JP3546396B2 - 高圧配電系統における地絡判別装置 - Google Patents

高圧配電系統における地絡判別装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は3相の高圧或いは特別高圧の配電系統(これらの系統を本件明細書中においては単に高圧配電系統と呼び、その配電線を高圧配電線と呼ぶ)において、瞬時地絡事故が発生したことを検出する為に用いられる地絡判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の地絡判別装置は、高圧配電系統において瞬時地絡が発生した際に生ずる零相電圧の高周波信号と零相電流の高周波信号とを検出して瞬時地絡事故の発生を判別すると共に、上記零相電圧の高周波信号と零相電流の高周波信号との極性を比較して地絡事故点の方向を判別するようにしている(例えば特公平5−46169号公報参照)。
【0003】
上記のような地絡判別装置によれば、高圧配電系統において地絡事故が発生したことが判る為、その事故点の探査を促すことが出来、又検出点に対して地絡事故点の方向が判る為、その事故点の探査の際に探査を行うべき範囲を狭めることが出来て、探査能率の向上を図ることが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記従来の高圧配電系統における地絡判別装置では、事故点の探査を行う場合、高圧配電系統における3相の夫々について探査を行う必要がある。このことは、例えば電柱上に架せられた配電線に沿って下から双眼鏡で順次目視検査していく場合、3相の配電線の全てについて異常の有無を見て行かねばならず、多くの手間と長い作業時間を要する問題点があった。又バケットに乗って電柱上の碍子のそばまで上昇し、碍子に近付いて探査をする場合には、3相の内の1線のそばに上がった状態においてはそこから他の線にまでは届かぬので、1線の碍子について探査が終わったならばバケットを一旦下げ、その後別の1線のそばに向けてバケットを再び上昇させ、そこでその1線の碍子について探査を行うという操作を繰り返さねばならず、やはり多くの手間と長い作業時間を要する問題点があった。
【0005】
本願発明の高圧配電系統における地絡判別装置は上記従来技術の問題点(技術的課題)を解決する為に提供するものである。
第1の目的は、3相の高圧配電系統において瞬時地絡事故が生じた場合、そのことを知らしめて探査を促すことが出来るようにすることである。
第2の目的は、上記の場合、検出点に対して事故点が何れの側にあるかを知らすことが出来るようにすることにより、事故点の探査の場合に探査範囲を狭めて探査能率の向上を図ることが出来るようにすることである。
第3の目的は、上記の場合、3相の内の何れの相において地絡事故が生じたかを示すことが出来るようにすることによって、上記探査は3相の配電線の内の1線のみについての探査で足りるようにし、探査の手間や作業時間を大幅に減少させられるようにすることである。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明における高圧配電系統における地絡判別装置は、3相高圧配電線から瞬時地絡発生時に生ずる高周波信号を検出して地絡発生を示す信号を出力する地絡発生判別手段と、3相高圧配電線から瞬時地絡発生時に生ずる上記高周波信号を検出して地絡事故点の方向を示す信号を出力する事故点方向判別手段とを備える高圧配電系統における地絡判別装置において、3相高圧配電線から瞬時地絡発生時に生ずる相の相電圧の高周波信号を検出して地絡事故の発生した相を示す信号を出力する地絡相判別手段を備え、該地絡相判別手段は該高周波信号検出時間の各相相互間の時間的遅速を判別する手段を備えており、最も早く該高周波信号が検出された相を地絡相と判別するするものである。
【0007】
3相高圧配電線において瞬時地絡事故が発生すると、地絡発生判別手段は、上記地絡発生時に生ずる高周波信号を検出して地絡発生を示す信号を出力する。又、事故点方向判別手段は、上記高周波信号を検出して地絡事故点の方向を示す信号を出力する。更に、地絡相判別手段は、上記地絡発生時に生ずる3相の相電圧の変化又は3相の相電圧の高周波信号を検出して地絡事故の発生した相を示す信号を出力する。これらの出力信号により、地絡事故が生じたこと、その事故点の方向、及び、地絡相が判明する。これらのことは地絡事故点の探査を容易化する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本願発明の実施の形態を示す図面について説明する。周知の非接地系の高圧配電系統の一例を示す図1において、1は変電所変圧器、2は母線、3A〜3Cは複数の高圧配電線を示す。これらの母線2及び配電線3A〜3Cは何れも三相交流の配電用で通常夫々3本で1組となっているものであるが、図では便宜上1本の線で示す。次に4A〜4Cは各配電線での地絡事故の発生の有無を判別するための地絡判別装置で、各々は各配電線3A〜3Cの夫々全域を守備できるよう各配電線において上記母線2との接続部近くに付設している。
【0009】
次に上記地絡判別装置の構成をブロックで示す図2について説明する(代表として装置4Aを示すが他の装置も同様の構成である)。5は瞬時地絡事故の発生を検出する為にそれを判別するようにした地絡発生判別手段で、3相高圧配電線3Aから瞬時地絡発生時に生ずる高周波信号を検出して地絡発生を示す信号を出力するようにしたものであり、例えば図3に基づいて後から詳細に説明する符号11,12,20,22a〜22c,26で示す部材から構成したものを例示する。6は事故点探査の際にその探査すべき範囲を狭める為に上記地絡事故の事故点の方向を判別するようにした事故点方向判別手段で、3相高圧配電線3Aから瞬時地絡発生時に生ずる上記高周波信号を検出して地絡事故点の方向を示す信号を出力するようにしたものであり、同じく図3に基づいて後から詳細に説明する符号11,12,21,23a〜23c,26で示す部材から構成したものを例示する。7は事故点探査の際に探査すべき配電線を1線に絞る為に地絡相の判別を行うようにした地絡相判別手段で、3相高圧配電線3Aから瞬時地絡発生時に生ずる3相の相電圧の変化又は3相の相電圧の高周波信号を検出して地絡事故の発生した相を示す信号を出力するようにしたものであり、同じく図3に基づいて後から詳細に説明する符号14,25,26で示す部材から構成したものを例示する。8は上記夫々判別された結果を表示する為の表示手段を示す。
【0010】
次に上記地絡判別装置4Aの構成を更に詳細に示す図3について説明する。11は地絡発生の判別及び事故点方向の判別の為に、上記3相高圧配電線3Aから瞬時地絡発生時に生ずる高周波信号として、零相電流の変化の高周波成分を検出する為の零相電流検出手段を示し、零相電流検出器13と後述の高周波取出用のフィルタ18とで構成したものを例示する。零相電流検出器13は配電線3Aに流れる零相電流を捕える為のもので、例えば零相変流器が用いられる。該変流器は例えば配電線3Aに既設の故障区間検出器に内蔵されているものを利用することができる。しかしそれとは別個のものを配電線に付設しても良い。12は地絡発生の判別及び事故点方向の判別の為に、上記瞬時地絡発生時に生ずる高周波信号として、相電圧の変化の高周波成分を検出する為の相電圧検出手段を示し、相電圧検出器14と後述の高周波取出用のフィルタ19a〜19cとで構成したものを例示する。上記相電圧検出器14は例えば周知の接地変圧器、或いは高圧配電線からコンデンサを介して相電圧を取り出すようにしたものを用いることができる。
【0011】
次に15は判別装置の本体を示す。該本体15は例えば上記故障区間検出器の近傍に設置できるようにする為に、電柱への取付が可能な一つの独立したケースに収納している。16は零相電流の入力端子である。17a〜17cは相電圧の入力端子で、3相分を備えている。フィルタ18は、零相電流検出器13からの零相電流の信号に基本波信号と高周波信号が混在している場合に、基本波信号の存在による誤判定を防止するため、基本波信号を抑圧して高周波信号を明瞭度高く取り出すようにしたものであり、基本波の通過を阻止し高周波のみを通過させる広帯域フィルタを例示する。通過帯域は例えば数KHz〜数MHzである。フィルタ19a〜19cも各相の相電圧の信号に関して上記フィルタ18と同様の目的で用いたものであり、上記フィルタ18と同様のものが用いられる。20,22a〜22cは夫々上記各フィルタ18,19a〜19cを通った零相電流及び各相電圧の高周波信号のレベルを検出する為のレベル検出回路、21,23a〜23cはそれらの零相電流及び各相電圧の高周波信号の極性を判別する為の極性判別回路を示す。25は地絡相の判別の為に3相の相電圧の変化を捕えるようにしたものを例示し、それらの相電圧の絶対量を検出する為の相電圧レベル検出回路を示す。26は符号20,21,22a〜22c,23a〜23cで示される部材からの信号に基づいて地絡発生の判別、事故点の方向の判別及び地絡相の判別を行う為の信号処理回路で、例えば後述の如き判別処理を行うようにしたマイクロコンピュータが用いられる。
【0012】
次に図4は上記表示手段8の一例として示す表示器で、地絡事故の発生を何れかの点灯で表示するようにした複数のランプ28a〜28c,29x,29yを備える。これらのランプの内、28a〜28cは地絡事故があった相を点灯表示する地絡相表示ランプでもあり、又29x,29yは地絡事故点の方向を表示する事故点方向表示ランプでもある。上記表示器は例えば判別装置4Aのケースにその外部から目視出来る状態に備えられる。この場合、事故点方向表示ランプの矢印は配電線3Aの方向と一致させるとよい。尚上記表示手段は、上記のような表示器に代えて、変電所或いは電力会社の営業所等にある監視システムのモニターであってもよい。又は上記表示器と上記モニターとを併用しても良い。これらの場合、上記監視システムへの信号の伝送は有線、無線何れで行っても良い。
【0013】
次に図5は上記相電圧レベル検出回路25の一回路例を示すもので、各相の相電圧の絶対量を示すものとして、相電圧を直流化した信号のレベルを得るようにしたものを例示する。図において、31a〜31cは相電圧の受入の為に前記入力端子17a〜17cに個別に接続する入力端、32a〜32cは整流回路、33a〜33cは平滑回路で、これらは相電圧の基本波を整流及び平滑可能なものが用いてある。34a〜34cは平滑化された直流のレベルを検出する為のレベル検出回路、35a〜35cは出力端で、上記検出したレベルを示す信号を前記信号処理回路に与えるようにしている。
【0014】
上記構成のものにあって、地絡事故のない正常時には配電線3A〜3Cには零相電流が流れないため、地絡判別装置4A〜4Cは作動せずそれらの表示器8の全てのランプは消灯のままである。
【0015】
次に図1の配電線3Aにおける例えば地点P1のA相において、瞬時的な地絡事故、例えば碍子の一部に亀裂が入りケーブルからその碍子の亀裂部分を通して放電を起こし瞬時的な地絡電流が流れるという地絡事故が発生した場合を説明する。上記地絡電流は各配電線の対地間静電容量37に流れる電流であって零相電流であり、該零相電流Iは各配電線に例えば夫々矢印で示される方向に流れる。又3相間においては上記地絡電流は、地絡点(A相)→大地→相対地間静電容量→健全相(この場合はB相とC相)→地絡点を流れる回路を形成する。そしてB相並びにC相に流れた殆どが高周波成分の零相電流によって、B相並びにC相の相電圧(対地間電圧)に高周波成分が誘起される。上記相電圧(対地間電圧)の高周波成分はどの相においても同じである。そして、零相電流Iは故障回線(この場合配電線3A)と健全回線(この場合配電線3B,3C)とで極性が異なっている。
【0016】
上地絡事故が発生した場合、地絡判別装置4Aは次のように動作する。零相電流検出器13は配電線3Aから零相電流を検出し、零相電流信号を出力する。相電圧検出器14は配電線3Aから3相の相電圧を検出し、相電圧信号を出力する。それらの信号の波形の一例は図6の(A)にI及びV〜Vで示す通りである。40〜43が上記地絡事故に伴う高周波信号である。フィルタ18,19a〜19cは上記零相電流信号と相電圧信号とを受けて、図6の(B)に示すように上記零相電流信号と相電圧信号の高周波信号I0H及びVAH〜VCHのみを出力する。各レベル検出回路20,22a〜22cは上記各信号を受けて零相電流の高周波信号及び各相電圧の高周波信号のレベルを夫々検出する。又各極性判別回路21,23a〜23cは同様に高周波信号の立ち上がり部分40a〜43aの極性を夫々判別する。相電圧レベル検出回路25は上記各相の相電圧信号を受けて各々の相の絶対量のレベルを検出する。
【0017】
信号処理回路26は上記各高周波信号のレベル検出結果及び極性判別結果を受けて図7のフローチャートに示す判別を行う。先ず地絡発生の判別をステップS1及びステップS2のように行う。即ち、ステップS1において零相電流の高周波信号のレベル検出結果を読み込んで、それが設定レベルを超えているかどうかを確認する。次にステップS2において3相の相電圧の高周波信号のレベル判別結果を読み込んで全てが所定レベルを超えているかどうかを確認する。それが確認されると地絡発生を示す信号を出力する。
【0018】
次に信号処理回路26は事故点方向の判別をステップS3〜S5のように行う。即ち、上記地絡発生を示す信号が出力されると、それを受けて先ずステップS3において3相の相電圧の高周波信号の極性判別結果を読み込み、その極性が3相とも同極性であることを確認する。この確認は、瞬時地絡事故以外の原因(例えば高圧配電線に高調波等が重畳された場合)で高周波信号が発生した場合は高周波信号の立ち上がり部分が3相共同極性にはならないことがあるため、そのような場合には誤った方向判別を行わぬようにすることによって、事故点の方向判別の信頼性を高める目的で行う。上記同極性を確認すると、次にステップS4において零相電流の高周波信号の極性判別結果と相電圧の高周波信号の極性判別結果(これは例えばA相を用いるが他の何れの相であっても良い)とを読み込み、それを比較する。次にステップS5において上記両者の極性を判別して地絡事故点の方向を示す信号を出力する。例えば上記極性が同極性ならば地絡判別装置の付設されている回線が健全回線、逆極性ならば事故回線と判別し、その判別結果の信号を表示手段に出力する。この場合図6の(B)から明らかなように逆極性であるので、事故回線と判別する。
【0019】
上記信号処理回路26は又、相電圧のレベル検出結果を受けて地絡相の判別を次のように行う。先ずその判別原理を図8に基づき説明する。地絡事故が発生していない場合、A相、B相、C相の状態は実線で示すようになっており、それらの中性点Nが零電位となっている。A相において地絡が生ずると各相の状態は破線で示されるようになる。即ち地絡したA相の電位が零(接地されているのと同じ)となり、中性点電位がNからN’に移動し、健全相の相電圧(この場合はB相とC相の対地間電圧)はNB’、NC’になり、その大きさは線間電圧にまで上昇する。よって相電圧(対地間電圧)が変化した状態を検出することによって地絡相を判別することが出来る。例えばそれらの相電圧の絶対量を夫々測定し、その絶対量が一番小さくなった相(この場合はA相)を判別することによってそれを地絡相として判別できる。
【0020】
信号処理回路26は上記のような判別を図9のフローチャートに示すように行う。先ずステップS6においてA相、B相、C相の相電圧レベルを読み込む。次にステップS7においてそれらの相電圧レベルを相互に比較する。次にステップS8においてそれらの内の最もレベルの小さい相を地絡相と判別し、その判別結果の信号を表示手段に出力する。
【0021】
信号処理回路26から上記のような各判別結果の信号が出力されると、表示手段8においては図1の判別装置4Aに示されるような表示、即ち地絡事故が発生したことの表示として何れかのランプの点灯が行われ、事故点が判別装置4Aの付設地点よりも負荷側にあること(配電線3Aが事故回線であること)の表示としてランプ29xの点灯が行われ、地絡相がA相であることの表示としてランプ28aの点灯が行われる。
【0022】
一方、他の配電線3Bに付設した地絡判別装置4Bの動作は次の通りである。上記地絡事故の場合、地絡電流(零相電流I)は上記したように流れるので、地絡判別装置4Bの零相電流検出器13と相電圧検出器14によって夫々検出される零相電流信号と3相の相電圧信号は図6の(C)に示すようになり(40’〜43’が高周波信号)、抽出された高周波信号は図6の(D)に示すようになる。即ち零相電流の高周波信号の立ち上がり部分40a'と相電圧の高周波信号の立ち上がり部分41a'〜43a'の極性は逆極性となっている。従って上記した地絡判別装置4Aの動作説明から明らかなように、地絡判別装置4Bは、地絡事故が発生したこと、地絡事故点は地絡判別装置4Bの付設地点に対して負荷側とは反対の側にあること(配電線3Bは健全回線であること)、及び地絡相はA相であることを判別し、その表示を図1に示すように行う。尚もう一つの他の配電線3Cに付設した地絡判別装置4Cの動作は上記地絡判別装置4Bと同様である。
【0023】
上記のようにして配電線3Aが事故回線であり、A相が地絡相であることが判明すると、事故探査の範囲を配電線3AのA相のみに限定でき、事故点探査を迅速に行うことが出来る。又上記のように瞬時的な地絡が生ずる段階で事故回線が判明し、地絡事故点の探査を行うことができると、その地絡事故点が完全地絡事故を起こす状態となる前に事故原因を取り除き、配電系統の保全を図ることが出来る。
【0024】
次に上記実施例では地絡発生を判別する為の高周波信号として零相電流の高周波信号と3相の相電圧の高周波信号を検出するようにしているが、該判別の為の信号としては、1相の相電圧の高周波信号のみ、3相の相電圧の高周波信号のみ、零相電流の高周波信号のみ、零相電流の高周波信号と1相の相電圧の高周波信号の何れを検出して行うこともできる。又、事故点方向を判別する為の信号として零相電流の高周波信号と3相の相電圧の高周波信号を検出するようにしているが、該判別の為の信号としては、零相電流の高周波信号と1相の相電圧の高周波信号を検出して行うこともできる。
【0025】
次に本願の異なる実施例を示す図10及び図11について説明する。この例は前記地絡相判別手段における地絡相の判別を、その判別用の信号として相電圧の高周波信号を用い、特にその高周波信号のレベルを判別して行う例を示すものである。図において、45は地絡相の判別の為に各相の相電圧の高周波信号の絶対量を検出する為の相電圧高周波信号レベル検出回路で、前記図3の回路において相電圧レベル検出回路25に代えて図示の如き位置に接続して用いられる。この相電圧高周波信号レベル検出回路45は例えば前記相電圧レベル検出回路25の図5に示された回路と同様の回路構成であるが、整流回路と平滑回路は高周波信号に適合するものが用いられる。
【0026】
上記地絡相の判別用の信号として相電圧の高周波信号のレベルを利用する場合の信号処理回路26における地絡相の判別は、図11のフローチャートのように行う。先ずステップS11において、各相の相電圧の高周波信号のレベルをレベル検出回路45から読み込む。次にステップS12においてそれらの相電圧の高周波信号のレベルを相互に比較する。次にステップS13においてそれらの内の最もレベルの大きい相を地絡相と判別し、その判別結果を示す信号を表示手段に出力する。該ステップS13においてレベルの最も大きい相を地絡相として判別するのは、相電圧の高周波信号は高圧配電線のインダクタンス分(高周波にとっては高抵抗になる)によって減衰することになる。このインダクタンス分は3相のうち地絡点に最も近い地絡相が最も小さく、上記相電圧の高周波信号は該地絡相において最も減衰が小さい。従って、相電圧の信号から取り出した上記高周波信号の絶対量(前記レベル)が最も大きい相が地絡相であると判別できるからである。なお、機能上前図のものと同一又は均等の構成で説明が重複すると考えられる部分には、前図と同一の符号を付して重複する説明を省略した。(また次図以降のものにおいても同様の考えで同一の符号を付して重複する説明を省略する。)
【0027】
次に図12は前記地絡相判別手段における地絡相の判別を、その判別用の信号として相電圧の高周波信号を用い、特に各相相互間におけるその高周波信号の時間的遅速を判別して行う例を示すものである。図において、47は先入力優先ロック回路で、レベル検出回路22a〜22cの内最も早くレベル判別の結果が出力された相を優先して信号処理回路26に出力し、その他は信号処理回路26に出力せぬようにする回路である。このロック回路47は前記図3の回路において相電圧レベル検出回路25に代えて図示の如き位置に接続して用いられる。
【0028】
3相配電線の1相例えばA相において地絡が生じた場合、各相の相電圧の波形は例えば図13の(A)のようになり、そこから前記フィルタ19a〜19cによって高周波信号のみを取り出すと(B)のようになる。この(B)の一部を時間軸を拡大して示すと(C)のようになり、A相の相電圧の高周波信号VAHに比べ他のB相及びC相の相電圧の高周波信号VBH,VCHには遅れ48,49が生ずる。従って上記ロック回路47により、上記レベル検出回路22a〜22cの内最も早く結果を出力した相の信号を優先して信号処理回路26に与えることにより、信号処理回路26ではその相を地絡相として判別し、その判別結果を示す信号を表示手段に出力する。
【0029】
次に図14は前記地絡判別装置の使用状態の異なる例を示すもので、1系統の高圧配電線51に多数の地絡判別装置4D〜4G(何れも前記地絡判別装置4Aと同様のもの)を所定間隔毎(例えば数十メートル或いは数百メートル毎)に付設し、地絡事故が発生した場合その事故点が上記地絡判別装置の付設によって区分された区間52〜56の内の何れの区間のどの相にあるかを判別できるようにする例を示すものである。この例の場合、各地絡判別装置に対してその付設地点の一方の側の配電線は例えば付設地点よりも負荷側(交流電力の供給を受ける側であり、一般的には変電所と反対の側)の配電線であり、他方の側の配電線は例えば付設地点よりも電源側(交流電力の供給を行う側であり、一般的には変電所の側)の配電線である。
【0030】
上記使用状態において例えば地点P2のB相において地絡事故が発生すると、零相電流Iが矢印のように流れる。すると地絡判別装置4D,4Eは前記地絡判別装置4Aと均等の動作を行い、地絡事故点がそれらの付設地点よりも負荷側のA相にあることを前記表示具のランプ29x,28bの点灯によって表示する。一方地絡判別装置4F,4Gは地絡事故点がそれらの付設地点よりも電源側のB相にあることを表示具のランプ29y,28bの点灯によって表示する。従ってそれらの地絡事故判別装置4D〜4Gの表示具の状態を見ることによって、地絡事故点の場所を区間54のB相と限定することが出来る。
【0031】
次に、上記実施例で説明した地絡判別装置は、従来の完全地絡の判別装置と組み合わせて、完全地絡事故(金属地絡)と瞬時地絡事故(放電を伴う地絡)の両方を検出できるようにしても良い。
【0032】
次に、信号処理回路26による事故回線であるとの判別信号を地絡判別装置4の付設地点近くの区分開閉器に与えるようにし、該区分開閉器はその信号を受けて開放動作を行うようにしても良い。このようにした場合、地絡判別装置4は高周波信号を用いて地絡事故点の方向判別をするようにしてあってその判別を速く行うことが出来るので(商用周波例えば60Hzは1サイクルが16.7msecであるのに対し、例えば1kHz以上の高周波は1サイクルが1msec以下である為、瞬時地絡事故を速く検出し判別できる)、その判別の信号で上記区分開閉器を開かせることにより、該区分開閉器以降の配電線(地絡事故点を含む)のみを速く(変電所が地絡事故を検出してトリップする前に)切り離すことが出来る。これにより変電所の回線別のトリップを回避でき、その結果、停電区間を狭くとどめることが出来る。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本願発明にあっては、3相の高圧配電系統において瞬時地絡事故が発生した場合、その発生を地絡判別手段5によって知ることが出来るので、事故点の探査を促すことが出来る効果がある。
しかもその事故点の探査の場合、検出点に対して事故点が何れの側にあるかを知ることが出来るので、要探査範囲を狭めて探査能率の向上を図ることが出来る効果がある。
その上上記のように地絡事故があった場合、地絡事故の生じた相を、高周波信号検出時間の各相相互間の時間的遅速を判別し、最も早く高周波信号が検出された相を地絡相と判別して特定できる特長がある。このことは上記探査の場合において、例えば電柱上に架せられた配電線3Aに沿って下から双眼鏡で順次目視検査していく場合、特定された1相(例えばA相)の配電線についてのみ見て行けば良く、手間少なく、探査作業を短い時間で行い得る効果があり、又、バケットに乗って電柱上の碍子のそばまで上昇し、碍子に近付いて探査をする場合には、特定された1線の碍子のそばに向けて一度上がり、その碍子について探査を行うのみで良く、手間少なく、探査作業を短い時間で行い得る効果がある。
更に本願発明の地絡判別装置にあっては、高周波信号を用いて瞬時地絡事故の方向判別を行うので、その判別を速く行うことが出来る特長がある。このことは、該判別の信号によって区分開閉器の開放動作を行わせるようにすることにより、前述のように地絡事故による停電区間の減少を図ることの出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】高圧配電系統を示す系統図。
【図2】地絡判別装置のブロック図。
【図3】地絡判別装置を更に詳細に示すブロック図。
【図4】表示器の正面図。
【図5】相電圧レベル検出回路のブロック図。
【図6】(A)は事故回線の判別装置における零相電流と3相の各相電圧の波形図、(B)はそれらから抽出された高周波信号の波形図、(C)は健全回線の判別装置における零相電流と3相の各相電圧の波形図、(D)はそれらから抽出された高周波信号の波形図。
【図7】地絡発生判別及び事故点方向判別のフローチャート。
【図8】正常時及び地絡事故発生時における3相及び中性点の電位の関係を示す図。
【図9】地絡相判別のフローチャート。
【図10】地絡相判別の為の構成の異なる例を示す部分図。
【図11】図10の構成による地絡相判別のフローチャート。
【図12】地絡相判別の為の構成の更に異なる例を示す部分図。
【図13】(A)は3相の各相電圧の波形図、(B)はそれらから抽出された高周波信号の波形図、(C)は(B)の時間軸を拡大した図。
【図14】地絡判別装置の使用状態の異なる例を示す系統図。
【符号の説明】
5 地絡発生判別手段
6 事故点方向判別手段
7 地絡相判別手段

Claims (1)

  1. 3相高圧配電線から瞬時地絡発生時に生ずる高周波信号を検出して地絡発生を示す信号を出力する地絡発生判別手段と、3相高圧配電線から瞬時地絡発生時に生ずる上記高周波信号を検出して地絡事故点の方向を示す信号を出力する事故点方向判別手段とを備える高圧配電系統における地絡判別装置において、
    3相高圧配電線から瞬時地絡発生時に生ずる相の相電圧の高周波信号を検出して地絡事故の発生した相を示す信号を出力する地絡相判別手段を備え、該地絡相判別手段は該高周波信号検出時間の各相相互間の時間的遅速を判別する手段を備えており、最も早く該高周波信号が検出された相を地絡相と判別することを特徴とする高圧配電系統における地絡判別装置。
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