JP3547230B2 - 伸びに応じて色変わりする弾性編地およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸びに応じて色変わりする弾性編地およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパンデックス糸と非弾性糸とを交編してなる弾性編地の色付けや柄付けは、染色により非弾性糸を着色することによりなされる。
染色された弾性編地は、伸張状態の時にスパンデックス糸が露出すると、スパンデックス糸の白色が目立って外観を損なう。このため、弾性編地は、伸張状態の時にスパンデックス糸が露出しないように編成される。
【0003】
弾性編地について、伸張性やフィット感の面から種々の改善が提案されているが、色の点ではあまり検討がなされていない。これは、スパンデックス糸が一般に染色しにくい繊維であるため、弛緩状態(張力がかからない状態)の時にはスパンデックス糸が非弾性糸の隠れた側に埋没するように編成されるからである。
ところで、最近、アウトドアライフやスポーツを楽しむ人の中にも、ファッション性を重視する傾向が高まっており、衣料もカラフルで体にフィットするものが好まれる。弾性編地はそのような衣料に多く利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、伸張度合いの大小や変化などによって、活動感、立体感、他者へのアピールなどの視覚的な刺激をもたらしうる弾性編地を提供することである。
本発明の別の目的は、そのような視覚的な刺激をもたらしうる弾性編地を容易に作ることができる製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の弾性編地は、弾性糸と非弾性糸とが交編されており、弾性糸が着色されていて、非弾性糸が弾性糸と異なる色に着色されている。本発明の弾性編地は、それらの弾性糸と非弾性糸がシンカーループを有し、弾性糸のシンカーループが常に非弾性糸のシンカーループと交差しており、弾性編地が弛緩状態の時には弾性糸が非弾性糸の下に埋没しており、弾性編地が伸張状態の時には弾性糸が露出することにより、伸びに応じて色変わりする。
【0006】
本発明の弾性編地の第1の態様によれば、弾性糸は、原液着色されたスパンデックス糸であり、非弾性糸は、スパンデックス糸と異なる色に着色されたナイロン糸である。
本発明の弾性編地の第2の態様によれば、弾性糸はダブルカバード糸であり、非弾性糸はナイロン糸である。ダブルカバード糸は、芯糸、芯糸を巻いている内側被覆糸、および、芯糸と内側被覆糸を巻いている外側被覆糸を有し、芯糸がスパンデックス糸であり、内側被覆糸と外側被覆糸が着色されたポリエステル仮撚り加工糸である。ナイロン糸は、外側被覆糸と異なる色に着色されている。
【0007】
本発明の弾性編地の第3の態様によれば、弾性糸は、芯糸としてスパンデックス糸を、被覆糸として着色された綿糸を有するコア・スパン糸であり、非弾性糸は、綿糸と異なる色に着色されたナイロン糸である。
本発明の弾性編地の製造方法は、編成工程と着色工程とを有する。編成工程は、非弾性糸と弾性糸とを、弾性糸のシンカーループが常に非弾性糸のシンカーループと交差し、かつ、弾性編地が弛緩状態の時には弾性糸が非弾性糸の下に埋没しており、弾性編地が伸張状態の時には弾性糸が露出するように交編する工程である。着色工程は、編成工程で得られた編み上がり品を、非弾性糸および弾性糸が異なる色を有するように着色する工程である。なお、編成以前に一方の糸、通常、弾性糸が着色されている場合もあり、このときには、他方の糸、通常、非弾性糸を弾性糸と異なる色に着色するための着色工程が採用される。
【0008】
本発明の製造方法の第1の態様によれば、弾性糸は、原液着色されたスパンデックス糸であり、非弾性糸としてはナイロン糸が通常使用される。
本発明の製造方法の第2の態様によれば、弾性糸は、芯糸としてスパンデックス糸を、被覆糸として着色されたポリエステル仮撚り加工糸を有するダブルカバリング糸であり、非弾性糸としてはナイロン糸が通常使用される。
【0009】
本発明の製造方法の第3の態様によれば、弾性糸は、芯糸としてスパンデックス糸を、被覆糸として着色された綿糸を有するコア・スパン糸であり、非弾性糸としてはナイロン糸が通常使用される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる弾性糸は、着色された弾性糸であり、弾性繊維糸を形成するポリマー自身の色、あるいは、通常の弾性繊維糸に含まれている酸化チタン・硫酸バリウムのような白色微粒子の白色を有する弾性糸ではない。本発明に用いられる、着色された弾性糸を次に例示する。
【0011】
(1) 原液着色された弾性繊維糸
原液着色された弾性繊維糸は、白色微粒子以外の適切な着色剤を含む紡糸液を用いて作られる。原液着色された弾性繊維糸の場合、スパンデックス糸においては、優れた発色効果を達するため、酸化チタンや硫酸バリウムのような白色微粒子を含まないか、または微量(通常、0.5重量%以下)しか含まない、いわゆる、クリアタイプ、ブライトタイプが好ましい。
【0012】
(2) 着色された非弾性長繊維被覆弾性糸
芯糸として弾性繊維糸、被覆糸として非弾性長繊維糸から構成される被覆弾性糸である。従って、被覆糸が着色されていれば良く、芯糸の弾性繊維糸は着色されている必要はない。この被覆弾性糸では、芯糸をスパンデックス糸、被覆糸をナイロン糸またはポリエステル糸とするのが最も一般的である。この場合、着色は被覆糸に施される。なお、着色された非弾性長繊維被覆弾性糸は、その製造方法により次のものが例示される。
【0013】
(a) カバード糸
シングルカバリング機によるシングルカバード糸、ダブルカバリング機によるダブルカバード糸がある。シングルカバード糸は、芯糸として弾性繊維糸を、芯糸を巻いている被覆糸として非弾性長繊維糸を有する。ダブルカバード糸は、被覆糸として、芯糸を巻いている内側被覆糸と、芯糸および内側被覆糸を巻いている外側被覆糸とを有する。被覆糸はウーリー加工された非弾性長繊維糸(通常、ナイロン糸またはポリエステル糸)であってもよい。
【0014】
(b) 合撚糸
合撚機により作られた長繊維被覆弾性糸であり、通常、ウーリー加工されたナイロン糸またはポリエステル糸でスパンデックス糸などの弾性繊維糸を被覆する。
(c) 特殊仮撚り糸
仮撚り機により長繊維糸を弾性繊維糸に被覆した弾性糸、または、合撚糸(b) を仮撚り加工した弾性糸などである。
【0015】
(d) 空気交絡糸
非弾性長繊維糸をエアーカバリング機により弾性繊維糸に被覆した弾性糸である。非弾性長繊維糸としては、たとえば、ナイロン糸、ポリエステル糸が使用される。
(3) 着色された非弾性短繊維被覆弾性糸
芯糸として弾性繊維糸を、被覆糸として非弾性短繊維糸を有する被覆弾性糸である。従って、被覆糸が着色されていれば良く、芯糸の弾性繊維糸は着色されている必要はない。この被覆弾性糸では、芯糸をスパンデックス糸、被覆糸を綿糸とするのが最も一般的である。この場合、着色は綿糸に施される。なお、着色された非弾性短繊維被覆弾性糸は、その製造方法により次のものが例示される。
【0016】
(a) コア・スパン糸
精紡機に綿粗糸とスパンデックス糸を供給して作られる。
(b) 合撚糸
綿糸(通常、2本)とスパンデックス糸を合糸加工し、次にダブルツイスターにて撚糸して作られる。あるいは、合撚機にて合糸と撚糸を同時に実施することにより作られる。
【0017】
本発明で弾性糸と交編される非弾性糸は、着色された弾性糸と異なる色に着色されているか、または、着色されうる非弾性繊維からなる糸であれば特に制限はなく、たとえば、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維糸;綿、ウール、絹、麻などの天然繊維糸;レーヨン、アセテートなどの再生繊維糸;それらの繊維2種以上からなる混紡糸などが挙げられ、それぞれ単独で使用されたり、2種類以上併用されたりする。上に挙げた非弾性糸の中でも、ナイロン糸とポリエステル糸と綿糸とからなる群から選ばれる少なくとも1つがその加工性および布帛特性の面から最も好ましく、一般的である。この非弾性糸への着色は、編成前および後のいずれに行ってもよく、たとえば、各非弾性糸に通常適用される染色方法が採用される。
【0018】
本発明の弾性編地は、上記交編構造を布帛全体に有していてもよいし、あるいは、布帛の一部に有していてもよい。
交編部分における編組織は、弾性糸のシンカーループが常に非弾性糸のシンカーループと交差していて、弛緩時には弾性糸が非弾性糸の下に埋没しており、伸張時に弾性糸が露出するようになっている。図1〜3にみるように、弾性糸1のシンカーループ11が常に非弾性糸2のシンカーループ12と交差しているとは、弾性糸1と非弾性糸2とが互いに逆ふりとなるようにして編成されたものである。交編部分における編組織の具体例は、たとえば、次のとおりである。
【0019】
たて編地の場合、図1にみるように、非弾性糸2が前おさでの1×1の閉じ目トリコット編み、着色された弾性糸1が後おさでの反対方向の1×1の閉じ目トリコット編みを形成しているか、図2にみるように、非弾性糸2が前おさでの1×2の閉じ目コード編み、着色された弾性糸1が後おさでの反対方向の1×2の閉じ目コード編みを形成しているか、図3にみるように、非弾性糸2が前おさでの1×1開き目6コースアトラス編み、着色された弾性糸1が後おさで反対方向の1×1開き目6コースアトラス編みを形成している(以上、2枚筬の場合)などの編組織が挙げられる。
【0020】
本発明の弾性編地の製造方法では、上記たて編地の編成に当たって、弾性糸と非弾性糸の太さを揃えることが編地の品位を高め、また伸張による変色効果をより際立ったものとするために有効である。
編み上がり品は、通常の編み上がり品と同様に精練処理が施される。着色された弾性糸と交編されている非弾性糸が着色されていない場合には、その非弾性糸が該弾性糸と異なる色に着色されるように染色される。非弾性糸と染料の組み合わせは、たとえば、ナイロンには酸性染料、綿にはセルロース用各種染料、ポリエステルには分散染料、アクリルにはカチオン染料、ウールには酸性染料などとなるが、これらの染料としては、弾性糸(通常、スパンデックス糸)に対する着色ないし汚染の少ないものを選択するのが好ましい。染色以外の方法で着色してもよい。
【0021】
その後、必要に応じて仕上げ加工、たとえば、樹脂加工、柔軟加工、防汚加工、撥水加工などの処理が施され、弾性編地の生地が得られる。この生地を適宜、裁断、縫製することにより最終的に弾性編地のガーメント(衣服)が得られる。
なお、本発明では、着色された弾性糸と交編される非弾性糸は、その弾性糸と異なる色に着色されているが、色彩効果の点からは、補色関係など互いに対照的な色となるように着色されているのが好ましい。たとえば、弾性糸が黄色に着色されている場合、非弾性糸を青色系にすれば、弛緩させた(リラックスさせた)弾性編地は青色であるが、伸張させると緑色系を呈する。また、弾性糸が赤色に着色されている場合、非弾性糸を緑色系にすれば、弛緩させた(リラックスさせた)弾性編地は緑色であるが、伸張させると茶色系を呈する。また、弾性糸が青色に着色されている場合、非弾性糸を橙色系にすれば、弛緩させた(リラックスさせた)弾性編地は橙色であるが、伸張させると紫色系を呈する。なお、交編される非弾性糸が合成繊維糸である場合には、ブライトタイプの方がダルタイプよりも高い純度(彩度)の色が得られ、色変わり効果の面からは好ましい。
【0022】
本発明の弾性編地は、たとえば、水着、レオタード、ランニングタイツ、体操用タイツ、ダンスタイツなどのスポーツウエアなどに用いられる。また、肌に直接ふれる衣料に限られず、アウターウエアや衣料以外の、たとえば、椅子張り地、袋鞄生地の一部等に使用した場合にも、デザインの工夫により差別化された製品を創造することが可能となる。
【0023】
本発明の弾性編地では、弾性糸は着色され、これと交編される非弾性糸と色が異なっていることにより、非弾性糸のみが露出している時と非弾性糸と弾性糸とが露出している時とで編地の色が変わるようになる。
弾性糸と非弾性糸の交編部分では、前記弾性糸のシンカーループが常に前記非弾性糸のシンカーループと交差していて、弛緩時には弾性糸が非弾性糸の下に埋没しており、伸張時に弾性糸が露出するようになっている。このため、編地に張力が加わっていない時と張力が加わっている時とで編地の色が変わるようになる。しかも、張力の大きさによって色変わりの程度が変化する。
【0024】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。
(実施例1)
チバ・ガイギー社製のジアゾアリルアシド系顔料(商品名イルガライトイエロー 2GP、カラーインデックス:YELLOW17)10重量部、ウレタンポリマー11重量部、DMAC(ジメチルアセトアミド)79重量部からなる着色剤原液を調製した。ウレタンポリマー紡糸液に上記着色剤原液を加え、顔料濃度が1重量%となるよう濃度を調整し、70デニール、9フィラメントのスパンデックス糸を紡糸した。得られた原液着色されたスパンデックス糸は、鮮明な黄色を呈していた。
【0025】
この原液着色されたスパンデックス糸と、70デニール、24フィラメントのナイロン糸(ブライト)を用い、トリコット編機にて図1に示す組織の編地を編成した。
得られた編地を70℃の熱水中で拡布リラックスし、テンターにて乾燥/ヒートセット(180℃)を行った後、液流染色機にて次の条件を適用し、ナイロンを染色した。
染料:ナイロサン ブルー 2RL(青色、Acid Blue 126 、Sandoz社) 3%owf
助剤:イオネット SD(緩染剤、三洋化成工業) 1%owf
pH:4(酢酸)
温度、時間:98℃×30分
染色に引き続き、次の条件にて固着処理を行った。
固着剤:ニューパワロン(大日本製薬) 6%owf
pH:5(酢酸)
温度、時間:70℃×20分
テンターにて乾燥した染色反はシリコーンソフナーにてパッドドライ(テンター 170℃)した。
【0026】
得られた仕上げ反は、弛緩状態では青色無地であったが、幅方向および/または長さ方向に伸張し始めることにより、原液着色スパンデックス糸の黄色が現れて青色が緑味を帯び出し、さらに伸張を続けると緑色にまで変化した。
この反物から上下アクティブウエア(長袖フィットシャツおよびタイツ)を縫製した。着用者の動きにより、青〜青緑〜緑に色相が変化し、新規な衣料として注目されるだけの価値が認められた。
【0027】
(実施例2)
ダブルカバリング機により、芯糸にスパンデックス糸(東レ・デュポン株式会社製、商品名「オペロン」T−127、オペロンは東レ・デュポン株式会社の登録商標)140デニール、9フィラメント、被覆糸にポリエステル仮撚り加工糸(東レ株式会社製、商品名ウーリー「テトロン」、テトロンは東レ株式会社の登録商標)75デニール、24フィラメントを用い、ダブルカバリング糸を作製した。このダブルカバリング糸を小カセに巻き、オーバーマイヤー染色機にて次の条件を適用し、ポリエステルを染色した。
染料:ダイアニックス レッド RE(赤色、Disperse Red 50 、三菱化成ヘキスト) 2%owf
助剤:ニッカサンソルト♯1200(分散剤、日華化学工業) 1%owf
温度、時間:125℃×40分
染色に引き続き、還元洗浄、脱水、乾燥を行った後、カセは伸張し、カセ枠に取り付け、追油剤(三洋化成工業製、商品名サンオイル410B)を付与しながらコーン巻きした。コーン巻きされた、染色されたダブルカバリング糸とナイロン糸(50デニール、17フィラメント、ブライト)を用い、トリコット編機にて図2に示す組織の編地を編成した。
【0028】
得られた編地を70℃の熱水中で拡布リラックスし、テンターにて乾燥/ヒートセット(180℃)を行った後、液流染色機にて次の条件を適用し、ナイロンを染色した。
染料:カヤノール ネービーブルー R(青色、Acid Blue 92、日本化薬社) 2%owf
助剤:サンモール A1(緩染剤、日華化学工業) 1%owf
pH:4(酢酸)
温度、時間:98℃×40分
染色に引き続き、次の条件にて固着処理を行った。
固着剤:ニューパワロン(大日本製薬) 6%owf
pH:5(酢酸)
温度、時間:70℃×20分
テンターにて乾燥した染色反はシリコーンソフナーにてパッドドライ(テンター 170℃)した。
【0029】
得られた仕上げ反は、弛緩状態では青色無地であったが、幅方向および/または長さ方向に伸張し始めることにより、着色ダブルカバリング糸の赤色が現れて青色が藍色味を帯び出し、さらに伸張を続けると紫色にまで変化した。
(実施例3)
スパンデックス糸(東レ・デュポン株式会社製、商品名「オペロン」T−127、オペロンは東レ・デュポン株式会社の登録商標)70デニール、9フィラメントと綿糸8Sを精紡機にかけ、スチームにより撚り止めセットを行い、コア・スパン糸を得た。コア・スパン糸と、70デニール、24フィラメントのナイロン糸(ブライト)を用い、トリコット編機にて図3に示す組織の編地を編成した。
【0030】
得られた編地を70℃の熱水中で拡布リラックスし、テンターにて乾燥/ヒートセット(180℃)を行った後、液流染色機にて次の条件を適用し、漂白、綿およびナイロンの染色、固着を行った。
(1) 漂白
漂白剤:過酸化水素 3%owf
pH:10
温度、時間:95℃×30分
(2) 染色
直接染料:ダイレクト ブッリリアントブルー RW(青色、Direct Blue 22、住友化学工業) 1%owf
酸性染料:ソラー ライトオレンジ GX(橙色、Acid Orange 10、住友化学工業) 0.5%owf
助剤:硫酸ナトリウム(直接染料促染剤) 4%owf
pH:8
温度、時間:95℃×30分
(3) 固着
固着剤:ニューパワロン(大日本製薬) 6%owf
pH:5(酢酸)
温度、時間:70℃×20分
テンターにて乾燥した染色反はシリコーンソフナーにてパッドドライ(テンター 170℃)した。
【0031】
得られた仕上げ反は、弛緩状態ではオレンジ色無地であったが、幅方向および/または長さ方向に伸張し始めることにより、着色コア・スパン糸の青色が現れてオレンジ色が茶色味を帯び出し、さらに伸張を続けると茶色にまで変化した。
【0032】
【発明の効果】
本発明の弾性編地は、弾性糸と非弾性糸とが交編された弾性編地であって、弾性糸が着色されており、非弾性糸が弾性糸と異なる色を有し、弾性糸と非弾性糸がシンカーループを有し、弾性糸のシンカーループが常に非弾性糸のシンカーループと交差しており、弾性編地が弛緩状態の時には弾性糸が非弾性糸の下に埋没しており、弾性編地が伸張状態の時には弾性糸が露出するようになっている、伸びに応じて変色する弾性編地であるので、伸張度合いの大小や変化などによって色変わりする。このため、本発明の弾性編地は、活動感、立体感、他者へのアピールなどの視覚的な刺激をもたらしうる。
【0033】
本発明の弾性編地の製造方法は、▲1▼非弾性糸と弾性糸とを、弾性糸のシンカーループが常に非弾性糸のシンカーループと交差し、かつ、弾性編地が弛緩状態の時には弾性糸が非弾性糸の下に埋没しており、弾性編地が伸張状態の時には弾性糸が露出するように交編する編成工程と、▲2▼編成工程で得られた編み上がり品を、非弾性糸および弾性糸が異なる色を有するように着色する着色工程とを有するので、伸張度合いの大小や変化などによって色変わりして、活動感、立体感、他者へのアピールなどの視覚的な刺激をもたらしうる弾性編地を容易に作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性編地の1例を表す編組織図。
【図2】本発明の弾性編地の別の1例を表す編組織図。
【図3】本発明の弾性編地のさらに別の1例を表す編組織図。
【符号の説明】
1 弾性糸
2 非弾性糸
3 弾性編地
11 弾性糸のシンカーループ
12 非弾性糸のシンカーループ

Claims (8)

  1. 弾性糸と非弾性糸とが交編された弾性編地であって、
    前記弾性糸が着色されており、
    前記非弾性糸が前記弾性糸と異なる色に着色されており、
    前記弾性糸と前記非弾性糸がシンカーループを有し、
    前記弾性糸のシンカーループが常に前記非弾性糸のシンカーループと交差しており、
    前記弾性編地が弛緩状態の時には前記弾性糸が前記非弾性糸の下に埋没しており、前記弾性編地が伸張状態の時には前記弾性糸が露出する、
    伸びに応じて色変わりする弾性編地。
  2. 前記弾性糸が、原液着色されたスパンデックス糸であり、前記非弾性糸が前記スパンデックス糸と異なる色に着色されたナイロン糸である請求項1に記載の弾性編地。
  3. 前記弾性糸が、芯糸、前記芯糸を巻いている内側被覆糸、および、前記芯糸と前記内側被覆糸を巻いている外側被覆糸を有するダブルカバード糸であり、前記芯糸がスパンデックス糸であり、前記内側被覆糸および前記外側被覆糸が着色されたポリエステル仮撚り加工糸であり、
    前記非弾性糸が前記外側被覆糸と異なる色に着色されたナイロン糸である、
    請求項1に記載の弾性編地。
  4. 前記弾性糸が、芯糸としてスパンデックス糸を、被覆糸として着色された綿糸を有するコア・スパン糸であり、前記非弾性糸が前記綿糸と異なる色に着色されたナイロン糸である請求項1に記載の弾性編地。
  5. 非弾性糸と弾性糸とを、前記弾性糸のシンカーループが常に前記非弾性糸のシンカーループと交差し、かつ、弾性編地が弛緩状態の時には前記弾性糸が前記非弾性糸の下に埋没しており、前記弾性編地が伸張状態の時には前記弾性糸が露出するように交編する編成工程と、
    前記編成工程で得られた編み上がり品を、前記非弾性糸および前記弾性糸が異なる色を有するように着色する着色工程と、
    を有する、弾性編地の製造方法。
  6. 前記弾性糸が、原液着色されたスパンデックス糸であり、前記非弾性糸がナイロン糸である請求項5に記載の弾性編地の製造方法。
  7. 前記弾性糸が、芯糸、前記芯糸を巻いている内側被覆糸、および、前記芯糸と前記内側被覆糸を巻いている外側被覆糸を有するダブルカバード糸であり、前記芯糸がスパンデックス糸であり、前記内側被覆糸および前記外側被覆糸が着色されたポリエステル仮撚り加工糸であり、
    前記非弾性糸が前記外側被覆糸と異なる色に着色されたナイロン糸である、
    請求項5に記載の弾性編地の製造方法。
  8. 前記弾性糸が、芯糸としてスパンデックス糸を、被覆糸として着色された綿糸を有するコア・スパン糸であり、前記非弾性糸がナイロン糸である請求項5に記載の弾性編地の製造方法。
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