JP3547172B2 - 円筒型押出製粒装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、顆粒剤や散剤等の製造工程において、練合物を所定の長さの円柱状に製粒する円筒型押出製粒装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、顆粒剤や散剤等の製造工程において、粉末剤と液体とを練り合わせた練合物を円筒型押出製粒装置により一旦円柱状に製粒し、円柱状製粒物を乾燥させることが行われている。従来の円筒型押出製粒装置の構成を、図4を参照しつつ説明する。
【0003】
図4において、従来の円筒型押出製粒装置1は、練合物製造装置等(図示せず)からの練合物を供給するための練合物供給管2と、供給された練合物を収容するためのホッパー3と、ホッパー3の下方に設けられた円筒押出部4と、円筒押出部4の下方に設けられ、所定方向(例えば時計方向)に回転するターンテーブル5と、テーブル5の外周部に設けられたガイド壁6と、製粒物を所定の方向に排出するためのスクレバー7を具備している。円筒押出部4は、外周面に所定の大きさの開孔42が多数設けられた円筒状のパンチング板41と、パンチング板41の内周面と所定の隙間を隔てて回転するスクリュー(図示せず)等で構成されている。スクリューの回転により、パンチング板41とスクリューとの間の練合物が開孔42からパンチング板41の外部へ押出され、円柱状の練合物が形成される。パンチング板41から押出された円柱状練合物は自重により適当な長さに切断され、ターンテーブル5上に落下する。ターンテーブル5の上に落下した円柱状練合物(円柱状製粒物)は、ガイド壁6によりターンテーブル5から落下しないようにガイドされつつ搬送され、スクレバー7により所定の位置でターンテーブル5上から振動コンベア(図示せず)等の上に落下し、次の乾燥工程等へ搬送される。
【0004】
例えば顆粒剤を製造する場合、パンチング板41の開孔42の大きさとして、直径0.4〜1.2mm程度の範囲のものが用いられる。顆粒剤の元となる練合物のコンパクション(緻密性)にもよるが、開孔42の径が小さい(例えば0.5mm程度)場合、パンチング板41から押出された練合物は自重により切断され、例えば10〜20mm程度の円柱状製粒物が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、顆粒剤の種類や目的によって、粒強度の高いものが要求される場合があり、その場合、コンパクションの高い練合物が用いられる。ところが、コンパクションの高い練合物を円筒型押出製粒装置を用いてパンチング板41から押出すと、自重によっては適度な長さの円柱状には切断されず、図5に示すように麺状に長く延びる。そのため、作業者が円筒型押出製粒装置に付き添い、パンチング板41から押出される麺状練合物50を適当な長さに切断し、搬送装置や乾燥装置への排出量を均等化しなければならないという問題点を有していた。
【0006】
また、作業者による手作業では、押出された練合物を短く均一に切断することは困難であり、全般的に、切断された円柱状製粒物50の長さは所定の長さよりも長く、かつ不均一である。ところが、長い製粒物は、塊となって集合する傾向が強く、ターンテーブル5上から断続的の塊となって振動コンベア等の上に落下する。その結果、次の乾燥工程等への製粒物の供給が不均一となり、製造工程全般における流動不良の原因となるという問題点を有していた。また、団塊状となった製粒物は内部まで熱が伝わりにくいため、乾燥不良の原因となるという問題点を有していた。さらに、乾燥不良の製粒物は、乾燥工程よりも後の工程において、装置壁面やバスケット等へ付着し、清掃のために製造工程をストップしなければならないという問題点を派生させる。
【0007】
本発明は、以上のような従来例の問題点を解決するためになされたものであり、コンパクションの高い練合物を用いた場合でも、押出された練合物を均一な所定の長さの円柱状製粒物に切断する製粒物切断装置を具備した円筒型押出製粒装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の円筒型押出製粒装置は、外周面に所定の大きさの複数の開孔が設けられた略円筒状のパンチング板及び前記パンチング板の内周面と所定の隙間を隔てて回転するスクリューを具備し、前記スクリューの回転により前記パンチング板と前記スクリューとの間の練合物を前記開孔から前記パンチング板の外部へ押出すための円筒押出部と、
前記パンチング板の外周面近傍に設けられ、前記外周面に沿って所定の範囲を移動することにより前記開孔から押出された練合物を所定の長さの円柱状製粒物に切断する複数のカッターとを具備するように構成されている。
前記カッターは、前記スクリューの回転軸と同軸を回転軸とし、前記円筒状のパンチング板の外側に設けられた環状部材に等間隔に保持されている。
前記環状部材は前記円筒押出部の上部から吊り下げられて、所定の角度を所定の速度で往復回転する。
前記カッターは、前記開孔から押出され自重により垂れ下がった練合物の断面と略直角に接触するように、垂直に対し所定の角度をなすように前記環状部材に固定されている。
前記カッターは両刃であり、合金鋼、硬質プラスチック及びセラミックから選択されたいずれかにより製作されている。
上記構成において、前記環状部材はエアーシリンダーのピストンの往復運動により駆動されることが好ましい。
【0009】
【作用】
以上のように構成された本発明の円筒型押出製粒装置によれば、円筒押出部のスクリューの回転により、スクリューとパンチング板の間に存在する練合物がパンチング板の外周面に設けられた開孔から押出され、開孔の形状とほぼ等しい断面を有する円柱状の練合物が形成される。パンチング板の外周面近傍に設けられたカッターを外周面に沿って所定の範囲を所定の速度で移動させることにより、開孔から押出された練合物が所定の長さに切断され、円柱状製粒物が形成される。カッターを間欠的に移動させ、その停止時間を制御することにより、任意の長さの円柱状製粒物が形成される。
【0010】
カッターを、スクリューの回転軸と同軸を回転軸とする円筒状のパンチング板の外側に設けられた環状部材に等間隔に保持することにより、全てのカッターの動きを揃えることができ、切断された円柱状製粒物の長さが均一になる。また、環状部材を円筒押出部の上部から吊り下げることにより、切断された円柱状製粒物が環状部材の駆動機構に付着したり、隙間に詰ることがなく、環状部材及びカッターの駆動がスムーズになる。また、環状部材を所定の角度の範囲を往復回転させることにより、一般的に円筒押出部の上部に設けられている練合物供給管と干渉(衝突)することはない。
【0011】
カッターを、開孔から押出され自重により垂れ下がった練合物の断面と略直角に接触するように、垂直に対し所定の角度をなすように環状部材に固定することにより、切断された円柱状製粒物の端面が直角になるとともに、切断の際に製粒物の破片があまり出ない。また、カッターを両刃とすることにより、環状部材の往復回転のいずれの場合にも円柱状製粒物の切断が可能となる。また、カッターの材質をステンレス鋼、硬質プラスチック及びセラミックから選択されたいずれかにすることにより、錆等が発生せず衛生的である。また、環状部材をエアーシリンダーのピストンの往復運動により駆動することにより、切断される円柱状の練合物の太さやコンパクションの程度に対応することができ、モーターを使用する場合と比較してモーターの焼損等のトラブルが発生せず、作動が円滑に行われる。
【0012】
【実施例】
本発明の円筒型押出製粒装置を、その好適な一実施例を示す図1から図3を参照しつつ説明する。図1は円筒型押出製粒装置の好適な一実施例の構成を示す斜視図であり、図2は図1の側部断面図であり、図3は図1に示す円筒型押出製粒装置の動作を示す斜視図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、この実施例の円筒型押出製粒装置1は、練合物製造装置等(図示せず)からの練合物を供給するための練合物供給管2と、供給された練合物を収容するためのホッパー3と、ホッパー3の下方に設けられた円筒押出部4と、円筒押出部4の下方に設けられ、所定方向(例えば時計方向)に回転するターンテーブル5と、テーブル5の外周部に設けられたガイド壁6と、製粒物を所定の方向に排出するためのスクレバー7と、押出された練合物を均一な所定の長さの円柱状製粒物に切断する製粒物切断装置10を具備している。
【0014】
製粒物切断装置10は、円筒押出部4の上部からアーム13を介して吊り下げられた環状部材11と、環状部材11に等間隔に保持された複数のカッター12と、アーム13を介して環状部材11を回転可能に保持する軸受部14と、環状部材11を往復回転させる駆動機構15とを具備している。図2に示すように、駆動機構15はエアーシリンダー16をアクチュエータとし、ピストン17の往復(伸縮)運動により環状部材11を往復回転させる。なお、アーム13が練合物供給管2と干渉(衝突)しないために、この実施例の場合環状部材11の往復回転可能な角度範囲は120度以下、さらに具体的には60度以下に限定される。
【0015】
図2に示すように、円筒押出部4は、外周面に所定の大きさの開孔42が多数設けられた円筒状のパンチング板41と、パンチング板41の内周面と所定の隙間を隔てて回転する第1のスクリュー43と、供給された練合物を第1のスクリュー43とパンチング板41との間に垂直下方向に供給するための第2のスクリュー44等で構成されている。第1のスクリュー43の回転により、パンチング板41と第1のスクリュー43との間の練合物が開孔42からパンチング板41の外部へ押出され、円柱状の練合物45が形成される。
【0016】
パンチング板41から押出された円柱状の練合物45は自重により垂れ下がる。カッター12は、垂れ下がった練合物45の断面と略直角に接触するように、垂直に対し所定の角度(例えば45〜60度程度)をなすように環状部材11にボルト18等により固定されている。その結果、切断された円柱状製粒物46の端面が直角になるとともに、切断の際に破片があまり生じない。なお、前述のように、環状部材11の回転可能な角度が60度以下に制限されるため、カッター12の数を10〜20本の範囲で適宜選択することが好ましい。
【0017】
また、本装置により製粒される練合物は、一般に、医薬品、農薬、肥料、飼料(ペットフード)等である。そのため、衛生面を考慮して、カッター12の材質としてステンレス鋼、Ni鋼等の合金鋼や、硬質プラスチック、セラミック等の錆が発生しない材料から選択することが好ましい。また、環状部材11の往復回転のいずれの場合にも円柱状製粒物46の切断が可能なように、カッター12は両刃とすることが好ましい。
【0018】
製粒物の目的にもよるが、切断後の円柱状製粒物の流動を考慮すると、例えば3〜50mm程度の長さに切断することが好ましい。そのため、切断する長さに応じて間欠的にカッター12(又は環状部材11)を駆動させる。カッター12の停止中に押出された練合物45の長さが、切断された円柱状製粒物46の長さにほぼ相当する。
【0019】
次に、本実施例の動作を説明する。図2及び図3に示すように、円筒押出部4のパンチング板41から押出された円柱状の練合物45は、カッター12により所定の長さに切断され、切断された円柱状製粒物46はターンテーブル5上に落下する。図3に示すように、円柱状製粒物46は、ガイド壁6によりターンテーブル5から落下しないようにガイドされつつ搬送され、スクレバー7により所定の位置でターンテーブル5上から振動コンベア(図示せず)等の上に落下し、次の乾燥工程等へ搬送される。ここで、切断された円柱状製粒物46は、所定範囲の長さ(例えば3〜50mm)を有しており、ほぼ均一である。また、顆粒剤の種類や目的により、コンパクションの高い練合物を用いた場合でも、パンチング板41から押出された円柱状練合物45をカッター12により強制的に所定の長さに切断するため、図4に示す従来例のような麺状に長く延びることはない。そのため、作業者が円筒型押出製粒装置に付き添う必要もなく、パンチング板41から押出される麺状練合物を適当な長さに切断する必要もない。
【0020】
さらに、切断された円柱状製粒物46は、長さが比較的短く、かつほぼ均一であるため、塊となって集合することはなく、ターンテーブル5上から連続的の振動コンベア等の上に落下する。その結果、次の乾燥工程等への製粒物の供給が均一となり、製造工程全般における流動不良や乾燥不良は発生しない。また、乾燥工程よりも後の工程において、装置壁面やバスケット等へ付着することもなく、清掃のために製造工程をストップする必要がない。
【0021】
なお、上記実施例では、カッター12を円筒押出部4の上部から吊り下げられた環状部材11に固定し、環状部材11を往復回転させるように駆動する場合を例示したが、練合物供給管2と干渉しないように、例えばホッパー3又は円筒押出部4の側部から環状部材11を保持し、環状部材11を所定方向に連続的に回転させるように駆動しても同様の効果を奏する。また、アクチュエータはエアーシリンダー17に限定されず、サーボモーターやインバーター(誘導モーター)を用いてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、円筒押出部のスクリューの回転により、スクリューとパンチング板の間に存在する練合物がパンチング板の外周面に設けられた開孔から押出され、開孔の形状とほぼ等しい断面を有するように形成された円柱状の練合物を、パンチング板の外周面近傍に設けられたカッターを外周面に沿って所定の範囲を移動させることにより、所定の長さに切断し、円柱状製粒物を形成するように構成したので、カッターを間欠的に移動させ、その停止時間を制御することにより、任意の長さの円柱状製粒物を形成することができる。
【0023】
また、カッターを、スクリューの回転軸と同軸を回転軸とする円筒状のパンチング板の外側に設けられた環状部材に等間隔に保持することにより、全てのカッターの動きを揃えることができ、切断された円柱状製粒物の長さを均一にすることができる。また、環状部材を円筒押出部の上部から吊り下げることにより、切断された円柱状製粒物が環状部材の駆動機構に付着したり、隙間に詰ることがなく、スムーズに環状部材及びカッターを駆動することができる。また、環状部材を所定の角度の範囲を往復回転させることにより、一般的に円筒押出部の上部に設けられている練合物供給管と干渉(衝突)することを防止することができる。
【0024】
カッターを、開孔から押出され自重により垂れ下がった練合物の断面と略直角に接触するように、垂直に対し所定の角度をなすように環状部材に固定することにより、切断された円柱状製粒物の端面が直角にすることができるとともに、切断の際に製粒物の破片をあまり出さなくてすむ。また、カッターを両刃とすることにより、環状部材の往復回転のいずれの場合にも円柱状製粒物の切断が可能となる。また、カッターの材質をステンレス鋼、硬質プラスチック及びセラミックから選択されたいずれかにすることにより、錆等が発生せず衛生的にすることができる。また、環状部材をエアーシリンダーのピストンの往復運動により駆動することにより、切断される円柱状の練合物の太さやコンパクションの程度に対応することができ、モーターを使用する場合と比較してモーターの焼損等のトラブルを防止することができる。
【0025】
また、顆粒剤の種類や目的により、コンパクションの高い練合物を用いた場合でも、パンチング板から押出された円柱状練合物をカッターにより強制的に所定の長さに切断するため、従来例のような麺状に長く延びることはなく、作業者が円筒型押出製粒装置に付き添う必要もない。また、パンチング板から押出される麺状練合物を適当な長さに切断する必要もない。さらに、切断された円柱状製粒物は、長さが比較的短く、かつほぼ均一であるため、塊となって集合することはなく、次の工程への製粒物の供給が均一となり、製造工程全般における流動不良や乾燥不良は発生しない。また、乾燥工程よりも後の工程において、装置壁面やバスケット等へ付着することもなく、清掃のために製造工程をストップする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒型押出製粒装置の好適な一実施例の構成を示す斜視図
【図2】図1の側部断面図
【図3】図1に示す円筒型押出製粒装置の動作を示す斜視図
【図4】従来の円筒型押出製粒装置の構成を示す斜視図
【図5】従来の円筒型押出製粒装置でコンパクションの高い練合物を押出した場合の動作を示す斜視図
【符号の説明】
1:円筒型押出製粒装置
2:練合物供給管
3:ホッパー
4:円筒押出部
5:ターンテーブル
6:ガイド壁
7:スクレバー
10:製粒物切断装置
11:環状部材
12:カッター
13:アーム
14:軸受部
15:駆動機構
16:エアーシリンダー
17:ピストン
18:ボルト
41:パンチング板
42:開孔
43:第1のスクリュー
44:第2のスクリュー
45:円柱状練合物
46:円柱状製粒物
50:麺状練合物
Claims (2)
- 外周面に所定の大きさの複数の開孔が設けられた略円筒状のパンチング板及び前記パンチング板の内周面と所定の隙間を隔てて回転するスクリューを具備し、前記スクリューの回転により前記パンチング板と前記スクリューとの間の練合物を前記開孔から前記パンチング板の外部へ押出すための円筒押出部と、
前記パンチング板の外周面近傍に設けられ、前記外周面に沿って所定の範囲を移動することにより前記開孔から押出された練合物を所定の長さの円柱状製粒物に切断する複数のカッターとを具備し、
前記カッターは、前記スクリューの回転軸と同軸を回転軸とし、前記円筒状のパンチング板の外側に設けられた環状部材に等間隔に保持されており、
前記環状部材は前記円筒押出部の上部から吊り下げられて、所定の角度を所定の速度で往復回転し、
前記カッターは、前記開孔から押出され自重により垂れ下がった練合物の断面と略直角に接触するように、垂直に対し所定の角度をなすように前記環状部材に固定されており、
前記カッターは両刃であり、合金鋼、硬質プラスチック及びセラミックから選択されたいずれかにより製作されている円筒型押出製粒装置。 - 前記環状部材はエアーシリンダーのピストンの往復運動により駆動される請求項1記載の円筒型押出製粒装置。
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JP16247794A Expired - Fee Related JP3547172B2 (ja) | 1994-07-14 | 1994-07-14 | 円筒型押出製粒装置 |
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