JP3545506B2 - 特定色領域抽出方式および特定色領域除去方式 - Google Patents
特定色領域抽出方式および特定色領域除去方式 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、たとえば、郵便物処理装置において、表面に赤色で印刷された郵便番号記入枠あるいは料金計器印などの赤色領域を有する郵便物の画像から上記赤色領域を抽出する特定色領域抽出方式に関する。
また、本発明は、上記画像から上記特定色領域抽出方式によって抽出された特定色領域の部分を除去した画像を得る特定色領域除去方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
特定色領域を抽出する従来の技術としては、たとえば、郵便物処理装置において、書状画像中の赤色枠(郵便番号記入枠)や料金計器印を抽出するための手法がある。これは、赤色フィルタを通して撮像した赤色部分の写っていない画像信号と赤色部分も写っている画像信号を用いて、前者の信号に濃度が低い部分を太める処理を行なった後、あらかじめ定めたオフセット値および書状地濃度信号を加えた信号を閾値として、赤色部分も写っている画像信号をアナログ信号処理により2値化し、赤色領域と赤色以外の領域とを区別するものである。
【0003】
また、赤色フィルタによって完全に除去しきれなかった画像信号の赤色部分を書状地濃度信号で置換することによって、赤色部分の除去率が高い画像信号を得る手法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の手法は、書状地の色や濃さの違いによる入力画像信号の振幅の変化に対して2値化条件を変化させる処理を行なっていないため、書状地の色に対する許容度が低いという問題があった。
【0005】
また、太め処理を主走査方向にしか行なっていないため、副走査方向の位置ずれに対する許容度が低かった。
さらに、書状地濃度信号は、走査線上を走査していく過程の書状画像信号の最大値を保持したものであるため、書状中に書状地よりも明るいラベルなどが存在すると、ラベルより後で走査される部分の処理で赤色領域を誤抽出し、赤色除去も誤るという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、特定色領域抽出の性能を向上することができるとともに、特定色領域が存在する対象物体の色や濃さの違いに対する許容度を大きくでき、かつ、位置ずれに対する許容度も大きくできる特定色領域抽出方式を提供することを目的とする。
また、本発明は、特定色領域除去画像の品質が著しく向上する特定色領域除去方式を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の特定色領域抽出方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成し、この作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出し、この検出した各濃度を濃度拡張範囲の下限値および上限値として、前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の特定色領域抽出方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像の各画素の濃度に対し、あらかじめ定めた濃度拡張範囲の下限値および前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分の代表濃度を用いて、その明部分の代表濃度が最大の階調値に、下限値が最小の階調値になり、下限値と前記明部分の代表濃度との間の階調値は最小の階調値と最大の階調値との間に等間隔で分布するように、また、前記明部分の代表濃度よりも大きい階調値は最大の階調値に、下限値未満の階調値は最小の階調値になるような濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の特定色領域抽出方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像の各画素の濃度に対し、あらかじめ定めた濃度拡張範囲の下限値、および、前記対象物体の表面にその対象物体よりも明るい明部分が存在する場合にはその明部分の代表濃度、前記明部分が存在しない場合には前記対象物体を代表する濃度を用いて、その明部分の代表濃度あるいは前記対象物体の代表濃度が最大の階調値に、下限値が最小の階調値になり、下限値と明部分の代表濃度あるいは前記対象物体の代表濃度との間の階調値は最小の階調値と最大の階調値との間に等間隔で分布するように、また、前記明部分の代表濃度あるいは前記対象物体の代表濃度よりも大きい階調値は最大の階調値に、下限値未満の階調値は最小の階調値になるような濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の特定色領域抽出方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像の各画素の濃度に対し、あらかじめ定めた濃度拡張範囲の下限値と第1の特定値および第2の特定値を用いて、その第1の特定値が第2の特定値に、下限値が最小の階調値になるような線形変換であって、変換後の値が最大の階調値を越える場合には最大の階調値に、最小の階調値を下回る場合には最小の階調値になるような濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の特定色領域抽出方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像の各画素の濃度に対し、あらかじめ定めた濃度拡張範囲の下限値および前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分の代表濃度を用いて、その明部分の代表濃度が最大の階調値に、下限値が最小の階調値になり、下限値と前記明部分の代表濃度との間の階調値は最小の階調値と最大の階調値との間に等間隔で分布するように、また、前記明部分の代表濃度よりも大きい階調値は最大の階調値に、下限値未満の階調値は最小の階調値になるような濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素に対して、あらかじめ定めた近傍領域に含まれる画素のうちで最小の画素値に置換することにより、前記第2の画像中の局所的に階調値が小さい部分を太める太め処理を行ない、この太め処理後の第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の特定色領域抽出方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、この濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段とを具備している。
【0013】
また、本発明の特定色領域抽出方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、この濃度検出手段で検出した前記対象物体の代表濃度および前記濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムを用いて前記対象物体の代表濃度の標準偏差を求める標準偏差算出手段と、前記濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素値から、前記濃度変換手段による変換の際の倍率および前記標準偏差算出手段によって算出された標準偏差によって定まる値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段とを具備している。
【0014】
また、本発明の特定色領域抽出方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、この濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素に対して、あらかじめ定めた近傍領域に含まれる画素のうちで最小の画素値に置換することにより、前記第2の画像中の局所的に階調値が小さい部分を太める太め処理手段と、この太め処理手段で太め処理した第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段とを具備している。
【0015】
また、本発明の特定色領域抽出方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、この濃度検出手段で検出した前記対象物体の代表濃度および前記濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムを用いて前記対象物体の代表濃度の標準偏差を求める標準偏差算出手段と、前記濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素に対して、あらかじめ定めた近傍領域に含まれる画素のうちで最小の画素値に置換することにより、前記第2の画像中の局所的に階調値が小さい部分を太める太め処理手段と、この太め処理手段で太め処理した第2の画像の各画素値から、前記濃度変換手段による変換の際の倍率および前記標準偏差算出手段によって算出された標準偏差によって定まる値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段とを具備している。
【0016】
また、本発明の特定色領域抽出方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、この濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素に対して、あらかじめ定めた近傍領域に含まれる画素のうちで最小の画素値に置換することにより、前記第2の画像中の局所的に階調値が小さい部分を太める太め処理手段と、この太め処理手段で太め処理した第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段と、この特定色領域抽出手段において、あらかじめ行なう画素間の対応づけを定める際に用いる位置ずれ補正量を、複数の異なる対応づけに対して特定色領域の抽出を行ない、それぞれの場合に抽出された特定色領域の画素数を比較し、最も画素数が少なかった場合の画素の対応づけを選択することによって検出する位置ずれ補正量検出手段とを具備している。
【0017】
また、本発明の特定色領域抽出方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、この濃度検出手段で検出した前記対象物体の代表濃度および前記濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムを用いて前記対象物体の代表濃度の標準偏差を求める標準偏差算出手段と、前記濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素に対して、あらかじめ定めた近傍領域に含まれる画素のうちで最小の画素値に置換することにより、前記第2の画像中の局所的に階調値が小さい部分を太める太め処理手段と、この太め処理手段で太め処理した第2の画像の各画素値から、前記濃度変換手段による変換の際の倍率および前記標準偏差算出手段によって算出された標準偏差によって定まる値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段と、この特定色領域抽出手段において、あらかじめ行なう画素間の対応づけを定める際に用いる位置ずれ補正量を、複数の異なる対応づけに対して特定色領域の抽出を行ない、それぞれの場合に抽出された特定色領域の画素数を比較し、最も画素数が少なかった場合の画素の対応づけを選択することによって検出する位置ずれ補正量検出手段とを具備している。
【0018】
また、本発明の特定色領域除去方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成し、この作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出し、この検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出するものにおいて、前記第2の画像中の前記抽出された特定色領域に対応する部分の画素値を、あらかじめ定めた近傍の画素の濃度のうちで、前記対象物体を代表する濃度からあらかじめ定めた範囲内であるものの平均値で置換することによって、前記第2の画像から特定色領域の部分を除去した画像を得ることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の特定色領域除去方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成し、この作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出し、この検出した前記対象物体の代表濃度および前記作成した濃度ヒストグラムを用いて前記対象物体の代表濃度の標準偏差を求めるるとともに、前記検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値から、前記濃度変換による変換の際の倍率および前記算出された標準偏差によって定まる値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出するものにおいて、前記第2の画像中の前記抽出された特定色領域に対応する部分の画素値を、あらかじめ定めた近傍の画素の濃度のうちで、前記対象物体を代表する濃度からあらかじめ定めた範囲内であるものの平均値で置換することによって、前記第2の画像から特定色領域の部分を除去した画像を得ることを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の特定色領域除去方式は、特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、この濃度検出手段で検出した前記対象物体の代表濃度および前記濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムを用いて前記対象物体の代表濃度の標準偏差を求める標準偏差算出手段と、前記濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素値から、前記濃度変換手段による変換の際の倍率および前記標準偏差算出手段によって算出された標準偏差によって定まる値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段と、前記第2の画像中の前記特定色領域抽出手段で抽出された特定色領域に対応する部分の画素値を、あらかじめ定めた近傍の画素の濃度のうちで、前記対象物体を代表する濃度からあらかじめ定めた範囲内であるものの平均値で置換することによって、前記第2の画像から特定色領域の部分を除去した画像を作成する特定色領域除去画像作成手段とを具備している。
【0021】
上記手段によれば、対象物体の画像の濃度ヒストグラムの特徴を用いて、対象物体の背景部分を代表する濃度、対象物体の地肌部分を代表する濃度、および、対象物体の表面に存在する対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度をそれぞれ求め、これらの各濃度によって定まる濃度変換を行なうことによって、特定色領域抽出の性能を著しく向上することができる。
【0022】
また、上記のような濃度変換を行なうことによって、抽出対象の特定色が存在する対象物体の色の濃さの違いに対する許容度を大きくでき、対象物体の表面に存在する対象物体よりも明るい部分上の特定色領域も確実に検出できる。
【0023】
また、太め処理を一方向だけでなく2次元的に行なうため、位置ずれに対する許容度が大きくできる。
また、特定色領域の抽出で2値化の際に加えるオフセットの値を、対象物体の代表濃度の標準偏差と濃度変換の際の拡大率に応じて可変することによって、抽出対象の特定色が含まれている対象物体の表面の色の濃さの違い、対象物体の地肌部分の濃度のばらつきに対する許容範囲が広がる。
【0024】
また、特定色領域除去画像作成の際に、置換する値として近傍の画素の濃度、あるいは、あらかじめ定めた近傍画素を代表する濃度を用いることによって、特定色領域除去画像の品質が著しく向上する。
さらに、位置ずれ補正量検出手段を設けることによって、システムの調整作業を簡易にするとともに、調整間隔を長くすることができる。
【0025】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、本例では特定色が赤色の場合について述べるが、青、緑など他の色であっても、もちろん構わない。
【0026】
図2は、対象物体である書状(郵便物)の画像例を示すもので、11は書状、12は書状11の表面に赤色で印刷された郵便番号記入枠としての赤色枠、13は書状11の表面に貼付された宛名ラベル、14は書状11の背景部分を示している。ここに、宛名ラベル13は、通常、書状11の地肌濃度よりも明るい明部分となっている。
【0027】
図1は、本発明に係る特定色領域抽出方式および特定色領域除去方式が適用される特定色領域抽出装置の構成を示すものである。本装置は、撮像手段としてのCCD形撮像素子を用いたビデオカメラ(以下、単にCCDカメラと略称する)により、図2に示したような書状11の画像を撮像した、赤色枠12が写っていない、もしくは他の色との区別がほとんど付かない赤色ドロップアウト画像(第2の画像)と、赤色枠12も写っている非ドロップアウト画像(第1の画像)の2種の画像を用いて、書状11に赤色で印刷あるいは押印された赤色枠12などの赤色領域を自動的に抽出するものである。以下、赤色ドロップアウト画像とは、特定色領域が写っていない、もしくは他の色との区別がほとんど付かないように撮像された画像のことであり、非ドロップアウト画像とは、特定色領域も写っている画像を表すものとする。
【0028】
図1において、画像入力用のCCDカメラ20,21で撮像した赤色ドロップアウト画像信号および非ドロップアウト画像信号は、A/D変換部22でデジタル画像に変換される。これら2種の画像は原画像として画像記憶部23に記憶され、以後の処理で必要に応じて参照される。濃度ヒストグラム作成部24は、画像記憶部23に記憶された2種類の原画像から画像の各階調ごとの画素数を表す濃度ヒストグラムを作成する。
【0029】
濃度検出部25は、濃度ヒストグラム作成部24で作成された濃度ヒストグラムを用いて、書状11の地肌(書状地ということもある)濃度、画像中で書状11が写っていない背景14の部分の濃度、および、宛名ラベル13が存在する場合には宛名ラベル13の濃度を検出する。
【0030】
濃度変換部26は、書状11の地肌濃度と背景濃度および宛名ラベル13の濃度を用いて濃度変換を行なう。この場合、非ドロップアウト画像は背景濃度が階調値の最小値に、また、宛名ラベル13が存在する場合は宛名ラベル13の濃度、宛名ラベル13が存在しない場合は書状11の地肌濃度が最大値になるような濃度変換を行なう。また、赤色ドロップアウト画像は、背景濃度が階調値の最小値に、書状11の地肌濃度が非ドロップアウト画像の濃度変換後の地肌濃度になるような濃度変換を行なう。
【0031】
太め処理部27は、赤色ドロップアウト画像と非ドロップアウト画像との位置ずれに対する後述する赤色領域抽出部29の許容範囲を広げるため、赤色ドロップアウト画像中の文字に相当する、周囲よりも階調値が低くなっている部分を太める処理を行なう。
【0032】
標準偏差算出部28は、2種の原画像それぞれについて書状11の地肌濃度のばらつきの程度の指標として地肌濃度の標準偏差を算出する。
赤色領域抽出部29は、太め処理後の赤色ドロップアウト画像の個々の画素値からオフセットを引いた値を閾値として、非ドロップアウト画像の対応する画素の画素値を2値化し、赤色領域を抽出する。
【0033】
位置ずれ補正量検出部30は、赤色領域抽出部29で抽出された赤色領域の画素数を用いて、赤色ドロップアウト画像と非ドロップアウト画像との位置ずれ量を検出し、赤色領域抽出部29における2値化時の画素間の対応付けを決めるようになっている。
【0034】
赤色領域除去画像作成部31は、赤色領域抽出部29で抽出された赤色領域に対応する赤色ドロップアウト画像の画素値を、近傍の書状11の地肌濃度で置換することによって、光学系のフィルタなどでは完全に除くことができなかった赤色部分を書状11の地肌部分と区別できないようにする作用を持っている。
【0035】
画像出力部32は、本装置で抽出した赤色領域、および、赤色領域除去画像を出力する部分である。また、処理制御部33は各部全体の制御を行なう。
次に、各部の処理の詳細について説明を行なう。
【0036】
CCDカメラ20,21では、非ドロップアウト画像と赤色ドロップアウト画像を撮像する。赤色ドロップアウト画像を撮像するためには、たとえば、赤色だけを透過する光学フィルタを通して書状画像を撮像する方法がある。この場合、照明は白色光を用いればよい。また、赤色フィルタをCCDカメラの前に配置する代わりに、照明に赤色光を用いる方法も可能である。本例では、特定色の一例として赤色の場合を取り上げているが、青、緑など他の色であっても同様の効果を得ることができるのは言うまでもない。また、画像の入力方法もCCDカメラに限らず、ビジコンなどの撮像管を用いることも可能であり、本例が画像の入力方法を制限するものではない。
【0037】
A/D変換部22は、CCDカメラ20,21で撮像されたアナログの各画像信号を量子化し、デジタル画像信号に変換する。画像の階調数は必要に応じて決定されるが、本例の場合は最小値「0」から最大値「255」までの256段階とした。他の階調値の範囲にすることも、もちろん可能である。
【0038】
画像記憶部23は、デジタル画像を記憶する機能を持ち、A/D変換部22でデジタル画像に変換された赤色ドロップアウト画像および非ドロップアウト画像を保存する。また、以下の処理で生成される各種のデジタル画像を記憶し、必要に応じて参照することができる。画像記憶部23の構成方法は、たとえば、半導体メモリを用いることで可能であり、他の方法であっても機能的に同じであれば構わない。
【0039】
濃度ヒストグラム作成部24は、画像記憶部23に記憶された赤色ドロップアウト画像および非ドロップアウト画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する。これらの画像の濃度ヒストグラムの一例は図3に示すようになる。
【0040】
濃度検出部25は、濃度ヒストグラム作成部24で作成された濃度ヒストグラムを用いて、赤色ドロップアウト画像および非ドロップアウト画像のそれぞれについて、濃度変換部26で用いる各領域を代表する以下の3種の濃度を求める。これらは、図2に示す背景部分14を代表する濃度、および、書状11のうち地肌部分を代表する濃度、さらに、宛名ラベル13が存在する場合には宛名ラベル13の部分を代表する濃度である。
【0041】
以下、濃度検出方法について説明する。
図2の書状画像において、背景部分14は黒いため、画像中で最も階調値が小さい領域であり、図3では比較的に画素数の大きい3つの極大値のうちで最も階調値が小さい部分(背景)40に相当する。また、書状11の地肌部分は最も面積が大きいが、書状面のしわなどのために階調値のばらつきが大きいので、図3中に符号41で示した部分(書状地)のピーク付近が対応している。さらに、書状11に宛名ラベル13などが貼付してある場合、多くの場合にラベル部分の階調値は書状地部分よりも高く、階調値がピーク付近に集中しており、図3中に符号42で示した部分(ラベル)のようになっている。
【0042】
そこで、これらの特徴を用いて、背景の濃度を代表する背景の代表濃度と、書状地の濃度を代表する書状地の代表濃度、およびラベルの代表濃度を検出する。このために、注目階調値を中心とする、あらかじめ定めた階調範囲に含まれる画素数を注目階調値を最小値から最大値、たとえば、「0」から「255」まで変化させながら極大値を記録していく。階調範囲の幅はラベルでなく、書状地に対して極大値が最大になるように、あらかじめ設定しておく。
【0043】
なお、この操作は、濃度ヒストグラムの波形に対して、あらかじめ適当なスケールの平滑化を行なった後、極大値を記録していくことと同様な作用を持つので、この方法によってもよい。この場合、平滑化のスケールが上記のあらかじめ定めた階調範囲の幅に相当する。極大値が最大のときの階調値を書状地の代表濃度とし、極大値を与える階調値で最小のものを背景部分の濃度を代表する背景の代表濃度とする。また、極大値を与える階調値で、書状地の代表濃度よりも大きいものがあれば、これを宛名ラベル13の代表濃度とする。
【0044】
濃度変換部26は、濃度検出部25で求めた非ドロップアウト画像と赤色ドロップアウト画像のそれぞれについて求めた、背景と書状地およびラベルの代表濃度を用いて順に以下の変換を行なう。初めに、非ドロップアウト画像については、原画像の背景濃度が階調値の最小値、たとえば「0」、ラベル濃度が最大値、たとえば「255」になるように、下記式(1)、(2)、(3)、(4)および(5)で示す濃度変換を行なう。宛名ラベル13が無い場合には、書状地濃度が最大値になるように変換する。このとき、変換後の非ドロップアウト画像の書状地の代表濃度は、下記式(6)で示すようになる。
【0045】
次に、赤色ドロップアウト画像については、原画像の背景濃度が階調の最小値に、書状地の代表濃度(第1の特定値)が前述の濃度変換後の非ドロップアウト画像の書状地代表濃度(第2の特定値)になるように、下記式(7)、(8)、(9)、(10)および(11)で示す変換を行なう。
【0046】
以上のような処理によって、書状画像を対象とした場合に、宛名ラベル13が貼付してある場合であっても、赤色領域の誤検出が減少し、書状地上の赤色領域に加えて、宛名ラベル13上の赤色領域をも確実に検出することができる。なお、上記式(1)および式(7)の拡大率は、赤色領域抽出部29で用いるオフセットを決める際にも用いられる。
【0047】
非ドロップアウト画像と赤色ドロップアウト画像の濃度ヒストグラムが図3のようであった場合、変換後の濃度ヒストグラムは図4に示すようになる。この濃度変換部26と赤色領域抽出部29とを組み合わせることによって、書状地の色や濃さに対する許容範囲が広がり、様々な色の書状地、たとえば青、黄、ピンクなどに対しても、赤色領域だけを抽出でき、また、宛名ラベル13上の赤色領域をも検出できるようになる。
【0048】
太め処理部27は、濃度変換後の赤色ドロップアウト画像の各画素に対して、図5に示すように3×3マスクM1の中心を重ね、「1」から「9」までの番号で示した位置の画素値のうちで最小の値を中心の画素の新しい値とする。ここで、本例では、あらかじめ定めた近傍の一例として3×3画素の正方形領域の場合を示したが、他の形状であっても、もちろん構わない。
【0049】
図6は、ある走査線方向の画素の階調値の様子を表した図であり、破線で示した波形P1が太め処理を行なう前の値、実線で示した波形P2が太め処理を行なった後の値である。この太め処理は、赤色ドロップアウト画像中の、近傍よりも階調値が小さくなっている部分を太めることにあたる。また、近傍よりも階調値が大きい部分を細めることにあたる。
【0050】
このような太め処理は、赤色領域抽出の際に赤色ドロップアウト画像と非ドロップアウト画像との位置ずれに対する許容範囲を広げる作用を持ち、システム運用中に生じたCCDカメラ20,21の位置ずれや、CCDカメラ20,21の各撮像素子の個々の位置のずれによる誤検出を減らす作用がある。書状画像以外の画像を対象とした場合についても同様の効果を持つ。
【0051】
標準偏差算出部28は、原画像の濃度ヒストグラムを用いて書状地濃度の標準偏差を求める。書状地濃度の標準偏差は、たとえば次のように求める。図7は、標準偏差の求めかたの説明図である。図7中の書状地43と示した付近の釣り鐘状の波形は、書状地領域の画素に対応するものであり、正規分布の形状に類似している。
【0052】
そこで、正規分布に近いと仮定し、書状地の濃度に対する濃度ヒストグラムの波形のピークを中心とする近傍濃度で、あらかじめ定めた定数Kを用いて画素数がピーク値の1/Kになる濃度を求め、Dσ1 、Dσ2 とする。そして、書状地の代表濃度であるピークの濃度DE とから、下記式(12)で定まる値を標準偏差σとする。
【0053】
σ=((DE −Dσ1 )+(Dσ2 −DE ))/2 ……(12)
ただし、σ:標準偏差
DE :書状地の代表濃度
Dσ1 :画素数がピーク値の1/Kになる濃度(Dσ1 <DE )
Dσ2 :画素数がピーク値の1/Kになる濃度(Dσ2 <DE )
K:あらかじめ定めた定数
なお、ピーク付近の山の形状が正規分布という仮定と著しく異なる場合、たとえば、書状地濃度と近い濃度に多数の画素が分布する模様などが書状11にある場合は、この方法で求めた標準偏差は適切なものではないが、そのような場合には、書状地濃度の真の標準偏差よりも大きくなる。この場合、後述の赤色領域抽出部29で用いるオフセット値は適切な値よりも大きくなるため、検出性能が低下するが、誤検出の増加にはつながらない。なお、標準偏差の算出法は他の方法でも可能であるということはいうまでもない。
【0054】
赤色領域抽出部29は、下記式(13)に示すように、太め処理後の赤色ドロップアウト画像の各画素値から、あらかじめ定めたオフセットを引いた値を閾値として、非ドロップアウト画像の対応する画素値を2値化することによって、赤色領域のみを抽出する。
【0055】
ここに、ある走査線方向の階調値の変化の様子を図8に示す。右側の部分が特定色の部分60、つまり、本例では赤色領域であり、左側は特定色以外の周囲よりも暗い部分61、つまり、本例の書状画像の場合は文字領域に相当する。抽出対象の特定色とドロップアウト画像の撮像時に用いるフィルタの特性によっては、完全にはドロップアウトしていない場合もあるが、下記式(13)の条件を満たせば、ドロップアウトカラーとして抽出される。
【0056】
なお、上記2値化の際の特定色ドロップアウト画像および非ドロップアウト画像について、本例では濃度変換および太め処理を行なった場合を示したが、これらの処理を行なわない構成も可能であることはいうまでもない。
【0057】
閾値を決める際のオフセットは、画像のノイズ成分に起因する濃度のばらつきによる2値化時の誤検出を減らす作用を持っている。画像のノイズ成分の振幅は書状地部分の画素値の標準偏差にほぼ比例する。
【0058】
D<Dth−Offset ……(13)
ただし、D:非ドロップアウト画像の画素値
Dth:特定色のドロップアウト画像の画素値
Offset :オフセット
また、図9および図10に示すように、濃度変換時の拡大率の違いによって濃度のばらつき成分の振幅は大きく変わる。このため、オフセットの値は下記式(14)に示すように、書状地濃度の標準偏差および濃度変換の際の拡大率によって決定され、書状地濃度の標準偏差および濃度変換の際の拡大率に応じて変化させている。これによって、書状地部分の濃度のばらつきが大きい場合や、原画像のコントラストが小さく、濃度変換の拡大率が大きい場合にも、誤抽出の少ない赤色領域の抽出が可能である。なお、赤色以外の特定色の場合にも、同様の方法で特定色領域を検出できることはいうまでもない。
【0059】
Offset =MY ×(P×σY +Q)+MR ×(R×σR +S)……(14)
ただし、MY :非ドロップアウト画像の拡大率
MR :赤色ドロップアウト画像の拡大率
σY :非ドロップアウト画像の書状地濃度の標準偏差
σR :赤色ドロップアウト画像の書状地濃度の標準偏差
P,Q,R,S:あらかじめ定めた定数
位置ずれ補正量検出部30は、赤色ドロップアウト画像と非ドロップアウト画像との位置ずれの量を自動的に検出し、赤色領域抽出部29における2値化時の画素の対応付けを変えることによって、位置ずれの影響を減らす作用を持っている。図11は、ある走査線方向に前記の2種の画像をずらした場合に、抽出される赤色領域の画素数を評価値として、評価値の変化を示したものである。多くの場合、位置ずれが無い場合に評価値は最小値をとり、位置ずれの量が増えるにしたがって評価値は増える傾向にある。これは、位置いずれが大きくなるにしたがって、誤抽出される赤色領域が増えるためである。
【0060】
そこで、図12に示すフローチャートの手順で、ずらし量をあらかじめ定めた範囲内で変えつつ、赤色領域の抽出処理を繰り返し行ない、評価値が最小になるずらし量を求める。原画像によっては、評価値が最小になるときのずらし量が実際のずれの量と一致しない場合があるが、複数の原画像に対して上述の処理を行ない、結果の平均値を用いることによって、適切な位置ずれ補正を行なうことができる。
【0061】
このような位置ずれ補正を、本装置の起動時、あるいは、運用中に自動的に行なうことによって、調整作業の間隔を長くすることができるので、省力化の効果をも持っている。なお、赤色以外の特定色の場合も、同様の作用を持つことはいうまでもない。
【0062】
赤色領域除去画像作成部31は、赤色領域抽出部29で求めた赤色領域に対応する赤色ドロップアウト画像の画素値を、近傍の書状地濃度で置換する処理を行なう。なお、書状画像以外の場合は、特定色領域の近傍の画素値で置換することに相当する。置換する画素値の決定方法は、図13に示すように、3×3マスクM2の中心を注目画素に重ね合わせ、注目画素を除いた画素のうちで画素値が下記式(15)を満たすものの平均値を求め、注目画素の新しい画素値とする。マスクM2内に下記式(15)を満たす画素が存在しない場合には、書状地の代表濃度で置換する。
【0063】
書状地の代表濃度−α<画素値<書状地の代表濃度+α……(15)
α:あらかじめ定めた定数
ここで、本例では、あらかじめ定めた近傍の一例として3×3画素の正方形領域の場合を示したが、他の形状であっても、もちろん構わない。書状画像以外の場合には、書状地の代表濃度の代わりに、特定色領域の周囲の領域を代表する画素値を用いることに相当する。これにより、光学フィルタなどでは完全に除くことができなかった赤色部分を書状地と区別できないようにした画像を作成することができる。
【0064】
画像出力部32は、本装置の出力である赤色領域の抽出結果および赤色領域除去画像を、たとえば、CRTディスプレイの画面上に表示したり、本装置の処理結果を利用して様々な処理を行なうシステムへの処理結果を転送する機能をもっている。
【0065】
ここで、本例で得られた赤色領域、赤色領域除去画像を用いた応用としては、書状に印刷された郵便番号記入枠を初めとする様々な赤色領域を用いて、たとえば、書状の向きや文字が存在する領域を検知する処理などがあげられる。
【0066】
なお、赤色領域以外の特定色領域の抽出に本発明を適用可能なことはいうまでもなく、たとえば、様々な部品を撮像した部品画像中の特定色の部品の位置を検出するなどの応用も可能である。
【0067】
以上説明したように上記実施の形態によれば、以下のような作用効果が期待できる。
(1)本発明を書状画像に適用した場合、書状画像の濃度ヒストグラムの特徴を用いて、背景部分を代表する濃度、書状地部分を代表する濃度、および、宛名ラベルを代表する濃度をそれぞれ求め、これらの各濃度によって定まる濃度変換を行なうことによって、赤色領域抽出の性能を向上することができる。
【0068】
(2)上記濃度変換を行なったことによって、抽出対象の特定色が存在する対象物体の色の濃さの違いによる許容度を広くできる。たとえば、書状画像に適用した場合には、書状地の色の濃さの違いに対する許容度が広がるとともに、宛名ラベル上の赤色領域をも確実に検出できるようになる。
【0069】
(3)太め処理を一方向だけでなく、2次元的に行なうため、位置ずれに対する許容度を大きくできる。
(4)特定色領域の抽出で、2値化の際に加えるオフセットの値を、対象物体の濃度の標準偏差と濃度変換の際の拡大率とに応じて可変したことによって、抽出対象の特定色が含まれている対象物体の表面の色の濃さの違い、地肌部分の濃度のばらつきに対する許容範囲を大きくできる。たとえば、書状画像に適用した場合、2値化の際に加えるオフセットの値を濃度変換の際の拡大率および書状地濃度の標準偏差に応じて可変したことによって、書状地の色の濃さの違い、書状地濃度のばらつきに対する許容範囲を大きくできる。
【0070】
(5)特定色領域除去画像作成の際に、置換する値として近傍の画素の濃度、あるいは、あらかじめ定めた近傍画素を代表する濃度を用いたため、特定色除去画像の品質を向上できる。たとえば、書状画像に適用し、紙特定色が赤色の場合、赤色領域除去画像作成部では、置換する値として近傍の書状地濃度、あるいは、書状地濃度の代表値を用いるため、赤色領域除去画像の品質を著しく向上できる。
(6)位置ずれ補正量検出部を設けたことによって、本装置の調整作業を簡易にするとともに、調整間隔を長くすることができるようになる。
【0071】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、特定色領域抽出の性能を向上することができるとともに、特定色領域が存在する対象物体の色や濃さの違いに対する許容度を大きくでき、かつ、位置ずれに対する許容度も大きくできる特定色領域抽出方式を提供できる。
また、本発明によれば、特定色領域除去画像の品質が著しく向上する特定色領域除去方式を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る特定色領域抽出方式および特定色領域除去方式が適用される特定色領域抽出装置の構成を示すブロック図。
【図2】対象物体である書状の画像例を示す図。
【図3】濃度検出部の説明に用いる原画像の濃度ヒストグラムを示す図。
【図4】濃度変換部の説明に用いる濃度変換後の画像の濃度ヒストグラムを示す図。
【図5】太め処理部の説明に用いる太め処理用マスクの一例を示す図。
【図6】太め処理部の説明に用いる太め処理による画素値の変化例を示す図。
【図7】標準偏差算出部における標準偏差の求め方を説明する図。
【図8】赤色領域抽出部の説明に用いるある走査線方向の階調値の変化の様子を示す図。
【図9】濃度変換に伴うノイズ成分の振幅の変化を説明する拡大率l倍の場合の図。
【図10】濃度変換に伴うノイズ成分の振幅の変化を説明する拡大率k倍の場合の図。
【図11】ずれの量と評価値の変化との関係を説明する図。
【図12】位置ずれ補正量検出部の処理を説明するフローチャート。
【図13】赤色領域除去画像作成部の説明に用いる赤色領域除去用マスクの一例を示す図。
【図14】赤色領域除去画像作成部の説明に用いる赤色領域除去処理による画素値の変化例を示す図。
【符号の説明】
11……書状(郵便物、対象物体)、12……赤色枠、13……宛名ラベル、14……背景部分、20,21…CCDカメラ(撮像手段)、22……A/D変換部、23……画像記憶部、24……濃度ヒストグラム作成部、25……濃度検出部、26……濃度変換部、27……太め処理部、28……標準偏差算出部、29……赤色領域抽出部、30……位置ずれ補正量検出部、31……赤色領域除去画像作成部、32……画像出力部、33……処理制御部。
Claims (14)
- 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成し、この作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出し、この検出した各濃度を濃度拡張範囲の下限値および上限値として、前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出することを特徴とする特定色領域抽出方式。
- 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像の各画素の濃度に対し、あらかじめ定めた濃度拡張範囲の下限値および前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分の代表濃度を用いて、その明部分の代表濃度が最大の階調値に、下限値が最小の階調値になり、下限値と前記明部分の代表濃度との間の階調値は最小の階調値と最大の階調値との間に等間隔で分布するように、また、前記明部分の代表濃度よりも大きい階調値は最大の階調値に、下限値未満の階調値は最小の階調値になるような濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出することを特徴とする特定色領域抽出方式。
- 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像の各画素の濃度に対し、あらかじめ定めた濃度拡張範囲の下限値、および、前記対象物体の表面にその対象物体よりも明るい明部分が存在する場合にはその明部分の代表濃度、前記明部分が存在しない場合には前記対象物体を代表する濃度を用いて、その明部分の代表濃度あるいは前記対象物体の代表濃度が最大の階調値に、下限値が最小の階調値になり、下限値と明部分の代表濃度あるいは前記対象物体の代表濃度との間の階調値は最小の階調値と最大の階調値との間に等間隔で分布するように、また、前記明部分の代表濃度あるいは前記対象物体の代表濃度よりも大きい階調値は最大の階調値に、下限値未満の階調値は最小の階調値になるような濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出することを特徴とする特定色領域抽出方式。
- 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像の各画素の濃度に対し、あらかじめ定めた濃度拡張範囲の下限値と第1の特定値および第2の特定値を用いて、その第1の特定値が第2の特定値に、下限値が最小の階調値になるような線形変換であって、変換後の値が最大の階調値を越える場合には最大の階調値に、最小の階調値を下回る場合には最小の階調値になるような濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出することを特徴とする特定色領域抽出方式。
- 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像の各画素の濃度に対し、あらかじめ定めた濃度拡張範囲の下限値および前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分の代表濃度を用いて、その明部分の代表濃度が最大の階調値に、下限値が最小の階調値になり、下限値と前記明部分の代表濃度との間の階調値は最小の階調値と最大の階調値との間に等間隔で分布するように、また、前記明部分の代表濃度よりも大きい階調値は最大の階調値に、下限値未満の階調値は最小の階調値になるような濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素に対して、あらかじめ定めた近傍領域に含まれる画素のうちで最小の画素値に置換することにより、前記第2の画像中の局所的に階調値が小さい部分を太める太め処理を行ない、この太め処理後の第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出することを特徴とする特定色領域抽出方式。
- 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、
この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、
この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、
この濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、
この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段と、
を具備したことを特徴とする特定色領域抽出方式。 - 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、
この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、
この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、
この濃度検出手段で検出した前記対象物体の代表濃度および前記濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムを用いて前記対象物体の代表濃度の標準偏差を求める標準偏差算出手段と、
前記濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、
この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素値から、前記濃度変換手段による変換の際の倍率および前記標準偏差算出手段によって算出された標準偏差によって定まる値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段と、
を具備したことを特徴とする特定色領域抽出方式。 - 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、
この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、
この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、
この濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、
この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素に対して、あらかじめ定めた近傍領域に含まれる画素のうちで最小の画素値に置換することにより、前記第2の画像中の局所的に階調値が小さい部分を太める太め処理手段と、
この太め処理手段で太め処理した第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段と、
を具備したことを特徴とする特定色領域抽出方式。 - 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、
この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、
この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、
この濃度検出手段で検出した前記対象物体の代表濃度および前記濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムを用いて前記対象物体の代表濃度の標準偏差を求める標準偏差算出手段と、
前記濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、
この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素に対して、あらかじめ定めた近傍領域に含まれる画素のうちで最小の画素値に置換することにより、前記第2の画像中の局所的に階調値が小さい部分を太める太め処理手段と、
この太め処理手段で太め処理した第2の画像の各画素値から、前記濃度変換手段による変換の際の倍率および前記標準偏差算出手段によって算出された標準偏差によって定まる値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段と、
を具備したことを特徴とする特定色領域抽出方式。 - 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、
この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、
この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、
この濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、
この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素に対して、あらかじめ定めた近傍領域に含まれる画素のうちで最小の画素値に置換することにより、前記第2の画像中の局所的に階調値が小さい部分を太める太め処理手段と、
この太め処理手段で太め処理した第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段と、
この特定色領域抽出手段において、あらかじめ行なう画素間の対応づけを定める際に用いる位置ずれ補正量を、複数の異なる対応づけに対して特定色領域の抽出を行ない、それぞれの場合に抽出された特定色領域の画素数を比較し、最も画素数が少なかった場合の画素の対応づけを選択することによって検出する位置ずれ補正量検出手段と、
を具備したことを特徴とする特定色領域抽出方式。 - 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、
この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、
この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、
この濃度検出手段で検出した前記対象物体の代表濃度および前記濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムを用いて前記対象物体の代表濃度の標準偏差を求める標準偏差算出手段と、
前記濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、
この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素に対して、あらかじめ定めた近傍領域に含まれる画素のうちで最小の画素値に置換することにより、前記第2の画像中の局所的に階調値が小さい部分を太める太め処理手段と、
この太め処理手段で太め処理した第2の画像の各画素値から、前記濃度変換手段による変換の際の倍率および前記標準偏差算出手段によって算出された標準偏差によって定まる値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段と、
この特定色領域抽出手段において、あらかじめ行なう画素間の対応づけを定める際に用いる位置ずれ補正量を、複数の異なる対応づけに対して特定色領域の抽出を行ない、それぞれの場合に抽出された特定色領域の画素数を比較し、最も画素数が少なかった場合の画素の対応づけを選択することによって検出する位置ずれ補正量検出手段と、
を具備したことを特徴とする特定色領域抽出方式。 - 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成し、この作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出し、この検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値からあらかじめ定めた値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出するものにおいて、
前記第2の画像中の前記抽出された特定色領域に対応する部分の画素値を、あらかじめ定めた近傍の画素の濃度のうちで、前記対象物体を代表する濃度からあらかじめ定めた範囲内であるものの平均値で置換することによって、前記第2の画像から特定色領域の部分を除去した画像を得ることを特徴とする特定色領域除去方式。 - 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込み、この取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成し、この作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出し、この検出した前記対象物体の代表濃度および前記作成した濃度ヒストグラムを用いて前記対象物体の代表濃度の標準偏差を求めるるとともに、前記検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行ない、この濃度変換後の前記第2の画像の各画素値から、前記濃度変換による変換の際の倍率および前記算出された標準偏差によって定まる値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出するものにおいて、
前記第2の画像中の前記抽出された特定色領域に対応する部分の画素値を、あらかじめ定めた近傍の画素の濃度のうちで、前記対象物体を代表する濃度からあらかじめ定めた範囲内であるものの平均値で置換することによって、前記第2の画像から特定色領域の部分を除去した画像を得ることを特徴とする特定色領域除去方式。 - 特定色領域を有する対象物体の画像を撮像することにより、特定色領域の存在する第1の画像と特定色領域の存在しない第2の画像とをそれぞれ取込む取込手段と、
この取込手段で取込んだ第1の画像および第2の画像について、各階調ごとの画素数を表わす濃度ヒストグラムを作成する濃度ヒストグラム作成手段と、
この濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムに対して適当なスケールの平滑化を行なった後の濃度ヒストグラムにおいて、その極大値のうちで対応する濃度が最小のものの濃度を前記対象物体の背景部分を代表する濃度として検出し、前記極大値のうちで最大のものの濃度を前記対象物体を代表する濃度として検出し、前記極大値を与える階調値で前記対象物体を代表する濃度よりも大きいものを前記対象物体の表面に存在する前記対象物体よりも明るい明部分を代表する濃度として検出する濃度検出手段と、
この濃度検出手段で検出した前記対象物体の代表濃度および前記濃度ヒストグラム作成手段で作成した濃度ヒストグラムを用いて前記対象物体の代表濃度の標準偏差を求める標準偏差算出手段と、
前記濃度検出手段で検出した各濃度を用いて前記第1の画像および第2の画像に対してそれぞれ濃度変換を行なう濃度変換手段と、
この濃度変換手段で濃度変換された前記第2の画像の各画素値から、前記濃度変換手段による変換の際の倍率および前記標準偏差算出手段によって算出された標準偏差によって定まる値を引いた値を閾値として、前記第2の画像の画素にあらかじめ対応づけられた前記濃度変換後の第1の画像の画素値を2値化することによって、前記対象物体中の特定色領域を抽出する特定色領域抽出手段と、
前記第2の画像中の前記特定色領域抽出手段で抽出された特定色領域に対応する部分の画素値を、あらかじめ定めた近傍の画素の濃度のうちで、前記対象物体を代表する濃度からあらかじめ定めた範囲内であるものの平均値で置換することによって、前記第2の画像から特定色領域の部分を除去した画像を作成する特定色領域除去画像作成手段と、
を具備したことを特徴とする特定色領域除去方式。
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JPS58161574A (ja) * | 1982-03-19 | 1983-09-26 | Fuji Xerox Co Ltd | 色分離回路 |
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