリル、2,4−ジメチル−2,2,2´,2´―アゾビスペンタンニトリル、1,1´−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2,2´,2´−アゾビス(2−メチルブタナミドオキシム)ジヒドロクロライド等が挙げられ、より好ましいものとしては環境にやさしいノンシアン、ノンハロゲンタイプの1,1´−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)が挙げられる。
【0021】
本発明の組成物は、必要に応じて軟化点400〜600℃のガラス粉末、導電性粉末、耐熱性黒色顔料、シリカ粉末等の無機微粒子(E)を、本発明の光硬化性樹脂組成物の特性を損なわない量的割合で配合することができる。
ガラス粉末は、焼成後の導体回路との密着性向上のために、ランタン複合酸化物微粒子(A)100質量部当り300質量部以下、好ましくは200質量部以下の割合で添加できる。このガラス粉末としては、ガラス転移点(Tg)300〜500℃、ガラス軟化点(Ts)400〜600℃のものが好ましい。また、解像度の点からは、平均粒径20μm以下、好ましくは5μm以下のガラス粉末を用いることが好ましい。
【0022】
上記のようなガラス粉末を光硬化性樹脂組成物に添加することにより、露光・現像後の皮膜は600℃以下で容易に焼成可能となる。但し、本発明の組成物では燃焼性の良好な有機バインダーが用いられ、ガラス粉末が溶融する前に脱バインダーが完了するように組成されているものの、ガラス粉末の軟化点が400℃より低いと、これよりも低い温度で溶融が生じて有機バインダーを包み込み易くなり、残存する有機バインダーが分解することによって組成物中にブリスターが生じ易くなるので好ましくない。
ガラス粉末としては、酸化鉛、酸化ビスマス、又は酸化亜鉛などを主成分とする非結晶性フリットが好適に使用できる。
【0023】
光硬化性樹脂組成物に多量の無機フィラーやガラス粉末を配合した場合、得られる組成物の保存安定性が悪く、ゲル化や流動性の低下により塗布作業性が悪くなる傾向がある。従って、本発明の組成物では、組成物の保存安定性向上のため、無機フィラーやガラス粉末の成分である金属あるいは酸化物粉末との錯体化あるいは塩形成などの効果のある化合物を、安定剤として添加することが好ましい。安定剤としては、硝酸、硫酸、塩酸、ホウ酸等の各種無機酸;ギ酸、酢酸、アセト酢酸、クエン酸、ステアリン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、スルファミン酸等の各種有機酸;リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸ブチル、リン酸フェニル、亜リン酸エチル、亜リン酸ジフェニル、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等の各種リン酸化合物(無機リン酸、有機リン酸)などの酸が挙げられ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このような安定剤は、前記のガラス粉末や無機微粒子(E)100質量部当り0.1〜10質量部の割合で添加することが好ましい。
【0024】
耐熱性黒色顔料としては、耐熱性に優れる無機顔料を広く用いることができる。一般には、Cr、Co、Ni、Fe、Mn,Ruなどの酸化物、複合酸化物がこれにあたり、これらを単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0025】
シリカ粉末としては、特に合成アモルファスシリカ微粉末が望ましく、その具体例としては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL(登録商標)50、130、200、200V、200CF、200FAD、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、日本シリカ工業(株)製のNipsil(登録商標)AQ、AQ−S、VN3、LP、L300、N−300A、ER−R、ER、RS−150、ES、NS、NS−T、NS−P、NS−KR、NS−K、NA、KQ、KM、DS等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、一次粒子径が5〜50nm、比表面積が50〜500m/gのものが好ましい。
【0026】
上記のような合成アモルファスシリカ微粉末を、前記したような光硬化性樹脂組成物に添加すると、焼成工程において骨材して働き焼成時の変形を抑えることができるためである。
【0027】
本発明においては、組成物を希釈することによりペースト化し、容易に塗布工程を可能とし、次いで乾燥させて造膜し、接触露光を可能とさせるために、適宜の量の有機溶剤を配合することができる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テルピネオールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、シリコーン系、アクリル系等の消泡・レベリング剤、皮膜の密着性向上のためのシランカップリング剤、等の他の添加剤を配合することもできる。さらにまた、必要に応じて、公知慣用の酸化防止剤や、保存時の熱的安定性を向上させるための熱重合禁止剤、焼成時における基板との結合成分としての金属酸化物、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物などの微粒子を添加することもできる。
【0029】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、予めフィルム状に成膜されている場合には基板上にラミネートすればよいが、ペースト状組成物の場合、スクリーン印刷法、バーコーター、ブレードコーターなど適宜の塗布方法で基板、例えばPDPの前面基板となるガラス基板に塗布し、次いで指触乾燥性を得るために熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉等で例えば約60〜120℃で5〜40分程度乾燥させて有機溶剤を蒸発させ、タックフリーの塗膜を得る。その後、選択的露光、現像、焼成を行なって所定のパターンの電極回路、ブラックマトリクスを形成する。
【0030】
露光工程としては、所定の露光パターンを有するネガマスクを用いた接触露光及び非接触露光が可能である。露光光源としては、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、ブラックランプ、無電極ランプなどが使用される。露光量としては50〜1000mJ/cm程度が好ましい。
【0031】
現像工程としてはスプレー法、浸漬法等が用いられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン水溶液、特に約1.5質量%以下の濃度の希アルカリ水溶液が好適に用いられるが、組成物中のカルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基がケン化され、未硬化部(未露光部)が除去されればよく、上記のような現像液に限定されるものではない。また、現像後に不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行なうことが好ましい。
【0032】
焼成工程においては、現像後の基板を空気中又は窒素雰囲気下で約400〜600℃の加熱処理を行ない、所望のパターンを形成する。なお、この時の昇温速度は、15℃/分以下に設定することが好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」は、特に断りのない限りすべて質量部であるものとする。
(合成例1)
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタクリル酸を0.87:0.13のモル比で仕込み、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で2〜6時間攪拌し、樹脂溶液として有機バインダーAを得た。
この有機バインダーA中の共重合樹脂は、重量平均分子量が約10,000、酸価が74mgKOH/gであった。
なお、得られた共重合樹脂の重量平均分子量の測定は、島津製作所製ポンプLLC−6ADと昭和電工製カラムShodex(登録商標)KF−804、KF−802を三本つないだ高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
【0034】
このようにして得られた有機バインダーAを用い、以下に示す組成比にて配合し、攪拌機により攪拌後、3本ロールミルにより練肉してペースト化を行なった。なお、低融点ガラス粉末としては、Bi 50% 、B 15%、ZnO15%、SiO 6%、BaO 17%を粉砕し、熱膨張係数α300=85×10−7 /℃、ガラス転移点460℃、平均粒径1.6μmとしたものを使用した。
【0035】
上層用(白色系)感光性導電ペースト;
有機バインダーA 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
銀粉 450.0部
ガラス粉末 22.0部
リン酸エステル 1.0部
【0036】
下層用(黒色系)感光性黒色ペースト:
(組成物例1)
有機バインダーA 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3CoO)40.0部
(粒径0.5μm)
【0037】
(組成物例2)
有機バインダーA 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3MnO)40.0部
(粒径0.5μm)
【0038】
(組成物例3)
有機バインダーA 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3MnO)20.0部
(粒径0.5μm)
四三酸化コバルト(Co) 20.0部
(粒径0.20μm、比表面積4.9m/g)
ガラス粉末 20.0部
マロン酸 1.0部
【0039】
(組成物例4)
有機バインダーA 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3MnO)20.0部
(粒径0.5μm)
酸化ルテニウム 20.0部
(粒径0.20μm、比表面積4.9m/g)
ガラス粉末 20.0部
マロン酸 1.0部
【0040】
(組成物例5)
有機バインダーA 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3MnO)40.0部
(粒径0.5μm)
ガラス粉末 20.0部
リン酸エステル 1.0部
合成アモルファスシリカ微粉末 5.0部
(日本アエロジル(株)製、AEROSIL200;1次粒子の平均粒径12nm、BET法による比表面積200±25m/g)
【0041】
(組成物例6)
有機バインダーA 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3MnO)40.0部
(粒径0.5μm)
ガラス粉末 20.0部
次亜リン酸 1.0部
【0042】
(比較組成物例1)
有機バインダーA 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
銅−鉄系黒色複合酸化物 40.0部
(CuO−Fe−Mn、粒径0.17μm)
【0043】
(比較組成物例2)
有機バインダーA 100.0部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
銅−クロム系黒色複合酸化物 40.0部
(CuO−Cr−Mn、粒径0.45μm)
【0044】
このようにして得られた組成物例1〜6及び比較組成物例1、2の各ペーストについて、バス電極評価(抵抗値、層間導通、焼成後色調、L値)、ブラックマトリクス評価(焼成後色調、L値)、ペースト安定性の評価を行った。その評価方法は以下のとおりである。
【0045】
抵抗値:
ガラス基板上に、評価用ペーストを300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な皮膜を形成した。次に、この皮膜上に、上層(白)用導電性ペーストを200メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な二層の皮膜を形成した。その後、光源をメタルハライドランプとし、パターン寸法100μm×10cmのネガマスクをもちいて、組成物上の積算光量が500mJ/cmとなるように露光した後、液温30℃の0.5wt%NaCO水溶液を用いて現像を行ない、水洗した。最後に空気雰囲気下にて5℃/分で昇温し、550℃で30分間焼成して基板を作製した。こうして得られた焼成皮膜について抵抗値を測定した。
【0046】
層間導通:
ITO膜付きガラス基板上に上記と同様の方法により100μm×3cmのパターン形成を行なった。これにより得られた焼成皮膜の上層(白層)とITOにテスターをあて導通の確認を行なった。
【0047】
焼成後色調:
ITO膜付きガラス基板上に上記と同様の方法(ブラックマトリクス評価については上層(白)用導電性ペーストを塗布、乾燥しない)により3cm×10cmのパターン形成を行なった。これにより得られた焼成皮膜をガラス側から目視により観察し、色調の確認を行なった。
【0048】
値:
上記焼成後色調を確認した試験片を用いて色彩色差計(ミノルタカメラ(株)製、CR−221)を用いてL表色系の値をJIS−Z−8729に従って測定し、明度を表す指数であるL値を黒色度の指標として評価した。このL値が小さいほど黒色度に優れる。
【0049】
ペースト安定性:
組成物例1〜6及び比較組成物例1、2の各ペーストを300gづつ密閉容器に入れ30℃で1ヶ月間放置した後の状態の確認を行なった。
【0050】
これらの評価結果を表1および表2に示す。
【表1】
Figure 0003548146
【0051】
【表2】
Figure 0003548146
【0052】
表1および表2に示す結果から明らかなように、本発明の組成物に係るペーストは、比較組成物のペーストに比べてペースト安定性に優れ、焼成後においても、充分な黒さを満足し得るバス電極用下層(黒層)、ブラックマトリクスを形成できることがわかった。
【0053】
なお、上記評価用ペーストについて、現像後のライン形状、焼成後のライン形状、密着性を評価したが、いずれも問題はなかった。これらの評価に使用する基板は、ガラス基板上に形成した皮膜を、ライン/スペース=50/100μmとなるネガフィルムを用いてパターン露光し、次いで、液温が30℃の0.5wt%NaCO水溶液にて現像を行ない、水洗し、その後、焼成すること以外は、上記抵抗値評価の場合と同様にしてパターン焼成基板を作成した。これらの評価方法は、現像後のライン形状については、現像まで終了したパターンを顕微鏡観察し、ラインに不規則なばらつきがなく、よれ等がないかどうかで評価し、焼成後のライン形状については、焼成まで終了したパターンを顕微鏡観察し、ラインに不規則なばらつきがなく、よれ等がないかどうかで評価した。また密着性は、セロハン粘着テープによるピーリングを行ない、パターンの剥離がないかどうかで評価した。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光硬化性樹脂組成物によれば、乾燥、露光、現像、焼成の各工程において基板に対する優れた密着性、解像性、焼成性を損なうことなく、焼成後において充分な黒さを満足し得る、PDPバス電極の黒層、ブラックマトリクスを形成することができる。
さらに本発明の光硬化性樹脂組成物は、保存安定性に優れ、かつ、薄い膜厚で充分なコントラストが得られることから、PDPの量産性、低コスト化にとって極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】面放電方式のAC型PDPの部分分解斜視図である。
【符号の説明】
1 前面ガラス基板
2a,2b 表示電極
3a,3b 透明電極
4a,4b バス電極
5 透明誘電体層
6 保護層
10 ブラックマトリックス
11 背面ガラス基板
12 リブ
13 アドレス電極
14a,14b,14c 蛍光体膜

Claims (4)

  1. (A)ランタン複合酸化物微粒子、(B)有機バインダー、(C)光重合性モノマー、及び(D)光重合開始剤を含有する光硬化性組成物であって、この光硬化性組成物は、導電性粒子として上記(A)ランタン複合酸化物微粒子のみを含有し、かつ、(A)ランタン複合酸化物微粒子は粒径5μ m 以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの前面基板の黒色パターンを形成するための光硬化性組成物。
  2. さらに(E)無機微粒子を含有する請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの前面基板の黒色パターンを形成するための光硬化性組成物。
  3. 前記ランタン複合酸化物微粒子(A)がLa1- SrCoOまたはLa1- SrMnOで表される化合物である請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネルの前面基板の黒色パターンを形成するための光硬化性組成物。
  4. 前記請求項1乃至3に記載の光硬化性組成物の焼成物から黒色パターンが形成されてなる前面基板を備えるプラズマディスプレイパネル。
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